以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張してある。
本発明の一実施形態に係る投射装置は、例えば、車両用ベッドアップディスプレイ装置に適用可能であるが、車両用ベッドアップディスプレイ装置以外の種々の投射装置、例えばプロジェクタ等への適用も可能である。
図1は一実施形態に係る投射装置20の概略構成を示すブロック図である。図1の投射装置20は、光学素子50と、照射装置60と、拡散スクリーン15と、拡大投射光学系80と、半透過部材90とを備えている。本明細書では、光学素子50と照射装置60とを合わせたものを照明装置40と呼ぶ。
照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50の表面を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。照射装置60は、コヒーレント光を放射するレーザ光源61と、レーザ光源61の点灯/消灯を制御する光源制御部62と、レーザ光源61から放射されたコヒーレント光を光学素子50の表面上で走査させる走査デバイス65とを有する。
光学素子50は、拡散スクリーン15に選択的に投射可能な情報が予め記録されたホログラム記録媒体55を有する。ホログラム記録媒体55の詳細については後述する。ホログラム記録媒体55には、走査デバイス65にて反射されたコヒーレント光が入射される。ホログラム記録媒体55は、複数の要素ホログラムに分かれており、各要素ホログラムには固有の情報を拡散スクリーン15に投射するための干渉縞が形成されている。コヒーレント光が入射されると、干渉縞で回折されたコヒーレント光が拡散光となって放射される。これにより、各要素ホログラムの各点は、拡散スクリーン15上の要素ホログラムに対応する領域に2次元像の少なくとも一部を重ねて再生することになる。
走査デバイス65は、入射されたコヒーレント光の反射角度を一定周期で可変させて、反射されたコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにしている。
ホログラム記録媒体55上の各点に入射されたコヒーレント光は、拡散光となって、拡散スクリーン15上に少なくとも一部が重なるように2次元像を形成する。この2次元像の重ね合わせにより、拡散スクリーン15上には、選択情報の像が形成される。選択情報は、後述するように、ホログラム記録媒体55の各要素ホログラムに予め記録された情報の中から任意に選択される情報である。
光学素子50としては、ホログラム記録媒体の代わりに、例えば、透過型の液晶マイクロディスプレイ(例えば、LCOS:Liquid Crystal on Silicon)を用いることができる。この場合、液晶マイクロディスプレイにフーリエ変換パターン等の回折パターンを表示し、最終的に拡散スクリーン15上で同じ位置に2次元画像が形成されるように液晶マイクロディスプレイの複数画素により構成される単位画素群の回折方向を制御すれば、拡散スクリーン15に投射される画像の光線入射角は時間変化し、拡散スクリーン15上で発生するスペックルパターンは時間的に変化するため、スペックルは不可視化される。
光学素子50としては、反射型のマイクロディスプレイを用いることも可能である。この場合、光学素子50での反射光によって透過型の液晶マイクロディスプレイの場合と同様に選択情報の画像が形成され、光学素子50へ照明装置40からコヒーレント光が照射される面と、光学素子50で反射された選択情報の画像の映像光(反射光)の出射面が同一の面となる。このような反射光を利用する場合、光学素子50としてDMD(Digital Micromirror Device)などのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子を用いることも可能である。上述した特許文献2に開示された装置では、DMDが光変調器として利用されている。
光学素子50で生成された選択情報の画像は、拡散スクリーン15に投射される。拡散スクリーン15は、例えば透過型であり、投射された選択情報の画像を形成するのに利用されたコヒーレント光を拡散する。なお、拡散スクリーン15は、反射型でもよい。
拡散スクリーン15に投射された選択情報の画像16を形成するコヒーレント光は、拡散スクリーン15で拡散されて、拡大投射光学系80に入射される。拡大投射光学系80は、例えば凹面鏡81を有する。この凹面鏡81は、拡散スクリーン15で拡散された拡散光の屈折角を変更して、選択情報の像を拡大して、ハーフミラーからなる半透過部材90に投射する。ハーフミラー90は、拡散スクリーン15で拡散された拡散光の一部を反射させて選択情報の画像の虚像91を形成するとともに、外光も一部透過させるため、観察者は、外光とともに虚像91を視認することになる。なお、凹面鏡81の代わりに、ホログラム記録媒体を用いて拡大投射光学系80を構成してもよい。
ハーフミラー90として、例えば、車両のフロントガラスを用いることができ、観察者は運転席に座って前方を向くことで、フロントガラスを通して車外の景色を見ながら、虚像91を視認できる。この場合、ハーフミラー90を別個に設けなくて済み、車両の部品コストを削減できる。あるいは、ハーフミラー90の代わりに、ホログラム記録媒体やプリズムを用いてもよい。
