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JP6021182B2 - 苦土りん酸肥料の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、苦土りん酸肥料の製造方法に関し、特に、下水処理施設又はし尿処理施設で発生する汚泥に含まれるリンを用いて苦土りん酸肥料を製造する方法に関する。
肥料の三要素の1つであるリンは、その原料をリン鉱石に依存し、鉱物資源の乏しいわが国ではその全量を輸入している。リン鉱石は将来枯渇することが予想されるなど、今後入手が極めて困難になる可能性があり、リンを多量に含む下水等から如何に効率的に質のよいリンを回収するか、循環利用するかが今般のわが国における技術開発の課題となっている。
わが国の下水処理施設の中には、溶融炉を所有しており、下水の脱水汚泥にカルシウム源又はマグネシウム源を添加して溶融温度を制御して溶融スラグ化しているところがある。しかし、この溶融スラグ化は肥料化を目的としたものではなく、路盤材等の土木資材化、あるいは単に最終処分量を削減するための減容化を目的としたものであり、リン資源の循環利用という上記課題は何ら考慮されていない。
そこで、肥料化を目的として、例えば、特許文献1には、リンを含有する汚泥又はその他の焼却灰を原料とし、該原料に酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リン酸又はその他の成分を含む添加物を添加して混合原料とし、該混合原料を溶融し、その後に急冷してスラグ化し、粉砕する工程を含む肥料の製造方法が記載されている。
特開2001−80979号公報
しかし、上記特許文献に記載の肥料製造方法等では、脱水汚泥を焼却灰にする焼却工程と、溶融して肥料化する溶融工程とを必要とする。そのため、多量の熱エネルギーが必要となり、製造コストが高騰するという問題があった。
そこで、本発明は、上記解決課題に鑑みてなされたものであって、下水汚泥又はし尿汚泥に含まれるリンを有効活用し、低コストで高品質の肥料、特に苦土りん酸肥料を製造することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、苦土りん酸肥料の製造方法であって、下水汚泥又はし尿汚泥950℃以上1100℃以下で焼却又は焼成するにあたり、該焼却又は焼成により生じる焼却物又は焼成物のMgO濃度が10質量%以上25質量%以下になるように、前記下水汚泥又はし尿汚泥にマグネシウム源を添加することを特徴とする。
本発明によれば、マグネシウム源の添加により、950℃以上1100℃以下の低温焼却又は焼成でもリン酸マグネシウムカルシウムやアルカリ土類リン酸塩が生成し、りん酸と苦土の2成分を可給する苦土りん酸肥料を製造することができ、溶融より処理温度の低い焼却又は焼成工程によることで、消費エネルギーを低減し、製造コストを大幅に削減することができる。
さらに、前記焼却物又は焼成物のMgO濃度10質量%以上、より好ましくは15質量%以上とすることで、りん酸及び苦土の可給性に優れた鉱物を生成することができる。従って、りん酸のく溶率(リン含有量のうちく溶性りん酸である割合)、及び苦土のく溶率(マグネシウム含有量のうちく溶性苦土である割合)の高い焼却物又は焼成物を得ることができる。一方、前記焼却物又は焼成物のMgO濃度を25質量%より高くすると、焼成温度が上昇し、苦土の可給性に乏しい鉱物の生成量が増加するため好ましくない。
また、上記苦土りん酸肥料の製造方法において、前記マグネシウム源が添加された下水汚泥又はし尿汚泥のP/Siモル比が0.7以上となるように、前記下水汚泥又はし尿汚泥に前記マグネシウム源を添加することができる。
さらに、前記マグネシウム源が添加された下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離し、該固液分離により得られた脱水汚泥を焼却又は焼成することができる。これにより、含水率の高い下水汚泥又はし尿汚泥を効率よく処理することができる。
また、前記下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離し、該固液分離により得られた脱水汚泥に前記マグネシウム源を添加することができる。これにより、含水率の高い下水汚泥又はし尿汚泥を効率よく処理することができる。
さらに、前記マグネシウム源を平均粒径が100μm以下とすることができるマグネシウム源MAの平均粒径を100μmより大きくすると、苦土りん酸肥料中に未反応のマグネシウムが残留して、く溶率が低下するおそれがある。
