(A)主たる実施形態
以下、本発明による取引装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の取引装置を、ATMに適用した例について説明する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態の取引システム1000の全体構成、及びATM100の機能的構成を示すブロック図である。
図2は、この実施形態のATM100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は、この実施形態のATM100の外観斜視図である。
取引システム1000には、ATM100、及びホストコンピュータ200が配置されている。なお、取引システム1000で配置するATM100の数は限定されないものである。
以下では、ATM100を操作するユーザは顧客であるものとして説明するが、ATM100を操作するユーザは、例えば、金融機関の係員等、顧客に限定されないものである。
ATM100は、ネットワークNに接続している。そして、ATM100は、ネットワークNを介してホストコンピュータ200と接続している。
ネットワークNの通信方式は限定されないものであるが、例えば、インターネット等のIP通信網を適用することができる。
ホストコンピュータ200としては、例えば、既存のATMを用いた取引処理が可能なホストコンピュータを適用することができるため詳しい説明は省略する。
次に、ATM100のハードウェア構成について説明する。
ATM100は、ハードウェア的には、図2に示すように制御部10、データ記憶部20、通信部30、カードリーダライタ40、操作表示部50、伝票用プリンタ60、通帳処理部70、及び現金処理部80を有している。ATM100では、図2に示すハードウェアにより、図1に示す各構成要素(機能)が実現されている。
制御部10は、ATM100内の各部の動作制御や情報処理を行う機能を担っているものである。データ記憶部20は、制御部10が情報処理を行うために必要な各種情報等を格納するデータ記憶手段であり、例えば、各種メモリ等により構成することができる。
制御部10は、例えば、プロセッサ等を含むプログラムの実施構成(コンピュータ)に実施形態の取引プログラム(ハードウェアを制御して図1の各構成要素を実現するためのプログラム)等をインストールすることにより実現することができる。上述の取引プログラムは、例えば、データ記憶部20に記憶しておき、ATM100が起動したときに、制御部10が読み込んで実行するようにしても良い。
通信部30は、ネットワークNに接続するためのネットワークインタフェースである。なお、通信部30については、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
操作表示部50は、当該ATM100のユーザインタフェース機能を担っている。具体的には、操作表示部50は、タッチパネルディスプレイ等を用いて、顧客に操作画面を提示し、顧客への情報出力や、顧客からの操作受付(メニュー選択や金額入力、番号入力等)を行うことが可能なデバイスである。
カードリーダライタ40は、顧客からカード挿入排出口401に挿入されたキャッシュカードのデータ読取や書込を行うものである
キャッシュカードには、例えば、図4に示すように、情報記録媒体として、磁気ストライプだけでなく、ICチップを搭載したものがある。図4に示すキャッシュカードCでは、磁気ストライプC1に加えて、ICチップC2を搭載している。ICチップC2は、データ記録媒体として機能するものである。そして、この実施形態の、カードリーダライタ40では、例えば、図4に示すようなICチップC2を搭載したキャッシュカードCが挿入されると、ICチップC2について、データの読み込み処理及び書込処理が可能であるものとする。なお、カードリーダライタ40が、キャッシュカードCのデータ記録媒体(磁気ストライプC1やICチップC2)に対するデータ処理を行う構成については、既存のATM等と同様の構成を適用することができるため詳しい説明は省略する。
そして、この実施形態のATM100に挿入されるキャッシュカードCに搭載されたICチップC2に記憶されるデータの構成は、図5のような構成となっているものとする。
