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JP6034629B2 - 撮像素子及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents
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Description

本発明は、撮像素子に関し、特にデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどに用いられる撮像素子などに関するものである。
デジタルスチルカメラやビデオカメラにおいて、AF(自動焦点調節)用距離検出技術が知られている。このようなAF用距離検出技術に関し、特許文献1では、撮像素子の一部の画素に測距機能を持たせ、位相差方式で被写体距離を検出するようにした測距装置が提案されている。この位相差方式とは、結像光学系の瞳上の異なる領域を通過した光の像を比較し、ステレオ画像による三角測量を用いて距離を検出する方法である。これによると、従来のコントラスト方式とは異なり、距離を測定するためにレンズを動かす必要が無いため、高速、高精度なAFが可能となる。また、動画撮影時にリアルタイムAFが可能になる。上記特許文献1では、測距用画素の構造として、マイクロレンズとその下に導波路と複数の光電変換部を設けた構成が開示されている。これにより、結像光学系の瞳上の異なる領域を通過した光を、対応する異なる光電変換部に導き、被写体距離を測定することができる。
特開2009−158800号公報
しかしながら、上記した特許文献1の構成において、撮像素子の周辺部や、非常に明るい結像光学系を用いた場合など、測距用画素に大きな角度で入射する光束が多くなると、測距精度が悪化するということがある。このような光束は、導波路の高次の固有モードと結合し易く、導波路内に電場分布が広がった導波モードで伝播し、画素内の複数の光電変換部に到達する。そのため、各瞳領域を通過した光を、それぞれ、異なる光電変換部に選択的に導くことが困難となり、瞳分割特性が劣化することになり易い。よって、三角測量における基線長が短くなり、測距精度が悪化することになり易い。
本発明は、上記課題に鑑み、測距用画素に大きな角度で入射する光束を多く含む測距条件においても、高精度な測距を可能とし、特に画素サイズの小さい場合においても、高精度な測距を可能とする撮像素子、及びそれを用いた測距装置等の提供を目的とする。
本発明の撮像素子は、被写体の像を結像する光学系の射出瞳からの光束を受光して光電変換する複数の画素を有する。前記複数の画素のうち少なくとも一部の画素は、射出瞳内の互いにずれた複数の瞳領域からの光束をそれぞれ受光して光電変換する複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部へと光束を導く、コアとクラッドを含む導波路と、を有する。前記少なくとも一部の画素は、減衰部材を含む第1の画素を含む。そして、前記減衰部材は、前記第1の画素の画素中心における前記撮像素子の法線に対して、前記瞳領域のずれの方向に対応する前記第1の画素上の瞳分割方向であってかつ前記複数の瞳領域のうち前記法線との角度が大きい光束を多く含む瞳領域に対応する光電変換部とは逆側のクラッドにのみ配置されている。
本発明の撮像素子を光学系に対して適切に位置決めするとき、大きな角度で入射する光束を多く含む測距条件でも、前記減衰部材の存在により、高精度な測距を行うことができ、特に画素サイズが小さい場合でも、高精度な測距が可能な測距装置等を実現できる。
本発明の撮像素子の実施例1を用いた測距装置の概略断面図。 実施例1の撮像素子に含まれる測距用画素の概略断面図。 実施例1における測距用画素104による検出光量の入射角度依存性を示す図。 実施例1の撮像素子の構成例の概略平面図。 実施例1の撮像素子の他の構成例と射出瞳内の複数の瞳領域の概略平面図。 実施例1の測距装置に含まれる他の測距用画素の概略断面図。 実施例1の測距装置に含まれる他の測距用画素の概略断面図。 実施例1における撮像システムないし撮像装置の概略断面図。
