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JP6028655B2 - 鋼材の鋼種判定方法 - Google Patents
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JP6028655B2 - 鋼材の鋼種判定方法 - Google Patents

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本発明は、鋼材の鋼種判定方法に関する。特に、鋼材の搬送ラインにおいて鋼材の鋼種を精度良く判定する方法に関する。
従来より、鋼材の搬送ラインにおいて、搬送されることが予定されている鋼種とは異なる鋼種の鋼材(以下、異材という)の混入を検出することを主たる目的として、火花試験又は蛍光X線分析を用いて鋼種判定する場合がある。
鋼種とは、鋼材の組成によって分けられる区分を意味し、鋼種毎に組成範囲が定められる。鋼材は、その組成によっていずれかの鋼種に分類される。
また、鋼材の鋼種判定には、判定しようとする鋼材の鋼種が、判定時に搬送されることが予定されている鋼種(以下、適宜、この判定時に搬送されることが予定されている鋼種を予定鋼種という)と同一であるか否かを判定することや、判定しようとする鋼材の鋼種が搬送ラインで搬送され得る全ての鋼種のうちのいずれの鋼種であるかを判定することが含まれる。
火花試験とは、例えば、鋼材にグラインダーを押し当て、発生する火花の形状や色等に基づき鋼種を判定する方法である。また、蛍光X線分析とは、鋼材にX線を照射し、X線を照射された鋼材から発生する蛍光X線の波長や強度に基づいて鋼種判定する方法である。
従来、搬送ラインにおいて鋼種を判定する場合には、同一の搬送ラインを搬送される鋼材について、火花試験及び蛍光X線分析のうち、いずれか一方の鋼種判定方法を適用している。
しかしながら、上記の火花試験単独又は蛍光X線分析単独では判定可能な鋼種の範囲が狭い。このため、特に、多鋼種の鋼材が同一の搬送ラインで搬送される場合には、十分な鋼種の判定精度が得られない場合がある。
火花試験については、例えば、鋼種が既知である鋼材の火花の撮像画像から抽出した鋼種毎の火花の特徴をデータ化し、鋼種を判定しようとする鋼材の火花の撮像画像から抽出した火花の特徴を、前記データ化した火花の特徴と対比して鋼種を自動的に判定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、鋼種を自動的に判定することができるものの、判定できる鋼種の範囲は従来の火花試験と同等であるため、鋼種の判定精度を高めることは困難である。
蛍光X線分析については、分析する元素を指定すると共に分析する元素の検索する順位を設定することにより、分析時間を短くし、分析の正答率を向上させる方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載された方法では、従来から分析できる元素における分析精度が高まるものの、判定できる鋼種の範囲は従来の蛍光X線分析と同等であるため、鋼種の判定精度を高めることは困難である。
特開平9−145599号公報 特開平4−343052号公報
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、搬送ラインにおいて鋼材の鋼種を精度良く判定する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題の解決策を検討する過程において、火花試験及び蛍光X線分析は、鋼種を判定する上での互いの欠点を補完し合う関係にあるという知見を得た。具体的には、火花試験は、炭素量の判定は容易であるものの合金元素の種類及び量の判定は困難であるのに対し、蛍光X線分析は、炭素量の判定は困難であるものの合金元素の種類及び量の判定は容易であるという知見である。このため、本発明者らは、搬送ラインを搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析の双方を施して、双方の結果を用いれば、十分な鋼種の判定精度を得ることが期待できると考えた。
例えば、判定時に搬送されることが予定されている鋼種である予定鋼種が、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼の鋼種である場合に、火花試験によれば、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼の鋼材が混入すると、この混入した鋼材の鋼種は予定鋼種でないと判定できるが、Mo鋼の鋼材が混入すると、この混入した鋼材の鋼種は予定鋼種であると判定してしまう。一方、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼の鋼種が予定鋼種である場合に、蛍光X線分析によれば、Mo鋼の鋼材が混入すると、この混入した鋼材の鋼種は予定鋼種でないと判定できるが、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼の鋼材が混入すると、この混入した鋼材の鋼種は予定鋼種であると判定してしまう。
しかし、同一の鋼材について火花試験及び蛍光X線分析の双方を施せば、火花試験で炭素量が判定でき、蛍光X線分析でCr量とMo量を判定できる。従って、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼の鋼種が予定鋼種である場合に、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼の鋼材が混入するときにも、Mo鋼の鋼材が混入するときにも、この混入した鋼材の鋼種は予定鋼種でないと判定できる。
一方、搬送ラインにおいて火花試験及び蛍光X線分析の双方によって鋼種判定するには、異なる鋼材に対する火花試験の結果と蛍光X線分析の結果とが、同一の鋼材に対する結果として紐付けられないようにしなければならない。例えば、搬送ラインの搬送方向上流側で火花試験を施し、搬送ラインの搬送方向下流側で蛍光X線分析を施す場合に、火花試験を施す箇所と蛍光X線分析を施す箇所との間に搬送ライン外から新たな鋼材が搬入されると、搬入された鋼材には蛍光X線分析のみが施され、火花試験は施されないことになる。この際、火花試験の結果と蛍光X線分析の結果とをそれぞれが施された順番に紐付けて鋼種判定する場合(鋼種判定を開始してからn番目の火花試験の結果と、n番目の蛍光X線分析の結果とを紐付け、紐付けられた双方の結果に基づきn番目の鋼材を鋼種判定する場合)、搬入された鋼材に対して搬送ライン上流側に直近する鋼材の火花試験の結果が、搬入された鋼材の火花試験の結果として誤って紐付けられるので、搬入された鋼材の鋼種を適正な結果を用いて判定できないことになる。同様に、搬入された鋼材よりも上流側に位置する全ての鋼材についても、火花試験の結果と蛍光X線分析の結果とが誤って紐付けられるので、適正な結果を用いて鋼材の鋼種を判定できないことになる。
また、火花試験が施された後の鋼材が、火花試験を施す箇所と蛍光X線分析を施す箇所との間から搬送ライン外に搬出される場合には、搬出された鋼材には蛍光X線分析が施されない。このため、搬出された鋼材の火花試験の結果が、搬出された鋼材に対して搬送方向上流側に直近する鋼材(この鋼材は搬送ライン外に搬出されないものとする)の火花試験の結果として扱われる。そして、搬出された鋼材に対する火花試験の結果と、搬出された鋼材に対して搬送方向上流側に直近する鋼材の蛍光X線分析の結果とが誤って紐付けられるので、搬送方向上流側に直近する鋼材の鋼種を適正な結果を用いて判定できないことになる。搬出された鋼材よりも上流側に位置する全ての鋼材についても同様である。
以上のように、鋼材の搬送ラインにおける火花試験を施す箇所と蛍光X線分析を施す箇所との間において、搬送ラインへの鋼材の搬入又は搬送ラインからの鋼材の搬出を行うことが可能であれば、火花試験の結果と蛍光X線分析の結果との紐付け方法如何によっては、適正な結果を用いて鋼材の鋼種を判定できないおそれがある。
本発明者らは、以上の知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行わず、前記鋼種を判定する鋼材が、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼、1Cr鋼及びBBS鋼のうちのいずれかである場合、前記判定ステップは、以下の第1ステップと第2ステップとを含むことを特徴とする鋼材の鋼種判定方法を提供する。
(1)第1ステップ
前記鋼材に対する火花試験の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼及び1Cr鋼を含む第1の鋼種群、又は、BBS鋼のいずれか一方に分類すると共に、前記鋼材に対する蛍光X線分析の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、炭素鋼、又は、1Cr鋼及びBBS鋼を含む第2の鋼種群のいずれか一方に分類する。
(2)第2ステップ
