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JP6060874B2 - 厚板圧延方法 - Google Patents
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本発明は、例えば板厚が6mm以上の厚板(厚鋼板)を圧延する厚板圧延方法に関し、圧延素材を転回するための転回テーブルを圧延機の入側や出側に備えた一般的な厚板圧延工程に好適なものである。
製鉄所における厚板圧延工程では、多種の厚板圧延が行われる。厚板圧延工程の圧延機は、圧延ロールを正逆回転できるのが特徴で、圧延機の入側と出側には一般的に圧延素材(スラブともいう)を転回するための転回テーブルが設けられている。このような転回テーブルを圧延機の入側と出側に備えた厚板圧延工程の厚板圧延方法としては、例えば下記特許文献1に記載されるものがある。この厚板圧延方法は、圧延素材の先行材の転回中に圧延素材の後行材の圧延を行い、或いは先行材の圧延中に後行材の転回を行うことで圧延所要時間を短縮しようとするものである。
特開平11−188406号公報
厚板圧延工程は、一般的に成形圧延、幅出し圧延、厚み出し圧延の順に行う。成形圧延を行わない場合もある。従って、要求される厚板製品の板厚が大きい場合、少なくとも幅出し圧延及び厚み出し圧延の圧延厚さを見込んだ分だけ板厚の大きな圧延素材が必要となる。一般に連続鋳造法で製造可能な圧延素材の厚さには限界があるので、それよりも大きな厚さの圧延素材は、例えば造塊鋳造法で鋳造しなければならないが、周知のように造塊鋳造法は連続鋳造法に比べて歩留がよくなく、コストも高い。従って、従来の厚板圧延方法には、厚板製品の生産性に改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、厚板製品の生産性を向上することが可能な厚板圧延方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の厚板圧延方法は、成形圧延が施されていない圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機の演算処理によって制御される厚板圧延方法であって、成形圧延が施されていない圧延素材の素材長さが要求される厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上で且つ成形圧延が施されていない圧延素材の素材厚さと素材幅との積値を要求される厚板製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上である場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と判定し、幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と判定された圧延素材に対しては幅出し圧延のみを圧延工程として行うことを特徴とするものである。
また、前記判定では、更に、成形圧延が施されていない圧延素材に対して幅出し圧延を行って前記製品厚さとした後の圧延素材の対角長さを算出し、算出された対角長さが転回テーブルにおけるガイドの最大開度より小さい場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って圧延製品を取得可能と判定し、判定した圧延素材に対しては幅出し圧延のみを圧延工程として行うことを特徴とするものである。
而して、本発明の厚板圧延方法によれば、圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機によって実行する。この厚板圧延方法では、圧延素材の素材長さが要求される厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上で且つ圧延素材の素材厚さと素材幅との積値を要求される厚板製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上である場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と検出する。そして、検出した圧延素材に対しては幅出し圧延のみを圧延工程として行う。そのため、幅出し圧延のみを行う厚板素材は、幅出し圧延の圧延厚さのみを見込んだ板厚の厚板素材でよく、造塊鋳造法による厚板素材を減らし、連続鋳造法による厚板素材を増やすことができるから、その分だけ、歩留が向上し、コストも低廉化することから、生産性が向上する。
