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JP6013882B2 - 磁気共鳴撮影装置および水脂肪分離方法 - Google Patents
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JP6013882B2 - 磁気共鳴撮影装置および水脂肪分離方法 - Google Patents

磁気共鳴撮影装置および水脂肪分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、核磁気共鳴撮影(以下、MRIという)技術に関し、特に水・脂肪の分離撮影技術に関する。
MRIは、プロトン密度や核磁気共鳴信号の緩和情報の空間分布を画像化することで人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を、2次元もしくは3次元で撮影する。現在のMRIにおいて、臨床で普及している撮影対象核種は、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。
人体を計測対象とした場合、MRIで検出できる主なプロトンには水と脂肪がある。ところが、人体に存在する脂肪信号は、被検体の腹部、脊椎、四肢などにおける画像コントラストを低下させる。そのため、臨床において脂肪信号を抑制する方法が提案されている。
その一つとして水と脂肪の位相差を用いて脂肪を抑制するDixon法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。水と脂肪には、分子構造の違いによって共鳴周波数が−3.5ppmだけ異なる「化学シフト」が生じる。この化学シフトによる周波数差は、磁場強度に比例し、磁場強度が1.5テスラのときはおよそ−224Hzとなる。Dixon法は、水と脂肪の周波数の違いによって生じる水と脂肪の核磁化ベクトルの位相差を利用し、取得した画像の中の、水信号と脂肪信号とを分離する。これにより、脂肪が抑制された、水信号からなる画像(水画像)を得る。なお、分離後の脂肪信号からなる画像を脂肪画像と呼ぶ。
Dixon法では、原子核スピンを励起してから信号を取得するまでの時間(以下、エコー時間という)が異なる2つの画像データを取得する。これら2つの画像データは、水と脂肪が同位相(in phase)となるエコー時間tinで取得した原画像Iinと、水と脂肪が逆位相(out of phase)となるエコー時間toutで取得した原画像Ioutとである。これらを加算および減算することによって、水画像の信号強度Wと脂肪画像の信号強度Fとをそれぞれ算出し、水信号と脂肪信号とを分離する。
ただし、Dixon法では、静磁場空間に被検体を挿入した際に生じる静磁場不均一による位相変化が考慮されていない。空間的な静磁場不均一が存在すると、位置によって、化学シフトとは異なる位相変化が生じるため、単純な加算、減算処理で水・脂肪の完全な分離ができない。
そこで、静磁場不均一を考慮した水・脂肪分離方法として、3-Point Dixon法と呼ばれる手法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。3-Point Dixon法は、水画像の信号強度W、脂肪画像の信号強度F、および静磁場不均一による周波数差という3つの変数に対して、エコー時間の異なる3つの画像から、最小二乗推定処理を繰り返し行うことで、3変数を確定し、水と脂肪を分離する方法である。ところが、3-Point Dixon法は、3回の計測を実施する必要があるため、計測時間が長引く。
静磁場不均一を考慮し、かつ、計測時間を長引かせない手法として、2-Point Dixon法と呼ばれる手法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。2-Point Dixon法では、Dixon法と同様に、水と脂肪が同位相(in phase)となるエコー時間tin、および、水と脂肪が逆位相(out of phase)となるエコー時間toutで、それぞれ原画像Iinおよび原画像Ioutを取得する。その後、静磁場不均一に起因した位相変化(以下、単に位相分布と呼ぶ)を、領域拡大法を用いて位相のアンラップ処理を行うことにより推定する。そして、この位相変化を除去後の原画像IinとIoutとを加算、減算することで水画像と脂肪画像とに分離する。
なお、2-Point Dixon法では、水と脂肪が同位相になるエコー時間tinで原画像Iinを計測したのち、傾斜磁場パルスを反転して、エコー時間toutで水と脂肪が逆位相となる原画像Ioutを取得する。つまり1回の計測で同位相と逆位相の画像を取得する。
Thomas Dixon,et al. "Simple Proton Spectroscopic Imaging" Radiology、153巻、1984年、189−194頁 Scott B. Reeder,et al. "Multicoil Dixon Chemical Species Separation With an Iterative Least−Squares Estimation Method" Magnetic Resonance in Medicine、51巻、2004年、35−45頁 Jingfei Ma "Breath−Hold Water and Fat Imaging Using a Dual−Echo Two−Point Dixon Technique Withan Efficient and Robust Phase−Correction Algorithm" Magnetic Resonance in Medicine、52巻、2004年、415−419頁
非特許文献3に記載の2-Point Dixon法は、傾斜磁場パルスを反転することで、水と脂肪が同位相の画像と逆位相の画像とを1回の計測で取得するため、計測時間が長引くことはない。しかし、位相分布を算出する際、アンラップ処理の開始点(以下、シード点と呼ぶ。)が、脂肪が主成分である画素に設定されると、得られた位相分布は、脂肪の化学シフトによって位相値πのオフセットが加算されたものとなる。この位相分布を用いて、水画像と脂肪画像とを算出すると、両者は入れ替わったものとなる。従って、非特許文献3に記載の2-Point Dixon法によれば、ユーザーは、分離した画像のどちらが水画像で、どちらが脂肪画像であるかを撮影のたびに判断しなければならない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、2-Point Dixon法において、静磁場不均一が反映された位相画像を正しく算出する確度を高めることで、水画像と脂肪画像とが入れ替わることを防ぎ、操作者に判断する負担を負わせることなく、水と脂肪とを分離する技術を提供する。
本発明は、静磁場不均一に起因した位相変化である位相分布を、正しく算出する可能性を高める。そして、静磁場不均一による位相分布の影響を取り除いた信号値を用いて、水と脂肪とを分離する。これを実現するため、位相分布の算出において、領域拡大法を用いた位相アンラップ処理の開始点として、水信号が主となる画素が選択される確率が高まるよう、開始点候補を特定する。さらに、算出した位相分布の正誤を、開始点候補の特性を用いて高い確度で判別する。