図5に示すように、ICチップC2のメモリ空間は、使用用途ごとに複数のブロックに区切って管理されている(例えば、規格等により定められている)ものとする。そして、図5では、ICチップC2のメモリ空間に、少なくとも、当該キャッシュカードに係る口座の口座情報(例えば、口座番号や顧客名等)が記憶されるブロックB1と、特に使用用途が定められておらず、キャッシュカードやATMの製造者が自由に用途を設定することが可能な予備領域のブロックB2とが割り当てられている。
そして、ICチップC2のブロックB2(予備領域)には、当該キャッシュカードを用いて行われた振込取引に関する履歴情報(以下「振込履歴情報D」と呼ぶ)が記録されているものとする。
なお、ICチップC2のデータ構成は、上述の形式に限定されないものであり種々の構成を適用することができる。
図6は、振込履歴情報Dの構成例について示した説明図である。
振込履歴情報Dには、図6に示すように、複数の振込取引に関する履歴情報が記録されているものとする。振込履歴情報Dに記録する履歴情報の数については限定されないものであるが、この実施形態では、ICチップC2に、振込履歴情報Dとして、当該キャッシュカードCを用いて、直近に行われた10件の振込取引に関する履歴情報(10件未満の場合は全ての振込取引に関する履歴情報)を記録しているものとする。そして、振込履歴情報Dを構成するそれぞれの履歴情報には、図6に示すように、少なくとも当該振込取引で用いられた振込先の口座番号の情報が含まれているものとする。
伝票用プリンタ60は、伝票用紙に取引内容を印字して伝票排出部601から排出するものである。なお、伝票用プリンタ60自体は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
通帳処理部70は、顧客から通帳挿入排出口701に挿入された通帳の処理(通帳への取引結果の印字等)を行うものである。なお、通帳処理部70は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため、詳しい説明は省略する。
現金処理部80は、顧客から入金された現金(紙幣及び又は硬貨)を収納する機能と、収納されている現金を顧客に出金する機能を担っている。この実施形態では、現金処理部80は、紙幣入出金口801から紙幣の入出金を行い、硬貨入出金口802から硬貨の入出金を行うことが可能となっている。なお、現金処理部80は、既存のATM等と同様のものを適用することができるため詳しい説明を省略する。
次に、ATM100の機能的構成について説明する。
ATM100は、機能的には、取引情報入力部1、ICリード部2、口座番号比較部3、口座番号確認部4、ホスト通信部5、伝票印字部6、伝票排出部7、ICライト部8、及びカード排出部9を有している。言い換えると、ATM100では、取引情報入力部1、ICリード部2、口座番号比較部3、口座番号確認部4、ホスト通信部5、伝票印字部6、伝票排出部7、ICライト部8、及びカード排出部9が協働することにより、後述する動作を行うことが可能となっている。
取引情報入力部1は、制御部10及び操作表示部50を用いて実現される構成要素であり、顧客からの情報入力受付等の機能を担っている。具体的には、取引情報入力部1は、操作表示部50を制御して、顧客に情報入力や情報出力するための操作画面を提示し、当該操作画面に対する顧客の操作に基づく入力情報を取得する処理等を行う。
なお、取引情報入力部1は、取引情報入力手段を構成している。
ICリード部2は、制御部10及びカードリーダライタ40を用いて実現される構成要素であり、カードリーダライタ40に挿入されたキャッシュカードCに搭載されたICチップC2からデータ読み込みを行うことが可能である。具体的には、ICリード部2は、カードリーダライタ40を用いて、挿入されたキャッシュカードCのICチップC2から振込履歴情報Dを読み込むことが可能である。
なお、ICリード部2は、取引履歴保持手段(データ読込手段)を構成している。
