図1に示すように、本実施形態に係る放射性薬剤投与装置1は、放射性薬剤30を被験体に投与する機能を有している。放射性薬剤投与装置1は、投与器200と、当該投与器200から外部へ延びる投与部13と、を備えている。また、投与器200は、薬剤移送部11と、薬剤調整部12と、を備えている。放射性薬剤30の例としては、例えば、放射性核種で標識された18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)、13N−アンモニア、11C−メチオニン等が挙げられる。
薬剤移送部11は、投与部13と接続されており、放射性薬剤30を必要に応じて投与部13へと移送する。また、この薬剤移送部11に対して、薬剤調整部12が設けられている。薬剤調整部12は、投与部13へと移送される放射性薬剤を必要に応じて生理食塩水などを用いた希釈によって調整する。なお、放射性薬剤投与装置1の各構成要素は、生食用バッグ41及び投与部13を除いて投与器200の放射線遮蔽隔壁71内に設置されている。放射線遮蔽隔壁71としては、鉛、タングステン等が用いられる。
放射性薬剤30は、遮蔽容器33内に収容された状態で設置されたバイアル瓶32内に収納されている。バイアル瓶32内の放射性薬剤30は、カテラン針34a及びチューブ34を通して、薬剤移送部11及び薬剤調整部12を構成する配管系統へと導入される構成となっている。また、チューブ34の所定部位に対し、チューブ34を通る放射性薬剤30の有無、放射能量等を検出するための放射能センサ85が配置されている。
チューブ34は、三方活栓(三方活栓付バルブ)35に接続されている。また、三方活栓35には、さらに、他端が三方活栓40に接続されたチューブ38と、シリンジ駆動装置36aによって駆動される薬剤用シリンジ36とが接続されている。このような構成において、薬剤用シリンジ36を駆動することにより、設定された投与放射能量(被検体に投与すべき放射能量)に応じた放射性薬剤30の必要量を、チューブ34を介してバイアル瓶32から薬剤用シリンジ36内へ注入(分注)する。そして、薬剤用シリンジ36内に注入された放射性薬剤30は、チューブ38を介して、三方活栓40及びチューブ46へ送り出される。また、薬剤用シリンジ36の周囲には、薬剤用シリンジ36内の放射性薬剤30から放出される放射線を遮蔽する遮蔽部37が設けられている。
薬剤用シリンジ36は、投与器200に対して取り外し可能である。投与器200には、当該薬剤用シリンジ36が取り付けられる取付部20が設けられている。ただし、本実施形態に係る投与器200では、バイアル瓶32内の放射性薬剤30が薬剤用シリンジ36で分注され、分注された薬剤用シリンジ36内の放射性薬剤30が投与されるため、使用時においては薬剤用シリンジ36は取付部20に取り付けられたままの状態となる。例えば、(滅菌性担保や故障などによる)メンテナンスの際に、薬剤用シリンジ36が取付部20から取り外されて、新たな薬剤用シリンジ36が取り付けられる。取付部20は、薬剤用シリンジ36を支持する構造と、上述のシリンジ駆動装置36aと、遮蔽部37と、を備えている。シリンジ駆動装置36aの駆動により薬剤用シリンジ36に放射性薬剤30が納められた状態となる。
三方活栓40には、さらに、2つのチューブ45、46が接続されている。チューブ45は、三方活栓43、チューブ42、及び注射針42aを介して、生理食塩水が入れられた生食用バッグ41に接続されている。また、三方活栓43には、さらに、シリンジ駆動装置44aによって駆動される生食用シリンジ44が接続されている。このような構成において、生食用シリンジ44を駆動することにより、チューブ42によって生食用バッグ41から供給される生理食塩水が、三方活栓43及びチューブ45を介して三方活栓40に注入される。
生食用シリンジ44は、投与器200に対して取り外し可能である。投与器200には、当該生食用シリンジ44が取り付けられる取付部25が設けられている。取付部25は、生食用シリンジ44を支持する構造と、上述のシリンジ駆動装置44aと、を備えている。
一方、三方活栓40に接続されたもう一方のチューブ46は、その他端が三方活栓48に接続されるとともに、その途中の所定部分がコイル状のバッファループ47となっている。このバッファループ47は、投与部13へと移送される放射性薬剤30を一時的に収容可能に構成されている。また、チューブ46の三方活栓40及びバッファループ47の間の所定部位に対して、放射性薬剤30の通過を検出する通過センサ86が配置されている。
