JP6012328B2 - 磁性キャリアの製造方法 - Google Patents
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Description
現在、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアは、フェライトコアや磁性体分散型樹脂コア(以降、それらを総称して磁性キャリアコアと表記する)の表面を、樹脂組成物で被覆層を形成した磁性キャリアが主流である。
該樹脂組成物の被覆層は、トナーの帯電量分布を安定化させるためや、長期間の使用にも安定して帯電付与できる耐久性を向上させるため、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制するといった役割を果たしている。
従って、樹脂組成物の被覆層は、該磁性キャリアコア表面に均一に被覆処理されていることが非常に重要である。
尚、本発明において均一な被覆処理とは、該樹脂組成物の被覆層が、該磁性キャリアコア表面全体を被覆しており、磁性キャリア表面のなめらかさに加え、被覆層内部の樹脂密度が均一である状態を言う。被覆層内部の樹脂密度が均一である状態とは、被覆層内に存在する空隙が存在しない、または、存在する場合には均一に分散している状態である。
該湿式被覆処理とは、該樹脂組成物を溶剤に溶解した塗布液を、流動層に浮遊する磁性キャリアコアの表面にスプレー塗布する方法、及び、該樹脂組成物を溶剤に溶解した塗付液中に、磁性キャリアコアを浸漬して被覆処理する方法である。
該湿式被覆処理方法は、溶液中で被覆処理を行うため、該磁性キャリアコア表面へ該樹脂組成物を被覆層内部において均一に被覆処理するという点においては有利である。
しかしながら、該湿式被覆処理には、溶剤が揮発する際に磁性キャリアの合一が発生しやすいという課題があった。
一度合一が発生した磁性キャリアが撹拌によって解砕されると、その解砕面には該磁性キャリアコア表面が一部露出し、その結果、磁性キャリア表面の被覆層の均一性がなくなり、前述した磁性キャリアから感光体への電荷の注入現象であるリーク現象が発生し易くなる。
上記リーク現象が発生すると、感光体の表面電位が現像バイアスに収束して現像コントラストが確保できなくなり、白抜け画像が発生する場合がある。
また、該磁性キャリアコア表面が露出することで、特に高温高湿下ではトナーの電荷も保持できなくなり、長期放置後のトナーの電荷が低いことによる、カブリなどの画像不良等も発生しやすくなる。
更に、該溶剤を完全に除去するために、別途乾燥工程が必要であり、タクトアップの要因となることで、生産面からも該湿式被覆処理に関しては未だ多くの改善点がある。
また、該樹脂組成物に含まれる樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量Mwが、100,000以上の該樹脂組成物粒子の場合は、溶剤に溶解させることが困難なため、該樹脂組成物の選択が制限される恐れがある。
そこで、該湿式被覆処理の課題を克服するものとして、溶剤を使用せずに、該樹脂組成物を粒子として、熱によって被覆処理を行う乾式被覆処理が提案されている。
まず、樹脂組成物粒子(ガラス転移温度(Tg)=98℃/数平均一次粒子径=0.1μm)2.0質量部と、磁性キャリアコア100.0質量部を混合する。
次に、高速撹拌混合機を使用し、90℃の温度条件で、水平方向の回転速度を13m/secとして20分間撹拌し樹脂被覆を行い、更に、内部の温度を120℃に調整後、撹拌条件を5m/secとし、30分間加熱処理を行い、磁性キャリアを得る。
上記の方法は、本体ケーシング内側に設置したジャケットに熱媒体を流すことで装置全体を加熱し、処理物全体の温度を、処理物に含有される樹脂組成物粒子のガラス転移温度(Tg)以上にする。
しかしながら、上記の方法は、装置全体の温度を、樹脂組成物粒子のガラス転移温度(Tg)以上とするため、磁性キャリアの合一が発生しやすく、均一な被覆処理を行うという点では未だ多くの改善点がある。
また、上記の方法は、被覆処理用の装置とは別の装置を用いて、磁性キャリアコアと樹脂組成物粒子を混合させており、混合用の装置が別に必要になるという不便さがある。
まず、磁性キャリアコア及び樹脂組成物粒子を、磁性キャリアコア:樹脂組成物粒子=97:3の重量比において混合して、混合物を得る。
次に、該混合物をスパルタンリューザー(株式会社ダルトン社製)に導入し、撹拌する(18.5m/秒の周速において合計90分間)。撹拌が進むにつれて装置温度が上昇し、当該温度が80℃に到達後、温度を保持しながら60分撹拌する。
その後、熱風循環式加熱装置(エスペック株式会社製、SPHH)に入れ、200℃において1時間にわたって加熱し、磁性キャリアコア表面の樹脂被覆層を硬化させることによって、磁性キャリアを得る。
しかしながら、上記の方法は、磁性キャリアコアに対する樹脂組成物粒子の被覆量が多い場合、残留樹脂組成物粒子が発生する場合が有り、均一な被覆処理を行うという点では未だ多くの改善点がある。
また、上記の方法は、被覆処理用の装置とは別の装置を用いて、磁性キャリアコア表面の樹脂組成物粒子を硬化させており、硬化用の装置が別に必要になるという不便さがある。
例えば、特許文献3に示す、回転子と固定子を有する表面改質処理装置を用いて、磁性キャリアコア表面に、磁性キャリアコアの1/10以下の粒径である樹脂組成物粒子を被覆処理させる方法が開示されている。
上記の方法は、磁性キャリアコアの1/10以下の粒径である樹脂組成物粒子を用いることで、磁性キャリアコア表面に、樹脂組成物粒子の被覆層を一層設け、これを機械的衝撃力によって被覆処理を行う方法である。
しかしながら、上記の方法は、磁性キャリアコアの1/10を超える粒径の樹脂組成物粒子を用いる場合、磁性キャリアコア表面に被覆処理用の装置とは別の装置を用いて樹脂組成物粒子を分散させる必要がある。
該分散用の装置を用いない場合には、樹脂組成物粒子が遊離した状態のままとなり、磁性キャリアコア表面への樹脂組成物粒子の被覆を良好に行うことは困難である。
また、被覆用の装置とは別の装置を用いて樹脂組成物粒子を磁性キャリアコア表面に付着させても、付着しきれない量の樹脂組成物粒子を添加した場合、余剰の樹脂組成物粒子は遊離した状態となってしまい、均一な被覆を行うことは困難である。
尚、以降、余剰の樹脂組成物粒子のことを、残留樹脂組成物粒子と表記する。
従って、上記の方法では樹脂組成物粒子の被覆量が制限され、トナーの帯電量制御や、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制することは困難となってしまう場合がある。
しかしながら、上記の方法においても、被覆されなかった残留樹脂組成物粒子が生じ、磁性キャリアを製造する毎に、被覆率が異なり、磁性キャリア間で性能のばらつきが生じるため、長期に安定した磁性キャリアを得ることができない場合がある。
該処理装置は、回転翼型の装置の利点を生かしつつ、従来にない強い力を磁性キャリアコア及び樹脂組成物粒子の処理物に与えて撹拌効果を高めることにより、磁性キャリアの被覆を良好にできるとしている。さらに、複数回の樹脂組成物粒子を被覆処理することで、表面のなめらかさや残留樹脂組成物粒子の大幅な軽減ができるとしている。
しかしながら、磁性キャリア表面の均一性は向上するものの、被覆樹脂層内部での樹脂密度を均一にさせる点でまだばらつきが有り、耐久における被覆層の削れ方に部分的な不均一さが生じ、耐久後半でのトナー帯電量にばらつきが出て、カブリを生じる場合があった。そのため、未だ多くの改善が必要である。
該方法は、多孔質フェライトと樹脂粒子とを、樹脂粒子のガラス転移温度より低い温度で混合し、多孔質フェライトの表面及び孔に樹脂粒子を付着させたキャリア中間体を作り、その後、キャリア中間体を樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度で成膜する。これにより、磁性キャリア内部に樹脂を要しないで、表面が均一で低比重の磁性キャリアが得られ、高耐久性の二成分現像剤が得られるというものである。
