JP6019062B2 - 遊技球及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の課題は、球外の外部装置との間で、高精度で安定的な電子情報の受け渡しが可能な遊技球を提供することにある。
(1)非接触ICメディアへの電子情報の書き込み及び当該電子情報の読み出しを阻害しない材質の弾性素材で支持体を製造するとともに、この支持体に前記非接触ICメディアを組み込む支持体製造工程、
(2)第1の半球面を有する第1の金型に、前記非接触ICメディアを収容した支持体を装着するとともに、この支持体と前記第1の半球面との空隙部に、磁石の影響を受けずにほぼ全表面にわたって電磁波を透過させる9.0[g/cm3]以上の高比重粉末と熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーから選ばれた少なくとも1種以上のものとを主とする混合物を注入して加熱溶融することにより、平面部を有する略半球状の第1構成体を製造する第1構成体製造工程、
(3)前記第1の半球面と組み合わせることにより球形をなす第2の半球面を有する第2の金型を前記第1構成体に被せ、前記支持体と前記第2の半球面との空隙部に、前記混合物を注入して加熱溶融することにより、その重心が前記支持体の重心と一致する略球状の球本体を製造する球本体製造工程。
前記球本体をその表面に金属光沢の電磁波透過膜を積層して真球状に成形する膜形成工程を有しても良い。
このような態様の製造方法では、支持足を位置決めの指標として用いることができるので、第1構成体への支持体の取付を正確且つ簡略なものにすることができる。
他の実施の態様では、前記支持体は、その角部が前記球本体の表面と一致するサイズの略立方体状に成形され、その重心部に前記非接触ICメディアを収容するためのメディア収容部が形成されている。
このような態様の製造方法では、いわゆる「内径角決め」によって支持体を第1構成体に装着することができるので、製造工程での重心ずれを防止することができる。
このような態様の製造方法では、球本体を、半球殻形状のカバーを付した状態で第3の金型に装着し、溶融状態の樹脂膜と同じ素材を挿入することで、球本体の表面に均一な厚みの膜を容易に形成することができる。
本発明の遊技球は、圧延等を伴う従来の鋼製の遊技球と異なり、主たる工程が射出成形により実現することができるので、量産が容易となる。
[構成] 図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技球の構造説明図である。この遊技球1は、例えば封入循環式のパチンコ遊技に使用される。サイズおよび質量は、鋼製の既存のパチンコ球と同等のものである。すなわち、国家公安委員会規則に従い、直径11[mm]で、5.4[g]以上5.7[g]以下のものである。一般的な鋼(例えば鉄あるいはステンレス)から成る既存のパチンコ球と大きく異なるのは、球本体11が、ほぼ全表面にわたって電磁波を透過させ且つ磁石の影響を受けない高比重材で製造される点、球本体11における略等重心点の部位、すなわち略中心部に、支持体12aを通じて非接触ICメディアの一例となるRFID(Radio Frequency IDentification)12が組み込まれ、固定されている点、球本体11の表面に電磁波透過膜、本例では2層構造の膜体13,14,15a,15bが形成されている点である。
「略等重心点」,「略中心部」とは、厳密に等重心点、中心部であることまで要求されないことをいう。
また、既存の遊技球(鉄又はステンレス)は、電磁波の透過を遮断する。表面にクロムメッキ加工した場合も同様である。そのため、球表面をアンテナにする等の特別の工夫が必要となる(特許文献1参照)。そうすると、製造工程が複雑となり、量産することができない。そこで、本実施形態の遊技球1では、球本体11を、全体質量の調整が容易で、ほぼ全表面にわたって電磁波を透過させ且つ磁石の影響を受けない高比重粉末とその固化材との混合物で製造することとした。
樹脂カバー14及び樹脂膜15a、15bは、いずれも同じ材料の透明硬質樹脂である。樹脂カバー14は、透光色、例えば透明の略半球殻形状のものであり、殻の外側には、図2に例示される形状の凸部14aが形成されている。凸部14aは、樹脂膜15aの厚みを、全表面にわたって均一にするためのガイドとして使用される。不連続膜13が形成された球本体11は、この殻の内側の空間に収容される。つまり、樹脂カバー14は、遊技球1を製造するときの球本体11の位置決め、つまり、完成後に球本体11が膜体の中央部となるように、その位置を固定するために用いられる。そのため、樹脂カバー14は、複数存在しても良い。
また、図中では説明のために樹脂カバー14と樹脂膜15a、15bとを分けているが、完成品ではこの分け目がなく、遊技球1が樹脂により被覆されたものとなる。
図3(a)はRFID12の断面図、同(b)は同(a)と直交する方向に切断したときの断面図、同(c)はRFID12に発生する磁界の様子を示す図である。
