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JP6012964B2 - 心臓血管系疾患/事象の診断/予後診断のためのsPLA2活性およびOxPL/アポB心臓血管系危険因子の組合せ - Google Patents
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JP6012964B2 - 心臓血管系疾患/事象の診断/予後診断のためのsPLA2活性およびOxPL/アポB心臓血管系危険因子の組合せ - Google Patents

心臓血管系疾患/事象の診断/予後診断のためのsPLA2活性およびOxPL/アポB心臓血管系危険因子の組合せ Download PDF

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Description

本発明は、心臓血管系疾患/事象の診断/予後診断のための、あるいは心臓血管系疾患のモニタリングのためのsPLA2活性およびOxPL/アポB心臓血管系危険因子の組合せの使用に関する。
血管系疾患を治療するに際しての重要な問題は、適正な診断である。しばしば、疾患の最初の徴候は突然死である。例えば、冠動脈疾患で死亡する全個体の約半数は突然死亡する。さらに、冠動脈疾患を有すると最終的に診断される患者の40〜60%に関しては、心筋梗塞が疾患の最初の症状である。残念ながら、それらの初期事象の約40%は、患者に気づかれずに進行する。その後の積極的治療へと続く、早期の精確な診断を提供するためのわれわれの能力が限定されているが故に、心臓血管系疾患(CD)は、依然として世界的に罹患率および死亡率の主因である。CDを有する患者らは、異なる比率で且つ明瞭に異なるパターンで進行する疾患を有する個体の不均質な群を表す。CDを有する患者のための適切な証拠に基づいた治療にもかかわらず、再発および死亡率は依然として高い。さらにまた、われわれは積極的なリスク軽減から利益を得るであろう患者を精確に識別することが出来ないために、一次予防の十分な利益は実現されていない。
ある種の疾患マーカーは、集団レベルでは治療に対する結果または応答を予測することが示されてきたが、それらは個々の患者においては適切な臨床的有用性を提供するのに十分に敏感でも特異的でもない。その結果、冠動脈疾患を有する患者の半数以上の最初の臨床的症状は、心筋梗塞または死亡である。
健康診断および現在の診断ツールは、CDの合併症の罹患に関する個体の危険を精確に断定できない。既知の危険因子、例えば高血圧症、高脂血症、糖尿病、家族歴および喫煙は、アテローム硬化症の診断を確立しない。解剖学的データ(例えば、冠動脈血管造影、冠動脈カルシウムスコア、CTまたはMRI血管造影)に頼る診断様式は、疾患過程の生物学的活性に関する情報を欠き、将来的な心臓事象の不十分な予測因子となり得る。内皮機能の機能評価は、アテローム硬化症の過程の存在に対して非特異的かつ関連付けられ得ないが、いくつかのデータはこれらの測定の予後の値を実証してきた。
個々のバイオマーカー、例えば脂質および炎症マーカーは、CDを有する患者における治療に対する結果および応答を予測することが示されており、いくつかは、アテローム硬化症の発症に関する重要な危険因子として利用される。
それにもかかわらず、この時点まで、個々の患者におけるCDの診断のための適切な臨床的有用性を提供するのに十分に特異的である単一のバイオマーカーはない。したがって、CDのより精確な診断/予後診断を提供するバイオマーカーまたは心臓血管系危険因子またはその組合せを特定することが必要とされている。
本発明の一つの目的は、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険がある対象の識別方法であって、以下の:
−少なくとも2つの心臓血管系危険因子、すなわち:
a)sPLA2活性、および
b)アポリポタンパク質B−100粒子上の酸化リン脂質(OxPL/アポB)
を、上記対象から得られる試料中で測定すること、
−上記測定を組合せること
を包含する方法であり、sPLA2活性およびOxPL/アポBの組合せ値が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があることを示す方法である。
本発明の一実施形態では、sPLA2活性およびOxPL/アポBの前記組合せ値は、参照値と比較される。
本発明の別の実施形態では、上記方法は、フラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM ICまたはIgM MDA−LDL、Lp−PLA2およびsPLA2集団(sPLA2 mass)の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を測定することをさらに包含する。
本発明の一実施形態では、上記方法は、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険がある対象を識別するためであって、上記心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象は、代謝症候群、X症候群、アテローム硬化症、アテローム血栓症、冠動脈疾患、安定および不安定狭心症、卒中、大動脈およびその分枝の疾患(例えば大動脈弁狭窄症、血栓症または大動脈瘤)、末梢動脈疾患、末梢血管疾患、脳血管系疾患ならびに任意の急性虚血性心臓血管系事象である。
本発明の別の目的は、心臓血管系疾患のための治療の有効性をモニタリングするための本明細書中に上記したような方法である。
本発明の別の目的は、対象が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があるか否かを識別するためのキットであって、以下の:
−sPLA2活性を測定するための手段、および
−OxPL/アポBを測定するための手段
を包含するキットである。
一実施形態では、上記キットは、フラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM ICまたはIgM MDA−LDL、Lp−PLA2およびsPLA2集団の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を測定するための手段をさらに包含する。
定義
「心臓血管系疾患」または「動脈血管疾患」は、本明細書中で定義される場合、心臓、心臓弁、血液および身体の血管系に影響を及ぼしている多数の疾患を分類するために用いられる一般用語であり、心臓または血管に影響を及ぼしている任意の疾患、例えば代謝症候群、X症候群、アテローム硬化症、アテローム血栓症、冠動脈疾患、安定および不安定狭心症、卒中、大動脈およびその分枝の疾患(例えば大動脈弁狭窄症、血栓症または大動脈瘤)、末梢動脈疾患、末梢血管疾患、脳血管系疾患(これらに限定されない)ならびに任意の急性虚血性心臓血管系事象(これらに限定されない)を包含する。動脈血管疾患は、本明細書中で用いる場合、非虚血性疾患一般的にというよりむしろ、虚血性または前虚血性疾患を最も一般的に指すことが意図される。
「心臓血管系事象」は、本明細書中では、「心臓事象」、「急性動脈血管事象」または「動脈血管事象」と互換可能に用いられ、例えばプラーク崩壊、心筋梗塞、不安定狭心症のような突然心臓死や急性冠動脈症候群、ならびに、例えば足の血栓症、動脈瘤、卒中のような非心臓性急性動脈血管事象、そして動脈血管血流および酸素添加が遮断される他の動脈血管性虚血事象を指すが、これらに限定されない。
本明細書中で用いる場合、「アテローム硬化症」および「アテローム血栓症」は、複数の刺激および心臓血管性危険因子に応答して発症する複合動脈血管炎症性疾患を指し、全身性炎症と関連する。アテローム硬化症プロセスに関与する細胞としては、血管(内皮および平滑筋)細胞、単球/マクロファージ、リンパ球(T、B、NKT)、樹状細胞、肥満細胞および血小板が挙げられる。それらは、可溶性因子、例えばペプチド、糖タンパク質、プロテアーゼおよび一群のサイトカインを分泌するかまたはそれらにより刺激される。それらは、炎症性応答の永続化、アテローム硬化症の進行および不安定化、例えばプラーク糜爛、崩壊および血栓症に関与する。動脈は、それらの内壁上の「プラーク」と呼ばれる物質の蓄積のために硬化し、狭まる。プラークが出現し、サイズが増大すると、動脈の内側はより狭くなり(「狭窄」)、それを通って流れる血液はより少なくなり得る。狭窄またはプラーク崩壊は、患部の血管系の部分的または完全な閉塞を引き起こし得る。したがって、血管系により供給される組織は、それらの酸素供給源を奪われ(虚血)、細胞死(アポトーシス/壊死)が起こり得る。
「CAD」または「冠動脈疾患」は、心筋に血液を供給する血管(冠動脈)がアテローム硬化になり、石灰化し、および/または狭くなった場合におきる動脈血管性疾患である。最終的に、心筋への血流は低減され、そして血液は多くの必要とされる酸素を運ぶため、心筋はそれが必要とする量の酸素を受け取ることが出来ず、しばしば壊死を蒙る。CADは、富酸素血を心臓に供給する血管のアテローム硬化およびアテローム血栓のせいであり、急性冠動脈症候群(ACS)、心筋梗塞(心臓発作)、狭心症(安定および不安定)を引き起こす。現在、1300万人と見積もられる米国人がCADを有すると診断され、約700万人が過去の急性事象の生存者である。100万人を上回る新規の急性CAD事象が毎年起きており、多くが死に至っている。40歳以後のCADの生涯危険度は、男性で49%、女性では32%である。CADのような動脈血管性疾患を発症する危険度が低いかまたは危険がないと臨床的に考えられる対象は、しばしば、動脈血管性疾患に関する伝統的危険因子を何も示さないかまたはほとんど示さないが、それにもかかわらず、急性動脈血管性事象に関しては依然として危険に直面し得る。全ての急性CAD事象のうちの約20%は伝統的危険因子を何も有さない対象で起こり、全ての急性CADのうちの大多数が、CADを有すると以前に診断されたことがない対象に起きる。しばしば、これらの対象は、このような急性事象の実際的発生まで、急性CAD事象の症候、すなわち、息切れおよび/または胸痛を示さない。実質的検出ギャップは、急性CAD事象の危険に曝されているが、未だ無症候で、伝統的危険因子を有さないか、あるいは一般に、CADの危険が低いと臨床的に考えられ、そして未だCADと診断されたことがない対象に関して存続する。
