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JP6009296B2 - 軸受装置の冷却構造 - Google Patents
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JP6009296B2 - 軸受装置の冷却構造 - Google Patents

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Description

この発明は、エアとオイルの混合物により潤滑される転がり軸受が3個以上並んで配置され、工作機械、産業機械等に用いられる軸受装置の冷却構造に関する。
工作機械の主軸装置では、加工精度を確保するために、装置の温度上昇は小さく抑える必要がある。しかしながら最近の工作機械では、加工能率を向上させるため高速化の傾向にあり、主軸を支持する軸受からの発熱も高速化と共に大きくなってきている。また、装置内部に駆動用のモータを組込んだいわゆるモータビルトインタイプが多くなってきており、装置の発熱要因ともなってきている。
発熱による軸受の温度上昇は、予圧の増加をもたらす結果となり、主軸の高速化、高精度化を考えると極力抑えたい。主軸装置の温度上昇を抑える構造として、外輪間座の内周面と内輪間座の外周面の間の空間に冷却用エアを送り、軸と軸受の冷却を行う構造がある(例えば、特許文献1)。
特開2000−161375号公報
上記冷却用エアによる冷却構造は、冷却効果が高いので、主軸装置の温度上昇を効果的に抑えることが期待できる。しかし、転がり軸受が3個以上軸方向に並んで配置され、かつ各転がり軸受がエアオイルにより潤滑される場合、エアオイルのエアの流れと冷却用エアの流れの相互関係を考慮する必要がある。転がり軸受をオイルミストにより潤滑する潤滑方式である場合も同様である。
例えば図9のように、アンギュラ玉軸受からなる4個の転がり軸受1A,1B,1C,1Dを、左側2個の転がり軸受1A,1Bおよび右側2個の転がり軸受1C,1Dはそれぞれ並列組合せで配置し、中央の2個の転がり軸受1B,1Cは互いに背面組合せで配置した軸受装置Jでは、一般的にエアオイル20および冷却用エア10の給排経路は次のようになる。
すなわち、エアオイル20に関しては、破線の矢印で示すように、中央の外輪間座4Mの軸方向両端に設けたオイル供給口(図示せず)から中央の2個の転がり軸受1B,1Cに供給すると共に、左右両側の外輪間座4L,4Rに設けたオイル供給口(図示せず)から外側の転がり軸受1A,1Dにそれぞれ供給する。
冷却用エア10に関しては、実線の矢印で示すように、中央の外輪間座4Mに設けた冷却用エア吐出口11Mから中央の外輪間座4Mおよび内輪間座5M間に吐出すると共に、左右両側の外輪間座4L,4Rに設けた各冷却用エア吐出口11L,11Rから左右両側の外輪間座4L,4Rおよび内輪間座5L,5R間に吐出する。
転がり軸受1A,1B,1C,1Dに潤滑用のオイルを供給した後のエアオイル20のエア、および軸受装置Jおよび主軸7を冷却した後の冷却用エア10は、共に各外輪間座4L,4M,4Nの軸方向両端に設けた排気口(図示せず)から、主軸装置の外部に排出される。
図9の軸受装置Jの場合、中央の外輪間座4Mのオイル供給口から噴射されたエアオイル20のエアは、中央の外輪間座4Mの冷却用エア吐出口11Mから吐出された冷却用エア10と同じ方向に流れる。しかし、左右両側の外輪間座4L,4Rの冷却用エア吐出口11L,11Rから吐出された冷却用エア10は、その一部が中央の転がり軸受1B,1Cにも流れる。この左右両側の外輪間座4L,4Rの冷却用エア吐出口11L,11Rから吐出される冷却用エア10は、その流れ方向が中央の外輪間座4Mのオイル供給口から噴射されたエアオイル20のエアと逆向きであるため、これら冷却用エア10とエアオイル20が中央の転がり軸受1B,1Cの軸方向外側部30で衝突し、エアオイル20がスムーズに流れなくなることがある。すると、エアオイル20のオイルが上記軸方向外側部40に十分供給されなくなり、過昇温に至ることがある。
この発明の目的は、転がり軸受が3個以上軸方向に並んで配置された軸受装置において、軸受装置およびこの軸受装置に支持される軸を効率良く冷却することができ、かつ各転がり軸受に潤滑用のオイルを良好に供給することができる冷却構造を提供することである。
