以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す通信カラオケシステムは、ホスト装置1とカラオケ装置2とユーザー端末3とを有している。そして、これらが通信回線4を介して通信可能に接続されている。カラオケ装置2は、例えばカラオケ店KBの各カラオケルームRMに設置されている。そして、通信回線4を通じたデュエット歌唱(以下、通信デュエットという)を行う場合、一対のカラオケ装置2,2が通信回線4を介して相互に接続されると共に、ホスト装置1から配信された歌唱動画データが各カラオケ装置2に記憶される。以下、通信カラオケシステムを構成する各装置について説明する。
まず、ホスト装置1について説明する。ホスト装置1は、サーバーとして機能し、顧客情報などの各種情報を蓄積して管理する。図2に示すように、ホスト装置1は、ホスト側制御部11と、ホスト側通信部12と、ホスト側記憶部13とを有している。ホスト側制御部11は、ホスト装置1における制御の中心となる部分であり、CPU11aやメモリ11bを有している。CPU11aは、メモリ11bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。メモリ11bは、CPU11aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。ホスト側通信部12は、ホスト装置1を通信回線4に接続するためのインタフェースを提供する。
ホスト側記憶部13は、大容量の情報を記憶する記憶装置であり、ハードディスクドライブ等によって構成されている。ホスト側記憶部13の一部領域は、顧客情報記憶領域、歌唱音声データ記憶領域、歌唱映像データ記憶領域、閲覧用動画データ記憶領域として用いられている。
顧客情報記憶領域は、利用者(歌唱者)の個人情報や履歴データが記憶される領域である。例えば図3に示すように、利用者を識別するための利用者ID、過去に歌唱したカラオケ楽曲を示す楽曲ID、利用された店舗を示す利用店舗情報、カラオケ楽曲の歌唱日時を示す歌唱日時情報、及び、当該カラオケ楽曲の採点結果を示す採点結果情報等が記憶されている。
図2に示す歌唱音声データ記憶領域及び歌唱映像データ記憶領域は、カラオケ装置2からアップロードされた歌唱音声のデータ(以下歌唱音声データという)及び歌唱映像のデータ(以下歌唱映像データという)が記憶される領域である。これらの歌唱音声データや歌唱映像データは、歌唱動画コンテンツの基となる歌唱動画データである。
歌唱音声データ及び歌唱映像データは、前述の利用者ID及び楽曲IDと対応付けられた状態で記憶されている。すなわち、ホスト側記憶部13は、カラオケ楽曲の歌唱に伴って取得された歌唱動画データを、歌唱者を示す利用者IDとカラオケ楽曲を示す楽曲IDに対応付けた状態で蓄積して記憶する歌唱動画データ蓄積手段に相当する。なお、本実施形態において、歌唱音声データはMP3形式のデータが用いられ、歌唱映像データはMPEG2形式のデータが用いられている。
閲覧用動画データ記憶領域には、ユーザー端末3に閲覧させるための閲覧用動画データが記憶される。この閲覧用動画データは、ユーザー端末3で再生される歌唱動画コンテンツの基となるデータである。本実施形態の閲覧用動画データは、WMV形式やMP4形式の動画データであり、カラオケ装置2からの歌唱動画データ(歌唱音声データと歌唱映像データの組)よりファイルサイズが小さいデータである。この閲覧用動画データは、カラオケ装置2からの歌唱動画データのアップロードに伴って、ホスト側制御部11が生成する。
次に、カラオケ装置2について説明する。カラオケ装置2は、カラオケ演奏や歌唱採点を行うものであり、例えば図4に示すように、カラオケ本体21と、スピーカ22と、モニタ23と、マイク24と、ビデオカメラ25と、リモコン装置26と、映像用通信端末27と、音声用通信端末28とを有している。
カラオケ本体21は、選択されたカラオケ楽曲の演奏制御、歌詞及び背景映像の表示制御、マイク24を通じて入力された歌唱音声信号の処理といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う部分である。このカラオケ本体21については、後で詳しく説明する。