「CVD」または「脳血管系疾患」は、富酸素血を顔面および脳に供給する血管における動脈血管疾患、例えばアテローム硬化症およびアテローム血栓症である。この用語は、しばしば、脳に血液を供給する頚動脈の「硬化」を記述するために用いられる。それは、CADおよび/またはPADとの一般的な合併症である。それは、虚血性疾患、あるいは血流の欠如を引き起こす疾患としても言及される。CVDは、疾患状態、例えば「脳血管系虚血」、「急性脳梗塞」、「卒中」、「虚血性卒中」、「出血性卒中」、「動脈瘤」、「軽症認知障害(MCI)」および「一過性虚血発作(TIA)」を包含する。虚血性CVDは、CADおよびPADと密接に関連すると考えられる;非虚血性CVDは、複数の病態生理学知見を有し得る。500万人と見積もられる米国人が過去に診断された急性CVD事象の生存者であり、70万例と見積もられる急性CVD事象が毎年起きている。本明細書中に開示されるように、伝統的動脈血管性疾患危険因子の臨床的評価に基づいてCVDの危険度が低いかまたは全くないと考えられるか、あるいはTIA、MCIまたは重症頭痛のような症候を有さない対象は、依然として急性CVD事象の危険に曝され得る。
「PAD」または「末梢動脈疾患」は、心臓および脳の外部で起こるアテローム硬化症およびアテローム血栓症のような疾患状態を包含する。それは、CADとの一般的な合併症である。PAD(または動脈血管性疾患)の伝統的危険因子の評価に基づいてPADの危険度が低いがまたはないと考えられる、あるいはPADまたは動脈血管性疾患に関して無症候性である対象は、それにもかかわらず、跛行が無い場合でさえ、動脈血管事象に対する危険に曝され得る。跛行は、末梢動脈の狭窄により筋肉に流れる血液量が減少することによる足の筋肉における疼痛または不快感と定義され得、虚血および多くの場合動脈閉塞を生じて、骨格筋および足の壊死を引き起こす。疼痛または不快感は、しばしば歩行時に起こり、休息状態下で散逸する(間欠性跛行)。疼痛、緊張、痙攣、疲労または衰弱はしばしば、跛行の結果として経験される。PADは、CADに共通の血行動態的変化を引き起こすだけでなく、骨格筋の代謝的変化も生じる。PADが重症の慢性および急性末梢動脈閉塞に進行した場合、外科手術および下肢切断術がしばしば唯一の療法的選択肢となる。裏付けられた診断の大多数が症候が発現された後にのみなされることによって、あるいは他の動脈血管性疾患のみによって、PADは診断不十分な疾患であると広くみなされており、そしてこのような虚血性事象に起因する不可逆的動脈血管損傷が既に起きている。
「心臓血管系危険因子」は、そのレベルが心臓血管系疾患を有する対象で変化するか、あるいは心臓血管系疾患を発症し易くするか、または心臓血管系事象の危険に曝される、1つ以上のバイオマーカーを包含する。
本発明の文脈における「危険度」は、動脈血管事象への変換の場合のように、ある事象が特定期間全体を通して起きる確率と関連しており、対象の「絶対」危険度または「相対」危険度を意味し得る。絶対危険度は、関連時間群の測定後の観察に関連して、または関連期間中に追跡調査される統計学的に妥当な歴史的群から生じた指標値に関連して測定され得る。相対危険度は、低危険度群の絶対危険度または平均集団危険度(臨床的危険因子がどのように評価されるかにより変わり得る)と比較した場合の対象の絶対危険度の比を指す。所定の試験結果に関する正の事象対負の事象の割合であるオッズ比も、一般に無変換に対して用いられる(オッズは、式p/(1−p)(式中、pは事象の確率であり、(1−p)は無事象の確率である)による)。
本発明の文脈における「危険度評価」または「危険度の評価」とは、すなわち、正常状態から動脈血管性疾患状態への、または動脈血管事象を発症する危険があるものへの、あるいは動脈血管事象の危険がある状態からより安定な動脈血管性疾患状態への、事象の発生率またはある疾患状態から別の疾患状態への変換率である、事象または疾患状態が起こり得る確率、オッズまたは可能性を予測することを包含する。危険度評価は、予め測定された集団に関連した絶対的または相対的表現での、将来的臨床パラメーターの予測、伝統的実験室危険因子値、または動脈血管疾患の他の指標、例えば冠動脈カルシウムスコア、他の画像またはトレッドミルスコア、受動または誘発試験結果、動脈血管パーセンテージ狭窄または閉塞、ならびにプラーク負荷および活性の他の測定も含み得る。本発明の方法を用いて、動脈血管性疾患および事象への変換の危険度の連続的または分類的な測定をなし得るし、したがって動脈血管事象に対する危険があると明示される対象のカテゴリの危険範囲を診断し、限定し得る。当該分類的な測定の場合において、本発明を用いて、正常と動脈血管事象に関してより高い危険度を有する他の対象群との間を識別し得る。他の実施形態では、本発明は、動脈血管事象を発症する危険のある対象と動脈血管疾患を有する対象とを識別するために、あるいは動脈血管疾患を有する対象と正常者とを識別するために用いられ得る。
本発明の文脈における「試料」は対象から単離される生物学的試料であり、例としては、体液および/または組織抽出物、例えば対象から得られるホモジネートまたは可溶化組織が挙げられるが、これらに限定されない。組織抽出物は、組織生検および剖検材料から慣例的に得られる。本発明に有用な体液としては、血液、尿、唾液または任意の他の身体分泌物あるいはその誘導体が挙げられる。本明細書中で用いる場合、「血液」は、全血、血漿、血清、循環血球、血液の構成成分または任意の血液の誘導体を包含する。
「臨床的パラメーターまたは指標」は、対象の健康状態または他の特質のすべての非試料または非検体のバイオマーカーを包含し、例えば年齢(Age)、人種(RACE)、性別(Sex)、拡張期血圧(DBP)および収縮期血圧(SBP)、家族歴(FamHX)、身長(HT)、体重(WT)、胴囲(Waist)および腰囲(Hip)、体重指数(BMI)、ならびにその他、例えばI型またはII型真性糖尿病または妊娠糖尿病(DMまたはGDM、ここでは集合的に糖尿病と呼ぶ)および安静時心拍数であるが、これらに限定されない。
本発明の文脈における「対象」は、好ましくは哺乳類である。哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマまたはウシであり得るが、これらに限定されない。ヒト以外の哺乳類は、動脈血管疾患または動脈血管事象の動物モデルを代表する対象として有益に用いられ得る。対象は、雄または雌であり得る。対象は、動脈血管疾患または動脈血管事象を有すると予め診断されるかまたは識別された、そして任意に、動脈血管疾患または動脈血管事象のための治療的介入を既に受けたかまたは受けつつある対象である。代替的には、対象は、動脈血管疾患を有すると予め診断されていない対象でも有り得る。例えば、対象は、動脈血管疾患に関する1つ以上の危険因子を示す対象、あるいは動脈血管危険因子を示さない対象、あるいは動脈血管疾患または動脈血管事象に関して無症候性である対象でも有り得る。対象は、動脈血管疾患または動脈血管事象に罹患しているかまたはそれを発症する危険がある対象でも有り得る。
「式」、「アルゴリズム」または「モデル」は、任意の数学的方程式、アルゴリズム的、分析的またはプログラム化プロセス、あるいは1つ以上の連続的またはカテゴリ的入力データ(ここでは「パラメーター」と呼ぶ)を得て、出力値(時には「指標」または「指標値」と呼ぶ)を算定する統計学的技法である。「式」の非限定例としては、和、比率および回帰演算子、例えば係数または指数、バイオマーカー値変換および標準化(性別、年齢または人種のような臨床パラメーターに基づいた標準化スキームを含むが、これらに限定されない)、規則および指針、統計的分類モデル、ならびに歴史的集団に向けられるニューラルネットワークが挙げられる。心臓血管系危険因子およびその他のバイオマーカーを組み合わせる場合に特に用いられるのは、対象試料で検出される心臓血管系危険因子のレベルと対象の心臓血管系疾患の危険度との間の関係を決定するための線形および非線形方程式および統計的分類分析である。パネルおよび組合せ構成において、特に興味深いのは、構造的および統語的統計分類アルゴリズム、ならびに、パターン認識特徴を利用し、交差相関のような確立された技法を含む、危険指標構成の方法、主成分分析(PCA)、因子回転、ロジスティック回帰(LogReg)、線形判別分析(LDA)、Eigengene線形判別分析(ELDA)、サポートベクターマシン(SVM)、ランダムフォレスト(RF)、帰納的分配木(RPART)、ならびに他の関連決定木分類技法、収縮重心(SC)、StepAIC、K最近隣法、ブースティング、決定木、ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシンおよび隠れマルコフモデル等である。他の技法、例えば当業者に周知のコックス、ワイブル、カプラン・マイヤーおよびグリーンウッド・モデルが、生存および時間対事象危険分析に用いられ得る。
「測定すること」または「測定」、あるいは代替的には「検出すること」または「検出」は、臨床のまたは対象由来の試料中の所定の物質の存在、非存在、分量または量(有効量で有り得る)を評価することを意味し、そのような物質の定性的または定量的濃度レベルの誘導、あるいはそうでなければ対象の非分析物臨床パラメーターの値または類別を評価することを含む。
本発明の一目的は、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険がある対象の識別方法であって、以下の:
−少なくとも2つの心臓血管系危険因子、すなわち:
a)sPLA2活性、および
b)アポリポタンパク質B−100粒子上の酸化リン脂質(OxPL/アポB)
を、上記対象から得られる試料中で測定すること、
−上記測定を組合せること
を包含する方法であり、sPLA2活性およびOxPL/アポBの組合せ値が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があることを示す方法である。
本発明によれば、統計学的分析を用いて上記測定値を組合せると組合せ値を得るが、これは、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があることを示す。
本発明の一実施形態では、対象は、実質的に健常な対象であって、これは、対象が、心臓血管系疾患を有するかまたは罹患していると以前に診断されていないしまたは識別されていないこと、あるいは心臓血管系事象を発症したことがないということを意味する。別の実施形態では、対象は、心臓血管系疾患に対して無症候性である対象でもあり得る。本明細書中で用いる場合、「無症候性」対象は、CADに関しては胸痛および息切れ、PADに関しては跛行、ならびにCVDに関してはTIAS、MCIおよび重症頭痛を含むがこれらに限定されない心臓血管系疾患または事象の伝統的症候を示さない対象を指す。
本発明の別の実施形態では、対象は、例えば年齢、性別、LDL濃度、HDL濃度、トリグリセリド濃度、血圧、体重指数、CRP濃度、冠動脈カルシウムスコア、胴囲、喫煙状態、心臓血管系疾患の既往歴、心臓血管系疾患の家族歴、心拍数、空腹時インスリン濃度、空腹時グルコース濃度、糖尿病状態ならびに高血圧薬の使用のような臨床的および生物学的指標により限定されるような、心臓血管系疾患または心臓血管系事象を有するかまたは発症する危険がある対象であり得る。