光学素子50では、種々の選択情報の画像を生成可能であり、光学素子50で選択情報の画像を生成して、それを拡散スクリーン15に投射して、さらに拡大投射光学系80で拡大した像をハーフミラー90に投射することで、任意の選択情報の画像に対応する虚像91を形成することができる。
本実施形態では、拡散スクリーン15に選択情報の像を投射するために、予め情報が記録されたホログラム記録媒体55を光学素子50として用いている。ホログラム記録媒体55は、図2に示すように、複数の要素ホログラム59に分かれており、各要素ホログラム59に固有の情報が記録されている。
図2の例では、ホログラム記録媒体55を、横3個×縦4個=計12個の要素ホログラム59で構成し、各要素ホログラム59に数字かアルファベットの情報を記録している。
本実施形態は、一例として、速度表示が可能なヘッドアップディスプレイ装置への適用を想定しており、速度表示に必要な数字「0」〜「9」、またはアルファベット「k」、「m」の情報を各要素ホログラム59に記録している。
本実施形態では、いずれかの要素ホログラム59に記録された情報を任意に選択して、拡散スクリーン15に投射可能としている。
このような要素ホログラム59は、計算機を用いて干渉縞の形状を計算して、その結果に従ってホログラム記録媒体を作製する、いわゆる計算機合成ホログラムを用いれば、比較的容易に作製可能である。その際、各要素ホログラム59ごとに、拡散スクリーン15のどの位置に投射させるかを予め設定しておく。複数の要素ホログラム59について、拡散スクリーン15内の同一位置に投射させるような設定しておくことも可能である。このような種々の設定条件に従って計算機を用いてホログラム記録媒体を作製する。作製されたホログラム記録媒体の中の特定の一つまたは複数の要素ホログラム59のみにコヒーレント光を入射すれば、その要素ホログラム59に記録された情報だけを拡散スクリーン15に投射することができる。
なお、計算機ホログラムを用いる代わりに、体積型ホログラムを用いて要素ホログラム59に対応する干渉縞を記録し、特定の干渉縞で回折された情報のみを拡散スクリーン15に投射してもよい。この場合、干渉縞と同様の散乱特性を持った基準となる散乱板を用意して、ホログラム記録媒体に干渉縞を形成すればよい。この場合のホログラム記録媒体55は、例えばフォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラムである。図3はホログラム記録媒体55に散乱板の像を干渉縞として形成する様子を説明する図である。
図3に示すように、ホログラム記録媒体55は、実物の散乱板6からの散乱光を物体光Loとして用いて作製されている。図3には、ホログラム記録媒体55をなすようになる感光性を有したホログラム感光材料58に、互いに干渉性を有するコヒーレント光からなる参照光Lrと物体光Loとが露光されている状態が示されている。
参照光Lrとしては、例えば、特定波長域のレーザ光を発振するレーザ光源61からのレーザ光が用いられる。参照光Lrは、レンズからなる集光素子7を透過してホログラム感光材料58に入射する。図3に示す例では、参照光Lrを形成するためのレーザ光が、集光素子7の光軸と平行な平行光束として、集光素子7へ入射する。参照光Lrは、集光素子7を透過することによって、それまでの平行光束から収束光束に整形(変換)され、ホログラム感光材料58へ入射する。この際、収束光束Lrの焦点位置FPは、ホログラム感光材料58を通り過ぎた位置にある。すなわち、ホログラム感光材料58は、集光素子7と、集光素子7によって集光された収束光束Lrの焦点位置FPと、の間に配置される。
一方、物体光Loは、例えばオパールガラスからなる散乱板6からの散乱光として、ホログラム感光材料58に入射する。図3の例では、作製されるべきホログラム記録媒体55が透過型であり、物体光Loは、参照光Lrと同じ側の面からホログラム感光材料58へ入射する。物体光Loは、参照光Lrと干渉性を有することが前提である。したがって、例えば、同一のレーザ光源61から発振されたレーザ光を分割させて、分割された一方を上述の参照光Lrとして利用し、他方を物体光Loとして使用することができる。
図3に示す例では、散乱板6の板面への法線方向と平行な平行光束が、散乱板6へ入射して散乱され、そして、散乱板6を透過した散乱光が物体光Loとしてホログラム感光材料58へ入射している。この方法によれば、通常安価に入手可能な等方散乱板を散乱板6として用いた場合に、散乱板6からの物体光Loを、ホログラム感光材料58に概ね均一な光量分布で入射させることができる。またこの方法によれば、散乱板6による散乱の度合いにも依存するが、ホログラム感光材料58の各位置に、散乱板6の出射面6aの全域から概ね均一な光量で物体光Loが入射しやすくなる。このような場合には、得られたホログラム記録媒体55の各位置に入射した光が、それぞれ、散乱板6の像5を同様の明るさで再生し、かつ、再生された散乱板6の像5を概ね均一な明るさで観察することが実現され得る。
以上のようにして、参照光Lrおよび物体光Loがホログラム記録材料58に露光されると、参照光Lrおよび物体光Loが干渉してなる干渉縞が生成され、この光の干渉縞が、何らかのパターン、例えば体積型ホログラムでは、一例として、屈折率変調パターンとして、ホログラム記録材料58に記録される。その後、ホログラム記録材料58の種類に対応した適切な後処理が施され、ホログラム記録材料55が得られる。