スピーカ22は、カラオケ本体21に接続されており、カラオケ本体21からの放音信号に基づいて放音する。モニタ23もカラオケ本体21に接続されており、カラオケ本体21からの映像信号に基づいて映像を画面に表示する。マイク24もカラオケ本体21に接続されており、歌唱者の音声をアナログの歌唱音声信号に変換してカラオケ本体21に入力させる。ビデオカメラ25もカラオケ本体21に接続されており、撮影された映像(例えば歌唱中の映像)を歌唱映像データとしてカラオケ本体21に入力させる。
リモコン装置26は、カラオケ本体21との間で情報を送受信するための双方向通信可能な短距離無線通信部を備えており、カラオケ楽曲の予約や歌唱者の利用者IDの取得等は、このリモコン装置26のインタフェースを介して行う。
カラオケ楽曲の予約時において、歌唱者の利用者IDと楽曲IDを含んだ操作信号がリモコン装置26から出力されると、本体制御部31は、その歌唱者の利用者IDと楽曲IDを内部のメモリ31bに格納して演奏処理の待ち行列で管理する。そして、その利用者IDと楽曲IDがホスト装置1に送信される。これらの利用者IDと楽曲IDに基づき、ホスト装置1は、歌唱を行う利用者(歌唱者)と歌唱する楽曲とが対応付けた状態を認識できる。
また、本実施形態のリモコン装置26は、通信デュエットにおける開始信号を送信する開始信号送信手段としても機能する。詳細は後述するが、この通信カラオケシステムでは、通信デュエットの実行時において、或るカラオケ装置2が親機として機能し、他のカラオケ装置2が子機として機能する。そして、親側のカラオケ装置2が有するリモコン装置26からの開始信号が、親側のカラオケ本体21と子側のカラオケ本体21のそれぞれに送信される。この場合において、親側のカラオケ本体21に対しては開始信号が直接入力され、子側のカラオケ本体21に対しては開始信号が近隣のアクセスポイント(図示せず)及び通信回線4(汎用通信回線4A)を介して送信される。
さらに、リモコン装置26は、ユーザー端末3としても機能する。この場合、リモコン装置26は、アクセスポイント及び汎用通信回線4Aを介してホスト装置1に接続される。このため、利用者は、カラオケ店KBに居ながらにしてマイページにアクセスできる。
映像用通信端末27及び音声用通信端末28は、通信デュエットが行われる際に、相手側のカラオケ装置2と通信回線4を介して接続される部分であり、ビデオカメラ25で撮影された歌唱映像データ、及び、マイク24等を通じて取得された歌唱音声データが送受信される。具体的には、映像用通信端末27は、映像用通信回線4Bを介して歌唱映像データを、相手側のカラオケ装置2が有する映像用通信端末27と送受信する。同様に、音声用通信端末28は、音声用通信回線4Cを介して歌唱音声データを、相手側のカラオケ装置2が有する音声用通信端末28と送受信する。これらの映像用通信回線4B及び音声用通信回線4Cでは、接続先となるカラオケ装置2を電話番号やIPアドレスなどによって選択できる。
映像用通信端末27で受信された相手側のカラオケ装置2からの歌唱映像データは、カラオケ本体21に入力される。同様に、音声用通信端末28で受信された相手側のカラオケ装置2からの歌唱音声データもまた、カラオケ本体21に入力される。なお、カラオケ本体21は、汎用通信回線4Aを介して相手側のカラオケ本体21やホスト装置1と通信可能に接続されている。そして、通信デュエット時の歌唱映像データ及び歌唱音声データを除く各種のデータや情報は、汎用通信回線4Aを介して送受信される。このように、本実施形態の通信カラオケシステムでは、通信デュエット時の歌唱映像データ及び歌唱音声データが、専用の映像用通信回線4B及び音声用通信回線4Cを介して送受信されている。
次に、カラオケ本体21について詳細に説明する。図5に示すように、カラオケ本体21は、本体側制御部31と、本体側通信部32と、本体側記憶部33と、音響処理部34と、表示処理部35と、映像入力部36と、操作部37とを有している。そして、これらの各部がバスBSを介して通信可能な状態に接続されている。
