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JP6006922B2 - ポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物及び透明フィルム - Google Patents
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JP6006922B2 - ポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物及び透明フィルム - Google Patents

ポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物及び透明フィルム Download PDF

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Description

本発明は、特にフィルム等のプラスチック製品を製造する際に使用されるポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物に関する。
近年、様々なプラスチック製品が日常生活において膨大な量使用されている。その結果、これらプラスチック製品の使用後の処理などを含め、自然環境保護の見地から問題が発生している。例えば、スーパーマーケット等で使用される包装用のトレイ、買い物袋、水切りネット、苗木用ポット等は、押出成形法によって形成される。これらの使い捨てプラスチック材料は、家庭や事業所からゴミとして膨大な量が日常的に排出されている。これらの多くは焼却により廃棄されているのが現状である。ところで、これらの多くには化石資源由来の汎用プラスチック、主にポリオレフィン系樹脂が使用されている。
また、従来からこれらのプラスチック材料は、燃焼カロリーが高く焼却炉を傷めるという問題がある。同時に、最近、これらのプラスチック材料が完全焼却された場合、物質中の炭素がCOとして一気に放出され、地球温暖化の要因として問題になっている。
この問題を解決する手段として、ここ十数年、炭酸カルシウム等の無機物をポリオレフィン系樹脂中に数十%添加して、発熱量を低減させる手段が採られてきた。しかし、添加した無機物が灰として残留してしまうことは、逆に埋立処理とも絡んで問題視されるようになってきている。また、COの発生の点ではなんら解決には至っていない状況である。
その解決策として、燃焼させた時の発熱量を小さくすることができ、しかも燃焼灰分として大量の残渣を残さない材料が求められている。その一つとして、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂、または不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂と未変性ポリオレフィン樹脂との混合物及びデンプン系材料を含有するポリオレフィン−デンプン系成形用組成物が提案されている(特許文献1)。このポリオレフィン−デンプン系成形用組成物は、加工性、熱流動性及び光分解性に優れ、実用上十分な機械的強度を有することを特徴としている。
また、ポリオレフィン−デンプン系成形用組成物以外の対策として、ポリ乳酸樹脂に不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂を含有するポリ乳酸−変性ポリオレフィン系樹脂組成物が提案されている(特許文献2,3)。これらのポリ乳酸−変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、強度、耐衝撃性に優れ、且つ生分解性を有することを特徴としている。
ところで、上記の様なポリオレフィン−デンプン系組成物を、一般的なフィルム用途に使用した場合、組成物中にデンプン系が含有されるため、ゴミとして廃棄され焼却処分された際、燃焼時のカロリー低減、灰分残渣の問題は解決される。しかし、以下のような問題がある。
(1)組成中にデンプン系が含有されている影響で、成形時の「焼け」、「臭気」、「ガス発生」等の要因があるため、成形時の温度制御に注意しなければならない。
(2)組成中にデンプン系が含有されている影響で、成形時の温度制御を注意しても、デンプン系組成は、成形の際の熱影響を受けて変色が起こり、透明なフィルムを得ることができない。
(3)家庭や事業所から発生するゴミの回収袋としては適している。しかし、組成中にデンプン系組成が含有されているため、直接口にするような食品の梱包フィルムには適さない。
上記問題点を解決するため、本出願人は先にポリオレフィン系樹脂にポリ乳酸を数十%添加したポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物の成型品を提案した(特許文献4)。特許文献4によれば、機能性は従来のポリオレフィン系樹脂製系品と同等の機械的特性と品質性を兼ね備え、なお且つ、廃棄処理の際のCO発生量を抑制することができる。
