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Description

本発明は、内燃機関が搭載された車両の制御装置に関し、特に、アイドルストップからの再始動の制御に関する。
内燃機関の始動時には、電動機であるスタータモータ(セルモータ)により内燃機関のクランクシャフトを回転させるクランキングを行うことが通例である。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、クランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに終了する(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2011−202643号公報
従来、クランキング中のスタータモータの回転速度は300rpm程度であり、内燃機関のアイドル回転数よりも低かった。従って、クランキング中に燃料噴射量を増量して機関の回転トルクを増大させ、クランクシャフトの回転を加速する必要があり、その分だけ燃料を多く消費していた。
始動の際の燃料消費量を抑制するべく、近時では、クランキングを行うスタータモータの回転速度を、内燃機関のアイドル回転数に匹敵する700rpmないし1000rpmまで高めることが試みられている。これにより、燃料噴射量を徒に増量することなく、クランクシャフトの回転速度をアイドル回転数まで加速することが可能となる。
ところが、クランキングの回転速度を高めた結果、機関の始動時に車両が急に走り出すかのような「飛び出し感」を運転者(を含む搭乗者)に与える懸念が生じた。
より詳しく述べると、内燃機関のクランクシャフトと車軸との間に介在する変速機の一要素であるクラッチは、液圧ポンプから供給される作動液の液圧力を利用して、入力側の回転軸と出力側の回転軸とを締結する。液圧ポンプは、クランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転し、作動液を吸引して吐出する。内燃機関が停止しているときには、液圧ポンプも停止するため、クラッチに供給される作動液の圧力が低下して、当該クラッチの締結が解除される。
内燃機関のアイドルストップ中は、シフトポジションが走行レンジにある、即ちクラッチが運転者の手により明示的に切り離されていないことが通常である。アイドルストップしている機関の再始動時、スタータモータにより速やかにクランクシャフトの回転速度をアイドル回転数付近まで上昇させると、液圧ポンプから吐出される作動液の圧力が急速に高まる。そして、作動液の圧力の急回復に伴い、クラッチが突如締結され、高速回転しているクランクシャフトが車軸に連結して車両が不意に発進するような状況が発生する。アイドルストップからの再始動は、運転者がブレーキペダルから足を離しただけでも開始されるため、この車両の挙動は運転者の意図に反するおそれがある。
本発明は、上述の問題に初めて着目してなされたものであり、内燃機関の再始動の際の車両の飛び出し感を抑制することを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関のクランクシャフトから駆動力の伝達を受けて回転する液圧ポンプが吐出する作動液を、クランクシャフトと車軸との間に介在するクラッチに供給して当該クラッチを締結する車両を制御するものであって、アイドリングストップしている内燃機関を再始動する際、まず電動機によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数まで上昇させることで前記クラッチに供給される作動液の圧力を当該クラッチを締結できる大きさまで高めた後、電動機によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数よりも高い第二の回転数まで上昇させることとし、前記第一の回転数から前記第二の回転数までの間のクランクシャフトの回転速度の上昇の推移を、運転者がブレーキペダルまたはアクセルペダルの操作を通じて指令する意思に応じて変更することとし、運転者が車両を即時に発進させる意思を有していない場合にはクランクシャフトの回転速度を比較的緩やかにまたは時間をかけて上昇させる一方、運転者が車両を即時に発進させる意思を有している場合にはクランクシャフトの回転速度を比較的速やかにまたは時間をかけずに上昇させる制御装置を構成した。
本発明によれば、アイドルストップしている内燃機関の再始動の際の車両の飛び出し感を抑制することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における車両の駆動系の構成を示す図。 本実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。 同制御装置による内燃機関の再始動時のクランクシャフトの回転速度の上昇の推移を例示する図。 同制御装置による内燃機関の再始動時のクランクシャフトの回転速度の上昇の推移を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうちの一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。特に、本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)9を採用している。
内燃機関が出力する回転トルクは、内燃機関のクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブは、制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
CVT9を搭載した車両においては、車速が所定値(例えば、10km/h)以上である場合、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。車速が所定値以下となれば、トルクコンバータ7のロックアップを解除する。ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付けられ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側(のドライブプレート)に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からロックアップクラッチ73を経由してトルクコンバータ7の出力側、ひいては前後進切換装置8に直接伝達される。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
