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JP6007142B2 - 優れた接着性能を有する極性オレフィン系多元共重合体 - Google Patents
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JP6007142B2 - 優れた接着性能を有する極性オレフィン系多元共重合体 - Google Patents

優れた接着性能を有する極性オレフィン系多元共重合体 Download PDF

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Description

本発明は、優れた接着性能を有する極性オレフィン系多元共重合体に関し、詳しくは、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる非極性モノマー単位と、ノルボルネン骨格を有す極性モノマー単位と、任意に、他の極性モノマー単位とからなり、接着性が各段に向上された、多元系極性オレフィン共重合体に係わるものである。
ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィンは、樹脂材料の中で物性や成形性などの諸性質に優れ、経済性や環境問題適合性なども高く資源再利用性も備えているので、非常に汎用され、かつ重要な産業資材である。
しかしながら、ポリオレフィンは通常は、非極性であるため、他の材料との接着性や印刷適性、或はフィラーとの相溶性の物性などは十分ではなかった。
そこで、極性の高い異種材料との接着性を向上させるために、有機過酸化物を用いて極性基含有モノマーをグラフトする方法が広く行われているが、この方法では、グラフト化反応と並行してオレフィン系樹脂双方の分子間架橋、及びオレフィン系樹脂の分子鎖切断などが発生するため、グラフト変性物にオレフィン系樹脂の優れた物性が維持されないという問題が発生している。
また、接着性改良手段として共重合手法による極性官能基導入が検討されているが、従来、オレフィンと極性官能基を有するコモノマー(極性コモノマー)とを共重合する手段はラジカル重合法に限定されていた(特許文献1及び特許文献2)。その共重合体中には多くの分岐構造を有し、低弾性率かつ機械物性の低いコポリマーしか得ることができず、その応用範囲は限定的であった。
一方、従来一般に用いられているメタロセン触媒を用いた重合方法においては、エチレンと極性基含有モノマーを共重合させる際に、触媒重合活性が低下し共重合し難いとされていたが、近年、いわゆるポストメタロセンと称される、後周期遷移金属錯体触媒を用いた、オレフィンと極性コモノマーとの共重合により、分岐の少ない直線状コポリマーを製造し、諸物性を改良しようとする試みが精力的に進められている。
これまでに、極性コモノマーとして、アクリル酸エステル(特許文献3〜8)、アクリロニトリル(非特許文献1)、ビニルエーテル(非特許文献2)などが報告されている。ノルボルネン骨格を有する極性コモノマーを用いた共重合もまた報告されている(非特許文献3)が、本願発明者による評価の結果、それらの性能は不十分であった(特に接着性において、本願の実施例参照)。なお、ノルボルネン極性コモノマーによる多元共重合体の製法も報告されているが(特許文献9)、ラジカル重合触媒による、オレフィン含量の低い、アクリレート系共重合体の製造に限られている。
更に、極性基導入のために、特殊な反応助剤を多量に必要としたり、特異で複雑な反応経路を使用したり、特別の高価な不飽和モノマーを用いる方法なども多々提案されているが、いずれも製造工程が経済的でなく、ポリオレフィンの接着性の向上をもたらすものでもない。
以上の従来技術を鑑みれば、簡易で効率の良い重合法により製造され、機械的物性その他の諸物性を損なわずに、接着性能が十分に向上された、極性基含有オレフィン共重合体の開発が望まれているのは明白である。
特許第2792982号公報 特開平3−229713号公報 特表2002−521534号公報 特開平6−184214号公報 特開2008−223011号公報 特開2010−150246号公報 特開2010−150532号公報 特開2010−202647号公報 特表2009−535444号公報
K.Nozaki etal.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8948−8949. R.Jordan etal.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8946−8947. A.Sen etal.,Organometallics,2007,26,210−216.