前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第1の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき炭素鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼であると判定する。前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第1の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき第2の鋼種群に分類された場合、前記鋼材の鋼種は1Cr鋼であると判定する。前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づきBBS鋼に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき第2の鋼種群に分類された場合、前記鋼材の鋼種はBBS鋼であると判定する。
本発明によれば、同一の鋼材に対して火花試験及び蛍光X線分析の双方が施され、火花試験を施す箇所と蛍光X線分析を施す箇所との間に鋼材が搬入されることや、火花試験を施す箇所と蛍光X線分析を施す箇所との間から鋼材が搬出されることがない。このため、鋼材の搬入・搬出に起因して火花試験の結果と蛍光X線分析の結果とが誤って紐付けられることがなく、同一の鋼材に対する適正な結果を用いて鋼種を判定できる。
また、前述のように、火花試験によれば、炭素量の判定は容易であるものの合金元素の種類及び量の判定は困難であるのに対し、蛍光X線分析によれば、炭素量の判定は困難であるものの合金元素の種類及び量の判定は容易である。本発明によれば、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果を用いて鋼種を判定するため、鋼種判定できる鋼種の範囲が広くなり、鋼種の判定精度が高くなる。
なお、本発明において、火花試験と蛍光X線分析とは、いずれを先に施しても良い。
鋼種を判定する鋼材が、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼、1Cr鋼及びBBS鋼のうちのいずれかである場合、火花試験単独では、前記鋼材の鋼種を、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼及び1Cr鋼を含む第1の鋼種群、又は、BBS鋼のいずれか一方に分類することしかできない。すなわち、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼と1Cr鋼とが同一の鋼種(第1の鋼種群)に分類され、両者の弁別ができない。一方、蛍光X線分析単独では、前記鋼材の鋼種を、炭素鋼、又は、1Cr鋼及びBBS鋼を含む第2の鋼種群のいずれか一方に分類することしかできない。すなわち、1Cr鋼とBBS鋼とが同一の鋼種(第2の鋼種群)に分類され、両者の弁別ができない。
しかしながら、本発明によれば、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果に基づき第2ステップを実行することにより、鋼種を判定する鋼材を3種類の鋼種(炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼、1Cr鋼及びBBS鋼)に弁別することが可能である。
また、本発明は、搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行なず、前記鋼種を判定する鋼材が、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、炭素量が0.20質量%未満のCr−Mo鋼及び炭素量が0.20質量%以上のCr−Mo鋼のうちのいずれかである場合、前記判定ステップは、以下の第3ステップと第4ステップとを含むことを特徴とする鋼材の鋼種判定方法としても提供される
(1)第3ステップ
前記鋼材に対する火花試験の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及び炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼を含む第3の鋼種群、又は、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼のいずれか一方に分類すると共に、前記鋼材に対する蛍光X線分析の結果に基づき、前記鋼材の鋼種は、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及びCr−Mo鋼のうちのいずれか一つに分類する。
(2)第4ステップ
前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきMo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はMo鋼であると判定する。前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCu−Ni−Mn鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はCu−Ni−Mn鋼であると判定する。前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCu−Ni鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はCu−Ni鋼であると判定する。前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCr−Mo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼であると判定する。前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCr−Mo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼であると判定する。
鋼種を判定する鋼材が、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼及び炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼のうちのいずれかである場合、火花試験単独では、前記鋼材の鋼種を、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及び炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼を含む第3の鋼種群、又は、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼のいずれか一方に分類することしかできない。すなわち、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼を他の4種類の鋼種から弁別できるものの、4種類の鋼種同士は同一の鋼種(第3の鋼種群)に分類され、弁別できない。一方、蛍光X線分析単独では、前記鋼材の鋼種を、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及びCr−Mo鋼のうちのいずれか一つに分類することしかできない。すなわち、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼と炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼とが同一の鋼種(Cr−Mo鋼)に分類され、両者の弁別ができない。
しかしながら、本発明によれば、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果に基づき第3ステップを実行することにより、鋼種を判定する鋼材を5種類の鋼種(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼及び炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼)に弁別することが可能である。
ここで、判定対象である鋼材(判定対象鋼材)の鋼種が、搬送されることが予定されている鋼種(予定鋼種)と同一であるか否かを火花試験や蛍光X線分析で判定する場合、判定対象鋼材の火花試験や蛍光X線分析の結果が、予定鋼種に応じて予め決められた所定の判定基準内にあるか否かで判定される。すなわち、火花試験や蛍光X線分析の結果が所定の判定基準内にあれば予定鋼種と同一の鋼種の鋼材であると判定され、所定の判定基準外であれば予定鋼種と異なる鋼種の鋼材(異材)であると判定される。
前記所定の判定基準は、同一鋼種であっても火花試験や蛍光X線分析の結果にバラツキが生じることを考慮し、同一の鋳造ロットの鋼材であるか否かに関わらず、各鋼種毎に多数の鋼材の火花試験や蛍光X線分析の結果のバラツキから決定される場合が多い。
一方、鋼材の搬送ラインでは、鋳造ロットを搬送単位として鋼材を搬送する場合が多い。すなわち、同一のタイミングで鋳造された鋳片から製造された複数の鋼材を纏めて1つの鋳造ロットとし、この鋳造ロット毎に鋼材を搬送する場合が多い。
前述した所定の判定基準に基づく異材判定では、判定対象鋼材の鋼種が予定鋼種と同一である限り、たとえ判定対象鋼材が予定された鋳造ロットとは異なる鋳造ロットから混入した鋼材であったとしても、異材と判定されないことになる。
しかしながら、鋼材毎の製造履歴を明確にする要求が増加している昨今の状況に鑑みれば、たとえ判定対象鋼材の鋼種が予定鋼種と同一であったとしても、判定対象鋼材が予定された鋳造ロットとは異なる鋳造ロットから混入した鋼材であるか否かを判定することが望ましい。
