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JP6037553B2 - ボールジョイント - Google Patents
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Description

本発明は、ハウジングに摺動可能に収容されるボール部を有するボールスタッドを備えたボールジョイントに関する。
近年、例えば電気自動車に用いられるインホイールモータなどの車両技術の発展により、車両電源からホイール近辺まで電力を供給できる構成が求められている。
そこで、従来、例えば車体側の電源と車軸側のモータとを導電体によって直接接続した構成(例えば、特許文献1参照。)、導電線を溝型のサスペンションリンク内に配置した構成(例えば、特許文献2参照。)、あるいは、サスペンションアームを導電性の部材により形成して、車体側の電源と車軸側のモータとをサスペンションアームによって電気的に接続した構成(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
しかしながら、上記各特許文献に記載された構成では、揺動や回動などの動きを担い、サスペンションとナックルとを直接接続するボールジョイントの導電性を確保することは考慮されていない。また、ボールジョイントには、一般的に、摺動部位に樹脂製のボールシート(ベアリングシート)及び潤滑剤(グリース)が用いられているため、これら絶縁体となり、ボールジョイントに導電性を持たせることは容易でない。
この点、導電性のボールシート及びボール部を介してハウジングとボールスタッドとを電気的に接続することが考えられる(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この構成では、摺動部位に電流が流れることとなり、例えば潤滑剤の電気分解による劣化など、摺動性に対して好ましくない影響を与えるおそれがある。
そして、ボールジョイントが絶縁性である場合には、車両に取り付けた後に、車体、あるいはナックルに対してコネクタなどを介して導電部を電気的に接続する必要があるため、車両組み付け時の工数が増加する。
特開2005−75319号公報(第3−5頁、図2−4) 特開平6−278433号公報(第2−3頁、図1−3) 特開2009−248902号公報(第3−5頁、図1) 特表2003−525404号公報(第5−7頁、図1)
上記のように、摺動性を低下させることなくボール側部材と被取付部との間の導電性を確保できるボールジョイントが望まれている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、摺動性に影響を与えることなくボール側部材と被取付部との間の導電性を確保できるボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントは、ボール部、及び、このボール部から突出し導電性の被取付部に取り付けられる軸部を備えたボール側部材と、前記ボール部を摺動可能に収容する導電性のボール受け側部材と、このボール受け側部材と前記ボール側部材の前記軸部とを短絡するように直接接続して前記ボール受け側部材と前記軸部が取り付けられる被取付部とを電気的に接続する導電性部材とを具備したものである。
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、ボール受け側部材の内部に収容されボール部を摺動可能に保持するベアリングシートと、このベアリングシートの内部とボール部との間に介在された潤滑剤とを具備したものである。
請求項3記載のボールジョイントは、請求項1または2記載のボールジョイントにおいて、導電性部材は、ボール側部材の軸部に嵌合された導電性のリテーナと、一端側がこのリテーナと電気的に接続され、他端側がボール受け側部材と電気的に接続された導電体とを備えているものである。
請求項4記載のボールジョイントは、請求項3記載のボールジョイントにおいて、ボール受け側部材とボール側部材との間を覆うダストカバーを具備し、リテーナは、前記ダストカバーの外部に一部が位置し、導電体は、前記ダストカバーの外部に位置する導線であるものである。
請求項5記載のボールジョイントは、請求項3記載のボールジョイントにおいて、ボール受け側部材とボール側部材との間を覆うダストカバーを具備し、リテーナは、前記ダストカバーの内部に位置し、導電体は、前記ダストカバーの内部に位置する導電性のコイルばねであるものである。