本発明の解決すべき課題は、背景技術を踏まえて、簡易で効率の良い重合法により製造され、機械的物性その他の諸物性を損なわずに、接着性能が十分に向上された、極性基含有オレフィン共重合体を提供することである。
本発明者らは、上記した本発明の課題の解決を目指して、極性基含有オレフィン共重合体の製造において、簡易で効率的な製法による当共重合体の製造を図り、極性基の導入方法や重合触媒及び極性モノマーや多元モノマーなどの選択について、種々検証し探索した。
その結果、モノマー成分として特異な極性コモノマーを含む多元モノマーを選択し、そのうちの極性モノマー成分として、ノルボルネン骨格を有する極性コモノマーを含む多元共重合体が、上記の課題を解決することを見い出して、発明を完成するに至った。
また、特定構造の錯体を重合触媒に用いることで、上記の多元共重合体が容易に得られることをも見い出し、製法としての発明をも創生するに至った。
以上のとおり創作した本発明における、その特定構造を有する多元系極性オレフィン共重合体は、本発明の第一の発明(基本発明)を構成する新規な化合物であり、エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィン(非極性モノマー;X1)と、下記式で表わされる二種類以上のモノマーZ1及びZ2からなる多元共重合体である。(但し、X1、Z1、Z2として用いるモノマー単位の種類は3種以上である。)。なお、ここで「からなる」の表現は、上記の3種のモノマー以外のモノマーを排除するものではない。
Figure 0006007142
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本発明の上記の基本発明に追従する実施態様発明ないしは補足的な製法の発明である、下位の各発明の概略を順次記載すると、第2の発明はモノマーのZ1とZ2の量を特定し、第3の発明は共重合体の分子量を特定し、第4の発明はコポリマー1,000炭素当たりのメチル分岐度を特定し、第5の発明はX1を規定し、第6及び第7の発明はモノマーのZ1におけるT1とT2を規定し、第8の発明はモノマーのZ2を特定し、第9の発明はモノマーZ1とZ2とのモル比を規定し、第10及び第11の発明は共重合体のMw/Mnと融点を規定し、第12〜第14の発明は遷移金属触媒に係るものであり、第15の発明は共重合体の製造方法に係るものである。
なお、本発明は、簡易で効率の良い重合法により製造され、機械的物性その他の諸物性を損なわずに、接着性能が十分に向上された、新規な構造を有する極性基含有オレフィン共重合体であり、かかる特徴は従来の特許文献からは窺えない。
以上において、本発明の創作の経緯と発明の基本的な構成と特徴について、概括的に記述したので、ここで本発明の全体的な構成を俯瞰して総括すると、本発明は次の[1]〜[15]の発明単位群からなるものである。
ここで、[1]における、特定構造を有する多元系極性オレフィン共重合体が、基本発明[1]として構成され、[2]以下の各発明は、基本発明に付随的な要件を加え、或いはその実施の態様を示すものである。そして、[12]〜[15]の発明は、本発明の特定構造を有する多元系極性オレフィン共重合体の製法に係り付加的な要件を規定している。なお、全発明単位をまとめて発明群と称す。
[1]エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上の非極性モノマー(X1)単位と、一般式(1)で表される化合物から選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z1)単位と、任意に、一般式(2)で表される化合物から選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z2)単位とからなることを特徴とする、多元系極性オレフィン共重合体(但し、X1、Z1、Z2として用いるモノマー単位の種類は3種以上である。)。
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[モノマーZ1は、一般式(1)からなる群より選ばれることを特徴とし、一般式(1)において、T1、T2は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示し、少なくとも一方が、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。また、T1及びT2は連結して環状構造を形成してもよい。
モノマーZ2は、一般式(2)からなる群より選ばれることを特徴とし、一般式(2)において、T3は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。]
[2]Z1及びZ2に由来するモノマー単位の合計量が0.001〜10.000mol%であることを特徴とする、[1]における多元系極性オレフィン共重合体。
[3]ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)が20,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
[4]13C−NMRにより算出されるメチル分岐度が、コポリマー1,000炭素当たり5.0以下であることを特徴とする、[1]〜[3]における多元系極性オレフィン共重合体。
[5]X1は一種の非極性モノマーであることを特徴とする、[1]〜[4]における多元系極性オレフィン共重合体。
[6]Z1において、T1、T2が、T1及びT2で連結して環状構造を形成した酸無水物基であることを特徴とする、[1]〜[5]における多元系極性オレフィン共重合体。
[7]Z1において、T1及びT2が共にカルボキシル基であることを特徴とする、[1]〜[6]における多元系極性オレフィン共重合体。
[8]Z2を必須モノマー単位として含み、Z2において、T3が炭素数2〜10のエステル基であることを特徴とする、[1]〜[7]における多元系極性オレフィン共重合体。
[9]共重合体中の、モノマーZ1とモノマーZ2とのモル比が0.001〜10.000であることを特徴とする、[1]〜[8]における多元系極性オレフィン共重合体。
[10]ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が1.5〜3.5の範囲であることを特徴とする、[1]〜[9]における多元系極性オレフィン共重合体。
[11]融点が50℃〜140℃であることを特徴とする、[1]〜[10]における多元系極性オレフィン共重合体。
[12]キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属触媒の存在下に重合されたことを特徴とする、[1]〜[11]における多元系極性オレフィン共重合体。
[13]遷移金属触媒が、パラジウム金属にトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、[12]における多元系極性オレフィン共重合体。
[14]トリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が、少なくとも一つは二級又は三級のアルキル基で置換されたフェニル基を有することを特徴とする、[13]における多元系極性オレフィン共重合体。
[15]キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属触媒の存在下に重合されることを特徴とする、[1]〜[11]のいずれかにおける多元系極性オレフィン共重合体の製造方法。
本発明においては、簡易で効率の良い重合法により製造され、機械的物性その他の諸物性を損なわずに、接着性能が十分に向上された、極性基含有オレフィン共重合体を提供し得る。
以下においては、本発明の多元系極性オレフィン共重合体及びそれらの三元モノマーについて、更にはその共重合体の製法や利用などについて、項目毎に具体的かつ詳細に説明する。
1.本発明のモノマー
(1)非極性モノマーX1
本発明に用いられる非極性モノマーX1は、エチレン及び/又は炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる。
好ましい具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンが挙げられる。また、X1は、一種類を使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