本発明者らは、上記の点について鋭意検討した結果、同一の鋳造ロット内での火花試験や蛍光X線分析の結果のバラツキは、異なる鋳造ロットでの火花試験や蛍光X線の結果のバラツキよりも小さいことを見出した。このため、判定対象鋼材が予定された鋳造ロットの鋼材であるか否かを判定するための判定基準として、前述した異材を判定するための所定の判定基準の範囲よりも小さい範囲の判定基準を用いれば良いことに想到した。
すなわち、本発明は、搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行わず、前記搬送ラインで、鋳造ロットを搬送単位として鋼材を搬送することが予定されている場合、前記判定ステップにおいては、前記分析ステップによって得られた判定対象である前記鋼材(以下、判定対象鋼材という)の火花試験の結果が、前記搬送されることが予定された鋳造ロットの鋼種(以下、予定鋼種という)について予め決められた所定の範囲長を有する第1の火花試験判定基準内にあるか否かと、前記分析ステップによって得られた前記判定対象鋼材の蛍光X線分析の結果が、前記予定鋼種について予め決められた所定の範囲長を有する第1の蛍光X線分析判定基準内にあるか否かとに基づいて、前記判定対象鋼材の鋼種が前記予定鋼種と同一であるか否かを判定し、前記判定ステップで前記判定対象鋼材の鋼種が前記予定鋼種と同一であると判定された場合に、当該判定対象鋼材と同一の搬送単位で搬送された鋼材のうち、最初に前記予定鋼種と同一であると判定された鋼材(以下、基準鋼材という)の前記火花試験の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の火花試験判定基準を決定し、前記判定対象鋼材の前記火花試験の結果が前記第2の火花試験判定基準外であれば、前記判定対象鋼材は前記予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定すると共に、前記基準鋼材の前記蛍光X線分析の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の蛍光X線分析基準を決定し、前記判定対象鋼材の前記蛍光X線分析の結果が前記第2の蛍光X線分析基準外であれば、前記判定対象鋼材は前記予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定する鋳造ロット判定ステップを更に含み、前記第2の火花試験判定基準の範囲長は、前記予定鋼種の同一鋳造ロット内での火花試験の結果のバラツキのみを考慮して、前記第1の火花試験判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定され、前記第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長は、前記予定鋼種の同一鋳造ロット内での蛍光X線分析の結果のバラツキのみを考慮して、前記第1の蛍光X線分析判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定されていることを特徴とする鋼材の鋼種判定方法としても提供される
斯かる本発明によれば、判定対象鋼材の鋼種が予定鋼種と同一であるか否かの判定のみならず、予定された鋳造ロットとは異なる鋳造ロットから混入した鋼材であるか否かの判定も可能である。
本発明によれば、搬送ラインにおいて鋼材の鋼種を精度よく判定できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋼材の鋼種判定方法に用いられる鋼種判定システムの一例を示す構成図である。 図2は、本発明の第1の実施形態において搬送ラインを搬送される鋼種のリストと、第1鋼種リスト及び第2鋼種リストとの対応関係の例を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施形態における鋼種判定方法を示すフロー図である。 図4は、第1の火花試験判定基準と第2の火花試験判定基準との関係の一例を示す図である。 図5は、第1の蛍光X線分析判定基準と第2の蛍光X線分析判定基準との関係の一例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る鋼材の鋼種判定方法について、鋼材が鋼管である場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明が適用される鋼材は鋼管に限るものではなく、棒鋼や鋼板等でも構わない。
本実施形態に係る鋼種判定方法では、判定対象である鋼管の鋼種が予定鋼種(搬送されることが予定されている鋼種)であるか否かの判定を行う。
図1は、本実施形態に係る鋼種判定方法に用いられる鋼種判定システムの一例を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る鋼種判定システム1は、鋼管Kを搬送する搬送ラインLと、火花試験部2と、火花試験演算制御部21と、蛍光X線分析部3と、蛍光X線演算制御部31と、総合演算制御部4と、マーキング部5とを備える。また、鋼種判定システム1は、総合演算制御部4からの指示に基づいて火花試験部2や蛍光X線分析部3などの動作を制御する総合PLC(Programmable Logic Controller)6と、総合PLC6からの指示に基づいて搬送ラインLの動作を制御する搬送PLC7とを備える。なお、図1では、搬送ラインLによって、先頭の鋼管K1が火花試験部2の位置に搬送されており、その後に2番目の鋼管K2、及び3番目の鋼管K3が続いて搬送されている状態を示しており、鋼管K3の後にも複数の鋼管K(図示せず)が続いて搬送されている。また、本実施形態では、火花試験部2が蛍光X線分析部3よりも搬送ラインLの搬送方向上流側に設けられているが、火花試験部2及び蛍光X線分析部3のいずれが搬送方向上流側に設けられてもよい。
火花試験部2は、鋼管Kにグラインダーを押し当てて発生する火花を撮像し、その撮像画像を火花試験演算制御部21に送信する。火花試験演算制御部21は、火花試験部2から送信された火花の撮像画像から、例えば、火花総数、破裂火花率、青色率、槍火花数などの火花データを採取する。ここで火花総数とは、火花が破裂せずに形状が流線である流線火花と、火花が破裂した破裂火花との総数を意味する。破裂火花率とは、火花総数に対する破裂火花数の割合を意味する。青色率とは、破裂火花に相当する画素領域の青色の度合いを意味する。槍火花数とは、槍の形状になっている火花の数を意味する。火花試験演算制御部21は、採取した火花データを総合演算制御部4に送信する。
蛍光X線分析部3は、鋼管KにX線を照射し、これにより鋼管Kから発生する蛍光X線を検出し、この検出した蛍光X線に応じた電気信号を蛍光X線演算制御部31に送信する。蛍光X線演算制御部31は、蛍光X線分析部3から送信された電気信号に基づいて各合金元素の含有量を演算する。そして、蛍光X線演算制御部31は、演算した各合金元素の含有量データを総合演算制御部4に送信する。
総合演算制御部4は、鋼種判定システム1の各部の動作を制御すると共に、火花試験演算制御部21から受信した火花データと、蛍光X線演算制御部31から受信した各合金元素の含有量データとに基づいて、鋼種を判定する。
マーキング部5は、総合演算制御部4からの指示により、鋼管Kに、異材であることを示すマーキングを施す。マーキングは、例えば鋼管Kに油性ペンキを塗布したり、ラベルを貼付すること等によって施される。
総合演算制御部4は、鋼材の製造情報を管理するための上位コンピュータ8と接続されており、搬送ラインLで搬送される鋼管Kの予定鋼種を上位コンピュータ8から受信する。
総合演算制御部4には、火花試験によって得られた火花データから分類できる鋼種のリストが、火花データに対応して定められている。例えば、鋼管K1についての火花総数などの火花データが鋼種Aに応じて予め決められた判定基準内にあれば、この鋼管K1は鋼種Aに分類され、鋼管K2についての火花データが鋼種Bに応じて予め決められた判定基準内にあれば、この鋼管Kは鋼種Bに分類される。この火花データから分類できる鋼種のリストを、本実施形態では第1鋼種リストと称する。
火花試験では、炭素と一部の合金元素の含有量しか検出できないので、第1鋼種リストでの鋼種の分類の区分は、搬送ラインLで搬送される全ての予定鋼種の分類の区分と同一ではない。第1鋼種リストでは、一部の予定鋼種は、複数の予定鋼種を含むグループ(鋼種群)に分類される。
また、総合演算制御部4には、蛍光X線分析によって得られた各合金元素の含有量データから分類できる鋼種のリストが、含有量データに対応して定められている。例えば、鋼管K1についての各合金元素の含有量データが鋼種Aに応じて予め決められた判定基準内にあれば、この鋼管K1は鋼種Aに分類され、鋼管K2についての各合金元素の含有量データが鋼種Bに応じて予め決められた判定基準内にあれば、この鋼管Kは鋼種Bに分類される。この含有量データから分類できる鋼種のリストを、本実施形態では第2鋼種リストと称する。
蛍光X線分析では、炭素量が判定できないので、第2鋼種リストでの鋼種の分類の区分は、搬送ラインLで搬送される全ての予定鋼種の分類の区分と同一ではない。第2鋼種リストでは、一部の予定鋼種は、複数の予定鋼種を含むグループ(鋼種群)に分類される。
図2は、搬送ラインLで搬送される全ての鋼種、換言すれば全ての予定鋼種のリストと、第1鋼種リスト及び第2鋼種リストとの対応関係の例を示す。これら全ての予定鋼種のリスト、第1鋼種リスト及び第2鋼種リストは、総合演算制御部4に記憶されている。
<予定鋼種の分類>