本発明の別の実施形態では、対象は、心臓血管系疾患または心臓血管系事象、例えば心筋壊死を伴わない慢性虚血性障害(例えば安定または労作性狭心症)、心筋壊死を伴わない急性虚血性障害(例えば不安定狭心症)、心筋壊死を伴う虚血性障害(例えばSTセグメント評価心筋梗塞または非STセグメント評価心筋梗塞)に関して以前に診断または識別されたことがある対象であり得る。
組織虚血はしばしば、関連する用語で定義され、酸素の要求が組織への酸素の送達を上回る場合に起こる。組織の(例えば心筋の)酸素需要と供給との間の不均衡が存在する。この酸素欠乏の状態には、還流低減の結果として起こる代謝産物の不適切な除去が伴い得る。心筋虚血は、シンチグラフィーを用いて、局所壁運動障害を分析することにより、または心電図の使用により(STセグメント、上部または下部STセグメント偏差の典型的修飾、T波逆転、あるいは急勾配対称性または高振幅陽性T波のようなT波の典型的変化)、臨床的に(例えば胸痛)、生物学的に(例えばミエロペルオキシダーゼ活性の増大)、代謝的に診断され得る。無症候性虚血は、典型的には、シンチグラフィーまたは24時間心電図記録を用いて診断される。
安定および労作性狭心症は、典型的には、運動中の胸痛により現れ、休息中徐々に回復する。それは、通常は、運動中の組織虚血を表す。
不安定狭心症は、安定狭心症の頻度および/または重症度,狭心症の最初の発症、または休息中の狭心症の新たな増大である。
心筋壊死は、典型的には、循環血液中の心筋酵素(例えばトロポニンI、トロポニンT、CPK)の増大により診断される。
本発明の別の実施形態では、対象は、心臓血管系疾患のための治療および/または療法の結果としての心臓血管系危険因子における改善を示す対象であり得る。このような改善としては、体重指数の低減、総コレステロールの低減、LDLレベルの低減、HDLCレベルの増大、拡張期および/または収縮期血圧の低減、あるいはその他の上記危険因子あるいはその組合せが挙げられる。
本発明の一実施形態では、虚血性症候の開始は、対象において診断されていない。心筋虚血は、シンチグラフィーを用いて、局所壁運動障害を分析することにより、または心電図の使用により(STセグメント、上部または下部STセグメント偏差の典型的修飾、T波逆転、あるいは急勾配対称性または高振幅陽性T波のようなT波の典型的変化)、臨床的に(例えば胸痛)、生物学的に(例えばミエロペルオキシダーゼ活性の増大)、代謝的に診断され得る。
別の実施形態では、虚血症候の開始は、本対象において診断されている。
本発明の一実施形態では、sPLA2活性およびOxPL/アポBならびに任意に他の心臓血管系危険因子を測定するために用いられる試料は、血液試料、全血、血漿、血清である。
本発明によれば、sPLA2活性は上記試料で測定される。
本発明によれば、sPLA2活性の測定は、Pernas等(1991 Biochem Biophys Res Commun 178: 1298−1305)により変更されたRadvanyi等(1989 Anal Biochem 177: 103−9)による蛍光定量法により実施され得る(これらの記載内容はすべて参照により本明細書中で援用される)。
特に、以下のアッセイが用いられる。1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノールナトリウム塩(Interchim, Montlucon, France)は、sPLA2のための基質として用いられる。sPLA2によるこの基質の加水分解は1−ピレンデカン酸を生じ、これは397nmで蛍光を発する。2.5mlの総容積中の10mM トリス−HCl、pH8.7、0.1%アルブミン、10mM CaClの存在下で、分注した血漿0.03mlを5nmolの基質と混合し(容積(E))、1分後に397nmで蛍光(F)を測定する。基質の100%加水分解は1分の間に0.1Uの蜂毒PLA2(Sigma Chemical Co., France)を用いて得られ、したがって、1分の反応の終了時の蛍光の値(Fmax)は、2nmol/分/mlの活性(Vmax)に対応する。試料の活性(A)(nmol/ml/分で表される)は、以下の式により示される:A=(VmaxF)/(EFmax)。
基質加水分解が50%を超えたら、試料を希釈する。血漿の非存在下での基質の加水分解を陰性対照として用い、PLA2活性から差し引く。全試料を二通りで試験する。最小検出可能活性および検出限界は0.10nmol/分/mlであり、変動のアッセイ内およびアッセイ間係数は10%より低い。
本発明によれば、sPLA2活性の測定は、小試料容積で、変更された基質/酵素比(50nmol/Uの代わりに10nmol/U)で30℃に保たれたサーモスタットを用いる自動蛍光定量測定を用いて、改良型蛍光定量法により実施され、従来の方法(バッチ内CV<10%、バッチ間CV<10%)より高い精度および感度(2.7%<変動係数(CV):バッチ内<3.2%;バッチ間CV<5.7%)、ならびに実質的に短いアッセイ完了までの時間を提供し得る。特に、自動測定のために以下のアッセイが用いられる。1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノールナトリウム塩(Interchim, Montlucon, France)は、sPLA2のための基質として用いられる。sPLA2によるこの基質の加水分解は1−ピレンデカン酸を生じ、これは405nmで蛍光を発する。簡単には、0.2mlの緩衝基質(10mM トリス−HCl、pH8.7、0.1%アルブミン、10mM CaCl)中の蛍光基質1nmolを、Black Maxisorpマイクロタイタープレート(96ウェル)中に自動的に分配した。基質の自己失活特性のために、撹拌装置および30℃に保たれたサーモスタットを装備したFluostar Optima蛍光計で、低い蛍光が先ず記録される(Fmin)。30μl(100U/mL)の蜂毒PLA2(Sigma Chemical Co., France)の添加により、全基質の迅速な加水分解(100%の加水分解)ならびに最大値までの蛍光増大(Fmax)を引き起こし、これは5nmol/mlの活性に対応する。未知の血液試料中のsPLA2活性を決定するために、30μlの血清(E)を自動的に分配して、基質混合物に添加し、蛍光を1分間で記録した(F)。2点手法を用いて、各試料の補正蛍光強度を測定し、酵素活性(nmol/分/mlで表される)を評価した。全試料を二通りで試験した。試料の活性(A)は、以下の式により示される:A=(VmaxF)/(EFmax)。
血清の非存在下での基質の加水分解を陰性対照として用いて、PLA2活性から差し引く。全試料を、二通りで試験する。別記しない限り、血清sPLA2活性に関して本明細書中で示される数値はすべて、自動測定のための上記の規定されたアッセイに従って測定される。
アッセイを実施するために用いられ得るホスホリパーゼは、分泌型ホスホリパーゼ、または既知の活性を有するホスホリパーゼ、好ましくは蜂毒ホスホリパーゼである。
別の実施形態では、蛍光定量法に基づいた方法であって、上記sPLA2を含有し、上記患者から採取した生物学的試料を、1nM〜15nMの濃度の基質と接触させる(血清試料容積は5μl〜50μlであり、基質容積は100μl〜300μlである)ことを包含する蛍光定量法を基礎にした方法により、約15℃〜約40℃の温度範囲で、好ましくは約30℃で、sPLA2活性は決定され得る。用いられるホスホリパーゼは、蜂毒またはコブラ毒のような蛇毒、好ましくは蜂毒からのホスホリパーゼであり得る。それは、任意の種からの組換えホスホリパーゼであり得る。このアッセイは、WO2008/015546(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)の実施例2に記載されている。この方法の利点は、用いられる基質の小試料容積ならびにサーモスタット調節であって、より高い精度および感度を提供する。
代替的には、上記のような自動化蛍光定量測定の変形が用いられ得るが、これは試料中の他の因子による蛍光強度の非特異的増大に起因し、したがってsPLA2活性の測定を妨げ得る不正確さを軽減し得る。この方法は、sPLA2活性を決定するために以下の式が用いられるという点でのみ上記に規定された自動化蛍光定量測定法と異なる:
A=Fs/[(Fmax−Fmin)V]
(式中:
−Aは、nmol/分/mlで表されるsPLA2活性を表し;
−sは、nmolで表される基質の量(通常、作業溶液200μlの容積中に1nmol)を表し;
−Vは、mlで表される試料容積(通常、0.30〜0.50ml)を表し;
−(Fmax−Fmin)は、蜂毒からのPLA2の存在下での反応終了時の最大蛍光シグナルと陰性対照との間の差を表し;
−Fは、分−1で表される時間の一関数としての蛍光放射を表す曲線の、線形範囲内の、初期勾配を表す)。
自動化蛍光定量測定のこの変数は、WO2008/015546(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)の実施例4に記載されている。
本発明によれば、OxPL/アポBは、上記の試料で測定される。
OxPL/アポB比を測定するための方法は、US2006/177435(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている。上記の方法は、試料中のOxPLレベルの決定、試料中のアポBレベルの決定と、その後のOxPL/アポB比の算定に基づいている。
一実施形態では、対象から得られる試料中のOxPLのレベルおよびアポBのレベルは、2つ以上の異なる生体分子で測定される。第一生体分子はOxPLと特異的に相互作用し、第二生体分子はアポBと特異的に相互作用する。いくつかの態様では、生体分子は、抗体、例えばモノクローナル抗体である。OxPLと相互作用する抗体は、例えばE06またはDLH3であり得る。
他の態様では、生体分子は抗原である。いくつかの実施形態では、生体分子は固定されて、複数の第一生体分子の第一組と複数の第二生体分子の第二組を含むアレイを形成する。