二種の組み合わせとしては、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテンなどが挙げられる。好ましくは、エチレンを含む組み合わせが挙げられる。
三種の組み合わせとしては、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/ヘキセン、プロピレン/1−ブテン/1−オクテンなどが挙げられる。好ましくは、エチレンを含む組み合わせが挙げられる。
(2)モノマーZ1
本発明に用いられるモノマーZ1は、一般式(1)で表される化合物から選ばれる極性コモノマーである。
Figure 0006007142
一般式(1)において、T1、T2は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示し、少なくとも一方が、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。また、T1およびT2は環状構造を形成してもよい。Z1は一種を用いても、二種以上を用いてもよい。
(3)モノマーZ2
任意成分である、モノマーZ2は、一般式(2)で表される化合物からなる群より選ばれる極性コモノマーである。また、Z2は、複数のモノマー成分を使用してよい。
Figure 0006007142
一般式(2)において、T3は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。
(4)各モノマーの具体的な説明
以下において、Z1、Z2において、T1、T2、T3について詳細に説明する。炭素数1〜20の炭化水素基であるT1、T2は、好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数の2〜20アルケニル基、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基の例は、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デシル基、t−ブチル基、トリシクロヘキシルメチル基、イソプロピル基、1−ジメチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、イソブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、2−プロピルヘプチル基、2−オクチル基、3−ノニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、エキソ−ノルボルニル基、エンド−ノルボニル基、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ノピニル基、デカヒドロナフチル基、メンチル基、ネオメンチル基、ネオペンチル基、及び5−デシル基などである。これらの中で、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基である。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シンナミル基、スチリル基が挙げられる。これらの中で好ましい置換基は、ビニル基、スチリル基であり、特に好ましくは、スチリル基が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基の芳香環に存在させうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基などである。これらの中で、好ましいアリール基は、フェニル基である。
水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であるT1、T2、T3は、好ましくは、前述の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアリール基の水酸基置換体が挙げられる。
好ましい具体例は、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−イソプロピル基、2−ヒドロキシ−イソプロピル基、2,2’−ジヒドロキシ−イソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル基、2−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル基、3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル基、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル基、3−ヒドロキシ−3−メチル−プロピル基であり、これらのうちで好ましくは、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基であり、特に好ましくは、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基である。
炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基であるT1、T2、T3は、好ましくは、前述のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基を、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基で置換した置換基である。
更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数2〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(フェノキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基、ジ(フェノキシメチル)メチル基が挙げられる。
特に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基であるT1、T2、T3は、好ましくは、前述のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基を、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、1−プロポキシカルボニル基、1−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基で置換した置換基である。更に好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基で置換された炭素数3〜5の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシカルボニル)メチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、1−(エトキシカルボニル)メチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基が挙げられる。更に好ましくは、1−(メトキシカルボニル)メチル基、又は、1−(エトキシカルボニル)メチル基である。
炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基であるT1、T2、T3の好ましい具体例は、(トリメチルシリル)メチル基、((ジメチル)(フェニル)シリル)メチル基、((ジフェニル)(メチル)シリル)メチル基、(トリフェニルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基である。これらの中で、更に好ましい置換基としては、(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基が挙げられる。
ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基であるT1、T2、T3は、好ましくは、フッ素、塩素、又は臭素で置換された炭素数1〜6の置換基である。具体的に好ましい例として、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロフェニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基としては、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基であるT1、T2、T3は、好ましくは、炭素数1〜6のアルコキシ基であり、好ましい具体例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、及びt−ブトキシ基などである。これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、又はイソプロポキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