本発明の撮像素子は、測距用画素の導波路に入射する光束の入射角に応じて、導波路内の光伝播状態(導波モード)が異なるという特性を考慮して構成されたものである。具体的には、画素内に導波路と複数の光電変換部を配置し、導波路の構造を適切に形成する。更に、導波路のクラッドに減衰部材を配置し、測距用画素に大きな角度で入射し導波路内を伝播する光の一部を減衰させる構成とする。これにより、測距用画素に大きな角度で入射する光束を多く含む測距条件においても、結像光学系の射出瞳の互いに異なる領域を通過した光束を、対応する異なる光電変換部に選択的かつ効率的に導き、検出することができる。そして、結像光学系と撮像素子を組み合わせることで、高精度な距離測定が可能な測距装置を実現するものである。結像光学系の光軸が撮像素子の中央部を通る典型的な例で言えば、本発明の撮像素子は、複数の画素を有し、このうちの少なくとも一部の画素は、コアとクラッドからなる導波路と複数の光電変換部と減衰部材とで構成される測距用画素である。そして、減衰部材は、クラッドに配置され、結像光学系の射出瞳内の互いにずれた複数の瞳領域のずれの方向に対応する測距用画素上の瞳分割方向かつ撮像素子の中央側に配置されている。結像光学系の光軸が撮像素子の中央部を通らない場合を含んで、より一般的に言えば、本発明の撮像素子は、被写体の像を結像する光学系に対して当該撮像素子が位置決めされるときに光学系の射出瞳からの光束を受光して光電変換する複数の画素を有する。少なくとも一部の画素は、前記複数の瞳領域からの光束をそれぞれ受光して光電変換するための複数の光電変換部と、光電変換部へと光束を導くコアとクラッドからなる導波路と、で構成された測距用画素である。測距用画素の少なくとも一部の画素は、更に減衰部材を含む。そして、減衰部材は、該減衰部材を含む測距用画素の画素中心における当該撮像素子の法線に対して、前記測距用画素上の瞳分割方向であってかつ前記複数の瞳領域のうち該法線との角度が大きい光束を多く含む瞳領域に対応する光電変換部とは逆側のクラッドに配置されている。
こうした撮像素子を測距装置に備えれば、前記測距用画素の出力信号を用いて被写体の距離情報を取得して、高精度な測距をすることができる。また、こうした測距装置をデジタルカメラなどの撮像装置に備えれば、高画質の被写体画像を得ることができる。
以下、図を用いて、本発明の撮像素子を用いた測距装置ないし撮像装置の実施の形態について説明する。その際、全ての図において同一の機能を有するものは同一の数字を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(実施例1)
実施例1として、本発明の撮像素子を備える測距装置100の構成例について図1及び図2を用いて説明する。図1において、本実施例における測距装置100は、結像光学系101、撮像素子102で構成されている。結像光学系101は、像側に非テレセントリックな光学系となっている。
測距に必要な情報を取得するための画素を測距用画素と呼ぶ。撮像素子102は、複数の画素で構成され、撮像素子102の中央部(結像光学系101の光軸の通る領域)に測距用画素103、撮像素子上の瞳分割方向における周辺部に測距用画素104及び105が配置されている。図2において、測距用画素103、104、105は、光の入射側(+z側)より、導波路106(コア107、クラッド108)、基板109を有している。基板109の一部の領域には、光電変換部110、111が形成されている。基板109は、検出する光の波長帯域で吸収を有する材料、例えばSiであり、イオン打ち込みなどで、内部の少なくとも一部の領域に光電変換部110、111が形成される。光電変換部110、111の中間の位置を画素中心と呼ぶ。導波路106のコア107及びクラッド108は、撮像する波長帯域で透明な材料で形成される。例えば、SiO2、SiN、有機材料などで形成される。コア107は、クラッド108より高い屈折率を有する材料で形成される。
更に、導波路106のコア107の光出射端115側には、散乱部112が形成されている。散乱部112は、コア107よりも低い屈折率を有する媒質で形成され、例えば、クラッド108と同じ媒質で形成されている。散乱部112は、導波路106を伝播する光の一部を乱す部材である。散乱部112を設けることで、光電変換部110及び111の間の領域に入射する光を低減することができ、光電変換部110及び111がある領域に射出される光を増加することができる。
測距用画素103、104、105は、光学系の射出瞳のx方向に異なる瞳領域からの光束を、対応する異なる光電変換部110、111で取得するように構成されている。このような機能を瞳分割機能と呼び、瞳を分割する方向を瞳分割方向と呼ぶ。更に、中央部に配置された測距用画素103は、減衰部材を有していないが、周辺部の測距用画素104及び105は、減衰部材113を有している。減衰部材113は、瞳分割方向(図中のx方向)かつ撮像素子102の中央側のクラッド108中に配置されている。減衰部材113は、検出する波長帯域の光に対して、少なくとも一部の光を反射する反射媒質或いは吸収する吸収媒質で構成され、例えば、Al、W、p−Siなどで構成されている。各画素には、図示しない配線部(光電変換部と電気的に繋がっている)を備えている。
