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JP6064778B2 - 印刷装置、印刷方法 - Google Patents
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Description

本発明は、印刷に関する。
紫外線硬化型のインク(UVインク)を用いた印刷が実現されている。UVインクを用いた印刷において、カラーインクによってドットを形成した後に、白色インクによってドットを形成したり、この逆の順序でドットを形成したりする印刷方法が知られている(例えば特許文献1)。
特開2008−149547号公報
上記先行技術が有する課題は、カラーインクの硬化不良が生じやすいことである。この現象は、例えば、紫外線の吸収率が高いインクによるドットが、紫外線の吸収率が低いインクによるドットに覆い被さることによって引き起こされる。特にブルー領域の光を主に吸収するイエローインクは、ブルー領域に隣接する波長である紫外線の吸収率も高くなりがちである。この課題は、紫外線に限られず、他の波長領域の光によって硬化するインクを用いた印刷に共通である。この他、装置の小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決するためのものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明によれば、記録媒体上の局所領域それぞれに対して2回以上である所定回の主走査を実施することによって特定波長域の硬化光の照射により硬化する光硬化性のカラーインクによるドットを形成し、形成されたドットに対して光硬化を施す印刷装置が提供される。この印刷装置は、(a)硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記所定回のうち前半の回数における主走査によって形成されるドットである前半ドットは、前記所定回のうち後半の回数における主走査によって形成されるドットである後半ドットよりも多い(b)硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットは、前記後半ドットよりも少ない;前記(a)及び前記(b)の少なくとも何れか1つを満たす。この形態によれば、カラーインクの硬化不良が生じにくくなる。硬化光吸収率が最も高いカラーインク(以下「高吸収インク」という)について、前半ドットが後半ドットよりも多いので、高吸収インクによるドットが、他のドットに覆い被さりにくくなる。高吸収インクによるドットが他のドットに覆い被さりにくくなれば、他のドットに光が届きにくくなることが抑制されるので、上記効果を得ることができる。(b)についても同様の理由で上記効果をもたらす。なお、所定回が奇数である場合、真ん中の回数は、例えば前半の回数にも後半の回数にも属さないものとして取り扱ってもよい。
(2)上記形態において、前記カラーインクは、シアンインクと、マゼンタインクと、イエローインクとを含む。この形態によれば、種々の印刷装置に適用できる。
(3)上記形態において、ディザマスクの閾値が小さいほどドットが形成されやすくなるディザ法によってハーフトーン処理を実行し;ディザマスクの各閾値が、前記所定回のうちの何回目の主走査によってドットが形成される画素に対応するかは一定であり;前記(a)は、硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値よりも小さいことによって満たされ;前記(b)は、硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値よりも大きいことによって満たされる。この形態によれば、印刷時における処理負荷の増大が抑制される。(a)と(b)との少なくとも何れか1つを満たすためのディザマスクを予め作成しておけば、印刷時においては処理負荷の増大を引き起こさないからである。
(4)上記形態において、ディザ法によってハーフトーン処理を実行し;前記所定領域それぞれに含まれる画素に対して何回目の主走査によってドットが形成されるかを示す走査順は、副走査方向に規則性を有し;副走査方向について、ディザマスクのサイズは、前記走査順の規則性の最小単位の整数倍であり;走査順とディザマスク内画素位置とが一定の対応関係となる。この形態によれば、走査順(パス順)毎にデューティーを制御しやすくなる。これによって、より硬化不良が生じにくいようにドットを形成しやすくなる。