本体側制御部31は、カラオケ本体21における制御の中心となる部分であり、CPU31aやメモリ31bを有している。CPU31aは、メモリ31bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。例えば、操作部37からの操作を受け付ける操作入力処理やシーケンサとして動作するシーケンサ処理を行う。メモリ31bは、CPU31aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。本体側通信部32は、カラオケ本体21を通信回線4(汎用通信回線4A)に接続するためのインタフェースを提供する。この本体側通信部32は、本体側制御部31によって動作が制御される。
本体側記憶部33は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスクドライブによって構成されている。この本体側記憶部33には、例えば、楽曲データ記憶領域、背景映像データ記憶領域、歌唱映像データ記憶領域、歌唱音声データ記憶領域が設けられる。
楽曲データ記憶領域には、リモコン装置26で選択されたカラオケ楽曲を演奏するための楽曲データが記憶され、背景映像データ記憶領域には、モニタ23に背景映像を表示させるための背景映像データが記憶される。歌唱映像データ記憶領域には、デュエット相手が過去に歌唱したデュエット対象曲の歌唱映像データが、ホスト装置1からダウンロードされて記憶される。同様に、歌唱音声データ記憶領域には、デュエット相手が過去に歌唱したデュエット対象曲の歌唱音声データが、ホスト装置1からダウンロードされて記憶される。このため、本体側記憶部33(歌唱映像データ記憶領域,歌唱音声データ記憶領域)は、歌唱動画データ記憶手段に相当する。
音響処理部34は、カラオケ楽曲に対する演奏の制御、マイク24を通じて入力された歌唱音声信号の処理、及び、音声用通信端末28を通じて入力された歌唱音声データの処理を行う部分である。図6に示すように、音響処理部34は、音声再生部41、音声レベル調整部42、音源装置43、ミキサ44、及び、アンプ45を有している。
音声再生部41は、歌唱音声データ記憶領域に記憶された歌唱音声データに基づく歌唱音声信号(便宜上、動画音声信号という)を生成する部分である。音声レベル調整部42は、歌唱者の歌唱音声、デュエット相手の歌唱音声、及び、歌唱動画の動画音声(便宜上、歌唱動画音声という)のそれぞれについて、音量を調整する部分である。音声レベル調整部42には、音声再生部41からの動画音声信号と、マイク24からの歌唱音声信号と、音声用通信端末28からの歌唱音声データとが入力される。そして、音声レベル調整部42からは、動画音声信号、歌唱音声信号、及び、歌唱音声データのアナログ変換で得られた相手側歌唱音声信号が、音量を調整された状態で出力される。
音源装置43は、例えばMIDI音源などであり、楽曲データに基づいて楽音信号を生成する。ミキサ44は、音源装置43及び音声レベル調整部42から出力される各種信号を適当な比率でミキシングしてアンプ45に出力する。本実施形態では、動画音声信号、歌唱音声信号、相手側歌唱音声信号、及び、楽音信号が適宜ミキサ44へ入力される。アンプ45は、ミキサ44からのミキシング信号を増幅し、放音信号としてスピーカ22へ出力する。これにより、スピーカ22からは放音信号に基づくカラオケ演奏音や歌唱音声が放音される。
図5に示す表示処理部35は、カラオケ演奏時における背景映像の表示等の制御を行う。カラオケ演奏時において、表示処理部35には背景映像データが入力されており、この背景映像データのデコードが行われる。そして、表示処理部35は、デコードで生成された背景映像の映像信号に歌詞テロップを合成し、合成後の映像信号をモニタ23に出力する。その結果、モニタ23には、背景映像に歌詞テロップが重ねられた映像が表示される。
また、表示処理部35は、通信デュエットが行われている際、映像用通信端末27を介して受信した相手側の歌唱映像データをモニタ23に表示させる。このとき、モニタ23の所定位置には、ビデオカメラ25から直接入力された映像データに基づく映像、すなわち歌唱者の歌唱映像が上書き(スーパーインポーズ)される。