(測距原理)
図1(a)に示すように、結像光学系101は外界の像を撮像素子102上に結像する。画素の大きさに対して、結像光学系101と撮像素子102の間の距離が長い。このため、射出瞳120上の異なる領域120Ra、120Laを通過した光束120Rb、120Lbは、異なる入射角の光束として撮像素子102上に入射する。撮像素子102の測距用画素103、104、105に含まれる導波路106に光束が入射すると、光束の入射角度に応じた導波モードに変換されて導波路中を伝播する。導波モードとは、導波路の持つ複数の固有モードの和で表され、導波路中の伝播状態を示すものである。固有モードは、導波路のコア、クラッドの形状、屈折率によって一意に決まる。導波路に入射した光束は、複数の固有モードと結合し、固有の導波モードで伝播する。入射角によって、導波モードを構成する固有モードの割合は異なり、それによって、導波モードの電場分布も異なる分布となる。
各測距用画素において、導波路106の形状、媒質を適切に選択し、各光電変換部を適切な位置に配置する。これにより、各入射角に応じて変換される導波モードを制御し、光束の入射角に応じて、異なる光電変換部に選択的に光束を導くことができる。測距用画素104及び105の構成では、x方向に瞳分割機能を有し、射出瞳120の右側領域120Raからの光束は光電変換部110に導かれ、左側領域120Laからの光束は光電変換部111に導かれる。更に、測距用画素104及び105において、減衰部材113の形状・媒質を適切に選択し、適切な位置に配置することで、特に大きな角度で測距用画素に入射し、導波路内を伝播する光の一部を減衰させることができる。そして、特定の光電変換部に、より選択的に光束を導くことができる。各光電変換部110及び111に到達した光束は、電子に変換され、図示しない信号処理回路に出力される。複数の光電変換部110及び111で、異なる瞳領域を通過した光束による光像を検出し、公知の方法により、被写体測距用信号を出力し、被写体距離を検出することで、高精度な測距が可能となる。
(瞳分割性能が向上する理由)
本実施例を含む本発明の測距用画素104及び105において、撮像素子102の中央側のクラッド108に減衰部材113を配置することで、測距精度が向上する理由を述べる。図1(a)のように、撮像素子102の周辺部では、主光線121が光軸(z軸)の方向(撮像素子の法線の方向でもある)に対して傾く。図2(b)において、右側領域120Raからの光束120Rbは、光軸に対して大きな角度で測距用画素104に入射する。周辺に配置された測距用画素ほど、角度は大きくなる。左側領域120Laからの光束120Lbは、光軸方向(z方向)付近の浅い角度で入射する。光束120Rbは、導波路106の導波モード130に変換され、光束120Lbは、導波モード131に変換されて導波路中を伝播する。
大きな角度で入射する光束120Rbは、同位相面が傾き、入射端面114において、位相が不揃いの状態で入射する。入射した光束は、導波路106の高次の固有モードと結合し易く、導波モード130は高次の固有モードを多く含むモードとなる。一般的に、高次の固有モードの電場は、導波路内に広がり、低次の固有モードと比べて、コア107に含まれる電場の割合が少なく、クラッド108に漏れる割合が大きい。そのため、クラッド108に配置された減衰部材113の影響を受けやすく、導波モード130の一部の光(例を点線で示す)は減衰される。減衰部材113を、撮像素子102の中央側に配置すると、中央側に配置された光電変換部111に入射する光が減衰する。これにより、減衰部材113を設けない場合と比べて、光束120Rbを、より選択的に光電変換部110に導くことができる。
一方、光束120Lbは、入射角度が浅く、入射端面114において、ほぼ位相が揃った状態で入射する。入射した光束は、導波路106の位相が揃った低次の固有モードと結合し易く、導波モードは低次の固有モードを多く含むモードとなる。一般的に、低次の固有モードの電場は、高次の固有モードと比べて、コア107に含まれる割合が多く、クラッド108に漏れる割合は小さい。そのため、クラッド108に配置された減衰部材113の影響を受けにくい。光束120Lbは、遮光部材113が無い場合と同程度の割合で光電変換部110及び111に導かれる。
