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JP6019713B2 - 流体吐出装置、流体吐出方法及びそのプログラム - Google Patents
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流体吐出装置、流体吐出方法及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、流体吐出装置、流体吐出方法及びそのプログラムに関する。
従来、流体吐出装置としては、例えば、エラー発生時の印刷ヘッドの位置をRAMに記憶し、その後エラーが解除されたときに、RAMに記憶された元の位置に印刷ヘッドを復帰し、エラー発生時の続きから印字を継続することができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、エラー信号に応じて印刷ヘッドが現在の走査方向とは逆方向に退避する際に、エラー検出時の印刷ヘッドの位置及び退避方向を検出し、エラー検出位置から印刷動作を再開する際には、エラー検出位置に印刷ヘッドを移動すると共に、退避方向とは逆の方向に印刷ヘッドを走査させて印刷動作を再開するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−233552号公報 特開2004−142223号公報
ところで、例えば、インクを吐出する印刷ヘッドを走査方向に往復移動して印刷を行う双方向印刷を行うことがある。この双方向印刷時に、往復移動のうち一方向の移動でインクを吐出する処理(パスとも称する)を方向を変えながら繰り返し行うが、往復移動のうち同一方向のパスを続けて行う部分があると、パスとパスとの境目近傍に色ムラが生じることがあった。また、上述した装置のように、エラーが生じたときに印刷処理を再開する方法は、様々な試みが行われており、更なる改良が求められている。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、吐出ムラの発生をより抑制することができる流体吐出装置、流体吐出方法及びそのプログラムを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の流体吐出装置は、
情報を記憶する記憶手段と、
流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、
所定のエラーの発生を判定するエラー判定部と、
前記吐出ヘッドの移動方向を設定する設定部と、
前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させる記憶制御部と、
前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させる吐出移動制御部と、を備え、
前記設定部は、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定するものである。
この流体吐出装置では、所定のエラーの発生を判定し、吐出ヘッドの移動方向を設定したのち、吐出ヘッドを往復移動のうち一方向に移動させて流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として記憶させる。また、設定された移動方向にパスを実行させ、パスの実行中にエラーが発生してもこのパスの吐出移動を継続して完了させる。更に、パスの実行中にエラーが発生した次のパスでは、記憶された記憶移動方向と逆の方向に移動方向を設定する。このように、パスの実行中にエラーが発生してもこのパスの吐出移動を継続して完了させ、次のパスでは記憶移動方向と逆の方向に移動方向を設定するから、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができる。したがって、例えば、一方向のパスが重なって生じうる、吐出ムラの発生をより抑制することができる。
なお、本発明の流体吐出装置において、前記設定部は、前記移動方向を設定するに際して、まず、吐出ヘッドの位置に基づいて前記移動方向を設定するものとしてもよい。こうすれば、例えば、エラーが生じていないときの吐出ヘッドの移動方向を、吐出ヘッドの位置に基づいて容易に設定することができる。このとき、例えば、前記設定部は、前記吐出ヘッドが、初期位置であるホームポジション側に位置するときには該ホームポジションから離れる方向に前記移動方向を設定し、前記吐出ヘッドがホームポジションの反対側に位置するときには、該ホームポジションへ近づく方向に前記移動方向を設定するものとしてもよい。
本発明の流体吐出装置において、前記記憶制御部は、前記パスの実行前に前記記憶移動方向を前記記憶手段に記憶させ、前記設定部は、前記パスの実行前に前記エラーが発生したときには、前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定するものとしてもよい。吐出ヘッドの移動方向が変わらないパスの実行前のエラーでは、記憶移動方向に移動方向を設定するから、こうすれば、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができ、吐出ムラの発生をより抑制することができる。
本発明の流体吐出装置において、前記設定部は、前記パスの実行前に前記吐出ヘッドの位置に基づいて前記移動方向を設定したあと、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスであるときには前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を再設定し、前記パスの実行前に前記エラーが発生したあとのパスであるときには前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定するものとしてもよい。こうすれば、エラーが生じないときには、吐出ヘッドの位置に基づいて適切な移動方向を設定することができる。また、吐出ヘッドの移動のないパスの実行前にエラーが生じても、記憶移動方向を利用して適切な移動方向を設定することができる。また、パスの実行前に発生したエラーと、パスの実行中に発生したエラーとで移動方向を切り替えることにより、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができ、吐出ムラの発生をより抑制することができる。このとき、前記設定部は、前記パスの実行前に前記吐出ヘッドの位置に基づいて前記移動方向を設定したあと、前記エラーが生じていないときには、該設定されている移動方向をそのまま移動方向とするものとしてもよい。