すなわち、被検体が置かれる空間に静磁場を生成する静磁生成磁石と、前記被検体に高周波磁場パルスを送信する送信部と、高周波磁場パルスの送信により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部と、前記送信部、前記傾斜磁場印加部及び前記受信部の動作を制御するとともに前記受信した核磁気共鳴信号に対して演算処理を行う計算機と、を備える磁気共鳴撮影装置であって、前記計算機は、予め定めたパルスシーケンスに従って、異なる2つのエコー時間の前記核磁気共鳴信号を得る計測部と、前記2つの核磁気共鳴信号から、前記異なる2つのエコー時間の原画像を再構成する再構成部と、前記異なる2つのエコー時間の原画像から静磁場不均一によって変化する位相の分布である位相分布を算出する位相分布算出部と、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記位相分布とを用いて水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離部と、を備え、前記位相分布算出手段は、前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定するシード点候補特定部と、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出する仮位相分布算出部と、前記仮位相分布の正誤を判定する正誤判定部と、前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定する真位相分布決定部と、を備えることを特徴とする磁気共鳴撮影装置を提供する。
また、予め定めたパルスシーケンスに従って計測した異なる2つのエコー時間の核磁気共鳴信号からそれぞれ再構成された、前記異なる2つのエコー時間の原画像から、水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離方法であって、前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定し、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出し、前記仮位相分布の正誤を判定し、前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定し、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記真の位相分布とを用いて、水信号と脂肪信号とを分離することを特徴とする水脂肪分離方法を提供する。
本発明によれば、静磁場不均一が反映された位相画像を正しく算出する確度を高めることで、水画像と脂肪画像とが入れ替わることを防ぎ、操作者に判断する負担を負わせることなく、水と脂肪とを分離できる。
(a)は、本発明の実施形態のMRI装置の中の、水平磁場方式のMRI装置の外観図である。(b)は、本発明の実施形態のMRI装置の中の、垂直磁場方式のMRI装置の外観図である。(c)は、本発明の実施形態のMRI装置の中の、トンネル型磁石を斜めに傾けたMRI装置の外観図である。 本発明の実施形態のMRI装置の機能構成図である。 本発明の実施形態の計算機の機能ブロック図である。 本発明の実施形態の計測処理のフローチャートである。 本発明の実施形態のグラディエントエコー型パルスシーケンスの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施形態のスピンエコー型パルスシーケンスの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施形態の位相分布算出処理のフローチャートである。 本発明の位相分布算出部の機能ブロック図である。 本発明の実施形態のシード点候補画素群特定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の信号比分布のグラフである。 本発明の実施形態の仮位相分布算出処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の真位相分布決定処理のフローチャートである。
以下、本発明を適用する実施形態について説明する。以下、実施形態を説明するための全図において、特に言及しない限り、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、本実施形態の磁気共鳴撮影装置(MRI装置)について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置の外観図である。図1(a)は、ソレノイドコイルで静磁場を生成するトンネル型磁石を用いた水平磁場方式のMRI装置100である。図1(b)は、開放感を高めるために磁石を上下に分離したハンバーガー型(オープン型)の垂直磁場方式のMRI装置120である。また、図1(c)は、図1(a)と同じトンネル型磁石を用い、磁石の奥行を短くし、かつ、斜めに傾けることによって、開放感を高めたMRI装置130である。本実施形態では、これらの外観を有するMRI装置のいずれを用いることもできる。なお、これらは一例であり、本実施形態のMRI装置はこれらの形態に限定されるものではない。本実施形態では、装置の形態やタイプを問わず、公知の各種のMRI装置を用いることができる。以下、特に区別する必要がない場合は、MRI装置100で代表する。
図2は、本実施形態のMRI装置100の機能構成図である。本図に示すように、本実施形態のMRI装置100は、被検体101が置かれる空間に、静磁場を生成する、例えば、静磁場コイルなどの静磁場生成磁石(以下、静磁場コイルという)102と、静磁場分布を調整するシムコイル104と、被検体101の計測領域に対し高周波磁場を送信する送信用高周波コイル105(以下、単に送信コイルという)と、被検体101から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信用高周波コイル106(以下、単に受信コイルという)と、被検体101から生じる核磁気共鳴信号に位置情報を付加するため、x方向、y方向、z方向それぞれに傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル103と、送信機107と、受信機108と、計算機109と、傾斜磁場用電源部112と、シム用電源部113と、シーケンス制御装置114と、を備える。
静磁場コイル102は、図1(a)、図1(b)、図1(c)にそれぞれ示した各MRI装置100、120、130の構造に応じて、種々の形態のものが採用される。傾斜磁場コイル103及びシムコイル104は、それぞれ傾斜磁場用電源部112及びシム用電源部113により駆動される。なお、本実施形態では、送信コイル105と受信コイル106とに別個のものを用いる場合を例にあげて説明するが、送信コイル105と受信コイル106との機能を兼用する1つのコイルで構成してもよい。送信コイル105が照射する高周波磁場は、送信機107により生成される。受信コイル106が検出した核磁気共鳴信号は、受信機108を通して計算機109に送られる。
シーケンス制御装置114は、傾斜磁場コイル103の駆動用電源である傾斜磁場用電源部112、シムコイル104の駆動用電源であるシム用電源部113、送信機107及び受信機108の動作を制御し、傾斜磁場、高周波磁場の印加および核磁気共鳴信号の受信のタイミングを制御する。制御のタイムチャートはパルスシーケンスと呼ばれ、計測に応じて予め設定され、後述する計算機109が備える記憶装置等に格納される。
計算機109は、MRI装置100全体の動作を制御するとともに、受信した核磁気共鳴信号に対して様々な演算処理を行う。本実施形態では、異なるエコー時間の原画像や分離後の水画像、脂肪画像、静磁場不均一による位相変化を示す位相分布を生成する。計算機109は、CPU、メモリ、記憶装置などを備える情報処理装置であり、計算機109にはディスプレイ110、外部記憶装置111、入力装置115などが接続される。
ディスプレイ110は、演算処理で得られた結果等をオペレータに表示するインタフェースである。入力装置115は、本実施形態で行われる演算処理に必要な条件、パラメータ等をオペレータが入力するためのインタフェースである。外部記憶装置111は、記憶装置とともに、計算機109が実行する各種の演算処理に用いられるデータ、演算処理により得られるデータ、入力された条件、パラメータ等を保持する。