炭素数6〜20のアリーロキシ基であるT1、T2、T3は、好ましくは、炭素数6〜12のアリーロキシ基であり、好ましい具体例は、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、及び2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基としては、フェノキシ基、又は2,6−ジメチルフェノキシ基であり、特に好ましくは、フェノキシ基である。
炭素数2〜10のエステル基であるT1、T2、T3は、好ましくは、炭素数2〜8のエステル基であり、好ましい具体例は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基、フェノキシカルボニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、(4−ヒドロキシブトキシ)カルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基が挙げられ、特に好ましくは、メトキシカルボニル基、(4−グリシジルブトキシ)カルボニル基である。
炭素数2〜10のアシルオキシ基であるT1、T2、T3は、好ましくは、炭素数2〜8のアシルオキシ基であり、好ましい具体例は、アセチル(acetyl)基、プロピオニル(propionyl)基、ブチリル(butyryl)基が挙げられる。
炭素数1〜12の置換アミノ基であるT1、T2、T3の好ましい具体例は、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モノエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モノイソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、モノフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基、モルホリニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基は、ジフェニルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基である。
炭素数3〜18のシリル基であるT1、T2、T3の好ましい具体例は、トリメチルシリル基、(ジメチル)(フェニル)シリル基、(ジフェニル)(メチル)シリル基、トリフェニルシリル基である。これらの中で、更に好ましい置換基は、トリメチルシリル基である。
ハロゲンであるT1、T2、T3は、好ましくは、フッ素、塩素、臭素が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基は、塩素である。
また、T1及びT2は連結して環状構造を形成してもよい。好ましい具体例は、環状ジカルボン酸無水物構造、環状ラクトン構造、環状ラクタム構造、環状スクシンイミド構造が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基は、環状ジカルボン酸無水物構造、環状ラクトン構造であり、特に好ましくは、環状ジカルボン酸無水物構造である。
モノマーとして不飽和ジカルボン酸無水物を用いた共重合体は、含有するジカルボン酸無水物基が空気中の水分と反応して開環し、一部がジカルボン酸となる場合がある。本発明の主旨を逸脱しない範囲においてならば、ジカルボン酸無水物基が開環していても良い。
2.共重合体
(1)共重合体の種類
本発明の共重合体は、X1、Z1、任意にZ2から選ばれる3種以上のモノマー単位を含む共重合体である。
具体的には、エチレン/プロピレン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/1−ブテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/1−ペンテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/1−ヘキセン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/1−オクテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/1−デセン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/3−メチル−1−ブテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/4−メチル−1−ペンテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸メチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸エチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸n−ブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸イソブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸t−ブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸グリシジル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸(4−グリシジロキシブチル)/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸ヒドロキシエチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
また、エチレン/プロピレン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/1−ブテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/1−ペンテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/1−ヘキセン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/1−オクテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/1−デセン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/3−メチル−1−ブテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/4−メチル−1−ペンテン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸メチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸エチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸n−ブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸イソブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸t−ブチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸グリシジル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸(4−グリシジロキシブチル)/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、エチレン/アクリル酸ヒドロキシエチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などが挙げられる。