また、圧延完了後の圧延素材の対角長さが転回テーブルにおけるガイドの最大開度より小さい場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って圧延製品を取得可能と検出する。そのため、転回テーブルで転回される圧延素材がガイドに干渉することがなく、検出された圧延素材に対して幅出し圧延のみを圧延工程として行うことにより、確実に圧延製品を取得することができる。
本発明の厚板圧延方法が適用された厚板圧延工程の概略構成図である。 図1の転回テーブルの平面図である。 図1のプロセスコンピュータで行われる幅出し圧延のみを行う圧延素材検出のための演算処理を示すフローチャートである。 図1のプロセスコンピュータで行われる幅出し圧延のみを行う圧延工程の演算処理を示すフローチャートである。 図3及び図4の演算処理の作用の説明図である。 一般的な厚板圧延工程の説明図である。
次に、本発明の厚板圧延方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の厚板圧延方法が適用された厚板圧延工程(粗圧延工程)の概略構成図である。図の左方が工程の入側、図の右方が工程の出側であり、図の左方にも例えば加熱炉3などが存在し、図の右方にもホットレベラー5による矯正工程などが存在する。図中の符号1は圧延機であり、厚板圧延工程の圧延機1であることから、圧延機1の圧延ロール2は正逆回転可能である。つまり、圧延素材Sを圧延機1に往復させて圧延を繰り返す。圧延機1の入側と出側には転回テーブル4が配置されている。図2は、転回テーブル4の平面図である。この転回テーブル4は、例えば軸方向の半分だけ半径の大きいローラ6が通板方向に交互に逆向きに配置されている。従って、例えば図の右半分の半径が大きいローラ6を図の上向きに圧延素材を搬送するように、図の左半分の半径が大きいローラ6を図の下向きに圧延素材を搬送するように回転すれば、転回テーブル4上の圧延素材Sは図の反時計回り方向に転回する。なお、図中の符号7は、圧延素材Sを幅方向、つまり通板方向と交差する方向に案内するガイドであり、転回前後の圧延素材Sの幅に応じて開度(間隔)が調整され、図に示すように圧延素材Sの転回中は、転回の妨げとならないように開度が調整される。
この厚板圧延工程は、演算機能を有するプロセスコンピュータ(計算機)8によって制御されている。プロセスコンピュータ5は、例えば加熱炉3による加熱状態、圧延機1の圧延状態、転回テーブル4による搬送・転回状態、ホットレベラー5による矯正状態などを制御する。図6は、一般的な厚板圧延工程の説明図であり、図の左側を入側、つまり通板方向上流側、図の右側を出側、つまり通板方向下流側として表している(実際の圧延は圧延素材Sを圧延機1に往復させて行う)。また、図中の白抜きの両方向矢印は圧延素材Sの長さ方向を示す。この一般的な厚板圧延工程では、図6aに示すように、例えば圧延素材Sの長さ方向を通板方向に一致させて成形圧延を行う。次に、図6bに示すように、成形圧延の完了した圧延素材Sを転回テーブル4で水平方向に90°転回し、圧延素材Sの幅方向を通板方向に一致させた状態で幅出し圧延を行う。つまり、この幅出し圧延によって圧延素材Sの素材幅を厚板製品の製品幅に余裕幅を加えた値とする。次に、図6cに示すように、幅出し圧延の完了した圧延素材Sを転回テーブル4で水平方向に90°転回し、圧延素材Sの長さ方向を通板方向に一致させた状態で厚み出し圧延を行う。つまり、この厚み出し圧延によって圧延素材Sの板厚を厚板製品の板厚にすると共に、圧延素材Sの素材長さを圧延製品の製品長さに余裕長さを加えた値とする。余裕幅、余裕長さは、共に圧延工程で生じるバラツキや試験片の長さによる。なお、周知のように、回転する圧延ロールで行う圧延は、通板方向と交差する方向には殆ど延びが生じない。
本実施形態の厚板圧延では、前述した一般的な厚板圧延方法に加えて、前述した幅出し圧延のみによる厚板圧延方法を行う。この厚板圧延方法について、図1のプロセスコンピュータ8で行われる図3のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、要求される厚板製品の情報、例えば製品の諸元が入力され、それらの製品を取得するための厚板素材Sが厚板圧延工程に装入される前に行われる。この演算処理では、まずステップS1で、圧延素材Sの素材長さが要求される特定の厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上である圧延素材Sが存在するか否かを判定し、該当する圧延素材Sが存在する場合にはステップS2に移行し、そうでない場合には復帰する。