この発明の軸受装置の冷却構造は、転がり軸受が3個以上軸方向に並んで配置され、隣合う転がり軸受の各外輪間および各内輪間に外輪間座および内輪間座それぞれ介在され、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が主軸に嵌合され、前記各外輪間座は、その軸方向端部に、前記転がり軸受にエアとオイルの混合物を供給するオイル供給口を有する軸受装置に適用される。上記軸受装置において、前記各外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用エアを吐出する冷却用エア吐出口けられ、前記転がり軸受を介して隣合い、この中間の転がり軸受に対して片方の外輪間座から前記エアとオイルの混合物を供給する二つの外輪間座につき、前記中間の転がり軸受に供給される前記エアとオイルの混合物の流れ方向の、上流側に位置する一方の外輪間座を上流側外輪間座とし、下流側に位置する他方の外輪間座を下流側外輪間座とし、前記上流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力が、下側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力よりも高くなるように冷却用エアの圧力勾配ができる構成とされ、前記下流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアが、前記中間の転がり軸受内における前記エアとオイルの混合物の流れと逆行しない関係となる構成を備えることを特徴とする。
この構成によると、各冷却用エア吐出口から冷却用エアが内輪間座の外周面に向けて吐出されることで、内輪間座に衝突した冷却用エアが軸受装置およびこの軸受装置に支持された軸の熱を奪う。それにより、軸受装置および軸が効率良く冷却される。前記中間の転がり軸受において冷却用エアがエアとオイルの混合物の流れと逆行しない構成であるため、中間の転がり軸受内において冷却用エアによってエアとオイルの混合物の流れが阻害されることがなく、エアとオイルの混合物が中間の転がり軸受に良好に供給される。
前記中間の転がり軸受において冷却用エアがエアとオイルの混合物の流れと逆行しないようにするには、一例を挙げると、前記各冷却用エア吐出口に冷却用エアを供給する冷却用エア供給装置を有し、この冷却用エア供給装置から各冷却用エア吐出口へ供給する冷却用エアの流量の設定によって、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量よりも多くなるように設けられている。なお、外輪間座ごとの冷却用エア吐出口の数は、一個であっても複数個であってもよい。複数個である場合、外輪間座の冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量とは、各冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの総流量を言う。
他の例として、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の口径、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の口径よりも大きく設けられている。下流側と上流側とで冷却用エア吐出口の口径を変えることにより、下流側に位置する外輪間座と内輪間座との間の空間の圧力が、上流側に位置する外輪間座と内輪間座との間の空間の圧力よりも低くなる。この場合、各冷却用エア吐出口から吐出される圧縮エアの流量が同じであることが前提となる。外輪間座ごとの冷却用エア吐出口の数は、一個であっても複数個であってもよく、複数個の場合、外輪間座ごとに、各冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの総流量が同じであることが前提となる。
さらなる他の例として、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の数、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の数よりも多く設けられている。上流側と下流側とで冷却用エア吐出口の数を変えることにより、上流側に位置する外輪間座の冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量を、下流側に位置する外輪間座の冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量よりも多くなる。この場合も、各冷却用エア吐出口から吐出される圧縮エアの流量が同じであることが前提となる。
上記いずれの場合も、エアとオイルの混合物の流れ方向の上流側から下流側に向かって、冷却用エアの圧力勾配ができるため、中間の転がり軸受における冷却用エアの逆行流れが生じない。それにより、エアとオイルの混合物を中間の転がり軸受に良好に供給することができる。
