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JP6060779B2 - キャピラリセル用コネクタ及びこれに用いられるフェルール - Google Patents
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本発明は、液体クロマトグラフ装置(LC)等の検出器に用いられるキャピラリセルと試料送液パイプとを連結するためのキャピラリセル用コネクタ及びこれに用いられるフェルールに関する。
液体クロマトグラフ装置は、送液ポンプ、試料送液パイプ、サンプラインジェクタ、分離カラム、検出器等を備えている(例えば特許文献1参照)。
この装置では、図3に示すように、移動相容器31内に貯留されている移動相を、送液ポンプ32により一定流量で吸引し、高圧に加圧して分離カラム34に送給する。サンプラインジェクタ33は移動相に液体試料を注入する。注入された液体試料は移動相と共に分離カラム34に導入され、そこを通過する間に各成分に分離される。分離された各成分は試料送液パイプ36を通り検出器35に送られる。
検出器35では、試料送液パイプ36から送られた各成分をキャピラリセル37に導入し、光源35aから光を照射して、透過光を光検出器35bで検出する。キャピラリセル37は、微量成分分析に対応するために、内径を小さくして(例えば1mm以下)移動相量を低減できるようにしている。
このように内径が小さいキャピラリセル(以下、単に「キャピラリ」という)と試料送液パイプは図3の波線で囲んだ箇所において、連結部材を用いて連結される。上述したように、移動相はキャピラリ内を高圧で通過するため、連結部材とキャピラリの間に隙間があると、そこから液体試料及び移動相(液体試料等)が外部に漏れてしまう。そのため、連結部材とキャピラリとは十分に液密に連結する必要がある。
図4a)は連結部材を示しており、90度右回転させた状態で図3の波線で囲んだ箇所に配置される。連結部材40は、試料送液パイプ36が挿入される送液パイプ挿入口47、キャピラリ37が挿入されるキャピラリ挿入口46、及び、両者を接続する連通部45を有する。このうちキャピラリ挿入口46は、開口側に向かうにつれて径大となるテーパー部を有している。連結部材40の一部は光透過部材48で構成されており、キャピラリ37に光を照射できるようになっている。
図4b)に示すように、キャピラリ37の先端をキャピラリ挿入口46に挿入するときは、まずキャピラリの外周に、テーパー状の樹脂等から成るフェルール43を嵌合し、その状態でキャピラリ挿入口46に挿入する。その後、固定部材44をキャピラリ挿入口46の入口から奥に向かって押し付け、フェルール43をキャピラリ挿入口46のテーパー部に押し付けて固定する。
フェルール43のテーパーの傾斜とキャピラリ挿入口46のテーパー部の傾斜は、厳密に同一にすることは難しい。そこで従来、図5に示すように、フェルール43のテーパーの方の傾斜を僅かに緩やかにし、フェルール43のテーパーの先端においてフェルール43とキャピラリ37が線接触するようにして、そこで液密性を確保するようにしていた。
特開2010-48554号公報
しかしながら、上記の構造では、図5のように、フェルール43の先端外周がキャピラリ挿入口のテーパー面より力を受ける箇所(A')と、フェルール43の先端内周がキャピラリ37を締め付ける箇所(B')が、キャピラリ軸上でほぼ同じ位置となる。そのため、キャピラリ挿入口46のテーパー面より押さえられる力がフェルール先端の垂直な面を介してそのままキャピラリ37に伝えられ、その箇所のキャピラリ37に垂直な剪断力を加えることとなる。このため、従来の連結構造ではキャピラリ37の先端の特定の箇所において破損(ギロチン破断)が生じやすいという問題があった。
特に、ガラス製で内壁が薄く細いキャピラリを用いなければならない場合、上記問題が顕在化していた。
上記課題を解決するために成された本発明に係るフェルールは、液体クロマトグラフ装置に用いられるキャピラリと試料送液パイプとを連結する際に、該キャピラリの外周に装着される漏斗状のフェルールであって、
先端側が径小なテーパー状部と、
前記テーパー状部の先端に設けられた、前記キャピラリの外周面と接触する円筒状部を備え、
内周面における前記円筒状部と前記テーパー状部との間の屈曲部が、外周面における前記円筒状部と前記テーパー状部との間の屈曲部よりも先端側にずれていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係るキャピラリセル用コネクタは、液体クロマトグラフ装置に用いられるキャピラリセルと試料送液パイプとを連結するキャピラリセル用コネクタであって、
