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JP6015754B2 - 運転状態推定装置 - Google Patents
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Description

本発明は、運転者の運転状態を推定する装置に関する。
運転者の運転状態を推定する装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。特許文献1に記載の装置では、車速が予め設定した車速範囲内の場合に、運転者の運転操作量として例えば操舵角を取得し、取得した操舵角の履歴に基づき、操舵角の分布の特徴量(相違量)を求める。そして、特許文献1の装置は、その特徴量から、運転者の運転操作が不安定な運転状態か否かの判定を行う。
特開2009−9495号公報
上記従来技術では、車速が予め設定した車速範囲内であれば、その間に取得した操舵角の情報を使用して上記特徴量を演算している。しかしながら、車両の走行状態によっては、例えば凹凸路面を走行するなどによって、運転者による操舵入力とは関係無く上記操舵角が変化する場合も想定される。この場合、上記従来技術では、運転状態の推定精度が一時的に低くなる可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、運転状態の推定精度を向上させることを目的としている。
上記目的を解決するために、本発明の一態様は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報から運転状態を推定する第1の運転状態推定部を備える。また本発明の一態様は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報、車両状態の情報、及び車両周囲の情報の少なくとも1つの情報を用いて上記第1の運転状態推定部による運転状態推定に影響を与えると推定される車両の走行状態である特定走行状態を判定する走行状態判定部を備える。そして、本発明の一態様は、上記第1の運転状態推定部で行う運転状態推定への上記走行状態判定部が判定した特定走行状態の影響度を判定する走行状態影響度判定部と、上記第1の運転状態推定部よりも上記特定走行状態の影響を受けない運転状態を推定する第2の運転状態推定部と、上記走行状態影響度判定部が判定した影響度が予め設定した基準以上に高い状態である設定影響度状態の場合には、上記第1の運転状態推定部による推定に代えて第2の運転状態推定部による推定を選択する状態選択部と、を備え、上記走行状態影響度判定部は、上記第1の運転状態推定部が推定する運転状態の履歴に基づき影響度を判定する。
記第2の運転状態推定部は、影響度が設定影響度状態と判定されているときの上記運転操作子の操作情報を使用しないで運転状態を推定してもよい。
本発明の一態様によれば、判定した走行状態による影響度も考慮して運転状態を推定する。この結果、本発明の一態様によれば、運転状態の推定精度が向上する。
本実施形態の構成例を示す図である。 運転状態推定処理部の構成を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係るイベント例を示す図である。 操舵パターンを説明する図である。 ノイズ操舵パターンを説明する図である。 運転状態分布算出部の構成を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る運転状態推定処理部の処理を説明する図である。 複数のイベント発生例を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る運転状態推定処理部の処理を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る影響度の判定を説明する図である。
「第1実施形態」
まず、本発明に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係る運転支援装置を搭載した車両の構成を示す図である。
本実施形態の車両は、図1に示すように、操舵指示子としてのステアリングホイール1、アクセルペダル開度センサ2、ブレーキペダル操作量センサ3、操舵角センサ4、車輪速センサ5、ウインカ検出センサ6、メータディスプレイ7、ナビゲーション装置8、シフトセンサ9、Gセンサ10、ヨーレートセンサ11、ライト作動検出部12、オーディオ操作検出部13、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)の作動検出フラグ14、LDP(レーンデパーチャープリベンション:車線逸脱防止支援システム)の作動検出フラグ14、コントローラ100を備える。
アクセルペダル開度センサ2はアクセルペダルの開度量(加速指示量)を検出する。検出された開度量はコントローラ100に出力される。ブレーキペダル操作量センサ3は、制動指示量としてブレーキペダルの操作量(制動指示量)を検出する。検出した操作量は、コントローラ100に出力される。
操舵角センサ4は、例えばステアリングコラムやステアリングホイール1等に取り付けられた角度センサであり、ステアリングシャフトの回転から運転者の操舵による操舵角を検出する。検出した操舵角は、コントローラ100に出力される。
車輪速センサ5は、例えば車輪の回転数を検出することで車速を検出する。検出した車速はコントローラ100に出力される。車輪速センサ5は、メータディスプレイ7への信号に基づき車速を検出しても良い。ウインカ検出センサ6は、ウインカレバーのウインカ状態を検出する。検出したウインカ状態は、コントローラ100に出力される。シフトセンサ9は、シフトレバーや変速機に設けられて、シフト位置情報(変速情報)を検出する。検出したシフト位置情報はコントローラ100に出力される。
情報呈示装置は、コントローラ100からの制御信号に応じて警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットとを備える。表示ユニットは、例えばナビゲーション装置8の表示モニタ等を流用しても良い。
ナビゲーション装置8は、GPS受信機、地図データベース、および表示モニタ等を備えており、経路探索および経路案内等を行うシステムである。ナビゲーション装置8は、GPS受信機から得られる自車両の現在位置と地図データベースに格納された道路情報に基づいて、自車両が走行する道路の種別や道路幅員等の情報を取得することができる。