本発明の流体吐出装置において、前記吐出移動制御部は、前記エラーが発生したのち所定時間が経過すると前記吐出ヘッドを所定の休止位置に移動させるものとしてもよい。このように、例えばパスの実行中にエラーが発生したあと吐出ヘッドを移動した場合であっても、記憶移動方向の逆方向へ移動方向を設定するから、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができ、吐出ムラの発生をより抑制することができる。ここで、「所定時間」は、例えば、吐出ヘッドでの流体の吐出に悪影響が生じる時間に基づいて設定してもよい。この時間は、例えば、吐出ヘッドを放置した際における流体の固化状態と時間との関係から経験的に求めるものとしてもよい。また、「休止位置」は、例えば、吐出ヘッドのキャップを行うキャッピング位置や、初期位置であるホームポジション、流体の吐出を実行するフラッシング位置などのうち、1以上であるものとしてもよい。なお、キャッピング位置とホームポジションとフラッシング位置とが同じ位置であるものとしてもよい。
本発明の流体吐出装置において、前記記憶制御部は、前記エラーが発生したときには、該エラーが前記パスの実行中に発生したか、該エラーが前記パスの実行前に発生したかを表すエラー情報を前記記憶手段に記憶させ、前記設定部は、前記記憶されたエラー情報及び前記記憶移動方向に基づいて前記吐出ヘッドの移動方向を設定するものとしてもよい。こうすれば、エラー情報に基づいて、生じたエラーの種類を判別しやすく、吐出ムラの発生をより簡便に防ぐことができる。このとき、前記設定部は、前記エラー情報の内容が前記パスの実行中にエラーが発生したものであるときには、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定する一方、前記エラー情報の内容が前記パスの実行前にエラーが発生したものであるときには、前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定するものとしてもよい。
本発明の流体吐出装置において、前記エラー判定部は、前記流体吐出装置のカバー開放エラー、前記媒体を排出して載置するスタッカーの未開放エラー、前記流体の前記媒体への吐出処理を実行する際に開放される操作パネルの未開放エラーのうち1以上のエラーの発生を判定するものとするのが好ましい。これらは、エラーが生じても、吐出ヘッドの移動を継続することができ、本発明を適用しやすい。
本発明の流体吐出方法は、
情報を記憶する記憶手段と、流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、を備えた流体吐出装置を利用した流体吐出方法であって、
(a)所定のエラーの発生を判定するステップと、
(b)前記吐出ヘッドの移動方向を設定するステップと、
(c)前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させるステップと、
(d)前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させるステップと、
(e)前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定するステップと、
を含むものである。
この流体吐出方法では、上述した流体吐出装置と同様に、パスの実行中にエラーが発生してもこのパスの吐出移動を継続して完了させ、次のパスでは記憶移動方向と逆の方向に移動方向を設定するから、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができる。したがって、例えば、一方向のパスが重なって生じうる、吐出ムラの発生をより抑制することができる。なお、この流体吐出方法において、上述した流体吐出装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した流体吐出装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した流体吐出方法のステップを1以上のコンピューターが実行するものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピューターに実行させるか又は複数のコンピューターに各ステップを分担して実行させれば、上述した流体吐出方法の各ステップが実行されるため、この方法と同様の作用効果が得られる。
プリンター10の構成の概略を示す構成図。 収納状態及びカバーオープン時のプリンター10の説明図。 印刷処理のメインルーチンの一例を示すフローチャート。 双方向印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャート。 パスの実行時にエラーが生じない場合の説明図。 パスの実行前にエラーが生じる場合の説明図。 パスの実行中にエラーが生じる場合の説明図。 パスの実行中にエラーが生じ、所定時間が経過する場合の説明図。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるプリンター10の構成の概略を示す構成図である。また、図2は、収納状態及びカバーオープン時のプリンター10の説明図である。プリンター10は、使用者による各種操作が可能な操作パネル14と、原稿を光学的に読み取ってイメージデータを生成するスキャナーユニット20と、印刷ヘッド42により流体としてのインク(着色剤)を用いて画像を印刷媒体S(例えば写真用紙)に形成する印刷処理を行うプリンターユニット30と、装置全体の制御を司るコントローラー60と、を備えている。プリンター10は、例えば、スキャナーユニット20で読み取った画像データや、図示しないパソコン(PC)から受信した画像データ、メモリーカードリーダー11から入力した画像データなどをコントローラー60を介してプリンターユニット30で印刷する。プリンター10は、印刷時に操作パネル14及びスタッカーパネル16を開放し、排紙トレイ18を伸長した状態で印刷を実行する。また、このプリンター10は、図2に示すように、スキャナーユニット20が配設されたカバー12を開放すると、開口部13からキャリッジ41を視認することができ、また、インクカートリッジ49の交換が可能になる。この操作パネル14、スキャナーユニット20、プリンターユニット30及びコントローラー60は、信号のやりとりが可能なようにバス29により接続されている。
操作パネル14は、画像を表示する液晶ディスプレイとして構成された表示部と、各種入力を行うキーが表示部上に表示配置された操作部とを備える。この操作パネル14には、図示しない開放機構が配設されており印刷時に自動で開放される。なお、スタッカーパネル16にも図示しない開放機構が配設されており印刷時に自動で開放される。
スキャナーユニット20は、スキャナーASIC21と、スキャナーエンジン22とを備える。スキャナーASIC21は、スキャナーエンジン22を制御する集積回路であり、コントローラー60からのスキャン指令を受けると、ガラス台上の原稿または、ADFユニット23で搬送された原稿をイメージデータとして読み取るようスキャナーエンジン22を制御する。スキャナーエンジン22は、ADF挿入口24にセットされた原稿を読取領域に自動搬送するADFユニット23と、原稿を読み取る図示しないコンタクトイメージセンサー(CIS)モジュールと、を備える。