請求項6記載のボールジョイントは、請求項5記載のボールジョイントにおいて、ボール受け側部材は、コイルばねの他端側を嵌合保持する溝部を備えているものである。
請求項1記載のボールジョイントによれば、導電性のボール受け側部材と、ボール側部材の軸部とを、導電性部材によって短絡するように直接接続して、ボール受け側部材と軸部が取り付けられる導電性の被取付部とを電気的に接続することにより、ボール受け側部材に摺動可能に収容されるボール部側に電流を流さない構成とすることができ、摺動性に影響を与えることなくボール側部材とボール受け側部材との間の導電性を確保できる。
請求項2記載のボールジョイントによれば、請求項1記載のボールジョイントの効果に加えて、ボール部を摺動可能に保持するベアリングシートをボール受け側部材の内部に収容するとともに、このベアリングシートの内部とボール部との間に潤滑剤を介在させることにより、摺動性をより向上できるとともに、ボール受け側部材と被取付部との間で通電した際にも、潤滑剤の劣化などを防止できる。
請求項3記載のボールジョイントによれば、請求項1または2記載のボールジョイントの効果に加えて、ボール側部材の軸部に導電性のリテーナを嵌合させるとともに、このリテーナに一端側を電気的に接続した導電体の他端側をボール受け側部材と電気的に接続することにより、導電性部材を容易に構成でき、ボール受け側部材と被取付部とを容易に電気的に接続できる。
請求項4記載のボールジョイントによれば、請求項3記載のボールジョイントの効果に加えて、リテーナの一部をダストカバーの外部に配置するとともに、導電体を導線としてダストカバーの外部に配置することにより、導電性部材の接続作業がより容易になるとともに、ダストカバーの外部にスペースを取らない。
請求項5記載のボールジョイントによれば、請求項3記載のボールジョイントの効果に加えて、リテーナをダストカバーの内部に配置するとともに、導電体を導電性のコイルばねとしてダストカバーの内部に配置することにより、ダストカバーの外部にスペースを取らない。
請求項6記載のボールジョイントによれば、請求項5記載のボールジョイントの効果に加えて、コイルばねの他端側を嵌合保持する溝部をボール受け側部材に設けることにより、ボール側部材の動作によるコイルばねの他端側のずれをより確実に防止できる。
本発明の第1の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。 同上ボールジョイントのリテーナを示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を図1及び図2を参照して説明する。
図1において、11はボールジョイントであり、このボールジョイント11は、例えば自動車などの車両の車体側に位置する車体側部材である図示しないサスペンション(懸架装置)と車輪(ホイール)側に位置する導電性の被取付部としての車輪側部材であるナックル13とを接続するサスペンションリンクをなすものである。そして、このボールジョイント11は、可動部材としてのボール側部材である金属製などのボールスタッド15と、固定部材としてのボール受け側部材である金属製などのアーム16と、このアーム16とボールスタッド15との間に介在される合成樹脂製などのベアリングシートであるボールシート17と、ボールスタッド15とアーム16との間に亘って配置される防塵部材であるダストカバー18と、ボールスタッド15とアーム16とを直接接続する導電性部材19とを備えている。なお、以下に示す上下方向とは、図1の上下方向をいうものとする。
ボールスタッド15は、例えば金属などの部材により一体に形成され、略球状の球頭部であるボール部21と、このボール部21から突出する上下方向に長手状の丸軸状の軸部であるスタッド部22とを備えている。
ボール部21は、ボールシート17の内部に摺動(回動)可能に保持された状態でアーム16に取り付けられている。
また、スタッド部22は、例えばボール部21の中心位置を軸心が通る位置にてボール部21から上方へと突出している。さらに、このスタッド部22は、基端側であるボール部21側から反ボール部21側である上方(先端側)へと徐々に拡径する基端部である拡径部24と、この拡径部24の先端部である上端部に位置する円柱状の導電性部材取付部25と、この導電性部材取付部25の反ボール部21側である上側から上方(先端側)へと徐々に縮径する接続部としてのテーパ部である縮径部26と、この縮径部26の先端部である上端部に設けられた固定部であるねじ溝27とを一体に備えている。そして、このスタッド部22の縮径部26側がナックル13に挿入され、ねじ溝27に図示しないナットが螺合されることにより、ボールジョイント11がナックル13に接続固定されるように構成されている。なお、このナックル13は、例えばインホイールモータなどの、車輪側に配置された被給電部と電気的に接続されている。