(5)上記形態において、対象パラメーターに拡散誤差を加味した補正値と閾値との比較によってドット形成の有無を判定する誤差拡散法によってハーフトーン処理を実行し;前記(a)は、硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均は、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均よりも小さいことによって満たされ;前記(b)は、硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均は、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均よりも大きいことによって満たされる。この形態によれば、印刷時における処理負荷の増大が抑制される。この形態によれば、誤差拡散法によって上記の効果を得ることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態でも実現できる。例えば、印刷方法、この方法を実現するためのプログラム、このプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現できる。
プリンターの概略構成。 プラテン側から見た印刷ヘッド。 副走査方向から見た印刷ヘッドと記録媒体。 パスと画素との対応関係における周期性を示す図。 ハーフトーン処理を示すフローチャート。 調整後デューティーと入力デューティーとの関係を示すグラフ。 調整後デューティーと入力デューティーとの関係を示すテーブル。 副走査方向位置と、ノズル番号と、グループとの関係を示す図。 余剰ノズルへの分配率を示すテーブル。 副走査方向位置とノズル番号とグループとの関係を示す図。 副走査方向位置とノズル番号とグループとの関係を示す図。 副走査方向位置と、余剰ノズルへの分配との関係を示す図。 等分の場合におけるドットオン率とノズル番号との関係をデューティー毎に示すグラフ。 前半ドットが多くなるように調整した場合におけるドットオン率とノズル番号との関係をデューティー毎に示すグラフ。
実施形態1を説明する。図1は、プリンター20の概略構成を示す。プリンター20は、シリアル方式のインクジェットプリンターである。プリンター20は、制御ユニット30と、印刷ヘッド90と、搬送機構70と、第1仮照射部96A、第2仮照射部96B(以下、まとめて「仮照射部96」とも呼ぶ)と、本照射部98(図2参照)とを備える。
制御ユニット30は、メモリーカードMCが装着されるメモリーカードスロット38や、プリンター20に必要な操作を行うための操作パネル39を備える。プリンター20は、制御ユニット30の内部に、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60を備える。これらは、バスで相互に接続される。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開してCPU40が実行することによって、プリンター20の各部(例えば、搬送機構70や印刷ヘッド90)の動作を制御する。EEPROM62は、ディザマスク62を記憶する。
ディザマスク62は、ディザマスク62によって決定されたオン/オフに従って形成されたドットが、全体でブルーノイズ特性を有するように閾値が配置されている。さらに、ディザマスク62は、形成されたドットを、各パスにおける主走査によって形成されるドットもブルーノイズ特性を有するように閾値が配置されている。このような特性を有することによって、各パスでドットの着弾位置にずれが生じても画質の低下が抑制される。
搬送機構70は、印刷ヘッド90と記録媒体RMとの搬送全般のための機構である。印刷ヘッド90は、キャリッジ80に搭載される。キャリッジ80は、走査ガイド93に摺動可能に取り付けられている。キャリッジモーター71が回転(正転/逆転)すると、その回転は、プーリー72との間に張設された無端ベルト71によってキャリッジ80に伝えられる。キャリッジ80は、走査ガイド73に沿って主走査方向に往復移動する。搬送機構70は、媒体送りモーター74を備える。媒体送りモーター74の回転は、プラテン75と媒体搬送ローラー(図示しない)とに伝達される。プラテン75と媒体搬送ローラーとが回転することによって、記録媒体RMは、副走査方向に搬送される。