この発明の軸受装置の冷却構造において、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座のうち片方の外輪間座は、前記中間の転がり軸受に対してエアとオイルの混合物を供給する第1のオイル供給口を有し、もう片方の外輪間座は、この外輪間座を介して前記中間の転がり軸受と隣合う端の転がり軸受に対してエアとオイルの混合物を供給する第2のオイル供給口を有し、前記第1のオイル供給口から前記中間の転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物の流れ方向と、前記第2のオイル供給口から前記端の転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物の流れ方向とが同一であり、前記中間の転がり軸受から前記端の転がり軸受へ、前記もう片方の外輪間座とこの外輪間座に対向する内輪間座の間を通ってエアとオイルの混合物が流れる場合、前記中間および端の各転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物のうちのエアを排気する排気口、エアとオイルの混合物の流れ方向の下流側端の1箇所に設けられていると良い。
各転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物のうちのエアは、各転がり軸受を通過した後、軸受装置が収容されるハウジング等に設けられた排出孔を通ってハウジング等の外部へ排出される。転がり軸受ごとに、転がり軸受内から排出孔へエアを導く排気口が設けられていると、排気管におけるエア流れ方向の下流側で、上流側から流れてくるエアと、排気口から排気管に流れ込むエアとが衝突してエアがスムーズに流れ難くなる。それにより、転がり軸受内でのエアとオイルの混合物の流れも悪くなり、転がり軸受にオイルが十分に供給されなくなる可能性がある。これに対して、上記構成のように、排気口をエアとオイルの混合物の流れ方向の下流側端の1箇所に設けると、排気孔を流れるエアと排気口から排気孔へ流れ込むエアとが衝突する箇所が少なくなる。それにより、転がり軸受内におけるエアとオイルの混合物の流れが良好となる。
排気口を上記箇所に設ける場合、前記排気口に繋がりエアを軸受装置の外部へ導く排気孔、前記排気口ごとに設けられていても良い。
この構成であると、排気孔を流れるエアと排気口から排気孔へ流れ込むエアとが衝突する箇所を完全に無くすことができ、転がり軸受内でのエアとオイルの混合物の流れがより一層良好となる。
この発明の軸受装置の冷却構造において、前記冷却用エア吐出口から吐出された冷却用エアを前記外輪間座と前記内輪間座との間の空間から排出する排気口を、前記外輪間座の前記冷却用エア吐出口と同じ軸方向位置に設けても良い。
この場合、冷却用エア吐出口から吐出された冷却用エアが、外輪間座と内輪間座との間の空間において軸方向に広がるが、上記冷却用エアの軸方向の流れは生じない。そのため、前記中間の転がり軸受を流れるエアとオイルの混合物に逆行する冷却用エアの流れが生じ難い。
この発明の軸受装置の冷却構造において、前記エアとオイルの混合物は、エアにより液状のオイルを搬送するエアオイルであっても良く、またエアにより霧状のオイルを搬送するオイルミストであっても良い。
この発明の軸受装置の冷却構造は、工作機械の主軸の支持に好適に用いることができる。その場合、主軸の冷却効果が高く、各転がり軸受に潤滑用オイルを良好に供給することができるので、高速な領域での運転が可能となる。
この発明の軸受装置の冷却構造は、転がり軸受が3個以上軸方向に並んで配置され、隣合う転がり軸受の各外輪間および各内輪間に外輪間座および内輪間座それぞれ介在され、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が主軸に嵌合され、前記各外輪間座は、その軸方向端部に、前記転がり軸受にエアとオイルの混合物を供給するオイル供給口を有する軸受装置において、前記各外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用エアを吐出する冷却用エア吐出口けられ、前記転がり軸受を介して隣合い、この中間の転がり軸受に対して片方の外輪間座から前記エアとオイルの混合物を供給する二つの外輪間座につき、前記中間の転がり軸受に供給される前記エアとオイルの混合物の流れ方向の、上流側に位置する一方の外輪間座を上流側外輪間座とし、下流側に位置する他方の外輪間座を下流側外輪間座とし、前記上流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力が、下側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力よりも高くなるように冷却用エアの圧力勾配ができる構成とされ、前記下流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアが、前記中間の転がり軸受内における前記エアとオイルの混合物の流れと逆行しない関係となる構成を備えるため、軸受装置およびこの軸受装置に支持される軸を効率良く冷却することができ、かつ各転がり軸受に潤滑用のオイルを良好に供給することができる。