Gセンサ10は、車両に発生する前後加速度や横加速度を検出する。検出された加速度は、コントローラ100に出力される。ヨーレートセンサ11は、車両の発生しているヨーレートを検出し、検出したヨーレートをコントローラ100に出力する。ライト作動検出部12は、ライト点灯の作動操作を検出し、その情報をコントローラ100に出力する。オーディオ操作検出部13は、オーディオの操作を検出し、その情報をコントローラ100に出力する。VDC作動の検出フラグ14は、VDCの作動によってONとなるフラグである。LDP作動の検出フラグ15は、LDPの作動によってONとなるフラグである。
コントローラ100は、CPUと、ROMおよびRAM等の記憶部その他のCPU周辺部品とから構成される電子制御ユニットであって、記憶部に格納されているプログラムを作動することで予め設定した処理を実施する。
コントローラ100は、運転状態推定処理部100Aを備える。運転状態推定処理部100Aは、操舵角センサ4が検出する操舵角情報から運転者の運転状態を推定する。コントローラ100の処理のうち運転状態推定処理部100Aは、アクセルペダル開度センサ2、ブレーキペダル操作量センサ3、操舵角センサ4等で検出される信号に基づいて運転者の運転特性を分析し、運転者の運転操作の乱雑さなどの運転不安定の度合を判定する。そして、運転の不安定の度合に応じて警報その他の情報を運転者に呈示して、運転者の注意を喚起する処理を行う。
本実施形態の運転状態推定処理部100Aを含む運転支援装置は、図1に示すように、操舵角センサ4等の情報に基づき運転状態を推定し、推定結果を情報呈示装置7,8,16を介して呈示する。図1では、情報呈示装置による呈示として、視覚情報呈示及び聴覚情報呈示を例示している。視覚情報呈示には、例えばメータディスプレイ7やナビゲーション装置8の表示部が使用される。聴覚情報呈示には例えばスピーカ16が使用される。
上記運転状態推定処理部100Aは、運転状態取得部20、走行状態判定部21、走行状態影響度判定部22、運転状態分布算出部23、運転状態判定部24、情報呈示部25を備える。
ここで、本実施形態の運転状態推定処理部100Aは、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報から運転状態を推定する。本実施形態では、上記操作可能な運転操作子は、操舵操作子としてのステアリングホイール1とし、操舵角情報が操作情報に対応する。
運転状態取得部20は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報としての運転状態データを取得する。運転状態データは、運転特性を判定するための情報である。本実施形態の運転状態取得部20は、操舵角情報を運転状態データとする。
ここで、本発明で運転状態データとなりうる情報としては、操舵角情報のほか、アクセルペダルやブレーキペダルの操作に基づく加減速情報などが例示出来る。なお、これらの運転状態データを使用した運転状態分布(運転状態分布)及び分布間の相違量の算出は、例えば国際公開番号WO2009/013815(特願2009−524342号)の公報などに記載されているような、公知の方法によって算出すれば良い。
上記走行状態判定部21は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報、車両状態の情報、及び車両周囲の情報の少なくとも1つの情報を用いて車両の走行状態を判定する。本実施形態の走行状態判定部21は、操舵角情報によって求める運転状態推定に影響を与えると推定される走行状態である特定走行状態を判定する。そのような特定走行状態を発生させる事象をイベントと呼ぶ。
ここで、「運転状態推定に影響を与えると推定される走行状態」とは、運転者の運転操作と無関係の入力によって上記運転操作に影響を及ぼすと推定される、つまり運転者の運転操作の操作情報が乱されると推定される走行状態である。本実施形態は操舵操作を対象とするので、運転者の操舵操作とは関係なく操舵入力に影響を及ぼすイベントで発生した走行状態を指す。
本実施形態の走行状態判定部21は、図3に示すようなイベントのいずれかの発生を検出すると、特定走行状態と判定する。
ここで、上記イベントの例の種別は、図3に示すように、運転者に何らかの操作を要求する第1のイベント、車両のバネ上挙動を発生する第2のイベント、車両のバネ下挙動を要求する第3のイベント、特定の車両挙動が発生する第4のイベントに分類される。
上記第1のイベントの例は、カーブ路の走行、車線変更(例:右左折)、加減速操作(例:ブレーキ操作)、変速操作、操作スイッチ・レバーの操作、トンネル出入り口である。
上記第2のイベントの例は、路面のうねり、加減速の発生である。
上記第3のイベントの例は、路面のジョイント通過である。
上記第4のイベントの例は、横すべりの発生、VDC制御の作動、LDP制御の作動である。
上記カーブ路の走行は、例えば操舵角や横G等によって検出可能である。本実施形態で、予め設定した曲率以上のカーブ路を上記イベントとして検出する。ここで、操舵角情報によって運転状態を推定するため、操舵角以外の情報でイベントを検出することが好ましい。
上記車線変更は、例えばウインカ操作を検出することで検出する。
上記加減速操作は、例えば、アクセルペダル若しくはブレーキペダルの操作を検出することで検出可能である。本実施形態では、例えばペダル操作速度が予め設定した速度以上の場合をイベントとして検出する。
上記変速操作は、例えば、シフトレバー操作や変速情報を検出することで検出する。
上記操作スイッチ・レバーの操作は、例えばワイパー作動信号、ライトの作動信号、オーディオ状態の変更操作等の、運転者が操作可能なスイッチ類の操作を検出することで検出する。
トンネルの入口及び出口は、例えばライト操作(ONからOFF、又はOFFからON)を検出することで検出する。
上記路面のうねりは、Gセンサ10が検出する横Gの大きさによって検出する。例えば予め設定した設定横G以上の場合にイベント発生と判定する。
上記加減速の発生は、Gセンサ10が検出する前後Gの大きさによって検出する。例えば予め設定した前後G以上の場合にイベント発生と判定する。
上記路面のジョイント通過は、車輪速センサ5に基づく車輪速の変化に基づく検出する。単位時間当たりの車輪速の変化が予め設定した閾値以上の場合にイベント発生として検出する。
上記横すべりの発生は、ヨーレートセンサ11の検出値に基づき、予め設定した閾値以上のヨーレートが発生したらイベント発生として検出する。