図2に示すように、搬送ラインLで搬送される鋼種(予定鋼種)は、炭素鋼、BBS鋼、低合金鋼、及び中・高合金鋼に大きく分類される。ここで、炭素鋼、BBS鋼、低合金鋼、及び中・高合金鋼は、それぞれ合金の組成によって定められた鋼種名であり、BBS鋼は、JIS G 4805で定められた鋼種SUJ2に準拠した鋼種である。
さらに、炭素鋼は、Vが添加されておらず、炭素量(質量%)(以下、炭素量(質量%)を括弧付きの記号[C]で表す)が、[C]≦0.10、0.10<[C]≦0.20、0.20<[C]≦0.25、0.25<[C]≦0.30、0.30<[C]≦0.40、又は0.40<[C]≦0.50の6種類の炭素鋼と、Vが添加されており炭素量が、[C]≦0.30、又は0.30<[C]である2種類のV添加鋼とに分類される。
また、低合金鋼は、1Cr鋼、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、[C]≦0.20のCr−Mo鋼、又は[C]>0.20のCr−Mo鋼に分類される。1Cr鋼、Mo鋼、Cu−Ni鋼、Cu−Ni−Mn鋼、及びCr−Mo鋼とは、それぞれ合金の組成によって定められた鋼種名である。
中・高合金鋼は、Ni鋼、2Cr鋼、2Cr−W鋼、5Cr鋼、9Cr鋼、又は9Cr−W鋼に分類される。Ni鋼、2Cr鋼、2Cr−W鋼、5Cr鋼、9Cr鋼、及び9Cr−W鋼とは、それぞれ合金の組成によって定められた鋼種名である。
<第1鋼種リストでの分類>
一方、図2に示すように、火花試験の結果から分類できる鋼種のリストである第1鋼種リストでは、炭素鋼(ただし、0.10<[C]≦0.20の炭素鋼を除く)及びBBS鋼における鋼種の分類の区分は、予定鋼種の分類の区分と同じである。
しかしながら、0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、低合金鋼、及び中・高合金鋼における鋼種の分類の区分は、予定鋼種の分類の区分と同じではない。第1鋼種リストでは、0.10<[C]≦0.20の炭素鋼は1Cr鋼と弁別できずに同じグループ(第1の鋼種群)に分類される。また、第1鋼種リストでは、低合金綱は、1Cr鋼と0.10<[C]≦0.20の炭素鋼とが含まれる第1の鋼種群と、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及び[C]≦0.20のCr−Mo鋼を含むグループ(第3の鋼種群)と、[C]>0.20のCr−Mo鋼とに分類される。さらに、第1鋼種リストでは、中・高合金鋼は、中・高合金鋼であること以上には分類されない。
<第2鋼種リストでの分類>
蛍光X線分析の結果から分類できる鋼種のリストである第2鋼種リストでは、中・高合金鋼における鋼種の分類の区分は、予定鋼種の分類の区分と同じである。
しかしながら、炭素鋼、BBS鋼及び低合金鋼における鋼種の分類の区分は、予定鋼種の分類の区分と同じではない。第2鋼種リストでは、炭素鋼は、炭素鋼であること以上には分類されない。また、第2鋼種リストでは、BBS鋼は1Cr鋼と弁別できずに同じグループ(第2の鋼種群)に分類される。さらに、第2鋼種リストでは、低合金鋼は、1CrとBBS鋼とが含まれる第2の鋼種群と、Mo鋼と、Cu−Ni−Mn鋼と、Cu−Ni鋼と、Cr−Mo鋼とに分類される。
<鋼種判定方法>
本実施形態では、以下のようにして、鋼種判定が行われる。
図1に示す搬送PLC7は、総合演算制御部4からの指示に基づいて、搬送ラインLを駆動させて先頭の鋼管K1を火花試験部2に搬送する。
火花試験部2は、鋼管K1に火花試験を施し、火花の撮像画像を火花試験演算制御部21に送信する。火花試験演算制御部21は、火花試験部2から送信された火花の撮像画像から、火花データを採取し、採取した火花データを総合演算制御部4に送信する。総合演算制御部4は、火花データを受信すると、火花試験完了の信号を総合PLC6に送信する。火花試験完了の信号を受信した総合PLC6は、搬送PLC7に搬送ラインLを駆動させて鋼管K1を蛍光X線分析部3に搬送すると同時に鋼管K2を火花試験部2に搬送する。蛍光X線分析部3は、鋼管K1にX線を照射し、これにより鋼管K1から発生する蛍光X線を検出し、この検出した蛍光X線に応じた電気信号を蛍光X線演算制御部31に送信する。蛍光X線演算制御部31は、蛍光X線分析部3から送信された電気信号に基づいて各合金元素の含有量を演算する。そして、蛍光X線演算制御部31は、演算した各合金元素の含有量データを総合演算制御部4に送信する。このようにして、鋼材に火花試験と蛍光X線分析が施される(分析ステップ)。
次に、総合演算制御部4は、上記の分析ステップによって得られた火花試験演算制御部21から送信された火花データと、蛍光X線演算制御部31から送信された各合金元素の含有量データとに基づいて鋼管K1の鋼種を判定する(判定ステップ)。以下、図3に示すフロー図を適宜参照しつつ、この判定ステップにおける鋼種判定の具体的方法について説明する。
まず、総合演算制御部4は、鋼管Kに火花試験及び蛍光X線分析が施される前に、上位コンピュータ8から鋼管Kの予定鋼種を受信する(図3のステップS0)。
総合演算制御部4は、受信した鋼管Kの予定鋼種が、記憶している予定鋼種のリストに含まれている否かを判断する(図3のステップS01)。
受信した鋼管Kの予定鋼種が、記憶している予定鋼種のリストに含まれていない場合には、総合演算制御部4は、受信した鋼管Kの予定鋼種が新たな予定鋼種である旨の警報を発すること等によってオペレータに報知する。オペレータは、その新たな予定鋼種を総合演算制御部4が記憶している予定鋼種のリストに追加すると共に、以下に説明する鋼種判定のロジックを、新たに追加した鋼種も判定できるように変更する(図3のステップS02)。以下に説明する鋼種判定のロジックは、受信した鋼管Kの予定鋼種が総合演算制御部4に記憶されている予定鋼種のリストに含まれている場合を例に挙げて説明する。
次いで、総合演算制御部4は、火花試験演算制御部21から受信した火花データに基づいて、判定対象である鋼管Kの鋼種を第1鋼種リストに含まれるいずれかの鋼種(又は鋼種群)であると判定する(以下、この判定した鋼種を第1判定鋼種という)(図3のステップS1)。このとき、第1鋼種リストに含まれるいずれの鋼種にも判定できない場合には、総合演算制御部4は、マーキング部5によって判定対象である鋼管Kに判定不可の旨をマーキングすると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
次いで、総合演算制御部4は、蛍光X線演算制御部31から受信した蛍光X線分析データ(各合金元素の含有量データ)に基づいて、判定対象である鋼管Kの鋼種を第2鋼種リストに含まれるいずれかの鋼種(又は鋼種群)であると判定する(以下、この判定した鋼種を第2判定鋼種という)(図3のステップS2)。このとき、第2鋼種リストに含まれるいずれの鋼種にも判定できない場合には、総合演算制御部4は、マーキング部5によって判定対象である鋼管Kに判定不可の旨をマーキングすると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
次いで、総合演算制御部4は、火花データに基づいて判定された第1判定鋼種と、蛍光X線分析データに基づいて判定された第2判定鋼種と、上位コンピュータ8から受信した予定鋼種とを用いて、以下のように鋼種を判定する。
まず、総合演算制御部4は、第1判定鋼種と第2判定鋼種とが対応する鋼種であるか否かを判定する(図3のステップS3)。ここで、第1判定鋼種と第2判定鋼種とが対応する鋼種であるとは、具体的には以下の(a)〜(e)のいずれかのケースに該当する場合を意味する。
(a)第1判定鋼種が炭素鋼のいずれか(例えば、[C]≦0.10など)であり、第2判定鋼種が炭素鋼である。
(b)第1判定鋼種がBBS鋼であり、第2判定鋼種が第2の鋼種群(BBS鋼、又は1Cr鋼)である。
(c)第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)であり、第2判定鋼種が第2の鋼種群(BBS鋼、又は1Cr鋼)である。
(d)第1判定鋼種が第3の鋼種群(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni、又は[C]≦0.20のCr−Mo鋼)であり、第2判定鋼種がMo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、又はCr−Mo鋼のいずれかである。
(e)第1判定鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼であり、第2判定鋼種がCr−Mo鋼である。
(e)第1判定鋼種が中・高合金鋼であり、第2判定鋼種が中・高合金鋼のいずれか(例えば、Ni鋼など)である。
第1判定鋼種と第2判定鋼種とが対応しない鋼種である場合、例えば、第1判定鋼種が中・高合金鋼であるのに第2判定鋼種が炭素鋼である場合には、火花試験及び蛍光X線分析のいずれか一方が正しく施されていないおそれがある。従って、総合演算制御部4は、判定不可とし、マーキング部5によって判定対象である鋼管Kに判定不可の旨をマーキングすると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。このように、第1判定鋼種と第2判定鋼種とが対応する鋼種であるか否かを判定するので、鋼種判定の精度が高くなる。
第1判定鋼種と第2判定鋼種とが対応する鋼種である場合には、総合演算制御部4は、以下のようにして鋼種を判定する。
<第1判定鋼種が炭素鋼のいずれか、又はBBS鋼の場合>