筐体123は、耐熱性で、電磁波を透過させ且つ磁石の影響を受けない素材で構成されている。アンテナコイル122は、銅線が単線巻きで径方向に多重層をなして同心状に巻かれており、そのインダクタンスは、周波数13.56[MHz]となるように設計される。この周波数の電磁波は、指向性が比較的ブロードなので、広い範囲(広角)の読み取りに向く。このアンテナコイル122に発生する磁界Hは、概ね図3(c)に示されるようになる。
なお、コンデンサ1214が無く、通信装置から連続的にICチップ121に電力が供給される構成であっても良い。
次に、上記のように構成される遊技球1の製造方法の一例を、図6及び図7a〜図7hの工程説明図により説明する。
本実施形態では、まず、RFID12を組み込んだ球本体11を製造する。球本体11の製造手法は様々であるが、本実施形態では、平面部を有する略半球状の第1構成体を製造し、その平面部に、支持体12aに収容(支持)されたRFID12を配備した後、その第1構成体の上に、もう一つの略半球体を形成していくことにより、球本体11を製造する場合の例を示す。
次に、本実施形態の遊技球1の性能について説明する。本発明者らは、図8に示す読取試験システムにより、上記のようにして製造した遊技球1に記録されている電子情報の読取試験を試みた。
読取試験システムは、遊技球1を基端部から上部方向へ循環移動させるエレベータM1と、エレベータM1で最上部まで運ばれた遊技球1を下部方向へ案内する搬送路M2と、搬送路M2により搬送された遊技球をエレベータM1の基端部へ案内するガイドM3と、ガイドM3の所定部位に配設された一対の光電センサM4,M5と、遊技球1に記録された電子情報を読み取るアンテナM6およびリーダライタM7と、読み取った電子情報の解析を行う試験装置M8とを有するものである。
光電センサM4,M5は、ガイドM3における遊技球1の通過を検出し、検出結果を試験装置M8に送る。試験装置M8は、この検出結果により読取動作のタイミングを決める。ガイドM3を通過する遊技球1とアンテナM6との距離は、約20[mm]である。
試験装置M8には、参照用の電子情報が記録されており、遊技球1から読み取った試験用の電子情報との一致性を判定することにより、読取率を算定した。
なお、鉄等、既存の鋼製の遊技球は電磁波シールド効果が高いため、たとえその内部にRFIDを組み込んでも、アンテナを露出させない限り、遊技球の外部との間で電磁波の受け渡しは不可能である。
上記のようにして製造された遊技球1には、事後的に電子情報の記録あるいは更新が可能である。例えば、図示しないリーダライタで、遊技球1内のRFID12のICチップ121(メモリ1213)に、例えば遊技店の情報、使用する遊技台の情報、1個あたりの球価値、製造年、使用可能期間等を記録させることができる。そして、遊技台内部の遊技球1の搬送路の所定部位にアンテナを近接させておき、リーダライタ等で記録情報を受信して監視するという運用が可能となる。あるいは、リーダライタを内蔵した携帯試験器で遊技台内の遊技球1の電子情報を読み取ってその内容を確認する運用が可能である。
図10(a)は、第2実施形態に係る遊技球(球本体)に封入される支持体の外観斜視図、同(b)はその組立説明図、同(c)は球本体に封入した際の球本体の断面図である。
この実施形態による遊技球は、RFIDの支持体が耐熱性及び絶縁性を有する樹脂から成る略立方体状である点が第1実施形態のものと異なる。
この支持体22は、絶縁性樹脂から成る略立方体状のもので、その中央部に第1実施形態で説明したICチップ121を埋め込むとともに、略立方体の6面の少なくとも1つの面、好ましくは2面以上にアンテナパタン222を形成したものである。「略立方体」とは、厳密に立方体である必要がないという意味である。良く知られたサイコロ形状のものが、ここにいう略立方体である。
このような形状の支持体22は、第1実施形態の図7bの段階で、第1構成体の平面上の略中心に形成される収容空間に収容される。その結果、支持体22は、図10(c)に示されるように、その重心が球本体21の重心と一致するようになる。
遊技球21の表面に電磁波を透過する膜13,14,15a,15bが形成されることは、第1実施形態と同じである。
また、ICチップ121やアンテナパタン222等を支持する支持体は、正三角形その他の多角形のものであっても良い。
図11(a)〜(c)は、第3実施形態にかかる遊技球31の製造工程説明図である。
この遊技球は、それぞれ略半球状となる第1構成体31aと第2構成体31bとで球本体を構成する。第1構成体31aは、その平面に、RFIDを支持する支持体33の収容空間311及び第2構成体32と基端部よりも先端部のサイズが大きい突起312が形成されている。突起312及び収容空間311は、例えば第1実施形態の図7aの段階で、図12に示す金型40及び平面加工用治具41を用いることで形成可能である。
このように、それぞれ第1構成体31aに突起312、第2構成体31bに結合穴322を形成することにより、突起312及び結合穴322が鉤として機能し、図12(c)のように固化された状態での第1構成体31aと第2構成体31bとの分離が確実に防止される。
この遊技球31の表面に膜体13,14,15a,15bが形成されることは、第1実施形態と同じである。