図2は、プラテン75側(記録媒体RM側)から見た印刷ヘッド90を示す。図2に示されるように、プラテン75に対向する面に、複数のノズルNZを有している。複数のノズルNZは、4列に配列する。各ノズル列は、シアン用ノズル列92、マゼンタ用ノズル列93、イエロー用ノズル列94、ブラック用ノズル列95を構成する。副走査方向についてのノズルピッチは、ピッチNPである。ピッチNPは、ドットピッチの整数倍である。プリンター20は、印刷ヘッド90を、第1,第2仮照射部96A,96Bと共に、プラテン75に沿って往復移動(主走査)させる。プリンター20は、主走査に伴ってノズルNZからインクを噴射して印刷を行う。
インク収容部82はシアンインクCを、インク収容部83はマゼンタインクMを、インク収容部84はイエローインクYを、インク収容部85はブラックインクKを収容する。各インクは、紫外線を吸収すると硬化するインク(UVインク)である。インク収容部82〜85は、収容するインクを、印刷ヘッド90に供給する。
図2に示されるように、第1仮照射部96A及び第2仮照射部96Bのそれぞれは、複数の光源97を備える。光源97は、紫外線LEDである。光源97は、記録媒体RMに噴射された直後のインクに対して紫外線を照射するために、ノズル列92〜95に対して主走査方向にオフセットした位置に配列している。
第1仮照射部96A及び第2仮照射部96Bは、UVインクを仮硬化させる光量を有する紫外線を照射する。仮硬化とは、インクドットが流れたり滲んだりしない程度以上には硬化しているが、充分な硬度には達していない状態となることを意味する。搬送機構70により搬送される記録媒体RMに向けて各光源97から紫外線が照射されると、印刷ヘッド90によって記録媒体RM上に噴射されたインクは、紫外線を吸収して仮硬化する。
本照射部98は、図2に示されるように、印刷ヘッド90よりも、副走査方向について下流側に配置される。本照射部98は、複数の光源99を備える。光源99は、紫外線LEDである。光源99は、記録媒体RMのドット形成領域の全体に対して紫外線を照射するために、主走査方向について記録媒体RM全体を覆うように配列している。本照射部98は、仮照射部96によって仮硬化されたインクに、光源99を用いて更に紫外線を照射する。この照射は、本硬化のために実行される。本硬化とは、インクドットの表面および内部が硬化した状態(充分に硬化した状態)になることを意味する。
図3は、副走査方向に沿って見た印刷ヘッド90と記録媒体RMとを示す。第1仮照射部96Aは、印刷ヘッド90よりも往路における下流側に、第2仮照射部96Bは印刷ヘッド90よりも復路における下流側に配置される。印刷ヘッド90が主走査方向に往復移動する際に、下流側の仮照射部96が紫外線を照射することによって、仮硬化を実行する。なお、往路と復路との少なくとも何れか一方において、第1仮照射部96Aと第2仮照射部96Bとの両方による照射を実行してもよい。
実施形態1においては、ピッチNPとして300npi(nozzle per inch)、副走査方向のノズル数として300個、印刷の解像度として600dpi(dot per inch)を採用する。さらに、実施形態1においては、4パス(2往復)によって1インチ幅のドット形成を順に完成させる方式が採用される。具体的には、次の通りである。
パス0:主走査方向オフセット無し、副走査方向への搬送無し
パス1:主走査方向オフセット=1画素分、副走査方向への搬送=1画素分
パス2:主走査方向オフセット無し、副走査方向への搬送無し
パス3:主走査方向オフセット=1画素分、副走査方向への搬送=599画素分
パス1における副走査方向への搬送は、パス1における主走査の後に実行される。パス3についても同様である。
図4は、パスと画素との対応関係における周期性を示す。図4に示された0〜3は、パス番号を示す。上記の印刷方式によれば、図4に示されるように、主走査方向および副走査方向それぞれについて、2画素を1周期として周期性が出現する。
図5は、ハーフトーン処理を示すフローチャートである。この処理は、周知のように、印刷データに含まれるドットデータ(ドットのオン/オフを示すデータ)を生成するための処理であり、CPU40によって実行される。まず、印刷対象となる画像に対して色変換(RGB→CMYK)を実行する(ステップS310)。続いて、各画素におけるイエローの入力デューティー(色変換後の階調値)を、パスに応じて調整する(ステップS320)。入力デューティーを調整する対象がイエローインクなのは、実施形態1においては、イエローインクがカラーインク(シアン、マゼンタ、イエローの各インク)の中で最も紫外線の吸収率が高いからである。