そして、好ましい具体例としては、エチレン/1−ヘキセン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸メチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸エチル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸グリシジル/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチレン/アクリル酸(4−グリシジロキシブチル)/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
(2)極性モノマーの量の制御
本発明における共重合体は、共重合体中のZ1及びZ2のモノマーに由来する構造単位量が0.001〜10.000mol%であることが好ましい。これらのうちで特に、0.010〜5.000mol%の範囲で選択されることが好ましい。また、共重合体中の、モノマーZ1と、モノマーZ2とのモル比が0.001〜10.000の範囲であることが好ましい。このうちで更に好ましくは0.001〜1.000の範囲であり、特に好ましくは0.001〜0.500の範囲である。
本発明における共重合体は、分子鎖内部に含まれるZ1及びZ2のモノマーに由来する構造単位量が、分子鎖末端に含まれるZ1及びZ2のモノマーに由来する構造単位量よりも多いことが好ましい。
本発明における共重合体が、上述の条件を満たした際に、接着強度に優れた材料を提供することができる。後述のように、十分な接着性を有するためには特定範囲の分子量を有し、分子量と極性モノマー含有量を両立することが好ましい。そのためには、分子鎖末端よりも分子鎖内部に、極性モノマー構造単位量の多いことが好ましい。
この極性モノマー構造単位量の制御においては、モノマーZ1、Z2のモル比は、重合時に添加するモノマーZ1、Z2の量比や、遷移金属触媒の選択や、重合時の圧力や温度で制御することが可能である。
(3)物性
本発明における共重合体は、13C−NMRにより算出されるメチル分岐度が、コポリマー1,000炭素当たり5.0以下であることが好ましい。このうちで特に好ましくは、コポリマー1,000炭素あたり3.0以下である。メチル分岐がこの数値を満たすと弾性率が高く、成形体の機械強度も高くなる。
このメチル分岐度は、使用する遷移金属触媒の選択や、重合温度で制御することが可能である。共重合体のメチル分岐度を低下させる具体的手段として、重合温度の低下が有効である。例えば、これらの因子を調節して、目的とするコポリマー領域に制御することができる。
本発明における共重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(分子量分布)が1.5〜3.5の範囲であることが好ましい。このうちで更に好ましくは1.6〜3.3の範囲であり、特に好ましくは1.7〜3.0の範囲である。
本発明における共重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)が20,000〜1,000,000であることが好ましい。このうちで更に好ましくは45,000〜500,000の範囲であり、特に好ましくは50,000〜300,000の範囲である。
本発明における共重合体の分子量が上述の条件を満たすと、積層体の成形を始めとして各種加工性が十分となり、さらに、前述の極性モノマー構造単位量と両立することで接着強度により優れた材料を提供することができる。分子量及び分子量分布は、遷移金属触媒の選択や、重合時の圧力や温度で制御することが可能である。
本発明における共重合体は、融点が50℃〜140℃であることが好ましい。このうちで特に好ましくは、60℃〜138℃であり、更に好ましくは70℃〜135℃の範囲である。この範囲を満たすと耐熱性と接着性が優れたものとなる。
この融点は、使用する遷移金属触媒の選択や重合時に添加するモノマー量で制御することが可能である。
3.共重合体の製造方法
(1)遷移金属触媒
本発明の極性基含有オレフィン共重合体の製造方法の一例として、キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属化合物を触媒として用い、重合する方法がある。
好ましい遷移金属の具体例として、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子などが挙げられる。これらの中で好ましくは、バナジウム原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、パラジウム原子であり、特に好ましくは、ニッケル原子、パラジウム原子である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
キレート性配位子は、P、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも2個の原子を有しており、二座配位(bidentate)又は多座配位(multidentate) であるリガンドを含み、電子的に中性又は陰イオン性である。Brookhartらによる総説に、その構造が例示されている(Chem.Rev.,2000,100,1169)。
好ましくは、二座アニオン性P、O配位子として例えば、リンスルホン酸、リンカルボン酸、リンフェノール、リンエノラートが挙げられ、他に、二座アニオン性N、O配位子として例えば、サリチルアルドイミナートやピリジンカルボン酸が挙げられ、他に、ジイミン配位子、ジフェノキサイド配位子、ジアミド配位子が挙げられる。
ここで、キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属化合物の代表としては、例えば、いわゆる、ホスフィンフェノラート系及びホスフィンスルホナート系と称される触媒が知られている。ホスフィンフェノラート系触媒は、置換基を有していても良いアリール基を有するリン系リガンドがニッケル金属に配位した触媒である(例えば、特開201
0−260913号公報を参照)。ホスフィンフェノラート系触媒は、本発明の実施例においても使用され、置換基を有していてもよいアリール基を有するリン系リガンドが、ニッケル又はパラジウム金属に配位した触媒であり(例えば、特開2010−20264
7号公報を参照)、特に、トリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が、少なくとも一つは二級又は三級のアルキル基で置換されたフェニル基を有することが好ましい(例えば、特開2010−150246号公報を参照)。
(2)重合触媒の使用態様
本発明の重合触媒は、単独で用いてもよく、また担体に担持して用いることもできる。使用可能な担体としては、本発明の主旨を損なわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。
一般に、無機酸化物やポリマ−担体が好適に使用できる。具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど又はこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Crなどの混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。
これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
触媒成分は、重合槽内で、或は重合槽外でオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。オレフィンとは炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼンなどが例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数2又は3のオレフィンである。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
(3)共重合反応
本発明における共重合反応は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒や液化α−オレフィンなどの液体、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミルアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのような極性溶媒の存在下或いは非存在下に行われる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上述の炭化水素溶媒がより好ましい。