酸化リン脂質の例としては、酸化型の、1−パルミトイル−2−アラキドノイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(Ox−PAPC)、1−パルミトイル−2−オキソバレロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリル−コリン(POVPC)、1−パルミトイル−2−グルタロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(PGPC)、1−パルミトイル−2−エポキシイソプロスタン−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(PEIPC)、酸化1−ステアロイル−2−アラキドノイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(Ox−SAPC)、1−ステアロイル−2−オキソバレロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(SOVPC)、1−ステアロイル−2−グルタロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(SGPC)、1−ステアロイル−2−エポキシイソプロスタン−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(SEIPC)、1−ステアロイル−2−アラキドニル−sn−グリセロ−3−ホスホリルエタノールアミン(Ox−SAPE)、1−ステアロイル−2−オキソバレロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルエタノールアミン(SOVPE)、1−ステアロイル−2−グルタロイル−sn−グリセロ−3−ホスホリルエタノールアミン(SGPE)および1−ステアロイル−2−エポキシイソプロスタン−sn−グリセロ−3−ホスホリルエタノールアミン(SEIPE)が挙げられる。
本明細書中で用いる場合、「生物学的分子」および「生体分子」という用語は互換的に用いられ得る。これらの用語は広範囲に解釈されるよう意図されており、一般的には、ポリペプチド、ペプチド、オリゴ糖、多糖、オリゴペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを包含する。オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドとしては、例えばDNAおよびRNA、例えばそれらのアプタマー形態が挙げられる。生体分子は、有機化合物、有機金属化合物、有機および有機金属化合物の塩、糖類、アミノ酸ならびにヌクレオチド、脂質、炭水化物、薬剤、ステロイド、レクチン、ビタミン、鉱質、代謝産物、補因子および補酵素も含む。生体分子は、記載された分子の誘導体をさらに含む。例えば、生体分子の誘導体としては、脂質、ならびにオリゴペプチド、ポリペプチド、ペプチドおよびタンパク質、例えば抗体、のグリコシル化誘導体が挙げられる。生体分子の誘導体のさらなる例としては、オリゴ糖および多糖の脂質誘導体、例えばリポ多糖が挙げられる。
特定のタンパク質、例えばOxPLおよびアポBを識別するための例示的生化学的試験には、標準化試験フォーマット、例えば酵素結合免疫吸着測定法またはELISA法を用いるが、本明細書中で提供される情報は、他の生化学的または診断用の試験の開発に適用され得、ELISA法の発展したものには限定されない(例えば、ELISA法の説明に関しては、Molecular Immunology: A Textbook, edited by Atassi et al. Marcel Dekker Inc., New York and Basel 1984参照)。種々の血漿構成成分のための市販の酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)キットが利用可能である、と理解される。
OxPL/アポB比を測定するための改良型方法は、WO01/88547(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている。上記の改良型方法は、ホスホリルコリン(PC)を用いることによりアッセイを標準化するよう意図される。上記方法によれば、イムノアッセイは、酸化および非酸化LDLの両方に結合する抗体(例えば、抗アポB)の使用によりマイクロタイターウェル上でLDLを先ず捕捉し、次いで、標識化E06抗体によりOxLDLを検出することにより実施され得る。代替的には、E06抗体は、マイクロタイターウェルの底に結合され、そして標識化抗LDL抗体を使用して結合したOxLDLの量が決定される。OxLDLは、マイクロタイターウェルを被覆するためにも用いられ、そして種々の濃度の患者血清(OxLDLを含有すると推定される)が一定の限定量の標識化(例えば、ビオチニル化)E06またはT15と混合されて、プレート上のOxLDLとの結合に関して競合し得る。各アッセイに関して、標準条件下では、標準曲線は競合剤としてPCを用いて展開され得る。代替的には、患者血清よりむしろ競合剤の供給源としてのPCを用いて、一組の反応が平行して実行され得る。PCは単独で用いられ得るし、あるいは担体タンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはカギアナカサガイヘモシアニン(KLH)と結合され得る。
本発明によれば、sPLA2活性およびOxPL/アポB、ならびに任意に他の心臓血管系危険因子に関して得られる測定値は、統計分析において組合せられるが、この場合、sPLA2活性およびOxPL/アポB、ならびに任意に他の心臓血管系危険因子の組合せ値は、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があることを示す。
当業者が理解するように、研究中の診断/予後診断問題を改善するために、2つ以上の危険因子の測定値を用いるための多数の方法が存在する。
非常に簡単であるが、それにもかかわらずしばしば有効なアプローチでは、研究されるマーカーの少なくとも1つに関して試料が陽性である場合、陽性結果が推定される。これは、例えばエイズのような感染性疾患を診断する場合の事例である。しかしながら、しばしば、危険因子の組合せが評価される。好ましくは、sPLA2活性およびOxPL/アポBならびに任意に他の心臓血管系危険因子に関して得られる測定値は、数学的に組合され、そして組合せ値は根本的な診断/予後診断問題と相関される。危険因子測定値は、任意の適切な状態の当該技術分野の数学的方法により組合され得る。マーカー組合せを疾患と相関させるための周知の数学的方法は、判別解析(DA)(すなわち、線形−、二次−、正則化DA)、カーネル法(すなわち、SVM)、非パラメーター法(すなわち、k−最近隣分類器)、PLS(部分最小二乗法)、ツリーベース法(すなわち、論理的回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースティング/バギング法)、一般化線形モデル(すなわち、論理的回帰)、主成分ベースの方法(すなわち、SIMCA)、一般化加法モデル、ファジー論理ベースの方法、ニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムに基づく方法のような方法である。当業者は、本発明のマーカー組合せを評価するために適切な方法を選択するに際して、なんの問題もないであろう。
好ましくは、本発明の危険因子組合せを、心臓血管系疾患または心臓血管系事象を有するかまたは有する危険があるという危険性と相関させるのに用いられる方法は、DA(すなわち、線形−、二次−、正則化判別解析)、カーネル法(すなわち、SVM)、非パラメーター法(すなわち、k−最近隣分類器)、PLS(部分最小二乗法)、ツリーベース法(すなわち、論理的回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースティング法)、または一般化線形モデル(すなわち、論理的回帰)から選択される。これらの統計学的方法に関する詳細は、以下の参考文献に見出される:Ruczinski, I., Kooperberg C., LeBlanc, M., Logic regression, J. of Computational and Graphical Statistics, 12(2003) 475−511;Friedman, J.H., Regularized Discriminant Analysis, J. of the American Statistical Association, 84(1989) 165−175;Trevor Hastie, Robert Tibshirani and Jerome Friedmann, The Elements of Statistical Learning, Springer Verlag, 2001;Breiman, L., Friedman, J.H., Olshen, R.A., Stone, C.J. (1984) Classification and regression trees, California: Wadsworth;Breiman, L., Random Forests, Machine Learning, 45(2001) 5−32;Pepe, M.S., The Statistical Evaluation of Medical Tests for Classification and Prediction, Oxford Statistical Science Series, 28(2003);およびDuda, R.O., Hart, P.E., Stork, D.G., Pattern Classification, Wiley Interscience, 2nd Edition (2001)。
本発明の一実施形態では、危険因子の基本的組合せのための最適化多変量カットオフを用いて、状態Aを状態Bと、例えば罹患状態を実質的に健常な状態と区別する。この分析の型では、危険因子はもはや独立しておらず、危険因子パネルを構成する。sPLA2活性およびOxPL/アポBの測定値を組み合わせると、実質的に健常な対象と比較して、あるいは心臓血管系疾患または事象があると診断されたことのある対象と比較して、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象に関する診断/予後診断精度が有意に改良される。