(A)この発明の一実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図、(B)はその部分拡大図である。 同主軸装置を図1と異なる断面で切断した断面図の上半分を示す図である。 同主軸装置を軸方向と垂直な平面で切断した断面図である。 この発明の異なる実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図の上半分を示す図である。 この発明のさらに異なる実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図の上半分を示す図である。 この発明のさらに異なる実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図である。 この発明のさらに異なる実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図の下半分を示す図である。 この発明のさらに異なる実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図の下半分を示す図である。 従来の冷却構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図の上半分を示す図である。 エア排出経路の課題を説明するための説明図である。
この発明の一実施形態に係る軸受装置の冷却構造を図面と共に説明する。
図1ないし図3は、この発明の軸受装置の冷却構造の第1の実施形態を示す。図の例では、軸受装置Jが工作機械の主軸装置に組込まれた状態を示すが、工作機械に限定されるものではない。図1に示すように、この軸受装置Jは、4個の転がり軸受1A,1B,1C,1Dが軸方向に並んで配置され、隣合う転がり軸受の各外輪2間および各内輪3間に、外輪間座4L,4M,4Rおよび内輪間座5L,5M,5Rをそれぞれ介在させている。
軸受装置Jは、転がり軸受1A,1B,1C,1Dの各外輪2および外輪間座4L,4M,4Rがハウジング6の内周面に嵌合し、転がり軸受1A,1B,1C,1Dの各内輪2および内輪間座5L,5M,5Rが工作機械の主軸7の外周面に嵌合している。例えば、外輪2および外輪間座4はハウジング6に対してすきま嵌めとされ、内輪3および内輪間座5は軸7に対して締まり嵌めとされる。図の右端の転がり軸受1Dの外輪2はハウジング6の段部6aで軸方向の位置決めがされ、同転がり軸受1Dの内輪3は主軸7の段部7aにより軸方向の位置決めがされている。また、図の左端の転がり軸受1Aの外輪2に外輪押さえ31を押し当てると共に、同転がり軸受1Aの内輪3に対してナット32の締付けにより位置決め間座33を押し当てることで、軸受装置Jがハウジング6に予圧を与えた状態で固定されている。
主軸7は、ハウジング6に内臓のモータ(図示せず)、またはハウジング6外のモータ(図示せず)により回転させられる。モータによる主軸7の回転方向は、正逆に切替可能であってもよい。その場合、この明細書で言う「回転方向」は、主軸7の正転方向を言う。
各転がり軸受1A,1B,1C,1Dはアンギュラ玉軸受であり、内外輪3,2の軌道面間に複数の転動体8を有し、これら転動体8が保持器9により円周等配に保持されている。左側2個の転がり軸受1A,1Bおよび右側2個の転がり軸受1C,1Dは共に、互いに並列組合せであり、中央の2個の転がり軸受1B,1Cは互いに背面組合せである。各転がり軸受1A,1B,1C,1Dの外輪2および各外輪間座4L,4M,4Rが主軸装置のハウジング6に設置され、各転がり軸受1A,1B,1C,1Dの内輪3および各内輪間座5L,5M,5Rが主軸7の外周面に嵌合している。
上記軸受装置Jの冷却構造について説明する。
図1および図3に示すように、各外輪間座4L,4M,4Rの内周面と各内輪間座5L,5M,5Rの外周面との間には径方向すきまδ(図1(B))が設けられており、各外輪間座4L,4M,4Rの内周面に、各内輪間座5L,5M,5Rの外周面に向けて冷却用エア10を吐出する冷却用エア吐出口11L,11M,11Rが設けられている。これら冷却用エア吐出口11L,11M,11Rは、例えば円周方向に等配で複数箇所に設けられている。冷却用エア吐出口11L,11M,11Rは、外輪間座4L,4M,4Rごとに1個であっても良い。