上記VDC制御の作動は、VDC制御の作動中を表すVDC作動フラグがONの場合にイベント発生として検出する。上記LDP制御の作動は、LPD制御の作動中を表すLPD作動フラグがONの場合にイベント発生として検出する。
なお、上記説明ではイベントの検出を、車両内で発生した情報から検出する場合を例示したが、車外の情報に基づき検出しても良い。地図情報とGPS情報との組合せや、前方カメラ(不図示)などによって車両周囲を撮像した画像に基づき走行環境の情報を取得することで、上記各イベントを検出するようにしても良い。例えば画像処理によって白線を検出して、道路の曲率を検出しても良いし、地図情報とGPS情報との組合せによって車両の位置や進行方向を検出するようにしても良い。
また走行状態影響度判定部22は、操舵角情報から求める運転状態推定への上記走行状態判定部21が判定した走行状態の影響度を判定する。
本実施形態の走行状態影響度判定部22は、上記走行状態判定部21が上記イベントの発生に伴う特定走行状態と判定すると、影響度を判定する。なお、影響度の初期値は「0」とする。具体的には、本実施形態の走行状態影響度判定部22は、図4に示すように、上記走行状態判定部21が上記イベントを検出(特定走行状態を検出)してから、予め設定した時間的範囲(例えば5秒)内における操舵パターンを取得し、取得した操舵パターンが予め設定されているノイズ操舵パターンと判定した場合には、影響度を「1」とする。取得した操舵パターンが予め設定されているノイズ操舵パターンでないと判定した場合には、影響度を「0」とする。
走行状態影響度判定部22は、例えば、操舵パターンとして、イベント検出時点から数degの1周期分又は半周期分の操舵角の変化を検出し、その振幅や周波数などで規定される操舵パターン、例えば予め設定した設定振幅以上の操舵パターンの場合に、ノイズ操舵パターンと判定する。ノイズ操舵パターンの例を図5に示す。例えば、イベント発生後の予め設定した時間(例えば0.5秒)以内に、予め設定した以上の振幅(例えば数deg)且つ予め設定した周波数(たとえば1Hz)以下の一周期分の波形の場合に、ノイズ操舵パターンと判定する。また例えば、イベント発生後の予め設定した時間(例えば0.5秒)以内に、予め設定した周波数以下の半周期分の波形の場合に、ノイズパターンと判定する。
運転状態分布算出部23は、運転状態取得部20が取得した運転状態データと走行状態影響度判定部22が判定する影響度を参照しつつ、時間的範囲の異なる複数の運転状態分布を算出する。本実施形態の運転状態分布算出部23は、予め設定した相対的に長い第1の時間的範囲で取得した操舵角情報によって求めた第1運転状態分布と、第1運転状態分布よりも時間的範囲が短い第2の時間的範囲で求めた第2運転状態分布とを算出する。
このとき、本実施形態の運転状態分布算出部23は、走行状態影響度判定部22が判定する影響度=「1」の場合には、影響度が設定影響度状態と判定している期間(例えば、イベントを検出してから予め設定した時間的範囲(例えば5秒))の操舵角情報(運転状態データ)を除外して、つまり運転状態推定方法を変更して上記第2運転状態分布の算出を行う。
なお、影響度が設定影響度状態と判定している期間の運転状態データを除外する場合でも、第2運転状態分布を求める時間的範囲の長さは第2の時間的範囲と同じ長さとすることが好ましい。もっとも、影響度が設定影響度状態と判定している期間の運転状態データを除外する場合には、第2運転状態分布を求める時間的範囲の長さを第2の時間的範囲と異なる長さ、例えば第2の時間的範囲よりも長い時間的範囲に設定しても良い。
ここで、予め設定した相対的に長い第1の時間的範囲は、対象とする運転者についての通常の運転特性を取得可能な時間的範囲であり、例えば30分以上の値に設定する。また、第2運転状態分布の第2の時間的範囲は、現在の運転特性(直近の運転特性)を判定可能な時間的範囲であり、例えば現在時刻から3分程度前までの時間的範囲とする。なお、上述の各時間的範囲は、例示であり、操舵角情報の取得周期などに基づき、実験や理論などから設定すればよい、本実施形態では、予め設定したサンプリング間隔(100msec)毎に操舵角情報を取得する。
また、運転状態分布算出部23は、各運転状態分布毎に、運転状態データとしての操舵角を取得する度に、各運転状態分布(頻度分布など)を算出するために記憶しているデータを更新すると共に、各運転状態分布を更新(算出)する。ただし、上述の通り、影響度が設定影響度状態と判定している期間の運転状態データを除外して、第1及び第2運転状態分布のうち少なくとも第2運転状態分布を算出する。影響度が設定影響度状態と判定している期間の上記運転状態データを除外する処理は、後述のように、設定影響度状態と判定前のデータで、設定影響度状態と判定しているときのデータを上書きしたり、設定影響度状態と判定しているときに上記データの更新を停止したりすることで実現する。
上記運転状態分布算出部23は、図6に示すように、第1運転状態分布算出部23Aと、第2運転状態分布算出部23Bと、分布記憶部23Cと、分布選択部23Dと、分布設定部23Eと、を備える。
第1運転状態分布算出部23Aは、上記のように逐次更新している操舵角情報(運転状態データ)に基づき、上述のように比較的長い第1の時間的範囲の第1運転状態分布を算出する。
第2運転状態分布算出部23Bは、上記のように逐次更新している操舵角情報(運転状態データ)に基づき、上述のように比較的短い第2の時間的範囲の第2運転状態分布を算出する。
分布記憶部23Cは、予め設定した第3の時間間隔(例えば5秒間隔)毎にその時間的範囲の第3運転状態分布を繰り返し算出し、算出した第3運転状態分布を、記憶部に記憶する。
分布選択部23Dは、走行状態影響度判定部22が影響度=「1」と判定すると、走行状態判定部21が上記イベントを検出したときよりも前に記憶した第3運転状態分布、又は上記第1運転状態分布のいずれかを選択する。これによって、運転状態推定の選択が行われる。本実施形態では、影響度が「1」か「0」かで判定しているため、例えば第3運転状態分布を選択するとする。ここで、影響度を多段階で判定する場合には、影響度が予め設定した閾値以上で第1の上限閾値未満の場合には、第3運転状態分布を選択し、影響度が上記第1の上限閾値以上の場合には、上記第1運転状態分布を選択するように設定しても良い。