プリンターユニット30は、プリンターASIC31とプリンターエンジン40とを備える。プリンターASIC31は、プリンターエンジン40を制御する集積回路であり、コントローラー60からの印刷要求を受けると、印刷媒体Sを搬送してインクにより画像を形成するようプリンターエンジン40を制御する。このプリンターASIC31は、画像データを印刷ヘッド42で印刷可能な印刷データに変換する機能や、印刷媒体Sを搬送制御する機能のほか、移動方向設定部32や吐出移動制御部34などを有している。移動方向設定部32は、印刷ヘッド42を往復移動させると共にインクを吐出させる双方向印刷において、印刷ヘッド42の移動方向を設定する機能を有している。吐出移動制御部34は、設定された移動方向に印刷ヘッド42を移動させると共に、印刷ヘッド42を駆動してインクを吐出させる機能を有している。
プリンターエンジン40は、図1に示すように、プラテン39上に搬送された印刷媒体Sにインクを吐出して印刷を行う印刷ヘッド42と、搬送モーター48により駆動され搬送方向(図中奥から手前側)に印刷媒体Sを搬送する搬送ローラー47と、印刷ヘッド42へインクを供給するインクカートリッジ49と、図1におけるプラテン39の右端に形成され印刷ヘッド42を封止するキャッピング装置50とを備えている。印刷ヘッド42は、キャリッジモーター44aの駆動に伴って従動ローラー44bに架設されたベルト45によりガイド46に沿って主走査方向(左右)へ往復移動するキャリッジ41の下面側に配設されている。印刷ヘッド42は、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により印刷ヘッド42に設けられたノズル43から各色のインクを吐出する。なお、印刷ヘッド42は、発熱抵抗体に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。この印刷ヘッド42は、溶媒としての水に染料または顔料を含有したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトマゼンタ(Lm)及びライトシアン(Lc)の各色のインクを個別に収容しメカフレーム側に装着されたインクカートリッジ49からインクの供給を受けている。なお、インク色は6色としたが、4色としてもよいし、8色としてもよい。
キャッピング装置50は、略直方体で上部が開口した筐体と、筐体の開口縁に形成されたシリコンゴムなどからなるシーリング部材とを有しており、キャリッジ41の初期位置(ホームポジション)に配設されている。このキャッピング装置50では、筐体内を負圧にしてインクを強制的に吐出させるクリーニング処理や、定期的にインクを吐出するよう印刷ヘッド42を駆動するフラッシング処理などが実行される。
コントローラー60は、CPU62を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムや各種データ、各種テーブルなどを記憶したフラッシュメモリー63と、一時的にスキャンデータや印刷データを記憶するRAM64と、操作パネル14などと通信する図示しない内部通信インタフェース(I/F)と、を備えている。RAM64には、これから印刷を行う方向を記憶した情報である印刷方向情報71や、エラーの内容を含む情報であるエラー情報72なども記憶される。印刷方向情報71は、記憶時にはこれから行うパスの印刷方向(印刷ヘッド42の移動方向)を含む情報であるが、そのパスが終了したあとには、前回のパスの印刷方向を含む情報となる。エラー情報72には、印刷時の印刷ヘッド42によるパスの実行前に生じたエラーにはエラーID=1、印刷ヘッド42によるパスの実行中に生じたエラーにはエラーID=2が記憶されるようになっている。プリンター10では、この印刷方向情報71やエラー情報72などを用いて、双方向印刷を実行する。このコントローラー60には、カバー12の開放を検出するカバーセンサー67や、操作パネル14の開放を検出するパネルセンサー68、スタッカーパネル16の開放を検出するスタッカセンサー69などから各種検出信号が入力される。また、このコントローラー60は、スキャナーユニット20やプリンターユニット30からの各種動作信号や各種検出信号を入力したり、操作パネル14の操作に応じて発生する操作信号を入力したりする。また、コントローラー60は、操作パネル14からの選択指令に基づいて印刷用の画像データを選択したり、スキャン指令に基づいて原稿を読み取るようスキャナーユニット20に指令を出力したり、印刷指令に基づいて画像を印刷するようプリンターユニット30に指令を出力したり、操作パネル14に表示指令を出力したりする。
このコントローラー60は、図1に示すように、機能ブロックとして、エラー判定部65や記憶制御部66などを備えている。エラー判定部65は、例えば、カバーセンサー67やパネルセンサー68、スタッカセンサー69からの入力信号に基づきエラーの発生を判定する機能を有している。なお、印刷中にカバー12が開放された場合にはエラーとなる。これは、開口部13への異物の侵入などによるキャリッジ41の故障を予防するためである。また、操作パネル14やスタッカーパネル16が未開放の場合にもエラーとなる。これは、印刷終了した印刷媒体Sを正常に排出できないためである。記憶制御部66は、移動方向設定部32により設定されたキャリッジ41の移動方向を印刷方向情報71としてRAM64に記憶する機能を有している。また、記憶制御部66は、印刷実行中にエラーが生じたときには、そのエラーがパスの実行前に生じたときにはエラーID=1を、そのエラーがパスの実行中に生じたときにはエラーID=2をエラー情報72に格納する機能も有している。プリンター10では、エラー判定部65や記憶制御部66などの機能を利用して、双方向印刷などを実行する。
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター10の動作、特に、双方向印刷を実行する処理について説明する。図3は、コントローラー60が実行する印刷処理のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。図4は、プリンターASIC31が実行する双方向印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。メインルーチンは、例えば、プリンター10の電源がオンされたあと実行される。ここでは、コントローラー60のCPU62は、エラー判定部65や記憶制御部66などの機能を利用してこのルーチンを実行するものとする。なお、プリンター10の電源ON時には、プリンターASIC31は、後述する双方向印刷処理ルーチンを実行する。