また、前記マグネシウム源を、前記下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽、該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機、該固液分離機の入口に接続される汚泥輸送手段、該固液分離機から排出された脱水汚泥を焼却又は焼成する焼却炉又は焼成炉の入口に接続される脱水汚泥輸送手段から選択される少なくとも一箇所に添加することができる。
以上のように、本発明に係る苦土りん酸肥料の製造方法によれば、下水汚泥又はし尿汚泥から低コストで苦土りん酸肥料を製造することができる。
本発明に係る苦土りん酸肥料の製造方法を適用した下水処理施設を示す全体構成図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る苦土りん酸肥料の製造方法を適用した下水処理施設を示し、この下水処理施設1は、大別して、下水処理施設1へ持ち込まれた下水S1を濃縮し、脱水汚泥S9と脱水ろ液W3とに分離する水処理設備2と、水処理設備2で分離された脱水汚泥S9にマグネシウム源MAを添加して焼却し、焼却物Iを粉砕、造粒して苦土りん酸肥料Fを得る混合焼却設備4からなる。
水処理設備2は、下水S1中の沈殿し易い浮遊物や泥MUを濃縮して重力濃縮槽12へ送る最初沈殿池5と、沈殿処理を終えた最初沈殿池5からの有機物、窒素、リン等を含む汚水S2を微生物等で処理する生物処理槽6と、生物処理槽6で処理された活性汚泥S3を時間をかけて沈殿させ、上澄み水Dを放流する最終沈殿池7と、最終沈殿池7からの余剰汚泥S4をさらに遠心力により濃縮する遠心濃縮機8と、遠心濃縮機8からの濃縮汚泥S5及び重力濃縮槽12からの濃縮汚泥S6を分解するメタン発酵槽9と、メタン発酵槽9から排出された汚泥S7を貯留する貯槽10と、貯槽10から排出された汚泥S8を脱水汚泥S9と脱水ろ液W3とに固液分離する固液分離機11とで構成される。
混合焼却設備4は、水処理設備2で分離された脱水汚泥S9にマグネシウム源MAを添加するマグネシウム源添加装置13と、脱水汚泥S9とマグネシウム源MAとを混合する混合機14と、混合機14から供給される混合物Mを焼却するストーカー炉15と、焼却物Iを所望の大きさに粉砕する粉砕機16と、粉砕された焼却物Iに造粒補助剤Aを添加して造粒する造粒機17とで構成される。
マグネシウム源添加装置13は、脱水汚泥S9にマグネシウム源MAを添加するために備えられ、このマグネシウム源添加装置13には、粉粒体を供給するための種々の装置から添加するマグネシウム源MAの性状に適したものを選択する。
ストーカー炉15は、傾斜した火格子に上部から混合物Mを流下させながら焼却するものであって、火格子として、階段状に構成され格段が前後に摺動するものを有するのが一般的である。このストーカー炉15として、下水処理施設等に既設のものをそのままあるいは改修を実施してから使用することもできる。また、ストーカー式炉に代えて、ロータリー式又は流動床式の焼却炉を使用することもできる。該焼却炉は、耐火温度が900℃以上である煉瓦の内張りを有するものであることが好ましく、既設のものは必要であれば改修を実施すればよい。
粉砕機16は、焼却物Iを粉砕するために備えられ、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ボールミル、振動ミル、ディスクミル等を用いることが好ましい。粉砕機16と共に、汎用の振動ふるいや気流式分級器を用いることができる。
造粒機17は、焼却物Iに造粒補助剤Aを添加して造粒するために備えられ、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押出成形機等を用いることができる。
次に、上記下水処理施設1における苦土りん酸肥料の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
下水処理施設1に流入した下水S1を最初沈殿池5に導き、最初沈殿池5で沈殿し易い浮遊物や泥MUを濃縮して重力濃縮槽12へ送ると共に、有機物等を含む汚水S2を生物処理槽6に供給して微生物等で処理する。
生物処理槽6で生成された活性汚泥S3を最終沈殿池7で時間をかけて沈殿させ、沈殿した汚泥を余剰汚泥S4として遠心濃縮機8に供給すると共に、最終沈殿池7で得られた上澄み水Dを放流する。尚、通常余剰汚泥S4の一部は生物処理槽6へ返流される。