分布設定部23Eは、上記分布選択部23Dが運転状態分布である第3運転状態分布を選択した場合には、上記第2運転状態分布を変更して、状態推定方法を変更する。具体的には、分布設定部23Eは、影響度が「1」の場合には、上記第3運転状態分布で上記第2運転状態分布を置き換える。この処理は、特定走行状態と判定してから予め設定した期間(例えば5秒)の操舵角情報を、特定走行状態と判定する直前で且つ特定走行状態と判定してから予め設定した期間と同じ時間的範囲で求めた操舵角情報に置き換えることと同義である。
ここで、第3運転状態分布で第2運転状態分布を置き換える処理は、上述の通り、特定走行状態と判定してから予め設定した期間(例えば5秒)の操舵角情報を使用しないで、その前後の操舵角情報を用いて第2運転状態分布を求めるようにしても良い。すなわち、特定走行状態と判定してから予め設定した期間が経過するまでは、第2運転状態分布(頻度分布など)を算出するために記憶しているデータの更新を禁止する処理を行うようにしても良い。
運転状態判定部24は、上記運転状態分布算出部23が算出する第1運転状態分布と上記第2運転状態分布との分布間の相違量(相対エントロピー)に基づき運転状況を判定する。
情報呈示部25は、運転状態判定部24が判定する運転状態に基づき、運転者に情報呈示する処理を行う。
次に、運転状態推定処理部100Aの処理を、図7を参照しつつ説明する。運転状態推定処理部100Aの処理は、予め設定された制御周期(例えば100msec毎)で実施される。
ステップS110では、運転状態推定処理部100Aが、交通環境情報を取得する。すなわち、ステップS110では、自車両が走行する交通環境の情報、例えば路面の情報や路面入力、トンネル、分合流、カーブ、料金所、路面傾斜などの情報を取得する。本実施形態では、上記イベントを検出するのに要する交通環境情報を取得する。
ステップS120では、運転状態推定処理部100Aが、車両情報を取得する。ステップS120では、運転者の運転操作子の操作情報、及び車両の挙動情報を取得する。本実施形態では、運転状態を推定するための操舵角情報と、上記イベントを検出するのに要する車両情報を取得する。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、イベントの検出のための情報は、車両の有する情報から検出することが可能である。すなわち、ステップS110及びS120では、運転者の運転操作子の操作情報として、上述のように、アクセルペダル・ブレーキペダルの操作、ウインカ操作、シフト操作、ナビ・オーディオ操作の情報等を取得する。また、車両状態を示す車両データ系の情報として、車速、前後G、横G、車輪速等の情報を取得する。
なお、運転状態推定処理部100Aは、例えば車両周囲の情報である交通環境情報その他の道路環境情報として、ナビゲーション装置8から、例えば料金所、トンネル、分合流、カーブ、路面傾斜の情報等を取得して使用しても良い。これらの情報は、ナビゲーション装置8の地図データベース情報を使用すれば取得可能である。
次に、ステップS130では、ドライバ操作情報を取得する。本実施形態では、運転状態取得部20が操舵角情報を取得する。
次に、ステップS140では、走行状態判定部21が走行状態を判定する。本実施形態では、上記イベントを検出すると特定走行状態が発生したと判定する。
次に、ステップS150では、走行状態影響度判定部22は、ステップS140で特定走行状態でないと判定された場合には、影響度=「0」とする。また、走行状態影響度判定部22は、ステップS140で特定走行状態と判定された場合には、イベント検出から予め設定時間範囲(例えば5秒)内に取得した操舵角情報に基づき、当該イベント検出した後の操舵パターンを取得し、取得した操舵パターンがノイズ操舵パターンか判定する。そして、取得した操舵パターンがノイズ操舵パターンと判定した場合には、影響度に「1」を設定する。そうで無い場合には、特定走行状態と判定しても、影響度に「0」を設定する。
次に、ステップS160では、予め設定した相対的に長い第1の時間的範囲で取得した操舵角情報によって求めた第1運転状態分布と、第1運転状態分布よりも時間的範囲が短い第2の時間的範囲で取得した操舵角情報によって求めた第2運転状態分布とを算出する。
なお、予め設定した第3の時間間隔(例えば5秒)毎に、第3の時間間隔を時間的範囲とした第3運転状態分布を算出し、算出した第3運転状態分布を記憶部に保存する処理を行う。
更に、ステップS160では、走行状態影響度判定部22が判定した影響度に基づき、採用する運転状態分布を選択する。具体的には、影響度=「0」の場合には、第2運転状態分布について置き換えをすることなく、ステップS170に移行する。一方、影響度=「1」と判定した場合には、第2運転状態分布を保存してある第3運転状態分布と置き換える。その後ステップS170に移行する。なお上述のように、影響度=「1」の場合に、特定走行状態の発生から予め設定した期間に取得した操舵角情報を使用すること無く、第2運転状態分布を算出しても構わない。
ここで、上述のように、第1運転状態分布及び第2運転状態分布を、運転状態データである操舵角情報を取得する度に更新する。
ステップS170では、ステアリングエントロピー法によって、第1運転状態分布及び第2運転状態分布(置き換えられた場合には、置き換え後の第2運転状態分布)の分布間の相違量(相対エントロピー)を算出する。その後ステップS180に移行する。
具体的には、ステップS170では、運転者がステアリング操作を行う際の操舵角信号に基づいて、運転者の現在の運転操作が普段の運転操作と比べてどう違うか、つまり普段の運転操作と比べて不安定な状態であるかを判定するための相違量を算出する。すなわち、ステップS170では、運転操作の滑らかでない乱雑さを表す値として、相対エントロピー(特徴量、不安定度)を算出する。一般的に、運転者の注意が運転に集中していない状態では、操舵が行われない時間が運転に集中した正常運転時よりも長くなり、大きな操舵角の誤差が蓄積される。したがって、運転者の注意が運転に戻ったときの修正操舵量が大きくなる。本実施形態では、この特性を利用して相対エントロピーを算出する。具体的には、過去あるいは現在よりも前の長時間に蓄積された操舵誤差分布(運転状態分布)と、短時間取得された現在の運転者の操舵誤差分布(運転状態分布)つまり時間的範囲が異なる複数の運転状態分布をそれぞれ算出する。そして、普段の運転特性とみなるだけの長時間の操舵誤差分布を比較基準とし、その長時間の操舵誤差分布と、現在の短時間の操作誤差分布とから相対エントロピーを算出する。