これらの効果により、減衰部材113を設けない場合と比べて、射出瞳上の異なる領域を通過した光束120Rb、120Lbを、光電変換部110及び111に、より選択的に導くことができる。こうして、複数の光電変換部110及び111で、異なる瞳領域を通過した光像を検出し、公知の方法により、被写体測距用信号を出力し、被写体距離を検出することで、高精度な測距が可能となる。測距用画素105についても同様の原理で、高精度な測距が可能となる。また、導波路内の導波モードが異なるという特性を用いることで、特に画素が小さい場合でも、異なる瞳領域を通過した光束を、対応する異なる光電変換部に導き、高精度な測距が可能となる。
(他の利点:結像光学系がズーム光学系の場合)
本発明の構成で、結像光学系101が、例えば、ズーム光学系のように、ズーム状態に応じて射出瞳位置が変動する光学系であっても、光学系の状態によらず、高精度な測距を行うことができる。射出瞳が遠くなると、各測距用画素に入射する光束の角度は浅くなる。上述のように、このような光束は、低次の固有モードを多く含む導波モードに変換されて、導波路を伝播するため、減衰部材113の影響を受けにくい。そのため、減衰部材113を設けない時と同程度の精度で、異なる瞳領域を通過した光束を、対応する異なる光電変換部に導くことができ、測距することができる。射出瞳の位置が近い場合は、主光線が傾き、各画素に大きい角度で入射する光束が増加する。しかし、こうした場合でも、前述の理由で、高精度な測距を行うことができる。
(効果)
図3に測距用画素104の導波路106を伝播し、各光電変換部がある領域に射出される光の入射角度依存性を示す。横軸は入射光の入射角度、縦軸は光電変換部110及び111がある領域に射出される光量を示している。実線110a、111aは減衰部材113がある場合、破線110b、111bは減衰部材113が無い場合を示している。図示のように、減衰部材113を設けることで、大きな角度(例えば+20度付近)で入射した光束に対して、光電変換部110がある領域に選択的に射出される光量が増加することが分かる。
図2(b)において、導波モード130で伝播する光の一部は、散乱部112の隣の−x側の領域を伝播し、光電変換部110がある領域に射出される。一方、散乱部112の隣の+x側の領域を伝播する光は、一部の光がクラッド108部に染み出し、減衰部材113によって反射され、減衰する。これにより、光電変換部111がある領域に射出される光が減少することを表している。また、左側領域(0度付近)からの光束は、減衰部材の影響が小さく、同程度の割合で各光電変換部に射出されることが分かる。これは、図2(b)において、導波モード131で伝播する光は、減衰部材113の影響が小さく、ほぼ同程度の光が光電変換部110及び111がある領域に射出されることを表している。図2(c)に示す測距用画素105についても、左右が逆転するのみで同様の原理である。以上、本発明の構成により、入射角が大きい光束を多く含む測距条件において、異なる瞳領域から入射した光束を、対応する異なる光電変換部に、より選択的に導けることが分かる。
(減衰部材:コアに接する位置に配置)
本実施例を含む本発明において、減衰部材113は、クラッド108内のコア107に近い位置に配置することが望ましい。高次の固有モードの電場は、クラッド108内において、コア107とクラッド108の境界から離れるにつれて、急激に減衰する。減衰部材113を、高次の固有モードの電場が掛る位置に配置することで、より効果的に前述した効果を得ることができる。従って、減衰部材113を、コア107とクラッド108の境界に出来るだけ近い位置に配置することが望ましく、コア107とクラッド108の境界から検出する光の波長以内の位置に設けることが望ましい。より望ましくは、コア107とクラッド108の境界に接するクラッド中の位置(即ち、コアに接する位置)に減衰部材113を配置することが望ましい。これにより、前述した減衰部材113の効果を、より効果的に得ることができる。
(減衰部材:導波路下端に配置)
導波路106を伝播し、基板109内に射出される光の電場分布は、導波路106の光出射端115における電場分布に応じて決定される。光出射端115の光電変換部111に近い位置の電場が小さいほど、光電変換部111がある領域に射出される光は小さくなる。光出射端115近傍の光電変換部111に近いクラッド中の領域に減衰部材113を配置し、この領域の電場を減衰させることで、光電変換部111に入射する高次の固有モードの光を効果的に減衰させることができる。より望ましくは、導波路106の光出射端115のレベルのクラッド中に減衰部材113を配置することが望ましい。光出射端115のレベルに設けることで、光電変換部の適切な位置に入射する光を多くすることができる。減衰部材は、光電変換部の上のクラッドの一部に設けてもよい。
(減衰部材:媒質)