また、アーム16は、サスペンションの一部を構成するものであり、ボール受け部としての円筒状のハウジング部31と、このハウジング部31に取り付けられた別体の閉塞部材である円形板状のプラグ32と、ハウジング部31の外周から側方、すなわちボールスタッド15の軸方向に対して交差(直交)する方向に沿って突設されたアーム本体部33とを備えている。そして、このアーム16は、ハウジング部31及びアーム本体部33が、導電性を有する例えば鉄やアルミニウムなどの部材により一体に形成されており、プラグ32が例えば金属部材の少なくとも一部を合成樹脂によって内包して形成されている。なお、サスペンションは、車体側に配置された電源と電気的に接続されている。
ハウジング部31は、ソケットとも呼ばれるもので、ボールシート17を介してボール部21を保持する内室35と、内室35に連通する第1及び第2の開口36,37とを有している。さらに、このハウジング部31の第1の開口36側の外周には、ダストカバー18の下端側が嵌着される溝状のカバー溝である段部38が形成されている。そして、このハウジング部31の第2の開口37の内周には、プラグ32を取り付けるための取付段部39が形成されている。
また、第1の開口36は、ハウジング部31と同軸に位置し、内室35側から外側である上側へと徐々に拡開している。さらに、この第1の開口36には、ボールスタッド15のスタッド部22が挿通され、ボール部21の上側とスタッド部22とがハウジング部31の外部に露出している。
また、第2の開口37は、ハウジング部31と同軸に位置し、プラグ32によって覆われて閉塞されている。
また、プラグ32は、外周縁部が取付段部39に取り付けられているとともに、第2の開口37の縁部を内方へとかしめ変形させた保持部であるかしめ変形部41によって保持されることで、ハウジング部31(アーム16)に対して固定されている。そして、このプラグ32と、ボール部21とボールシート17とにより囲まれた空間が、例えば絶縁性の潤滑剤(グリース)42を収容する潤滑剤収容部43となっている。
また、ボールシート17は、例えば絶縁性の合成樹脂により上下面開口状の略円筒状に一体成形されている。すなわち、このボールシート17は、開口径寸法がボール部21の外径寸法より小さい略円形状の(第1及び第2の)端面開口45,46を軸方向両端部である上下端部に有している。そして、このボールシート17の内部には、端面開口45,46と連通する保持面である摺接面47が形成されており、この摺接面47がボール部21の外周面を摺動(回動)可能に保持している。したがって、ボールシート17が、ボールスタッド15のボール部21とともにアーム16の内室35内に収容配設され、ボール部21が、ボールシート17を介して内室35内にて回動可能に保持されている。さらに、このボールシート17の摺接面47には、潤滑剤収容部43に収容された潤滑剤42がボール部21の外周面との間に介在されている。なお、このボールシート17は、例えばボール部21を保持するシート本体部とこのボール部21内に取り付けられてボール部21を弾性的に支持するクッション部とに分割した、いわゆる2ピース型のものなどとしてもよい。
また、ダストカバー18は、ダストシールやブーツなどとも呼ばれるもので、例えば軟質ゴムあるいは軟質合成樹脂などの弾性部材により、軸方向の両端間の中央部付近が径方向に膨出した扁平な略円筒状に形成されている。このダストカバー18は、軸方向一端部である上端部がスタッド部22の外周側に嵌着され、軸方向他端部である下端部がアーム16の段部38の外周側に嵌着されている。さらに、このダストカバー18の下端部は、略円形環状の環状部材であるクリップ49により段部38に対して固定されている。
そして、導電性部材19は、アーム16とボールスタッド15のスタッド部22及びこのスタッド部22が取り付けられるナックル13とを電気的に接続するもので、リテーナ51と、このリテーナ51に接続された導電体である導線52とを備え、ダストカバー18の外部に位置している。