総合演算制御部4は、第1判定鋼種が炭素鋼のいずれか、又はBBS鋼であるか否かを判定する(図3のステップS4)。なお、第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)である場合に、第2判定鋼種が炭素鋼であれば(前述した(a)のケース)、この第1判定鋼種は炭素鋼のいずれかであると判定し、第2判定鋼種が第2の鋼種群(BBS鋼、又は1Cr鋼)であれば(前述した(c)のケース)、この第1判定鋼種は炭素鋼のいずれでもないと判定する(低合金綱であると判定する)。
第1判定鋼種が炭素鋼のいずれか、又はBBS鋼である場合には、総合演算制御部4は、第1判定鋼種が予定鋼種と同一であるか否かを判定する(図3のステップS5)。なお、第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)である場合には、予定鋼種が0.10<[C]≦0.20の炭素鋼であれば、第1判定鋼種が予定鋼種と同一であると判定する。
第1判定鋼種が予定鋼種と同一である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、第1判定鋼種が予定鋼種と同一でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種でない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
予定鋼種が炭素鋼やBBS鋼であるときのように、予定鋼種の分類の区分と第1鋼種リストの分類の区分とがほぼ同一である場合には、第1判定鋼種が予定鋼種と同一であるか否かによって、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種であるか否かを判定することになる。
<第1判定鋼種が中・高合金鋼の場合>
第1判定鋼種が炭素鋼、又はBBS鋼でない場合、総合演算制御部4は、第1判定鋼種が中・高合金鋼であるか否かを判定する(図3のステップS6)。第1判定鋼種が中・高合金鋼である場合には、総合演算制御部4は、第2判定鋼種が予定鋼種と同一であるか否かを判定する(図3のS7)。第2判定鋼種が予定鋼種と同一である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、第2判定鋼種が予定鋼種と同一でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種でない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
予定鋼種が中・高合金鋼であるときのように、予定鋼種の分類の区分と第2鋼種リストの分類の区分とが同一である場合には、第2判定鋼種が予定鋼種と同一であるか否かによって、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種であるか否かを判定することになる。
<第1判定鋼種が低合金鋼のいずれかである場合>
第1判定鋼種が炭素鋼、BBS鋼、及び中・高合金鋼のいずれでもない場合、つまり低合金鋼のいずれかである場合には、以下の(i)〜(iii)のようにして鋼種を判定する(図3のS8)。
(i)まず、総合演算制御部4は、第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)であるか否かを判定する。第1判定鋼種が第1の鋼種群である場合(第1判定鋼種と第2判定鋼種とは対応するため、この場合、第2判定鋼種は第2の鋼種群である)には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が1Cr鋼であると判定し、予定鋼種が1Cr鋼であるか否かを判定する。予定鋼種が1Cr鋼である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、予定鋼種が1Cr鋼でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種ではない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
(ii)第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)でない場合、総合演算制御部4は、第1判定鋼種が第3の鋼種群(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、又は[C]≦0.20のCr−Mo鋼)であるか否かを判定する。第1判定鋼種が第3の鋼種群である場合、総合演算制御部4は、第2判定鋼種が、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、及びCu−Ni鋼のいずれかであるか否かを判定する。第2判定鋼種がMo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、及びCu−Ni鋼のいずれかである場合には、総合演算制御部4は、第2判定鋼種が予定鋼種と同一であるか否かを判定する。第2判定鋼種が、予定鋼種と同一である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、第2判定鋼種が、予定鋼種と同一でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種ではない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
一方、第1判定鋼種が第3の鋼種群であり、なお且つ、第2判定鋼種が、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、及びCu−Ni鋼のいずれでもない場合(すなわち、第2判定鋼種がCr−Mo鋼である場合)、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が[C]≦0.20のCr−Mo鋼であると判定し、予定鋼種が[C]≦0.20のCr−Mo鋼であるか否かを判定する。予定鋼種が[C]≦0.20のCr−Mo鋼である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、予定鋼種が[C]≦0.20のCr−Mo鋼でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種ではない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
(iii)第1判定鋼種が第1の鋼種群(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、又は1Cr鋼)、及び第3の鋼種群(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、又は[C]≦0.20のCr−Mo鋼)のいずれでもない場合(すなわち、第1判定鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼である場合)、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼であると判定し、予定鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼であるか否かを判定する。予定鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼である場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種である、すなわち異材ではないと判定し、その旨を上位コンピュータ8に送信する。一方、予定鋼種が[C]>0.20のCr−Mo鋼でない場合には、総合演算制御部4は、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種ではない、すなわち異材であると判定し、その旨をマーキング部5によって鋼管Kにマーキングさせると共に、その旨を上位コンピュータ8に送信する。
上述のように、火花試験単独では、0.10<[C]≦0.20の炭素鋼と1Cr鋼とが同一の鋼種(第1の鋼種群)に分類され、両者の弁別ができない。一方、蛍光X線分析単独では、1Cr鋼とBBS鋼とが同一の鋼種(第2の鋼種群)に分類され、両者の弁別ができない。しかしながら、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果に基づき鋼種を判定することにより、判定対象である鋼管Kの鋼種を3種類の鋼種(0.10<[C]≦0.20の炭素鋼、1Cr鋼及びBBS鋼)に弁別することが可能である。
また、火花試験単独では、[C]>0.20のCr−Mo鋼を他の4種類の鋼種(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、[C]≦0.20のCr−Mo鋼)から弁別できるものの、4種類の鋼種同士は同一の鋼種(第3の鋼種群)に分類され、弁別できない。一方、蛍光X線分析単独では、[C]≦0.20のCr−Mo鋼と[C]>0.20のCr−Mo鋼とが同一の鋼種(Cr−Mo鋼)に分類され、両者の弁別ができない。しかしながら、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果に基づき鋼種を判定することにより、判定対象である鋼管Kの鋼種を5種類の鋼種(Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、[C]≦0.20のCr−Mo鋼、[C]>0.20のCr−Mo鋼)に弁別することが可能である。