さらに、バッファループ47に対し、バッファループ47に収容された放射性薬剤30の放射能量を検出する放射能量検出手段として、放射能量検出部80が設置されている。これにより、薬剤用シリンジ36から送り出された放射性薬剤30の放射能量を検出して、設定された投与放射能量に応じた放射性薬剤30の必要量通りに正確に投与部13へ放射性薬剤30を供給することが可能となっている。つまり、バッファループ47に収容された放射性薬剤30の放射能量と設定された投与放射能量との差が許容範囲に収まっている場合には、バッファループ47内の放射性薬剤30は投与部13へ供給される。逆に、バッファループ47に収容された放射性薬剤30の放射能量と設定された投与放射能量との差が許容範囲に収まっていない場合には、バッファループ47内の放射性薬剤30は廃液ボトル56へ供給され廃棄される。また、バッファループ47の周囲には、バッファループ47に収容された放射性薬剤30から放出される放射線を遮蔽する遮蔽部81が設けられている。
以上のチューブ、三方活栓、シリンジ等は、薬剤移送部11及び薬剤調整部12として機能する配管系統を構成している。また、三方活栓48には、上記したバッファループ47を有するチューブ46に加えて、投与部13側のチューブ49と、廃液ボトル56側のチューブ53とが接続されている。チューブ49は、放射線遮蔽隔壁71より外部へ延びており、放射線遮蔽隔壁71内におけるチューブ49の途中には、ピンチバルブ50が設けられている。また、チューブ49の所定部位に対して通過センサ87が配置されている。この通過センサ87は、放射性薬剤30の通過を検出するために用いられる。チューブ53は、廃液を収容するための廃液収容手段である廃液ボトル56に接続されている。これにより、この三方活栓48は、放射性薬剤を投与部13に移送して被験体に投与するか、または、廃液ボトル56に移送するかを切換えるための切換えバルブとして機能する。
次に、図2を参照して、投与部13の構成について詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る放射性薬剤投与装置1の概略構成図であって、投与部13の構成を詳細に示した図である。図2に示すように、放射性薬剤投与装置1の投与部13は、投与器200から外部へ延びるチューブ49と、フィルタ51と、投与部材52と、チューブ57と、放射能量検出部100と、を備えている。
フィルタ51は、取付部20を有する投与器200よりも下流側に設けられており、投与器200から延びるチューブ49に接続される。フィルタ51は、投与器200からチューブ49内を流れてきた放射性薬剤30を通過させることで、当該放射性薬剤30中の不純物を除去する。
投与部材52は、フィルタ51及び放射能量検出部100よりも下流側に設けられており、投与部13の下流側における先端部に設けられている。投与部材52は、被験体に取り付けられて(刺して)、フィルタ51を通過した放射性薬剤30を被験体へ投与するものである。具体的には、投与部材52として、針(翼付針や静脈留置針等)が挙げられる。なお、図では投与部材52として、翼付針が例示されている。
チューブ57は、フィルタ51と投与部材52とを接続する。チューブ57の下流側の先端部57aは投与部材52に接続され、チューブ57の上流側の先端部57bはフィルタ51に接続されている。なお、フィルタ51の導入口がチューブ49に接続され、フィルタ51の導出口がチューブ57に接続される。チューブ57の材料は、弾性変形可能な材料が用いられ、例えば、ポリ塩化ビニルやシリコンゴムなどが挙げられる。また、チューブ57の内径は1〜5mmとし、管厚は0.5〜1mmとしてよい。
チューブ57は、第1の部分57Aと、第2の部分57Bと、第3の部分57Cと、を有している。第1の部分57Aは、放射能量検出部100より下流側の部分であって、投与部材52と放射能量検出部100との間で延びている。第2の部分57Bは、放射能量検出部100より上流側の部分であって、フィルタ51と放射能量検出部100との間で延びている。第3の部分57Cは、放射能量検出部100内に配置される部分である。第3の部分57Cは、渦巻き状に所定回数巻かれている。第3の部分57Cは、巻回数を減らすように解くことが可能な構成となっている。従って、チューブ57を第1の部分57A側に引っ張って、第3の部分57Cを解きながら放射能量検出部100の外に出すことによって、第1の部分57Aの長さを延長することが可能となっている。これによって、第1の部分57Aは、延伸可能となっている。なお、第3の部分57Cの構成の詳細については、後述する。例えば、延伸前における第1の部分57Aの長さLは50〜100cmに設定してよい。延伸後における第1の部分57Aの長さLは100〜200cmに設定してよい。