この実施形態の場合、図3に示すように、各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rは、そのエア吐出方向を、内輪3および主軸7の回転方向L1の前方へ傾斜させてある。つまり、各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rは、それぞれ直線状であって、外輪間座4の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線L2から、この直線L2と直交する方向にオフセット(オフセット量OS)した位置にあり、前記直線L2と平行とされている。また、内輪間座5には、冷却用エア吐出口11L,11M,11Rと同じ軸方向位置に、径方向に貫通する孔12が円周方向に等配で複数個設けられている。
外輪間座4L,4M,4Rの外周面には、冷却用エア10を導入する環状の導入溝13が設けられている。この導入溝13は、外輪間座4L,4M,4Rの外周面における軸方向中間部に設けられ、各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rと同方向に延びる接続孔13aを介して各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rに連通している。軸受装置Jの外部に設けられたブロア等の冷却用エア供給装置14より、ハウジング6に設けた冷却用エア導入孔15,15を通って、導入溝13に冷却用エア10が供給される。詳しくは、冷却用エア導入孔15によって中央の外輪間座4Mに設けられた冷却用エア吐出口11Mに圧縮エアが供給され、2本の冷却用エア導入孔15によって左右の外輪間座4L,4Rに設けられた冷却用エア吐出口11L,11Rにそれぞれ圧縮エアが供給される。
この実施形態の場合、各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rの口径は同じであるが、冷却用エア供給装置14から冷却用エア導入孔15,15に送り出す冷却用エア10の流量を異ならせることで、中央の外輪間座4Mに設けられた冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の流量の方が、両側の外輪間座4L,4Mに設けられた冷却用エア吐出口11L.11Rから吐出される冷却用エア10の流量よりも多くしている。冷却用エア供給装置14から送り出す冷却用エア10の流量調整は、例えば流量調整弁等により行う。例えば、冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の流量を「100」とした場合、冷却用エア吐出口11L.11Rから吐出される冷却用エア10の流量を「50」とする。
言い換えると、転がり軸受1B(1C)を介して隣り合い、この中間の転がり軸受1B(1C)に対して片方の外輪間座4Mから後記エアオイル20を供給する二つの外輪間座4M,4L(4M,4R)につき、前記中間の転がり軸受1B(1C)に供給されるエアオイル20の流れ方向の上流側に位置する外輪間座4Mの冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の流量を、下流側に位置する外輪間座4L(4R)の冷却用エア吐出口11L(11R)から吐出される冷却用エア10の流量よりも多くした。この理由については、後で詳しく説明する。
各外輪間座4L,4M,4Lの軸方向両端面には、切欠きからなる冷却用エア10の排出口17が設けられている。外輪間座4L,4M,4Rに隣接して転がり軸受1A,1B,1C,1Dの外輪2が配置されることで、前記切欠きが、外輪間座4L,4M,4Rと内輪間座5L,5M,5Rとの間の空間と軸受装置Jの外部とを連通する排出口17となる。ハウジング6には排気孔18が設けられ、この排気孔18が、接続孔19を介して各外輪間座4L,4M,4Rの排出口17と連通している。
次に、軸受装置Jの潤滑構造について説明する。
この軸受装置Jは、オイルとエアの混合物、例えばエアにより液状のオイルを搬送するエアオイルによって潤滑する。エアオイルの代わりに、エアにより霧状のオイルを搬送するオイルミストとしてもよい。
図2に示すように、外輪間座4L,4M,4Rの端面に、転がり軸受1A,1B,1C,1Dの軸受空間にエアオイル20を供給するオイル供給口21,21が設けられている。詳しくは、中央の外輪間座4Mは、両側の転がり軸受1B,1Cにそれぞれエアオイル20を供給する第1のオイル供給口21を両端面に有する。両端の外輪間座5L,5Rは、隣合う両端の転がり軸受1A,1Dにそれぞれエアオイル20を供給する第2のオイル供給口21を片方の端面に有する。
外輪間座4L,4M,4Rには、前記オイル供給口21,21に連通するオイル導入孔23が設けられている。オイル導入孔23は、外輪間座4L,4M,4Rの外周面から径方向内方に所定深さで形成され、孔底付近にてオイル供給口21,21に連通する。各オイル供給口21,21は、オイル導入孔23から転がり軸受1A,1B,1C,1Dに向かうに従って内径側に至るように傾斜した貫通孔状に形成されている。軸受装置Jの外部に設けたエアオイル供給装置24より、ハウジング6に設けたエアオイル供給孔25を通って、オイル導入孔23にエアオイル20が供給される。