このように、火花試験及び蛍光X線分析の双方の結果を用いて鋼種を判定すれば、炭素量と各合金元素の種類及び量とが分かるので、火花試験及び蛍光X線分析のうちのいずれか一方を施す場合よりも鋼種判定できる鋼種の範囲が広くなる。このため、判定対象である鋼管Kの鋼種が予定鋼種であるか否かの判定の精度が高くなる。
搬送ラインLにおいて適正な鋼種判定を行うには、火花試験によって判定された第1判定鋼種と、蛍光X線分析によって判定された第2判定鋼種とが、同一の鋼管Kに対する判定結果でなければならない。火花試験部2と蛍光X線分析部3との間に搬送ライン外から新たな鋼管Kが搬入されると、搬入された鋼管Kには蛍光X線分析部3によって蛍光X線分析のみが施され、火花試験部2による火花試験が施されないことになる。この際、総合演算制御部4が、火花試験によって判定された第1判定鋼種と蛍光X線分析によって判定された第2判定鋼種とをそれぞれが判定された順番に紐付けて鋼種判定する場合(鋼種判定を開始してからn番目の第1判定鋼種と、n番目の第2判定鋼種とを紐付け、紐付けられた第1判定鋼種及び第2判定鋼種に基づきn番目の鋼管Kを鋼種判定する場合)、搬入された鋼管Kに対して搬送ライン上流側に直近する鋼管Kの第1判定鋼種が、搬入された鋼管Kの第1判定鋼種として誤って紐付けられるので、搬入された鋼管Kの鋼種を適正に判定できないことになる。同様に、搬入された鋼管Kよりも上流側に位置する全ての鋼管Kについても、第1判定鋼種と第2判定鋼種とが誤って紐付けられるので、鋼管Kの鋼種を適正に判定できないことになる。
また、火花試験が施された後の鋼管Kが、火花試験部2と蛍光X線分析部3との間から搬送ライン外に搬出される場合には、搬出された鋼管Kには蛍光X線分析部3による蛍光X線分析が施されない。このため、搬出された鋼管Kの第1判定鋼種が、搬出された鋼管Kに対して搬送ライン上流側に直近する鋼管K(この鋼管Kは搬送ライン外に搬出されないものとする)の第1判定鋼種として扱われる。そして、搬出された鋼管Kの第1判定鋼種と、搬出された鋼管Kに対して搬送ライン上流側に直近する鋼管Kの第2判定鋼種とが誤って紐付けられるので、搬送ライン上流側に直近する鋼管Kの鋼種を適正に判定できないことになる。搬出された鋼管Kよりも上流側に位置する全ての鋼管Kについても同様である。
そこで、本実施形態に係る鋼種判定システム1は、火花試験部2と蛍光X線分析部3との間において、搬送ラインLへの鋼管Kの搬入及び搬送ラインLからの鋼管Kの搬出を行わないように構成されている。具体的には、火花試験部2と蛍光X線分析部3との間において、搬送ラインLに鋼管Kの搬入口や搬出口が設けられていない。
本実施形態に係る鋼種判定システム1によれば、同一の鋼管Kに対して火花試験及び蛍光X線分析の双方が施され、火花試験部2と蛍光X線分析部3との間に鋼管Kが搬入されることや、火花試験部2と蛍光X線分析部3との間から鋼管Kが搬出されることがない。このため、鋼管Kの搬入・搬出に起因して、火花試験によって判定された第1判定鋼種と蛍光X線分析によって判定された第2判定鋼種とが誤って紐付けられることがなく、同一の鋼管Kに対する適正な第1判定鋼種及び第2判定鋼種を用いて鋼種を判定できる。
以上に説明した第1の実施形態において、判定対象である鋼管Kの鋼種が、搬送されることが予定されている鋼種(予定鋼種)と同一であるか否かを火花試験や蛍光X線分析で判定する場合、判定対象鋼管Kの火花試験や蛍光X線分析の結果が、予定鋼種に応じて予め決められた所定の判定基準内にあるか否かで判定される。すなわち、火花試験や蛍光X線分析の結果が所定の判定基準内にあれば予定鋼種と同一の鋼種の鋼管Kであると判定され、所定の判定基準外であれば予定鋼種と異なる鋼種の鋼管(異材)Kであると判定される。前記所定の判定基準は、同一鋼種であっても火花試験や蛍光X線分析の結果にバラツキが生じることを考慮し、同一の鋳造ロットの鋼管Kであるか否かに関わらず、各鋼種毎に多数の鋼管Pの火花試験や蛍光X線分析の結果のバラツキから決定される場合が多い。
より具体的には、判定対象鋼管Kに火花試験を施すことによって得られた火花データを、第1鋼種リストに含まれる各鋼種毎に予め決められた所定の判定基準と対比し、前記火花データが所定の判定基準内にあれば、その判定基準を有する鋼種が第1判定鋼種であると判定する。また、判定対象鋼管Kに蛍光X線分析を施すことによって得られた蛍光X線分析データを、第2鋼種リストに含まれる各鋼種毎に予め決められた所定の判定基準と対比し、前記蛍光X線分析データが所定の判定基準内にあれば、その判定基準を有する鋼種が第2判定鋼種であると判定する。そして、前述のように、第1判定鋼種及び第2判定鋼種に基づき、判定対象鋼管Lの鋼種を判定し、これが予定鋼種と同一であるか否かを判定する。なお、第1判定鋼種及び第2判定鋼種の判定基準は、予定鋼種を含む搬送ラインLで搬送される全ての鋼種の判定基準に即して予め決められている。
一方、鋼管Kの搬送ラインLでは、鋳造ロットを搬送単位として鋼管Kを搬送する場合が多い。すなわち、同一のタイミングで鋳造された鋳片から製造された複数の鋼管Kを纏めて1つの鋳造ロットとし、この鋳造ロット毎に鋼管Kを搬送する場合が多い。
前述した所定の判定基準に基づく異材判定では、判定対象鋼管Kの鋼種が予定鋼種と同一である限り、たとえ判定対象鋼管Kが予定された鋳造ロットとは異なる鋳造ロットから混入した鋼管Kであったとしても、異材と判定されないことになる。
しかしながら、鋼管K毎の製造履歴を明確にする要求が増加している昨今の状況に鑑みれば、たとえ判定対象鋼管Kの鋼種が予定鋼種と同一であったとしても、判定対象鋼管Kが予定された鋳造ロットとは異なる鋳造ロットから混入した鋼管Kであるか否かを判定することが望ましい。
本発明者らは、上記の点について鋭意検討した結果、同一の鋳造ロット内での火花試験や蛍光X線分析の結果のバラツキは、異なる鋳造ロットでの火花試験や蛍光X線の結果のバラツキよりも小さいことを見出した。このため、判定対象鋼管Kが予定された鋳造ロットの鋼管K材であるか否かを判定するための判定基準として、前述した異材を判定するための所定の判定基準の範囲よりも小さい範囲の判定基準を用いれば良いことに想到した。
すなわち、搬送ラインLで、鋳造ロットを搬送単位として鋼管Kを搬送することが予定されている場合、好ましい態様として、総合演算制御部4は、判定対象鋼管Kの火花試験の結果が、搬送されることが予定された鋳造ロットの鋼種(予定鋼種)について予め決められた所定の範囲長を有する第1の火花試験判定基準内にあるか否かと、判定対象鋼管Kの蛍光X線分析の結果が、予定鋼種について予め決められた所定の範囲長を有する第1の蛍光X線分析判定基準内にあるか否かとに基づいて、判定対象鋼管Kの鋼種が予定鋼種と同一であるか否かを判定する。
そして、総合演算制御部4は、判定対象鋼管Kの鋼種が予定鋼種と同一であると判定した場合に、当該判定対象鋼管Kと同一の搬送単位で搬送された鋼管Kのうち、最初に予定鋼種と同一であると判定された鋼管K(以下、基準鋼管という)の火花試験の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の火花試験判定基準を決定し、判定対象鋼管Kの火花試験の結果が第2の火花試験判定基準外であれば、判定対象鋼管Kは予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定する。また、総合演算制御部4は、基準鋼管Kの蛍光X線分析の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の蛍光X線分析基準を決定し、判定対象鋼管Kの蛍光X線分析の結果が第2の蛍光X線分析基準外であれば、判定対象鋼管Kは予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定する。
具体的には、総合演算制御部4には、搬送することが予定されている鋼管Kの鋳造ロットNo.が上位コンピュータ8から送信される。総合演算制御部4は、同一の鋳造ロットNo.を有する鋼管Kのうち最初の1本目の鋼管Kについては、第1の火花試験判定基準及び第1の蛍光X線分析判定基準により、鋼種判定(異材判定)を行う。そして、1本目の鋼管Kが異材ではない(1本目の鋼管Kの鋼種が予定鋼種と同一である)と判定した場合には、総合演算制御部4は、同一の鋳造ロットNo.を有する2本目以降の鋼管Kについても第1の火花試験判定基準及び第1の蛍光X線分析判定基準により、鋼種判定(異材判定)を行うのに加えて、第2の火花試験判定基準及び第2の蛍光X線分析判定基準により、予定された鋳造ロットの鋼管Kであるか否かも判定する。
第2の火花試験判定基準は、最初に異材ではないと判定された鋼管K(以下、基準鋼管という。上記の例では1本目の鋼管K)の火花試験の結果を基準として所定の範囲長(2α)を有するように決定される。第2の火花試験判定基準の範囲長(2α)は、予定鋼種の同一鋳造ロット内での火花試験の結果のバラツキのみを考慮して、第1の火花試験判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定されている。総合演算制御部4は、2本目以降の判定対象鋼管Kの火花試験の結果が第2の火花試験判定基準外であれば、当該判定対象鋼管Kは予定された鋳造ロットの鋼管ではないと判定する。