図4は図3の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55に形成された干渉縞を用いて散乱板の像を再生する様子を説明する図である。図4に示すように、図3のホログラム感光材料58にて形成されたホログラム記録媒体55は、露光工程で用いられたレーザ光と同一波長の光であって、露光工程における参照光Lrの光路を逆向きに進む光によって、そのブラッグ条件が満たされるようになる。すなわち、図4に示すように、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する焦点FPの相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようにしてホログラム記録媒体55に対して位置する基準点SPから発散し、露光工程時における参照光Lrと同一の波長を有する発散光束は、再生照明光Laとして、ホログラム記録媒体55にて回折され、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する散乱板6の相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようになるホログラム記録媒体55に対する特定の位置に、散乱板6の再生像5を生成する。
この際、散乱板6の再生像5を生成する再生光、すなわち再生照明光Laをホログラム記録媒体55で回折してなる光Lbは、露光工程時に散乱板6からホログラム感光材料58へ向かって進んでいた物体光Loの光路を逆向きに進む光として散乱板6の像5の各点を再生する。ここで、図3に示したように、露光工程時に散乱板6の出射面6aの各位置から出射する物体光Loが、それぞれ、ホログラム感光材料58の概ね全領域に入射するように拡散している。すなわち、ホログラム感光材料58上の各位置には、散乱板6の出射面6aの全領域からの物体光Loが入射し、結果として、出射面6a全体の情報がホログラム記録媒体55の各位置にそれぞれ記録されている。このため、図4に示された、再生照明光Laとして機能する基準点SPからの発散光束をなす各光は、それぞれ単独で、ホログラム記録媒体55の各位置に入射して互いに同一の輪郭を有した散乱板6の像5を、互いに同一の位置に再生することができる。
ホログラム記録媒体55に入射した光は、拡散スクリーン15の方向に回折されるため、無駄な散乱光を効果的に抑制できる。したがって、ホログラム記録媒体55に入射される再生照明光Laをすべて、選択情報の像を形成するために有効利用できる。
次に、このような複数の要素ホログラム59からなるホログラム記録媒体55を有する光学素子50にコヒーレント光を照射する照射装置60の構成について説明する。図1〜図4に示された例において、照射装置60は、それぞれがコヒーレント光を生成するレーザ光源61と、レーザ光源61の点灯/消灯の制御を行なう光源制御部62と、このレーザ光源61からのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイス65と、を有する。
レーザ光源61は、例えばそれぞれ異なる波長帯域のレーザ光を放射する複数のレーザ光源61を用いてもよい。複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのレーザ光が走査デバイス65上の同一点を照射するようにする。これにより、ホログラム記録媒体55は、各レーザ光源61の照明色が混ざり合った再生照明光で照明されることになる。
レーザ光源61は、単色のレーザ光源でもよいし、発光色の異なる複数のレーザ光源でもよい。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源を用いて構成してもよい。複数のレーザ光源を用いる場合は、各レーザ光源からのコヒーレント光が走査デバイス65上の一点に照射されるように各レーザ光源を配置すれば、各レーザ光源からのコヒーレント光が、走査デバイス65の入射角度に応じた反射角度で反射されて、ホログラム記録媒体55上に入射され、ホログラム記録媒体55から別個に回折されて、拡散スクリーン15上で重ね合わされて合成色になる。例えば、赤、緑、青の複数のレーザ光源を用いて構成して場合には白色になる。あるいは、各レーザ光源ごとに、別個の走査デバイス65を設けてもよい。
なお、例えば白色で照明する場合は、赤緑青以外の色で発光するレーザ光源61、例えば、黄色で発光するレーザ光源61を別個に設けた方が、より白色に近い色を再現できる場合もある。したがって、照射装置60内に設けるレーザ光源61の種類は、特に限定されるものではない。