本発明の一実施形態では、sPLA2活性およびOxPL/アポBならびに任意に他の心臓血管系危険因子の測定値の統計分析は、標準手法を用いるオッズ比(OR)の決定に基づいている。オッズ比は、試験群のオッズを対照群のオッズで割ることにより算定される。一事象のオッズは、事象の数を非事象の数で割って算定される。事象のオッズが1より大きい場合、その事象は起きないより起きるほうがあり得る(起きることが確かである事象のオッズは無限である);オッズが1未満である場合、事象は起きないと見込まれる(起こり得ない事象のオッズはゼロである)。概して、関連の強さはオッズ比(OR)として報告され(95%より低い(LCL)および高い(UCL)信頼限界)、これは、疾患を有するか、あるいは疾患を有するかまたは発症する危険があるという危険性が増大される(OR>1)因子を示す。95%信頼区間(95%CI)は、見積もられている集団値が見出されるであろうとわれわれが確信し得る数値(算定確率、ここでは95%)の範囲である。信頼区間は、証拠の強さを示す;この場合、信頼区間は広く、それらは効果の見積もりの精度が低いことを示す。試行試料サイズが大きいほど、結果事象の数は多く、真の相対危険度減少が示される値に近い確実性はより大きくなる。したがって信頼区間はより狭くなり、「精度」は増大される。算定ORを信頼できる、重要である、または臨床的に有意であると確信して受容するために、信頼区間の下限、または下方信頼限界は、OR>1である場合には>1であるべきであり、信頼区間の上限は、OR<1である場合には<1であるべきである。
本発明の別の実施形態では、診断/予後診断方法の正確さは、その受診者操作特性(ROC)により最良に説明される(特に、Zweig, M.H., and Campbell, G., Clin. Chem. 39(1993) 561−577参照)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲に亘って判定閾値を連続的に変えることに起因する全ての感度/特異度対のプロットである。
実験室試験の臨床的実施は、その診断的正確さに、または臨床的に関連する亜群に対象を正しく分類する能力に依っている。診断的正確さは、研究される対象の2つの異なる状態を正しく区別する試験の能力を測定する。このような状態は、例えば健常および疾患である。
各事例において、ROCプロットは、判定閾値の競合範囲に関する感度対1−特異度をプロットすることにより、2つの分布間の重複を表わす。y軸上に感度または真陽性率を示す[(真の陽性試験結果数)/(真の陽性試験結果数+擬陰性試験結果数)と定義される]。これは、疾患または疾患状態の存在下では陽性とも呼ばれてきた。それは、専ら罹患亜群から算定される。x軸上には、擬陽性率、または1−特異度を示す[(擬陽性結果数)/(真の陰性結果数+擬陽性結果数)と定義される]。それは特異度の指標であり、非罹患亜群から専ら算定される。真陽性率および擬陽性率は、2つの異なる亜群からの試験結果を用いることにより、完全に別々に算定されるため、ROCプロットは試料中の疾患の有病率とは独立している。ROCプロット上の各点は、特定判定閾値に対応する感度/1−特異度対を表す。完全識別(結果の2つの分布に重複なし)を伴う試験は、上左隅(真陽性率は1.0または100%である(完全感度))を通過するROCプロットを有し、擬陽性率は0である(完全特異度)。無識別(2つの群に関して同一分布結果)を伴う試験に関する理論的プロットは、下左隅から上右隅への45°対角線である。大半のプロットは、これら2つの極値間に入る(ROCプロットが完全に45°対角線より下にある場合、これは、「陽性」に関する判定基準を「〜より大きい」から「〜未満」に、またはその逆に、反転することにより、容易に修正される)。定性的には、プロットが上左隅に近いほど、試験の全体的正確さは高い。
実験室試験の診断の正確さを定量するための便利な一つの目的は、単一の数によりその結果を表すことである。最も一般的な広域測定値は、ROCプロットした面積である。慣例により、この面積は常に0.5である(そうでない場合、それがそうなるよう判定規則を変換し得る)。値は、1.0(2つの群の試験値の完全分離)と0.5(試験値の2群間の見掛けの分布差なし)との間の範囲である。面積は、対角線に最も近い点または90%特異度における感度のようなプロットの特定部分にのみ依っているわけではなく、全プロットに依っている。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1.0)に如何に近いかの定量的、説明的表現である。
本発明の一実施形態では、sPLA2活性およびOxPL/アポBならびに任意に他の危険因子の組合せ値は、参照値と比較される。
一実施形態では、参照値は指標値であり得るし、あるいは心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象に関する1つ以上の危険予測アルゴリズムまたは算出指数から得られる。参照値は、同様の体重指数、総コレステロールレベル、LDL/HDLレベル、収縮期または拡張期血圧を有する対象、同一または類似の年齢範囲の対象、同一または類似の人種群の対象、アテローム硬化症、アテローム血栓症、あるいはCAD、PADまたはCVDの家族歴を有する対象(これらに限定されない)のような集団研究から得られる多くの値に関連し得るし、もしくはアテローム硬化症、アテローム血栓症、CAD、PADまたはCVDのような動脈血管性疾患に関する治療を受けている対象の出発試料に関連し得る。
このような参照値は、フラミンガム試験、NCEP/ATP III等で報告されたアルゴリズム(これらに限定されない)のような動脈血管性疾患の数学的アルゴリズムおよび算出指数から得られる集団の統計分析および/または危険度予測データから得られる。心臓血管系危険因子参照値はさらにまた、アルゴリズムならびに統計学的および構造的分類の他の方法を用いて構築され、用いられ得る。
本発明の一実施形態では、参照値は、本明細書中に上記されたような実質的に健常である1以上の対象から得られる対照試料におけるOxPL/アポBおよびsPLA2活性ならびに任意に他の心臓血管系危険因子の組合せから得られる。実質的に健常であるそのような対象は、心臓血管系疾患に関する伝統的危険因子を欠いている:例えば、それらの対象は、200mg/dl未満の血清コレステロールレベル、120mmHg以下の収縮期血圧、80mmHg以下の拡張期血圧を有し、非喫煙常習者であり、糖尿病の診断歴を有さず、上記の他の危険因子の中でも急性冠動脈症候群または高血圧と以前に診断されたことがなく、あるいは当該技術分野で既知の心臓血管系疾患の別の侵襲性または非侵襲性診断試験、例えば、心電図(ECG)、頚動脈Bモード超音波(内膜中膜複合体厚測定)、電子線コンピューター断層撮影(EBCT)、冠動脈カルシウムスコア、マルチスライス高分解能コンピューター断層撮影、核磁気共鳴、運動負荷試験、血管造影、血管内超音波(IVUS)、他の対比および/または放射性同位体画像処理技法、あるいは他の誘発試験技法により立証され得るが、これらに限定されない。
別の実施形態では、このような対象は監視され、および/またはこのような試験後の診断関連期間中に定期的に再試験(「長期試験」)されて、その試験に続き、心臓血管系疾患または急性心臓血管系事象からの継続的無存在(疾患または無事象で生存)を立証する。このような期間は、参照値の決定に関する最初の試験日から1年、2年、2〜5年、5年、5〜10年、10年、あるいは10年以上であり得る。さらに、適正に積み上げられた歴史的対象試料中のOxPL/アポBおよびsPLA2活性レベルの遡及的測定はこれらの参照値を確立するのに用いられ、したがって必要とされる試験時間を短縮し、プロダクトクレームの意図される範囲を通じて介在期間中に対象は適切に追跡調査されてきたと推定する。
別の実施形態では、参照値は、(1)上記の侵襲性または非侵襲性技法のうちの1つにより心臓血管系疾患または心臓血管系事象を有すると以前に診断されるかまたは識別されたことがあるか、あるいは心臓血管系事象またはプラーク破裂に罹患したことが有り、ならびに(2)再発性心臓血管系事象を経験したことがない、1以上の対象から得られる試料中のOxPL/アポBおよびsPLA2活性ならびに任意に他の心臓血管系危険因子の組合せからも得られる。
別の実施形態では、参照値は、心臓血管系事象を発症する危険度が高いか、あるいはアテローム硬化性またはアテローム血栓性プラーク破裂を発症する危険度が高い1以上の対象から得られる試料中のOxPL/アポBおよびsPLA2活性ならびに任意に他の心臓血管系危険因子の組合せからも得られる。
本発明の別の実施形態では、参照値は、心臓血管系疾患の治療および/または療法の結果として心臓血管系危険因子の改善を示した1以上の対象から得られた試料のOxPL/アポBおよびsPLA2活性ならびに任意に他の心臓血管系危険因子の組合せからも得られる。このような改善としては、体重指数の低減、総コレステロールの低減、LDLレベルの低減、HDLCレベルの増大、収縮期および/または拡張期血圧の低減、あるいは他の上述の危険因子またはそれらの組合せが挙げられる。
本発明の一実施形態では、参照値は、指標値または基線値である。指標値または基線値は、心臓血管系疾患、例えばアテローム硬化症、アテローム血栓症、CAD、PADまたはCVDを有さない1以上の対象、あるいは心臓血管系疾患に関して無症候性である対象から得られる。基線値は、心臓血管系治療または療法の結果として心臓血管系危険因子の改善を示した対象からも得られる。このような改善としては、体重指数の低減、総コレステロールの低減、LDLレベルの低減、HDLCレベルの増大、収縮期および/または拡張期血圧の低減、あるいはその組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態では、本発明の方法は、sPLA2活性およびOxPL/アポBを、臨床的および生物学的指標、例えば、年齢、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、心不全の病歴、冠動脈血管造影または血管形成の前歴、Killip分類、STセグメント偏差、冠動脈再血管新生(血管形成または冠動脈バイパス術)およびクレアチニンと組合せることを包含する。
本発明の別の実施形態では、本発明の方法は、
−少なくとも2つの心臓血管系危険因子、すなわち:
a)sPLA2活性、および
b)アポリポタンパク質B−100粒子上の酸化リン脂質(OxPL/アポB)、
ならびにフラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM IC(IgM免疫複合体)またはIgM MDA−LDL(IgMマロンジアルデヒドLDL)、Lp−PLA2活性およびsPLA2集団の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を、前記対象から得られる試料中で測定すること、
−前記測定を組合せること
を包含し、前記組合せ値は、心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があることを示す。
上記実施形態によれば、FRSは、年齢、性別、総コレステロール、HDL−C、収縮期および拡張期血圧、喫煙および糖尿病の存在を考慮する従来報告されたアルゴリズムを用いて算定される(Wilson P.W. et al., Circulation. 1998; 97: 1837−1847)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)。