しかしながら、キャリア中間体を作るとき、樹脂粒子を多孔質フェライトコアの表面近傍に付着させるだけであり、樹脂被覆層を形成するときにガラス転移温度以上の温度で撹拌し、成膜するだけでは、樹脂被覆層内部の空隙が大小まばらに存在し、局所的な抵抗のばらつきを生じる場合がある。その結果、多孔質フェライトコアの抵抗によっては、磁性キャリアから感光体への電荷の注入を抑制できず、白抜け画像が発生する場合がある。また、耐久での被覆層の削れ方に部分的な偏りができ、トナー帯電量のばらつきができて、カブリを生じる場合がある。
以上記載してきた通り、乾式被覆処理で、磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物粒子を被覆処理する際、磁性キャリアコア表面を均一に、さらに被覆層の内部まで均一に被覆処理するには未だ多くの改善点がある。
理する際、磁性キャリアコア表面及び被覆層内部を均一に被覆処理が行える製造方法を提供することである。
更に本発明の目的は、高温高湿下においても放置後のトナーの帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることである。
本発明は、機械的衝撃力によって、樹脂組成物粒子を磁性キャリアコアの表面に被覆処理する被覆処理工程を有する、樹脂組成物によって磁性キャリアコアの表面に被覆処理してなる磁性キャリアの製造方法であって、
該被覆処理工程は、磁性キャリアコアの表面に、該樹脂組成物粒子を混合、拡散、及び固着する第一被覆処理工程と、第一被覆処理工程後に、該樹脂組成物粒子を成膜被覆処理する第二被覆処理工程とを有し、
該第一被覆処理工程及び第二被覆処理工程は、複数の撹拌部材を表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該撹拌部材と隙間を有して設けられた本体ケーシングとを有する装置を用いて行い、
該第一被覆処理工程及び第二被覆処理工程において、該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子は、該回転体の回転駆動に伴い発生する遠心力により、該隙間に送られながら、該撹拌部材の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向に送られ、該撹拌部材の他の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である反該駆動部方向に送られ、該駆動部方向への送りと該反駆動部方向への送りとを繰り返し行いながら、該磁性キャリアコアの表面に該樹脂組成物粒子の被覆処理を行い、
該第一被覆処理工程における被覆処理時間をKT(sec)、被覆処理終了時における品温をKF(℃)、該樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度をTgとしたときに、
該第一被覆処理工程における該被覆処理時間中の該撹拌部材の最外端部周速が、3m/sec以上7m/sec以下であり、
該KTが、60sec以上1800sec以下であり、
該KFが、KF≦Tg−40℃、を満たし、
該第二被覆処理工程中の該撹拌部材の最外端部周速が、8m/sec以上20m/sec以下であり、
該第二被覆処理工程における成膜被覆処理終了時における品温をHF(℃)、該樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度をTgとしたときに、
該HFが、Tg−20℃≦HF≦Tg+20℃、
を満たすことを特徴とする磁性キャリアの製造方法に関する。
本発明は、磁性キャリアコアの表面を樹脂組成物粒子で被覆処理した磁性キャリアであって、上記本発明の製造方法により製造された磁性キャリアに関する。
更に本発明によれば、高温高湿下においても放置後のトナーの帯電量低下を抑制することができる経時安定性に優れた磁性キャリアを得ることができる。
本発明は、機械的衝撃力によって、樹脂組成物粒子を磁性キャリアコアの表面に被覆処理する被覆処理工程を有する、樹脂組成物によって磁性キャリアコアの表面に被覆処理してなる磁性キャリアの製造方法である。
更に、該被覆処理工程は、磁性キャリアコアの表面に、樹脂組成物粒子を混合、拡散、及び固着する第一被覆処理工程と、第一被覆処理工程後に、該樹脂組成物粒子を、成膜被覆処理する第二被覆処理工程とを有し、該第一被覆処理工程及び第二被覆処理工程は、複数の撹拌部材を表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該撹拌部材と隙間を有して設けられた本体ケーシングとを有する装置を用いて行う。
本発明で用いる被覆処理装置は、図1に示す通り、少なくとも複数の撹拌部材3が表面に設置された回転体2と、該回転体2を回転駆動する駆動部8と、該撹拌部材3と最小隙間18を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本発明は、図1に示す被覆処理装置を用い、該被覆処理装置中に投入された磁性キャリアコア及び樹脂組成物粒子を撹拌、混合等することで該磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物を被覆処理する。
尚、該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子を以降、処理物と表記する。
該被覆処理装置に投入された該処理物は、図2に示す、該回転体2の回転駆動11に伴
い発生する遠心力により、該最小隙間18に送られる。
該最小隙間18に送られた該処理物は、該撹拌部材3の一部撹拌部材により、該回転体2の軸方向の一方向である該駆動部方向12に送られる。更に、該撹拌部材3の他の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である反該駆動部方向13に送られる。
この一連の動きである、該駆動部方向への送り12と、該反駆動部方向への送り13とを繰り返し行いながら該磁性キャリアコアの表面に該樹脂組成物の被覆処理を行う。
図1に示す被覆処理装置は、該本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有し、該処理物を導入するために、該本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5を有している。
更に、被覆処理された磁性キャリアを該本体ケーシング1外に排出するために、該本体ケーシング1下部に形成された磁性キャリア排出口6を有している。
更に、該原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、該磁性キャリア排出口6内に、磁性キャリア排出口用インナーピース17が挿入されている。
本発明においては、まず、該原料投入口5から該原料投入口用インナーピース16を取り出し、開口部を開け、該処理物を該原料投入口5より投入する。該処理物を完全に投入した後、該原料投入口用インナーピース16を挿入し、開口部を閉める。
次に、該駆動部8により該回転体2を回転させ、該回転体2の表面に複数設けられた該撹拌部材3により、磁性キャリアコアの表面に、樹脂組成物粒子を混合、拡散、及び固着しながら第一被覆処理工程を行い、第一被覆処理工程終了後、続けて、樹脂組成物粒子を成膜被覆処理する第二被覆処理工程を行う。
該第二被覆処理工程終了後、該回転体2を低速回転させ、該処理物の品温が50℃以下になった後、該磁性キャリア排出口6の下に該磁性キャリア回収用の容器又は袋を設置し、該磁性キャリア排出口用インナーピース17を取り出す。
次に、該回転体2を回転させ、該磁性キャリア排出口6から磁性キャリアを排出する。得られた磁性キャリアを磁力選鉱機で磁力選鉱し、篩別機で残留樹脂組成物粒子及び異物を分離し、磁性キャリアを得る。
本発明者が検討した結果、図1に示す装置を用いて被覆処理する際、従来通り、該被覆処理装置中に投入された該処理物を、直ちに撹拌、混合するという方法でも被覆処理は可能である。