メインルーチンを実行すると、CPU62は、まず、印刷する画像データを受信したか否かを判定し(ステップS100)、印刷する画像データを受信したときには、印刷要求として、印刷ヘッド42を往復移動のうち一方向に移動させてインクを吐出させる1パス分のデータをプリンターASIC31へ出力する(ステップS110)。次に、エラーが発生したか否かを判定し(ステップS120)、エラーが発生していないときには、現パスの印刷処理が終了したか否かを判定する(ステップS130)。エラーの発生は、例えば、カバーセンサー67からのカバー12の開放信号や、パネルセンサー68からの操作パネル14の未開放信号、スタッカセンサー69からの未開放信号などにより判定するものとする。また、印刷終了の判定は、1パスの印刷が終了した旨の信号をプリンターASIC31から受信したか否かに基づいて行うものとする。現パスの印刷処理が終了していないときには、ステップS120以降の処理を実行し、現パスの印刷処理が終了したときには、設定されている印刷方向をクリアし(ステップS140)、全パスが終了したか否かを判定する(ステップS150)。全パスが終了していないときには、ステップS110以降の処理を実行する。即ち、次の1パスの印刷要求をプリンターASIC31へ出力し、エラーの発生の有無を判定する。
一方、ステップS120で、エラーが発生したと判定されたときには、CPU62は、エラー発生時にパスを実行中であったか否かを判定する(ステップS160)。パスを実行前であったときにはエラーIDに値1をセットし(ステップS170)、パスを実行中であったときにはエラーIDに値2をセットし(ステップS180)、エラー情報72に記憶する。次に、エラー通知を実行する(ステップS190)。エラー通知は、例えば、操作パネル14にエラーを表示し、使用者に報知すると共に、プリンターASIC31へエラーの発生信号を出力する処理を行う。ここでは、印刷処理時のカバー12の開放、印刷処理時の操作パネル14及びスタッカーパネル16の未開放をエラーとして検出するものとする。また、エラー通知の表示については、例えば、カバー12を閉じる旨のメッセージ、操作パネル14やスタッカーパネル16を開放する旨のメッセージをそれぞれのエラーに合わせて操作パネル14に表示するものとする。なお、その他のエラーとしては、例えば、印刷媒体Sの搬送詰まりや、印刷媒体Sの残枚数切れ、インクカートリッジ49のインク切れなどがあるが、これらのエラーの処理については、ここでは含めないものとし、その説明を割愛する。続いて、CPU62は、エラーが解除されたか否かを判定し(ステップS200)、エラーが解除されていないときにはそのまま待機し、エラーが解除されたときには、ステップS140以降の処理を実行する。ここでは、例えば、カバー12の開放エラーのときには、カバー12が閉じられたときにエラーが解除されたと判定し、操作パネル14やスタッカーパネル16の未開放エラーのときには、操作パネル14やスタッカーパネル16が開放されたときにエラーが解除されたと判定する。
一方、ステップS150で全パスが終了したとき、CPU62は、印刷方向情報71に格納された印刷方向をクリアする(ステップS210)。ステップS210のあと、又は、ステップS100で、印刷する画像データを受信していないときには、電源がオフされたか否かを判定し(ステップS220)、電源がオフされていないときには、ステップS100以降の処理を実行し、電源がオフされたときには、このルーチンを終了する。このように、コントローラー60は、印刷要求を1パスごとにプリンターASIC31へ出力しつつ、エラーの発生の有無の判定、及びエラー情報72の更新などを行う。
次に、図4に示すプリンターASIC31が実行する双方向印刷処理ルーチンを説明する。このルーチンは、電源がオンされたあと、プリンターASIC31により、移動方向設定部32や吐出移動制御部34などの機能を利用して実行される。このルーチンが実行されると、プリンターASIC31は、印刷要求を入力したか否かを判定し(ステップS300)、印刷要求を入力していないときはそのまま待機する。一方、印刷要求を入力したときには、印刷ヘッド42の位置に応じて印刷方向を設定する(ステップS310)。印刷方向の設定は、例えば、印刷ヘッド42が初期位置であるホームポジション側に位置するときにはホームポジションから離れる方向に印刷方向を設定し、印刷ヘッド42がホームポジションの反対側に位置するときにはホームポジションへ近づく方向に印刷方向を設定するものとする。
次に、プリンターASIC31は、エラーIDの値を調べる(ステップS320)。この処理では、RAM64に記憶されたエラー情報72のIDを読み出す処理を行う。エラーIDが値0であるときには、エラーがないものとして先に設定した印刷方向をそのまま今回の印刷方向として印刷方向情報71に記憶させる(ステップS350)。このように、エラーがないときには、そのまま印刷ヘッド42の位置に基づいて印刷方向を決定する。一方、エラーIDが値1であるときには、パスの実行前にエラーが発生したものとして、印刷方向情報71に記憶されている印刷方向に今回の印刷方向を再設定し(ステップS330)、ステップS350でこの印刷方向を印刷方向情報71に記憶させる。このように、エラーが生じたのが印刷ヘッド42の移動前である場合には、印刷方向に変更はないので、パスの実行前に格納された印刷方向情報71の方向に、今回の印刷方向を決定する。一方、エラーIDが値2であるときには、パスの実行中にエラーが発生したものとして、印刷方向情報71に記憶されている印刷方向と逆の方向に今回の印刷方向を再設定し(ステップS340)、ステップS350でこの印刷方向を印刷方向情報71に記憶させる。詳しくは後述するが、エラーが生じたのが印刷ヘッド42によるパス実行中である場合には、停止している印刷ヘッド42の位置が変更されている場合があるので、印刷方向情報71の逆方向に印刷方向を決定する。印刷方向情報71に含まれる方向は前回印刷した方向であるので、その逆方向とすれば印刷ヘッド42の往復移動の順番が維持される。
ステップS350のあと、プリンターASIC31は、エラーIDに値0をセットしたエラー情報72を記憶させ(ステップS360)、エラーが発生したか否かを判定し(ステップS370)、エラーが発生したときにはステップS300以降の処理を実行する。ここで、エラー発生の判定は、上述したメインルーチンのステップS190で出力されたエラーの発生信号を入力したか否かに基づいて行うものとする。このように、パスの実行前のエラーを検出する。このとき、エラーが生じた場合には、上述したメインルーチンでエラーIDに値1がセットされたエラー情報72が記憶される。一方、ステップS370でエラーが発生していないときには、入力した印刷要求の印刷処理(1パス)を実行開始し(ステップS380)、エラーが発生したか否かを判定する(ステップS390)。ここで、エラー発生の判定は、上述したメインルーチンのステップS190で出力されたエラーの発生信号を入力したか否かに基づいて行うものとする。このように、パスの実行中のエラーを検出する。エラーが発生していないときには、1パスの印刷が終了したか否かを判定し(ステップS400)、1パスの印刷が終了していないときにはステップS380以降の処理を実行する。即ち、パスの実行を継続すると共にエラーの発生を検出する。一方、ステップS400で1パスの印刷が終了したときには、キャリッジ41を停止し(ステップS410)、ステップS300以降の処理を実行する。即ち、次の印刷要求を入力するまで待機する。