口座番号比較部3は、制御部10を用いて実現される構成要素であり、取引情報入力部1が顧客から入力を受付けた振込先の口座番号(以下、「入力口座番号」とも呼ぶ)と、ICリード部2が取得した振込履歴情報Dに含まれる口座番号とを比較する。そして、口座番号比較部3は、振込履歴情報Dに含まれる口座番号から、入力口座番号と類似する口座番号(以下、「類似口座番号」と呼ぶ)の検出を試みる処理(以下、「類似口座番号検出処理」と呼ぶ)を行う。
なお、口座番号比較部3は、類似取引情報検出手段を構成している。
口座番号比較部3が行う類似口座番号検出処理では、入力口座番号との差分が所定の条件を満たすものを類似口座番号として検出するものとする。
具体的には、この実施形態において、口座番号比較部3は、入力口座番号との差分が1桁までの口座番号を、類似口座番号として検出するものとする。例えば、口座番号比較部3では、入力口座番号と桁数が同じで1桁だけ番号が異なっている口座番号、または、入力口座番号よりも1桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している口座番号については、類似口座番号として検出するものとする。
具体例として、顧客から入力された入力口座番号が「2234567890123456」で、振込履歴情報Dの履歴情報に「1234567890123456」という口座番号が含まれていた場合を想定する。この場合、この2つの口座番号は先頭の1桁のみが異なっているだけであるので、口座番号比較部3では、この振込履歴情報Dの履歴情報に含まれる口座番号「1234567890123456」は、入力口座番号「2234567890123456」の類似口座番号として検出されることになる。この場合、顧客は、「1234567890123456」という口座番号を入力しようとした結果、1桁目を間違えて入力してしまい、「2234567890123456」という口座番号を入力してしまった可能性がある。
次に、具体例として、顧客から入力された入力口座番号が「234567890123456」で、振込履歴情報Dの履歴情報に「1234567890123456」という口座番号が含まれていた場合を想定する。この場合、入力口座番号が15桁で、振込履歴情報Dの口座番号は16桁となっている。また、振込履歴情報Dの口座番号の先頭の桁を除くと「234567890123456」となり、これは、入力口座番号と全て一致する。したがって、この場合口座番号比較部3では、振込履歴情報Dの履歴情報に含まれる口座番号「1234567890123456」が、入力口座番号「234567890123456」の類似口座番号として検出されることになる。この場合、顧客は、「1234567890123456」という口座番号を入力しようとした結果、1桁目の入力を忘れてしまい、「234567890123456」という口座番号を入力してしまった可能性がある。
口座番号確認部4は、制御部10及び操作表示部50を用いて実現される構成要素であり、口座番号比較部3の検出結果に基づいて、顧客に、今回取引に用いる口座番号の確認処理を行う。具体的には、口座番号確認部4は、口座番号比較部3の類似口座番号検出処理により、類似口座番号が検出された場合、顧客に入力口座番号をそのまま今回の振込取引に用いるか、振込履歴情報Dに含まれる口座番号(類似口座番号)を用いて今回の取引に用いるかを確認(選択)させる処理を行う。
なお、取引情報入力部1は、取引情報選択手段を構成している。
ホスト通信部5は、制御部10及び通信部30を用いて実現される構成要素であり、ホストコンピュータ200と通信して、取引処理(取引に関するトランザクション処理の依頼や処理結果の受信処理)や、暗証番号の確認処理(認証処理)等を行う。
なお、ホスト通信部5は、取引手段を構成している。
伝票印字部6、伝票排出部7は、それぞれ制御部10及び伝票用プリンタ60を用いて実現される構成要素であり、取引結果(例えば、ホスト通信部5による取引処理の結果)を伝票用紙(レシート用紙)に印字して排出する処理等を行う。