こうしたポリ乳酸/変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリ乳酸の含有率が多いために自然環境下で完全に分解可能である。従って、使用後にゴミとして廃棄する場合、従来の焼却廃棄とは別に埋立廃棄を有利に利用することができる。しかし、以下の問題がある。
(4)樹脂成分がポリ乳酸、変性ポリオレフィンの2成分であり、各々の樹脂価格は、オレフィン系樹脂価格の2.5〜10倍と価格が高い。従って、廃棄処理の点では有効であるが、製品価格のコストアップ要因を含んでいる。
(5)成形に際して各々の樹脂をいったん2軸押出混練機にて混練して溶融押出し、スライド化、ペレタイズ化したものを主原料としなければならないため、主原料の更なるコストアップ化の要因を含んでいる。
特開平6−340771号公報 特開2001−123055号公報 特開平9−316310号公報 特開2007−308638号公報
本発明はこうした事情を考慮したもので、ポリオレフィン/デンプン系組成物で成形を行った際の上記問題点(1)〜(3)と、ポリ乳酸/変性ポリオレフィン系樹脂組成物で成形を行った際の上記問題点(4)、(5)を克服し、ポリ乳酸の特徴である剛性を生かし、かつ耐衝撃性に優れ、成形性、及び高い機械的強度を有する低コストのポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物を提供することを目的とする。
本発明のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物は、ポリ乳酸樹脂4.5〜30質量%と、ポリオレフィン樹脂25〜93.0質量%と、変性ポリオレフィン化合物2.5〜45質量%とからなる総量が100質量%のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物であって、前記ポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂と、前記高密度ポリエチレン樹脂100質量%に対して5〜15質量%の線状低密度ポリエチレン樹脂とからなり、前記変性ポリオレフィン化合物はエチレン−グリシジルメタクリレートコポリマー、又はエチレン−グリシジルメタクリレートターポリマーであり、前記変性ポリオレフィン化合物は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.25倍以上1.5倍未満含有されており、前記ポリオレフィン樹脂は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.91倍以上20.7倍以下含有されていることを特徴とする。
本発明によれば、ポリ乳酸樹脂の特徴である剛性を生かし、かつ耐衝撃性に優れ、成形性、高い機械的強度を有する低コストのポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物が得られる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明において、ポリ乳酸樹脂は、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ等の植物デンプンを乳酸化、重合化された樹脂で、その構造はL−乳酸、D−乳酸、L−乳酸及びD−乳酸由来のモノマー単位のみで構成されているポリマーを指す。ポリ乳酸樹脂を、植物デンプンを乳酸化、重合化して得られた樹脂とすることにより、COの発生量を1.5〜10%の割合で抑制することができる。
ポリ乳酸樹脂の製造は、既知の任意の重合方法を採用することででき、最も代表的な方法としては、乳酸の無水環状2量体であるラクチドを開環重合する方法(ラクチド法)であるが、乳酸を直接縮合重合しても構わない。
ポリ乳酸樹脂が、L−乳酸樹脂,又はD−乳酸樹脂,あるいはL−乳酸樹脂及びD−乳酸樹脂に由来するモノマー単位からなる場合、重合体は結晶性で高融点を有する。また、L−乳酸樹脂、D−乳酸樹脂由来のモノマー単位の比率(以下、L/Dと呼ぶ)を変化させることにより、結晶性・融点を自在に調整することができる。これらのポリ乳酸樹脂としては、例えば三井化学(株)製の商品名:LACEA及びネイチャーワークス、トヨタ自動車(株)製の商品名:Eco Plastics U’z、淅江海生生物材料股▲ふん▼有限公司製の商品名:REVOOEが市販されており、本発明においてはいずれの樹脂を使用してもよい。
前記ポリ乳酸樹脂の添加量は、4.5〜30質量%であるが、より好ましくは、使用の際に十分な機械的特性に優れ、かつCO削減効果に寄与することから10〜20質量%である。ここで、ポリ乳酸樹脂の添加量が4.5質量%未満の場合、オレフィン系樹脂の含有量が多いため、機械的特性は十分に保たれて、酸素透過率も高い効果が得られる。しかし、微生物による崩壊性を付与することができなく、燃焼カロリーの低減効果も認められない。また、CO削減効果も1.0%以下と少なく、好ましくない。一方、ポリ乳酸樹脂の添加量が30質量%を越えると、微生物による崩壊性効果に寄与するが、硬くて脆いフィルムが得られ、酸素透過率の低下を招く。また、フィルム質感が硬いため、成形の際に折れジワ等が発生し、安定な成形ができないという問題が生じる。