しかしながら、図1に示す装置を用いて被覆処理する際、処理物投入直後の混合、拡散、及び固着処理である第一被覆処理工程が、できあがった磁性キャリア表面の樹脂組成物層内部の均一性に関連が深いことが分かった。
更に、第一被覆処理工程後の成膜被覆処理である第二被覆処理工程が、できあがった磁性キャリア表面の樹脂組成物の均一性や表面のなめらかさに関連が深いことが分かった。
本発明者が検討した結果、樹脂組成物粒子を混合、拡散、及び固着する作用を司る第一被覆処理工程を、ある運転条件下に制御することにより、図5(b)に示す様な、磁性キャリアコアの表面に、樹脂組成物粒子が、規則正しく配列され、粒子同士の一部分が固着した様な状態の樹脂組成物中間体が得られることが分かった。
更に、第一被覆処理工程において、図5(b)に示す様な、磁性キャリアコアの表面に、樹脂組成物粒子が、規則正しく配列された様な状態が、磁性キャリアコアの表面全体になされることが、樹脂組成物層内部の均一性において重要であることが分かった。
更に、磁性キャリアコアの表面に、樹脂組成物粒子が、規則正しく配列された様な状態が、集合体としての磁性キャリアコアの表面全体になされた後に、成膜被覆処理させることが重要であることが分かった。
第一被覆処理工程を、ある運転条件下に制御することにより、オーダードミクスチャーが発現する理由は定かではないが、本発明者は、以下の様に考えている。
オーダードミクスチャーを発現させるためには、理想的な撹拌、混合と、理想的な温度の両方が必要であり、どちらかが欠けると発現できないと考える。つまり、理想的な撹拌、混合と、理想的な温度の両方を与えることが重要である。
本発明者は、本発明で用いる被覆処理装置を、ある運転条件下に制御することにより、樹脂組成物粒子に、理想的な撹拌、混合と、理想的な温度の両方を与えることが出来ることを見出した。
本発明で用いる被覆処理装置は、上記に記載した通り、最小隙間18に送られた処理物が駆動部方向への送り(送り方向)12と、反駆動部方向への送り(戻り方向)13とを繰り返し行いながら、磁性キャリアコアの表面に樹脂組成物の被覆処理を行う。
最小隙間18に送られた処理物は、駆動部方向への送り12と、反駆動部方向への送り13と、回転体2の回転駆動11に伴い発生する遠心力により、最小隙間18に圧密された状態となる。
つまり、本発明で用いる被覆処理装置は、処理物が、最小隙間18に圧密された状態で、撹拌、混合しながら、被覆処理が行われる。
更に、処理物が、最小隙間18に圧密された状態で、撹拌、混合される際、発生する熱により、樹脂組成物粒子の表面が溶融されながら、磁性キャリアコアの表面に固着され、これが進行することで被覆処理されると考えられる。
更に、本発明者が検討した結果、従来の被覆処理装置では、オーダードミクスチャーが、個々の磁性キャリアコア表面全体に発現することが困難なことが分かった。
この理由は定かではないが、従来の被覆装置は転動作用による撹拌、混合と、機内温度制御による溶融により被覆処理を行うものであり、機器構成的に、上記したような圧密作用を処理物に与えにくいためではないかと考えている。
例えば、図1に示す被覆処理装置を用い、該装置における被覆条件、特に第一被覆処理条件を、ある運転条件下に制御することにより、オーダードミクスチャーを発現することが出来る。
本発明者は、上記の原因を、撹拌開始時の発現しているオーダードミクスチャーが、磁性キャリア粒子全体に発現する前に、被覆処理が行われるためではと考えている。
従って、被覆処理が行われない運転条件で、オーダードミクスチャーを、個々の磁性キャリア粒子全体にまず先に発現させることが重要である。
本発明者が検討した結果、第一被覆処理工程における被覆処理時間中の撹拌部材の最外端部周速は、3m/sec以上7m/sec以下であり、4m/sec以上6m/sec以下であることが好ましいことが分かった。
図5(a)に示す通り、最外端部周速が3m/sec未満では、回転体2が回転する際の遠心力が弱いため、樹脂組成物粒子同士の衝突・混合が十分に行われず、オーダードミクスチャーが、個々の磁性キャリアコア粒子全体に発現することが出来ない。
逆に、7m/secを超えると、回転体2が回転する際の遠心力が強いため、高負荷撹拌となり、被覆処理の際に発生する熱が過多となり、オーダードミクスチャーが個々の磁性キャリアコア粒子全体に発現する前に、図5(c)に示す通り、被覆処理が行われてしまう。
図5(a)に示す通り、第一被覆処理工程における被覆処理時間KTが60sec[秒]未満では、適正周速で回転体2を回転させても、混合撹拌処理自体が短時間過ぎるため、オーダードミクスチャーが、個々の磁性キャリアコア粒子全体に発現することが出来ない。
逆に、第一被覆処理工程における被覆処理時間KTが1800sec[秒]を超えると、高負荷撹拌となり、被覆処理の際発生する熱が過多となり、オーダードミクスチャーが個々の磁性キャリアコア粒子全体に発現する前に、図5(c)に示す通り、被覆処理が行われてしまう。
被覆処理終了時における品温KFが、Tg−40℃を超える場合、適正週速、適正処理時間で運転しても、処理物の温度が高くなりすぎ、オーダードミクスチャーが個々の磁性キャリアコア粒子全体に発現する前に、被覆処理が行われてしまう。
尚、本発明において、品温は、Φ1.6mmのシース熱電対(チノー社製)を本体ケーシング1の長手中央部付近の底部から内壁近傍まで挿して測定する。
第二被覆処理工程中における撹拌部材の最外端部周速は、8m/sec以上20m/sec以下であり、9m/sec以上15m/sec以下であることが好ましい。
第二被覆処理工程中における撹拌部材の最外端部周速が8m/sec未満では、回転体2が回転する際の遠心力が弱いため、樹脂組成物粒子及び磁性キャリアコア同士の衝突・混合が十分に行われず、均一に被覆処理された磁性キャリアを得ることが出来ない。
逆に、第二被覆処理工程中における撹拌部材の最外端部周速が20m/secを超えると、回転体2が回転する際の遠心力が強いため、高負荷撹拌となり、被覆処理の際に発生する熱が過多となり、被覆処理装置機内で磁性キャリア同士の融着が発生する場合がある。
第二被覆処理工程における成膜被覆処理終了時の品温HFが、Tg−20℃未満では、被覆処理の際に発生する熱が不足し、均一に被覆処理された磁性キャリアを得ることが出来ない。その結果、残留樹脂組成物粒子の量が増大する。
逆に、第二被覆処理工程における成膜被覆処理終了時の品温HFが、Tg+20℃を超えると、被覆処理の際に発生する熱が過多となり、被覆処理装置機内で磁性キャリア同士の融着が発生する。
尚、本発明において、第一被覆処理工程における被覆処理終了時の品温KF、及び、第二被覆処理工程における成膜被覆処理終了時の品温HFを制御するためには、例えば、冷熱媒体を流すことのできる該回転体2や、ジャケット4を設置した本体ケーシング1を用いるとよい。冷熱媒体としては、冷却チラー水や熱水、スチーム、オイル等の流体を用いることができる。
一方、第二被覆処理工程における成膜被覆処理時間HT(sec[秒])は、300sec以上6000sec以下であることが好ましく、480sec以上3600sec以下であることがより好ましい。
上記オーダードミクスチャーを発現させる観点から、本発明に用いる被覆処理装置の一態様として、重なり幅Cと、撹拌部材3の最大幅D関係が下記式(1)を満足することが挙げられる。
式(1) 0.05≦C/D≦0.50
式(2) 1.1≦A/B≦4.0
尚、本体ケーシング1内周面と、撹拌部材3との最小隙間18の空間容積Bとは、図4に示す通り、本体ケーシング1内側の容積から、回転体2の回転に伴ってできる撹拌部材3の最外端部軌跡14から算出した回転容積15を差し引いた空間容積のことを言う。