ここで、相対エントロピーは、2つの操舵誤差分布(運転状態分布)の相違量(距離)を表す物理量であり、2つの操舵誤差分布の違いの度合、すなわち2つの操舵誤差分布がどれくらい離れているかを表す。算出した相対エントロピーの値により、過去の長時間の走行状態(普段の運転特性)に対する、現在の直近の走行状態の安定性を評価できる。
相対的に長時間に蓄積された第1運転状態分布(操舵誤差分布)、相対的に短時間取得された現在の運転者の第2運転状態分布(操舵誤差分布)、及びそれを使用した分布間の相違量(相対エントロピー)の算出については、特開2009−9495号公報などに記載の処理方法など、公知の相対エントロピーを求める手法を採用すればよい。
また、ステップS170では、運転状態の推定を行う。具体的には、相違量(相対エントロピー)に基づき不安定運転状態の判定を行う。本実施形態のステップS170では、算出した相違量と予め設定した判定閾値と比較する。そして、相違量が判定閾値よりも大きい場合に、不安定運転状態と判定する。その後ステップS180に移行する。
ステップS180では、ステップS170で不安定運転状態と判定された状態が、予め設定した不安定判定閾値(例えば5秒)以上だけ時間継続した場合には、情報呈示の処理を行う。なお、特定走行状態と判定している期間は、情報呈示を中断しても良い。
情報呈示の例としては、警告表示を行うと共に「運転が乱れています。注意して運転しましょう」などと音声で警告の呈示を行う。
(動作その他)
データ収集を始めてからの走行時間に基づき運転者の普段の運転特性が取得できたと見なせる場合には、ステアリングエントロピー法を用いて運転状態の推定を実施する。
このとき、通常時の運転者の運転特性を表す第1運転状態分布と、直近の運転特性を表す第2運転状態分布の間の相違量を算出し、相違量の大きさから運転状態の推定として、不安定運転状態か否かを判定する。これにより、交通環境の違いによらず不安定な走行状態を精度よく検出することが可能となる。すなわち、交通環境の違いによらず、個人の普段の特性に適応して、不安定な状態を精度よく検出することができる。
このとき、運転者の操作による運転者の不安定度を評価するための操舵角情報(運転状態データ)だけを検出したいが、運転者の意図的な操舵や道路環境などの走行状態に起因する操舵入力の影響でステアリング操作に乱れが発生する場合がある。この乱れを含んだ操舵角情報を使用した運転状態分布を使用すると、運転不安定の検出精度が悪くなるおそれがある。特に、第2運転状態分布は時間的範囲が短いため、上記影響を受けやすい。
このような考えから、本実施形態では、運転者によるステアリング操作を乱すと推定されるイベントによって発生した特定走行状態か判定している。
更に、そのようなイベントによる特定走行状態であっても、ステアリング操作への影響が実際には小さい場合も想定される。このため、本実施形態では、上記特定走行状態と判定したときに、その特定走行状態によるステアリング操作への影響度を判定し、影響度が予め設定した値よりも大きい場合には、上記第2運転状態分布を変更、つまり運転状態の推定方法を変更する。
このように、本実施形態にあっては、ステアリング操作が乱れると推定される走行状態であって且つその走行状態によるステアリング操作への影響度が大きい場合には、上記設定影響度状態と判定しているときの運転状態データを含まない第3運転状態分布で、第2運転状態分布を置き換えて、つまり推定方法を変更して運転不安定を判定する。
この結果、運転者のステアリング操作つまりドライバ状態と無関係な操舵入力によって運転不安定状態と誤検知することを防止出来る。
またこのとき、本実施形態では、ステアリング操作が乱れると推定される走行状態と判定した場合に、無条件で推定方法を変更することなく、更に、その走行状態による影響度を判定し、当該判定した影響度が設定した特定の影響度状態となっている場合にのみ、当該ステアリング操作が乱れると推定される走行状態のときの操舵角情報を使用しないようにしている。
この結果、誤検知シーンとして状態推定方法の変更を行うシーンを減らすことが可能となる。
(変形例)
(1)ここで、上記実施形態では、判定した影響度が設定した特定の影響度状態となっている場合(影響度=「1」)に変更する状態推定方法として、上記特定の影響度と判定しているときの運転状態データを含まない第3運転状態分布で、第2運転状態分布を置き換える場合(復元する場合)を例示した。状態推定方法の変更としては、これに限定しない。上記特定の影響度と判定しているときの運転状態データを使用しない、他の状態推定方法を採用しても良い。例えば、第1運転状態分布で第2運転状態分布を上書きする。つまり相違量をリセットするという状態推定方法を採用しても良い。
(2)またこのとき、例えば、影響度が特定の設定影響度状態となっている場合(影響度=「1」)となっている場合に、上記検出したイベントに応じて、変更する状態推定方法を個別に選択するようにしても良い。
例えば、イベントの種別に応じて、第1種のイベントでは第3運転状態分布を採用し、第2種のイベントでは第1運転状態分布を採用して、上記採用した運転状態分布で第2運転状態分布を置き換えることで、状態推定方法を変更する。
上記第1種のイベントは、特定走行状態の期間の前後で運転者の運転状態が継続すると想定されるイベントとする。第1種のイベントは、例えば、予め設定した特定の道路環境を走行することで発生するイベントである。特定の道路環境とは、路面の凹凸形状、トンネル内、走行路の合分岐路、カーブ路、料金所近傍、自車先方への他車両の割り込み、渋滞状態等である。この場合、特定の影響度が発生する前の状態で不安定状態を判定可能となる。なおこの場合には、当該第1影響度が発生したときの運転状態データを、その前の運転状態データで置き換える事で、誤検知の原因となる運転状態データが除去される。具体的には、第3時間的範囲単位でデータの入れ替えを実施する。
上記第2種のイベントは、特定走行状態の期間の前後で運転者の運転状態が変わってしまうと想定されるイベントである。第2種のイベントは、例えば、運転者が予め設定した特定の運転操作を操作することで発生するイベントである。なお、第1種のイベントよりも第2種のイベントを優先に決定する。上記特定の運転操作とは、例えば、車線変更操作、アクセルペダル操作、ブレーキペダル操作、ウインカ操作、ナビゲーション装置8の操作、オーディオ操作、ライト操作などである。この場合には、特定の影響度が発生する前に取得した第2運転状態分布が使用出来なくなるので、第2運転状態分布を、相対的に時間的範囲が長い第1運転状態分布と置き換えて、第2運転状態分布をリセットする。この場合には、第1運転状態分布と第2運転状態分布とが一致するので、相違量(相対エントロピー)は「0」となる。なお、この場合には、特定の影響度の発生が終了した後の次の第3時間的範囲の開始から、第2運転状態分布用のデータ収集を新たに開始するように設定しても良い。