例えば、基準鋼管Kについてのある火花総数の測定値がY個である場合には、火花総数についての第2の火花試験判定基準は、(Y−α)個〜(Y+α)個に決定される。2本目以降の判定対象鋼管Kについての火花総数の測定値がこの第2の火花試験判定基準外であれば、当該判定対象鋼管Kは、予定された鋳造ロットの鋼管ではない、すなわち基準鋼管Kと同一の鋳造ロットの鋼管ではないと判定する。第2の火花試験判定基準の範囲長(2α)は、例えば、同一鋳造ロット内での鋼管Kの火花総数のバラツキ(標準偏差)の6倍とされる。第2の火花試験判定基準の範囲長(2α)は、各火花データ毎に決定される。
また、第2の蛍光X線分析判定基準は、最初に異材ではないと判定された基準鋼管K(上記の例では1本目の鋼管K)の蛍光X線分析の結果を基準として所定の範囲長(2β)を有するように決定される。第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長(2β)は、予定鋼種の同一鋳造ロット内での蛍光X線分析の結果のバラツキのみを考慮して、第1の蛍光X線分析判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定されている。総合演算制御部4は、2本目以降の判定対象鋼管Kの蛍光X線分析の結果が第2の蛍光X線分析判定基準外であれば、当該判定対象鋼管Kは予定された鋳造ロットの鋼管ではないと判定する。
例えば、基準鋼管Kについてのある合金元素Yの分析値がZ質量%である場合には、合金元素Yについての第2の蛍光X線分析判定基準は、(Z−β)質量%〜(Z+β)質量%に決定される。2本目以降の判定対象鋼管Kについての合金元素Yの分析値がこの第2の火花試験判定基準外であれば、当該判定対象鋼管Kは、予定された鋳造ロットの鋼管ではない、すなわち基準鋼管Kと同一の鋳造ロットの鋼管ではないと判定する。第2の火花試験判定基準の範囲長(2β)は、例えば、同一鋳造ロット内での鋼管Kの組成のバラツキ(標準偏差)の6倍とされる。第2の火花試験判定基準の範囲長(2β)は、各合金元素毎に決定される。
図4は、第1の火花試験判定基準と第2の火花試験判定基準との関係の一例を示す図である。図4(a)は火花総数についての両基準の関係を、図4(b)は破裂火花率についての両基準の関係を示す。図4の横軸は、搬送された鋼管Kの本数を意味し、図4の縦軸は、各火花データの値を示す。
図4に示すように、第1の火花試験判定基準は、予定されている鋳造ロットの違いに関係なく、一定の値に設定される。図4(a)に示す例では、火花総数についての第1の火花試験判定基準が50〜3500個(範囲長:3450個)に設定され、図4(b)に示す例では、破裂火花率についての第1の火花試験判定基準が10〜32%(範囲長:22%)に設定されている。
図4に示すように、予定されている各鋳造ロットA、B及びCの最初の1本目の鋼管K(図4において黒で塗りつぶしたデータ点)の火花総数及び破裂火花率は、全て第1の火花試験判定基準内にあるため、予定鋼種と同一である(異材ではない)と判定されたとする。この場合、各鋳造ロットA、B及びCの最初の1本目の鋼管Kの火花総数及び破裂火花率をそれぞれ基準として、第1の火花試験判定基準の範囲長よりも小さい所定の範囲長(2α)を有する第2の火花試験判定基準が決定される。例えば、鋳造ロットAの1本目の鋼管Kの火花総数がY1個である場合には、鋳造ロットAの2本目以降の鋼管Kに対する第2の火花試験判定基準は、(Y1−α)個〜(Y1+α)個に決定される。鋳造ロットBの1本目の鋼管Kの火花総数がY2個である場合には、鋳造ロットBの2本目以降の鋼管Kに対する火花総数についての第2の火花試験判定基準は、(Y2−α)個〜(Y2+α)個に決定される。鋳造ロットCについても同様である。また、破裂火花率についても同様である。
図4に示す例では、火花総数についての第2の火花試験判定基準の範囲長(2α)は420個、破裂火花率についての第2の火花試験判定基準の範囲長(2α)は10.8%に決定されており、それぞれ、第1の火花試験判定基準の範囲長よりも小さい値である。
図4に示す例では、予定されている各鋳造ロットA、B及びCの2本目以降の鋼管Kの火花総数及び破裂火花率は、全て第2の火花試験判定基準内にあるため、いずれも予定された鋳造ロットの鋼管であると判定される。
なお、上記の判定は、全ての火花データについて実施するのが好ましいものの、任意の火花データに対して行うことも可能である。また、各鋳造ロットの1本目の鋼管Kが異材であると判定された場合には、2本目以降で最初に異材ではないと判定された鋼管Kの火花データを基準として第2の火花試験判定基準を決定すればよい。
図5は、第1の蛍光X線分析判定基準と第2の蛍光X線分析判定基準との関係の一例を示す図である。図5(a)はMnについての両基準の関係を、図4(b)はMoについての両基準の関係を、図5(c)はNiについての両基準の関係を、図5(d)はCrについての両基準の関係を示す。図4の横軸は、搬送された鋼管Kの本数を意味し、図4の縦軸は、各合金元素の分析値を示す。
図5に示すように、第1の蛍光X線分析判定基準は、予定されている鋳造ロットの違いに関係なく、一定の値に設定される。図5(a)に示す例では、Mnについての第1の蛍光X線分析判定基準が0.45〜1.15質量%(範囲長:0.70質量%)に設定され、図5(b)に示す例では、Moについての第1の蛍光X線分析判定基準が0.06〜1.10質量%(範囲長:1.04質量%)に設定され、図5(c)に示す例では、Niについての第1の蛍光X線分析判定基準が0.21〜3.00質量%(範囲長:2.79質量%)に設定され、図5(d)に示す例では、Crについての第1の蛍光X線分析判定基準が0.00〜1.65質量%(範囲長:1.65質量%)に設定されている。
図5に示すように、予定されている各鋳造ロットD、E及びFの最初の1本目の鋼管K(図5において黒で塗りつぶしたデータ点)の各合金元素の分析値は、全て第1の蛍光X線分析判定基準内にあるため、予定鋼種と同一である(異材ではない)と判定されたとする。この場合、各鋳造ロットD、E及びFの最初の1本目の鋼管Kの各合金元素の分析値をそれぞれ基準として、第1の蛍光X線分析判定基準の範囲長よりも小さい所定の範囲長(2β)を有する第2の蛍光X線分析判定基準が決定される。例えば、鋳造ロットDの1本目の鋼管KのMnの分析値がY1質量%である場合には、鋳造ロットDの2本目以降の鋼管Kに対する第2の蛍光X線分析判定基準は、(Y1−β)質量%〜(Y1+β)質量%に決定される。鋳造ロットEの1本目の鋼管KのMnの分析値がY2質量%である場合には、鋳造ロットEの2本目以降の鋼管Kに対するMnについての第2の蛍光X線分析判定基準は、(Y2−β)質量%〜(Y2+β)質量%に決定される。鋳造ロットFについても同様である。また、その他の合金元素についても同様である。
図5に示す例では、Mnについての第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長(2β)は0.18質量%、Moについての第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長(2β)は0.24質量%、Niについての第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長(2β)は0.86質量%、Crについての第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長(2β)は0.24質量%に決定されており、それぞれ、第1の蛍光X線分析判定基準の範囲長よりも小さい値である。
図5に示す例では、鋳造ロットFの2本目の鋼管KのMnの分析値(図5(a))と、鋳造ロットFの6本目の鋼管KのNiの分析値(図5(c))とが、第2の火花試験判定基準外であるため、いずれも予定された鋳造ロットFの鋼管ではないと判定される。
なお、上記の判定は、全ての合金元素の分析値について実施するのが好ましいものの、任意の合金元素の分析値に対して行うことも可能である。また、各鋳造ロットの1本目の鋼管Kが異材であると判定された場合には、2本目以降で最初に異材ではないと判定された鋼管Kの合金元素の分析値を基準として第2の火花試験判定基準を決定すればよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る鋼材の鋼種判定方法について説明する。
本実施形態に係る鋼材の鋼種判定方法は、判定しようとする鋼管Kの鋼種が搬送ラインLで搬送され得る全ての鋼種のうちのいずれの鋼種であるかを判定する方法である。
すなわち、本実施形態に係る鋼種判定方法では、予定鋼種と同一であるか否かの判定を行わずに、第1判定鋼種及び第2判定鋼種に基づき、判定対象である鋼管Kの鋼種が搬送ラインLで搬送される全ての鋼種のリスト(図2)に含まれるいずれの鋼種に該当するかを判定する。
従い、予定鋼種と同一であるか否かの判定を行わないという点を除いては、第1の実施形態と同様の判定ロジックになるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
なお、第1及び第2の実施形態において判定する鋼種は、図2で例示したような鋼種に限られず、火花試験及び蛍光X線分析のうちのいずれか一方の結果、又は双方の結果に基づき判定できる鋼種ならどのような鋼種でもよい。また、炭素鋼等における炭素量の区分も例示した区分に限られず、どのような区分でもよい。
また、火花試験部2で火花試験を施すためにグラインダー等で削った鋼管Kの箇所について、蛍光X線分析部3で蛍光X線分析を施すようにしてもよい。このようにすれば、鋼管Kの表面の酸化スケール等が除去されているので、蛍光X線分析の分析精度が高くなる。