以下、本実施形態の計算機109が実現する機能について説明する。図3は、本実施形態の計算機109の機能ブロック図である。本実施形態の計算機109は、計測部310と、再構成部320と、位相分布算出部330と、水−脂肪分離部340とを備える。
計測部310は、パルスシーケンスにしたがってシーケンス制御装置114を動作させるとともに、MRI装置100の各部を制御して計測を行い、予め定めたエコー時間の核磁気共鳴信号(エコー信号)を得る。本実施形態では、異なる2つのエコー時間のエコー信号を得る。異なる2つのエコー時間として、水と脂肪とが同位相となるエコー時間tinと、水と脂肪とが逆位相となるエコー時間toutとを用いる。
再構成部320は、取得したエコー信号をk空間上に配置し、フーリエ変換により画像を再構成する。本実施形態では、異なる2つのエコー時間tinおよびtoutの原画像IinおよびIoutをそれぞれ再構成する。
位相分布算出部330は、算出した原画像から静磁場不均一によって変化する位相の分布(位相分布)を算出する。本実施形態では、異なる2つのエコー時間の原画像を複素除算して得た比画像を用いて位相分布を算出する。
水−脂肪分離部340は、位相分布算出部330で算出した位相分布と異なる2つのエコー時間の原画像とから水信号と脂肪信号とを分離する。そして、水信号からなる水画像と脂肪信号からなる脂肪画像とを生成する。
なお、計算機109が実現する各種の機能は、記憶装置が保持するプログラムを、CPUがメモリにロードして実行することにより実現される。また、計算機109が実現する各種の機能のうち、少なくとも一つの機能は、MRI装置100とは独立した、情報処理装置であって、MRI装置100とデータの送受信が可能な情報処理装置により実現されていてもよい。
本実施形態の水、脂肪分離処理の説明に先立ち、上記Dixon法による水、脂肪分離処理の原理、および、2point Dixon法による処理の概要を説明する。
上述のように、Dixon法では、エコー時間tinで取得した原画像Iinと、エコー時間toutで取得した原画像Ioutとを加算および減算することによって、水画像の信号強度Wと脂肪画像の信号強度Fとをそれぞれ算出し、水信号と脂肪信号とを分離する。
ここで、水と脂肪の周波数差をdfとしたとき、水と脂肪が同位相になる時間tinは、n/df、水と脂肪が逆位相になる時間toutは、(2n+1)/(2df)となる。なお、nは整数である。したがって、エコー時間tinとtoutとの差をdtとすると、dt=1/(2df)となる。
水画像の信号強度をW、脂肪画像の信号強度をFとすると、静磁場不均一に起因する位相変化がない場合、IinとIoutはそれぞれ以下の式(1−1)および式(1−2)で表現できる。
Figure 0006013882
Dixon法では、この2つの信号を、以下の式(2−1)および式(2−2)のように加算および減算することによって、水画像の信号強度Wと脂肪画像の信号強度Fとをそれぞれ算出し、水信号と脂肪信号とを分離する。
Figure 0006013882
一方、2-Point Dixon法では、上述のように、さらに、静磁場不均一に起因した位相変化(以下、単に位相分布と呼ぶ)を、領域拡大法を用いて、位相のアンラップ処理を行うことにより推定する。領域拡大法を用いた位相のアンラップ処理では、まず、開始点(シード点)とする基準画素を設定し、そのシード点と隣り合う画素の位相を、シード点との位相差に応じて位相変化が滑らかになるよう決定する。位相を決定した画素を次のシード点とし、画像の全画素の位相が決定するまで同様の処理を繰り返し、位相分布を算出する。そして、得られた位相分布の位相値を、原画像IinまたはIoutから除去したのち、原画像IinとIoutとを加算、減算することで水画像と脂肪画像とに分離する。
以下、上記本実施形態の計算機109の各機能による、計測全体の処理(計測処理)の流れについて簡単に説明する。図4は、本実施形態の計測処理の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態では、予め定めた異なる2つのエコー時間tinおよびtoutの原画像IinおよびIoutを撮影し、原画像IinおよびIoutから静磁場不均一による位相分布を算出し、位相分布と原画像IinおよびIoutから、水と脂肪とを分離した、水画像および脂肪画像を算出する。本実施形態では、静磁場不均一による位相分布を算出する際、水が主成分である画素がシード点として設定される可能性を高める。また、得られた位相分布の正誤も判定する。
まず、計測部310は、予め定められたパルスシーケンスにしたがってシーケンス制御装置114を制御し、異なる2つのエコー時間tinおよびtoutのエコー信号を計測する(ステップS1001)。
その後、再構成部320は、得られたエコー信号を、それぞれ、k空間上に配置してフーリエ変換することにより、異なる2つのエコー時間tinおよびtoutの原画像IinおよびIoutをそれぞれ再構成する(ステップS1002)。
位相分布算出部330は、2つの原画像IinおよびIoutの比をとり、その比画像の位相情報から静磁場不均一に起因した位相変化の分布(位相分布)を算出する(ステップS1003)。
その後、水−脂肪分離部340は、算出した位相分布と2つの原画像IinおよびIoutとから、水信号と脂肪信号とを分離し(ステップS1004)、分離後の水信号からなる水画像と脂肪信号からなる脂肪画像とをディスプレイ110に表示する(ステップS1005)。なお、ステップS1004の処理を、水−脂肪分離処理と呼ぶ。また、分離後の水画像および脂肪画像を、分離画像と呼ぶ。
水画像および脂肪画像をディスプレイ110に表示する際、両者を区別可能とする情報を併せて表示してもよい。区別可能とする情報は、例えば、「水画像」、「脂肪画像」といったキャプションなどとする。また、必要に応じて、ステップS1003で算出した位相分布をディスプレイ110に表示するよう構成してもよい。
ここで、計測部310がステップS1001の計測において実行するパルスシーケンスの一例について説明する。図5に、本実施形態において採用されるパルスシーケンス510のタイムチャートの例を示す。このパルスシーケンス510は、グラディエントエコー型のパルスシーケンスである。なお、パルスシーケンス510において、RFはRFパルスの、Gsはスライス選択傾斜磁場の、Gpは位相エンコード傾斜磁場の、Grは読み出し傾斜磁場の、それぞれ印加タイミングを、エコーは、エコー信号の取得タイミングをそれぞれ示す。以下、本明細書の各パルスシーケンスにおいて、同様である。
パルスシーケンス510では、1回の繰り返し時間内に以下の手順でエコー信号の計測を行う。まずRFパルス511を照射し、被検体101の水素原子核スピンを励起する。この際、被検体101の特定のスライスを選択するためにスライス選択傾斜磁場(Gs)512をRFパルス511と同時に印加する。続いてエコー信号に位相エンコードするための位相エンコード傾斜磁場(Gp)513を印加する。その後、最初のRFパルス511照射から時間TE1後に、読み出し傾斜磁場(Gr)514を印加してエコー信号(第一エコー)515を計測する。更に、第1エコー515の計測から時間dt後に、極性の反転した読み出し傾斜磁場(Gr)516を印加してエコー信号(第二エコー)517を計測する。第二エコー517を計測するエコー時間TE2は、TE2=TE1+dtを満たす。
第一エコー515を計測する際のエコー時間TE1、および、第二エコー517を計測する際のエコー時間TE2は、上述したように,それぞれ、水と脂肪が同位相になる時間tinおよび水と脂肪が逆位相になる時間toutとなるように設定する。ここで、水と脂肪の周波数差をdfとしたとき、水と脂肪が同位相になる時間tinは、n/df、水と脂肪が逆位相になる時間toutは、(2n+1)/(2df)である。なお、nは整数である。