映像入力部36は、ビデオカメラ25からの歌唱映像データの取り込み処理を行う部分であり、いわゆるビデオカードで構成されている。この映像入力部36は、例えば、ビデオカメラ25及び映像用通信端末27と接続するための外部インタフェースと、バスBSを通じて本体側制御部31等と接続するための内部インタフェースと、フレームバッファとしてのビデオメモリを有している(何れも図示せず)。
操作部37は、パネルスイッチやリモコン受信回路などからなっており、利用者によるパネルスイッチやリモコン装置26の操作に応じた操作信号を本体側制御部31に対して出力する。本体側制御部31は、操作入力処理を行うことで操作信号を検出し、対応する処理を実行する。なお、パネルスイッチやリモコン装置26は、操作を選択するための種々のキースイッチ(図示せず)を備えている。そして、リモコン装置26を通じた操作により、通信デュエットの実行を選択できる。
次に、ユーザー端末3について説明する。ユーザー端末3は、カラオケの利用者によって操作される通信端末であり、歌唱動画コンテンツを閲覧する際などに操作される。図1に示すように、ユーザー端末3は、パーソナルコンピュータ3A、タブレットコンピュータ3B、携帯電話機3Cなどが含まれる。また、前述したように、リモコン装置26もユーザー端末3に含まれる。
図7に示すように、ユーザー端末3は、端末側制御部51と、端末側通信部52と、端末側記憶部53と、表示部54と、入力部55とを有している。
端末側制御部51は、ユーザー端末3における制御の中心となる部分であり、CPU51aやメモリ51bを有している。CPU51aは、メモリ51bに記憶された動作プログラムに従って各種の制御を実行する。メモリ51bは、CPU51aに実行されるプログラムを記憶したり、プログラムの実行時に各種情報を一時的に記憶したりする記憶素子である。端末側通信部52は、ユーザー端末3を通信回線4(汎用通信回線4A)に接続するためのインタフェースを提供する。端末側記憶部53は、各種の情報を記憶する記憶装置であり、不揮発性メモリやハードディスクドライブ等によって構成される。
表示部54及び入力部55は、いずれもユーザインタフェースを提供する部分である。表示部54は、各種メニューや操作用のラジオボタン等を表示する部分であり、例えば液晶表示装置やブラウン管で構成される。入力部55は、利用者による操作を操作情報として取り込む部分であり、例えばキーボード、マウス、タッチパネルによって構成される。なお、可搬性が要求されるタブレットコンピュータ3Bやリモコン装置26では、表示部54と入力部55とが一体化されたタッチパネル付きの液晶表示パネルが好適に用いられる。
次に、上記構成を有する通信カラオケシステムの動作について説明する。このカラオケシステムは、通信デュエットの処理に特徴を有している。このため、通信デュエットの動作を中心に説明を行う。
図8は、通信デュエットを行う一対のカラオケ装置2A,2Bが通信回線4(4A〜4C)を介して接続された状態を説明するブロック図である。通信デュエットの実行時には、一方のカラオケ装置2Aが親側となり、他方のカラオケ装置2Bが子側となる。便宜上、以下の説明では、親側のカラオケ装置2を親側カラオケ装置2Aといい、子側のカラオケ装置2を子側カラオケ装置2Bという。そして、親側カラオケ装置2Aが備える各部を「親側」の語を付して示し、子側カラオケ装置2Bが備える各部を「子側」の語を付して示すこととする。
親側リモコン装置26Aや子側リモコン装置26Bの操作によって通信デュエットが選択されると、親側映像用通信端末27Aと子側映像用通信端末27Bとが映像用通信回線4Bを介して通信可能に接続され、親側音声用通信端末28Aと子側音声用通信端末28Bとが音声用通信回線4Cを介して通信可能に接続される。これにより、親側ビデオカメラ25Aで撮影された映像が子側モニタ23Bで視認可能となり、親側マイク24Aで集音された音声が子側スピーカ22Bから放音されるようになる。同様に、子側ビデオカメラ25Bで撮影された映像が親側モニタ23Aで視認可能となり、子側マイク24Bで集音された音声が親側スピーカ22Aから放音されるようになる。