本発明における共重合に際して、公知の添加剤の存在下又は非存在下で共重合を行うことができる。添加剤としては、ラジカル重合禁止剤や、生成共重合体を安定化する作用を有する添加剤が好ましい。例えば、キノン誘導体やヒンダードフェノール誘導体などが好ましい添加剤の例として挙げられる。
具体的には、モノメチルエーテルハイドロキノンや、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機及び又は有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行ってもよい。
本発明において、重合形式に特に制限はない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、又は、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。
また、重合様式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの様式でもよい。
未反応モノマーや媒体は、生成共重合体から分離し、リサイクルして使用してもよい。リサイクルの際、これらのモノマーや媒体は、精製して再使用してもよいし、精製せずに再使用してもよい。生成共重合体と未反応モノマー及び媒体との分離には、従来の公知の方法が使用できる。例えば、濾過、遠心分離、溶媒抽出、貧溶媒を使用した再沈などの方法が使用できる。
共重合温度、共重合圧力及び共重合時間に特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。
即ち、共重合温度は、通常−20℃から290℃、好ましくは0℃から250℃、共重合圧力は、0.1MPaから100MPa、好ましくは、0.3MPaから90MPa、共重合時間は、0.1分から10時間、好ましくは、0.5分から7時間、更に好ましくは1分から6時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、共重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
共重合反応器への触媒とモノマーの供給に関しても特に制限はなく、目的に応じて様々な供給法をとることができる。例えばバッチ重合の場合、予め所定量のモノマーを共重合反応器に供給しておき、そこに触媒を供給する手法をとることが可能である。この場合、追加のモノマーや追加の触媒を共重合反応器に供給してもよい。また、連続重合の場合、所定量のモノマーと触媒を共重合反応器に連続的に、又は間歇的に供給し、共重合反応を連続的に行う手法をとることができる。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する方法が挙げられる。
共重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。即ち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中の配位子構造の制御により分子量を制御するなどが挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
4.共重合体の利用態様
(1)添加剤
本発明の多元共重合体には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、架橋剤、発泡剤、核剤、難燃剤、充填材などの添加剤を配合しても良い。
(2)利用製品
本発明の多元共重合体は、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、発泡成形など成形法により、射出成形品、フィルム及び積層フィルム、シート及び積層シート、繊維、中空成形品、発泡シートなどの成形品にすることができる。なかでも、本発明の多元共重合体は接着性が優れているので、本発明の多元共重合体を含む層と、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、或いはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂鹸化物(EVOH)などの極性の高い熱可塑性樹脂、アルミニウム、スチールなどの金属材料などのその他の層との積層体とすることもできる。
(3)改質剤及び相溶化剤
本発明の極性オレフィン共重合体は、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの各種樹脂の改質材、或いは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂とポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチックとの相溶化剤としても好適に適用される。
(4)被覆材
また、他の用途としては、鋼管被覆、電線被覆、線材被覆、ドラム缶及びタンクの内壁被覆などの被覆用、或いは難燃剤に使用されるカップリング材などとして使用される。
以下において、本発明を実施例によって具体的に説明し、比較例との対照において、本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。なお、実施例で用いた配位子構造を以下に示した。
Figure 0006007142
1.評価方法
(1)分子量及び分子量分布(Mw、Mn、Q値)
(測定条件)使用機種:ウォーターズ社製150C 検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm) 測定温度:140℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 流速:1.0mL/分 注入量:0.2mL
(試料の調製)試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
(分子量の算出)標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソ−社製の銘柄であり、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000、である。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成した。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
(2)融点(Tm)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200示差走査熱量測定装置を使用して、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温することにより融解曲線を得た。
融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとし、該ピークのピーク面積をΔHmとした。
(3)NMR分析
溶媒にはオルトジクロロベンゼン/重ブロモベンゼン(4/1)混合溶媒を使用した。サンプル濃度は150mg/2.4mLとし、NMR試料管に導入してから十分に窒素置換を行った後、130℃のヒートブロック中で溶解させて均一な溶液とした。BrukerAvanceIIICryo−NMR、10mmφクライオプローブを用い、130℃で測定を行った。
測定条件は以下の通りで、H−NMR:溶媒プレサチュレーション法は、18°パルス、積算256回、13C−NMRは、プロトン完全デカップル条件、90°パルス、積算512回。
各種部分構造の定量は、H−NMRスペクトルの積分強度を用いるときは、2ppm以下のPE主鎖によるピークの積分強度を1,000に規格化し、13C−NMRスペクトルを用いるときは、28〜31.5ppmのPE主鎖によるピークの積分強度を1,000に規格化し、この時の各種特性ピークの積分強度の値を用いて、以下の手順に従って計算を行った。
〔i〕H−NMRスペクトルで、3.6ppmのメチルアクリレート(MA)のメトキシ基メチル強度を2/3倍した値IMAを求めた。MAは全量が鎖中孤立型で存在していたため、これが、近似的に主鎖1,000C中のMA個数となる。