また、本発明に用いる被覆処理装置の一態様として、本体ケーシング1と、撹拌部材3との最小隙間18は、0.5mm以上30.0mm以下であることがオーダードミクスチャーを発現する上で好ましく、更には1.0mm以上20.0mm以下であることがより好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、平均円形度が、0.920以上、より好ましくは0.950以上であることが、トナーに帯電量を付与する面で好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる磁性キャリアは、個数基準の円形度分布において、0.900以下の円形度の磁性キャリア粒子が5.0個数%以下であることが好ましい。尚、円形度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアとは、不定形粒子であり、特に割れ、欠け、凝集等により生じた粒子であり、均一に被覆処理されていない磁性キャリアを大凡意味する。
磁性キャリアコアとしては、公知のフェライト、マグネタイト、磁性体分散型樹脂キャリアコア等の磁性キャリアコアが使用できる。
具体的には、鉄、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ルビジウム、ストロンチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム及びチタンから選ばれる一種または二種以上の元素を含む磁性フェライト、又はマグネタイトが挙げられる。
これらのうち、マグネタイト、又は、マンガン、カルシウム、リチウム及びマグネシウムから選ばれる一種または二種以上の元素を少なくとも有する磁性フェライトが、低比重となり、好ましい。
該磁性フェライトとしては、Ca−Mg−Fe系フェライト、Li−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライト、Mn−Mg−Sr−Fe系フェライト、Li−Mg−Fe系フェライト、Li−Ca−Mg−Fe系フェライト及びLi−Mn−Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が好適に例示できる。
これら鉄系酸化物のフェライトは、それぞれ金属の酸化物、炭酸塩、硝酸塩を湿式あるいは乾式にて混合し、所望のフェライト組成となるよう仮焼成することにより得られる。
次いで、得られた鉄系酸化物のフェライトを、サブミクロンまで粉砕する。仮焼成フェライトを、0.1μm以上10.0μm以下程度の粒径に調整するために水を20質量%以上50質量%以下で加え、湿式粉砕する。
そして、結着樹脂として例えばポリビニルアルコール(分子量500以上、10,000以下)を0.1質量%以上10質量%以下加えて、スラリーを調製する。
該スラリーを、スプレードライヤーを用いて造粒を行い、本焼成することでフェライトコアを得ることが出来る。
ビニル系モノマー、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を生成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が含まれる。
これらの中で、フェノール類とアルデヒド類が特に好ましい。
この場合は、水性媒体に磁性体およびフェノール類とアルデヒド類を添加し、水性媒体中のフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合させることにより、磁性体分散型樹脂キャリアコアを製造することが出来る。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類は、フェノール(ヒドロキシベンゼン)のほか、フェノール性水酸基を有する化合物であればよい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノールが挙げられる。更には、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類;芳香環(例えばベンゼン環)の水素またはアルキル基の水素の一部または全部が、塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類が挙げられる。
一方、フェノール樹脂を生成するためのアルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド、およびフルフラールが好ましく、より好ましくはホルムアルデヒドである。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は1:1乃至1:4であることが好ましく、1:1.2乃至1:3であることがより好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1:1より大きいと、粒子が生成しにくかったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行しにくいために、生成する粒子の強度が弱くなったりする傾向がある。
一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1:4よりも小さいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。フェノール類とアルデヒド類との縮合は、塩基性触媒を用いて行うことができる。
塩基性触媒は通常のレゾール型樹脂の製造に使用されている触媒であればよく、塩基性触媒の例にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが含まれる。
これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は1:0.02乃至1:0.30であることが好ましい。
樹脂成分としての熱可塑性樹脂の例には、ポリスチレン;ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニル;ポリフッ化ビニリデン樹脂;フルオロカーボン樹脂;パーフルオロカーボン樹脂;溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルアセタール;ポリビニルピロリドン;石油樹脂;セルロース;酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ノボラック樹脂;低分子量ポリエチレン;飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといったポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂が含まれる。
該ガラス転移温度(Tg)が上記の範囲内にあることにより、磁性キャリアコアとの密着性を良くすることができ、被覆層剥がれを防止し、適度に摩耗することができるため好ましい。
また、本発明においては、磁性キャリアコアに対する樹脂組成物の被覆量を、磁性キャリアコア100.0質量部に対して、樹脂組成物を1.5質量部以上10.0質量部以下にすることが、環境安定性及び残留樹脂組成物粒子抑制のために好ましい。
また、本発明においては、樹脂組成物に含まれる樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量Mwは、100,000以上2,000,000以下であることが、被覆層の密着性と適度な摩耗性のため好ましい。
該樹脂組成物粒子を製造する方法としては、懸濁重合、乳化重合等により粒子を直接得る方法や、溶液重合により粒子を合成した後スプレードライ等により溶液を除去しつつ、粒子を作製する方法が挙げられる。
本発明に用いられるトナーの一態様として、結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有する
トナー粒子を有するトナーが挙げられる。
該トナーを構成する結着樹脂としては、通常トナーに用いられる樹脂を使用することができる。
具体的には、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が挙げられる。
該ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。