すなわち、送信側のカラオケ装置2で取得された歌唱映像データ及び歌唱音声データが通信回線4を通じて送信される。そして、再生側のカラオケ装置2が歌唱映像データ及び歌唱音声データを受信し、これらのデータを再生する。なお、親側カラオケ本体21Aと子側カラオケ本体21Bとは汎用通信回線4Aを介して常時通信可能に接続されているので、必要な情報は、汎用通信回線4Aを介して送受信することができる。
また、通信デュエットが選択されると、親側カラオケ装置2Aと子側カラオケ装置2Bとの間で、通信デュエットの対象となるカラオケ楽曲の楽曲ID、そのカラオケ装置2を利用している歌唱者歌唱者の利用者ID、及び、デュエット相手の利用者IDが共有される。そして、これらの情報がホスト装置1に送信される。ホスト装置1は、これらの情報に基づき、選択されたカラオケ楽曲について、各歌唱者が過去に歌唱した際の歌唱動画データ(歌唱映像データと歌唱音声データの組)を選択する。そして、デュエット相手の歌唱動画データを各カラオケ装置2A,2Bに配信する。これにより、各カラオケ装置2A,2Bにおいて、デュエット相手の歌唱映像データと歌唱音声データが、歌唱映像データ記憶領域と歌唱音声データ記憶領域に記憶される。
その後、各ビデオカメラ25A,25Bの角度や各マイク24A,24Bの入力感度等が調整され、通信デュエットが行える状態になったならば、親側リモコン装置26Aにより、通信デュエットの開始が指示される。これにより、親側リモコン装置26Aから開始信号が送信され、親側カラオケ本体21Aと子側カラオケ本体21Bに受信される。本実施形態における開始信号は、親側カラオケ本体21Aに対しては直接送信され、子側カラオケ本体21Bに対しては、アクセスポイント及び汎用通信回線4Aを通じて送信される。そして、開始信号が各カラオケ本体21A,21Bで受信されると通信デュエットが開始される。すなわち、親側カラオケ本体21Aと子側カラオケ本体21Bのそれぞれでカラオケ伴奏が開始される。各歌唱者は、カラオケ伴奏にあわせて歌唱を行うことで、デュエット歌唱を行うことができる。
図9は、通信デュエットの様子を説明する図である。同図に示すように、親側カラオケルームRM(親)では、親側モニタ23Aに子側歌唱映像XBと親側歌唱映像XAが表示されている。同様に、子側カラオケルームRM(子)では、子側モニタ23Bに親側歌唱映像XAと子側歌唱映像XBが表示されている。また、親側カラオケルームRM(親)及び子側カラオケルームRM(子)では、親側歌唱音声と子側歌唱音声とが合成された合成音声が親側スピーカ22A及び子側スピーカ22Bから放音される。このように、通信回線4で接続された一対のカラオケ装置2A,2Bで歌唱映像と歌唱音声が共有されることにより、通信デュエットが実現される。
この通信カラオケシステムでは、通信デュエットの実行時に、デュエット相手の歌唱動画データが用いられる。例えば、デュエット相手の歌唱音量等に基づいて通信障害の有無が判定され、通信障害有りと判定された場合に歌唱動画データが代わりに再生される。また、デュエット相手の歌唱音量が規定時間に亘って閾値以上である場合に、歌唱動画データの再生が停止される。
便宜上、以下の説明では、通信デュエットの実行時において、相手側歌唱者の歌唱音声が再生されている状態をデュエットモードといい、相手側歌唱者の歌唱映像や歌唱音声に代えて歌唱動画データが再生されている状態を動画再生モードという。
例えば、図10に示す例では、時刻t0でデュエット歌唱が開始されている。なお、歌唱開始時点ではデュエットモードに設定されている。そして、時刻t1で相手側の歌唱音声の音量が閾値未満まで低下し、時刻t2で通信障害有りと判定されたことを契機に、動画再生モードに移行する。これにより、デュエット相手の歌唱動画データの再生が、曲の途中からタイミングをあわせて行われる。
その後、時刻t3で相手側の歌唱音声の音量が閾値以上に復帰し、それが時刻t4まで継続していることから通信が安定状態と判断される。これに伴い、デュエットモードに復帰される。すなわち、時刻t4で歌唱動画データを構成する歌唱音声データの再生が停止されると共に、相手側歌唱音声の再生が開始される。なお、歌唱動画データを構成する歌唱映像データについては再生が継続される。その後、時刻t5までデュエット歌唱が行われる。このデュエット歌唱において、時刻t4以降の歌唱音声は通信回線4を通じて受信した歌唱音声データに基づくものであるが、歌唱映像は歌唱映像データを再生したものとなる。