本実施形態のパルスシーケンス510では、上述の条件を満たすエコー時間TE1およびエコー時間TE2が選択される。なお、エコー時間tinとtoutの計測順序は問わない。
本実施形態の計測では、パルスシーケンス510を、位相エンコード傾斜磁場513の強度を変化させながら所定回数繰り返す。例えば128回、256回等、画像再構成に必要な数のエコー信号を繰り返し取得する。繰り返し回数分の第一エコーにより、1つの原画像(第一原画像)が形成され、繰り返し回数分の第二エコーにより、他の1つの原画像(第二原画像)が形成される。これらは後述する水画像および脂肪画像を算出するための演算用の原画像として使用される。
図6に、本実施形態に採用されるパルスシーケンスの他の例のタイムチャートを示す。このパルスシーケンス520は、スピンエコー型のパルスシーケンスである。
パルスシーケンス520では、1回の繰り返し時間内に以下の手順でエコー信号の計測を行う。まず、RFパルス521を照射し、被検体101のスピンを励起する。この際、被検体101の特定のスライスを選択するためにスライス選択傾斜磁場(Gs)522をRFパルス521と同時に印加する。続いてエコー信号に位相エンコードするための位相エンコード傾斜磁場(Gp)523を印加し、更にスピンを反転させるためのRFパルス528をスライス選択傾斜磁場(Gs)529とともに照射する。その後、最初のRFパルス521照射から時間TE1後に、読み出し傾斜磁場(Gr)524印加してエコー信号(第一エコー)525を計測する。更に、第1エコー525の計測から時間dt後に、極性の反転した読み出し傾斜磁場(Gr)526を印加してエコー信号(第二エコー)527を計測する。
第一エコー525を計測する際のエコー時間TE1および、第2エコー527を計測する際のエコー時間TE2は、グラディエント型パルスシーケンスと同様の条件を満たすように選択される。
なお、図5および図6に示す例では、グラディエントエコー型のパルスシーケンス510の場合も、スピンエコー型のパルスシーケンス520の場合も、1回の繰り返し時間内にエコー時間の異なる2つの信号(ここでは、第一エコーおよび第二エコー)を計測している。しかし、1回の繰り返し時間には、1つのエコー信号を計測するよう構成してもよい。この場合、2回の繰り返し時間を用いて、第一エコーおよび第二エコーを計測する。
再構成部320は、上記ステップS1002において、ステップS1001で計測したエコー時間tinおよびtoutのエコー信号をk空間上に各々配置し、フーリエ変換する。これにより、再構成部320は、異なる2つのエコー時間(tinおよびtout)の原画像Iin(第一原画像)およびIout(第二原画像)をそれぞれ算出する。
次に、上記ステップS1003の、位相分布算出部330による位相分布の算出について説明する。本実施形態の位相分布算出部330は、まず、異なる2つのエコー時間の原画像IinおよびIoutを複素除算して得た比画像において、位相分布の算出を開始する画素(以下、シード点)を特定する。そして、比画像の位相値を用いて、シード点から拡大領域法により各画素の位相値を決定し、位相分布を算出する。
これを実現するため、本実施形態の位相分布算出部330は、図3に示すように、シード点候補となる画素群を特定するシード点候補特定部331と、シード点候補として特定した画素群の中の1の画素をシード点として仮の位相分布を算出する仮位相分布算出部332と、仮位相分布算出部332が算出した仮の位相分布の正誤を判定する正誤判定部333と、正誤判定部333の正誤判定結果に基づいて、真の位相分布を決定する真位相分布決定部334と、を備える。
上記各機能による、本実施形態の位相分布算出処理の流れの概略を説明する。図7は、本実施形態の位相分布算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
シード点候補特定部331は、2つの原画像IinおよびIoutを用いて、シード点の候補となる画素群(シード点候補画素群)を特定する(ステップS1101)。次に、仮位相分布算出部332は、特定したシード点候補画素群の中の任意の1点をシード点として、拡大領域法を用いて位相アンラップ処理を行い、仮の位相分布を算出する(ステップS1102)。次に、正誤判定部333は、仮の位相分布の正誤を判定する(ステップS1103)。そして、真位相分布決定部334は、正誤判定結果に基づいて真の位相分布を決定する(ステップS1104)。以下、各処理の詳細を説明する。
まず、ステップS1101のシード点候補特定部331によるシード点候補特定処理を説明する。シード点候補特定部331は、2つのエコー時間の原画像を用いて、シード点候補画素群を特定する。このとき、シード点として任意の画素を選択する際、水が主成分の画素が選択される確率が高まるよう、シード点候補画素群を決定する。本実施形態では、ノイズの影響を強く受けた画素を、水が主成分の画素である確率が高いシード点候補画素群として特定する。
これを実現するため、本実施形態のシード点候補特定部331は、図8に示すように、異なる2つのエコー時間の原画像から比画像を算出し、その絶対値を算出する絶対値比画像算出部411と、絶対値比画像からシード点候補の画素群を特定するための閾値を設定する閾値設定部412と、閾値を用いて絶対値比画像におけるシード点候補画素群を特定する画素群特定部413と、を備える。
このシード点候補特定部331の各部によるシード点候補画素群特定処理の流れの概略を説明する。図9は、本実施形態のシード点候補画素群特定処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、絶対値比画像算出部411は、エコー時間toutで計測したエコー信号から得た原画像Ioutを、エコー時間tinで計測したエコー信号から得た原画像Iinで複素除算し、比画像Iを算出する(ステップS1201)。そして、その絶対値をとり、絶対値比画像|I|を算出する(ステップS1202)。なお、絶対値比画像|I|は、以下の式(3)で算出される。
|I|=|Iout/Iin|・・・(3)
次に、閾値設定部412は、少なくとも一つの閾値Thを設定する(ステップS1203)。画素群特定部413は、絶対値比画像|I|の画素値のうち、閾値Th以上の画素値を持つ画素群を、シード点候補画素群として特定する(ステップS1204)。
ここで、閾値設定部412によるステップS1203の閾値Thの設定手法について説明する。閾値Thは、シード点候補画素群として、原画像または比画像において、水が主成分の画素の比率が高い画素群が特定されるよう設定される。
原画像Iinにおいて、水信号が100%の画素(水画素)の信号値(単に水信号と呼ぶ)をSwin、脂肪信号が100%の画素(脂肪画素)の信号値(単に脂肪信号と呼ぶ)をSfin、原画像Ioutにおける水信号をSwout、脂肪信号をSfout、ガウス分布に従う最頻値0のノイズの標準偏差をσとする。このとき、水信号SwoutをSwinで複素除算したときの信号比(水信号比)をSmw、脂肪信号SfoutをSfinで複素除算したときの信号比(脂肪信号比)をSmfとすると、水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfはそれぞれ以下の式(4−1)、式(4−2)で表される。
mw=Swout/Swin・・・(4−1)
mf=Sfout/Sfin・・・(4−2)
なお、水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfは、それぞれ、比画像における水画素および脂肪画素の信号値に相当する。
このとき、水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfの標準偏差をそれぞれσmwおよびσmfとすると、誤差伝播の法則より、σmwおよびσmfはそれぞれ、以下の式(5−1)、式(5−2)で表される。
