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JP6041665B2 - 内燃機関 - Google Patents
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本願発明は、ブローバイガス通路を備えた内燃機関に関するものである。
内燃機関では未燃焼ガスがクランク室に吹き抜ける現象があり、そこで、クランク室に吹き抜けた燃料を吸気系に戻すためのブローバイガス通路を設けているが、クランク室にはオイルミストが浮遊しているため、オイルミストがブローバイガスの流れに乗って持ち去られて、オイルが無駄に消費されてしまうことがある。
そこで、ブローバイガスからオイルを分離してクランク室(或いはオイルパン)に戻すことが行われており、その例として特許文献1には、ブローバイガス通路に気液分離室を設けて、この気液分離室に邪魔板を設けることが開示されている。
特開2008−240629号公報
特許文献1は簡単な構造でオイルを分離できる利点があるが、ブローバイガスに含まれているミストの全部が邪魔板に接触するとは言えないため、オイルの除去性能の点ではまだ改善の余地があると云える。
本願発明はかかる現状に鑑み成されたものであり、ブローバイガス通路からオイルミストを除去するにおいて、簡単な構造でオイル分離性能をアップさせることを目的とするものである。
前記目的を達成すべく本願発明は、請求項1のとおり、
「シリンダブロックに、ブローバイガス通路をクランク室から吸気系に還流させるブローバイガス通路と、前記ブローバイガス通路に向けてオイルを吐出させるオイル通路とが別々に形成されており、前記オイル通路にはオイルポンプで加圧されたオイルが送られる構成であって、
前記ブローバイガス通路の始端部はクランク室の内部に向けて下向きに開口している一方、前記オイル通路の終端は前記ブローバイガス通路の始端部に開口しており、前記オイル通路の終端を、当該オイル通路の終端からオイルが前記ブローバイガス通路の始端部に向けて略下向きに吐出するように設けている」
構成とした。
本願発明は請求項2の発明も含んでいる。この発明は、請求項1において、前記オイル通路には、前記オイルポンプで加圧されてからリリーフバルブを介してリリーフ戻り通路に逃がされたオイルが供給されている、という構成になっている。
さて、水の微細な粒からなる霧は空中に漂っていて風に乗って上昇するが、大粒の雨は重力によって下に落ちるだけであり、空中に漂うようなことはない。これと同様に、オイル通路から吐出されたオイルはブローバイガス通路を流下するだけであるが、ブローバイガス通路にいわばオイルの壁ができることにより、ブローバイガスに乗って流れてきたオイルミストは流下するオイル流に付着吸収される。
そして、オイルはブローバイガス通路の内部をランダムに流れるため、オイルミストがオイル流に接触する割合を固定式の邪魔板を設けた場合に比べて遙かに大きくすることができ、その結果、極めて高いオイル分離効果を発揮できる。しかも、オイル通路からオイルをブローバイガス通路に吐出させるだけであるため、構造は簡単であるのみならず、ブローバイガス通路を広げるような必要はなく、シリンダブロックの大型化のような問題は生じない(むしろ、オイル流へのオイルミストの接触機会を増大させるには、ブローバイガス通路はできるだけ小径であるのが好ましい。)。
また、オイルをブローバイガス通路の始端部において下向きに吐出させるものであるため、オイルミストを吸収したオイルはすぐにクランク室に流下してオイルパンに流れ込む。このため、ブローバイガス通路がオイルで過剰に濡れることを防止しつつ、オイルミストをオイル流に的確に補集できる。
請求項2の構成を採用すると、ブローバイガス通路に噴出させるオイルとしてリリーフオイルを利用するものであるため、オイル通路を設けたことでオイルポンプの能力を高める必要がなく、コストアップを招来することがない。また、捨てられていた圧力を有効利用できる。また、機関の回転数が高くなるとブローバイガスの量も増えるが、オイルポンプのリリーフ量も機関の回転数に比例して高くなることにより、オイル通路からのオイル噴出量をブローバイガスの量の増大に追従して高くできるため、機関の回転数が変化してもオイルミストを的確に補集できる利点もある。
実施形態示す概略図であり、(A)は全体概略図、(B)は(A)の部分拡大図、(C)(D)は他の実施形態を示す図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。内燃機関の構造は基本的には従来と同様であり、機関本体としてシリンダブロック1とこれにガスケットを介して重ね固定されたシリンダヘッド2とを有している。
シリンダブロック1にはピストン3が往復動するシタンダボア4を開口させており、ピストン3は連設棒5を介してクランク軸6に連結されている。シリンダヘッド2には、吸気弁7で開閉される吸気ポート8と排気弁9で開閉される排気ポート10とが形成されており、吸気ポート8には吸気系11の一部を構成する吸気マニホールド11が接続されており、排気ポート10には排気マニホールド(図示せず)が接続されている。
シリンダブロック1及びシリンダヘッド2には、クランク室13に吹き抜けたブローバイガスを吸気系11に戻すためのブローバイガス通路14が形成されている。ブローバイガス通路14はシリンダブロック1のうち隣り合ったシリンダボア4の間に位置しており、その下端はクランク室13に開口して、全体的に上下長手になっている。ブローバイガス通路14の下端はクランク室13に向けて下向きに開口しており、真下はオイルパン(図示せず)になっている。
シリンダブロック1のブローバイガス通路14はそのまま吸気系11に接続してもよいし、いったん動弁室に開放して、動弁室のブローバイガスと一緒に吸気系11に還流させてもよい。ブローバイガス通路14の個数は1つのみでもよいし、複数形成してもよい。