リテーナ51は、導電性を有する、例えば銅、あるいは銀などの、導電率が高い(抵抗が低い)材質、あるいはそれらを含む合金などにより一体に形成されており、円筒状の保持部である嵌着部54と、この嵌着部54から側方に突設された接続部55とを有している(図2)。
嵌着部54は、ボールスタッド15のスタッド部22が圧入され、このボールスタッド15のスタッド部22の導電性部材取付部25の外周に嵌着されて一体的に固定されている。また、この嵌着部54の一端部である上端部には、例えばナックル13と直接接触する被取付部接続部としての鍔部54aがフランジ状に突設されている。そして、この嵌着部54の外周には、鍔部54aの下側の位置にて、ダストカバー18の上端部が嵌着されている。すなわち、この嵌着部54は、ダストカバー18の支持部となっている。
また、接続部55は、導線52の一端側が電気的及び機械的に接続される部分であり、嵌着部54の鍔部54aから嵌着部54の軸方向(スタッド部22の軸方向)に対して交差(直交)する方向に向けて突出している。
また、導線52は、例えば銅、あるいは銀などの、導電率が高い(抵抗が低い)材質、あるいはそれらを含む合金などにより形成されている。この導線52の他端側は、アーム16のアーム本体部33の上部に電気的及び機械的に接続されている。そして、この導線52は、両端間が例えば螺旋状に巻回されてコイルばね状となっており、ボールスタッド15の揺動及び回動に追従して伸縮可能となっている。
したがって、導電性部材19は、サスペンションとナックル13とを、ボールスタッド15のボール部21及びボールシート17などの摺動部位を介することなく(摺動部位をバイパスして)電気的に接続するようになっている。
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、ボールジョイント11を組み立てる際には、予め形成したボールスタッド15を、予め形成したハウジング部31の第2の開口37から挿入する。
次いで、ボールスタッド15のボール部21の外周面をボールシート17の摺接面47によって回動可能に保持し、このボールシート17をボール部21とともにハウジング部31の内室35に第2の開口37から圧入する。この状態で、スタッド部22が第1の開口36に挿通されてハウジング部31の上方に突出する。なお、潤滑剤42は、予めボール部21の外周面などに塗布しておいてもよいし、後から注入してもよい。
さらに、プラグ32の外周縁部を段部38に取り付け、第2の開口37の縁部を中心側へとかしめ変形することでかしめ変形部41を形成してプラグ32の外周縁部を固定する。
また、ハウジング部31の取付段部39とボールスタッド15のスタッド部22との間にダストカバー18を取り付け、このダストカバー18の下端部をクリップ49により取付段部39に固定する。
この後、スタッド部22とダストカバー18の上端部との間にリテーナ51の嵌着部54を圧入させて、この嵌着部54を導電性部材取付部25に固定する。
そして、このリテーナ51の嵌着部54とアーム16のアーム本体部33の上部との間に導線52を接続してボールジョイント11が完成する。
この完成したボールジョイント11は、ボールスタッド15のスタッド部22の縮径部26側をナックル13に挿入し、ねじ溝27にナットを締め付けることで、リテーナ51の鍔部54aを座面としてナックル13に接続固定される。すなわち、リテーナ51の鍔部54aがナックル13と直接接触して電気的に接続される。この結果、サスペンションとナックル13とが導電性部材19によって電気的に接続される。
このように、上記第1の実施の形態によれば、導電性のアーム16と、導電性のボールスタッド15のスタッド部22とを、導電性部材19によって直接接続して、アーム16とスタッド部22が取り付けられるナックル(被取付部)13とを電気的に接続することにより、アーム16のハウジング部31に摺動可能に収容されるボール部21などの摺動部位に電流を流さない構成とすることができ、摺動性に影響を与えることなくボールスタッド15とアーム16との間の導電性を確保できる。
すなわち、ボール部21を摺動可能に保持するボールシート17をアーム16のハウジング部31の内部に収容するとともに、このボールシート17の内部とボール部21との間に潤滑剤42を介在させることにより、摺動性をより向上できるとともに、アーム16(サスペンション)とナックル13との間で通電した際にも、ボールシート17や潤滑剤42の電気分解による劣化などを防止でき、これら電気分解により生じる微粒子(スパッタ)のボール部21などへの付着を防止できるので、摺動性に影響を与えることがない。