図6は、調整後デューティーと入力デューティーとの関係を示すグラフである。図7は、調整後デューティーと入力デューティーとの関係を、代表値について示すテーブルである。先述したステップS320は、図6に示された関係に基づき実行される。このグラフは、図7に示されるテーブルに示された代表値を線形補間したものである。例えば、入力デューティー(色変換後の階調値)が25%である場合、パス0であれは45%、パス1であれは35%、パス2であれは20%、パス3であれは0%に変換される。変換後の値が、調整後デューティーである。
デューティーを調整した後、ハーフトーン処理を実行する(ステップS330)。ここでのハーフトーン処理は、ディザ法と誤差拡散法との何れでもよい。ハーフトーン処理の後、プリンター20は、生成されたドットデータに基づき記録媒体RMに印刷をする。
以上に説明した実施形態1によれば、シアンインクとマゼンタインクとについて、硬化不良が抑制される。パスが進むにつれてイエローインクのデューティーが減少する。そうすると、前半パス(パス0及びパス1)で形成されるイエローインクのドット数は、後半パス(パス2及びパス3)で形成されるイエローインクのドット数よりも多くなる。よって、前半パスで形成されたシアンインク及びマゼンタインクのドットが、後半パスで形成されたイエローインクのドットに被覆される可能性が低くなる。この結果、シアンインク及びマゼンタインクのドットが、イエローインクのドットに被覆され、本硬化において少量の紫外線しか受けられないことが抑制される。さらに、イエローインクについては、前半パスで多数のドットが形成されるので、仮硬化を受ける回数が増え、充分に硬化する。実施形態1は、このような効果を、ヘッドを大きくしたり、余剰ノズルを設けたりすること等を回避し、従来のハードウエア構成によって奏することができる点において優れている。
実施形態1ではイエローインクのデューティーが100%に近づくと、パス間に充分なデューティー差をつけることが難しくなる。しかしイエローを他の色のインクとの混色で用いる場合、それぞれの最大デューティーを60%程度に抑える等とすることが多いので、実施形態1によればイエローインクがシアンインク及びマゼンタインクの硬化を妨げる弊害を充分に改善できる。最大デューティーを60%程度に抑えるのは、例えばマゼンタとイエローとの混色でレッドを再現したい場合には、総インク量が大きくなってインク層が厚くなり過ぎる、などの弊害を防ぐためである。
実施形態2を説明する。実施形態2においては、実施形態1におけるステップS320を省略し、ステップS330におけるハーフトーン処理をディザ法によって実行する。実施形態1において説明したパス毎のデューティー調整は、ディザマスクの閾値を、パス毎に調整することによって実現する。
この調整を実現するためには「ディザマスクの各閾値が、何れのパスによってドットが形成される画素に対応するか」が一意に定まっていることが好ましい。この関係を実現するためには、ディザマスクのサイズが、パスと画素との対応関係における周期性における1周期の整数倍であればよい。実施形態2においては、この周期性は実施形態1と同じなので、ディザマスクのサイズは、主走査方向および副走査方向それぞれについて、2画素の倍数であればよい。例えばブルーノイズマスク等のマスク内に規則的ドット配置を持たないマスクを実現するためには、256×256画素などの大きなサイズのマスクを使用する。
上記の関係を前提にして、ディザマスクの各閾値に対して逆調整を施したものをイエロー用のディザマスクとして採用する。逆調整とは、実施形態1における入力デューティーに対する調整とは逆の関係となる調整のことである。例えば、閾値が1〜100であった場合、パス0に対応する閾値45に対しては、図6,図7を参照すると、閾値25が逆調整による値として返される。パス1に対応する閾値60に対しては、閾値50が逆調整による値として返される。閾値が1〜1023であった場合、パス0に対応する閾値200に対しては、200×100/1023≒19.6が参照値となり、約10.9が逆調整による値として返される。この値を実施形態2のディザマスクに合わせると、10.9×1023/100≒111.1となる。111.1をそのまま閾値として採用してもよいし、四捨五入などによって111又は112を閾値として採用してもよい。
このような逆調整が施された閾値の配置においては、四捨五入などに起因するわずかな違いがあるだけで、実施形態1とほぼ同等の結果が得られる。