本実施例を含む本発明において、減衰部材113を構成する媒質は、本実施例で例示したものに限定されるものではなく、前述した媒質とは異なる、他の金属媒質や半導体や絶縁体を用いてもよい。或いは、検出する波長帯域の光の少なくとも一部を散乱させ、反射或いは吸収させる散乱媒質を用いてもよい。減衰部材として、例えばAl、Wを用いることができる。これらの媒質を用いて、導波路106を伝播する光の一部を反射或いは吸収し、減衰させることで、前述の減衰部材113の効果を、より効果的に得ることができる。
(減衰部材:配線と異なる材料)
本実施例を含む本発明において、減衰部材113は、光電変換部で取得した信号を伝達する配線とは異なる材料(入射した光に対する光減衰の度合いが異なるもの。好適には、配線より減衰の度合いが大きいもの)の部材であることが望ましい。配線に光が入射すると、一部の光は電荷に変換され、配線を伝達する。この電荷は、配線を伝達する信号に対してノイズとなり、信号の品質を低下させる。よって、減衰部材113は、配線とは異なる材料の部材として配置することが望ましく、これにより、信号品質の低下を防ぐことができる。
(散乱部の効果)
本実施例を含む本発明の測距用画素104及び105において、散乱部112を設け、散乱部112を設けたコア107に隣接するクラッド108の部分に減衰部材113を配置することで、前述の減衰部材113の効果を更に効果的に得ることができる。散乱部112を設けると、導波路のコア107の領域が狭くなる。導波路を伝播する光が、狭い領域に閉じ込められて伝播するため、コア107内の最大の電場強度が強くなり、クラッド108に漏れる電場も強くなる。そのため、コア107近傍のクラッド108に配置された減衰部材113により、導波モードを強く減衰させることができ、前述の減衰部材113の効果を、より効果的に得ることができる。
散乱部112の幅は、検出する光の波長に対して狭すぎると、導波モードに影響を及ぼすことができず、広すぎると、一部の光を反射或いは散乱し、損失光を発生させてしまう。望ましくは、検出する光の波長に対して、0.1倍から2倍程度が望ましい。散乱部112の脇のコア107領域の幅は、光電変換部で検出する光に対して複数の固有モードが存在するマルチモード導波路の幅であることが望ましい。この領域を、高次の固有モードを多く含み、クラッド108に電場が広がり易い導波モードで伝播させることにより、減衰部材113で光を強く減衰させることができる。このことから、散乱部112の脇のコア107の部分の幅は、検出する光の波長の0.1倍から2倍程度が望ましい。より好ましくは0.5倍から1.5倍程度が望ましい。
散乱部112の高さは、検出する光の波長の十分の一以上の長さを有していることが望ましい。このような高さにすることで、上述した導波モードで、散乱部112の横の領域を伝播させることができ、減衰部材113の効果を得ることができる。
(測距用画素の配置)
本実施例を含む本発明の構成において、測距用画素を撮像素子102の全画素に配置すると、撮像素子102の任意の領域或いは全領域において測距が可能となる。また、各画素に含まれる光電変換部110及び111で取得した信号を積算し、結像光学系で結像された被写体の撮像画像の画像信号として利用することもできる。
本実施例を含む本発明において、撮像素子102上における測距用画素104及び105の配置は、本実施例に限定されるものではない。例えば、撮像素子102の全画素に測距用画素104及び105を配置してもよい。中央付近では、射出瞳120からの光束は、浅い角度で測距用画素104及び105に入射する。上述と同様の理由で、このような光束は、低次の固有モードを多く含む導波モードに変換されて、導波路106を伝播するため、減衰部材113の影響を受けにくい。そのため、減衰部材113を設けない時と同程度の精度で測距することができる。ただし、非常に明るい結像光学系を用いた場合、射出瞳の周辺部を通過する光束は、測距用画素に対して大きな角度で入射するため、撮像素子の中央部においても、測距用画素に大きな角度で入射する光束が増加することになる。このような測距条件においても、中央付近の画素に配置した測距用画素104及び105によって、異なる瞳領域からの光束を、対応する異なる光電変換部で効果的に取得することができ、高精度な測距が可能となる。
或いは、図4に示すように、測距用画素103及び104を離散的に配置し、その間に撮像用画素150を配置してもよい。撮像用画素150は、画素内に一つの光電変換部151を有する画素である。こうした場合、各測距用画素で取得した信号を用いて測距を行い、撮影用画素150で取得した信号を用いて画像を生成してもよい。また撮像用画素で取得した信号を用いて、近接する測距用画素の画像用信号を生成してもよい。このような構成とすることで、撮像素子102に占める測距用画素の割合を減らすことができ、測距と同時に、高画質な画像を撮像することができる。