チューブ57は、全長に亘って継目を有していない。すなわち、チューブ57は、上流側の先端部57aから下流側の先端部57bに至るまで、継目を有さず1本のチューブのみで構成(一体形成)されている。投与部13において継目となる部分は、チューブ49とフィルタ51との間の接続部、フィルタ51とチューブ57との間の接続部、及びチューブ57と投与部材52との間の接続部のみである。ただし、フィルタ51よりも上流側のチューブ49の中途位置には、継目が設けられていてもよい。
放射能量検出部100は、チューブ57の中途位置に設けられており、当該チューブ57内を流れる放射性薬剤30の放射能量を検出する機能を有している。放射能量検出部100は、内部にチューブ57の第3の部分57Cを収納可能な内部空間SPを有している。放射能量検出部100は、内部空間SP内に収容された第3の部分57C内を流れる放射性薬剤30の放射能量を検出する。具体的には、放射能量検出部100は、井戸型放射能検出器によって構成されている。なお、例えば図2において一点鎖線で示すように、放射能量検出部100を筐体104に収容してもよい。放射能量検出部100は、内部空間SPを全周に亘って取り囲む側壁部101と、底部を封止する底壁部102と、を備えている。側壁部101は、例えば円筒状の形状を有しているが、特に形状は限定されず、多角形筒状であってもよい。
また、放射能量検出部100には、当該放射能量検出部100の検出結果を利用して放射性薬剤投与装置1を制御する制御部150を備えている。制御部150は、例えばCPU、ROM、及びRAM等により構成されている。制御部150は、投与器200と電気的に接続されており、投与器200内のセンサ類及び機器と電気的に接続されており、投与器200を制御する。例えば、制御部150は、駆動装置36a,44a、三方活栓35,40,43,48、放射能量検出部80及びセンサ85,86,87と電気的に接続されている。制御部150は、所定量の放射性薬剤30の分注・投与を行うように駆動装置36a,44a及び三方活栓35,40,43,48を制御する。なお、放射能量検出部80及びセンサ85,86,87は、それらの一部または全部が省略されていてよい。
制御部150は、放射能量検出部100の検出結果に基づいて、被験体に投与される放射性薬剤30の量を演算する。また、制御部150は、被験体に投与される放射性薬剤30が設定された投与放射能量に応じた放射性薬剤30の必要量に対して不足しているかどうかを判定すると共に、その不足量を算出してもよい。制御部150は、投与器200から送り出された放射性薬剤30の量と、フィルタ51より下流の放射能量検出部100で検出された量とを比較することによって、不足量を算出してもよい。投与器200が分注機能を有する場合には、制御部150は、放射能量検出部100の検出結果に基づき、不足分の放射性薬剤を分注するように投与器200内の各機器を制御してもよい。また、制御部150は、放射能量検出部100の検出結果に基づき、不足分の放射性薬剤30を投与するように投与器200の各機器を制御してもよい。なお、制御部150が放射性薬剤30の不足を検出し、自動的に不足分を分注・投与するときは、分注・投与の制御を実行する前に、当該制御の要否をユーザに問い合わせてもよい。
制御部150には、放射能量検出部100の検出結果を利用して警告を発する警告部151が電気的に接続されている。警告部151は、制御部150によって被験体へ投与される放射性薬剤30が設定された投与放射能量に応じた放射性薬剤30の必要量に対して不足していると判定されたとき、警告を発する。警告部151として、例えば、警告のメッセージを表示するモニタや警告ランプを点灯・点滅させるランプや、警告音や警告メッセージの音声を発するスピーカやブザーなどを用いてよい。