このような制御を行うことで、通信障害によって歌唱音声データを受信できなくても、その期間に亘って歌唱動画データ再生され、デュエット歌唱を継続させることができる。そして、歌唱者は、デュエット歌唱が中断されないので、気分よく歌唱を行うことができる。また、デュエットモードに復帰した後の歌唱映像は、歌唱映像データを再生したものであるので通信負荷が軽減される。
以下、上記の制御を図11のフローチャートを参照して詳細に説明する。このフローチャートは、デュエット歌唱を行う各カラオケ装置2A,2Bの再生側動作を説明するものである。言い換えれば、再生側のカラオケ装置2の動作を説明するものである。
通信デュエットを行うに際し、親側カラオケ装置2Aの利用者及び子側カラオケ装置2Bの利用者(歌唱者)は、事前操作を行う(S1)。この事前操作では、それぞれ親側リモコン装置26A及び子側リモコン装置26Bを操作し、各カラオケ装置2A,2Bを通信デュエットモードに設定する。この事前操作により、親側映像用通信端末27Aと子側映像用通信端末27Bとの間で歌唱映像データが相互に送受信されるとともに、親側音声用通信端末28Aと子側音声用通信端末28Bとの間で歌唱音声データが相互に送受信される。また、デュエット歌唱されるカラオケ楽曲が選択され、演奏の準備が行われる。
この事前操作において、各カラオケ装置2A,2Bでは、歌唱者の利用者IDと、デュエット歌唱されるカラオケ楽曲の楽曲IDが共有され、ホスト装置1に送信される。ホスト装置1は、受信した利用者ID及び楽曲IDに基づき、各歌唱者による過去の歌唱で取得された当該カラオケ楽曲の歌唱動画データ(歌唱映像データと歌唱音声データの組)を選択し、相手側歌唱者が歌唱するカラオケ装置2へのダウンロードを開始させる(S2)。すなわち、親側カラオケ装置2Aへは、子側カラオケ装置2Bの歌唱者による歌唱動画データの送信が開始され、子側カラオケ装置2Bへは、親側カラオケ装置2Aの歌唱者による歌唱動画データの送信が開始される。
歌唱動画データのダウンロードが開始されたならば、各カラオケ装置2A,2Bは開始信号の受信を待つ(S3)。ここで、再生側のカラオケ装置2が親側カラオケ装置2Aである場合には、親側リモコン装置26Aからの開始信号を直接受信する。一方、再生側のカラオケ装置2が子側カラオケ装置2Bである場合には、アクセスポイント及び汎用通信回線4Aを通じて送信されてきた開始信号を受信する。開始信号を受信したならば、歌唱動画データのダウンロードが完了したか否かを判断し、ダウンロードが完了するまで待機する(S4)。
各歌唱動画データのダウンロード完了を条件に、カラオケ楽曲の演奏が開始される(S5)。ここでは、本体側制御部31によるシーケンス制御により、本体側記憶部33に記憶された楽曲データの読み出しが開始され、音響処理部34や表示処理部35に入力される。これにより、各カラオケ装置2A,2Bでカラオケ伴奏や歌詞表示が開始される。あわせて、映像や音声が出力されないように、バックグラウンドで歌唱動画データの再生も開始される。
次に、本体側制御部31は相手側歌唱音声取得手段として機能し、相手側歌唱者の歌唱音声を取得する(S6)。例えば、音響処理部34での変換で得られた相手側歌唱音声信号を測定用にサンプリングする。歌唱音声を取得したならば、本体側制御部31はモード判定手段として機能し、デュエット歌唱のモードを判定する(S7)。ここでは、デュエットモードと動画再生モードの何れが行われているかを判定する。例えば、本体側制御部31は、音声レベル調整部42の動作状況に基づき、相手側歌唱音声信号が出力されている場合にはデュエットモードと判定し、動画音声信号が出力されている場合には動画再生モードと判定する。なお、モードの判定に関しては、この方法に限らず他の方法を用いてもよい。