〔ii〕H−NMRスペクトルで、3ppm、3.3〜3.5ppm、4.1ppmの(4−グリシジロキシブチル)アクリレート(4−HBAGE)中で酸素に単結合した3種のメチレンプロトン及び1種のメチンプロトンによるピーク強度の和を2/7倍した値IHBAGEを求めた。4−HBAGEは全量が鎖中孤立型で存在していたため、これが、近似的に主鎖1,000C中の4−HBAGE個数となる。
〔iii〕H−NMRスペクトルで、3.1ppmのノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(NB−DCA)のカルボニル基に隣接したメチンプロトンから、INB−DCAを求めた。これが、近似的に主鎖1,000Cに対する共重合体中に組み込まれたNB−DC個数(主鎖中孤立型と不飽和末端型との総和)となる。
[iv]ノルボルネン含量の算出は28.5〜31.5ppmのPEメインピーク強度を、1,000に規格化した時のノルボルネンの3本のピーク(33.1、44.8、及び47.3ppm)の強度和を5で割ってINBとした。これが、近似的に主鎖1,00
0Cに対する共重合体中に組み込まれたノルボルネン個数となる。
〔v〕13C−NMRスペクトルで、23.4ppmの1−ヘキセンのメチル基に隣接したメチレン炭素による信号の積分強度、IHexを求めた。これが、近似的に主鎖1,00
0Cに対する共重合体中に組み込まれた1−ヘキセン個数となる。
〔vi〕13C−NMRスペクトルで、20.0ppmのメチル分岐のメチル炭素による信号の積分強度、IMethylを求めた。これが、コポリマー1,000炭素あたりのメチル分岐数となる。
(4)MFR及びFR
MFRは、JIS K6760に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定した。FR(フローレイト比)は、190℃、10kg荷重の条件で同様に測定したMFRであるMFR10kgとMFRとの比(=MFR10kg/MFR)から算出した。
(5)密度
密度は、JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
(6)接着強度
接着強度は以下の工程を経ることにより測定する。
〔i〕共重合体のプレス板とEVOHフィルムをそれぞれ調製する。
〔ii〕共重合体のプレス板とEVOHフィルムを重ね合わせて熱プレスすることによって積層体を調整する。
〔iii〕積層体の剥離試験を行う。
各工程について、以下に説明する。
(極性基含有オレフィン共重合体樹脂板の調製方法)
共重合体を、寸法:50mm×60mm、厚さ1mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度180℃の熱プレス機中で5分間予熱後、加圧と減圧を繰り返すことで溶融樹脂中の残留気体を脱気し、更に4.9MPaで加圧し、5分間保持した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、厚さが約0.9mmの共重合体樹脂板を作製した。
(EVOHフィルムの調製方法)
多層Tダイ成形機を用い、中央層がEVOH、両外層がLLDPEの2種3層多層フィルムを成形後、外層のLLDPEを剥離することで、厚さ150μmのEVOHの単層フィルムを調製した。フィルム成形条件は以下の通りである。
成形機:2種3層Tダイ 成形温度:200℃ 層構成:LLDPE/EVOH/LLDPE 膜厚:350μm(100μm/150μm/100μm) 外層:LLDPE(日本ポリエチレン(株)社製 銘柄:ノバテック UF943、MFR=2.0g/10分、密度=0.937/cm) 中間層:EVOH((株)クラレ製 銘柄:エバール F101B)
(積層体の調製方法)
上記の樹脂板調製方法によって得られた共重合体の樹脂板と、上記EVOHフィルムの調製方法によって得られたEVOHフィルムを50mm×60mmの寸法に切断したものを重ね合わせ、寸法:50mm×60mm、厚さ1mmの加熱プレス用モールドに入れ、表面温度200℃の熱プレス機を用いて4.9MPaで4分間加圧した。その後、表面温度25℃のプレス機に移し替え、4.9MPaの圧力で3分間保持することで冷却し、極性基含有オレフィン共重合体とEVOHの積層体を調製した。
(積層体の接着強度測定方法)
積層体の調製方法によって得られた積層体を10mm幅に切断し、テンシロン(東洋精機(株)製)引張試験機を用いて、50mm/分の速さでT剥離することで接着強度を測定した。接着強度の単位はgf/10mmで示した。
2.配位子合成
下記合成例で得られた配位子を用いた。なお、以下の合成例で特に断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
(合成例1)配位子(I)の合成
無水ベンゼンスルホン酸(2g,12.6mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,10mL,25.3mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、室温まで温度を上昇させながら1時間撹拌した。反応液を−78℃まで冷却し、三塩化リン(1.0mL,12.6mmol)を加え、2時間撹拌した(反応液A)。
1−ブロモ−2−シクロヘキシルベンゼン(6g,25.3mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、t−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M,31.6mL,50.6mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、1時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液Aに−78℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。LC−MS純度50%・水(200mL)を加え、塩酸を加えて酸性にした(PH<3)。塩化メチレン抽出し(1
00mL×3)、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1)により精製し、白色の目的物を1.0g得た。
H−NMR (CDCl,ppm):7.86 (m,1H),7.30 (dt,J=1.2,7.6Hz,1H),7.24−7.15 (m,5H),6.96 (m,21H),6.83 (m, 1H),6.57 (m,2H),3.21 (br,2H), 1.55 (br, 8H), 1.31 (br,4H),1.14 (br,8H) . 31P−NMR (CDCl, ppm): −28.
7.
(合成例2)リンスルホン酸配位子(II)の合成
無水ベンゼンスルホン酸(2g,12.6mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,10mL,25.3mmol)を0℃でゆっくりと滴下し、室温まで温度を上昇させながら1時間撹拌した。反応液を−78℃まで冷却し、三塩化リン(1.0mL,12.6mmol)を加え、2時間撹拌した(反応液B1)。
マグネシウムをテトラヒドロフラン(20mL)に分散させ、1−ブロモ−2−メトキシベンゼン(2.3g,12.6mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液B1に−78℃で滴下し、1時間撹拌した(反応液B2)。
1−ブロモ−2−イソプロピルベンゼン(2.5g,12.6mmol)のジエチルエーテル(20mL)溶液に、ノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M,5.0mL,12.6mmol)を−30℃でゆっくりと滴下し、室温で2時間撹拌した。この溶液を、先ほどの反応液B2に−78℃で滴下し、室温で一晩撹拌した。LC−MS純度60%・水(50mL)を加え、塩酸を加えて酸性にした(PH<3)。塩化メチレン抽出し(100mL)、硫酸ナトリウムにより乾燥した後、溶媒を留去した。メタノールで再結晶化することにより、白色の目的物を1.1g得た。
H−NMR (CDCl,ppm): 8.34 (t, J=6.0Hz, 1H), 7.7−7.6 (m, 3H), 7.50 (t, J=6.4Hz, 1H),7.39 (m,1H), 7.23 (m, 1H), 7.1−6.9 (m, 5H),3.75 (s, 3H), 3.05(m,1H), 1.15 (d, J= 6.8Hz,3H), 1.04 (d, J=6.4Hz,3H). 31P−NMR (CDCl, ppm):−10.5.