上記ワックスの誘導体として、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
上記ワックスは粉砕系のトナーでは、微粒子状で用いることが好ましい。これらのワックスをトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体としては、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体が挙げられる。
更に、負荷電制御剤としては、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸の無水物;芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸のエステル化合物、ビスフェノールの如きフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料
(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。また、荷電制御樹脂も用いることができ、上記の荷電制御剤と併用することも出来る。
上記した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100.0質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下をトナー粒子に添加することが好ましい。
該着色剤は、黒色着色剤としては、マグネタイト、カーボンブラック、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたものが用いられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、155、162、168、174、176、180、181、185、191が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、31、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることが出来る。
本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。
これらの有彩色の非磁性の着色剤は、結着樹脂100.0質量部に対し総量で1.0質量部以上20.0質量部以下をトナー粒子中に添加するとよい。
また、磁性の着色剤は、結着樹脂100.0質量部に対し総量で20.0質量部以上60.0質量部以下をトナー粒子中に添加するとよい。
トナー粒子表面に外添される外添剤は、酸化チタン、アルミナ、及びシリカのいずれかの微粒子を含むことが好ましい。
また、これら微粒子は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が、20m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な帯電性や流動性を与えうる。
外添剤に含まれる微粒子の表面は、疎水化処理をされていることが好ましい。疎水化処理は、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤の如きカップリング剤;脂肪酸及びその金属塩;シリコーンオイル;またはそれらの組み合わせによってなされることが好ましい。
さらには、微粒子の一つとして、個数平均粒子径が80nm以上300nm以下である微粒子を添加することが、磁性キャリアとの付着力を低減でき、トナーが高い帯電を持っていても、効率良く現像できるため好ましい。
当該微粒子の材質としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、チ
タン酸ストロンチウムが挙げられる。
シリカの場合、例えば、気相分解法、燃焼法、爆燃法など従来公知の技術を用いて製造されたいかなるシリカをも使用することができる。中でも、粒度分布をシャープにできるゾルゲル法により得られるシリカが好ましい。
外添剤のトナー中における含有量は、トナー100.0質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。また外添剤は、複数種の微粒子の組み合わせでもよい。
<樹脂組成物粒子の見掛密度(g/cm3)の測定方法>
樹脂組成物粒子の見掛密度(g/cm3)の測定は、パウダーテスタPT−R(ホソカワミクロン社製)を用い、測定環境23℃、50%RHで行う。
樹脂組成物粒子を、目開き150μmの篩を用いて、振幅を1mmで振動させながら容積100cm3の金属製カップに捕集し、丁度100cm3となるようにすり切り、金属製カップに捕集した質量から、見掛密度(g/cm3)を測定する。
<磁性キャリアコアの見掛密度(g/cm3)の測定方法>
磁性キャリアコアの見掛密度(g/cm3)の測定は、JISカサ比重測定器JIS−Z−204−2000金属粉用(筒井理化学器械社製)を用い、測定環境23℃、50%RHで行う。
磁性キャリアコアを、オリフィス径2.5mmΦの漏斗を用いて、容積25cm3の金属製カップに捕集し、丁度25cm3となるようにすり切り、金属製カップに捕集した質量から、見掛密度(g/cm3)を測定する。
樹脂組成物に含有される樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂組成物を約10mg精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃乃至150℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後の、ベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点を、樹脂組成物に含有される樹脂成分のガラス転移温度Tgとする。
本発明の磁性キャリア表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による反射電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる(図6(a))。
本発明に用いられる磁性キャリア表面の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行う。
金属酸化物に由来する部分の面積%は、上記走査電子顕微鏡を用い、加速電圧が2.0kVのときに得られる、反射電子を可視化した投影像を画像処理して算出する。
走査型電子顕微鏡観察において、試料から放出されてくる反射電子の量は、重元素ほど多いことが知られている。
本発明の磁性キャリア表面のように、樹脂部と磁性キャリアコアに由来する金属酸化物部が存在する試料では、金属酸化物部が明るく(輝度が高い、白く)、樹脂部は暗く(輝度が低く、黒く)見えるため、それぞれ大きなコントラスト差を持った画像が得られる。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでキャリア粒子を一層になるように固定し、白金による蒸着は行わずに、以下の条件にて観察する。また、フラッシング操作を行ってから観察を行う。
[観察条件]
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280x960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整する。次に、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得る(図6(a))。
画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
続いて、得られた反射電子による投影像を用いて、磁性キャリア50個について金属酸化物に由来する部分の面積%を算出する。
解析する磁性キャリア50個の選択方法の詳細は後述する。金属酸化物に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用する。