上記の実施形態によれば、CRPは、当該技術分野で既知の方法により、例えばArima et al(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2008 Jul; 28(7): 1385−91)およびRidker et al(New England Journal of Medecine, 2000, 342: 836−843)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載された方法により測定され得る。
上記の実施形態によれば、アポB100のIgM ICおよびIgM MDA−LDLは、当該技術分野で既知の方法により、例えばTsimikas et al(2004, Circulation, 110: 1406−1412および2003 J. Am. Coll. Cardiol. 41: 360−370)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に従って測定され得る。
上記の実施形態によれば、Lp−PLA−2活性は、当該技術分野で既知の方法により、例えばKiechl et al. (2007, Atherioscler. Thromb. Vasc. Biol. 27: 1788−1795)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に従って測定され得る。例えばLp−PLA2活性は、Kosaka et al. (2000 Clin. Chim. Acta 296: 151−161)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)の方法に基づいた市販キット(Azwell Inc)を用いて測定され得る。LpPLA2活性は、WO2005074604(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載された方法によっても測定され得る。
上記の実施形態によれば、sPLA2集団は、sPLA2−IIA(Caymen Chemical Company)に特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫測定法を用いて測定され得る。
一実施形態では、本発明の方法は、sPLA2活性、OxPL/アポBおよびFRS測定の組合せを包含する。
別の実施形態では、本発明の方法は、sPLA2活性、OxPL/アポB、FRSおよびCRP測定を包含する。
別の実施形態では本発明の方法は、sPLA2活性、OxPL/アポB、FRSおよびsPLA2集団測定を包含する。
本発明によれば、本明細書中に上記されたような方法は、対象が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があるか否かを識別するためのものである。
本発明の一実施形態では、上記の心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象は、代謝症候群、X症候群、アテローム硬化症、アテローム血栓症、冠動脈疾患、安定および不安定狭心症、卒中、大動脈およびその分枝の疾患(例えば大動脈血栓症または大動脈瘤)、末梢血管疾患、脳血管系疾患ならびに任意の急性虚血性心臓血管系事象である。
任意に、心臓血管系疾患または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを発症する危険が増大していると識別される対象は、心臓血管系疾患の進行を遅らせるか、あるいは心臓血管系疾患または心臓血管系事象を発症する危険を低減するかまたは防止するための治療レジメンを受けるよう選択される。
本発明によれば、上記の方法は、それを必要とする対象における心臓血管系疾患または事象をモニタリングするためのものであり、上記の心臓血管系疾患または事象は、代謝症候群、X症候群、アテローム硬化症、アテローム血栓症、冠動脈疾患、安定および不安定狭心症、卒中、大動脈およびその分枝の疾患(例えば大動脈血栓症または大動脈瘤)、末梢血管疾患、脳血管系疾患ならびに任意の急性虚血性心臓血管系事象である。
本発明の一実施形態では、上記の方法は、それを必要とする対象における心臓血管系疾患の進行を評価するためのものである。
本発明の別の実施形態では、上記の方法は、心臓血管系疾患のための治療の有効性をモニタリングするためのものである。治療の有効性は、心臓血管系危険因子の測定における変化によって表される。治療が所望の効果を有する場合、心臓血管系危険因子の測定値ひいては組合せ値は、治療前に得られた測定値および組合せ値と比較して低くなる。
本発明の別の実施形態では、上記の方法は、心臓血管系疾患を有するか、またはその危険があると診断された対象のための治療レジメンを選択するためのものである。
本発明の別の目的は、対象が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を有するか、あるいはそれを有するかまたは発症する危険があるか否かを識別するためのキットであって、以下の:
−sPLA2活性を測定するための手段、および
−OxPL/アポBを測定するための手段
を包含するキットである。
一実施形態では、上記のキットは、組合せ値を得るために測定値を組合せる為の手段をさらに包含する。
心臓血管系危険因子の測定値を組合せる為の上記手段は、統計分析を可能にするアルゴリズム、例えばDA(すなわち、線形−、二次−、正則化判別解析)、カーネル法(すなわち、SVM)、非パラメーター法(すなわち、k−最近隣分類器)、PLS(部分最小二乗法)、ツリーベース法(すなわち、論理的回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースティング法)、または一般化線形モデル(すなわち、論理的回帰)である。
別の実施形態では、sPLA2活性を測定するための上記手段は:
−sPLA2緩衝液、
−sPLA2により加水分解され易い化合物であって、その加水分解産物が直接または間接的に定量される化合物、
−対照sPLA2活性試料
である。
上記実施形態によれば、sPLA2により加水分解され易い化合物は、酵素の天然または非天然基質である。加水分解産物がそれら自体だけで定量可能でない場合、これらの産物と反応し得る、そして定量可能な化合物を生じ得る化合物が用いられ、このような方法は間接的定量化である。概して、sPLA2により加水分解され易い化合物は、蛍光原または色素原部分を含むリン脂質またはリン脂質類似体である。例えば、上記リン脂質は、蛍光性アシルにより位置2で置換されるグリセロリン脂質;例えば、1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノールまたは蛍光性アシル1−ピレンデカノイルであり、ホースラディッシュペルオキシダーゼの基質は、例えば3,3’,5,5’−テトラメチル−ベンジジン(TMB)である。
本発明によると、用い易い蛍光性アシルは、例えば当該技術分野で周知の蛍光基、例えばピレンまたはフルオレセインにより置換されるアシルである。代替的には、放射性グリセロリン脂質、例えば放射性アシルまたは放射性ホスファチジルエタノールアミンにより位置2で置換されるグリセロリン脂質が用いられ得る。対照sPLA2活性試料は、例えば蜂毒sPLA2を含む。
別の実施形態では、OxPL/アポBを測定するための上記手段は:
−OxPLと特異的に相互作用する抗体、例えばE06、T15またはDLH3、および
−アポBと特異的に相互作用する抗体、例えばMB47、
−任意に対照OxPL試料
である。この実施形態によれば、上記対照OxPL試料はホスホリルコリン(PC)を含有する試料であり得る。PCは単独で用いられ得るか、あるいは担体タンパク質、例えばウシ血清アルブミン(BSA)またはカギアナカサガイヘモシアニン(KLH)と結合され得る。
本発明の別の実施形態では、上記キットは、フラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM ICまたはIgM MDA−LDLおよびLp−PLA2の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を測定するための手段をさらに包含し得る。
上記実施形態によれば、フラミンガム危険スコア(FRS)は、当該技術分野で既知の方法により、例えばWilson P.W. et al. (Circulation. 1998 May 12; 97(18):1837−47)およびD’Agostino et al. (JAMA: The Journal of the American Medical Association. 2001; 286: 180−187)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載された方法により決定される。
上記実施形態によれば、CRPを測定するための上記手段は、例えば:
−CRP緩衝液、
−CRPと特異的に相互作用するモノクローナル抗体、
−CRPに特異的な酵素結合抗体、
−対照CRPレベル
である。
上記実施形態によれば、アポB100のIgMを測定するための上記手段は、例えば:
−アポB100のIgM緩衝液、
−化学発光試薬、
−ヒトアポB100に特異的なモノクローナル抗体、
−アルカリ性ホスファターゼ標識抗ヒトIgM、
−対照アポB100のIgM ICレベル試料
である。
上記実施形態によれば、IgM MDA−LDLを測定するための上記手段は、例えば:
−MDA−LDL緩衝液、
−化学発光試薬、
−アルカリ性ホスファターゼ標識抗ヒトIgM、
−対照アポB100のIgM MDA−LDLレベル試料
である。
上記実施形態によれば、Lp−PLA−2を測定するための上記手段は、例えば:
−試料中の活性チオール(単数または複数)を低減する化合物、
−酵素的活性Lp−PLA2の存在下で遊離チオール生成物に転換される基質、
である。
任意に、上記手段は、Lp−PLA2と特異的に相互作用する抗体、例えばモノクローナル抗体2C10、4B4、B200、B501、90D1E、90E3A、90E6C、90G11Dまたは90F2Dをさらに含み得る。
例えば、活性チオール(単数または複数)を低減する上記化合物、ならびに酵素的活性Lp−PLA2の存在下で遊離チオール生成物に転換される上記基質は、WO2005074604(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されている。
上記実施形態によれば、sPLA2集団を測定するための上記手段は、例えば:
−sPLA2集団緩衝液、
−sPLA2−IIAと特異的に相互作用するモノクローナル抗体、