さらに、総合演算制御部4がディスプレイやスピーカー等の報知手段を具備するものとし、この報知手段で判定結果を報知するようにしてもよい。
1・・・鋼種判定システム
2・・・火花試験部
21・・・火花試験演算制御部
3・・・蛍光X線分析部
31・・・蛍光X線演算制御部
4・・・総合演算制御部
5・・・マーキング部
L・・・搬送ライン

Claims (3)

  1. 搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、
    前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、
    前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、
    前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行わず、
    前記鋼種を判定する鋼材が、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼、1Cr鋼及びBBS鋼のうちのいずれかである場合、
    前記判定ステップは、
    前記鋼材に対する火花試験の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼及び1Cr鋼を含む第1の鋼種群、又は、BBS鋼のいずれか一方に分類すると共に、前記鋼材に対する蛍光X線分析の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、炭素鋼、又は、1Cr鋼及びBBS鋼を含む第2の鋼種群のいずれか一方に分類する第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第1の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき炭素鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.10質量%を超え0.20質量%以下である炭素鋼であると判定し、
    前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第1の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき第2の鋼種群に分類された場合、前記鋼材の鋼種は1Cr鋼であると判定し、
    前記第1ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づきBBS鋼に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づき第2の鋼種群に分類された場合、前記鋼材の鋼種はBBS鋼であると判定する第2ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼材の鋼種判定方法。
  2. 搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、
    前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、
    前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、
    前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行わず、
    前記鋼種を判定する鋼材が、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼、炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼及び炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼のうちのいずれかである場合、
    前記判定ステップは、
    前記鋼材に対する火花試験の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及び炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼を含む第3の鋼種群、又は、炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼のいずれか一方に分類すると共に、前記鋼材に対する蛍光X線分析の結果に基づき、前記鋼材の鋼種を、Mo鋼、Cu−Ni−Mn鋼、Cu−Ni鋼及びCr−Mo鋼のうちのいずれか一つに分類する第3ステップと、
    前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきMo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はMo鋼であると判定し、
    前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCu−Ni−Mn鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はCu−Ni−Mn鋼であると判定し、
    前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCu−Ni鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種はCu−Ni鋼であると判定し、
    前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき第3の鋼種群に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCr−Mo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.20質量%以下のCr−Mo鋼であると判定し、
    前記第3ステップにおいて、前記鋼材の鋼種が、前記火花試験の結果に基づき炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼に分類され、なお且つ、前記蛍光X線分析の結果に基づきCr−Mo鋼に分類された場合、前記鋼材の鋼種は炭素量が0.20質量%を超えるCr−Mo鋼であると判定する第4ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼材の鋼種判定方法。
  3. 搬送ラインを搬送される鋼材の鋼種を判定する方法であって、
    前記搬送ラインにおいて搬送される鋼材に火花試験及び蛍光X線分析を順次施す分析ステップと、
    前記分析ステップによって得られた火花試験及び蛍光X線分析の結果に基づいて前記鋼材の鋼種を判定する判定ステップとを含み、
    前記搬送ラインにおける前記火花試験を施す箇所と前記蛍光X線分析を施す箇所との間において、前記搬送ラインへの鋼材の搬入及び前記搬送ラインからの鋼材の搬出を行わず、
    前記搬送ラインでは鋳造ロットを搬送単位として鋼材を搬送することが予定されており、
    前記判定ステップにおいては、前記分析ステップによって得られた判定対象である前記鋼材(以下、判定対象鋼材という)の火花試験の結果が、前記搬送されることが予定された鋳造ロットの鋼種(以下、予定鋼種という)について予め決められた所定の範囲長を有する第1の火花試験判定基準内にあるか否かと、前記分析ステップによって得られた前記判定対象鋼材の蛍光X線分析の結果が、前記予定鋼種について予め決められた所定の範囲長を有する第1の蛍光X線分析判定基準内にあるか否かとに基づいて、前記判定対象鋼材の鋼種が前記予定鋼種と同一であるか否かを判定し、
    前記判定ステップで前記判定対象鋼材の鋼種が前記予定鋼種と同一であると判定された場合に、当該判定対象鋼材と同一の搬送単位で搬送された鋼材のうち、最初に前記予定鋼種と同一であると判定された鋼材(以下、基準鋼材という)の前記火花試験の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の火花試験判定基準を決定し、前記判定対象鋼材の前記火花試験の結果が前記第2の火花試験判定基準外であれば、前記判定対象鋼材は前記予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定すると共に、前記基準鋼材の前記蛍光X線分析の結果を基準として所定の範囲長を有する第2の蛍光X線分析基準を決定し、前記判定対象鋼材の前記蛍光X線分析の結果が前記第2の蛍光X線分析基準外であれば、前記判定対象鋼材は前記予定された鋳造ロットの鋼材ではないと判定する鋳造ロット判定ステップを更に含み、
    前記第2の火花試験判定基準の範囲長は、前記予定鋼種の同一鋳造ロット内での火花試験の結果のバラツキのみを考慮して、前記第1の火花試験判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定され、
    前記第2の蛍光X線分析判定基準の範囲長は、前記予定鋼種の同一鋳造ロット内での蛍光X線分析の結果のバラツキのみを考慮して、前記第1の蛍光X線分析判定基準の範囲長よりも小さくなるように予め決定されていることを特徴とする鋼材の鋼種判定方法。
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