JP6038347B2 - 異常音診断装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の異常検査装置では、音圧または振動から算出される複数の特徴量(単位時間毎の音圧の標準偏差、ピーク数、および、変動幅など)をニューラルネットで学習し、回転機の異音を診断することが開示されている。
また、特許文献2の軸受診断装置では、軸受の振動を周波数帯域毎の時系列信号に変換し、変換された時系列信号の最大値及び平均実効値を抽出して、正常な軸受によって設定された判定値と比較することが開示されている。また、パルス的なピークの周期に基づいて軸受の損傷位置を特定することが開示されている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による異常音診断装置を示す構成図である。
図1に示す異常音診断装置は、集音器1、波形取得部2、時間周波数分析部3、特定成分検出部4、特定成分計数部5、計数履歴保存部6、増分計算部7、軸受異常判定部8を備えている。集音器1は、エレベータのかご下に設置された集音器である。波形取得部2は、集音器1からの信号をサンプリングしデジタル信号に変換して波形データ21を出力する処理部である。時間周波数分析部3は、波形データ21に時間窓を掛け、時間窓を時間方向にずらしながら高速フーリエ変換(以下、FFTと称す)演算により波形データ21を時間周波数分析し、時間と周波数に対する強度を示すスペクトル値からなる時間周波数分布を求め、学習31時の時間周波数分布311及び診断32時の時間周波数分布321を出力する処理部である。特定成分検出部4は、時間周波数分布311を参照し、時間周波数分布321に含まれる特定成分としての衝撃性成分を検出する処理部である。特定成分計数部5は、特定成分検出部4が検出した衝撃性成分の検出回数を計数する処理部であり、計数履歴保存部6は、特定成分計数部5が計数した検出回数を診断時刻と共に保存する記憶部である。また、増分計算部7は、計数履歴保存部6に保存された学習時の計数値に対する診断時の計数値の増分を計算する処理部である。軸受異常判定部8は、増分計算部7が計算した増加分に基づいて軸受の異常を判定し、軸受異常判定結果81を出力する判定部である。なお、図1において、実線のブロックは処理部または記憶部を示し、破線のブロックは処理部から出力されるデータ、一点鎖線のブロックは処理の種類を示している。
図2は、実施の形態1の異常音診断装置の動作を示すフローチャートである。
学習時または診断時において、波形取得部2は、集音器1から出力される測定信号を取得して増幅しAD変換することによりサンプリングを行い、サンプリング周波数24kHzの16ビットリニアPCM(pulse code modulation)のデジタル信号の波形データ21に変換する(ステップST1)。
時間周波数分析部3は、波形取得部2が出力する波形データ21に対して、256点の時間窓を5ミリ秒の間隔で時間方向にずらしながらフレームを切出し、各フレームに対してFFT演算により周波数スペクトルの系列y(t,f)を求め、学習31時の時間周波数分布311、または診断32時の時間周波数分布321として出力する(ステップST2〜ST5)。すなわち、ステップST3において学習モード(正常時)であった場合は学習31時の時間周波数分布311を出力し、学習モードでなかった場合(診断モードの場合)は診断32時の時間周波数分布321を出力する。
まず、診断32時の時間周波数分布321から、各時刻において所定の周波数帯域に含まれるパワー値の総和を求めることにより、帯域パワー(のデシベル値)の時系列を求める。詳細には、時刻をtとする帯域パワー時系列B(t)は、式(1)のように計算される。
ここで、fL及びfUは、それぞれ、所定の周波数範囲を示す下限の周波数と上限の周波数である。例えば、fL=1000Hz,fU=9000Hzと設定する。
ここで、「Peak(t)」は1のときピークがあることを示し、0のときピークがないことを示す。なお、窓幅Wは例えば、W=41フレーム(時間幅換算で205ミリ秒)とする。
ここで、Countは、検出された特定成分の計数値(ピークの数)である。
図4は、計数履歴保存部6に保存されるデータの構成と保存データの例を示す。図において、「動作」で示す欄は、計数値を得たときの動作モードを記録し、「日付」で示す欄は学習または診断を実施した日付を記録し、「時間」で示す欄は集音を開始した時間を記録し、「計数値」で示す欄は計数値(式(3)のCount)を記録する。
ここで、「Count(学習時)」は学習時の計数値、「Count(診断時)」は診断時の計数値である。
ここで、「JudgBearing」は軸受異常の判定結果で、1は異常があることを示し、0は異常がないことを示す。また、「ThresholdBearing」は軸受異常判定の閾値である。ThresholdBearingは、例えば、特定成分が毎秒2回ずつ検出される場合異常であるとして、42と設定する。
図5は、実施の形態2の異常音診断装置を示す構成図である。