或いは、図5に示すように、x方向及びy方向にそれぞれ瞳分割機能を有する複数の測距用画素を撮像素子200に配置してもよい。図5(a)のように、測距用画素103、104、105はx方向にずれて光電変換部が配置され、測距用画素201、202、203はy方向にずれて光電変換部が配置され、それぞれx方向及びy方向に画素列が配置される。測距用画素104、105は、撮像素子のx方向の周辺画素として配置され、測距用画素202、203は、y方向の周辺画素として配置されている。
図2及び図6のように、各測距用画素は、導波路等で構成される。図5(b)、図6に示すように、測距用画素201、202、203は射出瞳120のy方向にずれた領域120Ua及び120Daからの光束120Ub、120Dbを取得する。図5(b)、図2に示すように、測距用画素103、104、105は、射出瞳120のx方向にずれた領域120Ra及び120Laからの光束120Rb、120Lbを取得する。このような構成とすると、測距用画素103、104、105でx方向にコントラストの変化がある被写体の測距が、測距用画素201、202、203でy方向にコントラストの変化がある被写体の測距が可能となる。
測距用画素104及び105は、瞳分割方向であるx方向かつ撮像素子102の中央側に減衰部材113が配置され、測距用画素202及び203は、瞳分割方向であるy方向かつ撮像素子102の中央側に減衰部材113が配置されている。このような構成によって、x方向或いはy方向から大きな角度で入射する光束を多く含む条件においても、前述した減衰部材113の効果によって、異なる瞳領域からの光束を、対応する異なる光電変換部に選択的に導くことができる。そして、x方向及び/またはy方向にコントラストの変化がある被写体を高精度に測距することができる。
各測距用画素に含まれる光電変換部及び散乱部の個数及び配置は、本実施例に限定されるものではない。例えば、光電変換部を縦に2個、横に2個(合計4個)配置してよい。更には、コアを縦方向及び横方向に分離する十字形の如き散乱部を設けてもよい。このような構成にすることで、縦方向及び横方向から入射した光を分離することができる。各光電変換部で取得した信号を用いて、縦方向及び横方向にコントラストの変化を有する被写体の測距を行うことができる。或いは、画素内に、3個以上の光電変換部を横或いは縦に並べて配置し、各光電変換部を分離する散乱部を設けてもよい。射出瞳をより詳細に分割することができ、各光電変換部で取得した信号を用いて、更に高精度な測距を行うことができる。
(テーパ形状のコア、ML、CFの設置)
本実施例を含む本発明において、導波路のコア107は、入射端に向かって径が広がるテーパ形状を有していることが望ましい。コア107をテーパ形状にすると、画素の入射端全面に入射した光束を、導波路のコア107に効果的に導くことができ、基板109に射出される光を増加することができる。テーパ形状にすることで、図2や図6には示してないが、画素間のクラッド108に、電気信号を抽出するための配線を設ける空間を確保することができる。また、光が伝播する領域を画素の特定領域に限定し、隣接する画素に光が漏れて生じるクロストークを軽減することができる。
或いは、図7(a)、(b)のように、導波路106の上にマイクロレンズ161を配置してもよい。マイクロレンズ161を設けることにより、測距用画素の主にコア107に光を入射させることができ、更に、入射する光束の角度範囲を狭くすることができる。これにより、光電変換部に導かれる光束の光量を増大させることができる。また、各画素にカラーフィルタを設けてもよい。導波路に入射する光の波長帯域を限定することができ、入射した光を所望の導波モードで伝播させ易くなり、異なる瞳領域からの光を、対応する異なる光電変換部に、より選択的に導くことができる。図7(b)に示すように、マイクロレンズ161と導波路106との間に透明部を設けることもできる。ここでは、マイクロレンズ161による集光点が導波路106の入射端上に来るように構成されている。
(撮像システム)
図8のように、測距装置100と、測距装置100を制御するCPU171、撮像素子102で取得した信号の読み出し、処理、記録のための、配線172、信号処理基板173、記録装置174を設けることで、撮像システム170を構成することができる。このような構成により、測距と同時に、結像光学系101により結像された被写体像を撮像素子102により取得することができる。