ICライト部8は、制御部10及びカードリーダライタ40を用いて実現される構成要素であり、カードリーダライタ40に挿入されたキャッシュカードCに搭載されたICチップC2に、データ書込を行う機能を担っている。具体的には、ICライト部8は、ICチップC2に記憶されている振込履歴情報Dを更新する処理を行う。ICライト部8は、振込履歴情報Dに、今回行われた振込取引の情報(口座番号)を、新たな履歴情報として登録する。また、ICライト部8は、今回振込履歴情報Dに、履歴情報を追加する際に、振込履歴情報Dに登録される履歴情報の件数が所定数(この実施形態では、10件)を超える場合、最も古い時系列の履歴情報を削除する処理を行う。図6に示すように、この実施形態の振込履歴情報Dでは、履歴情報(口座番号)に時系列を示す1〜10の識別番号を付して管理している。図6では、識別番号が1の履歴情報が最も新しい時系列のものであり、識別番号が10の履歴情報が最も古い時系列のものであることを示している。なお、振込履歴情報Dにおいて、履歴情報の時系列を管理する方法については限定されないものであり、例えばタイムスタンプを用いて管理するようにしてもよい。
ICライト部8は、データ書込手段を構成している。
カード排出部9は、制御部10及びカードリーダライタ40を用いて実現される構成要素であり、取引終了時に、カードリーダライタ40に挿入されたキャッシュカードCを排出する処理を行う。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態のATM1の動作を説明する。
まず、ATM100において口座番号の入力を伴う取引の例として、振込取引が行われる場合の動作について説明する。
図7、図8は、ATM100で振込取引が行われる場合の動作について示したフローチャートである。
まず、ICチップC2を搭載したキャッシュカードCがカードリーダライタ40に挿入されたものする(S101)。
そして、制御部10(取引情報入力部1)は、図9に示すような取引処理の選択画面(以下、「取引選択画面」と呼ぶ)を、操作表示部50の画面に表示させる(S102)。
図9は、操作表示部50の画面上に表示される取引選択画面の構成例について示した説明図である。図9に示すように、操作表示部50の画面では、顧客からの操作(押下)を受付けることが可能なボタン(図9では、ボタンB101〜B104)が配置されることになる。
図9の取引選択画面では、当該顧客の口座(カードリーダライタ40に挿入したキャッシュカードCに対応する口座)から出金する出金取引を開始するためのボタンB101(「出金」と表示されたボタン)と、当該顧客の口座以外の他の口座への振込取引を開始するためのボタンB102(「振込」と表示されたボタン)と、当該顧客の口座に入金(預金)する預入取引を開始するためのボタンB103(「預入」と表示されたボタン)と、当該顧客の口座の残高照会を行うためのボタンB104(「残高照会」と表示されたボタン)とが配置されている。
なお、ATM100では取引選択画面で取引が選択された後に、必要に応じてキャッシュカードの挿入を顧客に要求(例えば、操作表示部50から「キャッシュカードを挿入してください」というメッセージの画面を表示)するようにしてもよい。
そして、取引選択画面で振込取引を開始するためのボタンB102が押下されると、制御部10(取引情報入力部1)は、操作表示部50に、暗証番号の入力を受付けるための画面(以下、「暗証番号入力受付画面」と呼ぶ)を表示させる(S103)。
図10は、ATM100の制御部10が操作表示部50に表示させる暗証番号入力受付画面の構成例について示した説明図である。
図10に示すように、暗証番号入力受付画面では、暗証番号を入力するためのソフトキーパッドK201と、取引中止ボタンB201と、入力された暗証番号の桁数を表示するためのフィールドF201とが配置されている。ソフトキーパッドK201は、「0〜9」、「確定」の入力キー(ボタン)により構成されている。また、図10に示すように、暗証番号入力受付画面では、既に入力された暗証番号を訂正(例えば、既に入力された番号の一部又は全部の消去)するための訂正ボタンB202が配置されている。
暗証番号入力受付画面で、暗証番号が入力されると、制御部10(ホスト通信部5)は、暗証番号のチェック(認証処理)を、ホストコンピュータ200に依頼する(S104)。
具体的には、制御部10(ホスト通信部5)は、キャッシュカードC(磁気ストライプC1又はICチップC2)から取得した当該顧客の口座の口座番号と、当該顧客から入力された暗証番号とを、ホストコンピュータ200に送信して、ホストコンピュータ200側で保持している暗証番号との照合(認証処理)を依頼する。ここでは、ホストコンピュータ200により、暗証番号チェックはOK(認証成功)であったものとする。暗証番号チェックの結果がNG(認証失敗)であった場合には、制御部10は、再度顧客に暗証番号の入力を要求したり、取引を中止するようにしてもよい。