さらに、ボールスタッド15のスタッド部22に導電性のリテーナ51を嵌合させて電気的に接続するとともに、このリテーナ51に一端側を電気的に接続した導線52の他端側をアーム16と電気的に接続することにより、導電性部材19を容易に構成でき、アーム16(サスペンション)とナックル13とを容易に電気的に接続できる。
すなわち、このボールジョイント11は、ボールスタッド15とアーム16との結線が単体で完了しているため、スタッド部22をナックル13に接続して組み付けるだけで、サスペンション側とナックル13側との電気的な導通を得ることができ、組み付け後にコネクタなどを用いて結線する作業が不要となり、車両の組み立て時の工数を低減できる。
そして、リテーナ51をダストカバー18の外部に配置するとともに、導電体を導線52としてダストカバー18の外部に配置することにより、導電性部材19の接続作業がより容易になるとともに、導線52は配置を自由に設定できるので、ダストカバー18の外部にスペースを取らない。
また、導電性部材19により、リテーナ51、導線52、及びアーム16と、有機材料を介さない回路を構成できるため、安定した通電が可能となる。
次に、第2の実施の形態を図3を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の導電性部材19に代えて、導電性部材61を備えるものである。
この導電性部材61は、アーム16(ハウジング部31)とボールスタッド15のスタッド部22とを直接接続してアーム16(ハウジング部31)とナックル13とを電気的に接続するもので、リテーナ63と、このリテーナ63に接続された導電体であるコイルばね64とを備え、ダストカバー18の内部に位置している。
リテーナ63は、導電性を有する、例えば銅、あるいは銀などの、導電率が高い(抵抗が低い)材質、あるいはそれらを含む合金などにより円筒状に形成されており、ボールスタッド15のスタッド部22が圧入され、このボールスタッド15のスタッド部22の導電性部材取付部25の外周に嵌着されて一体的に固定されているとともに、上端部が、このスタッド部22が取り付けられるナックル13と直接接触して電気的に接続される。また、このリテーナ63の下端部には、導電体接続部としての鍔部63aがフランジ状に突設されている。そして、このリテーナ63の外周には、鍔部63aの上側の位置にて、ダストカバー18の上端部が嵌着されている。すなわち、このリテーナ63は、ダストカバー18の支持部となっている。
また、コイルばね64は、例えば銅、あるいは銀などの、導電率が高い(抵抗が低い)材質、あるいはそれらを含む合金などにより形成されている。このコイルばね63は、一端側である上端側よりも、他端側である下端側の方が、径寸法が大きくなるように巻回されており、内部にスタッド部22が挿通されている。換言すれば、このコイルばね64は、スタッド部22(拡径部24)の周囲に位置している。さらに、このコイルばね64の上端側は、リテーナ63の鍔部63aに固定されて電気的に接続され、下端側は、ハウジング部31の上部に上方から見て円環状に凹設された座面となる溝部である固定溝66に嵌合保持されている。したがって、このコイルばね64は、アーム16(ハウジング部31)に対して、定位置に安定して固定されている。そして、このコイルばね64は、ボールスタッド15の揺動に追従して伸縮及び変形可能であるとともに、ボールスタッド15の回動に対して、上端部がリテーナ63の鍔部63aと摺接してこのリテーナ63に対する接触を維持するようになっている。
したがって、導電性部材61は、サスペンションとナックル13とを、ボールスタッド15のボール部21及びボールシート17などの摺動部位を介することなく(摺動部位をバイパスして)電気的に接続するようになっている。
さらに、本実施の形態において、ボールシート17は、例えばボール部21のスタッド部22側を保持するシート本体部17aと、このシート本体部17aの内部に配置されてボール部21の反スタッド部22側を弾性的に支持するクッション部17bとを別個に備えた、いわゆる2ピース型のものである。