ディザ法においては、入力デューティーと閾値との比較によってドットのオン/オフが決定されるので、パスに応じた調整を、入力デューティーと閾値との何れに対して施しても、同等のドットデータを得ることができる。プリンター20は、逆調整を施したディザマスクを予め記憶しておくことができるので、実施形態2は印刷時における処理負荷が重くならない点において有利である。
実施形態3を説明する。図8は、実施形態3における副走査方向位置と、ノズル番号と、グループとの関係を示す。ノズル番号とグループとについては追って説明する。実施形態3においては、150npi、300dpi及び副走査方向のノズル数として150個が採用される。各パスにおける動作は、次の通りである。
パス0:主走査方向オフセット無し、副走査方向への搬送=75画素分
パス1:主走査方向オフセット=1画素分、副走査方向への搬送=75画素分
パス2:主走査方向オフセット=1画素分、副走査方向への搬送=75画素分
パス3:主走査方向オフセット無し、副走査方向への搬送=75画素分
何れのパスにおいても、副走査方向への搬送は、主走査の後に実行される。上記の方式によれば、副走査方向について75画素分の印刷がパス毎に完成する。
この印刷方式の場合、主走査方向に2画素、副走査方向に300画素の周期で、パスと画素との対応関係に周期性が出現する。実施形態3のディザマスクのサイズは、実施形態2と同様に、パスと画素との対応関係における周期性の1周期の整数倍に設定されている。具体的には、主走査方向に256画素、副走査方向に300画素、つまり、主走査方向は128倍、副走査方向は1倍に設定されている。このように充分に大きなサイズのディザマスクとすることで、マスク内に規則的なパターンを持たないブルーノイズマスク系のディザマスクを実現できる。実施形態2と同様に、これまでに説明した関係を用いて、ディザマスクの閾値に対し、パスに応じたデューティーの逆調整を施すことができる。
但し、実施形態3における「パスに応じたデューティーの逆調整」とは、単にパス番号に応じて閾値を変更することではない。実施形態3においては、パス0〜3がどのような順番で実行されるかが、4通り存在するからである。パス0〜3がどのような順番で実行されるかに基づき分割された範囲を「バンド」と呼び、バンド0〜3の4つのバンドが存在する。バンド0とは、パス0が1回目の主走査となるバンドのことであり、パス0の後はパス1,2,3の順で主走査が実行される。バンド1の場合は、パス1が1回目の主走査となり、パス1の後はパス2,3,0の順で主走査が実行される。バンド2,3についても同様である。
何れのバンドにおいても、ノズル番号0〜36(グループ0)が1回目のパス、ノズル番号38〜74(グループ1)が2回目のパス、ノズル番号75〜111(グループ2)が3回目のパス、ノズル番号113〜150(グループ3)が4回目のパスにおいてドット形成を実行する。ノズル番号とは、ノズルに対して副走査方向の位置に対応して付けられた数字であり、副走査方向について上流側から若い番号が割り振られている。図8に示されたグループ0に対応づけられた黒塗りの画素が、グループ0に属するノズル(以下「グループ0ノズル」という。他のグループについても同様である。)によってドットが形成される画素を示す。グループ1〜3についても同様である。
実施形態3における逆調整は「或る画素についてドットを形成するノズルが何れのグループに属するかに応じて、その画素に対応するディザマスクの閾値を逆調整すること」と捉えることができる。
ノズル番号37は、何れのグループにも属さないので、グループ0とグループ1との中間のデューティーを採用する。ノズル番号37が何れのグループにも属さないのは、ノズル数150がパス数の4で割り切れないからである。同様にノズル番号112については、グループ2とグループ3との中間のデューティーを採用する。なお、ノズル番号37は、デューティーとしてグループ0とグループ1との何れかの値を採用してもよいし、ノズル番号112は、デューティーとしてグループ2とグループ3との何れかの値を採用してもよい。以上に説明した実施形態3によっても、実施形態1,2と同等の効果を得ることができる。
実施形態4を説明する。実施形態4においては、ハーフトーン処理を誤差拡散法によって実行すると共に、デューティーの調整を、誤差拡散法における閾値を調整することによって実現する。印刷方式については、実施形態1と同じものを採用する。この印刷方式の場合、実施形態1において説明した通り、パスが進むにつれてイエローインクのデューティーが減少すれば、先述した効果を得ることができる。