制御部150には、放射性薬剤投与装置1における各種情報を出力する情報出力部152が電気的に接続されている。制御部150は、少なくとも、放射能量検出部100の検出結果に基づく情報を出力する。検出結果に基づく情報とは、例えば、放射能量検出部100で検出された放射能量や、不足分の放射能量(設定された投与放射能量と、放射能量検出部100で検出された放射能量との差分)や、投与率(放射能量検出部100で検出した放射能量/設定した投与放射能量)などである。情報出力部152は、どのような態様で情報を出力してもよく、情報を表示するモニタ(操作パネル)、情報をプリントアウトするプリンタ、あるいは情報を音声で出力するスピーカ、またはそれらの組み合わせでよい。
なお、制御部150は、放射能量検出部100の検出結果を用いて投与器200の制御を行ってもよいが、検出結果を投与器200の制御に反映させなくともよい。また、警告部151での警告を行わなくともよい。制御部150は、投与器200を制御するユニットと、放射能量検出部100の検出結果の演算を行うユニットとで、分かれていてもよい。
次に、図2〜図4を参照して、チューブ57の第3の部分57Cの詳細な構成について説明する。
第3の部分57Cのチューブ57は、放射能量検出部100に収納可能な状態に束ねられている。第3の部分57Cのチューブ57の束ね方は、特に限定されないが、チューブ57が潰れて放射性薬剤30の流れが阻害されないように束ねられる。また、第3の部分57Cにおけるチューブ合計長さ(すなわち、放射能量検出部100の内部空間SP内に配置されるチューブ合計長さ)は、そこを通過する放射性薬剤30の放射能量を、放射能量検出部100が検出可能な程度に設定される。第3の部分57Cにおけるチューブ合計長さは、チューブ57の第3の部分57Cに流れ込んだ放射性薬剤30が、当該第3の部分57Cから出て行くまでの時間(すなわち、放射性薬剤30の放射能量検出部100の内部空間SPでの存在時間)が少なくとも1秒となるように設定される。具体的には、第3の部分57Cのチューブ合計長さは、40〜70cmに設定される。
第3の部分57Cのチューブ57は、第1の部分57Aのチューブ57が延伸可能となるように、束ねた状態を一部解除することが可能である。第3の部分57Cのチューブ57は、下流側の一部分が解除可能となっている。ただし、第3の部分57Cのチューブ57は、全体が束ねられた状態で固定され、第1の部分57Aを延伸できない状態となっていてもよい。
図3(a)は、第3の部分57Cにおけるチューブ57の束ね方の一例を示す図である。図3(b)は、図3(a)の第3の部分57Cのチューブ57の一部を解除して、第1の部分57Aのチューブ57を延伸した状態を示す図である。図3(a)に示すように、第3の部分57Cにおいて、チューブ57は螺旋状をなしている。第3の部分57Cでは、チューブ57は、各段において同径となるように螺旋状に複数回巻かれている。なお、各段において同径でなくともよく、径が小さくなっても大きくなってもよい。図3(a)の例では、チューブ57は、上流側の部分から、上方から下方へ向かって螺旋状に巻かれることで巻回体RBを構成する。チューブ57は、巻回体RBの最下段において螺旋状の巻回が終了する部分から上方へ向かって延びている。当該上方へ延びるチューブ57は、螺旋状に巻かれた巻回体RBの内部(ただし、巻回体RBの外側でもよい)を通過して、放射能量検出部100の内部空間SPから導出される。なお、図3においては、巻回体RBは、上方から見て時計回りに巻回されているが、反時計回りに巻回されてもよい。
巻回体RBにおいては、一の段に係るチューブ57は、上下に隣接する段のチューブ57と接着などによって固定される。巻回体RBのうち、上流側(ここでは、上段側)の各段では、略全周に亘って固定部FP(図においてハッチングが付されている部分)が形成されることで、チューブ57の巻回が解除できない状態となっている。一方、下流側(ここでは、下段側)の各段では、周方向において数カ所に部分的に固定部FPが形成される。これにより、図3(b)に示すように、第1の部分57Aにおけるチューブ57を引っ張ることで、点在する固定部FPでの固定が解除され、巻回体RBの巻回が解除される。従って、第1の部分57Aのチューブ57が延伸する。その他の固定方法として、放射能量検出部100の側壁部101の内面にチューブ57を係止する方法を採用してもよい。例えば、側壁部101の内面に溝や爪を設け、チューブ57を当該溝や爪に係止してもよい。