翻って、非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は、駆動状態に応じて1よりも小さくなったり大きくなったりする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能なクラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能なクラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
前進走行レンジ(Dレンジ等)では、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、後退走行レンジ(Rレンジ)では、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
非走行レンジ(Nレンジ、Pレンジ)では、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
走行レンジを操作するべくフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85に供給される作動液(作動油)、また変速比を操作するべく液圧サーボ913、923に供給される作動液を吐出する液圧ポンプ(図示せず)は、内燃機関のクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて稼働する、既知の機械式(非電動式)のものである。この作動液は、トルクコンバータ7に用いられる流体と共通である。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、ロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブに対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機であるスタータモータ(セルモータ、図示せず)を制御するコンロトーラに制御信号oを入力し、スタータモータのピニオンギアをドライブプレート(MT車の場合には、フライホイール)外周のリングギアに噛合させてクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。なお、本実施形態では、コントローラに与える制御信号oにより、クランキング中のスタータモータの回転速度を制御できるものとしている。内燃機関が初爆から連爆、完爆へと至ったときには、スタータモータのピニオンギアをドライブプレートから離反させ、スタータモータの回転を停止してクランキングを終了する。
本実施形態における車両は、アイドルストップ機能を備えており、所定のアイドルストップ条件が成立したときに、内燃機関のアイドリングを停止する。アイドルストップ条件は、車速が所定値(例えば、7km/h)以下であり、ブレーキペダルが踏まれており、シフトポジションが前進走行レンジであり、車載のバッテリが十分に充電されており、冷却水温が十分高く、前回のアイドルストップ終了後に車速を所定値(例えば、10km/h)以上に加速した経歴がある、等をおしなべて充足することである。
内燃機関のアイドルストップ中は、クランクシャフトに従動して回転する液圧ポンプも停止することから、前後進切換装置8のクラッチ(フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85)及びCVT9の液圧サーボ913、923に供給される作動液の圧力が低下する。よって、シフトポジションが前進走行レンジまたは後退走行レンジにあったとしても、クラッチ84、85の締結が緩くなり、または解かれる。同時に、プーリ91、92がベルト93を挟圧する力も弱まる。
内燃機関のアイドルストップ後、所定のアイドルストップ終了条件が成立した暁には、内燃機関を再始動する。アイドルストップ終了条件は、ブレーキペダルから足が離れた、あるいは逆にブレーキペダルがより一層強く踏み込まれた、アクセルペダルが踏まれた、シフトポジションが前進走行レンジ以外のレンジに変更された、アイドルストップ継続時間が所定値(例えば、3分)を超えた、等のうちの何れかを充足することである。
図3に、ECU0が内燃機関の再始動の際に実行する処理の手順例を示している。ECU0は、スタータモータにより機関をクランキングするが、機関の再始動時のシフトポジションが走行レンジ(前進走行レンジまたは後退走行レンジ)である場合には(ステップS1)、まず、スタータモータによりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数まで速やかに上昇させる(ステップS2)。
ステップS2は、クランクシャフトに従動して回転する液圧ポンプが吐出する作動液の圧力を、変速機8、9のクラッチたるフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85を締結するのに必要十分な大きさまで高める意図である。フォワードブレーキ84、リバースクラッチ85の何れを締結するかは、機関の再始動時のシフトポジションによる。第一の回転数は、機関のアイドル回転数よりも低い回転数、例えば200rpmないし300rpm程度とする。
次いで、ECU0は、スタータモータによりクランクシャフトの回転速度を第二の回転数まで上昇させる(ステップS4)。第二の回転数は、機関のアイドル回転数と同等かそれよりも高い回転数、例えば700rpmないし1000rpm程度とする。
クランクシャフトの回転速度が第二の回転速度に達したならば、インジェクタ11から各気筒1への燃料噴射、及び点火プラグ12の火花放電による混合気への点火を開始する(ステップS5)。そして、内燃機関が完爆した後、スタータモータによるクランキングを終了する(ステップS6)。
しかして、本実施形態では、スタータモータによりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数から第二の回転数に上昇させる速さを、運転者がブレーキペダルまたはアクセルペダルの操作を通じて指令した意思に応じて決定する(ステップS3)こととしている。
図4及び図5に、内燃機関の再始動時のクランクシャフトの回転速度の推移を例示している。第一の回転数と第二の回転数との間の回転速度の上昇の速さを運転者の意思に応じて調整するのは、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85が締結された瞬間に車両が急に走り出すかのような飛び出し感を抑制するためである。