前記ステップS2では、前記ステップS1で存在した圧延素材Sと特定した要求される厚板製品との間で、当該圧延素材Sの素材厚さと素材幅との積値を当該圧延製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上であるか否かを判定し、同等以上である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合には復帰する。
前記ステップS3では、前記ステップS2で判定した圧延素材Sに対し、圧延完了後の圧延素材Sの対角長さを求め、その対角長さが転回テーブル4におけるガイド7の最大開度より小さいか否かを判定し、圧延素材Sの対角長さがガイド7の最大開度より小さい場合にはステップS4に移行し、そうでない場合には復帰する。対角長さは、((素材長さ)2+(素材長さ×素材幅/製品厚さ)21/2で算出する。
前記ステップS4では、ステップS3で判定した圧延素材Sに対し、幅出し圧延のみによって要求される(特定の)圧延製品になるとして、幅出し圧延のみを行う特定のフラグを付与してから復帰する。
次に、幅出し圧延のみによる厚板圧延方法で圧延機1の圧延状態を制御するために図1のプロセスコンピュータ8で行われる演算処理について図4のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS11で、圧延機1に装入された圧延素材Sに対し、幅出し圧延のみを行う特定のフラグが付与されているか否かを判定し、幅出し圧延のみを行う特定のフラグが付与されている場合にはステップS12に移行し、そうでない場合には復帰する。
前記ステップS12では、装入された圧延素材Sに対し、幅出し圧延のみを行って厚板圧延とする指示を出力してから復帰する。
これらの演算処理によれば、圧延素材Sの素材長さが要求される特定の厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上である圧延素材Sが存在するか否かを判定し、該当する圧延素材Sが存在する場合には、その圧延素材Sと特定した要求される厚板製品との間で、当該圧延素材Sの素材厚さと素材幅との積値を当該圧延製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上であるか否かを判定し、同等以上である場合には、圧延完了後の圧延素材Sの対角長さが転回テーブル4におけるガイド7の最大開度より小さいか否かを判定し、圧延素材Sの対角長さがガイド7の最大開度より小さい場合には、その圧延素材Sに対し、幅出し圧延のみを行う特定のフラグを付与する。
そして、この幅出し圧延のみを行う特定のフラグが付与された圧延素材Sに対しては、幅出し圧延のみを行って厚板圧延を完了する。幅出し圧延のみを行う場合には、例えば図5aに示すように、始めに転回テーブル4によって圧延素材Sを90°水平方向に転回し、次いで図5bに示すように、圧延素材Sの長手方向を通板方向と交差する方向に向けて圧延機1で幅出し圧延を行う。幅出し圧延が完了したら、転回テーブル4によって再び圧延素材Sを90°水平方向に転回し、圧延素材Sの長さ方向を通板方向に一致させて、そのまま次工程に払い出す。幅出し圧延では、圧延素材Sは長さ方向に殆ど延びないので、圧延素材Sの長さが圧延製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上であれば、圧延完了後の厚板長さを満足する。この場合の余裕長さは、例えば圧延工程における製品長さのバラツキに相当する長さと材料試験を行うための試験片の長さを加えた値を示す。また、この幅出し圧延では圧延素材Sが長さ方向に延びないことから、同様にして、圧延素材の素材厚さと素材幅との積値を要求される厚板製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上であれば、幅出し圧延のみを行うことにより、製品幅と製品厚さを同時に満足することができる。なお、この場合の余裕幅は、例えば圧延工程における製品幅のバラツキに相当する値を示す。
また、前記演算処理では、圧延完了後の圧延素材Sの対角長さを算出し、その対角長さが転回テーブル4におけるガイド7の最大開度より小さいか否かを判定し、圧延素材Sの対角長さがガイド7の最大開度より小さい場合に、その圧延素材Sに対し、幅出し圧延のみを行う特定のフラグを付与する。これは、設備上の制約として、転回テーブル4上で転回されている圧延素材Sがガイド7に干渉しないかどうかを判定しており、圧延素材Sの対角長さがガイド7の最大開度より小さければ、転回中の圧延素材Sはガイド7に干渉しないから幅出し圧延のみによって厚板圧延を完了することが可能となる。