本発明において、ポリオレフィン樹脂としては種々のものが使用でき、例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレン(以後、HDPEと呼ぶ)、線状低密度ポリエチレン(以後、LLDPEと呼ぶ)、低密度ポリエチレン(以後、LDPEと呼ぶ)、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン等のモノオレフィンポリマーあるいはエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ピロピレンコポリマー、エチレン−塩化ビニルコポリマー、プロピレン−塩化ビニルコポリマー又はこれらのポリマーの混合物が好適に挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂の添加量は25〜93.0質量%であるが、より好ましくは、ポリ乳酸の特徴をいかしつつ、CO削減効果と燃焼カロリーの低減効果に寄与することから50〜75質量%である。ここで、ポリオレフィン系樹脂の添加量が25質量%未満の場合、ポリ乳酸の特徴が強く、CO削減効果は著しく大きく、生分解性・崩壊性の効果や透明性に優れたフィルムを得ることができる。しかし、ポリ乳酸の特徴が強く影響するため硬くて脆いフィルムが得られ、耐衝撃性試験においても10回以下で破損し、フィルム用途に適しないという問題が生じる。一方、ポリオレフィン樹脂の添加量が93.0質量%を超えると、ポリオレフィン樹脂含有が多い影響でヒートシール強度値も高い値を示す。また、耐衝撃性においては30回以上の衝撃を与えても底抜けや本体からの裂けも起り難い,機械的特性に優れたフィルムを得ることができる。しかし、燃焼カロリーの低減効果は得られない。
前記ポリオレフィン樹脂は、1種類のみならず、2種類以上混合して用いてもよい。例えば、ポリオレフィン樹脂の一種であるポリエチレン樹脂を例にとると、ポリエチレン樹脂の種類はHDPE,LLDPE,LDPEの3種類に分類される。JIS規格:K6922−1(プラスチック ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料)によれば、密度及びメルトフローレート等の品質項目で3種16類に分類され、比重0.942以上がHDPE、比重0.91以上0.93未満がLDPEに分類される。
LLDPEは、エチレンと若干量のα-オレフィンを共重合させた熱可塑性樹脂に属する合成樹脂で、JISK6899−1:2000において密度0.910以上0.925未満の直鎖状ポリエチレンコポリマーと定義されている。LLDPEは、別名直鎖状低密度ポリエチレンとも呼称されている樹脂である。また、LLDPEは、耐熱性も高く(約125℃)、HDPEとLDPEの中間に当る樹脂である。一般的に家庭でよく使用されているゴム袋はHDPE,LLDPEをベースに成形され、スーパー等で使用されているショッピングバッグはHDPEをベースに成形されている。しかし、成形や機械特性の点で問題がないようであれば、HDPE,LLDPE,LDPEを任意の割合で添加し、用途に適合した成形を行ってもよい。
本発明において、ポリオレフィン樹脂はポリエチレン樹脂であり、このポリエチレン樹脂はポリ乳酸樹脂に対して0.91倍以上20.7倍以下含有されていることが好ましい。ここで、ポリエチレン樹脂が0.91倍未満では、ポリオレフィン樹脂の添加量が多くなり、樹脂同士の相溶化性は良くなるが、変性ポリオレフィンの添加量が増加するためコスト高となる。また、20.7倍を超えると、ポリエチレン樹脂の添加量が多くなり、ポリオレフィン樹脂の添加量が少なくなるので、樹脂同士の相溶化性が悪くなり、フィルム表面にムラなどが発生して均一なフィルムが得られない。
本発明において、ポリ乳酸/HDPE組成物を例にとると、HDPE100質量%に対して5〜15質量%のLLDPEを添加することが好ましい。この場合のLLDPEは、メタロセンポリエチレンと言われる組成が相溶性もよく、機械的特性も遜色ないものが得られる。ここで、LLDPEが5質量%未満の場合、主ベース(HDPE)の特性が強くなり、引張強度や衝撃強さに優れるが、不透明に近いフィルムしか得られない。また、LLDPEは15質量%を超えた場合、HDPEの特徴が失われるため、機械的特性と用途に適した割合で添加するのが望ましい。なお、メタロセンポリエチレンとは、メタロセン触媒(カミンスキー触媒)を用いて重合したポリマーのことで、LLDPEの1種である。ここで、メタロセン触媒は二塩化ジルコノセンとメチルアルミノキサンを組み合わせたもので、エチレンに対して高い重合活性を示すとともに、活性点が均一であるという特徴を持つ。
また、メタロセンポリエチレンは、HDPEやLDPE,LLDPEと一般的に言われる組成品と比較すると、コストが高く、添加量が多くなるとコストが割高になるため、添加量は主ベース(組成比の高い成分のもの)の100質量%に対して5〜15質量%が望ましい。