図4(a)は、第3の部分57Cにおけるチューブ57の束ね方の他の一例を示す図である。図4(b)は、図4(a)の第3の部分57Cのチューブ57の一部を解除して、第1の部分57Aのチューブ57を延伸した状態を示す図である。図4(a)に示すように、第3の部分57Cにおいて、チューブ57は螺旋状をなしている。第3の部分57Cでは、チューブ57は、各段において同径となるように螺旋状に複数回巻かれている。なお、各段において同径でなくともよく、径が小さくなっても大きくなってもよい。図4(a)の例では、チューブ57は、上流側の部分が放射能量検出部100の上端の開口部から内部空間SPに入り込んで下方へ向かって延び、底壁部102側より下方から上方へ向かって螺旋状に巻かれることで巻回体RBを構成する。チューブ57は、巻回体RBの最上段において、巻回が終了する部分から放射能量検出部100の内部空間SPより外側へ導出される。なお、図4においては、巻回体RBは、上方から見て時計回りに巻回されているが、反時計回りに巻回されてもよい。
巻回体RBにおいては、一の段に係るチューブ57は、上下に隣接する段のチューブ57と接着などによって固定される。巻回体RBのうち、上流側(ここでは、下段側)の各段では、略全周に亘って固定部FP(図においてハッチングが付されている部分)が形成されることで、チューブ57の巻回が解除できない状態となっている。一方、下流側(ここでは、上段側)の各段では、周方向において数カ所に部分的に固定部FPが形成される。これにより、図4(b)に示すように、第1の部分57Aにおけるチューブ57を引っ張ることで、点在する固定部FPでの固定が解除され、巻回体RBの巻回が解除される。従って、第1の部分57Aが延伸する。
図5(a)は、第3の部分57Cにおけるチューブ57の束ね方の他の一例を示す図である。図3及び図4に示す例では、巻回体RBの中心軸が上下方向に延びる状態で放射能量検出部100の内部空間SPに収納されている。一方、図5(a)では、巻回体RBの中心線が水平方向に延びる状態で内部空間SPに収納されている。
図5(b)は、第3の部分57Cにおけるチューブ57の束ね方の他の一例を示す図である。図5(b)に示すように、第3の部分57Cにおいて、チューブ57は、蛇行している。なお、図5(b)は蛇行の様子を示す概略図であり、一列に揃った状態で蛇行しているが、放射能量検出部100の内部空間SPに収納可能である限り、どのような態様で蛇行していてもよい。例えば、チューブ57が一定のパターンで揃っていない状態で蛇行するように束ねてもよい。図5(b)のようにチューブ57が蛇行している束ね方であっても、接着剤を用いてチューブ57同士を固定してもよい。あるいは、結束バンドなどを用いてチューブ57同士を固定してもよい。第1の部分57Aのチューブ57を延伸させるときは、第3の部分57Cのチューブ57の一部が結束バンドの結束から解除される。なお、固定することなく、単に束ねたチューブ57を放射能量検出部100内に配置する構成としてもよい。
次に、放射性薬剤投与装置1の使用方法の一例について説明する。
(1)まず、一日一回程度の頻度で交換される構成部品であるディスポーザブル部品(シリンジ、三方活栓、チューブ、針、フィルタ)を放射性薬剤投与装置1にセットする。
(2)放射性薬剤30の入ったバイアル瓶32を、遮蔽容器33に格納した状態で、放射性薬剤投与装置1にセットする。
(3)バイアル瓶32に入った放射性薬剤30を、チューブ34及び三方活栓35を介して、薬剤用シリンジ36により一定量引き込む。次に、三方活栓35、チューブ38、三方活栓40を通じて、薬剤用シリンジ36により、通過センサ86が放射性薬剤30の通過を検出するまで、放射性薬剤30を押し込む。これにより、チューブ34から通過センサ86までの経路内を放射性薬剤30で満たし、同時に経路から空気を追い出す。
(4)次に、生食用シリンジ44を用いて、三方活栓43からチューブ53までの経路内に生理食塩水を満たすと同時に、(3)で三方活栓40よりも下流のチューブ46内の放射性薬剤30を、廃液ボトル56に排出する。更に、三方活栓48から投与部材52までのラインも生理食塩水を満たす。これらのことにより、経路内全てを液体で満たし、空気を押出す。
(5)制御部150により、各種設定条件(投与放射能量、容量、投与速度)を入力すると、放射能センサ85で常時読み込んでいる放射能濃度と、設定された投与放射能量に応じた放射性薬剤30の必要量から、薬剤用シリンジ36に注入すべき放射性薬剤30の量が計算され、薬剤用シリンジ36内に放射性薬剤30が注入(分注)される。そして、薬剤用シリンジ36、44の駆動及び三方活栓が切り換えられて、分注された量の放射性薬剤30がバッファループ47に充填される。