Figure 0006013882
エコー時間tinおよびtoutで計測したときの信号強度が変化しないと仮定して、Swin=Swout=Sw、Sfin=Sfout=Sfとすると、式(5−1)および式(5−2)は、以下の式(6−1)および式(6−2)で表される。
Figure 0006013882
なお、SNRwおよびSNRfは、水信号Swと脂肪信号Sfの信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)をそれぞれ表し、以下の式(7−1)および式(7−2)で定義される。
SNRw=Sw/σ・・・(7−1)
SNRf=Sf/σ・・・(7−2)
通常、2-Point Dixon法における原画像IinおよびIoutは、グラディエントエコー法もしくはスピンエコー法を用いたT1強調画像、または、高速スピンエコー法を用いたT2強調画像として得る。このとき、脂肪信号Sfは、水信号Swより常に大きくなることが知られている。従って、脂肪信号SfのSNRfは、水信号SwのSNRwよりも高くなる。すなわち、脂肪信号SfのSNRfと、水信号SwのSNRwとは、以下の式(8)の関係がある。
SNRw<SNRf・・・(8)
したがって、式(6−1)および式(6−2)より、水信号比Smwの標準偏差σmwは脂肪信号比Smfの標準偏差σmfよりも大きくなる。すなわち、標準偏差σmwと標準偏差σmfとは、以下の式(9)の関係がある。
σmw>σmf・・・(9)
たとえば、水信号SwのSNRwを10、脂肪信号SfのSNRfをSNRwの2倍の20とすると、式(6−1)および式(6−2)より、脂肪信号比Smfの標準偏差σmfと水信号比Swfの標準偏差σmwとの関係は、以下の式(10)となる。
σmf=σmw/2・・・(10)
このときの、水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfの、信号比(比画像Iの画素値)に応じた画素数(ボクセル数)のヒストグラム(信号比の分布)を図10に示す。図10の横軸は信号比、縦軸は画素数(ボクセル数)をそれぞれ表す。また、601は、水信号比Smwの分布、602は、脂肪信号比Smfの分布をそれぞれ表す。なお、ここでは、水信号Swと脂肪信号Sfの画素数をそれぞれ104個とした。また、このときの水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfの最頻値は、1である。
図10に示すように、SNRwがSNRfより小さいとき、水信号比Smwの標準偏差σmwは脂肪信号比Smfの標準偏差σmfよりも大きくなるため、水信号比Smwのヒストグラムは、脂肪信号比Smfのヒストグラよりも広い分布を持つ。従って、分布の両側の裾野部分の信号比においては、水信号比Smwの画素数の方が、脂肪信号比Smfの画素数より多いことが分かる。なお、信号比分布の裾野部分は、ノイズの影響を強く受けた画素群である。
本実施形態では、このような水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfの分布の特性を利用し、水が主成分である画素の比率の高い画素群が特定される閾値Thを設定する。すなわち、絶対値比画像の画素値の分布を用いて、閾値Thを設定する。例えば、図10に示すように、閾値Th603を、信号比1.2に設定すると、信号比が1.2以上の画素は、水画素である確率が高い。
なお、ここでは、水または脂肪が画素内に100%存在する場合を仮定した。しかし、実際の生体組織では、組織によって水と脂肪とが異なる割合で混在するため、エコー時間tinおよびtoutで計測したときの信号強度が変化しないという仮定は、多くの場合成り立たない。通常はSwin≧Swout、Sfin≧Sfoutとなり、水信号比Smwおよび脂肪信号比Smfの最頻値は、1よりも小さい値をとる。従って、これを考慮して閾値Thを設定する。例えば、閾値Thとして、1.0以上に設定する。なお、組織によって水と脂肪とが異なる割合で混在する場合であっても、水信号比Smwの画素数と脂肪信号比Smfの画素数との関係は、上述と同様である。
例えば、閾値Thは、予め定めて外部記憶装置111あるいは計算機109の記憶装置に保持しておくよう構成してもよい。また、閾値設定部412は、計測毎に、絶対値比画像|I|について、信号比の分布(ヒストグラム)の最頻値および標準偏差を算出し、その最頻値と標準偏差の和、または、それ以上の任意の値を、閾値Thと設定してもよい。また、最頻値より大きい任意の値を閾値Thと設定してもよい。また、水信号SwのSNRwと脂肪信号SfのSNRfによって、信号比の分布の標準偏差は変化する。従って、本実施形態の閾値設定部412は、原画像IinまたはIoutのSNRに基づいて、ガウス分布を模擬した計算機シミュレーションを行い、信号比ヒストグラムを算出し、当該モデルに基づいて閾値Thを算出し、設定してもよい。
次に、上記ステップS1102の、仮位相分布算出部332による仮位相算出処理について説明する。本実施形態の仮位相分布算出部332は、シード点候補画素群から任意のシード点を選択し、比画像Iの位相値に対し、選択したシード点から領域拡大法により位相アンラップ処理を行い、各画素の位相値を決定し、仮の位相分布を算出する。これを実現するため、本実施形態の仮位相分布算出部332は、図8に示すように、シード点を基準画素として領域拡大法を用いた位相アンラップ処理を実行し、各画素の位相値を算出する位相アンラップ部421を備える。
位相アンラップ処理では、隣接する画素間での、水と脂肪との位相差による±πの位相とび、および、折り返しによる2πを超える位相とびを判定する。そして、それぞれ、シード点に隣接する画素の位相に、+πあるいはーπを加算、+2πあるいは−2πを加算し、滑らかに補正する。本実施形態の位相アンラップ部421は、シード点と隣接する画素との間の位相差Δpを算出し、位相差Δpの値に応じ、+π、−π、+2πあるいは−2πを、隣接する画素の位相に加算することにより、位相アンラップ処理を行う。
なお、本実施形態の位相アンラップ処理は上述の方法に限らない。既に公知の方法で位相をアンラップしてもよい。
上記ステップS1102の仮位相分布算出部332による仮の位相分布算出処理の流れの概略を説明する。図11は、本実施形態の仮位相分布算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、仮位相分布算出部332は、比画像Iにおいて、上述のシード点候補画素群の任意の1画素を、シード点と設定する(ステップS1301)。ここでは、シード点候補画素群の中からランダムに選択した画素を、シード点として設定する。なお、設定するシード点は、シード点候補画素群のうち、絶対比画像|I|の値が最大となる画素としてもよい。
次に、位相アンラップ部421は、シード点を基準画素として位相アンラップ処理を行い、仮の位相分布を算出する(ステップS1302)。具体的には、シード点の位相と、シード点と隣り合う画素の位相との位相差を算出する。そして、この位相差が小さくなるように上述の位相アンラップ処理を行う。隣接する画素が複数ある場合、全ての隣接する画素について、位相アンラップ処理を行う。
次に、仮位相分布算出部332は、位相アンラップ処理後の画素を新たなシード点として設定し(ステップS1303)、画像内の全画素の処理が終了するまで、処理対象の領域を拡大し、位相アンラップ処理を繰り返し(ステップS1304)、仮位相分布を得る。
なお、本実施形態では、仮の位相分布を、シード点候補画素群の中からシード点を選択し、領域拡大法を用いて位相アンラップ処理を行うことにより算出したが、シード点を用いずに位相分布を算出する公知の方法を用いて、仮の位相分布を算出してもよい。