本発明において、変性ポリオレフィン系化合物としては、以下の(1)〜(6)の共重合体が挙げられる。
(1)α−オレフィンとアクリル酸エステルの共重合体に(メタ)アクリル酸エステルもしくはスチレンをグラフト重合させた共重合体。
(2)α−オレフィンと酢酸ビニル共重合体に(メタ)アクリル酸エステルもしくはスチレンをグラフト重合させた共重合体。
(3)α−オレフィンとエチレン性不飽和結合を有するグリシル基含有単量体との共重合体。
(4)α−オレフィンとエチレンとアクリル酸エステル及び酸無水物をグラフト重合させた共重合体。
(5)α−オレフィンとエチレン−プロピレン共重合体にマレイン酸をグラフト重合させた共重合体。
(6)エチレンとエチレン以外のα−オレフィンからなるエチレン系共重合体不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重合させた共重合体。
上述した共重合体におけるα−オレフィンとしては、エチレン、ピロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1が挙げられるが、エチレン、ピロピレンが好ましい。
上述したエチレン性不飽和結合を有するグリシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸ジグリシジル、メタクリル酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル類、またはビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエステル、グリシジルオキシエチルエーテル類が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルが挙げられるが、耐衝撃改質剤としてはメタクリル酸メチルが特に好ましい。
前記変性オレフィン化合物としては、以下の(1)〜(7)のものが挙げられる。
(1)(エチレン+無水マレイン酸)グラフト共重合体(商品名:アドマー、三井化学(株)製)
(2)α−エチレン−プロピレン共重合体(商品名:タフマー、三井化学(株)製))
(3)エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体グラフト化PMMA(商品名:モディバーA4200、日本油脂(株)製)
(4)エチレン−エチルアクリレート共重合体グラフト化PMMA(商品名:モディバーA5200、日本油脂(株)製)
(5)エチレン−酢酸ビニル共重合体グラフト化PMMA(商品名:モディバーA6200、日本油脂(株)製)
(6)エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体化PMMA(商品名:モディバーA8200、日本油脂(株)製)
(7)エチレン-グリシジルメタクリレートコポリマー及びターポリマー(商品名:ボンドファースト、住友化学(株)製)
前記変性ポリオレフィン系化合物の添加量は2.5〜45質量%であるが、より好ましくは、フィルム表面の樹脂ムラや光沢性に寄与する点から5〜20質量%である。ここで、変性ポリオレフィン系化合物の添加量が2.5質量%未満の場合、添加による物性の向上及び相溶性の効果が認められない。
一方、変性オレフィン系化合物の添加量が45質量部を越えると、ポリ乳酸樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性効果が認められる。しかし、全体的にポリオレフィン系化合物の含有率が増し、生物体をエネルギー源又は工業原料として利用した植物由来の効果を奏することができなく、変性ポリオレフィン系化合物の原料価格がポリオレフィン系樹脂と比較すると2.5倍以上高い。また、変性ポリオレフィン系化合物の転化率が増加すると、成形品のコストアップとなるという問題が生じる。
本発明において、変性ポリオレフィン化合物は、ポリ乳酸樹脂に対して0.25倍以上1.5倍未満含有されている。ここで、変性ポリオレフィン化合物が0.25倍未満では、前記化合物を用いてフィルム等のプラスチック成形品を製造した場合、フィルム表面に樹脂ムラが生じる。また、部分的に層間剥離が見受けられてフィルム表面に光沢性が見受けられないなどの問題が生じる。更に、CO削減率(%)は0.25倍以下となり、本発明に見出されたCO削減率(%)を満たすことができなくなる。一方、変性ポリオレフィン化合物がポリ乳酸樹脂に対して1.5倍以上の場合、フィルム表面に樹脂ムラは見受けられず相溶性の点では好ましいが、折れジワが部分的に発生する。
本発明において、特に限定するものではないが、成形の際に開口性や原反滑り性等の問題があるようであれば、必要に応じて可塑剤を添加しても構わない。