この軸受装置Jは、運転時等に、図1(B)の部分拡大図に白抜き矢印で示すように、冷却用エア供給装置14から送られてくる冷却用エア10が、各外輪間座4L,4M,4Rの冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから内輪間座5L,5M,5Rの外周面に向けて吐出される。これにより、内輪間座5L,5M,5Rを冷却し、さらに冷却された内輪間座5L,5M,5Rにより主軸7を冷却する。また、内輪間座5L,5M,5Rに、冷却用エア吐出口11L,11M,11Rと同じ軸方向位置に孔12が設けられているため、冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから吐出された冷却用エア10が上記孔12を通って主軸7に直接当たり、主軸7を効率良く冷却することができる。各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rのエア吐出方向が内輪3および主軸7の回転方向L1の前方へ傾斜させてあるため、冷却用エア10が内輪間座5L,5M,5Rの外周面および孔12の壁面に当たる際に、冷却用エア10の噴射力を内輪間座5L,5M,5Rに与えることができ、主軸7を駆動する作用を期待することができる。
冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから吐出された冷却用エア10の大半は、その冷却用エア吐出口11L,11M,11Rが設けられている外輪間座4L,4M,4Rの排出口17から、接続孔19および排気孔18を通って、主軸装置Jの外部に排出される。中央の外輪間座4Mに設けられた冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の流量の方が、両側の外輪間座4L,4に設けられた冷却用エア吐出口11L.11Rから吐出される冷却用エア10の流量よりも多くしたことにより、中央の外輪間座4Mと内輪間座5Mとの間の空間の圧力の方が、外側の外輪間座4L(4R)と内輪間座5L(5R)との間の空間の圧力よりも高くなっている。そのため、冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の一部は、両側の転がり軸受1B(1C)を通り抜けて、外側の外輪間座4L(4R)と内輪間座5L(5R)との間の空間へ流れるが、外側の外輪間座4L(4R)と内輪間座5L(5R)との間の空間から中央の外輪間座4Mと内輪間座5Mとの間の空間へは冷却用エア10が流れない。
また、軸受装置Jの運転時等に、図1(B)の部分拡大図に中塗り矢印で示すように、エアオイル供給装置24から送られてくるエアオイル20が、第1のオイル供給口21から中央の転がり軸受1B(1C)の軸受空間に供給され、かつ第2のオイル供給口21から両端の転がり軸受1A(1D)の軸受空間にそれぞれ供給される。先に説明したように、外輪間座4L,4M,4Rと内輪間座5L,5M,5Rとの間の空間の圧力は、中央の方が外側よりも高くなっている。つまり、エアオイル20の流れ方向の上流側から下流側に向かって、冷却用エア10の圧力勾配ができている。よって、中間の転がり軸受1B(1C)において、エアオイル20のエアの流れに冷却用エア10の流れが逆行しない。そのため、エアオイル20のエアがスムーズに流れ、各転がり軸受1A,1B,1C,1Dにオイルを良好に供給することができる。
図4は、この発明の第2の実施形態を示す。この軸受装置Jの冷却構造は、前記第1の実施形態と比べて、隣合う二つの外輪間座4M,4L(4M,4R)につき、中間の転がり軸受1B(1C)に供給されるエアオイル20の流れ方向の上流側に位置する外輪間座4Mの冷却用エア吐出口11Mの口径D1よりも、下流側に位置する外輪間座4L(4R)の冷却用エア吐出口11L(11R)の口径D2を大きくした点が異なる。冷却用エア供給装置(図示せず)から供給されて各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから吐出される冷却用エア10の流量は同じである。他は、第1の実施形態と同じ構成である。
この構成の場合、上記のように冷却用エア吐出口11M,11L(11R)の口径D1,D2を定めたことにより、下流側に位置する外輪間座4L(4R)と内輪間座5L(5R)との間の空間の圧力が、上流側に位置する外輪間座4Mと内輪間座5Mとの間の空間の圧力よりも低くなる。それにより、エアオイル20の流れ方向の上流側から下流側に向かって、冷却用エア20の圧力勾配ができ、中間の転がり軸受1B(1C)における冷却用エア10の逆行流れを防ぐことができる。