一方、ステップS390でエラーが発生したときには、プリンターASIC31は、今回の1パスの印刷処理を継続し、その印刷終了後、キャリッジ41(印刷ヘッド42)の移動を停止させる(ステップS420)。このように、パスの実行中にエラーが生じた場合であっても、そのパスは完了させてキャリッジ41を停止させるのである。次に、キャリッジ41を停止してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS430)。この判定は、メインクロックをカウントする図示しないカウンター(タイマー)のカウント数に基づいて行うものとする。また、所定時間は、印刷ヘッド42のインクの吐出に悪影響が生じる時間、例えば、印刷ヘッド42のノズル43でインクが固化し始め、その流動性が低下する時間に基づいて設定されている。パスの実行中にエラーが生じキャリッジ41が停止してから所定時間が経過していないときには、印刷要求が入力されたか否かを判定し(ステップS440)、印刷要求が入力されていないときには、ステップS430以降の処理を実行する。即ち、所定時間が経過するまで待機する。ステップS430で所定時間が経過したときには、キャリッジ41(印刷ヘッド42)をキャッピング装置50の位置に移動し(ステップS450)、ステップS310以降の処理を実行する。一方、ステップS440で印刷要求が入力されたときにはステップS300以降の処理を実行する。このように、パスの実行中にエラーがあったときには、所定時間経過前は、印刷終了位置にキャリッジ41が停止し、所定時間経過後は、ノズル43の吐出不良防止のため、キャッピング装置50にキャリッジ41が停止した状態で、次に印刷要求の入力を待機する。ここまで説明したように、プリンターASIC31側では、印刷要求の入力があれば、印刷方向を適宜設定し、その印刷を実行するという処理を繰り返す。
次に、この双方向印刷について具体例を示してより詳細な説明を行う。図5は、パスの実行時にエラーが生じない場合の説明図であり、図5(a)が印刷開始前、図5(b)が印刷開始時、図5(c)がキャリッジ停止時、図5(d)が印刷開始時、図5(e)がキャリッジ停止時の説明図である。図6は、パスの実行前にエラーが生じる場合の説明図であり、図6(a)が印刷開始前、図6(b)がエラー発生時、図6(c)がエラー解除時、図6(d)が印刷開始時、図6(e)がキャリッジ停止時の説明図である。図7は、パスの実行中にエラーが生じる場合の説明図であり、図7(a)が印刷開始前、図7(b)が印刷開始時、図7(c)がエラー発生時、図7(d)がキャリッジ停止時、図7(e)がエラー解除時、図7(f)が印刷開始前、図7(g)が印刷開始時の説明図である。図8は、パスの実行中にエラーが生じ所定時間が経過する場合の説明図であり、図8(a)がエラー発生時、図8(b)がキャリッジ停止時、図8(c)が所定時間経過時、図8(d)がエラー解除時、図8(e)が印刷再開前、時8(f)が印刷開始時の説明図である。なお、図5〜8は、プラテン39を上方から見た概念図であり、以下の説明では、主走査方向(左方向、右方向)を用いてキャリッジ41の移動方向を説明する。
まず、図5に示す、双方向印刷においてカバーオープンなどのエラーが生じない場合について説明する。印刷開始前には、キャリッジ41(印刷ヘッド42)は、ホームポジションのキャッピング装置50上に位置し、エラーIDが値0にセットされ、印刷方向情報71には印刷方向がまだ格納されていない(図5(a))。まず、印刷開始前に、プリンターASIC31は、双方向印刷処理のステップS310での印刷方向(以下、設定印刷方向とも称する)をホームポジションから離れる方向(図5の左方向、以下同じ)に設定する。次に、ステップS350でこの印刷方向を印刷方向情報71に記憶させ(以下、記憶印刷方向とも称する)、エラーが検出されない場合は、ステップS380で往路のパスの実行を開始する(図5(b))。続いて、ステップS400で往路のパスが終了すると、ステップS410でキャリッジ41を停止し、更にステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づき設定印刷方向をホームポジションに近づく方向(図5の右方向、以下同じ)に設定する(図5(c))。続いて、ステップS350でこの印刷方向を記憶印刷方向とし、エラーが検出されない場合は、ステップS380で復路のパスの実行を開始する(図5(d))。そして、ステップS400で復路のパスが終了すると、ステップS410でキャリッジ41を停止し、更にステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づき設定印刷方向を左方向に設定する(図5(e))。このように、エラーが生じない場合は、印刷ヘッド42の位置に基づいて印刷方向を設定し、往路及び復路のパスを交互に実行するのである。
次に、図6に示す、双方向印刷においてパスの実行前にエラーが生じる場合について説明する。印刷開始前の状態は、図5(a)と同様である。まず、印刷開始前に、プリンターASIC31は、ステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づいて図6の左方向に設定印刷方向を設定し(図6(a))、ステップS350でこの印刷方向を記憶印刷方向とする(図6(b))。往路のパスの実行を開始する前にエラーが検出されると(図6(b))、コントローラー60は、メインルーチンのステップS170でエラーIDに値1をセットしたエラー情報72を記憶させ、エラー解除まで待機する。次に、プリンターASIC31は、エラーが解除され再度、コントローラー60から印刷要求を入力すると、一旦ステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づいて設定印刷方向を左方向に設定したあと(図6(c))、ステップS330で、印刷方向情報71及びエラー情報72に基づいて記憶印刷方向(左方向)に今回の印刷方向を設定し直し、ステップS380で往路のパスの実行を開始する(図6(d))。続いて、ステップS400で往路のパスが終了すると、ステップS410でキャリッジ41を停止し、更にステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づき設定印刷方向を右方向に設定する(図6(e))。このように、印刷ヘッド42の移動前にエラーが生じた場合は、記憶印刷方向に合わせた設定印刷方向とすることにより、往路及び復路のパスを交互に実行するのである。