可塑剤は、ポリ乳酸や変性ポリオレフィン等全てに対する相溶性及び可塑化能の点から、脂肪族二塩基酸エステル系、フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル系、ギリコール酸誘導体、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導体、アルキル燐酸エステル系、ジアルキレーテル系、ジエステル系、トリカルボン酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系、スルホン酸アミド系、エーテルエステル系、ソベンソエート系、ポリグリコールジエステル、アルキルアルキレーテルジエステル、脂肪酸エステル、アルキレーテルモノエステル、クエン酸エステル可塑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種類以上からなることが好ましい。
本発明において、必要に応じて、顔料、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、艶消剤、劣化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、滑剤、結晶核剤、金属粉、無機フィラー、カーボンブラック、増粘剤、粘土安定剤等を任意の割合で添加することができる。
本発明に係るポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物を得るには、一般的なフィルム成形法であるインフレーション法、Tダイ法、二軸延伸フィルム成形体の代表的な成形法である射出成形法,ブロー成形法や水切りネットに見られる押出ネットの成形法等の成形方法が挙げられるが、以下においては一般的なフィルム成形法に基づいて説明を行う。
本発明において、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系化合物等の混合方法や混合装置は、特に限定されないが、連続的に処理できるものが工業的には有利で好ましい。例えば、次の(1)、(2)の方法がある。
(1)2種類以上のペレットを所定比率で混合し、そのままインフレーション法、Tダイ法、二軸延伸フィルム等の押出成形機のホッパー内に樹脂を投入し、溶融させ、直ちに成形する方法。
(2)夫々の樹脂を2軸押出機の成形機にて溶融混合した後、一旦ペレット化し、このペレットをインフレーション法、Tダイ法、二軸延伸フィルム等の押出機のホッパー内に投入し、溶融させ、成形する方法。
前記(1)の混合方法は、樹脂の熱劣化を少なくすることができ、工程的にも一括して成形を行えることができるため、成形におけるコストアップも殆どない。前記(2)の混合方法は、フィルム等の成形を行う前に一旦溶融押出にてペレット化を行うため、ポリマーの劣化、変質を実質的に防ぐ必要があり、更に成形品を得るに当たってペレット成形品と工程が2工程に分けて行う必要がある。従って、成形におけるコストアップにつながる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
ポリ乳酸(商品名:LACEA-400、三井化学(株)製)例えばPLA(Eco plastic U'zB-2)10質量%、ポリオレフィン系樹脂(商品名:ノバテックHF-730、日本ポリエチレン(株)製)例えば高密度ポリエチレン(以後、HDPEと呼ぶ)90質量%をドライブレンド法にて溶融混合し、インフレーション成形機を用いてブロー比2.5倍、厚み25μmのフィルムを製膜した。このときの成形温度は150〜200℃、室内温度は25℃で一定に保持した。
(比較例2)
ポリ乳酸(商品名:LACEA-400、三井化学(株)製)例えばPLA 2.5質量%、ポリオレフィン系樹脂(商品名:ノバテックHF-730、日本ポリエチレン(株)製例えば高密度ポリエチレン(以後、HDPEと呼ぶ)95.0質量%、変性ポリオレフィン(商品名:ボンドファースト、住友化学(株)製)例えばE−GMA 2.5質量%をドライブレンド法にて溶融混合し、インフレーション成形機を用いてブロー比2.5倍、厚み25μmのフィルムを製膜した。このときの成形温度は150〜200℃、室内温度は25℃で一定に保持した。
(実施例1)
ポリ乳酸(商品名:LACEA-400、三井化学(株)製)例えばPLA 4.5質量%、ポリオレフィン系樹脂(商品名:ノバテックHF-730、日本ポリエチレン(株)製)例えばHDPE 93.0質量%、及び変性ポリオレフィン(商品名:ボンドファースト、住友化学(株)製)例えばE−GMA 2.5質量%をドライブレンド法にて溶融混合し、インフレーション成形機を用いてブロー比2.5倍、厚み25μmのフィルムを製膜した。このときの成形温度は150〜200℃、室内温度は25℃で一定に保持した。
(比較例3)
実施例1と比較して、ポリ乳酸(PLA)を2.5質量%、ポリオレフィン系樹脂(HDPE)を97.0質量%、変性ポリオレフィン(E−GMA)を0.5質量%添加した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
(実施例2)