(6)バッファループ47に充填された放射性薬剤30の放射能量を、放射能量検出部80により検出し、検出値と設定した投与放射能量との差が許容範囲内であるか確認する。なお、差が許容範囲を超えている場合には、バッファループ47内の放射性薬剤30は廃液ボトル56へ廃棄され、(5)の分注が再度行われる。
(7)制御部150の操作により、設定された速度で、バッファループ47内の放射性薬剤30を投与部13へ送り出す。
(8)チューブ57の第3の部分57Cを流れる放射性薬剤30の放射能量を放射能量検出部100で検出する。
(9)被験体に投与された放射性薬剤30の放射能量、または被験体に投与される予定の放射性薬剤30の放射能量(この場合、放射性薬剤30を投与する前に、放射能量検出部100で検出した結果を出力する)等、各種情報を情報出力部152に出力する。
(10)被験体に投与された放射性薬剤30の放射能量が、規定量から不足している場合、不足分を分注・投与する。
(11)以上の分注・測定・投与の操作が繰り返し実行される。
次に、本実施形態に係る放射性薬剤投与装置1の作用・効果について説明する。
ここで、放射能量検出部100を有さない放射性薬剤投与装置では、投与器200で放射性薬剤30を分注しても、万が一の場合には、被験体へ投与するまでの間に放射性薬剤30の量が減少する可能性がある。例えば、フィルタ51に放射性薬剤30が付着する場合や、継目(フィルタ51とチューブ49との接続部、フィルタ51とチューブ57との接続部、チューブ57と投与部材52との接続部など)での液漏れが生じる場合は、実際に被験体に投与される放射性薬剤30の量が減少する。このような場合であっても正確な量の放射性薬剤30を投与することが求められる。
これに対し、本実施形態に係る放射性薬剤投与装置1は、フィルタ51と投与部材52とを接続するチューブ57の中途位置に、当該チューブ57内を流れる放射性薬剤30の放射能量を検出する放射能量検出部100を備えている。これによって、フィルタ51よりも下流側において放射能量検出部100が、被験体に投与される直前の放射性薬剤30の放射能量を検出することができる。従って、分注後の放射性薬剤30の量が減少することがあったとしても、実際に被験体に投与される放射性薬剤30の放射能量を正確に把握することが可能となる。不足していた場合は、当該不足分を追加で投与することで、正確な量の放射性薬剤30を投与することができる。また、チューブ57の中途位置に放射能量検出部100が設けられていても、チューブ57は継目を有していないため、フィルタ51と投与部材52との間での放射性薬剤30の漏れを確実に防止することができる。以上によって、放射性薬剤30の投与の正確性を向上させることができる。
また、放射性薬剤投与装置1において、チューブ57のうち、放射能量検出部100よりも下流側の第1の部分57Aは、延伸可能である。これによって、エクステンションチューブなどを用いて継目を増やすことなく、チューブ57を延伸することで長さを調整することができる。例えば、放射性薬剤投与装置1から被験体が載置される台、または座る台までの距離は、施設によって変わる。従って、チューブ57の第1の部分57Aを延伸させることで、放射性薬剤投与装置1を移動させることなく投与部13の投与部材52を被験体に取り付けることができる。
また、放射性薬剤投与装置1において、チューブ57のうち、放射能量検出部100内に配置される部分は、蛇行していてよい。これによって、チューブ57の第3の部分57Cを放射能量検出部100内に配置し易くすることができると共に、放射能量検出部100内でのチューブ57の長さを長くすることで放射性薬剤30の放射能量検出部100内での存在時間を効率良く長くすることができる。
また、放射性薬剤投与装置1において、チューブ57のうち、放射能量検出部100内に配置される部分は、螺旋状をなしていてよい。これによって、チューブ57の第3の部分57Cを放射能量検出部100内に配置し易くすることができると共に、放射能量検出部100内でのチューブ57の長さを長くすることで放射性薬剤30の放射能量検出部100内での存在時間を効率良く長くすることができる。
また、放射性薬剤投与装置1は、放射能量検出部100の検出結果に基づき、警告を発する警告部151を備えている。これによって、使用者は、投与する放射性薬剤30の量が不足していることを容易に知ることができる。