レーザ光源61は、光源制御部62により、点灯/消灯が制御される。光源制御部62は、走査デバイス65の走査位置に基づいて、レーザ光源61を点灯するか、あるいは消灯するかを決定する。図2に示したように、本実施形態によるホログラム記録媒体55は、複数の要素ホログラム59に分かれており、各要素ホログラム59には、それぞれ固有の情報が記録されている。走査デバイス65は、レーザ光源61からのコヒーレント光がホログラム記録媒体55の全域を順に繰り返し走査するように、コヒーレント光の反射角度を継続的に変化させる。実際にコヒーレント光がホログラム記録媒体55の全域を走査してしまうと、全要素ホログラム59に記録されたすべての情報が重なり合って拡散スクリーン15に投射されてしまう。そこで、本実施形態では、拡散スクリーン15に投射したい特定の情報に対応する要素ホログラム59をコヒーレント光が走査するタイミングに合わせて、レーザ光源61を点灯させて、この要素ホログラム59に実際にコヒーレント光が入射されるようにする。また、拡散スクリーン15に投射させたくない情報に対応する要素ホログラム59をコヒーレント光が走査する間は、レーザ光源61を消灯させて、この要素ホログラム59にコヒーレント光が入射されないようにする。
このようなレーザ光源の点灯/消灯制御を光源制御部62で行なうことにより、ホログラム記録媒体55に予め記録された複数の情報の中から、任意の情報だけを選択して、拡散スクリーン15に選択情報の像16を投射することが可能となる。
拡散スクリーン15にカラーの選択情報を投射する場合は、例えば波長帯域の異なるコヒーレント光を照射する複数のレーザ光源61を設けて、光源制御部62で各レーザ光源の点灯/消灯を個別に制御し、また、各レーザ光源61ごとにホログラム記録媒体55を設けて、各ホログラム記録媒体55上を対応するレーザ光源61のコヒーレント光が走査する際に、個々のレーザ光源61の点灯/消灯を制御すればよい。各レーザ光源61ごとに設けられるホログラム記録媒体55は、隣接配置される。それぞれのホログラム記録媒体55が複数の要素ホログラム59を有する。また、走査デバイス65は、各レーザ光源61ごとに別個に設けてもよいし、一つの走査デバイス65の同じ位置に各レーザ光源61からのコヒーレント光が照射されるようにしてもよい。後者の場合は、走査デバイス65を複数個備える必要はない。
上述したように、走査デバイス65は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55の全域を走査するように、レーザ光源61からのコヒーレント光の反射角度を随時変更しており、また、ホログラム記録媒体55上の各点は、拡散スクリーン15上の要素ホログラム59に対応する領域に2次元像を重ねて再生するため、拡散スクリーン15上でスペックルが重ねられて平均化される結果、スペックルが目立たなくなる。
また、走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、走査デバイス65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55の入射面上を走査するようになる。
図5は走査デバイス65の走査経路を説明する図である。本実施形態に係る走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有する反射デバイス66を含んでいる。反射デバイス66は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aとしてのミラーを有したミラーデバイスを有する。このミラーデバイス66は、ミラー66aの配向を変化させることによって、レーザ光源61からのコヒーレント光の進行方向を変化させるようになっている。この際、図4に示すように、ミラーデバイス66は、概ね、基準点SPにおいてレーザ光源61からコヒーレント光を受けるようになっている。
ミラーデバイス66で進行方向を最終調整されたコヒーレント光は、基準点SPからの発散光束の一光線をなし得る再生照明光La(図4参照)として、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射し得る。結果として、照射装置60からのコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようになり、且つ、ホログラム記録媒体55上の各位置に入射したコヒーレント光が同一の輪郭を有した2次元像を拡散スクリーン15の位置に再生するようになる。
図5に示すように、反射デバイス66は、一つの軸線RA1に沿ってミラー66aを回動させるように構成されている。図5に示された例では、ミラー66aの回動軸線RA1は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系、つまり、XY平面がホログラム記録媒体55の板面と平行となるXY座標系のY軸と、平行に延びている。そして、ミラー66aが、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行な軸線RA1を中心として回動するため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のX軸と平行な方向に往復動するようになる。すなわち、図5に示された例では、照射装置60は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を直線経路に沿って走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。