上記フェルールと、
前記フェルールが装着された前記キャピラリを挿入するための、該フェルールのテーパー状部よりも傾斜が急なテーパー状のキャピラリ挿入口と、前記試料送液パイプを挿入するための送液パイプ挿入口と、該キャピラリ挿入口と該送液パイプ挿入口を連通する連通部を有する連結部材と、
前記フェルールを前記キャピラリ挿入口の奥に向かって押しつけることにより、該フェルールの円筒状部を前記連通部に押し込んで固定するための固定部材と、
を備えることを特徴とする。
上記構成のキャピラリセル用コネクタでは、フェルールをキャピラリの外周に装着し、固定部材によりキャピラリ挿入口の奥に向かって押し込むと、フェルールの外周面における屈曲部が、連通部とキャピラリ挿入口との境界に押しつけられて固定される。このとき、フェルールの内周面における屈曲部は外周面における屈曲部よりもフェルールの先端側にずれているため、外周面における屈曲部からキャピラリに向かって垂直におろした面内において、フェルールとキャピラリとの間にスペースが生じる。そのため、 外周面における屈曲部が上記境界より受けた力が、そのままキャピラリに垂直な剪断力として加わることがない。
ここで、フェルールの円筒状部及びテーパー状部は樹脂から成るものとしてもよい。
そうすることで、内周面における屈曲部が力を受けることによって樹脂の弾性によりフェルールが撓み、その力が緩和されてキャピラリに伝わる。また、フェルールの円筒状部はキャピラリに面接触するため、液密性も高まる。
以上のように、本発明のキャピラリセル用コネクタを用いてキャピラリと試料送液パイプとを連結すれば、キャピラリに垂直な剪断力が加わることによるキャピラリの破損を防止することができる。
また、フェルールの円筒状部がキャピラリと面接触するため、従来の線接触の構造と比較して、シール面積が広くなり、シール圧力も均一化されて、液密性を向上させることができる。
さらに、樹脂製のフェルールの円筒状部が撓ってキャピラリを抱き込む構造であるので、固定部材を不用意に押し込んでも、その力は撓りによって緩和される。したがって、押し込み調整が容易になる。
本発明の、フェルール及びキャピラリセル用コネクタの概要を示す図面。(a)は連結部材を、(b)はキャピラリセルと試料送液パイプを連結した状態を示す。 キャピラリセルを連結部材に固定した際の、本発明のフェルールの先端とその周辺を示す図面。 液体クロマトグラフ装置の概要を示す図面。 従来の、キャピラリセルと試料送液パイプの連結構造の概要を示す図面。(a)は連結部材を、(b)はキャピラリセルと試料送液パイプを連結した状態を示す。 従来の連結構造におけるキャピラリ先端とその周辺構造の概要を示す図面。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るキャピラリセル用コネクタの一例について詳細に説明する。
図1は、本発明の、フェルール及びキャピラリセル用コネクタ(以下、単に「コネクタ」という)の概要を示す図面である。コネクタは、連結部材10、フェルール13及び固定部材14を備える。
図1a)に示すように、連結部材10はその内部に、テーパー状のキャピラリ挿入口16と、送液パイプ挿入口17、及びこれらを連通する連通部15を有する。連結部材10の一部は光透過部材18で構成されており、キャピラリ12に光を照射できるようになっている。図1b)に示すように、樹脂製のフェルール13はキャピラリ12の外周に装着された状態で、キャピラリ12とともにキャピラリ挿入口16に挿入される。固定部材14はステンレス鋼(SUS)で構成されたナットであり、キャピラリ挿入口16の開口側端部に締め付けられる。
連結部材10及び試料送液パイプ11も、ステンレス製であり、予め試料送液パイプ11の先端と送液パイプ挿入口17とを溶接し、両者の液密性を確保している。なお、試料送液パイプ11の外径は、0.8mm(内径0.1mm)である。
キャピラリ12は、石英ガラスで構成され、その外径は0.5mm(内径0.36mm)と、試料送液パイプ11よりも細い。これは、移動相量の低減及び分離性能の向上による微量成分分析を可能とするためである。
ナット14は、キャピラリ挿入口16の開口側より締め付けて、フェルール13を連結部材10の内部に押し込んで固定するために用いる。
本発明に係るコネクタの特徴は、樹脂製のフェルール13にある。フェルール13は先端側が径小なテーパー状部13aと該テーパー状部13aの先端に設けられた円筒状部13bを有する(図2)。