最終沈殿池7からの余剰汚泥S4を遠心濃縮機8で濃縮し、重力濃縮槽12に貯留された濃縮汚泥S6と共に、メタン発酵槽9に供給する。メタン発酵槽9で、濃縮汚泥S5、S6を微生物によって分解し、発生した汚泥S7を貯槽10に一旦貯留した後、汚泥S8を固液分離機11に供給し、固液分離して脱水汚泥S9を製造する。該固液分離機11には、ベルトプレス、ベルトフィルタ、デカンター、スクリュープレス又はフィルタプレスを用いることができる。
次に、マグネシウム源添加装置13によって脱水汚泥S9にマグネシウム源MAを添加する。マグネシウム源MAを添加するのは、950℃以上1100℃以下の低温焼却又は焼成でもりん酸と苦土の2成分を可給する苦土りん酸肥料を製造するためであって、得られる苦土りん酸肥料の酸化マグネシウム含有率を10質量%以上25質量%以下に調整する。
尚、前記固液分離機11で分離された脱水汚泥や混合物Mの含水率を低下させる乾燥機を備えることもできる。該乾燥により含水率を好ましくは50%以下とすることができ、焼却あるいは焼成の投入エネルギーがさらに低減され、焼却中に焼却物自体の温度が上昇するために、りん酸及び苦土の可給性に優れた鉱物が生成しやすくなる。乾燥機は、汎用の乾燥機を用いることができ、熱源として天日、焼却あるいは焼成排ガス、別に発生させた熱風等を用いることができる。
添加するマグネシウム源MAとしては、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ドロマイト質レンガ屑から選択される少なくとも1種以上が挙げられる。
また、マグネシウム源MAは、平均粒径(50%通過粒子径)が100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下にまで粉砕されたものを用いることができる。マグネシウム源MAの平均粒径を100μmより大きくすると、苦土りん酸肥料中に未反応のマグネシウムが残留して、く溶率が低下するおそれがある。
マグネシウム源MAに加えて、さらにシリカ源を添加してもよい。一般に、下水汚泥は珪素(SiO2)を多く含むためシリカ源を添加する場合は少ないが、けい酸の加給性も付与したいが下水汚泥の珪素含有量が少ない場合はシリカ源を補う必要がある。この場合のシリカ源は、珪石、珪砂、砂、珪藻土、シラス、生コンスラッジ、廃モルタル、廃コンクリート、酸性火山灰、酸性火山岩、及びケイ酸カルシウムから選択される少なくとも1種以上が挙げられる。
次に、脱水汚泥S9とマグネシウム源MAとを混合機14へ供給して混合し、均質化した混合物Mをストーカー炉15に供給して焼却する。ストーカー炉15から排出される焼却物は、大きなものでは30cm程度小さなものでは1mm程度、平均で8cm程度の粒径を有する塊状である。この粒径のままでは肥料製品として流通させることができないため、粒度範囲を1mmから5mmの間が中心となるように粉砕機16で粗粉砕し、篩い分け等による整粒を行う。整粒装置には市販の振動ふるい装置を用いることができる。この範囲に整粒されたものは、そのままりん酸肥料として農用地へ施肥することができる。
また、前記粗粉砕で細かくなり過ぎたものや、あるいは焼却物Iを平均粒子径が100μm以下となるまで微粉砕したものを、造粒補助材とともに造粒し、整粒操作により所望の粒度範囲のものを選別する方法によっても農用地へ直接施肥することができる肥料とすることができる。
後段の造粒機17で造粒補助剤Aと共に、所望の寸法となるように造粒成形する。造粒補助剤Aには、リグニン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等を用いることができる。また、該工程において、肥料の用途に応じて、適宜、けい酸やりん酸の成分を追加したり、窒素、加里、苦土等のその他の肥料成分を新たに添加することができる。
該造粒成型や整粒工程は、農用地へ施肥する際に粉塵の発生を抑制して肥料の取り扱いを容易にするためや、肥料効果を十分に発揮させるために、肥料の粒度を調整する必要がある場合に選択される任意の工程である。
尚、上記実施の形態においては、脱水汚泥S9とマグネシウム源MAとを混合機14へ供給して混合し、均質化した混合物Mをストーカー炉15に供給して焼却したが、混合機14を設けずに、固液分離機11に直接、又は固液分離機11の入口に接続される汚泥輸送手段、すなわち貯槽10と固液分離機11との間の汚泥S8に添加してもよく、その場合には、マグネシウム源MAも固液分離機11で固液分離の対象となるが、マグネシウム源MAの添加量と汚泥S8の含水率を考慮すると固液分離機11の負荷の増加は問題となる程度ではない。