ミラーデバイス66等で構成される走査デバイス65は、上述したように、少なくとも軸線RA1回りに回動可能な部材であり、例えば、MEMSなどを用いて構成される。走査デバイス65は、周期的に回動運動を行うが、人間が直接観察する液晶表示装置などの用途では、1周期1/30秒程度、表示したい画面の種類に応じてそれ以上に高速にコヒーレント光で走査できれば、その回動周波数には特に制限はない。
なお、実際上の問題として、ホログラム記録媒体55を作成する際、ホログラム記録材料58が収縮する場合がある。このような場合、ホログラム記録材料58の収縮を考慮して、照射装置60から光学素子50に照射されるコヒーレント光の入出射角度が調整されることが好ましい。したがって、コヒーレント光源61で生成するコヒーレント光の波長は、図3の露光工程で用いた光の波長と厳密に一致させる必要はなく、ほぼ同一となっていてもよい。
また、同様の理由から、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射する光の進行方向も、基準点SPからの発散光束に含まれる一光線と厳密に同一の経路を取っていなくとも、拡散スクリーン15の位置に2次元像を再生することができる。実際に、図5および図6に示す例では、走査デバイス65をなすミラーデバイス66のミラー(反射面)66aは、必然的に、その回動軸線RA1からずれる。したがって、基準点SPを通過しない回動軸線RA1を中心としてミラー66aを回動させた場合、ホログラム記録媒体55へ入射する光は、基準点SPからの発散光束をなす一光線とはならないことがある。しかしながら、実際には、図示された構成の照射装置60からのコヒーレント光によって、拡散スクリーン15に重ねて2次元像5を実質的に再生することができる。
ところで、走査デバイス65は、必ずしもコヒーレント光を反射させる部材である必要はなく、反射ではなく、コヒーレント光を屈折や回折等を行わせて、コヒーレント光を光学素子50上で走査させてもよい。
(本実施形態の作用効果)
次に、以上の構成からなる投射装置20の作用および効果について説明する。
本実施形態に係る投射装置20は、ホログラム記録媒体55に、それぞれ異なる情報が記録された複数の要素ホログラム59を設ける。そして、走査デバイス65により、ホログラム記録媒体55上をコヒーレント光が走査する際に、拡散スクリーン15に投射したい情報が記録された要素ホログラム59上をコヒーレント光が走査するタイミングに合わせて、光源制御部62によりレーザ光源61を点灯させる。これにより、特定の要素ホログラム59のみに実際にコヒーレント光が照射されて、この要素ホログラム59の各点から拡散された2次元像が拡散スクリーン15に重ね合わされて、選択情報の像16が形成される。
拡散スクリーン15上に形成された選択情報の像16は、拡大投射光学系80により拡大されて、ハーフミラー90に入射される。ハーフミラー90は、選択情報の像に対応する虚像91を形成するとともに、この虚像91を外光とともに、観察者に視認可能とする。
コヒーレント光がホログラム記録媒体55で拡散されて拡散スクリーン15に投射されることで、拡散スクリーン15上でのスペックルパターンが時間的に変化し、スペックルが目立たなくなる。また、本実施形態の場合、レーザ光源61を点灯しっぱなしにするのではなく、ホログラム記録媒体55上のコヒーレント光の走査位置に合わせて、必要最小限の時間だけレーザ光源を点灯するため、消費電力の削減が図れる。
このように、本実施形態では、レーザ光源61、光源制御部62、走査デバイス65、およびホログラム記録媒体55を用いて拡散スクリーン15上に選択情報の画像16を形成するため、例えば通常の液晶表示装置を用いて選択情報の画像を形成する場合と比べて、全体的なハードウェア構成を大幅に小型化できる。また、本実施形態では、走査デバイス65でホログラム記録媒体55上をコヒーレント光で走査させ、かつ拡散スクリーン15に選択情報の画像16を投射するため、コヒーレント光を用いながらも、スペックルを目立たせなくすることができ、高品質の画像表示が可能な投射装置20を実現できる。また、拡散スクリーン15を設けることで、視野角を広げることも可能となる。
走査デバイス65は、ホログラム記録媒体55上の各位置に、当該位置でのブラッグ条件を満たす入射角度で、対応する特定波長のコヒーレント光を入射させる。この結果、各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55に記録された干渉縞による回折により、拡散スクリーン15の要素ホログラム59に対応する領域に重ねて2次元像を投射し、これら2次元像の合成により選択情報の像16が再生される。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光はそれぞれ、光学素子50で拡散されて、拡散スクリーン15に入射されることになる。
このようにして、照射装置60は、拡散スクリーン15上にコヒーレント光を用いて選択情報の像を形成する。
本実施形態では、以下に説明するように、スペックルを目立たせずに拡散スクリーン15上に選択情報の像を形成することができる。
前掲の非特許文献1によれば、スペックルを目立たなくさせるには、偏光・位相・角度・時間といったパラメータを多重化し、モードを増やすことが有効であるとされている。