実施例1と比較して、ポリ乳酸(PLA)を10質量%、ポリオレフィン系樹脂(HDPE)を85質量%、変性ポリオレフィン(E−GMA)を5質量%添加した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
(実施例3)
実施例1と比較して、ポリ乳酸(PLA)を30.0質量%、ポリオレフィン系樹脂(HDPE)を27.5質量%、変性ポリオレフィン(E−GMA)を42.5質量%添加した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
(実施例4)
ポリ乳酸(商品名:LACEA-400、三井化学(株)製)例えばPLA 10質量%、ポリオレフィン系樹脂(商品名:ノバテックHF-730、日本ポリエチレン(株)製)例えばHDPE 80質量%、オレフィン系樹脂(商品名:エボリューSP2520、日本ポリエチレン(株)製)例えばメタロセン線状低密度ポリエチレン(以後、メタロセンLLDPEと呼ぶ) 5質量%、及び変性ポリオレフィン(商品名:ボンドファースト、住友化学(株)製)例えばE−GMA 5質量%をドライブレンド法にて溶融混合し、インフレーション成形機を用いてブロー比2.5倍、厚み25μmのフィルムを製膜した。このときの成形温度は150〜200℃、室内温度は25℃で一定に保持した。
(比較例4)
比較例2と比べ、ポリ乳酸(PLA)を35.0質量%、ポリオレフィン系樹脂(HDPE)を12.5質量%、変性ポリオレフィン(E−GMA)を52.5質量%添加した以外は、比較例2と同様にしてフィルムを製膜した。
(比較例5)
ポリオレフィン系樹脂(商品名:ノバテックUF421、日本ポリエチレン(株)製)例えばLLDPE 100重量%を、インフレーション成形機を用いてブロー比2.5倍、厚み25μmのフィルムを製膜した。
前記実施例1〜4、比較例1〜5の材料を、夫々後述する評価項目及び評価方法で比較評価した。その結果を下記表1、表2に示す。
(評価項目及び評価方法)
(1)加工性
加工性は、実施例に基づいて成形を行う。相溶性、連続成形における吐出量安定性、製膜安定性、フロストラインの安定性、巻取り安定性、並びにフィルム開口性やシワや透明性の成形品状態を目視にて確認した。
(2)比重
比重は、JIS−K−7112記載のプラスチックの密度と比重の測定方法に準拠して測定を行った。
(3)融点
融点は、JIS−K−7121記載の熱分析測定法に準拠した示差熱分析装置((株)島津製作所製のDSC−50型)で測定を行った。
(4)引張破断強度及び引張破断伸度
引張破断強度及び引張破断伸度は、JIS−K−1702記載の引張試験法に準拠して測定を行った。試験片はJIS−K−7127に記載されている4号形試験片形状を用いた。
(5)引裂強度
引裂強度は、JIS−K−7128法(直角形引裂法)記載の引裂試験法に準拠して測定を行った。
(6)ヒートシール強度
ヒートシール強度は、JIS−Z−1711記載のヒートシール強度測定法に準拠して測定を行った。なお、測定試験片は、一般的な製袋機にて温度200℃、ショット数50枚/minの条件で製袋加工した袋のシール部を測定した。前記ヒートシール強度は、前記引張破断強度,引張破断伸度,引裂強度とともに機械的強度を確認するための指標となる。
(7)耐衝撃性
任意の大きさの袋状に製袋加工した後、全容積量の1/2容量の水を入れ、上下に激しく振動させて底抜けや袋本体からの裂け性等の状態を確認した。なお、実施例3の耐衝撃性は15回以上であるが、十分に使用に耐えうるものであった。
(8)燃焼カロリー
検討に使用した原材料の燃焼カロリー、ポリ乳酸19KJ/g、ポリエチレン46KJ/g、変性ポリオレフィン46KJ/gより、理論的に下記の式より算出した。
燃焼カロリー(KJ/g)=19×X+46×Y+46×Z/100
但し、X:ポリ乳酸樹脂の質量部、Y:オレフィン系樹脂の質量部、
Z:変性ポリオレフィン化合物の質量部
(9)燃焼時のCO発生量
燃焼時のCO発生量は、実施例、比較例で成形したフィルム1kg当りのCO発生量を算出した。算出方法は、「Health Digest.14(1).1(1999、小原仁実著)」より、「プラスチックが酸化分解時に発生するCO量(化学構造由来分)」に記載されているCO発生量の計算法に基づき算出した。計算法は次の通りである。
CO発生量(kg−CO/kg−Resin)
=(化石資源由来の成分量)×3kg/CO+(バイオマス由来の成分量)×2kg/CO
更に、「Health Digest.14(1).1(1999、小原仁実著)」の「プラスチックが酸化分解時に発生するCO量(化学構造由来分)」によれば、LLDPE,LDPE,HDPE等のポリエチレンの燃焼時のCO発生量は、1kg当りに対して3.0kgであることから、実施例1〜5、比較例1〜5で得られた成形品の1kg当りのCO発生削減率(%)を、次の計算式より算出した。
CO発生削減率(%)
=100−{(実施例、比較例組成のCO発生/3.0kg/CO)×100}