次に、上記ステップS1103の正誤判定部333による正誤判定処理の詳細について説明する。本実施形態の正誤判定部333は、仮位相分布算出部332が算出した仮位相分布が、正しい位相分布であるか、位相値がπだけずれた誤った位相分布であるかを判定する。判定は、比画像Iの、シード点候補特定部331が特定したシード点候補画素群の信号を用いて行う。
シード点候補画素群の任意の画素の位置をr、位置rにおける水の信号強度をW(r)、脂肪の信号強度をF(r)、エコー時間tinとtoutとの時間差dtの間に生じた静磁場不均一による位相変化をφ(r)とすると、比画像の信号I(r)は、以下の式(11)で表される。
Figure 0006013882
仮の位相分布における位置rの画素の位相値をθ(r)、φ(r)とθ(r)との位相差をδ(r)、比画像の信号I(r)の位相からθ(r)を除去した後の比画像の信号(除去後信号値)をI’(r)とすると、I’(r)は、以下の式(12)で表される。
Figure 0006013882
仮の位相分布θが正しく算出されているとき、すなわち、仮の位相分布の正誤判定が真のときは、δ(r)は0となる。従って、式(12)は、以下の式(13)で表される。
Figure 0006013882
一方、仮の位相分布が誤って算出されているとき、すなわち、仮の位相分布の正誤判定が偽のときは、水と脂肪の位相差によってδ(r)はπとなる。従って、式(12)は、以下の式(14)で表される。
Figure 0006013882
したがって、式(13)および式(14)より、W(r)>F(r)のとき、すなわち、位置rの画素の信号値の主成分が水のとき、I'true(r)>0、I’false(r)<0となる。また、W(r)<F(r)のとき、すなわち、位置rの画素の信号値の主成分が脂肪信号のとき、I’true(r)<0、I’false(r)>0となる。なお、本実施形態では、W(r)=F(r)のときは演算対象から除外する。
上述したとおり、シード点候補画素群に含まれる水画素の数は、脂肪画素の数よりも多い。従って、仮の位相分布が正しく算出されていれば、I’(r)>0を満たす画素数が、I’(r)<0を満たす画素数より多くなるはずである。本実施形態の正誤判定部333は、この特性を利用し、仮の位相分布の正誤を判定する。
正誤判定部333は、比画像Iのシード点候補画素群の中で、I’(r)>0を満たす画素数Npと、I’(r)<0を満たす画素数Nnと、を算出する。そして、Np>Nnのとき、正誤判定結果は真、すなわち、仮の位相分布が正しく算出されているとする。一方、Np≦Nnのとき、正誤判定結果は偽、すなわち、仮の位相分布が誤って出されているとする。
上記の手順により正誤判定を行うため、本実施形態の正誤判定部333は、図8に示すように、比画像Iのシード点候補画素群の各画素について、その信号の位相値から、仮位相分布のとして算出された位相値を除去する位相除去部431と、比画像Iのシード点候補画素群の各画素について、位相除去後の信号値(除去後信号値)が正の値である画素数Npと、負の値である画素数Nnとを算出する画素数算出部432と、正の値である画素数Npと負の値である画素数Nnとの大小を比較し、仮位相分布の正誤(真偽)を判定する判定部433と、を備える。
真位相分布決定部334は、正誤判定部333の判定結果が正(真)のときは、仮の位相分布を真の位相分布として決定する。また、正誤判定結果が誤(偽)のときは、仮の位相分布に位相値πを加算したものを、真の位相分布として決定する。
仮位相分布の正誤判定を行い、真の位相分布を決定する処理(真位相分布決定処理)の流れを、図12のフローチャートを用いて説明する。図12は、本実施形態の真位相分布決定処理のフローチャートである。
まず、位相除去部431は、比画像Iのシード点候補画素群の信号(比画像信号I)から、仮の位相分布の位相値を除去して(ステップS1401)、比画像信号I’を算出する。これにより、静磁場不均一の影響による位相変化が取り除かれる。
次に、画素数算出部432は、シード点候補画素群のうち、I’>0を満たす画素の数Npと、I’<0を満たす画素の数Nnとを算出する(ステップS1402)。なお、I’=0を満たす画素は演算対象から除外する。その後、判定部433は、画素数NpとNnとの大きさを比較する(ステップS1403)。
判定結果がNp>Nnのとき、真位相分布決定部334は、仮の位相分布を真の位相分布として決定する(ステップS1405)。一方、判定結果が、Np≦Nnのとき、真位相分布決定部334は、仮の位相分布に位相値πを加算し(ステップS1404)、加算後の位相分布を、真の位相分布として決定する(ステップS1405)。
以上の手順により、静磁場不均一に起因した位相分布を正確に算出することができる。すなわち、仮に、シード点が、脂肪が主成分の画素に設定され、算出した位相分布に脂肪の化学シフトによる位相値πのオフセットが加算されている場合であっても、それを判定することができ、オフセットを除いた位相分布を得ることができる。
次に、上記ステップS1004の、水−脂肪分離部340による水−脂肪画像算出方法について説明する。水−脂肪分離部340は、上記ステップS1002で得たエコー時間の異なる2つの原画像IinおよびIoutと、上記ステップS1003で算出した真の位相分布と、を用いて水画像と脂肪画像を算出する。具体的には、原画像Ioutの各画素の位相値を真の位相分布の各画素の位相値でそれぞれ除算(exp(−iθ))した後、または、原画像Iinの各画素の位相値に真の位相分布の各画素の位相値をそれぞれ乗算(exp(+iθ))した後、式(2−1)および式(2−2)により、水画像と脂肪画像とを算出する。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、被検体101が置かれる空間に静磁場を生成する静磁生成磁石102と、前記被検体101に高周波磁場パルスを送信する送信部と、高周波磁場パルスの送信により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部と、前記送信部、前記傾斜磁場印加部及び前記受信部の動作を制御するとともに前記受信した核磁気共鳴信号に対して演算処理を行う計算機109と、を備えるMRI装置100であって、前記計算機109は、予め定めたパルスシーケンスに従って、異なる2つのエコー時間の前記核磁気共鳴信号を得る計測部310と、前記2つの核磁気共鳴信号から、前記異なる2つのエコー時間の原画像を再構成する再構成部320と、前記異なる2つのエコー時間の原画像から静磁場不均一によって変化する位相の分布である位相分布を算出する位相分布算出部330と、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記位相分布とを用いて水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離部340と、を備え、前記位相分布算出部330は、前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定するシード点候補特定部331と、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出する仮位相分布算出部332と、前記仮位相分布の正誤を判定する正誤判定部333と、前記正誤判定部333による判定結果に基づいて真の位相分布を決定する真位相分布決定部334と、を備える。
なお、前記シード点候補特定部331は、前記異なる2つのエコー時間の原画像の比として得た比画像の絶対値を絶対値比画像として算出する絶対値比画像算出部411と、前記シード点候補画素群を特定するための閾値を少なくとも1つ設定する閾値設定部412と、前記閾値を用いて前記絶対値比画像において前記シード点候補画素群を特定する画素群特定部413と、を備えてもよい。