ステップS7のモード判定処理でデュエットモードと判定された場合、本体側制御部31は音量判定手段として機能し、相手側歌唱音声の音量を判定する(S8)。例えば、図12に示すように、歌唱動画音声の音量VLに基づいて設定された障害判定用の第1閾値TH1と相手側歌唱音声の音量(歌唱音声データの再生音量)とを比較し、相手側歌唱音声の音量が第1閾値TH1以上であるか否かを判定する。そして、第1閾値TH1以上である場合には、通信障害は生じていないとして、ステップS14に移行する。一方、第1閾値TH1未満である場合には、通信障害が生じている可能性があるとして、ステップS9の通信障害判定処理に移行する。
なお、第1閾値TH1は、通信障害の有無を判定する際に用いられることから、歌唱動画音声の音量VLに比べて十分に低い値が設定される。例えば、音量VLの20〜30%程度に設定される。この第1閾値TH1は、音量VLに基づく数値に限られず、一定値に定めてもよい。
通信障害有無の判定処理(S9)において、本体側制御部31は障害判定手段として機能し、通信障害の有無を判定する。本実施形態では、各音声用通信端末28A,28Bから音声用通信回線4Cを通じて確認要求(ping等)を送信している。その後、相手側のカラオケ装置2からの応答を規定時間内に受信できた場合に通信障害無しと判定し、受信できなかった場合に通信障害有りと判定する。この場合における規定時間は任意に設定することができるが、例えば0.5〜1.0秒に設定される。この程度の時間であれば、デュエット歌唱に大きな支障は来さないと考えられるためである。そして、通信障害無しと判定された場合にはステップS14に移行する。また、通信障害有りと判定された場合には、デュエットモードから動画再生モードへ切り替えられる。すなわち、ダウンロード済みの歌唱動画データが再生される第1モード切替処理(S11)に移行する。
第1モード切替処理(S11)において、本体側制御部31は再生制御手段として機能し、相手側歌唱映像及び相手側歌唱音声に代えてダウンロード済みの歌唱動画データを再生させる。ここでは、本体側制御部31が音響処理部34と表示処理部35を制御し、バックグラウンドで再生されていたダウンロード済みの歌唱映像データと歌唱音声データを、フォアグラウンドで再生させる。この第1モード切替処理を行ったならば、ステップS14に移行する。
また、前述したステップS7のモード判定処理で動画再生モードと判定された場合、本体側制御部31は復旧判定手段として機能し、相手側歌唱音声の音量が規定時間に亘って判定音量以上であるかを判定する(S12)。例えば、図12に示すように、歌唱動画音声の音量VLに基づいて設定された復旧判定用の第2閾値TH2と相手側歌唱音声の音量とを比較し、相手側歌唱音声の音量が第2閾値TH2以上であるか否かを判定する。
そして、第2閾値TH2以上であって、この状態が5秒程度継続した場合には、通信障害は復旧したとして、動画再生モードからデュエットモードへ切り替えられる。すなわち、相手側歌唱音声を放音させる第2モード切替処理(S13)に移行する。一方、第2閾値TH2未満である場合、或いは、第2閾値TH2以上の期間が規定時間に達していない場合には、まだ通信障害から復旧されていないとして、ステップS14に移行する。
なお、第2閾値TH2は、通信障害からの復旧を判定する際に用いられることから、歌唱動画音声の音量VLに比較的近い値が設定される。例えば、音量VLの60〜80%程度に設定される。この第2閾値TH2もまた、音量VLに基づく数値に限られず、一定値に定めてもよい。
第2モード切替処理(S13)においても、本体側制御部31は再生制御手段として機能し、再生中の歌唱音声データに代えて、音声用通信回線4Cを介して受信した相手側歌唱音声を放音させる。このとき、再生中の歌唱音声データについては、再生音量を絞ってバックグラウンドでの再生に移行させる。
なお、歌唱映像に関しては、歌唱映像データを継続して再生させる。これは、通信回線4の安定性を高めるためである。すなわち、通信障害が発生する環境は通信回線4が不安定であると考えられ、専用回線であっても何らかの影響を受ける可能性がある。そこで、大容量の歌唱映像データについては送受信をせず、比較的小容量の歌唱音声データについて送受信を行うようにしている。この第2モード切替処理を行ったならば、ステップS14に移行する。