(3)上記実施形態では、影響度の判定として、影響度=「0」、「1」という段階的な判定の場合を例示した。影響度の判定は、3段階以上のデジタル値や連続値として判定しても良い。
(4)上記実施形態のステップS180では、情報呈示として、不安定運転状態と判定された状態が、予め設定した不安定判定閾値(例えば5秒)以上だけ時間継続した場合には、情報呈示の処理を行っている。情報呈示の内容を、特定走行状態を発生したイベントの内容や頻度、影響度に基づいて変更しても良い。
例えば、検出したイベントの内容に応じて「車両がふらついています」や「ステアリング操作が乱れています」などと、そのイベント、つまり走行状態に適した情報内容を選択しても良い。
また、図8に示すように、予め設定した期間内に複数のイベントが発生した場合には、イベントの数に応じて情報呈示内容を変更しても良い。例えば、単位時間当たりに発生しているイベント数が少ない場合には、「休憩はいかがですか」と運転者の操作状態に応じた内容を呈示し、イベント数が多い場合には、その外的要因による影響を考慮した「車両がふらついています」などと呈示する。またこのとき、発生した複数のイベントの内の一番多く発生しているイベントに応じて情報呈示内容を決定するようにしても良い。
但し、予め設定した期間内に発生したイベントの数が予め設定した回数以上の場合には、運転状態推定の精度が低くなると推定されるため、運転状態に対する情報呈示を禁止するようにしても良い。
ここで、運転状態分布算出部23が、第1の運転状態推定部及び第2の運転状態推定部を構成する。第2運転状態分布の変更を行場合の状態推定方法が第1の運転状態推定部に対応し、第2運転状態分布を、第3運転状態分布によって置き換えて復元する場合若しくは第1運転状態分布で置き換えて推定情報をリセットする場合の状態推定方法が第2の運転状態推定部に対応する。これは他の実施形態でも同様である。
影響度=「1」が、影響度が予め設定した設定影響度状態となっていることに対応する。
(本実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)第1の運転状態推定部は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報から運転状態を推定する。走行状態判定部21は、運転者が操作可能な運転操作子の操作情報、車両状態の情報、及び車両周囲の情報の少なくとも1つの情報を用いて車両の走行状態を判定する。走行状態影響度判定部22は、上記第1の運転状態推定部で行う運転状態推定への上記走行状態判定部21が判定した走行状態の影響度を判定する。第2の運転状態推定部は、上記第1の運転状態推定部とは異なる運転状態の推定で運転状態を推定する。分布選択部23Dは、上記走行状態影響度判定部22が判定した影響度が予め設定した設定影響度状態の場合には、上記第1の運転状態推定部による推定に代えて第2の運転状態推定部による推定を選択する。
この構成によれば、運転状態が乱れるかもしれない走行状態と判定しても、走行状態による影響度を考慮して運転状態を推定する。この結果、運転状態の推定精度が向上する。
(2)上記走行状態判定部21は、上記第1の運転状態推定部による運転状態推定に影響を与えると推定される走行状態である特定走行状態か否かを判定する。上記走行状態影響度判定部22は、上記走行状態判定部21が上記特定走行状態と判定したときに上記影響度を判定する。
この構成によれば、運転状態が乱れるかもしれない特定走行状態の場合に影響度を判定する。この結果、より確実に運転状態に影響を与える走行状態か判定することが可能となる。
(3)上記走行状態影響度判定部22は、予め設定した時間的範囲における車両情報又は第1の運転状態推定部で推定する運転状態に基づき影響度を判定する。
走行状態による車両の挙動は、車両情報又は第1の運転状態推定部で推定する運転状態で判定可能である。そして、その車両情報又は第1の運転状態推定部で推定する運転状態で影響度を判定することで、影響度を確実に判定することが可能となる。
(4)上記走行状態影響度判定部22は、上記第1の運転状態推定部が用いる上記運転操作子の操作情報から影響度を判定する。
この構成によれば、運転状態を推定する運転操作子自体の情報を使用することで、より確実に影響度を判定することが可能となる。
(5)第1の運転状態推定部が用いる上記運転操作子は、操舵を指示する操舵操作子である。上記走行状態影響度判定部22は、上記操舵操作子の操舵パターンに基づき影響度を判定する。
特定走行状態を発生するイベントで運転状態が乱れる場合には、特定の操舵パターンが発生すると推定される。このように操舵パターンによって影響度を判定することが可能となる。
(6)上記走行状態判定部21で用いる車両情報は、ばね上挙動変化、および、ばね下挙動変化に関する情報である。
この構成によれば、路面形状や車両の加減速度などの操舵入力を乱すようなイベントを検出することが可能となる。
(7)上記走行状態判定部21で用いる運転操作子は、ステアリングホイール1、アクセルペダル、ブレーキペダル、ウインカ作動指示部、ワイパー作動指示部のから少なくともひとつである。
この構成によれば、運転者の操作に起因するイベントを検出することが可能となる。
(8)第2の運転状態推定部は、影響度が設定影響度状態と判定されているときの上記運転操作子の操作情報を使用しないで運転状態を推定する。
これによって、運転状態の推定に影響を及ぼす情報を使用することなく、運転状態を推定することが可能となる。
(9)情報呈示部25は、推定した運転状態に基づき運転情報を運転者に提供する。上記情報呈示部25は、上記走行状態影響度判定部22が判定した影響度に応じて、情報提供する運転情報を決定する。
この構成によれば、影響度に応じた適切な情報を提供可能となる。
(10)情報呈示部25は、上記走行状態影響度判定部22が判定した影響度が予め設定した設定影響度状態と判定される頻度、又は走行状態判定部21が判定した走行状態に応じて、情報提供する運転情報を決定若しくは情報提供の中止を決定する。