暗証番号のチェックがOK(認証成功)の場合、制御部10(ホスト通信部5)は、顧客から振込先の口座番号の入力を受付けるための画面(以下、「口座番号入力受付画面」と呼ぶ)を、操作表示部50に表示させる(S105)
図11は、口座番号入力受付画面の構成例について示した説明図である。
図11に示すように、振込金額入力受付画面では、振込金額を入力するためのソフトキーパッドK301と、取引中止ボタンB301と、入力された口座番号を表示するためのフィールドF301とが配置されている。ソフトキーパッドK301は、「0〜9」、「確定」の入力キー(ボタン)により構成されている。また、図11に示すように、口座番号入力受付画面では、既に入力された番号を訂正(例えば、既に入力された番号の一部又は全部の消去)するための訂正ボタンB302が配置されている。口座番号入力受付画面で入力可能な口座番号の桁数は限定されないものである。図11では、口座番号入力受付画面で「2234567890123456」という16桁の口座番号が入力された状態について示している。
そして、顧客により振込先の口座番号が入力されると、制御部10(ICリード部2)は、カードリーダライタ40に挿入されたキャッシュカードCのICチップC2から、振込履歴情報Dを読み込む(S106)。
そして、制御部10(口座番号比較部3)は、顧客から入力された入力口座番号と、振込履歴情報Dに含まれる口座番号とを比較し、振込履歴情報Dから入力口座番号と類似する類似口座番号の検出を試みる類似口座番号検出処理を行う(S107)。なお、制御部10(口座番号比較部3)が行う、類似口座番号検出処理の詳細については後述する。
そして、制御部10は、ステップS107の類似口座番号検出処理の結果を確認し(S108)、類似口座番号が検出されたと確認された場合後述するステップS109の処理から動作し、類似口座番号が不検出と確認された場合には、後述するステップS110の処理から動作する。
ステップS108で、類似口座番号が検出されたと確認された場合、制御部10(口座番号確認部4)は、顧客に入力口座番号をそのまま今回の振込取引に用いるか、振込履歴情報Dに含まれる類似口座番号を用いて今回の取引に用いるかを確認(選択)させる口座番号確認処理を行う(S109)。
具体的には、制御部10(口座番号確認部4)は、顧客に入力口座番号、及び、振込履歴情報Dに含まれる類似口座番号を提示して、いずれかの口座番号を選択(確認)させる画面(以下、「口座番号確認画面」と呼ぶ)を、操作表示部50に表示させる。
図12は、口座番号確認画面の構成例について示した説明図である。
口座番号確認画面では、図12に示すように、今回顧客から入力された入力口座番号に対応するボタンB501(入力口座番号が表示されたボタン)と、上述のステップS107の類似口座番号検出処理で検出された類似口座番号に対応するボタンB502(類似口座番号が表示されたボタン)とが配置されている。
図12(a)は、検出された類似口座番号が、入力口座番号と同じ桁数で、一桁だけ異なる場合の口座番号確認画面について示している。図12(a)では、ボタンB501に入力口座番号として「2234567890123456」が表示されている。そして、図12(a)では、ボタンB502に、類似口座番号として「1234567890123456」が表示されている。
図12(b)は、検出された類似口座番号が、入力口座番号よりも一桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している場合の口座番号確認画面について示している。図12(b)では、ボタンB501に入力口座番号として「234567890123456」が表示されている。そして、図12(b)では、ボタンB502に、類似口座番号として「1234567890123456」が表示されている。
図12の口座番号確認画面では、検出された類似口座番号が1つの場合の例について示しているが、複数検出された場合には、すべての類似口座番号に対応するボタンを配置して顧客に選択操作させるようにしてもよい。