内燃機関を再始動する際、運転者がブレーキペダルから足を離した、ブレーキペダルをより強く踏み込んだ、シフトポジションを変更した、または、ブレーキペダルを踏んだままの状態でアイドルストップ継続時間が所定値を超えた等の場合には、運転者は車両を即時に発進させようとは考えていないと解することができる。このような場合、ECU0は、ステップS3にて、クランクシャフトの回転速度の上昇の推移を、第一の回転数から第二の回転数まで比較的緩やかに、時間をかけて上昇させるように設定する。具体的には、図4に実線で示しているように、回転速度の単位時間あたりの変化量(上昇量)を比較的小さくするか、図5に実線で示しているように、回転速度が第一の回転数に到達した時点から第二の回転数に向けて再上昇を開始する時点までの待機時間を大きくする。
翻って、内燃機関を再始動する際に運転者がアクセルペダルを踏んだような場合には、運転者は車両を即時に発進させたいと考えていると解することができる。このような場合、ECU0は、ステップS3にて、クランクシャフトの回転速度の上昇の推移を、第一の回転数から第二の回転数まで比較的速やかに、時間をかけずに上昇させるように設定する。具体的には、図4に破線で示しているように、回転速度の単位時間あたりの変化量を比較的大きくするか、図5に破線で示しているように、回転速度が第一の回転数に到達した時点から第二の回転数に向けて再上昇を開始する時点までの待機時間を小さくする。
第一の回転数から第二の回転数までの回転速度の単位時間あたりの変化量、または、回転速度が第一の回転数に到達した時点から第二の回転数に向けて再上昇を開始する時点までの待機時間は、よりきめ細かく調整してもよい。例えば、再始動の際のアクセルペダルの踏込量が大きいほど、回転速度の単位時間あたりの変化量を大きく、または回転数の再上昇開始までの待機時間を短くする。あるいは、再始動の際に、ブレーキペダルの踏み込みが緩められてからアクセルペダルが踏まれるまでの時間差が短いほど、回転速度の単位時間あたりの変化量を大きく、または回転数の再上昇開始までの待機時間を短くする。
因みに、機関の再始動時のシフトポジションが非走行レンジである場合には(ステップS1)、クラッチ84、85を締結せず切断状態のままとすることから、車両の飛び出し感が発生する問題には直面しない。よって、スタータモータによりクランクシャフトの回転速度を速やかに第二の回転数まで上昇させ(ステップS7)、しかる後に燃料噴射及び点火を開始して構わない(ステップS5)。
本実施形態では、内燃機関のクランクシャフトから駆動力の伝達を受けて回転する液圧ポンプが吐出する作動液を、クランクシャフトと車軸103との間に介在するクラッチ84、85に供給して当該クラッチ84、85を締結する車両を制御するものであって、アイドリングストップしている内燃機関を再始動する際、まず電動機(スタータモータ)によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数まで上昇させることで前記クラッチ84、85に供給される作動液の圧力を当該クラッチ84、85を締結できる大きさまで高めた後、電動機によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数よりも高い第二の回転数まで上昇させることとし、前記第一の回転数から前記第二の回転数までの間のクランクシャフトの回転速度の上昇の推移を、運転者がブレーキペダルまたはアクセルペダルの操作を通じて指令する意思に応じて変更することを特徴とする制御装置0を構成した。
アイドルストップからの再始動において、運転者が車両を即時に発進させる意思を有していない場合には、クランクシャフトの回転速度を第一の回転数から第二の回転数に上昇させる速さを緩め、または第一の回転数から第二の回転数までより時間をかけて上昇させる。これにより、電動機によるクランクシャフトの回転駆動中にクラッチ84、85が締結されたときの車両の飛び出し感の発生を抑えることができる。
他方、アイドルストップからの再始動において、運転者が車両を即時に発進させる意思を有している場合には、クランクシャフトの回転速度を第一の回転数から第二の回転数に可及的速やかに上昇させる。これにより、運転者の意思に応じて速やかに内燃機関を始動し、車両を急発進させることが可能となる。
その上で、電動機によりクランクシャフトの回転速度をアイドル回転数以上の第二の回転数に加速してから燃料噴射(及び、点火)を開始するようにしたので、クランクシャフトの加速に要する燃料の量が削減され、実効燃費が良化する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、内燃機関の再始動時にクランクシャフトを回転駆動する電動機は、スタータと発電機との両方の機能を兼ね備えたモータジェネレータであることがある。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、内燃機関が搭載された車両のアイドルストップからの再始動時の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
8、9…変速機(前後進切換装置、CVT)
84…クラッチ(フォワードブレーキ、リバースクラッチ)
103…車軸

Claims (1)

  1. 内燃機関のクランクシャフトから駆動力の伝達を受けて回転する液圧ポンプが吐出する作動液を、クランクシャフトと車軸との間に介在するクラッチに供給して当該クラッチを締結する車両を制御するものであって、
    アイドリングストップしている内燃機関を再始動する際、まず電動機によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数まで上昇させることで前記クラッチに供給される作動液の圧力を当該クラッチを締結できる大きさまで高めた後、電動機によりクランクシャフトの回転速度を第一の回転数よりも高い第二の回転数まで上昇させることとし、
    前記第一の回転数から前記第二の回転数までの間のクランクシャフトの回転速度の上昇の推移を、運転者がブレーキペダルまたはアクセルペダルの操作を通じて指令する意思に応じて変更することとし、運転者が車両を即時に発進させる意思を有していない場合にはクランクシャフトの回転速度を比較的緩やかにまたは時間をかけて上昇させる一方、運転者が車両を即時に発進させる意思を有している場合にはクランクシャフトの回転速度を比較的速やかにまたは時間をかけずに上昇させる制御装置。
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