3.重合
[実施例1](エチレン/ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(NB−DCA)/アクリル酸メチル三元共重合)
充分に窒素置換した30mLフラスコに、200μmolのビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムとリンスルホン酸配位子(II)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(1
0mL)を加えた後、これを超音波振動機にて20分間処理することで、触媒スラリーを調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、アクリル酸メチル(コモノマー濃度0.2mol/L)、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(コモノマー濃度0.2mol/L)、精製トルエンを精製窒素雰囲気下にオートクレーブ内に導入した(全量800mL)。先に調製した触媒溶液を添加し、重合温度80℃、エチレン圧1MPaで重合を開始した。反応中は温度を一定に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーをアセトン(1L)を用いてポリマーを再沈させ、沈殿したポリマーを濾過した。濾過により得られた固形ポリマーをアセトンで洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、最終的にポリマーを回収した。
Vp・3.54×10g/mol/h; Mw・87,000; Mw/Mn(Q値)1.9; Tm・122.6℃; MFR(2kg)1.90/(10kg)12.6
0; 密度・0.9501; コモノマー含量・(ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物)0.07mol%、(アクリル酸メチル)0.72mol%;メチル分岐・0.46
[実施例2]〜[実施例]、[参考例1]〜[参考例2]、[比較例1]〜[比較例3]
表1に示すコノモマー種、コモノマー濃度、及び重合温度に変更する以外は、実施例1に準じて、共重合体を製造した。重合体の物性評価結果を表2にまとめた。
Figure 0006007142
Figure 0006007142
4.実施例と比較例の結果の考察
表1及び表2において、実施例1〜では、モノマー成分として極性コモノマーを含む多元(三元)共重合体、そのうちの極性モノマー成分として、ノルボルネン骨格を有する極性コモノマーを含む多元共重合体を得られることを明らかにした。
また、接着性評価の結果、本発明は、本発明の三元コモノマーを使用しない、比較例1〜3に対して接着性が格別に向上することを明らかにし、本発明による共重合体の有用性を示した。
本発明により、モノマー成分として極性コモノマーを含む多元共重合体、そのうちの極性モノマー成分として、ノルボルネン骨格を有する極性コモノマーを含む多元共重合体を得ることが可能になった。
かくして、接着性能に格別に優れた、新規な共重合体を提供しうることになり、ポリオレフィン共重合体の産業分野において格別に有用となる。

Claims (15)

  1. エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上の非極性モノマー(X1)単位と、一般式(1)で表される化合物から選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z1)単位と、一般式(2)で表される化合物から選ばれる一種又は二種以上の極性モノマー(Z2)単位とからなることを特徴とする、多元系極性オレフィン共重合体(但し、X1、Z1、Z2として用いるモノマー単位の種類は3種以上である。)。
    Figure 0006007142
    Figure 0006007142
    [モノマーZ1は、一般式(1)からなる群より選ばれることを特徴とし、一般式(1)において、T1、T2は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示し、少なくとも一方が、水酸基、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。また、T1及びT2は連結して環状構造を形成してもよい。
    モノマーZ2は、一般式(2)からなる群より選ばれることを特徴とし、一般式(2)において、T3は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18のシリル基で置換された炭素数4〜20の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18のシリル基、及び、ハロゲンからなる群より選ばれた置換基を示す。]
  2. Z1及びZ2に由来するモノマー単位の合計量が0.001〜10.000mol%であることを特徴とする、請求項1に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  3. ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)が20,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  4. 13C−NMRにより算出されるメチル分岐度が、コポリマー1,000炭素当たり5.0以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  5. X1は一種の非極性モノマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体
  6. Z1において、T1、T2が、T1及びT2で連結して環状構造を形成した酸無水物基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  7. Z1において、T1及びT2が共にカルボキシル基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  8. Z2において、T3が炭素数2〜10のエステル基であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  9. 共重合体中の、モノマーZ1とモノマーZ2とのモル比が0.001〜10.000であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  10. ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が1.5〜3.5の範囲であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  11. 融点が50℃〜140℃であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  12. キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属触媒の存在下に重合されたことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  13. 遷移金属触媒が、パラジウム金属にトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、請求項12に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  14. トリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物が、少なくとも一つは二級又は三級のアルキル基で置換されたフェニル基を有することを特徴とする、請求項13に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
  15. キレート性配位子を有する第5〜10族の遷移金属触媒の存在下に重合されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体の製造方法。
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