−sPLA2 IIAに特異的な酵素結合抗体、
−対照sPLA2集団レベル
である。
研究参加者のベースライン特性。 sPLA2活性またはLp−PLA2活性およびOxPL/アポBの組合せ三分位値による追跡調査中の偶発性冠動脈疾患の未調整オッズ比。 sPLA2活性またはLp−PLA2活性およびOxPL/アポBの組合せ三分位値による追跡調査中の偶発性冠動脈疾患の調整オッズ比。 FRS、ならびにOxPL/アポB、Lp−PLA2活性、sPLA2活性およびCRPのうちの少なくとも1つとの組合せに関するROC下面積。 OxPL/アポBおよびsPLA2活性、sPLA2集団およびLp−PLA2の三分位値に基づいたCADに関するオッズ比。三分位値カットオフは、OxPL/アポBに関しては、<1150 RLU、1151−2249 RLUおよび>2249 RLUであり、sPLA2活性レベルに関しては、<4.05 nmol/分/ml、4.05〜4.83 nmol/分/mlおよび>4.83 nmol/分/mlであり、sPLA2集団レベルに関しては、<6.80 mg/dl、6.80〜11.29 mg/dlおよび>11.19 mg/dl、ならびにLp−PLA2活性に関しては、<44.05 nmol/分/ml、44.05〜56.23 nmol/分/mlおよび>56.23 nmol/分/mlである。 FRS、ならびにOxPL/アポB、Lp−PLA2活性、sPLA2活性およびCRPのうちの少なくとも1つとの組合せに関するROC下面積。 OxPL/アポB(<1150、1151−2249および>2249 RLU、(A))、sPLA活性(<4.05、4.05〜4.83および>4.83 nmol/分/ml;(B))、sPLA集団(<6.80、6.80〜11.29および>11.19 mg/dl;(C))、Lp−PLA活性(<44.05、44.05〜56.23および>56.23 nmol/分/ml;(D))の三分位値群と、各フラミンガム危険スコア群内の将来的CAD危険性との間の関係。フラミンガム危険スコアは、低危険度(10年間に亘る事象の危険度<10%)、中等度危険度(10%〜20%)および高危険度(>20%)として算定された。図中のp値は、それぞれのバイオマーカーの各三分位値と各バイオマーカーの低FRSカテゴリ中の最低三分位値との比較を表す。 OxPL/アポB(<1150、1151−2249および>2249 RLU、(A))、sPLA活性(<4.05、4.05〜4.83および>4.83 nmol/分/ml;(B))、sPLA集団(<6.80、6.80〜11.29および>11.19 mg/dl;(C))、Lp−PLA活性(<44.05、44.05〜56.23および>56.23 nmol/分/ml;(D))の三分位値群と、各フラミンガム危険スコア群内の将来的CAD危険性との間の関係。フラミンガム危険スコアは、低危険度(10年間に亘る事象の危険度<10%)、中等度危険度(10%〜20%)および高危険度(>20%)として算定された。図中のp値は、それぞれのバイオマーカーの各三分位値と各バイオマーカーの低FRSカテゴリ中の最低三分位値との比較を表す。 OxPL/アポB(<1150、1151−2249および>2249 RLU、(A))、sPLA活性(<4.05、4.05〜4.83および>4.83 nmol/分/ml;(B))、sPLA集団(<6.80、6.80〜11.29および>11.19 mg/dl;(C))、Lp−PLA活性(<44.05、44.05〜56.23および>56.23 nmol/分/ml;(D))の三分位値群と、各フラミンガム危険スコア群内の将来的CAD危険性との間の関係。フラミンガム危険スコアは、低危険度(10年間に亘る事象の危険度<10%)、中等度危険度(10%〜20%)および高危険度(>20%)として算定された。図中のp値は、それぞれのバイオマーカーの各三分位値と各バイオマーカーの低FRSカテゴリ中の最低三分位値との比較を表す。 OxPL/アポB(<1150、1151−2249および>2249 RLU、(A))、sPLA活性(<4.05、4.05〜4.83および>4.83 nmol/分/ml;(B))、sPLA集団(<6.80、6.80〜11.29および>11.19 mg/dl;(C))、Lp−PLA活性(<44.05、44.05〜56.23および>56.23 nmol/分/ml;(D))の三分位値群と、各フラミンガム危険スコア群内の将来的CAD危険性との間の関係。フラミンガム危険スコアは、低危険度(10年間に亘る事象の危険度<10%)、中等度危険度(10%〜20%)および高危険度(>20%)として算定された。図中のp値は、それぞれのバイオマーカーの各三分位値と各バイオマーカーの低FRSカテゴリ中の最低三分位値との比較を表す。 実施例 方法
欧州における癌および栄養予測調査(EPIC−Norfolk)追跡研究の詳細な説明は、以前に公表されている(Day N. et al., Br. J. Cancer, 1999; 80 Suppl. 1: 95−103)。簡単には、ノーフォークにおける一般開業医の年齢−性別記録簿から採用された25,663名の男性および女性(年齢45〜79歳)のこの予測集団研究を、食餌および癌のその他の決定因子を調べるよう意図した。参加者は1993年〜1997年の間にベースラインアンケート調査を完了し、来診し、2003年11月まで、平均で約6年、追跡調査された。個体はすべて、英国国立統計局で、全集団について確かめられた生命状態と共に死亡証明書のフラグを付けられている。さらに、ノーフォーク居住者に関するイングランドおよびウェールズ全体での全病院への接触を特定するイーストノーフォーク保健局データベースとのデータ連関により、参加者独自の国民保健サービス番号を用いて、病院に収容された参加者を特定した。本研究は、ノリッジ保健局倫理委員会により承認され、参加者は全員、インフォームドコンセントを書面で提出した。
研究集団(図1)
Epic−ノーフォーク研究における参加者の間で、ネスティド・ケース・コントロール研究を実施した。症例確認は、他で詳細に記載されている(Boekholdt, S.M., Circulation, 2004; 110: 1418−1423)。簡単には、ノーフォークにおける一般開業医の年齢−性別記録簿から、25,663名の健常な男性および女性(年齢45〜79歳)を採用した。参加者は1993年〜1997年の間にベースラインアンケート調査を完了し、来診し、平均で約6年間、追跡調査された。ベースライン来院時に心臓発作または卒中の病歴を報告した個体は、排除された。症例確認は前に記載されている。個体は全員、英国国立統計局で、全集団について確かめられた生命状態と共に死亡証明書のフラグを付けられている。さらに、ノーフォーク居住者に関するイングランドおよびウェールズ全体での全病院への接触を特定するイーストノーフォーク保健局データベースとのデータ連関により、参加者の国民保健サービス番号を用いて、病院に収容された参加者を特定した。入院したか、および/または根本原因としてのCADで死亡した場合、追跡調査中にCADを有するとして参加者を特定した。CADを、国際疾病分類第9版に従って、コード410〜414と定義した。これらのコードは、不安定狭心症、安定狭心症および心筋梗塞といったようなCADの臨床範囲を包含する。対照は、追跡調査中に任意の心臓血管系疾患を依然として有さなかった研究参加者であった。ベースライン来院時に心臓発作または卒中の病歴を報告した全ての個体は、排除された。性別、年齢(5歳以内)および登録時期(3ヶ月以内)による各症例に対して2例の対照をマッチさせた。非心臓事象に関するデータは収集しなかった。本研究は、ノリッジ保健局倫理委員会により承認され、参加者は全員、インフォームドコンセントを書面で提出した。
研究測定値
ケンブリッジ大学臨床生化学科で、−80℃で、血液試料を保存した。総コレステロール、HDL−コレステロール(HDL−C)およびトリグリセリドの血清レベルを、RA1000(Bayer Diagnostics, Basingstoke, UK)を用いて新鮮試料で測定し、ならびにLDL−コレステロール(LDL−C)レベルをフリードワルドの式を用いて算定した(Friedewald WT. et al., CHn Chem. 1972; 18: 499−502)。CRPレベルを、以前に記載されたようにサンドイッチ型ELISAで測定した(Bruins P. et al. Circulation. 1997; 96: 3542−3548)。
Pernas等(Biophys Res Commun.1991; 178: 1298−1305)により変更されたRadvanyi等(Anal Biochem.1989; 177: 103−109)の選択的蛍光定量法により、血清sPLA2活性を測定した。以前記載されたように(Mallat Z. et al. J Am Coll Cardiol. 2005; 46: 1249−1257)、蛍光基質1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノールナトリウム塩(Interchim, Montlucon, France)を用いて、sPLA2活性を測定した。蜂毒からの0.1単位PLA2(Sigma Chemical Co., France)を用いて、蛍光基質の100%加水分解を測定した。血漿の非存在下での基質の加水分解を陰性対照として用いて、PLA2活性から差し引いた。全試料を二通りで試験し、血漿活性をnmol/分/mlとして表した。最小検出可能活性は、0.10nmol/分/mlであった。低(1.25nmol/分/ml)および高(9.5nmol/分/ml)sPLA2活性を有する試料の測定値により、sPLA2活性蛍光定量法の非精密度を決定した。バッチ内CVは、2.7%(低活性試料)〜3.2%(高活性試料)の範囲であり、バッチ間CVは5.7%であった。
Tsimikas et al (Current Opinion in Lipidology, 2008, 19: 369−377)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に記載されたように抗体E06を用いて、OxPL/アポBレベルを測定した。
全試料を無作為順に分析して、系統的偏りを回避した。研究者および実験室職員には識別可能な情報を伏せておき、試料の識別は番号によってのみ可能にした。
統計分析
ベースライン特性は、症例間で比較し、それらの間のマッチングを考慮して対照とマッチさせた。混合作用モデルを連続変数のために用い、条件付ロジスティック回帰をカテゴリ変数のために用いた。トリグリセリド、CRP、OxPL/アポB、sPLA2抗原レベルおよびsPLA2活性は傾斜分布を示したため、統計分析において連続変数として用いられる前に値を対数変換した。しかしながら、表中には、非変換中央値および対応する三分位値間範囲を示す。