図5は、この発明の第3の実施形態を示す。この軸受装置Jの冷却構造は、中央の外輪間座4Mに二つの冷却用エア吐出口11Mを設けた点が第1の実施形態と異なる。換言すると、隣合う二つの外輪間座4M,4L(4M,4R)につき、中間の転がり軸受1B(1C)に供給されるエアオイル20の混合物の流れ方向の上流側に位置する外輪間座4Mの冷却用エア吐出口11Mの数を、下流側に位置する外輪間座4L(4R)の冷却用エア吐出口11L(11R)の数よりも多くした。冷却用エア供給装置(図示せず)から供給されて各冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから吐出される冷却用エア10の流量は同じである。他は、第1の実施形態と同じ構成である。
この場合、中央の外輪間座4Mに二つの冷却用エア吐出口11Mを設けたことにより、上流側に位置する外輪間座4Mの冷却用エア吐出口11Mから吐出される冷却用エア10の流量が、下流側に位置する外輪間座4L(4R)の冷却用エア吐出口11L(11R)から吐出される冷却用エア10の流量よりも多くなる。それにより、エアオイル20の流れ方向の上流側から下流側に向かって、冷却用エア20の圧力勾配ができ、中間の転がり軸受1B(1C)における冷却用エア10の逆行流れを防ぐことができる。
図6は、この発明の第4の実施形態を示す。この軸受装置Jの冷却構造は、各外輪間座4L,4M,4Rにおいて、冷却用エア10およびエアオイル20のエアの排気口17が、冷却用エア吐出口11L,11M,11Rと同じ軸方向位置に設けられている。それに伴い、接続孔19も排気口17と同じ軸方向位置とする。排気口17を上記配置とすることにより、冷却用エア吐出口11L,11M,11Rから吐出された冷却用エア10が、外輪間座4L,4M,4Rと内輪間座5L,5M,5Rとの間の空間において軸方向には広がるが、軸方向には流れ難くなる。そのため、中間の転がり軸受1B(1C)を流れるエアオイル20の流れに逆行する冷却用エア10の流れが生じ難い。
図7および図8は、それぞれ冷却用エア10およびエアオイル20のエア(以下、まとめて「エア」とする。)の排出経路を第1の実施形態と異ならせた実施形態を示す。第1の実施形態の排気経路であると、図10のように、各外輪間座4L,4M,4Rの排気口17からエアが排出されるが、各排気口17の圧力バランス等の要因がエアの排出に関与するため、どの排気口17から排出され易いか正確には分からない。一般的には、大気開放口26に近い排気口17は排出され易く、遠い排気口17は排出され難いという傾向がある。また、排気孔18と接続孔19が交わる箇所41で、両孔18,19を流れるエアが衝突することにより、エアがスムーズに流れ難くなる。すると、排気口17からのエアの排出性が悪くなり、エアオイル20のオイルが滞留して焼付き等を引き起こす可能性がある。
図7に示す軸受装置Jの冷却構造は、第1の実施形態において各外輪間座4L,4M,4Rに設けられている排出口17を無くして、エアオイル20の流れ方向の下流側端となる1箇所だけに排気口17を設けた。これにより、排気孔18を流れるエアと排気口17から排気孔18へ流れ込むエアとが衝突する箇所が少なくなり、転がり軸受1A,1B,1C,1D内におけるエアオイル20の流れが良好となる。
また、図8に示す軸受装置Jの冷却構造は、エアオイル20の流れ方向の下流側端となる1箇所だけに排気口17を設けると共に、この排気口17に繋がる排気孔18を排気口17ごとに設けた。これにより、排気孔18を流れるエアと排気口17から排気孔18へ流れ込むエアとが衝突する箇所を完全に無くすことができ、転がり軸受1A,1B,1C,1D内におけるエアオイル20の流れをより一層良好にすることができる。
上記各実施形態の説明から明らかなように、この発明の軸受装置Jの冷却構造は、軸受装置Jおよびこの軸受装置Jに支持される主軸7の冷却効果が高く、各転がり軸受1A,1B,1C,1Dに潤滑用のオイルを良好に供給することができるので、主軸装置を高速な領域での運転が可能となる。そのため、この軸受装置Jを、工作機械の主軸7の支持に好適に用いることができる。
1A,1B,1C,1D…転がり軸受
2…外輪
3…内輪
4L,4M,4R…外輪間座
5L,5M,5R…内輪間座
6…ハウジング
7…主軸
10…冷却用エア
11L,11M,11R…冷却用エア吐出口
17…排気口
18…排気孔
20…エアオイル(エアとオイルの混合物)
21…オイル供給口
21…第1のオイル供給口
21…第2のオイル供給口
J…軸受装置

Claims (8)