ここでいうモードとは、互いに無相関なスペックルパターンのことである。例えば、複数のレーザ光源61から同一のスクリーンに異なる方向からコヒーレント光を投射した場合、レーザ光源61の数だけ、モードが存在することになる。また、同一のレーザ光源61からのコヒーレント光を、単位時間毎に異なる方向からスクリーンに投射した場合、人間の目で分解不可能な時間の間にコヒーレント光の入射方向が変化した回数だけ、モードが存在することになる。そして、このモードが多数存在する場合には、光の干渉パターンが無相関に重ねられて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルが目立たなくなるものと考えられている。
上述した照射装置60は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。また、照射装置60からホログラム記録媒体55内の任意の位置に入射したコヒーレント光は、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の全域を照明するが、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域を照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なる。そして、コヒーレント光が入射するホログラム記録媒体55上の位置が経時的に変化するため、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内へのコヒーレント光の入射方向も経時的に変化する。
上述したように、本実施形態では、コヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上を連続的に走査する。これに伴って、照射装置60から光学素子50を介して拡散スクリーン15に入射されるコヒーレント光の入射方向も連続的に変化する。ここで、光学素子50から拡散スクリーン15へのコヒーレント光の入射方向が僅か(例えば0.数°)だけ変化すれば、拡散スクリーン15上に生じるスペックルのパターンも大きく変化し、無相関なスペックルパターンが重畳されることになる。加えて、実際に市販されているMEMSミラーやポリゴンミラー等の走査デバイス65の周波数は通常数百Hz以上であり、数万Hzにも達する走査デバイス65も珍しくない。
以上のことから、本実施形態によれば、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さである。したがって、拡散スクリーン15上で発生するスペックルが重ねられ平均化されて観察者に観察されることから、スクリーンに表示されている映像を観察する観察者に対して、拡散スクリーン15上で発生するスペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
上述したように、本発明の実施形態では、走査デバイス65を用いて、コヒーレント光をホログラム記録媒体55上で走査させ、ホログラム記録媒体55で回折されたコヒーレント光を拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域に入射させるという、きわめて簡易な構成で、投射装置20を実現できる。
(本実施形態のその他の特徴)
前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
加えて、上述してきた本実施形態によれば、次の利点を享受することもできる。
上述してきた本実施形態によれば、スペックルを目立たなくさせるための光学素子50が、照射装置60から照射されるコヒーレント光のビーム形態を整形および調整するための光学部材としても機能し得る。したがって、光学系を小型且つ簡易化することができる。
また、上述してきた本実施形態によれば、ホログラム記録媒体55の特定位置に入射するコヒーレント光が、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の全域に2次元像を生成する。このため、ホログラム記録媒体55で回折された光をすべて照明用に利用することが可能となり、レーザ光源61からの光の利用効率の面においても優れる。
(0次光の回避)
照射装置60からのコヒーレント光の一部は、ホログラム記録媒体55で回折されることなく当該ホログラム記録媒体55を透過する。このような光は0次光と呼ばれる。0次光が拡散スクリーン15に入射してしまうと、周囲と比較して明るさ(輝度)が急激に上昇する点状領域、線状領域、面状領域等の異常領域が拡散スクリーン15に発生してしまう。
反射型のホログラム記録媒体55(以下、反射型ホロ)を用いる場合は、0次光が進行する方向には拡散スクリーン15は配置されないため、0次光を比較的容易に回避できるが、透過型のホログラム記録媒体55(以下、透過型ホロ)を用いる場合は、0次光を回避する構成は取りづらい。したがって、透過型ホロの場合は、回折効率を極力高くし、0次光の影響をできるだけ抑えるようにするのが望まれる。
(反射型と透過型のホログラム記録媒体55)
反射型ホロは、透過型ホロに比べて、波長選択性が高い。すなわち、反射型ホロは、異なる波長に対応した干渉縞を積層させても、所望の層のみで所望の波長のコヒーレント光を回折させることができる。また、0次光の影響を除去しやすい点でも、反射型ホロは優れている。