閾値の調整とは、対応するパスに応じた調整値を、閾値に対して予め加算することである。調整値は、正負いずれの値も取り得る。パスnに対応する画素の閾値に加算する調整値を調整値(n)と表記すると、調整値(0)<調整値(1)<調整値(2)<調整値(3)が成立する。q回目の主走査によって形成されるドット数を「ドット数(q)」と表記すると、ドット数(0)≧ドット数(1)≧ドット数(2)≧ドット数(3)が実現される。なお、調整値(n)は、固定値であってもよいし、入力デューティーに応じて変化させてもよい。実施形態4によれば、誤差拡散法を用いる場合に、印刷時における処理負荷が重くなることを回避しつつ、デューティーの調整を実現できる。
実施形態5を説明する。実施形態5は実施形態3を基にした実施形態であるので、実施形態3との違いを中心に説明する。実施形態5は、実施形態3の場合よりもノズルを38個(ノズル番号150〜187)増やす。これらのノズルは、グループ4に属するものとする。ただし、説明を簡単にするため、ノズル番号37はグループ0に属するものとする。グループ4ノズルのそれぞれは、割り当てられる画素が、グループ0ノズルの何れか1つと重複する。つまり、グループ4ノズルは、余剰ノズルである。グループ4ノズルそれぞれは、実施形態3でグループ0ノズルが担当していた画素を任意の割合で代替することが可能である。グループ0ノズルのノズル番号に150を加えたノズル番号が、重複するグループ4ノズルのノズル番号となる。実施形態5において、ノズル番号毎の分配率は、インク色に応じて、図9に示される例が採用される。
図9で示されていないノズル番号の分配率は、図9で示されているノズル番号と分配率との関係が直線的に補間されているものとする。グループ0とグループ4との重複する2ノズルの分配率の合計は100%である。よって、グループ0ノズルの分配率が決まれば、重複するグループ4ノズルの分配率は自動的に決まる。グループ1〜3ノズルは他のノズルと重複しないので、分配率は常に100%となる。
従来は“等分1”や“等分2”のように、グループ0ノズルとグループ4ノズルとを平等に用いる対称的な設定が普通であった。特に“等分2”の設定では、ノズル列の両端に近づくほど分配率が下がってゆくため、バンド境界が線として視認されるバンディングがほとんど目立たなくできる。
それに対して、実施形態5では、“グループ0重視設定”及び“グループ4重視設定”を用いる。グループ0重視設定によれば、パス順が最後になるグループ4ノズルに対して、パス順が最初のグループ0ノズルの分配率が多くなる。このため、グループ0重視設定を紫外線吸収率の高いイエローインクに用いることで、自動的に前半パスでイエローインクのドットを多く形成する設定が実現できる。一方、グループ4重視設定を紫外線吸収率の低いマゼンタインクとシアンインクとに用いることで、マゼンタインクとシアンインクとのドットについて後半パスの分配率が上がる。この結果、紫外線吸収率の高いイエローインクのドットが、マゼンタインクとシアンインクとのドットの上に形成される割合を減らせる。
実施形態1〜4ではデューティー=100%の場合には前半パスと後半パスとの分配率が等しくなったのに対し、実施形態5ではデューティー=100%でも前半パスと後半パスとの分配率に差を付けることができるようになり、本発明の効果を得ることができる。なお、図9に示された値は設計値であり、実際の分配率は設計値から多少のばらつきがあってもかまわない。
図10,図11及び図12に、図9のような任意の分配率を実現するための詳細な手法を示す。図10及び図11は、図9の“等分2”の設定を例に、副走査方向位置と、ノズル番号と、グループとの関係を示す。図10及び図11は、一連の内容を示すが、紙面の都合上、2つの図に分割されている。グループ1〜3の配置は図8と同一のため省略してある。また比較のため実施形態5でのグループ0の画素位置も表示してある。この表示は、ノズル番号37はグループ0に含まれるように変更した例を示す。実施形態5で新たに増えたグループ4ノズルのノズル番号は、重複するグループ0ノズル番号の横にカッコつきで記述されている。
実施形態5では、実施形態3でグループ0ノズルに対応していた画素を、図9の“等分2”に示すノズル番号に応じた分配率でグループ4ノズルに分配する。分配率を細かく制御するため、主査方向の繰り返し周期は図8の2画素から64画素に拡大して、規則性を持たせることなく、同じグループの画素をできるだけ離して分散させる配置とした。ただし図10,図11では64画素周期の中間部の表示は省略してある。図10,図11で黒塗りはグループ0に分配される画素位置、ハッチングはグループ4に分配される画素位置であり、1つのパターンで両グループの配置を示している。