このように幅出し圧延のみによって厚板圧延を完了する本実施形態の厚板圧延方法では、少なくとも幅出し圧延と厚み出し圧延を行う従来の厚板圧延方法に比べて、圧延素材Sに要求する厚さが小さくてよい。即ち、少なくとも幅出し圧延と厚み出し圧延を行う従来の厚板圧延方法で必要とされた造塊鋳造法による圧延素材Sを、それより厚さの小さい連続鋳造法による圧延素材Sに置換することが可能となる。周知のように造塊鋳造法で製造される圧延素材Sは歩留がよくなく、コストも高い。これを歩留に優れ、コストも低廉な連続鋳造法による圧延素材Sに置換することができれば、その分だけ、生産性が向上する。本実施形態の厚板圧延方法によるコストメリットの一例として、幅出し圧延のみによる厚板圧延で100ton/月の厚板製品を製造し、その結果、10ton/月の造塊鋳造法による圧延素材Sを連続鋳造法による圧延素材Sに置換できたとする。造塊鋳造法による圧延素材Sと連続鋳造法による圧延素材Sのコスト差が34千円/tonである場合、年間のコストメリットは、10ton/月×34千円/ton×12ヶ月/年=4.1百万円/年となる。
このように本実施形態の厚板圧延方法では、圧延素材Sに対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得するために演算機能を有するプロセスコンピュータ8によって実行する。この厚板圧延方法では、圧延素材Sの素材長さが要求される厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上で且つ圧延素材Sの素材厚さと素材幅との積値を要求される厚板製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上である場合に、その圧延素材Sに対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と検出する。そして、検出した圧延素材Sに対しては幅出し圧延のみを圧延工程として行う。そのため、幅出し圧延のみを行う厚板素材Sは、幅出し圧延の圧延厚さのみを見込んだ板厚の厚板素材Sでよく、造塊鋳造法による厚板素材Sを減らし、連続鋳造法による厚板素材Sを増やすことができるから、その分だけ、歩留が向上し、コストも低廉化することから、生産性が向上する。
また、圧延完了後の圧延素材Sの対角長さが転回テーブル4におけるガイド7の最大開度より小さい場合に、その圧延素材Sに対して幅出し圧延のみを行って圧延製品を取得可能と検出する。そのため、転回テーブル4で転回される圧延素材Sがガイド7に干渉することがなく、検出された圧延素材Sに対して幅出し圧延のみを圧延工程として行うことにより、確実に圧延製品を取得することができる。
1 圧延機
2 圧延ロール
3 加熱炉
4 転回テーブル
5 ホットレベラー
6 ローラ
7 ガイド
8 プロセスコンピュータ(計算機)
S 圧延素材

Claims (2)

  1. 成形圧延が施されていない圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得するために演算機能を有する計算機の演算処理によって制御される厚板圧延方法であって、
    前記成形圧延が施されていない圧延素材の素材長さが要求される厚板製品の製品長さに余裕長さを加えた値と同等以上で且つ前記成形圧延が施されていない圧延素材の素材厚さと素材幅との積値を要求される厚板製品の製品厚さで除した値が製品幅に余裕幅を加えた値と同等以上である場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と判定し、
    前記幅出し圧延のみを行って厚板製品を取得可能と判定された圧延素材に対しては幅出し圧延のみを圧延工程として行う
    ことを特徴とする厚板圧延方法。
  2. 前記判定では、更に、前記成形圧延が施されていない圧延素材に対して幅出し圧延を行って前記製品厚さとした後の圧延素材の対角長さを算出し、算出された対角長さが転回テーブルにおけるガイドの最大開度より小さい場合に、その圧延素材に対して幅出し圧延のみを行って圧延製品を取得可能と判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚板圧延方法。
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