一方、透過型ホロは、回折可能なスペクトルが広く、レーザ光源61の許容度が広いが、異なる波長に対応した干渉縞を積層させると、所望の層以外の層でも所望の波長のコヒーレント光が回折されてしまう。よって、一般には、透過型ホロは、積層構造にするのが困難である。
(照射装置60)
上述した形態では、照射装置60が、レーザ光源61と走査デバイス65とを有する例を説明した。走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を反射によって変化させる一軸回動型のミラーデバイス66からなる例を示したが、これに限られない。走査デバイス65は、図6に示すように、ミラーデバイス66のミラー(反射面)66aが、第1の回動軸線RA1だけでなく、第1の回動軸線RA1と交差する第2の回動軸線RA2を中心としても回動可能となっていてもよい。図6に示された例では、ミラー66aの第2の回動軸線RA2は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行に延びる第1回動軸線RA1と、直交している。そして、ミラー66aが、第1軸線RA1および第2軸線RA2の両方を中心として回動可能なため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動可能となる。このため、一例として図6に示されているように、コヒーレント光の光学素子50への入射点IPが円周上を移動するようにすることもできる。
また、走査デバイス65が、二以上のミラーデバイス66を含んでいてもよい。この場合、ミラーデバイス66のミラー66aが、単一の軸線を中心としてのみ回動可能であっても、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPを、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動させることができる。
なお、走査デバイス65に含まれるミラーデバイス66aの具体例としては、MEMSミラー、ポリゴンミラー、ガルバノミラー等を挙げることができる。
また、走査デバイス65は、反射によってコヒーレント光の進行方向を変化させる反射デバイス、すなわち本実施形態において一例として上述してきたミラーデバイス66以外のデバイスを含んで構成されていてもよい。例えば、走査デバイス65が、屈折プリズムやレンズ等を含んでいていてもよい。
そもそも、走査デバイス65は必須ではなく、照射装置60の光源61が、光学素子50に対して移動、揺動、回転等により変位可能に構成され、光源61の光学素子50に対する変位によって、光源61から照射されたコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにしてもよい。
さらに、照射装置60の光源61が、線状光線として整形されたレーザ光を発振する前提で説明してきたが、これに限られない。とりわけ、上述した形態では、光学素子50の各位置に照射されたコヒーレント光は、光学素子50によって、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の全域に入射するようになる光束に整形される。
したがって、照射装置60の光源61から光学素子50に照射されるコヒーレント光は精確に整形されていなくとも不都合は生じない。このため、光源61から発生されるコヒーレント光は、発散光であってもよい。また、光源61から発生されるコヒーレント光の断面形状は、円でなく、楕円等であってもよい。さらには、光源61から発生されるコヒーレント光の横モードがマルチモードであってもよい。
なお、光源61が発散光束を発生させる場合、コヒーレント光は、光学素子50のホログラム記録媒体55に入射する際に、点ではなくある程度の面積を持った領域に入射することになる。この場合、ホログラム記録媒体55で回折されて、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の各位置に入射する光は、角度を多重化されることになる。言い換えると、各瞬間において、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の各位置には、或る程度の角度範囲の方向からコヒーレント光が入射する。このような角度の多重化によって、スペックルをさらに効果的に目立たなくさせることができる。
さらに、図1では、走査デバイス65で反射されたコヒーレント光を直接に光学素子50に入射させる例を示したが、走査デバイス65と光学素子50の間に集光レンズを設けて、この集光レンズでコヒーレント光を平行光束にして光学素子50に入射するようにしてもよい。このような例では、ホログラム記録媒体55を作製する際の露光工程において、参照光Lrとして、上述した収束光束に代えて、平行光束を用いることになる。このようなホログラム記録媒体55は、より簡単に作製および複製することができる。
(光学素子50)
上述した形態において、光学素子50が、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラム55からなる例を示したが、これに限られない。また、光学素子50は、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。さらに、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体55を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体55を含んでいてもよい。