実施の形態2は、特定成分検出部40において、診断32時の時間周波数分布321から正常時(学習31時)の時間周波数分布311を除去し、正常時の時間周波数分布311を除去した後の時間周波数分布から特定成分を検出するようにしたものである。その他の集音器1〜軸受異常判定部8の構成については図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
波形取得部2が集音器1から出力される測定信号を波形データ21に変換し、時間周波数分析部3が、波形データ21に基づいて学習31時に時間周波数分布311を出力し、診断32時に時間周波数分布321を出力するのは実施の形態1と同様である。
特定成分検出部40は、診断モードの場合、診断32時の時間周波数分布321から、学習31時の時間周波数分布311を除去し、除去後の時間周波数分布から、特定成分を検出する。詳細には、先ず、除去後の時間周波数分布は式(6)のように求める。
ここで、y′(t,f)は診断時の時間周波数分布321から学習時の時間周波数分布311を除去した後の時間周波数分布、y(t,f)は診断時の時間周波数分布321、y0(t,f)は学習時の時間周波数分布311である。
ここで、fL及びfUは、それぞれ、所定の周波数範囲を示す下限の周波数と上限の周波数である。
実施の形態3は、互に同期して集音可能とした複数の集音器からなる多チャンネル集音手段を設けたもので、かご下にある回転体から発生する異常音の影響を除去して、他の部品から発生する異常音を検出するようにしたものである。
実施の形態3の異常音診断装置は、集音器1a,1b、波形取得部2a,2b、時間周波数分析部3a,3b、特定成分検出部4、特定成分計数部5、計数履歴保存部6、増分計算部7、軸受異常判定部8、特定成分除去部9a,9b、異常検出部10a,10bを備えている。
特定成分検出部4は、診断時の時間周波数分布321aから、帯域パワー時系列を求め、帯域パワー時系列のピーク検出結果を出力する(図2におけるステップST6)。検出されたピークの位置は、式(2)と同じ式(8)において、Peak(t)=1となるtの集合として表される。
ここで、y′(t,f)は特定成分除去後の時間周波数分布、y0(t,f)は学習時の時間周波数分布、Kは所定の時間周波数領域の数であり、Ω(k)はk番目(1≦k≦K)の所定の時間周波数領域で、総和記号の下付きの条件式は、Ω(k)に含まれ、かつ、マスク有という特別の数値でないような時間t及び周波数fの組について総和をとることを表す。所定の時間周波数領域としては、例えば、時間周波数分布の全体を覆う領域と、時間軸をN分割、周波数軸をM分割した各部分領域とすることができる。
ここで、「JudgOthers」は、判定結果で、1は異常、0は正常であることを示す。また、「ThresholdOthers」は閾値である。この閾値は、例えば、6デシベルとする。
また、本実施の形態の異常音診断装置は、3種類(一般的には集音器の数+1)の異常判定結果、すなわち、軸受異常判定結果81と、かご下異常判定結果101a及びかご上異常判定結果101bを出力する。
かご下で軸受異常音が発生していないときは、軸受異常判定結果81は、常に、正常である。また、かご下異常判定結果101aは、かご下の異常であって、軸受以外の部品の異常があれば異常を判定出力する。同様に、かご上異常判定結果101bは、かご上の異常があれば異常を判定出力する。
一方、かご下で軸受異常が発生しているときは、軸受異常判定結果81は、常に、異常である。また、かご下異常判定結果101aは、かご下の異常であって、軸受以外の部品の異常があれば異常を判定出力する。同様に、かご上異常判定結果101bは、かご上の異常があれば異常を判定出力する。
Claims (1)
- 一つの診断対象とする作動音を一つのチャンネルとして、それぞれのチャンネルの診断時の作動音と正常時の作動音とを比較して、複数のチャンネルの作動音の異常を診断する異常音診断装置であって、
前記複数のチャンネルの作動音をそれぞれスペクトル分析し時間周波数分布を取得する複数の時間周波数分析部と、
前記複数の時間周波数分析部のうち、一つの時間周波数分析部を特定の時間周波数分析部とし、当該特定の時間周波数分析部が取得した特定チャンネルの時間周波数分布から、予め定義された特定成分を検出する特定成分検出部と、
前記時間周波数分布において前記特定成分検出部が検出した前記特定成分の検出回数を計数する特定成分計数部と、
前記正常時の特定成分計数値と、前記診断時の特定成分計数値とを比較して設定値以上の増加があったとき異常と判定する判定部と、
前記複数の時間周波数分析部が取得した複数チャンネルの時間周波数分布から、それぞれ、前記特定成分検出部が検出した特定成分を除去し、当該特定成分が除去された時間周波数分布を求める複数の特定成分除去部と、
前記複数の特定成分除去部で求めた複数の時間周波数分布と、前記複数の時間周波数分析部の正常時の時間周波数分布とによりそれぞれのチャンネルにおける異常検出を行う複数の異常検出部とを備えたことを特徴とする異常音診断装置。
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