次に、図7に示す、双方向印刷においてパスの実行中にエラーが生じる場合について説明する。印刷開始前の状態は、図5(a)と同様である。まず、印刷開始前に、プリンターASIC31は、ステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づいて図7の左方向に設定印刷方向を設定し(図7(a))、ステップS350でこの印刷方向を記憶印刷方向とし、パスの実行前にエラーが検出されない場合、設定印刷方向にパスの実行を開始する(図7(b))。このパスの実行中にエラーを検出すると、コントローラー60は、メインルーチンのステップS180でエラーIDに値2をセットしたエラー情報72を記憶させ、エラー解除まで待機する。このとき、プリンターASIC31は、パスの実行を継続し(図7(c))、このパスの印刷処理の終了後にキャリッジ41の移動を停止する(図7(d))。続いて、プリンターASIC31は、エラーが解除され再度、コントローラー60から印刷要求を入力すると、一旦ステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づいて設定印刷方向を右方向に設定したあと(図7(e))、ステップS340で、印刷方向情報71及びエラー情報72に基づいて記憶印刷方向と逆の方向に今回の印刷方向を設定し直し(図7(f))、ステップS380で復路のパスの実行を開始する(図7(g))。この印刷開始時には、ステップS350で設定印刷方向に記憶印刷方向が更新される。このように、印刷ヘッド42の移動中にエラーが生じた場合は、記憶印刷方向の逆方向に設定印刷方向を設定することにより、往路及び復路のパスを交互に実行するのである。
次に、図8示す、双方向印刷においてパスの実行中にエラーが生じ、エラー解除まで所定時間が経過する場合について説明する。印刷開始前からエラー発生までは、図7で説明した内容と同様であり、その説明を省略する。パスの実行中にエラーを検出すると(図8(a))、コントローラー60は、メインルーチンのステップS180でエラーIDに値2をセットしたエラー情報72を記憶させ、エラー解除まで待機する。このとき、プリンターASIC31は、パスの実行を継続し、このパスの印刷処理を終了後にキャリッジ41の移動を停止する(図8(b))。次に、プリンターASIC31は、エラー発生から計測した時間が所定時間を経過すると、印刷ヘッド42をキャッピング装置50上に移動させ、例えばフラッシング処理などを実行し、ノズル43の詰まりを防止する(図8(c))。続いて、エラーが解除され再度、コントローラー60から印刷要求を入力すると、一旦ステップS310で印刷ヘッド42の位置に基づいて設定印刷方向を左方向に設定したあと(図8(d))、ステップS340で、印刷方向情報71及びエラー情報72に基づいて記憶印刷方向と逆の方向(右方向)に今回の印刷方向を設定し直し(図8(e))、ステップS380で復路のパスの実行を開始する(図8(f))。この印刷開始時には、ステップS350で設定印刷方向に記憶印刷方向が更新される。このように、印刷ヘッド42の移動中にエラーが生じ、更に、キャリッジ41の移動が生じた場合であっても、記憶印刷方向の逆方向に印刷方向を設定することにより、往路及び復路のパスを交互に実行するのである。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のRAM64が本発明の記憶手段に相当し、キャリッジモーター44a、従動ローラー44b、ベルト45及びガイド46が吐出ヘッド移動部に相当し、移動方向設定部32が設定部に相当し、吐出移動制御部34が吐出移動制御部に相当し、エラー判定部65がエラー判定部に相当し、記憶制御部66が記憶制御部に相当し、印刷ヘッド42が吐出ヘッドに相当する。また、インクが流体に相当し、印刷媒体Sが媒体に相当し、記憶印刷方向が記憶移動方向に相当する。なお、本実施形態では、プリンター10の動作を説明することにより本発明の流体吐出方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のプリンター10によれば、所定のエラーの発生を判定し、印刷ヘッド42の移動方向を設定印刷方向として設定したのち、印刷ヘッド42を往復移動のうち一方向に移動させてインクを吐出するパスの実行前に設定印刷方向を記憶印刷方向としてRAM64に記憶させる。また、設定印刷方向にパスを実行させ、パスの実行中にエラーが発生してもこのパスの印刷処理を継続して完了させ、更に、パスの実行中にエラーが発生した次のパスでは、記憶印刷方向と逆の方向に設定印刷方向を設定する。このように、パスの実行中にエラーが発生してもこのパスの印刷処理を継続して完了させ、次のパスでは記憶印刷方向と逆の方向に設定印刷方向を設定するから、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができる。ここで、一方向のパスが重なると、インクの重なり具合が他のパス同士と異なるためか、理由ははっきりしないが、印刷ムラが生じることがある。ここでは、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することにより、印刷ムラ(吐出ムラ)の発生をより抑制することができる。
また、パスの実行前に印刷ヘッド42の位置に基づいて印刷方向を設定したあと、パスの実行中にエラーが発生した次のパスであるときには記憶印刷方向と逆の方向に設定印刷方向を再設定し、パスの実行前にエラーが発生したあとのパスであるときには記憶印刷方向に設定印刷方向を設定するため、エラーが生じない場合は、印刷ヘッド42の位置に応じて適切な移動方向を設定することができる。また、印刷ヘッド42の移動のないパスの実行前にエラーが生じても、記憶印刷方向を利用して適切な移動方向を設定することができる。また、パスの実行前に発生したエラーと、パスの実行中に発生したエラーとで移動方向を切り替えることにより、往路及び復路のパスの順をより確実に維持することができ、吐出ムラの発生をより抑制することができる。更に、エラーが発生したのち所定時間が経過すると印刷ヘッド42を所定の休止位置(キャッピング位置)に移動させるため、印刷ヘッド42の位置が変更された場合であっても、記憶印刷方向の逆方向へ移動方向を設定するから、印刷ヘッド42のパスは往路及び復路の順をより確実に維持することができ、吐出ムラの発生をより抑制することができる。更にまた、発生したエラーがパスの実行中かパスの実行前かを表すエラー情報72をRAM64に記憶させ、記憶されたエラー情報72及び印刷方向情報71に基づいて印刷ヘッド42の移動方向を設定するため、エラー情報72に基づいて、生じたエラーの種類を判別しやすく、吐出ムラの発生をより簡便に防ぐことができる。そして、カバー12の開放エラー、操作パネル14の未開放エラー、スタッカーパネル16の未開放エラーのうち1以上のエラーの発生を判定するため、エラーが生じても、印刷ヘッド42の移動を継続することができ、本発明を適用しやすい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、パスの実行前に印刷ヘッド42の位置に基づいて印刷方向を設定するものとしたが、印刷ヘッド42の移動方向を設定するものであれば、特にこれに限定されない。