さらに、貯槽10にリン回収材を添加したり、脱水ろ液W3にリン回収材を添加し、リンを吸着したリン回収物を固液分離するなどして得て、リン回収物と脱水汚泥S9とをマグネシウム源MAと共に混合機14へ供給した後混合物Mをストーカー炉15で焼却してもよい。
リン回収材には、カルシウムを含む回収材、例えば、非晶質ケイ酸カルシウムを好適に用いることができ、非晶質ケイ酸カルシウムは、リンとの親和性が高く、多孔質で比表面積が大きいため、リンの吸着能力が高く、選択的に効率よくリンを吸着することができる。その他に、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等を用いることもできる。
また、上記実施の形態においては、混合機14から供給される混合物Mをストーカー炉15で焼却したが、ロータリー式や流動床式の焼却炉で焼成してもよい。ストーカー炉15に代わり流動床炉を用いる場合、流動床炉の入口に接続される脱水汚泥輸送手段にマグネシウム源MAを添加したり、直接流動床炉にマグネシウム源MAを添加することもできる。流動床炉で焼却すると、ストーカー炉で焼却した場合と異なり、マグネシウム源MAが均一に混合された状態になるので混合機14は不要となる。
さらに、これらの形式の炉で焼却するのではなく、これらを焼成炉として用いて混合物Mを焼成してもよい。焼成する場合でも、焼成物を後段の粉砕機16で粉砕し、さらに造粒機17で造粒補助剤Aと共に、所望の寸法となるように造粒成形して苦土りん酸肥料を製造することもできる。
上記実施の形態においては、本発明に係る苦土りん酸肥料の製造方法を下水処理施設に適用した場合について説明したが、し尿処理施設に適用することもできる。
し尿処理施設は、し尿の脱窒を行うための脱窒素槽及び硝化槽を備える点が下水処理施設とは異なるが、その他の装置は下水処理施設と共通する。そこで、図示を省略するが、し尿処理施設においても、上記下水処理施設1と同様の装置構成及び運転要領によって苦土りん酸肥料を製造することができる。
尚、し尿は、陸上土壌成分の混合がないため、し尿を焼却した灰中にシリカ、アルミナ分が乏しいが、本発明によれば、下水汚泥と同様に苦土りん酸肥料を得ることができる。
表1に示す化学組成を有する下水汚泥焼却灰(A、B、C、E)とし尿汚泥(D)、マグネシウム源として試薬の水酸化マグネシウムとを用い、表2に示す実施例及び比較例の配合に従いビニール袋に入れて混合して原料を調製した。次に、該原料を用いて一軸加圧成形機により成形し、直径15mm、高さ20mmの円柱状の原料を作製した。さらに、該円柱状の原料を電気炉内に載置した後、昇温速度20℃/分で、表2に示す温度まで昇温し、該温度の下で10分間焼成して焼成物を得た。さらに、該焼成物を、鉄製乳鉢を用いて目開き212μmのふるいを全通するまで粉砕して粉末状の苦土りん酸肥料を製造した。また、比較例として、マグネシウム源の代わりに純度99%の炭酸カルシウムを原料に用い、前記と同様の方法により、りん酸肥料を製造した。原料や苦土りん酸肥料中の酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法により行った。りん酸肥料中のく溶性りん酸の測定は、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、また、く溶性苦土は、同法に規定されている原子吸光光度法により測定した。また、これらの測定値を用いて、常法により、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率を算出した。
Figure 0006021182
Figure 0006021182
表2に示されるように、各実施例では、焼成物のMgO濃度を10質量%以上25質量%以下、焼成温度950℃以上1100℃以下で焼成し、りん酸く溶率及び苦土く溶率の高い苦土りん酸肥料が得られることが判る。特に、原料のP/Siモル比を0.7以上とした場合に好ましい結果が得られる。一方、比較例では、記号Bで示す汚泥焼却灰にCa(OH)2を添加して、マグネシウム源に比べてより高い添加量かつ高い温度である1200℃で焼成したが、りん酸く溶率及び苦土く溶率の高い苦土りん酸肥料を焼成することができていない。