まず、(図6(a))の画像下部の文字列は画像処理に不必要であり、不要な部分を削除し1280×895のサイズに切り出した(図6(b))。
次に、磁性キャリアの部分を抽出し、抽出された磁性キャリア部分のサイズをカウントする。具体的には、まず、解析する磁性キャリアを抽出するため、磁性キャリアと背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリアの抽出を行う(図6(c))。
カーボンテープ以外の方法で磁性キャリアを固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、或いは、部分的に磁性キャリアと同じような輝度となる可能性は皆無ではない。
しかし、磁性キャリアと背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。
抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置する粒子や他の粒子と重なっている粒子については、計算から除外するものとする。
次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小300pixel、最大10000000pixelとする(図6(d))。
また、フェレ径(平均)は、後述する磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定値の±25%径の範囲になるよう選別レンジを設定し、画像解析する磁性キャリア粒子を抽出する(図6(e))。
抽出された磁性キャリアに由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)、それぞれの抽出部分の和(Σja=Ja)、抽出された部分の数(Jc)を求める。
抽出された磁性キャリアの数Jcが、Jc=50となるまで、別視野の磁性キャリア投影像について同様の操作を繰り返す。
次に、選択した磁性キャリアに対して金属酸化物に由来する部分を抽出する。Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、磁性キャリア上の輝度の高い部分の抽出を行う。面積の選別レンジを最小10pixel、最大10000pixelとし、磁性キャリア表面の金属酸化物に由来する部分を抽出する(図7)。
更に、上記磁性キャリア部分の抽出時と同様に、画像外周に位置する粒子や50%粒径(D50)の測定値の±25%径の範囲から逸脱したものは、計算から除外する。
金属酸化物に由来の抽出部分の大きさ(pixel数)(ma)、それぞれの抽出部分の和(Ma)として、下式に従い計算する。
金属酸化物に由来する部分の面積%=Ma/Ja×100
粒度分布測定は、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)にて測定を行う。
磁性キャリア及び磁性キャリアコアの体積基準の50%粒径(D50)の測定には、乾式測定用の試料供給機を装着して行う。
尚、上記の試料供給機としては、「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)等がある。
Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。
粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)として求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間:10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :常温常湿環境(23℃、50%RH)
樹脂組成物粒子の体積基準の50%粒径(D50)、10.0μm以上の粒子の体積%の測定では、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)を用いる。湿式用の試料循環器「Sample Delivery Control(SDC)」(日機装社製)を装着して行う。イオン交換水を循環させ、試料循環器に樹脂組成物粒子を測定濃度になるように滴下した。流速70%、超音波出力40W、超音波時間60秒とした。制御及びD50の算出方法については、以下の条件で、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)、10.0μm以上の粒子の体積%として求める。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間:10秒
測定時間 :30秒
測定回数 :10回
溶媒屈性率 :1.33
粒子屈折率 :1.50
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :常温常湿環境(23℃50%RH)
樹脂組成物に含有される樹脂成分(又は樹脂組成物微粒子)の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
40℃のヒートチャンバー中で安定化されたカラムに、テトラヒドロフラン(THF)を毎分0.35mlの流速で流し、試料濃度がTHF5ml中に20乃至30mgに調整されたTHF試料溶液を、10μl注入して測定する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。用いるカラムは、2×107以下の分子量領域を的確に測定するために、複数の市販ポリスチレンゲルカラムを組み合わせる。本発明においては、TSKgel SuperMultiporeHZ−Hを2本組み合わせて測定する。
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、VARIAN社製(Polymer Laboratories)のPolystyrene High EasiVials(2ml)を用いる。
磁性キャリアの平均円形度、円形度頻度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアの割合、残留樹脂組成物の測定は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって測定する。
具体的な測定方法としては、ビーカーに入れたイオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を適量加えた後、測定試料を0.3g加える。
次に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。磁性キャリアの平均円形度の測定は、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記のフロー式粒子像分析装置を用いる。
そして、上記の手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて500個の磁性キャリアを計測する。
計測に際し、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、余剰粒子を測定範囲から除外するために、粒子径限定を円相当径(個数基準)19.92μm以上、200.00μm以下とし、磁性キャリアの平均円形度を求める。
尚、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。
円形度頻度分布における円形度0.900以下の磁性キャリアの割合の測定は、余剰粒子を測定範囲から除外するために、粒子径限定を円相当径(個数基準)19.92μm以上200.00μm以下とする。
また、粒子形状限定を0.200以上0.900以下として測定し、磁性キャリアコア及び磁性キャリアの平均円形度が0.900以下の粒子数を求める。
そして、0.900以下の粒子数を、円形度を規定しない場合の粒子数(円形度が0.