この構成によれば、影響度に応じた適切な情報を提供可能となる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、走行状態影響度判定部22及び分布選択部23Dの処理が異なる。
本実施形態の走行状態影響度判定部22は、走行状態判定部21が特定走行状態と判定すると、その特定走行状態の開始、つまり上記イベントの検出から予め設定した設定経過時間(例えば5秒間)までの間の上記第1運転状態分布と上記第2運転状態分布との分布間の相違量(特徴量)を参照して、上記特定走行状態と判定した直後(イベント発生直後)の特徴量の増加量若しくは最大値を影響度とする。
分布選択部23Dは、影響度が予め設定した第1の影響度閾値未満の場合には、第1の状態推定方法を選択し、影響度が、第1の影響度閾値以上であって、第1の影響度閾値よりも大きな第2の影響度閾値未満の場合には、第2の状態推定方法を選択し、影響度が、第2の影響度閾値以上の場合には第3の状態推定方法を選択する。
分布設定部23Eは、上記分布選択部23Dが選択した状態推定方法に基づき、第2運転状態分布の変更処理を実施する。具体的には、分布選択部23Dが第1の推定状態を選択した場合には、第2運転状態分布の変更処理を実施しない。分布選択部23Dが第2の推定状態を選択した場合には、第3運転状態分布で上記第2運転状態分布の置き換え処理を行う。分布選択部23Dが第3の推定状態を選択した場合には、第1運転状態分布で上記第2運転状態分布の置き換え処理を行う。
次に、本実施形態の運転状態推定処理部100Aの処理を、図9を参照しつつ説明する。運転状態推定処理部100Aの処理は、予め設定された制御周期(例えば100msec毎)で実施される。
ここで、ステップS110〜S140、ステップS170〜S180の各処理は上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態では、ステップS200の処理が追加されている点で第1実施形態と異なる。
ステップS200では、ステップS170で求めた分布間の相違量(相対エントロピー、特徴量)を、少なくとも直近の予め設定した期間分だけ記憶する処理を行う。予め設定した期間は、例えば10秒とする。
また本実施形態のステップS150では、ステップS140で上記イベントを検出して特定走行状態と判定すると、ステップS200で記憶した過去の相違量を参照して、当該特定走行状態と判定してから予め設定した期間内(例えば5秒)における最大の相違量を検出相違量として取得する。そして、その検出相違量と、当該特定走行状態が発生する直前の相違量との差を、影響度として求める。上記相違量の差からなる影響度は、影響度が大きいほど、上記特定走行状態による操舵への影響が大きいことを表している。
ここで、図10に示すように、イベント発生によって操舵が乱れると、相対エントロピーで表される相違量が増大する傾向にあるので、この相違量の増大から影響度を求める事が可能である。上記説明では、イベント発生による相違量の増加分から影響度を求める場合で説明しているが、イベント発生後の相違量の増分率から影響度を求めても良い。
ステップS160では、予め設定した相対的に長い第1の時間的範囲で取得した操舵角情報によって求めた第1運転状態分布と、第1運転状態分布よりも時間的範囲が短い第2の時間的範囲で取得した操舵角情報によって求めた第2運転状態分布とを算出する。
なお、予め設定した第3の時間間隔(例えば5秒)毎に、第3の時間間隔を時間的範囲とした第3運転状態分布を算出し、算出した第3運転状態分布を記憶部に保存する処理を行う。
更に、ステップS160では、走行状態影響度判定部22が判定した影響度に基づき、採用する運転状態分布を選択する。具体的には、影響度が予め設定した影響度閾値以上の場合には、特定走行状態と判定する前に記憶した第3運転状態分布で第2運転状態分布を置き変える。若しくは、上記第2運転状態分布を算出する際に、上記特定走行状態と判定してから予め設定した期間内(例えば5秒)の操舵角情報を除いて、第2の時間的範囲で取得した操舵角情報によって第2運転状態分布を求める。
影響度が、上記影響度閾値よりも大きな値である限界閾値以上と判定した場合、第1運転状態分布で第2運転状態分布を置き換えて、相対値のリセット(初期化)を行う。
その他の処理は、上記第1実施形態と同様である。
(動作その他)
データ収集を始めてからの走行時間に基づき運転者の普段の運転特性が取得できたと見なせる場合には、ステアリングエントロピー法を用いて運転状態の推定を実施する。
このとき、通常時の運転者の運転特性を表す第1運転状態分布と、直近の運転特性を表す第2運転状態分布の間の相違量を算出し、相違量の大きさから運転状態の推定として、不安定運転状態か否かを判定する。これにより、交通環境の違いによらず不安定な走行状態を精度よく検出することが可能となる。すなわち、交通環境の違いによらず、個人の普段の特性に適応して、不安定な状態を精度よく検出することができる。
このとき、運転者の操作による運転者の不安定度を評価するための操舵角情報(運転状態データ)だけを検出したいが、運転者の意図的な操舵や道路環境などの走行状態に起因する操舵入力の影響でステアリング操作に乱れが発生する場合がある。この乱れを含んだ操舵角情報を使用した運転状態分布を使用すると、運転不安定の検出精度が悪くなるおそれがある。特に、第2運転状態分布は時間的範囲が短いため、上記影響を受けやすい。
このような考えから、本実施形態では、運転者によるステアリング操作を乱すと推定されるイベントによる特定走行状態か判定している。
更に、そのようなイベントによる特定走行状態であっても、ステアリング操作への影響が実際には小さい場合も想定される。このため、本実施形態では、上記特定走行状態と判定したときに、その特定走行状態によるステアリング操作への影響度を判定し、影響度が予め設定した値よりも大きい場合には、上記第2運転状態分布を変更、つまり運転状態の推定方法を変更する。
このように、本実施形態にあっては、ステアリング操作が乱れると推定される走行状態であって且つその走行状態によるステアリング操作への影響度が大きい場合には、上記設定影響度状態と判定しているときの運転状態データを含まない第3運転状態分布で、第2運転状態分布を置き換えて、つまり推定方法を変更して運転不安定を判定する。
この結果、運転者のステアリング操作つまりドライバ状態と無関係な操舵入力によって運転不安定状態と誤検知することを防止出来る。