計画処理人口45万人のA下水処理場は、分流式(一部合流式)の下水排除方式を採用し、処理方法は標準活性汚泥法である。A下水処理場では、日量80000m3の下水が流入し、最初沈殿池の汚泥(初沈汚泥)と最終沈殿池の汚泥(余剰汚泥)とは、重力濃縮槽で混合され、日量700m3が後段の濃縮汚泥貯槽へ送泥される。濃縮汚泥は、時間当たり30m3で引き抜かれ、凝集剤添加槽で高分子凝集剤が添加された後、後段の固液分離機へ給泥され、脱水汚泥と脱水ろ液とに分離される。濃縮汚泥の固形分濃度は、1.9%であった。
本実施例では凝集剤添加槽へ時間あたり23.2kgの純度90%の軽焼マグネサイト粉末(325メッシュ品、平均(中位)粒径8μm、90%通過粒子径35μm)を添加し、高分子凝集剤を添加して固液分離操作を行なった。固液分離で発生した脱水汚泥(含水率80%)は、パドル式撹拌乾燥機で含水率40%まで乾燥させ、スクリューフィーダーを介して、ストーカー焼却炉(炉幅1.5m×長さ3.5M)へ投入し毎時350kgで供給し、炉内最高温度950℃(熱電対を用いた測定では焼却物温度は1000℃)の条件下で焼却処理した。燃焼排気ガスの酸素濃度は5%、平均滞留時間は約60分であった。事前に採取し汚泥焼却灰の化学組成は表3に示すようなものであった。
Figure 0006021182
尚、焼却温度と焼却物の温度は異なり、ストーカー炉の通常温度は900〜950℃とされるが、それは燃焼室温度や出口温度を指すことが多く、実際には焼却物の温度は950℃以上に達するものとされ、本願に示した肥料が得られる。
上記焼却により得られた肥料の特性を表4に示す。本実施例のく溶性りん酸は19.4質量%、りん酸く溶率は72%であった。また、く溶性苦土は18.8質量%、苦土く溶率は94%であった。このように、本発明により、りん酸及び苦土溶出特性に優れたりん酸質肥料が製造できることが示された。
Figure 0006021182
以上、本発明の実施例及び比較例を説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても構わない。
1 下水処理施設
2 水処理設備
4 混合焼却設備
5 最初沈殿池
6 生物処理槽
7 最終沈殿池
8 遠心濃縮機
9 メタン発酵槽
10 貯槽
11 固液分離機
12 重力濃縮槽
13 マグネシウム源添加装置
14 混合機
15 ストーカー炉
16 粉砕機
17 造粒機

Claims (6)

  1. 下水汚泥又はし尿汚泥950℃以上1100℃以下で焼却又は焼成するにあたり、該焼却又は焼成により生じる焼却物又は焼成物のMgO濃度が10質量%以上25質量%以下になるように、前記下水汚泥又はし尿汚泥にマグネシウム源を添加することを特徴とする苦土りん酸肥料の製造方法。
  2. 前記マグネシウム源が添加された下水汚泥又はし尿汚泥のP/Siモル比が0.7以上となるように、前記下水汚泥又はし尿汚泥に前記マグネシウム源を添加することを特徴とする請求項1に記載の苦土りん酸肥料の製造方法。
  3. 前記マグネシウム源が添加された下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離し、
    該固液分離により得られた脱水汚泥を焼却又は焼成することを特徴とする請求項1又は2に記載の苦土りん酸肥料の製造方法。
  4. 前記下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離し、
    該固液分離により得られた脱水汚泥に前記マグネシウム源を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の苦土りん酸肥料の製造方法。
  5. 前記マグネシウム源は、平均粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の苦土りん酸肥料の製造方法。
  6. 前記マグネシウム源を、前記下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽、該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機、該固液分離機の入口に接続される汚泥輸送手段、該固液分離機から排出された脱水汚泥を焼却又は焼成する焼却炉又は焼成炉の入口に接続される脱水汚泥輸送手段から選択される少なくとも一箇所に添加することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の苦土りん酸肥料の製造方法。
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