ブローバイガス通路14の始端部には、オイル通路15の終端が開口している。オイル通路15は、シリンダブロック1にブローバイガス通路14とは別に形成されていて、ブローバイガス通路14よりも内側に位置しており、終端部は、開口に近づくに従って低くなるように傾斜している。従って、オイルは斜め下向きの姿勢でブローバイガス通路14に噴出(吐出)する。なお、分図(A)に一点鎖線で示すように、オイル通路15をブローバイガス通路14の外側に設けてもよい。なお、ブローバイガス通路14にバルブを設ける場合は、オイル通路15はバルブより下方に設ける。
内燃機関はクランク軸6で駆動されるオイルポンプ16を備えている。オイルポンプ16は吐出圧を一定に保持するためのリリー弁17を設けており、弁体を押しのけてリリーフされたオイルは、リリーフ戻り通路18を介してオイルポンプ16の吸引通路(図示せず)に戻される。
本実施形態では、リリーフ戻り通路18とオイル通路15とを通路19で接続して、リリーフオイルをブローバイガス通路14に噴出させるように構成している。もとより、クランク軸6を潤滑するための送油路や、ピストン3を冷却するオイルジェットのための送油路等からオイル通路15にオイルを供給してもよい。いずれにしても、オイル通路15はシリンダブロック1に鋳込みで形成しているが、一点鎖線のようにブローバイガス通路14の外側に形成する場合は、ドリル加工で空けることができる。
クランク室13に吹き抜けたブローバイガスは、吸気系の負圧によって吸気マニホールド12に吸引される。そして、(B)にドット付き矢印で示すように、ブローバイガスにはオイルミストが含まれているが、オイル通路15からオイルをブローバイガス通路14に噴出させることにより、オイルミストをオイルで補集することができる。つまり、オイルでオイルを制するのである。
オイル通路15から噴出したオイルはブローバイガス通路14の壁に当たって跳ね返るなどしてランダムに動きながら流下するが、オイル通路15の開口はブローバイガス通路14の開口から若干の寸法だけ上に設けているので、オイルはクランク室13に流下するまでの間においてブローバイガス通路14の内部を広範囲に動き回ることになり、このため、ブローバイガスに含まれていたオイルミストがオイル流に接触する機会は非常に高い。その結果、オイルミストの補集性能を格段に向上できると云える。
本実施形態のようにオイル通路15をブローバイガス通路14の下部に開口させると、オイルはすぐにクランク室13に流下するため、ブローバイガス通路14が不必要に広く濡れることを防止できて好適である。また、オイルを略下向き(斜め下向き)に噴出させると、オイルは流下方向に流れるため、飛沫がブローバイガス通路14に滞留することを防止して、オイルミストと一緒に的確に流下させることができる利点である。
また、本実施形態のように、ブローバイガス通路14に噴出させるオイルとしてオイルポンプ16のリリーフオイルを利用すると、オイル通路15を設けたことでオイルポンプ16の能力を高める必要がないため、コストアップを招来することがないと共に、捨てられていた圧力を有効利用できる利点がある。また、機関の回転数が高くなるとブローバイガスの量も増えるが、オイルポンプ16のリリーフ量も機関の回転数に比例して高くなることにより、オイル通路15からのオイル噴出量をブローバイガスの量の増大に追従して高くできるため、機関の回転数が変化してもオイルミストを的確に補集できる利点もある。
なお、オイルミストの補集機能を高めるためには、オイルはブローバイガス通路14の内部でシャワー状になるように、ある程度の速度で噴出させるのが好ましい(過度に高速化させることは、ブローバイガス通路14の内面への衝突でミスト化を招くおそれがあるので好ましくない。)。シャワー状の噴出を確実化するため、オイル通路15の終端開口部にノズルを設けることも可能である。
分図(C)に示すように、オイル通路15の開口方向をできるだけ下向きとすることで、オイルがブローバイガス通路14の内面に殆ど又は全く触れないように構成することも可能である。この場合は、オイル通路15から噴出したオイルに対するオイルミストの接触機会がより一層高くなるため、オイルミストの補集機能をより一層向上できる。
分図(D)に示すように、ブローバイガス通路14に網21を設けて、この網18に向けてオイルを噴出させること可能である。このように網18を設けると、編み目にオイル膜ができるような状態を実現できるため、オイルミストの補集効果をより向上できると云える。網21は籠状の形態であってもよい。
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、ブローバイガス通路の下端部をねじ込み等でシリンダブロックに取り付けできる部材で構成し、その内部に、オイルをシャワー状に流下させる部材を設けるといったことも可能である。
本願発明は実際に内燃機関に適用できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 ピストン
4 シリンダボア
6 クランク軸
11 吸気系
12 吸気マニホールド
13 クランク室
14 ブローバイガス通路
15 オイル通路
16 オイルポンプ
17 リリーフ弁
18 リリーフ戻り通路

Claims (2)

  1. シリンダブロックに、ブローバイガス通路をクランク室から吸気系に還流させるブローバイガス通路と、前記ブローバイガス通路に向けてオイルを吐出させるオイル通路とが別々に形成されており、前記オイル通路にはオイルポンプで加圧されたオイルが送られる構成であって、
    前記ブローバイガス通路の始端部はクランク室の内部に向けて下向きに開口している一方、前記オイル通路の終端は前記ブローバイガス通路の始端部に開口しており、前記オイル通路の終端を、当該オイル通路の終端からオイルが前記ブローバイガス通路の始端部に向けて略下向きに吐出するように設けている、
    内燃機関。
  2. 前記オイル通路には、前記オイルポンプで加圧されてからリリーフバルブを介してリリーフ戻り通路に逃がされたオイルが供給されている、
    請求項1に記載した内燃機関。
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