前記閾値設定部412は、前記絶対値比画像の画素値の分布を用いて前記閾値を設定してもよい。また、前記閾値設定部412は、前記異なる2つのエコー時間の原画像の信号雑音比に基づいて、信号比ヒストグラムモデルを算出し、当該モデルに基づいて前記閾値を設定してもよい。また、前記閾値は、前記絶対値比画像の画素値の最頻値に当該画素値の標準偏差を加算した値以上の値に設定されてもよい。また、前記閾値は、前記絶対値比画像の画素値の最頻値より大きい値に設定されてもよい。また、前記閾値は、1.0以上の値に設定されてもよい。
前記仮位相分布算出部332は、前記比画像の位相値に対し、予め定めた基準画素から領域拡大法を用いた位相アンラップ処理を実行し、前記仮位相分布を算出する位相アンラップ部421を備え、前記基準画素は、前記シード点候補画素群の中から選択されてもよい。
前記正誤判定部333は、前記比画像の前記シード点候補画素群の各信号から前記仮位相分布として得た位相値をそれぞれ除去し、前記各シード点候補画素群の各画素の除去後信号値を得る位相除去部431と、前記各シード点候補画素群の中で、前記除去後信号値が正の値である画素数と負の値である画素数とをそれぞれ算出する画素数算出部432と、前記正の値の画素数と前記負の値の画素数とを比較し、前記仮位相分布の正誤を判定する判定部433と、を備えてもよい。そして、前記判定部433は、前記正の値の画素数が前記負の値の画素数より多い場合、正と判定してもよい。
さらに、前記真位相分布決定部334は、前記判定部433の判定結果が誤の場合、前記仮位相分布を補正し、補正後の位相分布を、前記真の位相分布と決定し、当該判定結果被核結果が正の場合、仮の位相分布を前記真の位相分布と決定してもよい。
また、本実施形態の水脂肪分離方法は、予め定めたパルスシーケンスに従って計測した異なる2つのエコー時間の核磁気共鳴信号からそれぞれ再構成された、前記異なる2つのエコー時間の原画像から、水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離方法であって、前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定し、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出し、前記仮位相分布の正誤を判定し、前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定し、前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記真の位相分布とを用いて、水信号と脂肪信号とを分離することを特徴とする。
このように、本実施形態によれば、静磁場不均一に起因した位相変化である位相分布を、異なる2つのエコー時間の原画像の比画像の位相値に対して領域拡大法を用いた位相アンラップ処理を行うことにより算出する。算出に先立ち、位相アンラップ処理の開始点であるシード点が、水信号が主である画素となる確率が高まるよう、シード点候補画素群を特定する。従って、位相アンラップ処理により算出される位相分布に、位相値πのオフセットが加算される可能性が低減する。すなわち、正確な位相分布が算出される可能性が高まる。
さらに、算出された位相分布の正誤判定を行う。このとき、水信号が主である画素となる確率の高い、シード点候補画素群を用いて、画素数により判定を行う。従って、簡易に高精度な判定を行うことができる。高精度な判定結果に基づいて、最終的に位相分布を決定するため、正確な位相分布が算出される可能性は、さらに高まる。そして、本実施形態によれば、この正確な位相分布である可能性が極めて高い位相分布を用いて水信号と脂肪信号とを分離し、水画像、脂肪画像とを得る。
従って、本実施形態によれば、得られる水画像、脂肪画像が、正しいものである可能性も極めて高いものとなる。すなわち、本実施形態によれば、2-Point Dixon法を用いた水と脂肪の分離撮影において、静磁場不均一が反映された位相画像を正しく算出する確度を高めることで、水画像と脂肪画像とが入れ替わることを防ぎ、操作者に判断する負担を負わせることなく、高精度に水と脂肪とを分離できる。
なお、上記実施形態では、エコー信号を取得する異なる2つのエコー時間として、水と脂肪とが同位相となるエコー時間tinと、水と脂肪とが逆位相となるエコー時間toutとを用いる場合を例にあげて説明したが、エコー信号の取得時間は、これに限られない。例えば、2つのエコー時間が、以下の式(15)を満たすTE1およびTE2であってもよい。
cos(2πfFWTE1)≠cos(2πfFWTE2)・・・(15)
FWは、水と脂肪との周波数差である。
この場合、上記S1102の仮の位相分布の算出時に、比画像の代わりに、δW、δFを用いる。なお、δWは、生体組織の信号が全て水と仮定した場合に算出される位相分布であり、δFは、生体組織の信号が全て脂肪と仮定した場合に算出される位相分布である。そして、拡大領域法により位相アンラップ処理を行う際、シード点に隣接する画素の位相として、当該画素のδWの位相とδFの位相とのうち、シード点の画素の位相に近い方を採用する。
100:MRI装置、101:被検体、102:静磁場コイル、103:傾斜磁場コイル、104:シムコイル、105:送信コイル、106:受信コイル、107:送信機、108:受信機、109:計算機、110:ディスプレイ、111:外部記憶装置、112:傾斜磁場用電源部、113:シム用電源部、114:シーケンス制御装置、115:入力装置、120:MRI装置、130:MRI装置、310:計測部、320:再構成部、330:位相分布算出部、331:シード点候補特定部、332:仮位相分布算出部、333:正誤判定部、334:真位相分布決定部、340:水−脂肪分離部、411:絶対値比画像算出部、412:閾値設定部、413:画素群特定部、421:位相アンラップ部、431:位相除去部、432:画素数算出部、433:判定部、510:パルスシーケンス、511:RFパルス、512:スライス選択傾斜磁場、513:位相エンコード傾斜磁場、514:読み出し傾斜磁場、515:第一エコー、516:読み出し傾斜磁場、517:第二エコー、520:パルスシーケンス、521:RFパルス、522:スライス選択傾斜磁場、523:位相エンコード傾斜磁場、524:読み出し傾斜磁場、525:第一エコー、526:読み出し傾斜磁場、527:第二エコー、528:RFパルス、529:スライス選択傾斜磁場、601:水信号比分布、602:脂肪信号比分布、603:閾値Th

Claims (12)

  1. 被検体が置かれる空間に静磁場を生成する静磁生成磁石と、前記被検体に高周波磁場パルスを送信する送信部と、高周波磁場パルスの送信により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部と、前記送信部、前記傾斜磁場印加部及び前記受信部の動作を制御するとともに前記受信した核磁気共鳴信号に対して演算処理を行う計算機と、を備える磁気共鳴撮影装置であって、
    前記計算機は、
    予め定めたパルスシーケンスに従って、異なる2つのエコー時間の前記核磁気共鳴信号を得る計測部と、
    前記2つの核磁気共鳴信号から、前記異なる2つのエコー時間の原画像を再構成する再構成部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像から静磁場不均一によって変化する位相の分布である位相分布を算出する位相分布算出部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記位相分布とを用いて水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離部と、を備え、
    前記位相分布算出部は、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定するシード点候補特定部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出する仮位相分布算出部と、