そして、導電性のアーム16(ハウジング部31)と、ボールスタッド15のスタッド部22とを、導電性部材61によって直接接続してアーム16とナックル(被取付部)13とを電気的に接続するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、この第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、リテーナ63をダストカバー18の内部に配置するとともに、導電体を導電性のコイルばね64としてダストカバー18の内部に配置することにより、ダストカバー18の外部に導電性部材61用のスペースを取ることがなく、ボールジョイント11をより小型化でき、かつ、車両走行時に小石などが跳ねる、いわゆるチッピングによる断線などが生じにくい。
さらに、コイルばね64の他端側を嵌合保持する固定溝66をアーム16(ハウジング部31)に設けることにより、ボールスタッド15が揺動あるいは回動などの、ボールスタッド15の動作によって、コイルばね64の他端側がアーム16(ハウジング部31)からずれることを、より確実に防止できる。
そして、導電性部材61により、リテーナ63、コイルばね64、及びアーム16(ハウジング部31)と、有機材料を介さない回路を構成できるとともに、コイルばね64がボールスタッド15の動作に確実に追従して安定した接触面積を維持できるので、安定した通電が可能となる。
なお、上記第2の実施の形態において、ボールシート17は、上記第1の実施の形態と同様の1ピース型のものとしてもよい。
また、上記各実施の形態において、リテーナ51,63をナックル(被取付部)13と直接接触させることでアーム16とナックル13とを電気的に接続したが、ボールスタッド15の少なくともスタッド部22を導電性の部材により形成し、アーム16とナックル(被取付部)13とを、導電性部材19,61及びスタッド部22を介して電気的に接続するように構成してもよい。
さらに、スタッド部22をナックル13と直接接続する構成としたが、被取付部を有する導電性の別途の部材を介在させてナックル13と接続する構成としてもよい。
また、ボールジョイント11は、操舵装置のタイロッドエンドなどに用いてもよい。
そして、ハウジング部31は、第2の開口37をプラグ32により閉塞したが、例えば予め有底円筒状に形成してもよい。
11 ボールジョイント
13 被取付部としてのナックル
15 ボール側部材であるボールスタッド
16 ボール受け側部材であるアーム
17 ベアリングシートであるボールシート
18 ダストカバー
19,61 導電性部材
21 ボール部
22 軸部であるスタッド部
42 潤滑剤
51,63 リテーナ
52 導電体である導線
64 導電体であるコイルばね
66 溝部である固定溝

Claims (6)

  1. ボール部、及び、このボール部から突出し導電性の被取付部に取り付けられる軸部を備えたボール側部材と、
    前記ボール部を摺動可能に収容する導電性のボール受け側部材と、
    このボール受け側部材と前記ボール側部材の前記軸部とを短絡するように直接接続して前記ボール受け側部材と前記軸部が取り付けられる被取付部とを電気的に接続する導電性部材と
    を具備したことを特徴とするボールジョイント。
  2. ボール受け側部材の内部に収容されボール部を摺動可能に保持するベアリングシートと、
    このベアリングシートの内部とボール部との間に介在された潤滑剤と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
  3. 導電性部材は、
    ボール側部材の軸部に嵌合された導電性のリテーナと、
    一端側がこのリテーナと電気的に接続され、他端側がボール受け側部材と電気的に接続された導電体とを備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイント。
  4. ボール受け側部材とボール側部材との間を覆うダストカバーを具備し、
    リテーナは、前記ダストカバーの外部に一部が位置し、
    導電体は、前記ダストカバーの外部に位置する導線である
    ことを特徴とする請求項3記載のボールジョイント。
  5. ボール受け側部材とボール側部材との間を覆うダストカバーを具備し、
    リテーナは、前記ダストカバーの内部に位置し、
    導電体は、前記ダストカバーの内部に位置する導電性のコイルばねである
    ことを特徴とする請求項3記載のボールジョイント。
  6. ボール受け側部材は、コイルばねの他端側を嵌合保持する溝部を備えている
    ことを特徴とする請求項5記載のボールジョイント。
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