また、放射性薬剤投与装置1は、放射能量検出部100の検出結果に基づき、不足分の放射性薬剤30を分注するように制御を行う制御部150を備えている。また、放射性薬剤投与装置1において、制御部150は、不足分の放射性薬剤30を投与するように制御を行う。これによって、投与する放射性薬剤30の量が不足していても、当該不足分を容易に補うことが可能となる。
また、放射性薬剤投与装置1は、取付部20とチューブ57との間に設けられるチューブ(他のチューブ)38,46,49及びバッファループ(他のチューブ)47と、バッファループ47中の放射性薬剤30の放射能量を検出する放射能量検出部(他の放射能量検出部)80と、チューブ46,49に接続された廃液ボトル56と、放射能量検出部80によって検出された放射能量が、設定された投与放射能量よりも多い場合は、放射性薬剤30を廃液ボトル56へ廃棄するように制御する制御部150と、を備えている。
放射能量検出部80でバッファループ47に収容された放射性薬剤30の放射能量を測定した際、検出された放射能量が設定された投与放射能量よりも大きい場合、そのまま被験体に投与してしまうと過剰投与になるため、制御部150は、バッファループ47に収容された放射性薬剤30が廃液ボトル56に廃棄されるように制御を行う。従って、投与部13のチューブ57の第3の部分57Cに送られる放射性薬剤30の放射能量は、設定された投与放射能量通り、または設定された投与放射能量よりも少なくなり、設定された投与放射能量より多くなることが防止される。
チューブ57の第3の部分57Cに送られる放射性薬剤30の放射能量は設定された投与放射能量よりも多くなることが無いため、チューブ57よりも下流側に三方活栓を設けて廃液ボトルに接続する必要が無くなる。チューブ57よりも下流側に三方活栓を設ける必要が無いため、チューブ57よりも下流側での放射性薬剤30の漏れを抑制し、設定した投与放射能量通りに正確な投与を行うことができる。
以上のように、バッファループ47中の放射性薬剤30の放射能量が投与放射能量よりも多い場合には、投与部13よりも上流側にて廃液ボトル56に放射性薬剤30の廃棄が行われ、投与部13で再度放射性薬剤30の放射能量を検出することで、容易に過剰投与を防ぎ、且つ、過少投与を防ぎ、設定された投与放射能量通りに正確に放射性薬剤30を投与することができる。
なお、投与部13よりも上流側に廃液ボトル56を設けずに過剰投与を防ぐことも可能である。投与部13の放射能量検出部100で検出された放射能量が設定された投与放射能量よりも多い場合、被験体には投与せずに、被験体から投与部材52を取り外し、用意した廃液ボトルへ第3の部分57C内の放射性薬剤30を廃棄することで、過剰投与を防ぐことができる。なお、当該方法は被験体から投与部材52を取り外す等の手間がかかるため、投与部13よりも上流側に廃液ボトル56を設けて、自動的に廃棄させる方法の方が簡易である。
本発明に係る放射性薬剤合成投与装置は、上記した実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、薬剤移送部11及び薬剤調整部12に用いられる配管系統などの具体的な構成については、図3に示した構成以外にも様々な構成を用いて良い。
また、投与器200の構成も特に限定されない。投与器200は、少なくとも、放射性薬剤30が収められた薬剤用シリンジ36が取り付けられる取付部20を有していればよい。上述の実施形態に係る放射性薬剤投与装置1は、分注装置(分注機能)と投与装置(投与機能)とを一体化した構成を有していた。これに対し、分注装置と投与装置を一体化しない構成を採用してもよく、このような場合、放射性薬剤投与装置1は分注機能を有しない投与専用の装置として機能し、バイアル瓶32、遮蔽容器33、チューブ34、放射能センサ85などは投与器200には設けられず、薬剤用シリンジ36の取付部20及び薬剤用シリンジ36と投与部13とを接続するチューブが設けられた構成となる。この場合、放射性薬剤投与装置1とは別装置である分注装置にて薬剤用シリンジ36内に放射性薬剤30が注入され、当該薬剤用シリンジ36が放射性薬剤投与装置1まで運搬される(遮蔽容器内に納められた状態で厳重に運搬される)。このように予め必要量の放射性薬剤30が納められた状態の薬剤用シリンジ36が取付部20に取り付けられ、シリンジ駆動装置36aを駆動させることで投与部13から被験体に放射性薬剤30が投与される。投与が完了した後には、空の薬剤用シリンジ36を取り外して、放射性薬剤30が注入されている新しい薬剤用シリンジ36が取り付けられて、次の投与が行われる。