    前記仮位相分布の正誤を判定する正誤判定部と、
    前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定する真位相分布決定部と、を備え、
    前記シード点候補特定部は、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像の比として得た比画像の絶対値を絶対値比画像として算出する絶対値比画像算出部と、
    前記シード点候補画素群を特定するための閾値を少なくとも1つ設定する閾値設定部と、
    前記閾値を用いて前記絶対値比画像における前記シード点候補画素群を特定する画素群特定部と、を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記閾値設定部は、前記絶対値比画像の画素値の分布を用いて前記閾値を設定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記閾値設定部は、前記異なる2つのエコー時間の原画像の信号雑音比に基づいて、信号比ヒストグラムを算出し、当該モデルに基づいて前記閾値を設定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  4. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記閾値は、前記絶対値比画像の画素値の最頻値に当該画素値の標準偏差を加算した値以上の値に設定されること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  5. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記閾値は、前記絶対値比画像の画素値の最頻値より大きい値に設定されること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記閾値は、1.0以上の値に設定されること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記仮位相分布算出部は、
    前記比画像の位相値に対し、予め定めた基準画素から領域拡大法を用いた位相アンラップ処理を実行し、前記仮位相分布を算出する位相アンラップ部を備え、
    前記基準画素は、前記シード点候補画素群の中から選択されること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記正誤判定部は、
    前記比画像の前記シード点候補画素群の各信号から前記仮位相分布として得た位相値をそれぞれ除去し、前記各シード点候補画素群の各画素の除去後信号値を得る位相除去部と、
    前記各シード点候補画素群の中で、前記除去後信号値が正の値である画素数と負の値である画素数とをそれぞれ算出する画素数算出部と、
    前記正の値の画素数と前記負の値の画素数とを比較し、前記仮位相分布の正誤を判定する判定部と、を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  9. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記判定部は、前記正の値の画素数が前記負の値の画素数より多い場合、正と判定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  10. 請求項記載の磁気共鳴撮影装置であって、
    前記真位相分布決定部は、
    前記判定部の判定結果が誤の場合、前記仮位相分布を補正し、補正後の位相分布を、前記真の位相分布と決定し、当該判定結果被核結果が正の場合、仮の位相分布を前記真の位相分布と決定すること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  11. 予め定めたパルスシーケンスに従って計測した異なる2つのエコー時間の核磁気共鳴信号からそれぞれ再構成された、前記異なる2つのエコー時間の原画像から、水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離方法であって、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像の比として得た比画像の絶対値を絶対値比画像として算出し、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定するための閾値を少なくとも1つ設定し、該閾値を用いて前記絶対値比画像における前記シード点候補画素群を特定し
    前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記シード点候補画素群の情報とを用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出し、
    前記仮位相分布の正誤を判定し、
    前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定し、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記真の位相分布とを用いて、水信号と脂肪信号とを分離すること
    を特徴とする水脂肪分離方法。
  12. 被検体が置かれる空間に静磁場を生成する静磁生成磁石と、前記被検体に高周波磁場パルスを送信する送信部と、高周波磁場パルスの送信により前記被検体から生じる核磁気共鳴信号を受信する受信部と、前記核磁気共鳴信号に位置情報を付加するための傾斜磁場を印加する傾斜磁場印加部と、前記送信部、前記傾斜磁場印加部及び前記受信部の動作を制御するとともに前記受信した核磁気共鳴信号に対して演算処理を行う計算機と、を備える磁気共鳴撮影装置であって、
    前記計算機は、
    予め定めたパルスシーケンスに従って、異なる2つのエコー時間の前記核磁気共鳴信号を得る計測部と、
    前記2つの核磁気共鳴信号から、前記異なる2つのエコー時間の原画像を再構成する再構成部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像から静磁場不均一によって変化する位相の分布である位相分布を算出する位相分布算出部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像と前記位相分布とを用いて水信号と脂肪信号とを分離する水脂肪分離部と、を備え、
    前記位相分布算出部は、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、ノイズの影響を受けた画素群をシード点候補画素群として特定するシード点候補特定部と、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像を用い、仮の前記位相分布である仮位相分布を算出する仮位相分布算出部と、
    前記シード点候補画素群の情報を用い、前記仮位相分布の正誤を判定する正誤判定部と、
    前記正誤判定部による判定結果に基づいて真の位相分布を決定する真位相分布決定部と、を備え、
    前記シード点候補特定部は、
    前記異なる2つのエコー時間の原画像の比として得た比画像の絶対値を絶対値比画像として算出する絶対値比画像算出部と、
    前記シード点候補画素群を特定するための閾値を少なくとも1つ設定する閾値設定部と、
    前記閾値を用いて前記絶対値比画像における前記シード点候補画素群を特定する画素群特定部と、を備えること
    を特徴とする磁気共鳴撮影装置。
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