上述した実施形態では、エラーが発生したのち所定時間が経過すると印刷ヘッド42を休止位置(ホームポジション)へ移動させるものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、ホームポジションの反対側に設けられたフラッシング領域に移動するものとしてもよいし、この休止位置への移動を省略するものとしてもよい。こうしても、印刷方向情報71を利用し、往路及び復路の順をより確実に維持するパスを実行することができる。
上述した実施形態では、エラーの発生がパスの実行中か、パスの実行前かを表すエラー情報72をRAM64に記憶させるものとしたが、特にこれに限定されない。また、上述した実施形態では、パスの実行前のエラーとパスの実行後のエラーとを切り分けるものとしたが、特にこれに限定されず、パスの実行中にエラーが生じたあとのパスの実行では、印刷方向情報71に格納された印刷方向と逆の方向に印刷処理を行うものとすればよい。
上述した実施形態では、印刷ヘッド42のキャッピング位置と、初期位置であるホームポジションと、吐出処理を行うフラッシング位置とが同じ位置であるものとしたが、これらのいずれか1以上が別の位置にあるものとしてもよい。また、所定時間経過したのちに印刷ヘッド42が移動する先である休止位置は、キャッピング位置や、ホームポジション、フラッシング位置などのうち、いずれか1以上であるものとしてもよい。
上述した実施形態では、エラー判定部65は、カバー12の開放エラー、操作パネル14の未開放エラー、スタッカーパネル16の未開放エラーなどのエラーを判定するものとしたが、特にこれに限定されず、このうちいずれか1以上を省略してもよいし、これら以外のエラーをこれに加えて又はこれに代えてもよい。このとき、新たなエラーは、例えば、印刷ヘッド42の移動が可能且つインクの吐出が可能なエラーであることが好ましい。
上述した実施形態では、メインルーチンでエラーの発生を判定するものとしたが、特にこれに限定されず、独立した別ルーチンでエラーの発生を判定するものとしてもよい。
上述した実施形態では、パスの実行前に、設定された印刷方向を格納した印刷方向情報71を記憶するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、パスの実行中に、設定された印刷方向を格納した印刷方向情報71を記憶するものとしてもよい。なお、次のパスの実行前までに設定されている印刷方向を印刷方向情報71に記憶するものとすればよいが、できるだけ早い段階で印刷方向を印刷方向情報71に記憶することが好ましく、特に、パスの実行前に印刷方向情報71を記憶する方が好ましい。
上述した実施形態では、本発明の流体吐出装置をインクジェット式のプリンター10に具体化した例を示したが、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを吐出する流体吐出装置に具体化してもよいし、流体として吐出可能な固体を吐出する流体吐出装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を吐出する液体吐出装置、同材料を分散した液状体を吐出する液状体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置としてもよい。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置、トナーなどの粉体を吐出する粉体吐出式記録装置としてもよい。
上述した実施形態では、スキャナーユニット20を備えたマルチファンクションプリンターとして構成されたプリンター10として説明したが、スキャナーユニットを省略したプリンターとしてもよいし、FAX機能を備えたFAX装置としてもよい。また、プリンターユニット40は、カラープリンター機構としたが、特にこれに限定されず、モノクロプリンターとしてもよい。また、上述した実施形態では、プリンター10として説明したが、流体吐出方法としてもよいし、この方法を実行するプログラムとしてもよい。
10 プリンター、11 メモリーカードリーダー、12 カバー、13 開口部、14 操作パネル、16 スタッカーパネル、18 排紙トレイ、20 スキャナーユニット、21 スキャナーASIC、22 スキャナーエンジン、23 ADFユニット、24 ADF挿入口、29 バス、30 プリンターユニット、31 プリンターASIC、32 移動方向設定部、34 吐出移動制御部、39 プラテン、40 プリンターエンジン、41 キャリッジ、42 印刷ヘッド、43 ノズル、44a キャリッジモーター、44b 従動ローラー、45 ベルト、46 ガイド、47 搬送ローラー、48 搬送モーター、49 インクカートリッジ、50 キャッピング装置、60 コントローラー、62 CPU、63 フラッシュメモリー、64 RAM、65 エラー判定部、66 記憶制御部、67 カバーセンサー、68 パネルセンサー、69 スタッカセンサー、71 印刷方向情報、72 エラー情報、S 印刷媒体。

Claims (11)

  1. 情報を記憶する記憶手段と、
    流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、
    所定のエラーの発生を判定するエラー判定部と、
    前記吐出ヘッドの移動方向を設定する設定部と、
    前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させる記憶制御部と、
    前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させる吐出移動制御部と、を備え、
    前記設定部は、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定
    前記記憶制御部は、前記パスの実行前に前記記憶移動方向を前記記憶手段に記憶させ、
    前記設定部は、前記パスの実行前に前記エラーが発生したときには、前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定する、流体吐出装置。
  2. 情報を記憶する記憶手段と、
    流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、
    所定のエラーの発生を判定するエラー判定部と、
    前記吐出ヘッドの移動方向を設定する設定部と、
    前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させる記憶制御部と、
    前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させる吐出移動制御部と、を備え、
    前記設定部は、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定し、