200以上1.000以下)で割ることで、存在率を算出した。
磁性キャリア中の残留樹脂組成物の測定は、粒子径限定を円相当径(体積基準)0.50μm以上、19.92μm以下とし、粒子形状限定を0.200以上1.000以下として測定し、磁性キャリア以外の粒子の存在率を残留樹脂組成物として測定する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行った。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施する。
・Fe2O3 :64.0質量%
・MnCO3 :31.3質量%
・Mg(OH)2 : 4.7質量%
上記材料を、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで3時間粉砕・混合した。粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で、950℃で2時間焼成し、仮焼フェライトを作製する。
得られた仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得る。
得られたスラリーに、仮焼フェライト100.0質量部に対して下記の材料を添加し、スプレードライヤー(大川原化工機社製)で、球状粒子に造粒する。
・SiO2粒子(体積基準の50%粒径(D50):1.0μm) : 5.0質量部
・ポリビニルアルコール : 2.0質量部
得られた造粒物を、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度0.5体積%)で、1100℃で4時間焼成し、焼成物を得た。前記焼成物を解砕し、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁力選鉱を行い、非磁性物を取り除き、磁性キャリアコアを得た。
得られた磁性キャリアコアの体積基準の50%粒径(D50)は35μm、見掛密度は2.1g/cm3であった。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、イオン交換水1200.0質量部、分散安定剤として、ポリビニルアルコール36.0質量部を仕込む。
更に、メタクリル酸メチル(MMA)モノマー400.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)モノマー100.0質量部と、重合開始剤としてアゾビスイソバレロニトリル3.0質量部とを仕込む。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて均一に分散した。
この状態で、撹拌しつつ、窒素導入下65℃まで加温し、65℃の条件下において12時間重合反応行い、重合溶液を得た。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、ろ過、水洗、乾燥を行い、体積基準の50%粒径(D50)1.8μm、10.0μm以上が0.1体積%の樹脂組成物粒子1を得た。
得られた樹脂組成物粒子1の見掛密度は0.3g/cm3であり、重量平均分子量Mwは1,810,000であり、樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は99℃であった。表1に物性を示す。
樹脂組成物粒子の製造例1において、組成を表1に示すものに変更し、樹脂組成物粒子2及び3を作製した。表1に物性を示す。
下記に示す材料及び製法を用いてトナーを製造した。
・ポリエステル樹脂 :100.0質量部
(ピーク分子量Mp:65,000,Tg:65℃)
・C.I.ピグメントブルー15:3 : 5.0質量部
・パラフィンワックス(融点75℃) : 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 : 0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸式押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却し、粗粉砕機にて1mm以下に粗粉砕し粗砕物を得た。得られた粗砕物を、粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機により分級し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積基準の50%粒径(D50)は6.4μmであった。得られたトナー粒子100.0質量部に対して、下記の材料を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて外添し、トナーを製造した。トナーの体積基準の50%粒径(D50)は6.5μmであった。
・アナターゼ型酸化チタン微粉末 : 1.0質量部
(BET比表面積80m2/g、イソブチルトリメトキシシラン12質量%処理)
・オイル処理シリカ : 1.5質量部
(BET比表面積95m2/g、シリコーンオイル15質量%処理)
・球状シリカ : 1.5質量部
(ヘキサメチルジシラザン処理、BET比表面積24m2/g、個数平均粒径:0.1μm)
図1に示す装置を用い被覆処理を行い、下記に示した材料及び製法を用いて磁性キャリアを製造した。
本実施例においては、図1に示す装置の本体ケーシング1の内径が130mm、駆動部8の定格動力が5.5kWの装置を用いて被覆処理を行った。
更に、本体ケーシング1内周面と、撹拌部材3との最小隙間18の空間容積Bを2.7×10−4m3とし、該撹拌部材3の最大幅Dを25.0mmとした。
更に、処理物である磁性キャリアコア及び樹脂組成物粒子の容積Aを5.7×10−4m3とし、該本体ケーシング1内周面と該撹拌部材との最小隙間の空間容積Bとの関係であるA/Bを2.1とした。
更に、回転体2に設置されている撹拌部材3の最大幅Dを調整することで、撹拌部材3aと撹拌部材3bの重なり部分を示す間隔Cを4.3mmとし、該撹拌部材3の最大幅Dとの関係であるC/Dを0.17とした。
上記した装置構成で、磁性キャリアコア100.0質量部に対して、樹脂組成物粒子1を3.0質量部加え被覆処理を行った。
本実施例においては、被覆処理の際、第一被覆処理工程として、第一被覆処理時間KTを300秒間とし、KT中の該撹拌部材3の最外端部周速を5m/secに調整し、第一
被覆処理終了時における品温KFを48℃となるよう調整した。
第一被覆処理工程終了後、第二被覆処理工程として、成膜被覆処理時間HTを600秒間とし、第二被覆処理工程中の該撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整し、成膜被覆処理終了時における品温HFを100℃となるよう調整した。
第二被覆処理工程後、撹拌部材3の最外端部周速を5m/secに調整して60秒間運転し、処理物を60℃以下に冷却した。
次に、磁性キャリア排出口6の下に磁性キャリア回収用の袋を設置し、磁性キャリア排出口用インナーピース17を取り出し、回転体2を回転させ、磁性キャリア排出口6から磁性キャリアを排出した。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリア1を得た。被覆処理条件を表2に示す。また、得られた磁性キャリアを以下の基準で評価した。評価結果を表3に示す。
前述の方法で磁性キャリア表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%を求め、以下の基準で磁性キャリアの表面状態を評価した。尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積が2%未満。
B:良好。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積が2%以上4%未満。
C:実用上問題ない。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積が4%以上7%未満。
D:やや悪い。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積が7%以上10%未満。
E:悪い。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積が10%以上。
[画像濃度の変化率]
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの現像量が0.6g/cm2となるように現像バイアスを調整し、画像を出力した。
次に、初期評価と同様に、印字比率1%の画像にて、トナー濃度が一定となるよう定量補給し、2万枚(20k)画像出力を行い、20k耐久後の画像濃度を測定した。
画像濃度は、ベタ画像を出力し、濃度計X−Rite500型により濃度測定を行い、6点の平均値をとって画像濃度とした。初期画像濃度をD1とし、20k耐久後の画像濃度をD10としたときの画像濃度変化率D10/D1を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 画像濃度変化率D10/D1が95%以上。
B:良好。 画像濃度変化率D10/D1が85%以上、95%未満。
C:実用上問題ない。 画像濃度変化率D10/D1が75%以上、85%未満。
D:やや悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%以上、75%未満。
E:悪い。 画像濃度変化率D10/D1が65%未満。