そして、口座番号確認画面で、ボタンB501、B502のいずれかのボタンが押下されると、制御部10(口座番号確認部4)は、押下されたボタンに対応する口座番号(入力口座番号又は類似口座番号)を、今回の振込取引に用いる口座番号(振込先の口座番号)として決定する。
そして、上述のステップS108で、類似口座番号が不検出と確認された場合、又は、上述のステップS109の口座番号確認処理で顧客によりいずれかの口座番号が選択(確認)された場合、制御部10(取引情報入力部1)は、操作表示部50に、振込金額の入力を受付けるための画面(以下、「振込金額入力受付画面」と呼ぶ)を表示させる(S110)。
図13は、振込金額入力受付画面の構成例について示した説明図である。
図13に示すように、振込金額入力受付画面では、振込金額を入力するためのソフトキーパッドK601と、取引中止ボタンB601と、入力された振込金額を表示するためのフィールドF601とが配置されている。ソフトキーパッドK601は、「0〜9」、「確定」の入力キー(ボタン)により構成されている。また、図13に示すように、振込金額入力受付画面では、既に入力された金額を訂正(例えば、既に入力された金額の一部又は全部の消去)するための訂正ボタンB602が配置されている。
そして、顧客により振込金額が入力されると、制御部10(取引情報入力部1)は、今回行う振込取引の内容(振込先の口座番号、振込金額等)を提示して顧客に確認させるための画面(以下、「振込内容確認画面」と呼ぶ)を、操作表示部50に表示させる(S111)。
図14は、振込内容確認画面の構成例について示した説明図である。
図14に示すように、振込内容確認画面では、振込先の口座番号を表示するためのフィールドF701と、振込金額を表示するためのフィールドF702と、顧客からの確認を受付けるためのボタンB701(「確認」と表示されたボタン)と、取引中止ボタンB702とが配置されている。
上述のステップS109の口座番号確認処理が行われている場合(類似口座番号が検出された場合)には、口座番号確認処理で選択(確認)された口座番号(入力口座番号、又は、類似口座番号)が、フィールドF701に表示される。一方、上述のステップS109の口座番号確認処理が行われていない場合(類似口座番号が不検出の場合)には、顧客から入力された入力口座番号が、そのまま、フィールドF701に表示される。また、フィールドF702には、上述のステップS110で顧客から入力された振込金額が表示される。
そして、振込内容確認画面では、顧客からボタンB701が押下されると、制御部10(ホスト通信部5)は、振込内容確認画面に表示された内容(振込先の口座番号及び振込金額)で、振込取引を行うために、ホストコンピュータ200と通信して、振込取引のトランザクション処理を依頼する。そして、制御部10(ホスト通信部5)は、ホストコンピュータ200からのトランザクション処理の結果を受信する(S112)。
ここでは、制御部10(ホスト通信部5)が依頼したトランザクション処理は成功(取引成功)だったものとする。
そして、振込取引が成立すると、制御部10(伝票印字部6)は、伝票用プリンタ60を制御して伝票用紙に振込取引の結果を印字する(S113)。
そして、制御部10(伝票排出部7)は、伝票用プリンタ60を制御して、印字した伝票の排出を実行させる(S114)。
そして、制御部10(ICライト部8)は、ICチップC2に記憶されている振込履歴情報Dを更新(今回行った振込取引の情報を履歴情報として追加)する処理を行う(S115)。
そして、制御部10(カード排出部9)は、カードリーダライタ40に挿入されたキャッシュカードを排出して(S116)、振込取引を終了する。
次に、上述のステップS107で行われる、類似口座番号検出処理の詳細について説明する。
図15は、制御部10(口座番号比較部3)が行う類似口座番号検出処理の処理例について示したフローチャートである。制御部10(口座番号比較部3)が行う類似口座番号検出処理を実現するためのアルゴリズムは限定されないものであるが、例えば、図15のようなフローチャートによって実現することができる。