    前記設定部は、前記パスの実行前に前記吐出ヘッドの位置に基づいて前記移動方向を設定したあと、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスであるときには前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を再設定し、前記パスの実行前に前記エラーが発生したあとのパスであるときには前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定する、流体吐出装置。
  3. 前記記憶制御部は、前記パスの実行前に前記記憶移動方向を前記記憶手段に記憶させ、
    前記設定部は、前記パスの実行前に前記エラーが発生したときには、前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定する、請求項に記載の流体吐出装置。
  4. 前記記憶制御部は、前記エラーが発生したときには、該エラーが前記パスの実行中に発生したか、該エラーが前記パスの実行前に発生したかを表すエラー情報を前記記憶手段に記憶させ、
    前記設定部は、前記記憶されたエラー情報及び前記記憶移動方向に基づいて前記吐出ヘッドの移動方向を設定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  5. 情報を記憶する記憶手段と、
    流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、
    所定のエラーの発生を判定するエラー判定部と、
    前記吐出ヘッドの移動方向を設定する設定部と、
    前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させる記憶制御部と、
    前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させる吐出移動制御部と、を備え、
    前記設定部は、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定し、
    前記記憶制御部は、前記エラーが発生したときには、該エラーが前記パスの実行中に発生したか、該エラーが前記パスの実行前に発生したかを表すエラー情報を前記記憶手段に記憶させ、
    前記設定部は、前記記憶されたエラー情報及び前記記憶移動方向に基づいて前記吐出ヘッドの移動方向を設定する、流体吐出装置。
  6. 前記吐出移動制御部は、前記エラーが発生したのち所定時間が経過すると前記吐出ヘッドを所定の休止位置に移動させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  7. 前記エラー判定部は、前記流体吐出装置のカバー開放エラー、前記媒体を排出して載置するスタッカーの未開放エラー、前記流体の前記媒体への吐出処理を実行する際に開放される操作パネルの未開放エラーのうち1以上のエラーの発生を判定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の流体吐出装置。
  8. 情報を記憶する記憶手段と、流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、を備えた流体吐出装置を利用した流体吐出方法であって、
    (a)所定のエラーの発生を判定するステップと、
    (b)前記吐出ヘッドの移動方向を設定するステップと、
    (c)前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させるステップと、
    (d)前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させるステップと、
    (e)前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定するステップと、
    (f)前記パスの実行前に前記記憶移動方向を前記記憶手段に記憶させ、前記パスの実行前に前記エラーが発生したときには、前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定するステップと、
    を含む流体吐出方法。
  9. 情報を記憶する記憶手段と、流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、を備えた流体吐出装置を利用した流体吐出方法であって、
    (a)所定のエラーの発生を判定するステップと、
    (b)前記吐出ヘッドの移動方向を設定するステップと、
    (c)前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させるステップと、
    (d)前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させるステップと、
    (e)前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定するステップと、
    (g)前記パスの実行前に前記吐出ヘッドの位置に基づいて前記移動方向を設定したあと、前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスであるときには前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を再設定し、前記パスの実行前に前記エラーが発生したあとのパスであるときには前記記憶された記憶移動方向に前記移動方向を設定するステップと、
    を含む流体吐出方法。
  10. 情報を記憶する記憶手段と、流体を媒体へ吐出する吐出ヘッドを所定の走査方向に往復移動させる吐出ヘッド移動部と、を備えた流体吐出装置を利用した流体吐出方法であって、
    (a)所定のエラーの発生を判定するステップと、
    (b)前記吐出ヘッドの移動方向を設定するステップと、
    (c)前記吐出ヘッドを前記往復移動のうち一方向に移動させて前記流体を吐出させるパスの実行前又は実行中に、前記設定された吐出ヘッドの移動方向を記憶移動方向として前記記憶手段に記憶させるステップと、
    (d)前記設定された移動方向に前記パスを実行させ、前記パスの実行中に前記エラーが発生しても該パスの吐出移動を継続して完了させるステップと、
    (e)前記パスの実行中に前記エラーが発生した次のパスでは、前記記憶された記憶移動方向と逆の方向に前記移動方向を設定するステップと、
    (h)前記エラーが発生したときには、該エラーが前記パスの実行中に発生したか、該エラーが前記パスの実行前に発生したかを表すエラー情報を前記記憶手段に記憶するステップと、
    (i)前記記憶されたエラー情報及び前記記憶移動方向に基づいて前記吐出ヘッドの移動方向を設定するステップと、
    を含む流体吐出方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の流体吐出方法のステップを1以上のコンピューターが実行するプログラム。
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