  1. 転がり軸受が3個以上軸方向に並んで配置され、隣合う転がり軸受の各外輪間および各内輪間に外輪間座および内輪間座それぞれ介在され、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が主軸に嵌合され、前記各外輪間座は、その軸方向端部に、前記転がり軸受にエアとオイルの混合物を供給するオイル供給口を有する軸受装置において、
    前記各外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用エアを吐出する冷却用エア吐出口けられ、
    前記転がり軸受を介して隣合い、この中間の転がり軸受に対して片方の外輪間座から前記エアとオイルの混合物を供給する二つの外輪間座につき、
    前記中間の転がり軸受に供給される前記エアとオイルの混合物の流れ方向の、上流側に位置する一方の外輪間座を上流側外輪間座とし、下流側に位置する他方の外輪間座を下流側外輪間座とし、
    前記上流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力が、下側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの圧力よりも高くなるように冷却用エアの圧力勾配ができる構成とされ、
    記下流側外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアが、前記中間の転がり軸受内における前記エアとオイルの混合物の流れと逆行しない関係となる構成を備えることを特徴とする軸受装置の冷却構造。
  2. 請求項1に記載の軸受装置の冷却構造において、前記各冷却用エア吐出口に冷却用エアを供給する冷却用エア供給装置を有し、この冷却用エア供給装置から各冷却用エア吐出口へ供給する冷却用エアの流量の設定によって、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口から吐出される冷却用エアの流量よりも多くなるように設けられている軸受装置の冷却構造。
  3. 請求項1に記載の軸受装置の冷却構造において、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の口径、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の口径よりも大きく設けられている軸受装置の冷却構造。
  4. 請求項1に記載の軸受装置の冷却構造において、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座につき、前記上流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の数、前記下流側に位置する外輪間座の前記冷却用エア吐出口の数よりも多く設けられている軸受装置の冷却構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置の冷却構造において、前記中間の転がり軸受を介して隣合う二つの外輪間座のうち片方の外輪間座は、前記中間の転がり軸受に対してエアとオイルの混合物を供給する第1のオイル供給口を有し、もう片方の外輪間座は、この外輪間座を介して前記中間の転がり軸受と隣合う端の転がり軸受に対してエアとオイルの混合物を供給する第2のオイル供給口を有し、
    前記第1のオイル供給口から前記中間の転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物の流れ方向と、前記第2のオイル供給口から前記端の転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物の流れ方向とが同一であり、前記中間の転がり軸受から前記端の転がり軸受へ、前記もう片方の外輪間座とこの外輪間座に対向する内輪間座の間を通ってエアとオイルの混合物が流れ、
    前記中間および端の各転がり軸受に供給されるエアとオイルの混合物のうちのエアを排気する排気口、エアとオイルの混合物の流れ方向の下流側端の1箇所に設けられている軸受装置の冷却構造。
  6. 請求項5に記載の軸受装置の冷却構造において、前記排気口に繋がりエアを軸受装置の外部へ導く排気孔、前記排気口ごとに設けられている軸受装置の冷却構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の軸受装置の冷却構造において、前記エアとオイルの混合物は、エアにより液状のオイルを搬送するエアオイル、またはエアにより霧状のオイルを搬送するオイルミストである軸受装置の冷却構造。
  8. 工作機械の主軸の支持に用いられる請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の軸受装置の冷却構造。
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