まず、制御部10(口座番号比較部3)は、入力口座番号の桁数を確認し、さらに、振込履歴情報Dから桁数が一致する口座番号を抽出する(S201)。
そして、制御部10(口座番号比較部3)は、振込履歴情報Dから抽出した口座番号(入力口座番号と桁数が一致する口座番号)について、それぞれ入力口座番号と比較し、1桁だけ異なる口座番号の検出を試みる(S202)。
そして、制御部10(口座番号比較部3)は、1桁だけ異なる口座番号が検出された場合(検出結果が「有り」の場合)には、後述するステップS205の処理に移行し、検出できなかった場合(検出結果が「無し」の場合)には、後述するステップS203の処理に移行する。
上述のステップS202で、検出結果が「無し」という結果だった場合、制御部10(口座番号比較部3)は、振込履歴情報Dから、桁数が入力口座番号より1桁だけ多い口座番号を抽出する(S203)。
そして、制御部10(口座番号比較部3)は、抽出した口座番号のそれぞれについて、入力口座番号と比較する処理を行い、入力口座番号よりも1桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している口座番号の検出を試みる(S204)。
そして、制御部10(口座番号比較部3)は、入力口座番号よりも1桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している口座番号が検出された場合(検出結果が「有り」の場合)には、後述するステップS205の処理に移行し、検出できなかった場合(検出結果が「無し」の場合)には、後述するステップS206の処理に移行する。
具体的には、制御部10(口座番号比較部3)は、ステップS203で検出された口座番号のX桁目を省略(スペースを挿入)した口座番号と、入力口座番号とを比較してすべての桁の番号が一致するものの検出を試みるものとする。なお、上述の「X」は、1〜N(Nは入力口座番号の桁数)の間で変動する変数である。そして、制御部10(口座番号比較部3)は、Xを1〜Nまで変動させても、両者の番号が一致しない場合には、当該口座番号(ステップS203で検出された口座番号)は、「入力口座番号よりも1桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している口座番号」には該当しないものと判定する。
例えば、制御部10(口座番号比較部3)は、Xを1、2、3、…、Nと変動させていき、ステップS203で検出された口座番号のX桁目を省略した番号と、入力口座番号との比較処理を行い、一致する番号の検出を試みる。具体例として、入力口座番号が「234567890123456」(15桁の口座番号)で、ステップS203で検出された口座番号が「1234567890123456」(16桁の口座番号)だった場合を想定する。そして、X=1の場合、「1234567890123456」の1桁目が省略された結果は「234567890123456」となり、この番号は、入力口座番号と一致する。したがって、この場合、制御部10(口座番号比較部3)は、X=1の時点で、口座番号「1234567890123456」を、「入力口座番号よりも一桁多いだけでその他の桁の番号が全て一致している口座番号」として検出することができることになる。
上述のステップS202又はステップS204の処理で、振込履歴情報Dから該当する口座番号が検出できた場合には、制御部10(口座番号比較部3)は、振込履歴情報Dに類似口座番号が検出できた(有り)と判断し(S205)、類似口座番号検出処理を終了する。以後、上述のステップS109では、上述のステップS202又はステップS204の処理で検出された口座番号を類似口座番号として、口座番号確認処理が行われることになる。
一方、上述のステップS202、S204のいずれの処理においても、振込履歴情報Dから該当する口座番号が検出できなかった場合には、制御部10(口座番号比較部3)は、振込履歴情報Dに類似口座番号が検出できなかった(無し)と判断し(S206)、類似口座番号検出処理を終了する。