評価は、まず初期評価として、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cm2となった時点で、感光体上のトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。
その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q及び捕集されたトナー質量Mを測定し、それより単位質量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)を計算し、感光体上Q/M(mC/kg)とした。
上記の初期の感光体上Q/Mを100%とし、続いて30℃、80%RHの環境下、印字比率40%の画像にて2万枚(20k)耐久し、20k耐久後の感光体上Q/Mの維持率を算出して以下の基準で判断した。
維持率(%)=20k耐久後の感光体上Q/M / 初期の感光体上Q/M ×100
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
評価は、30℃、80%RHの環境下、感光体上のトナーの載り量が0.6g/cm2となった時点の感光体上のトナー層と、出力したベタ画像を目視により評価し、以下の基準で判断した。
尚、リークは磁性キャリア表面での樹脂被覆層の均一性が低下した時に、現像剤担持体から磁性キャリアを介して感光体表面に電荷が移動する現象のことをいう。
リーク現象が発生すると潜像の電位が現像電位に収束し、現像されなくなる。その結果、感光体上のトナー層にリーク跡(トナー層が抜けて感光体が見える箇所)が発生したり、リークが顕著な場合にはベタ画像にもリーク跡(白く抜ける箇所)が発生したりする。
評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上のトナー層にリーク跡が見られない。
B:良好。 感光体上のトナー層に若干のリーク跡が見られる。
C:実用上問題ない。 感光体上にはリーク跡はあるが、ベタ画像には見られない。
D:やや悪い。 ベタ画像にも若干リーク跡が見られる。
E:悪い。 ベタ画像一面に多数のリーク跡が見られる。
評価は、23℃、50%RHの環境下、印字比率30%の画像にて1万枚(10k)耐久し、現像性の評価を行った。
その後、現像器を機外に取り外し、40℃、90%RHの環境下に120時間放置後、再度現像器を機内に装着し、感光体上の単位質量当たりの電荷量[Q/M](mC/kg)を測定した。
1万枚(10k)耐久後の画像評価時の感光体上[Q/M]を100%とし、120時間放置後の感光体上[Q/M]の維持率を算出して以下の基準で判断した。
尚、評価C以上が本発明における実用レベルである。
A:非常に良好。 感光体上Q/M維持率が90%以上。
B:良好。 感光体上Q/M維持率が80%以上、90%未満。
C:実用上問題ない。 感光体上Q/M維持率が70%以上、80%未満。
D:やや悪い。 感光体上Q/M維持率が60%以上、70%未満。
E:悪い。 感光体上Q/M維持率が60%未満。
実施例2乃至13では、実施例1における磁性キャリア1の被覆処理条件を、表2のように変更した以外は全て同様にして、各磁性キャリアを作製した。その後、作製された磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
被覆処理装置として、図1に示す装置を用い、被覆処理の際、第一被覆処理工程を省き、第二被覆処理工程のみとした以外は実施例1と同様に磁性キャリアを作製し、評価した。被覆処理条件及び評価結果を表2及び3に示す。
具体的には、処理物を図1に示す被覆処理装置に投入後、処理時間を600秒間とし、駆動部8動力を3.5kWで一定となるよう、撹拌部材3の最外端部周速を11m/secに調整した。
比較例2乃至6では、実施例1における磁性キャリア1の被覆処理条件を、表2のように変更した以外は全て同様にして、各磁性キャリアを作製した。その後、作製された磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。比較例7においては、実施例1における磁性キャリア1の被覆処理条件を、表2のように変更したが、装置内昇温により、過負荷になり、600秒行う予定を300秒で処理を中断した以外は、実施例1と同様にして磁性キャリアを作製した。その後、作製された磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。
まず、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に磁性キャリアコア100.0質量部と、樹脂組成物粒子1を3.0質量部投入し、混合した。
次に、被覆処理装置として、SPグラニュレータ(株式会社ダルトン社製)を用い、得られた該混合物を投入し、90℃の温度条件で、撹拌羽根の最外端部周速を40m/secとして1800秒間撹拌し樹脂被覆を行った。
被覆処理終了後、撹拌羽根の最外端部周速を5m/secに調整して600秒間運転し、処理物を60℃以下に冷却した後取り出し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。被覆処理条件及び評価結果を表2及び3に示す。
まず、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、磁性キャリアコア100.0質量部と、樹脂組成物粒子1を3.0質量部投入し、混合した。
次に、被覆処理装置として、スパルタンリューザー(株式会社ダルトン社製)を用い、得られた該混合物を投入し、90℃の温度条件で、撹拌羽根の最外端部周速を40m/secとして1800秒間撹拌し樹脂被覆を行った。
被覆処理終了後、撹拌羽根の最外端部周速を5m/secに調整して600秒間運転し、処理物を60℃以下に冷却した後取り出し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。被覆処理条件及び評価結果を表2及び3に示す。
まず、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、磁性キャリアコア100.0質量部と、樹脂組成物粒子1を3.0質量部投入し、混合した。
次に、被覆処理装置として、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)用い、得られて該混合物を投入し、100℃の温度条件で、撹拌羽根の最外端部周速を80m/secとして1800秒間撹拌し樹脂被覆を行った。
被覆処理終了後、撹拌羽根の最外端部周速を5m/secに調整して600秒間運転し、処理物を60℃以下に冷却した後取り出し、磁性キャリアを得た。
得られた磁性キャリアを磁力選鉱し、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で残留樹脂組成物粒子を分離し、磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアを実施例1と同様に評価した。被覆処理条件及び評価結果を表2及び3に示す。
Claims (2)
- 機械的衝撃力によって、樹脂組成物粒子を磁性キャリアコアの表面に被覆処理する被覆処理工程を有する、樹脂組成物によって磁性キャリアコアの表面に被覆処理してなる磁性キャリアの製造方法であって、
該被覆処理工程は、磁性キャリアコアの表面に、該樹脂組成物粒子を混合、拡散、及び固着する第一被覆処理工程と、第一被覆処理工程後に、該樹脂組成物粒子を成膜被覆処理する第二被覆処理工程とを有し、
該第一被覆処理工程及び第二被覆処理工程は、複数の撹拌部材を表面に有する回転体と、該回転体を回転駆動する駆動部と、該撹拌部材と隙間を有して設けられた本体ケーシングとを有する装置を用いて行い、
該第一被覆処理工程及び第二被覆処理工程において、該磁性キャリアコア及び該樹脂組成物粒子は、該回転体の回転駆動に伴い発生する遠心力により、該隙間に送られながら、該撹拌部材の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の一方向である該駆動部方向に送られ、該撹拌部材の他の一部撹拌部材により、該回転体の軸方向の逆方向である反該駆動部方向に送られ、該駆動部方向への送りと該反駆動部方向への送りとを繰り返し行いながら、該磁性キャリアコアの表面に該樹脂組成物粒子の被覆処理を行い、
該第一被覆処理工程における被覆処理時間をKT(sec)、被覆処理終了時の品温をKF(℃)、該樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度をTgとしたときに、
該第一被覆処理工程における該被覆処理時間中の該撹拌部材の最外端部周速が、3m/sec以上7m/sec以下であり、
該KTが、60sec以上1800sec以下であり、
該KFが、KF≦Tg−40℃、を満たし、
該第二被覆処理工程中の該撹拌部材の最外端部周速が、8m/sec以上20m/sec以下であり、
該第二被覆処理工程における成膜被覆処理終了時の品温をHF(℃)、該樹脂組成物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度をTgとしたときに、該HFが、Tg−20℃≦HF≦Tg+20℃、
を満たすことを特徴とする磁性キャリアの製造方法。 - 前記KTが、60sec以上900sec以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性キャリアの製造方法。
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