上記実施例1〜4は、本発明を実施するのに必要な条件であるポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系化合物の組合せによる3成分を含み、ポリ乳酸樹脂が4.5〜30質量%、ポリオレフィン樹脂が25〜93.0質量%、変性ポリオレフィン化合物が2.5〜45質量%であり、ポリ乳酸樹脂に対して変性ポリオレフィン系化合物が0.25倍以上1.5倍未満含まれており、且つ、総量が100質量%で製膜するという条件に従って製作されている。
表1,2の結果により、上記実施例1〜4は、植物由来の樹脂成分を含んだバイオマス型フィルムの成形が安定している他に、機械的強度、耐衝撃性に優れ、CO削減も達成できることが明らかである。
一方、ポリ乳酸樹脂に対して変性ポリオレフィン系化合物が0.25倍未満含まれた比較例1は、吐出量安定性や製膜安定性は比較的良好な状況ではあるが、成形で得られたフィルム表面に樹脂ムラが見受けられ外観的にも好ましくなく、耐衝撃性は5回以下で破損が生じた。比較例2の場合は、フィルム表面の樹脂ムラが見受けられず、相溶性は良好であるが、CO削減効果が十分でない。比較例3の場合は、フィルム層間にて層間剥離現象が見受けられるとともに、フィルム表面の光沢性も見受けられず、本発明の植物由来の樹脂成分を含んだバイオマス型フィルムとしての特性を備えていない。また、比較例3では、耐衝撃性が10回以下で破損が生じ、CO削減効果も十分でなかった。
比較例4は、CO削減効果は大きいが、成形の際に部分的に折れジワが発生する傾向が見受けられ、ポリ乳酸樹脂成分の増加に伴い、変性ポリオレフィン化合物成分の割合も増加する傾向にあるため、原料コストがポリオレフィン樹脂価格に対して2.5倍以上と高くなる。また、比較例4では、耐衝撃性が10回以下で破損が生じた。比較例5の場合は、CO削減効果が全く得られない。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物はインフレーション法により成形する場合であるが、これに限定されない。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ポリ乳酸樹脂4.5〜30質量%と、ポリオレフィン樹脂25〜93.0質量%と、変性ポリオレフィン化合物2.5〜45質量%とを総量が100質量%となるように含有し、前記変性ポリオレフィン化合物は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.25倍以上1.5倍未満含有されていることを特徴とするポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。
[2]
前記ポリオレフィン樹脂はポリエチレン樹脂であり、このポリエチレン樹脂は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.91倍以上20.7倍以下含有されていることを特徴とする[1]記載のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。
[3]
前記ポリ乳酸樹脂は、植物デンプンを乳酸化、重合化して得られた樹脂であることを特徴とする[1]若しくは[2]記載のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸樹脂4.5〜30質量%と、ポリオレフィン樹脂25〜93.0質量%と、変性ポリオレフィン化合物2.5〜45質量%とからなる総量が100質量%のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物であって、
    前記ポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂と、前記高密度ポリエチレン樹脂100質量%に対して5〜15質量%の線状低密度ポリエチレン樹脂とからなり、
    前記変性ポリオレフィン化合物はエチレン−グリシジルメタクリレートコポリマー、又はエチレン−グリシジルメタクリレートターポリマーであり、
    前記変性ポリオレフィン化合物は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.25倍以上1.5倍未満含有されており、
    前記ポリオレフィン樹脂は前記ポリ乳酸樹脂に対して0.91倍以上20.7倍以下含有されていることを特徴とするポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。
  2. 前記ポリ乳酸樹脂は、植物デンプンを乳酸化、重合化して得られた樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。
  3. 前記線状低密度ポリエチレン樹脂は、メタロセンポリエチレンである請求項1又は2に記載のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリ乳酸/ポリオレフィン系組成物を含んだ透明フィルム。
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