図12には、対応するグループ0ノズルの番号、図9の“等分2”を適用した場合のグループ0ノズルへの分配率の設計値、実際の分配率、グループ0ノズルの実分配画素数、及びグループ4ノズルの実分配画素数が記述してある。このように、副走査方向のパス配置の繰り返し単位を大きくし、グループ0とグループ4との配置パターンを適切に設定することで、図9の“等分2”の設定が実現できる。
なお、“等分2”によっては、本発明の効果を得ることができない。ただし、“等分2”は、本発明の効果を有する“グループ0重視”及び“グループ4重視”の設定の基にすることができる。つまり、“等分2”におけるグループ0ノズルへの分配率の設計値を変えるだけで、“グループ0重視”及び“グループ4重視”が実現できる。
実施形態6について説明する。実施形態6は、実施形態5の図10,図11,図12に示した“等分2”の設定を用いた上で、本発明の効果を発揮する手法を示す。図10,図11,図12ではパス番号およびノズル番号のパターンは、主走査方向のパス番号の繰り返し周期は64画素、主走査方向の繰り返し周期は300画素の繰り返しパターンとなる。したがって、この繰り返しパターンを参照することで、画素位置に対応するノズル番号が一意に決まる。
一般に、ノズル番号に応じた特別な制御を行わない場合、デューティー=Nの場合に各ノズルがオンになる確率は、ノズル番号にかかわらず、Nで一定となる。したがって、デューティーが25%,50%,75%,100%の各ノズル番号についてドットがオンとなる確率は、単純にデューティーに分配率を乗じた値となる。図10,図11,図12の設定(等分2)の場合は、図13のようになる。図13に示されたx軸の補助線が、ノズルグループ同士の境界を示す。左端がグループ0、右端がグループ4に対応する。
これに対して、図14はドットオンとなる確率を、入力デューティーに応じてノズル番号毎に制御した例を示す。図14のような特性を実現することによって、デューティー=100%以外では前半パスで発生するドットの比率を高めることができる。また、図14の特性を左右逆に(x軸について反転)すれば、後半パスで発生するドットの比率を高めることもできる。デューティー=100%ではドット分配率の設定値に収束するため、100%近くでは制御できる余地が小さくなる。それが問題になる場合は、ドット分配率の設定自体を“等分2”ではなく“グループ0重視”や“グループ4重視”に設定すればよい。
ノズル番号に応じたドットオン率の制御は、入力デューティーをパス番号に応じて調整した手法(実施形態1)を応用して、パス番号ではなくノズル番号に応じて調整するようにすることで実現できる。図14には25%きざみのデューティーにおける値がプロットされている。その間のデューティーは直線補間などによって求めればよい。
また、実施形態3と同じく主走査方向サイズが256画素のディザマスクを用いるとすると、主走査方向の繰り返し周期である64画素の整数値倍(具体的には4倍)という制約を満たしているので、ディザマスク上の画素位置が決まれば、ノズル番号およびパス順も決まる。したがって実施形態3同様に、ディザマスク側の閾値を調整する実施形態も可能である。具体的には、実施形態3では対応するパス番号に応じてディザマスク閾値を調整したのと同様に、対応するノズル番号に応じてディザマスク閾値を調整すればよい。
本発明は、本明細書の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことができる。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。例えば、以下のものが例示される。
高吸収インク(カラーインクの中で最も紫外線吸収率が高いインク)に加えて又は代えて、他のインクのデューティーを調整してもよい。例えば、低吸収インク(カラーインクの中で最も紫外線吸収率が低いインク)としてシアンを調整する場合、実施形態においてイエローに施した調整と逆の考え方で調整を施してもよい。つまり、パスが進むにつれてデューティーが増加するように調整してもよい。
高吸収インクがイエローインク以外のインク(例えばシアンインク、マゼンタインク)である場合は、そのインクを高吸収インクとして取り扱ってもよい。
白色インク(パールホワイト、調色白)について、デューティーの調整を実行してもよい。
20…プリンター
30…制御ユニット
38…メモリーカードスロット
39…操作パネル