またこのとき、本実施形態では、ステアリング操作が乱れると推定される走行状態と判定した場合に、無条件で推定方法を変更することなく、更に、その走行状態による影響度を判定し、当該判定した影響度が設定した特定の影響度状態となっている場合にのみ、当該ステアリング操作が乱れると推定される走行状態のときの操舵角情報を使用しないようにしている。
この結果、誤検知シーンとして状態推定方法の変更を行うシーンを減らすことが可能となる。
ここで、 影響度が影響度閾値以上の場合が、影響度が予め設定した設定影響度状態となっていることに対応する。
(本実施形態の効果)
上記第1実施形態の効果に加えて、次の効果を奏する。
(1)走行状態影響度判定部22は、上記第1の運転状態推定部が推定する運転状態の履歴に基づき影響度を判定する。
運転状態に乱れが発生しているほど、走行状態による影響度が高いと推定される。このように、運転状態の履歴に基づくことで、影響度を判定可能となる。
(2)走行状態影響度判定部22は、上記運転状態の時間的変化に基づき影響度を判定することを特徴とする。
イベントの発生によって運転状態で乱れる場合には、運転状態に時間的変化が発生すると推定される。このように運転状態の時間的変化に基づくことで、影響度を判定可能となる。
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2012−138809(2012年6月20日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 ステアリングホイール(運転操作子)
20 運転状態取得部
21 走行状態判定部
22 走行状態影響度判定部
23 運転状態分布算出部(第1の運転状態推定部、第2の運転状態推定部)
23A 第1運転状態分布算出部
23B 第2運転状態分布算出部
23C 分布記憶部
23D 分布選択部(状態選択部)
23E 分布設定部
24 運転状態判定部
25 情報呈示部
100 コントローラ
100A 運転状態推定処理部

Claims (10)

  1. 運転者が操作可能な運転操作子の操作情報から運転状態を推定する第1の運転状態推定部と、
    運転者が操作可能な運転操作子の操作情報、車両状態の情報、及び車両周囲の情報の少なくとも1つの情報を用いて、上記第1の運転状態推定部による運転状態推定に影響を与えると推定される車両の走行状態である特定走行状態を判定する走行状態判定部と、
    上記第1の運転状態推定部で行う運転状態推定への上記走行状態判定部が判定した特定走行状態の影響度を判定する走行状態影響度判定部と、
    上記第1の運転状態推定部よりも上記特定走行状態の影響を受けない運転状態を推定する第2の運転状態推定部と、
    上記走行状態影響度判定部が判定した影響度が予め設定した基準以上に高い状態である設定影響度状態の場合には、上記第1の運転状態推定部による推定に代えて第2の運転状態推定部による推定を選択する状態選択部と、
    を備え、
    上記走行状態影響度判定部は、上記第1の運転状態推定部が推定する運転状態の履歴に基づき影響度を判定することを特徴とする運転状態推定装置。
  2. 運転者が操作可能な運転操作子の操作情報から運転状態を推定する第1の運転状態推定部と、
    運転者が操作可能な運転操作子の操作情報、車両状態の情報、及び車両周囲の情報の少なくとも1つの情報を用いて、上記第1の運転状態推定部による運転状態推定に影響を与えると推定される車両の走行状態である特定走行状態を判定する走行状態判定部と、
    上記第1の運転状態推定部で行う運転状態推定への上記走行状態判定部が判定した特定走行状態の影響度を判定する走行状態影響度判定部と、
    上記第1の運転状態推定部よりも上記特定走行状態の影響を受けない運転状態を推定する第2の運転状態推定部と、
    上記走行状態影響度判定部が判定した影響度が予め設定した基準以上に高い状態である設定影響度状態の場合には、上記第1の運転状態推定部による推定に代えて第2の運転状態推定部による推定を選択する状態選択部と、
    を備え、
    上記第2の運転状態推定部は、影響度が設定影響度状態と判定されているときの上記運操作子の操作情報を使用しないで運転状態を推定することを特徴とする運転状態推定装置。
  3. 上記走行状態影響度判定部は、上記第1の運転状態推定部で推定する運転状態に基づき影響度を判定することを特徴とする請求項2に記載した運転状態推定装置。
  4. 上記走行状態影響度判定部は、上記第1の運転状態推定部が用いる上記運転操作子の操作情報から影響度を判定することを特徴とする請求項2に記載した運転状態推定装置。
  5. 上記第1の運転状態推定部が用いる上記運転操作子は、操舵を指示する操舵操作子であり、
    上記走行状態影響度判定部は、上記操舵操作子の操舵パターンに基づき影響度を判定することを特徴とする請求項4に記載した運転状態推定装置。
  6. 上記走行状態影響度判定部は、上記運転状態の時間的変化に基づき影響度を判定することを特徴とする請求項1に記載した運転状態推定装置。
  7. 上記走行状態判定部で用いる車両状態の情報は、ばね上挙動変化、および、ばね下挙動変化に関する情報であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した運転状態推定装置。
  8. 上記走行状態判定部で用いる運転操作子は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、ウインカ作動指示部、ワイパー作動指示部のから少なくともひとつであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した運転状態推定装置。
  9. 上記第1の運転状態推定部又は第2の運転状態推定部が推定した運転状態に基づき運転情報を運転者に提供する情報呈示部を備え、
    上記情報呈示部は、上記走行状態影響度判定部が判定した影響度に応じて、情報提供する運転情報を決定することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した運転状態推定装置。
  10. 上記情報呈示部は、上記走行状態影響度判定部が判定した影響度が予め設定した設定影響度状態と判定される頻度、又は走行状態判定部が判定した走行状態に応じて、情報提供する運転情報を決定若しくは情報提供の中止を決定することを特徴とする請求項9に記載した運転状態推定装置。
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