ただし、レリーフ(エンボス)型ホログラムは、表面の凹凸構造によってホログラム干渉縞の記録が行われる。しかしながら、このレリーフ型ホログラムの場合、表面の凹凸構造による散乱が、光量ロスの原因となる他、意図しない新たなスペックル生成要因となる可能性があり、この点において体積型ホログラムの方が好ましい。体積型ホログラムでは、媒体内部の屈折率変調パターン(屈折率分布)としてホログラム干渉縞の記録が行われるため、表面の凹凸構造による散乱による影響を受けることはない。
もっとも、体積型ホログラムでも、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプのものは、銀塩粒子による散乱が光量ロスの原因となる他、意図しない新たなスペックル生成要因となる可能性がある。この点において、ホログラム記録媒体55としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムの方が好ましい。
また、図3に示す記録工程では、いわゆるフレネルタイプのホログラム記録媒体55が作成されることになるが、レンズを用いた記録を行うことにより得られるフーリエ変換タイプのホログラム記録媒体55を作成してもかまわない。ただ、フーリエ変換タイプのホログラム記録媒体55を用いる場合には、像再生時にもレンズを使用してもよい。
さらに、上述した形態において、光学素子50が、各位置に照射されたコヒーレント光を拡げて、当該拡げたコヒーレント光を用いて、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の全域を照明するホログラム記録媒体55を有する例を示したが、これに限られない。光学素子50は、ホログラム記録媒体55に代えて、或いはホログラム記録媒体55に加えて、各位置に照射されたコヒーレント光の進行方向を変化させるとともに拡散させて、拡散スクリーン15上の各要素ホログラム59に対応した領域内の全域をコヒーレント光で照明する光学要素としてのレンズアレイを有するようにしてもよい。このような具体例として、拡散機能を付与された全反射型または屈折型フレネルレンズや、フライアイレンズ等を挙げることができる。なお、本発明における光学素子における「拡散」とは、入射光を所定の方向に角度的に拡げて出射することを指し、回折光学素子やレンズアレイ等によう拡散角が十分に制御された場合のみならず、オパールガラス等の散乱粒子により出射角を拡げる場合も含まれるものとする。このような照明装置40においても、照射装置60が、レンズアレイ上をコヒーレント光が走査するようにして、光学素子50にコヒーレント光を照射するようにし、且つ、照射装置60から光学素子50の各位置に入射したコヒーレント光が、レンズアレイによって進行方向を変化させられて拡散スクリーン15に入射されるよう、照射装置60および光学素子50を構成しておくことにより、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
光学素子50は、ホログラム記録媒体55やレンズアレイの他に、拡散板で構成することも可能である。拡散板としては、オパールガラスやすりガラス等のガラス部材、あるいは樹脂拡散板などが考えられる。拡散板は、走査デバイス65で反射されたコヒーレント光を拡散させるため、ホログラム記録媒体55やレンズアレイを用いた場合と同様に、種々の方向からコヒーレント光を拡散スクリーン15に入射させることができる。
(照明方法)
上述した形態において、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように構成される例を示した。ただし、既に説明してきたように、このような例に限定されることはなく、例えば、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように構成されてもよい。
また、既に言及しているように、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するように構成されるようにしてもよい。この態様において、照射装置60によるコヒーレント光の走査方向と、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイの拡散方向と、が平行となるようにしてもよい。
さらに、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向または二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するように構成されていてもよい。この態様において、光学素子50が複数のホログラム記録媒体55またはレンズアレイを有し、各ホログラム記録媒体55またはレンズアレイが拡散スクリーン15上の特定領域に2次元像を投射することにより、最終的に選択情報の像を形成してもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。