40…CPU
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
62…ディザマスク
70…搬送機構
71…無端ベルト
72…プーリー
73…操作ガイド
74…紙送りモーター
75…プラテン
77…キャリッジモーター
80…キャリッジ
82〜85…インク収容部
90…印刷ヘッド
92〜95…ノズル列(CMYK)
96A…第1仮照射部
96B…第2仮照射部
97,99…光源
98…本照射部
RM…記録媒体

Claims (6)

  1. 記録媒体上の局所領域それぞれに対して2回以上である所定回の主走査を実施することによって特定波長域の硬化光の照射により硬化する光硬化性のカラーインクによるドットを形成し、形成されたドットに対して光硬化を施す印刷装置であって、
    (a)硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記所定回のうち前半の回数における主走査によって形成されるドットである前半ドットは、前記所定回のうち後半の回数における主走査によって形成されるドットである後半ドットよりも多い
    (b)硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットは、前記後半ドットよりも少ない
    前記(a)及び前記(b)の少なくとも何れか1つを満たす印刷装置。
  2. 前記カラーインクは、シアンインクと、マゼンタインクと、イエローインクとを含む
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. ディザマスクの閾値が小さいほどドットが形成されやすくなるディザ法によってハーフトーン処理を実行する請求項1又は請求項2に記載の印刷装置であって、
    ディザマスクの各閾値が、前記所定回のうちの何回目の主走査によってドットが形成される画素に対応するかは一定であり、
    前記(a)は、硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値よりも小さいことによって満たされ、
    前記(b)は、硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均値よりも大きいことによって満たされる
    印刷装置。
  4. ディザ法によってハーフトーン処理を実行する請求項1又は請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記局所領域それぞれに含まれる画素に対して何回目の主走査によってドットが形成されるかを示す走査順は、副走査方向に規則性を有し、
    副走査方向について、ディザマスクのサイズは、前記走査順の規則性の最小単位の整数倍であり、
    前記走査順とディザマスク内画素位置とが一定の対応関係となる
    印刷装置。
  5. 対象パラメーターに拡散誤差を加味した補正値と閾値との比較によってドット形成の有無を判定する誤差拡散法によってハーフトーン処理を実行する請求項1又は請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記(a)は、硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均よりも小さいことによって満たされ、
    前記(b)は、硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均が、前記後半ドットが形成される画素に対応する閾値の平均よりも大きいことによって満たされる
    印刷装置。
  6. 記録媒体上の局所領域それぞれに対して2回以上である所定回の主走査を実施することによって特定波長域の硬化光の照射により硬化する光硬化性のカラーインクによるドットを形成し、形成されたドットに対して光硬化を施す印刷方法であって、
    (a)硬化光吸収率が最も高いカラーインクについて、前記所定回のうち前半の回数における主走査によって形成されるドットである前半ドットは、前記所定回のうち後半の回数における主走査によって形成されるドットである後半ドットよりも多い
    (b)硬化光吸収率が最も低いカラーインクについて、前記前半ドットは、前記後半ドットよりも少ない
    前記(a)及び前記(b)の少なくとも何れか1つを満たす印刷方法。
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