三分位値は、対照における分布を基礎にした。性別特異的分析に関しては、性別特異的三分位値を用い、プール化分析のためには組合された性別に基づいた四分位値を用いた。
さらに、ピアソン相関係数を算定して、連続変数としてのsPLA2活性と危険性の他の連続バイオマーカーとの間の関係を評価した。偶発的CADの相対危険度の概算値としてのオッズ比ならびに対応する95%信頼区間(95%CI)を、条件付ロジスティック回帰分析を用いて算定した。最低sPLA2活性または最低Lp−PLA2活性および最低OxPL/アポB三分位値を、参照カテゴリとして用いた。
以下の心臓血管系危険因子に関して、オッズ比を調整した:体重指数、糖尿病、収縮期血圧、LDL−C、HDL−Cおよび喫煙(喫煙経験なし、喫煙経験有り、現喫煙者)。FRSスコアに関しても、オッズ比を調整した。フラミンガム危険スコアを、以前に報告されたアルゴリズムを用いて算定したが、これは、年齢、性別、総コレステロール、HDL−C、収縮期および拡張期血圧、喫煙ならびに糖尿病の存在を考慮に入れる(Wilson P.W. et al., Circulation. 1998; 97: 1837−1847)。SPSSソフトウェア(バージョン12.0.1;Chicago, III)を用いて、統計分析を実施した。統計学的有意性を示すために、P値<0.05を考慮した。
結果
偶発性CADの危険度を評価するためのsPLA2活性およびOxPL/アポBの組合せ測定
追跡調査中にCHDを発症した症例を選択し、そして依然として心臓血管系疾患を有さなかった対象を選択し、性別、年齢および登録時期によって症例とマッチさせた。sPLA2およびLp−PLA2の活性増強により、そしてOxPL/アポB増大により、CHD事象の危険度は有意に高められた。OxPL/アポBおよびLpPLA2活性の両方の最高三分位値の人は、2.22(1.51〜3.27)のオッズ比を有し、OxPL/アポBおよびsPLA2活性の両方の最高三分位値の患者は、4.34(2.84〜6.64)のオッズ比を有した(両方に関して最低三分位値の人と比較した場合、ともにp<0.0001)(FRSスコアに対して調整されたORに関しては図2および図3)。
図5に示した結果は、763症例および1397対照に基づき、この場合、表1に列挙した全ての対象の特性が利用可能であった。
図5は、sPLA2活性およびOxPL/アポBの両方に関して最高三分位値の対象が将来的なCADの危険度の有意な増大を有し、最低三分位値の対象と比較して3.46(2.22〜5.42)のORを有した、ということを示す。sPLA2集団およびOxPL/アポBの最高三分位値に関して、同様の、しかしより弱い関係が注目された(OR 2.39(1.58〜3.61))。
受信者操作曲線下面積は、伝統的危険因子およびFRSにOxPL/アポBおよびsPLA2活性を付加することにより、有意に増大された値を明示する(図4)。
図6に示した結果は、763症例および1397対照に基づき、この場合、表1に列挙した全対象の特性が利用可能であり、そして伝統的危険因子およびFRSへのOxPL/アポBおよびsPLA2活性の付加は予測値を増大する、ということを確証する。
酸化バイオマーカーがFRSに付加的予測値を提供するか否かを評価するために、OxPL/アポB、sPLA2集団、sPLA2活性およびLp−PLA2活性の三分位値を、各FRS危険度概算値内で求めた(図7)。低FRSカテゴリでは、OxPL/アポB測定は付加的予測値を提供しなかったが、sPLA2集団および活性はオッズ比のほぼ三倍化を示した。しかしながら、高FRS概算値では、OxPL/アポBは新規の心臓血管系事象の予測に関してオッズ比を2倍以上とし、sPLA2集団および活性はわずかに低予測性であった。OxPL/アポBおよびsPLA2活性の組合せは、FRSカテゴリ中での危険因子調整を反映するのに特に有用であった。例えば、低FRSカテゴリでは、最低三分位値と比較して、OxPL/アポBおよびsPLA2活性の最高三分位値は8.48(2.98〜24.16、P<0.001)のOR(95%IC)と関連し、中程度FRSカテゴリでは5.01(2.28〜11.41、P<0.001)、高FRSカテゴリでは14.35(6.21〜33.17、P<0.001)であった。
予測的追跡EPIC−ノーフォーク・コホート内に組み入れられたこのケース・コントロール研究は、OxPL/アポBのベースラインレベル増大が将来的致死性および非致死性CAD事象の危険度増大と強く関連する、ということを実証する。さらに、OxPLの代謝に関与するホスホリパーゼ、特にsPLA2活性のレベル増大は、OxPL/アポBにより仲介される致死性および非致死性CAD事象の危険度を増強した。Bruneck研究では、OxPL/アポBレベルにより仲介される心臓血管系疾患の危険率は、Lp−PLA2活性により約2から4に増大された(Kiechl et al., Arterioscler Thromb Vasc Biol.2007; 27: 1788−1795)。しかしながら、このEPIC−ノーフォーク研究においては、弱い関連が認められた。意味は明らかではないが、方法の違い(予測法対ケース・コントロール法)に関連する可能性があり、あるいは研究するサイズによるものかもしれない(Bruneck研究では82事象であったが、これに対してEPIC−ノーフォーク研究では763事象であった)。

Claims (17)

  1. 心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を発症する危険がある対象の識別方法であって、以下の:
    −少なくとも2つの心臓血管系危険因子、すなわち:
    a)sPLA2活性、および
    b)アポリポタンパク質B−100粒子上の酸化リン脂質(OxPL/アポB)レベル
    を、前記対象から得られた試料中で測定し、組合せ値を得ること
    −sPLA2活性の測定値を実質的に健常な対象の集団から得られたsPLA2活性範囲の予め決定された区間の1セットのうちの1区間に位置決めすることであって、前記予め決定された区間は、前記実質的に健常な対象の集団のsPLA2活性範囲の三分位であること、
    −OxPL/アポBレベルの測定値を実質的に健常な対象の集団から得られたOxPL/アポBレベル範囲の予め決定された区間の1セットのうちの1区間に位置決めすることであって、前記予め決定された区間は、前記実質的に健常な対象の集団のOxPL/アポBレベル範囲の三分位であること、
    −前記sPLA2活性およびOxPL/アポBレベルの区間を組合せて参照組合せ区間を得て、前記組合せ値を前記参照組合せ区間と比較することを包含する方法であって、
    前記組合値が前記参照組合せ区間において高い三分位値の場合に心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を発症する危険があることを示す方法。
  2. フラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM ICまたはIgM MDA−LDL、Lp−PLA2およびsPLA2集団の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を測定することをさらに包含する請求項1に記載の方法。
  3. sPLA2活性、OxPL/アポBおよびFRSが測定される請求項1または2に記載の方法。
  4. sPLA2活性、OxPL/アポB、FRSおよびCRPが測定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記試料が血液試料である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象が、代謝症候群、X症候群、アテローム硬化症、アテローム血栓症、冠動脈疾患、安定および不安定狭心症、卒中、大動脈およびその分枝の疾患、末梢血管疾患、脳血管系疾患ならびに任意の急性虚血性心臓血管系事象である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記大動脈およびその分枝の疾患は、大動脈血栓症または大動脈瘤である請求項6に記載の方法。
  8. OxPLと相互作用する抗体およびアポBと相互作用する抗体を用いたイムノアッセイによりOxPL/アポBが測定される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. sPLA2のための基質を用いた蛍光定量アッセイによりsPLA2活性が測定される請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 心臓血管系疾患のための治療の有効性をモニタリングするための請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 対象が心臓血管系疾患および/または心臓血管系事象を発症する危険があるか否かを識別する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法において使用するためのキットであって、以下の:
    −sPLA2活性を測定するための手段、および
    −OxPL/アポBレベルを測定するための手段
    を包含するキット。
  12. 組合せ値を得るために測定を組合せるための手段をさらに包含する請求項11記載のキット。
  13. sPLA2活性を測定するための手段が:
    −sPLA2緩衝液、
    −sPLA2により加水分解され易い化合物であって、その加水分解産物が直接または間接的に定量される化合物、
    −対照sPLA2活性試料
    である請求項11または12に記載のキット。
  14. 前記sPLA2により加水分解され易い化合物は、1−ピレンデカノイルである請求項13に記載のキット。
  15. OxPL/アポBを測定するための手段が:
    −OxPLと特異的に相互作用する抗体、
    −アポBと特異的に相互作用する抗体、および
    −対照OxPL試料
    である請求項11〜14のいずれか一項に記載のキット。
  16. 前記OxPLと特異的に相互作用する抗体が、E06、T15またはDLH3であり、
    前記アポBと特異的に相互作用する抗体が、MB47である、請求項15に記載のキット。
  17. フラミンガム危険スコア(FRS)、CRP、アポB100のIgM ICまたはIgM MDA−LDL、Lp−PLA2およびsPLA2集団の群中で選択される少なくとも1つの心臓血管系危険因子を測定するための手段をさらに包含する請求項11〜16のいずれか一項に記載のキット。
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