ステップS14では、カラオケ楽曲が終了したか否かが判断される。例えば、本体側制御部31は、再生中のカラオケ楽曲に対するシーケンス制御が最後まで行われたか否かを判断する。そして、演奏途中である場合には、前述のステップS6に移行し、相手側歌唱音声の取得処理から順に、前述の処理を繰り返し行う。一方、演奏が終了したならば、一連の処理を終了する。
以上の処理を行う本実施形態の通信カラオケシステムによれば、ホスト装置1(サーバー)は、カラオケ楽曲の歌唱に伴って取得された歌唱動画データを、歌唱者を示す利用者IDとカラオケ楽曲を示す楽曲IDに対応付けて記憶するホスト側記憶部13(歌唱動画データ蓄積手段)を有している。そして、各カラオケ装置2は、利用者ID及び楽曲IDに基づいて選択された、デュエット相手の歌唱者による或る楽曲の過去の歌唱時の歌唱動画データを、ホスト装置1から受信して記憶する本体側記憶部33(歌唱動画データ記憶手段)と、通信回線4における通信障害の有無を判定すると共に、通信障害有りと判定された場合に、歌唱映像データ及び歌唱音声データに代えて歌唱動画データを再生させる本体側制御部31(障害判定手段,再生制御手段)を有しているので、送信側のカラオケ装置2からの歌唱音声データを受信できなくてもデュエット歌唱を継続的に行わせることができる。そして、再生されている歌唱動画データは歌唱相手のものであるため、デュエット歌唱の雰囲気が損なわれ難い。
また、本体側制御部31(復旧判定手段)は、通信障害有りと判定された後、相手側からの歌唱音声データの再生音量に基づき、この再生音量が予め設定された第2閾値TH2よりも規定時間に亘って大きくなったことを条件に、通信障害から復旧されたと判定しているので、通信が安定した状態で、相手側のカラオケ装置2の歌唱者と再度デュエット歌唱を行うことができる。
また、本体側記憶部33(歌唱動画データ記憶手段)は、歌唱動画データを歌唱映像データ(映像部分)と歌唱音声データ(音声部分)とに分けて記憶し、本体側制御部31(再生制御手段)は、通信障害から復旧したと判定された場合に、本体側記憶部33に記憶された歌唱音声データに代えて音声用通信回線4Cを通じて受信した歌唱音声データを再生させ、本体側記憶部33に記憶された歌唱動画データの再生を継続させているので、大容量の歌唱映像データについては映像用通信回線4Bによる送受信の対象にならず、通信の安定性を高めることができる。
また、本体側制御部31(障害判定手段)は、相手側からの歌唱音声データの再生音量が予め設定された第1閾値TH1よりも小さくなったことを条件に、音声用通信回線4Cを通じて相手側のカラオケ装置2に確認要求を送信し、このカラオケ装置2からの応答を規定時間内に受信できなかった場合に、通信障害有りと判定しているので、通信障害の有無を確実に判定することができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
まず、デュエット相手の過去の歌唱動画データに関し、選択されたカラオケ楽曲について複数の歌唱動画データがホスト装置1に蓄積されている場合がある。この場合、歌唱日時に基づき最新の歌唱動画データをカラオケ装置2に配信することが好ましい。このようにすると、現在の歌唱手法に最も近い状態でデュエット歌唱を継続できる。また、採点結果に基づき最も高得点の歌唱動画データをカラオケ装置2に配信してもよい。このようにすると、デュエット相手のベストに近い状態でデュエット歌唱を継続できる。
前述の実施形態では、通信障害が復旧したと判定された後においても、本体側記憶部33に記憶された歌唱映像データの再生を継続させるものを例示したが、この構成に限られない。例えば、復旧判定後において、歌唱映像データを映像用通信回線4Bを通じて送受信させてもよい。
また、歌唱動画データに関し、前述の実施形態では歌唱映像データと歌唱音声データとに分かれたものを例示したが、この構成に限られない。映像と音声が一体化された形式の歌唱動画データを用いてもよい。この場合、容量の比較的小さな閲覧用動画データを用いると、ホスト装置1からの転送時間を短縮化できて好ましい。
通信回線4に関し、前述の実施形態では、映像用通信回線4Bと音声用通信回線4Cとを専用回線で構成したものを例示したが、これらを汎用回線で構成してもよいし、歌唱映像データ及び歌唱音声データを送受信する通信回線4を専用回線で構成してもよい。