以上で示したように、画素内に導波路と複数の光電変換部を設け、各導波路の形状や媒質や配置などを適切に設定することで、入射角に応じて光を効果的に分離することができる。更に、瞳分割方向かつ撮像素子の中央側(より一般的には、前述した様に、大きな角度で測距画素に入射した光束を受光するための光電変換部とは逆側)のクラッドに減衰部材を配置することで、特に、大きな角度で画素に入射する光を、より選択的に光電変換部に導くことができる。そして、高精度な距離測定が行える測距装置等が実現できる。
上述した本発明による撮像素子は、測距装置をはじめとして、測距装置を必要とするデジタルカメラなどの撮像装置に用いることができる。その際、撮像素子は、その構成に応じて、被写体の像を結像する光学系に対して適宜位置決めすればよい。
100・・カメラ(撮像装置)、101・・撮影レンズ(光学系)、102・・撮像素子、103、104、105・・測距用画素、120・・射出瞳、120Ra、120La・・互いにずれた複数の瞳領域

Claims (13)

  1. 被写体の像を結像する光学系の射出瞳からの光束を受光して光電変換する複数の画素を有する撮像素子であって、
    前記複数の画素のうち少なくとも一部の画素は、前記射出瞳内の互いにずれた複数の瞳領域からの光束をそれぞれ受光して光電変換する複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部へと前記光束を導く、コアとクラッドを含む導波路と、を有し、
    前記少なくとも一部の画素は、減衰部材を含む第1の画素を含み、
    前記減衰部材は、前記第1の画素の画素中心における前記撮像素子の法線に対して、前記瞳領域のずれの方向に対応する前記第1の画素上の瞳分割方向であってかつ前記複数の瞳領域のうち前記法線との角度が大きい光束を多く含む瞳領域に対応する光電変換部とは逆側のクラッドにのみ配置されていることを特徴とする撮像素子。
  2. 前記コアの光射出側に散乱部が設けられ、前記減衰部材は、前記コアの前記散乱部が設けられた領域に隣接する前記クラッド内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
  3. 前記減衰部材は、前記コアと接していることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像素子。
  4. 前記減衰部材は、前記導波路の光射出側の下端に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像素子。
  5. 前記減衰部材は、検出する波長帯域の光の少なくとも一部に対して反射させる媒質であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像素子。
  6. 前記減衰部材は、検出する波長帯域の光の少なくとも一部に対して吸収する媒質であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像素子。
  7. 前記減衰部材は、検出する波長帯域の光の少なくとも一部に対して散乱させる媒質であることを特徴とする請求項から6のいずれか1項に記載の撮像素子。
  8. 前記光電変換部と電気的に繋がった配線を有し、前記減衰部材は、前記配線とは、光減衰の度合いが異なる材料の部材であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像素子。
  9. 前記第1の画素は、前記瞳領域のずれの方向に対応する前記撮像素子上の瞳分割方向における周辺部に配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像素子。
  10. 前記少なくとも一部の画素は、第2の画素を含み、
    前記第2の画素は、前記撮像素子の中央部に配置され、前記減衰部材を含まないことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像素子。
  11. 前記減衰部材と前記クラッドとは、異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像素子。
  12. 前記導波路の光射出側の下端からの前記散乱部の高さが、検出する光の波長の十分の一以上であることを特徴とする請求項2に記載の撮像素子。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像素子と、
    被写体の像を前記撮像素子上に結像する光学系と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
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