なお、図15に示す類似口座番号検出処理では、上述のステップS202の処理を優先して実行し、ステップS202の処理で類似口座番号が検出された場合には、上述のステップS204の処理は実行されないが、両方の検出処理を行うようにしてもよい。その場合、制御部10(口座番号比較部3)は、少なくとも1つ以上類似口座番号が検出された場合に、振込履歴情報Dに類似口座番号が検出できた(有り)と判断するようにしてもよい。また、図15に示す類似口座番号検出処理では、上述のステップS202の処理を優先して実行しているが、上述のステップS204の処理を優先して実行する(順序を逆にする)ようにしてもよい。
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
ATM100では、顧客に入力された入力口座番号が、キャッシュカードC(ICチップC2)から読み込んだ振込履歴情報Dに含まれる口座番号と類似する場合、口座番号確認画面で顧客に今回の取引で用いる口座番号を確認させている。これにより、ATM100では、顧客が過去に取引を行った口座番号への振込取引を行おうとする際に、顧客が入力誤りをした場合でも、口座番号確認画面で顧客に入力誤りを認識させ、正しい口座番号での取引を行うことができる。
例えば、ATM100では、口座番号の入力を受付けた後に、振込内容確認画面(図14参照)を表示するが、単に入力された数字の羅列が表示されるだけであるので、口座番号の桁(数字)を読み飛ばしてしまうことがある。しかし、この実施形態のATM100では、過去に取引で利用した口座番号(振込履歴情報D)、入力口座番号との機械的なチェックが行われるため、顧客が意図しない誤った口座番号で取引を行ってしまうことを抑制することができる。
(B)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(B−1)上記の実施形態では、本発明の取引装置をATMに適用する例について説明したが、その他の取引装置に適用するようにしても良い。例えば、電子マネー等を顧客の口座にチャージ(入金)する取引や、顧客の口座から電子マネーを引き落として商品(例えば、交通機関等のチケット等)を販売する取引等を行うシステムに適用し得る。
(B−2)上記の実施形態のATMでは、取引に必要な取引情報として口座番号を顧客に入力させているが、口座番号以外の取引情報についても、口座番号確認画面と同様の形式で顧客に確認させるようにしてもよい。例えば、振込取引で、顧客自身の情報(例えば、電話番号やE−mailアドレス等)を顧客に入力させる場合にも口座番号確認画面と同様の画面を表示して顧客にボタンを押下させるようにしてもよい。なお、顧客に入力させる取引情報については、番号に限定されず複数の文字(番号、アルファベット、漢字等の文字)で構成された文字列が含まれていればよい。
(B−3)上記の実施形態のATMでは、キャッシュカードのICチップから振込履歴情報を保持しているが、振込履歴情報を保持する方法(振込履歴情報を記録する媒体)は、キャッシュカードに限定されないものである。例えば、ホストコンピュータ側で、顧客ごとの振込履歴情報を保持しておき、振込取引の都度ATMが読み込んで保持するようにしてもよい。
(B−4)上記の実施形態の口座番号確認画面では、入力口座番号と、類似口座番号の両方を顧客に提示しているが、両方提示しない画面構成としてもよい。例えば、図16に示す口座番号確認画面のように、入力口座番号に対応するボタンB501を、入力口座番号を用いて取引を続行するためのボタンB503(「取引続行」と表示されたボタン)に置き換えるようにしてもよい。
(B−5)上記の実施形態では、ATMにICチップがつけられたキャッシュカードが挿入され、当該ICチップに振込履歴情報が記録されているものとして説明したが、ICチップがつけられていないキャッシュカードや、ICチップがつけられたキャッシュカードであっても振込履歴情報が記録されていないものが挿入される場合もあり得る。その場合には、上記実施形態のATMは、従来のATMと同様の取引処理を行うようにしてもよい。
(B−6)上記の実施形態において、口座番号比較部は、入力口座番号との差分が1桁までの口座番号を類似口座番号として検出しているが、類似口座番号として検出する差分の上限は2桁以上であってもよい。例えば、口座番号比較部は、「入力口座番号と異なる桁数が2桁以下の口座番号」についても類似口座番号として検出するようにしてもよい。