円筒状部13bの内径はキャピラリ12の外径よりわずかに大きくしているため、円筒状部13bの内周面がキャピラリ12先端の外周面に接触した状態で連通部15に挿入される。また、円筒状部13bの厚みは、連通部15とキャピラリ12との間の間隙とほぼ同じ厚さとなっており、例えばキャピラリ12の先端が挿入された箇所における連通部15の内径を1.0mmとすれば、円筒状部13bの厚みは約0.25mmとすると良い。
テーパー状部13aは、ナット14がフェルール13を押し込む力を円筒状部13bに伝え、該円筒状部13bが連通部15に押し込まれる。また、テーパー状部13aの傾斜は、キャピラリ挿入口16のテーパー部の傾斜よりもわずかに緩やかとし、キャピラリ挿入口16に挿入可能となっている。
また、フェルール13の内周面における屈曲部(B)は、外周面における屈曲部(A)よりもフェルール13の先端側にずれている(図2)。
このフェルール13をキャピラリ12の外周に装着し、ナット14によりキャピラリ挿入口16の奥に向かって押し込むと、屈曲部(A)が、連通部15とキャピラリ挿入口16との境界に押しつけられて固定される。この状態では、屈曲部(A)が上記境界より力を受け、この力により、円筒状部13bがキャピラリ12を締め付ける、そこで液密性を確保する。
このとき、フェルール13の内周面における屈曲部(B)は外周面における屈曲部(A)よりもフェルール13の先端側にずれているため、屈曲部(A)からキャピラリ12に向かって垂直におろした面内において、フェルール13とキャピラリ12との間にスペース(C)が生じる。そのため、 屈曲部(A)が上記境界より受けた力が、そのままキャピラリ12に垂直な剪断力として加わることがない。
また、フェルール13は弾性のあるPEEK(登録商標)樹脂から成るため、屈曲部(A)が力を受けた際に、スペース(C)があるためフェルール13が撓む。これが緩衝機能として作用し、屈曲部(A)の受けた力が緩和されてキャピラリ12に伝わる。
さらに、円筒状部13bは、キャピラリ12に面接触しているため、液密性も向上する。
また、連通部15とキャピラリ12との間の間隙は、そこに停留し分析対象とならない液体試料等が存在するデッドスペースとなるが、フェルール13の円筒状部13bが挿入されることで、デッドスペースを低減できる。
10、40…連結部材
11、36…試料送液パイプ
12、37…キャピラリ(セル)
13、43…フェルール
13a…テーパー状部
13b…円筒状部
14、44…ナット(固定部材)
15,45…連通部
16、46…キャピラリ挿入口
17、47…送液パイプ挿入口
18、48…光透過部材
31…移動相容器
32…送液ポンプ
33… サンプラインジェクタ
34…分離カラム
35…検出器

Claims (3)

  1. 液体クロマトグラフ装置に用いられるキャピラリと試料送液パイプとを連結するキャピラリセル用コネクタであって、
    前記キャピラリの外周に装着される漏斗状のフェルールと、前記フェルールが装着された前記キャピラリを挿入するための連結部材と、前記フェルールを前記連結部材に押しつけて固定する固定部材と、
    を備え、
    前記フェルールが、
    先端側が径小なテーパー状部と、
    前記テーパー状部の先端に設けられた、前記キャピラリの外周面と接触する円筒状部を備え、
    内周面における前記円筒状部と前記テーパー状部との間の屈曲部が、外周面における前記円筒状部と前記テーパー状部との間の屈曲部よりも先端側にずれており、
    前記連結部材が、
    先端側が径小なキャピラリ挿入口と、
    前記試料送液パイプを挿入するための送液パイプ挿入口と、
    一端において該キャピラリ挿入口の先端側と連結されるとともに他端において該送液パイプ挿入口と連結されて、該キャピラリ挿入口と該送液パイプ挿入口を連通する連通部と、
    を備え、
    前記固定部材が、
    前記フェルールを前記キャピラリ挿入口の奥に向かって押しつけて、前記フェルールの前記外周面における前記屈曲部が前記連通部と前記キャピラリ挿入口の境界に押しつけられた状態として、該フェルールの前記円筒状部を前記連通部に押し込んで固定する、
    キャピラリセル用コネクタ。
  2. 請求項1に記載のキャピラリセル用コネクタに用いられるフェルール。
  3. 前記円筒状部及び前記テーパー状部が樹脂から成ることを特徴とする請求項2に記載のフェルール。
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