図15〜図18を参照して、第4実施形態について説明する。この実施形態では、第1実施形態において説明した樹脂カバー14の構造を図15のように代えたものである。この樹脂カバー70は、第1実施形態の樹脂カバー14から、凸部14aを削除している。
このように第4実施形態では、第1実施形態よりも、工程を少なくすることができる。
図19は、第5実施形態による遊技球の断面説明図である。破線で示される部分は電磁波透過膜、すなわち、第1実施形態等で説明した不連続膜13,樹脂カバー14,70、樹脂膜15a,15bである。
この実施形態の遊技球は、これまで説明した球本体11,21,31と同様のサイズの球本体51の中央部に、その角部が球本体51の表面と一致するサイズの略立方体状に成形され、その重心部にRFID52を収容するためのメディア収容部55bが形成された略立方体状の支持体55を内蔵したものである。
この球本体51に電磁波透過膜を形成する過程については、第1ないし第4実施形態で説明したとおりである。
以上の説明は、所要の重量確保のためにタングステン粉末を用い、このタングステン粉末をナイロン等の固化材と混合した場合の例であるが、本発明の遊技球は、主たる成分が非磁性体で且つほぼ全表面にわたって電磁波を透過させる材料で球本体を形成することにより実施が可能なので、他の高比重材料、例えばジルコニア粉末等を固化材と混合した混合物を用いても良い。全体質量が軽くなる場合は、支持体12a,22,33,55を、高比重材料を含有した樹脂により製造し、その際に、高比重材料の含有量を増加させれば良い。
また、860[MHz]〜960[MHz]を使用周波数とするRFIDは、指向性を問題にする必要が無くなるが、反面、所定長のアンテナ長を確保する必要があるため、支持体22,55の射出成形の際に、必要な長さのアンテナエレメントを予め生成しておき、これをモールドすることが望ましい。
11,21,31,51…球本体
13…不連続膜
14,70…樹脂カバー
15a,15b…樹脂膜
12,52…RFID
12a,22,33,55…支持体
121…ICチップ
122…アンテナコイル
222…アンテナパタン
1211…送受信回路
1212…CPU
1213…メモリ
1214…コンデンサ
124,55b…メディア収容部
125,126,127,128…支持足
16a,16b,17a,17b,40…金型
161,171…窪み部
162,172…溝部
31a,51a,61a…第1構成体
311,321,511,611…収容空間
312,512〜515,612,614…突起
31b…第2構成体
322,522〜525,613,615…結合穴
41…平面加工用治具
43…窪み部
44…注入ゲート
55a,55c…収容体
Claims (6)
- 非接触ICメディアへの電子情報の書き込み及び当該電子情報の読み出しを阻害しない材質の弾性素材で支持体を製造するとともに、この支持体に前記非接触ICメディアを組み込む支持体製造工程と、
第1の半球面を有する第1の金型に、前記非接触ICメディアを収容した支持体を装着するとともに、この支持体と前記第1の半球面との空隙部に、磁石の影響を受けずにほぼ全表面にわたって電磁波を透過させる9.0[g/cm3]以上の高比重粉末と熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーから選ばれた少なくとも1種以上のものとを主とする混合物を注入して加熱溶融することにより、平面部を有する略半球状の第1構成体を製造する第1構成体製造工程と、
前記第1の半球面と組み合わせることにより球形をなす第2の半球面を有する第2の金型を前記第1構成体に被せ、前記支持体と前記第2の半球面との空隙部に、前記混合物を注入して加熱溶融することにより、その重心が前記支持体の重心と一致する略球状の球本体を製造する球本体製造工程と、
を有する遊技球の製造方法。 - 前記球本体を、その表面に金属光沢の電磁波透過膜を積層して真球状に成形する膜形成工程、をさらに有する請求項1記載の製造方法。
- 前記支持体製造工程は、前記支持体に前記非接触ICメディアと電気的につながるアンテナエレメントを組み込む、
請求項1記載の製造方法。 - 前記アンテナエレメントは、全方位に渡る指向性を確保するように組み込まれる、
請求項2記載の製造方法。 - 弾球遊技機に使用される遊技球であって、
磁石の影響を受けずにほぼ全表面にわたって電磁波を透過させる9.0[g/cm3]以上の高比重粉末と熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーから選ばれた少なくとも1種以上のものとを主成分とする混合物で構成された略球状の球本体を有し、
前記球本体の中央部には、球外の外部装置との間で電子情報の受け渡しを行う非接触ICメディアが、電磁波を透過させる弾性部材で製造された支持体を通じて固定されており、
前記非接触ICメディアは、互いに直交する2面に形成されたアンテナパタンを含み、
前記支持体の重心部が、前記球本体の重心部と一致する、
遊技球。 - 前記球本体の表面に金属光沢の電磁波透過膜が形成されている、
請求項5記載の遊技球。
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