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JP6069976B2 - 水砕スラグ及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は、銅製錬工程での溶融スラグから所定の粒径に制御された水砕スラグを得る方法、及びその所定の粒径に制御された水砕スラグに関するものである。
銅製錬工程においては、銅精鉱及び銅精鉱以外の銅原料(以下、雑原料と称する)と、フラックスとしての珪酸鉱が原料として使用されている。銅精鉱はCu品位が30%前後であって、他にFe及びSをそれぞれ約30%含有し、更にZn、As、Pb等をわずかに含んでいる。尚、銅精鉱以外の銅原料である雑原料としては、銅製錬工程の繰り返し物や銅スクラップなどがある。
銅精鉱と雑原料はフラックスの珪酸鉱と調合され、図1に示すように、自熔炉1などの熔錬炉に装入されて約1300℃の高温で熔解され、比重約3のマット2と比重約2のスラグ3とに比重分離される。得られたマット2は次工程の転炉に送られ、FeとSが除去されて、Cu品位が98%の粗銅となる。一方、スラグ3は不純物の多くが分配されているため、自熔炉樋4を通して錬かん炉5に送られ、分離しきれなかったCu分が分離される。
錬かん炉5でCu分が分離されたスラグは、約1300℃の熔融スラグ6としてスラグ樋7から排出され、水砕樋8に供給される。水砕樋8に供給された熔融スラグ6は、水砕樋8内を流れる大量の水と接触することにより水砕されると同時に100℃以下まで急冷され、細かい粒子に砕かれて水砕スラグとなる。尚、上記水砕処理には種々の手段が知られているが、図示するように水砕ノズル9から放出される高圧水を用いることが望ましい。
このようにして得られる水砕スラグは、ガラス質で化学的に安定であり、含有元素の溶出がないなど環境的に優れた素材であるため、セメント原料、ケーソンなどの充填剤、サンドブラスト材、コンクリート用細骨材などの用途に使用されている。また、水砕スラグの粒径は、50%粒径で表すと、通常は1.20〜1.40mmの範囲となる場合が多い。尚、50%粒径とは、水砕スラグを2.36mm、1.18mm、0.60mmの各篩を用いて分級を行い、この値をロジン・ラムラー線図にプロットしたとき累積質量が50%となる粒径を言い、一般的にD50と略記されている。
上記水砕スラグは、材質が硬く、天然砂を上回る比重を有し、鋭角的な形状であるなど、特にサンドブラスト材として優れた特性を有している。一般的に、サンドブラスト材としては、従来から主に天然砂が用いられてきた。しかし、昨今では天然砂の採取に伴う自然破壊等環境への影響が懸念され、天然砂の採取が制限されるようになったため、それに代わる代替材として水砕スラグが注目を集めている。
しかし、サンドブラスト材には、用途に応じて必要とされる粒径(D50)がほぼ決められている。例えば、造船向けサンドブラスト材と呼ばれる船舶の錆落とに用いるサンドブラスト材は、舷側等に深く喰い込んだ錆を除去するために打痕が大きいことが必要とされ、通常得られる水砕スラグの粒径より大きい1.40〜1.55mmの粒径が求められている。また、塗装の下地処理に用いるサンドブラスト材では、再塗装を行う前に残っている塗装を取り除くために打痕が小さなことが必要とされ、通常得られる水砕スラグの粒径よりも小さい1.10〜1.20mmの粒径が求められている。
一方、通常得られる水砕スラグの粒径(D50)は、上述したように1.20〜1.40mmの範囲がほとんどであることから、そのままではサンドブラスト材として使用できないという問題点があった。そのため、水砕スラグをサンドブラスト材として用いる場合には、用途別に適した粒径に調整することが必要であった。
サンドブラスト材として水砕スラグを用いる場合、特定の粒径の水砕スラグを得る方法として、例えば特許文献1には水砕スラグを分級する方法が記載されている。具体的には、水分を含む銅スラグの分級において、ジャンピングスクリーン若しくは同原理による特殊篩装置を用い、1500〜3500μm付近の粒度のものを篩い分けすることにより、サンドブラスト材向けとなる粗粒の水砕スラグを得ている。
また、特許文献2には、水蒸気爆発や樋の詰まり現象を起こさないスラグ水砕装置が記載され、水砕スラグの粒径と水砕水量との関係について述べられている。具体的には、錬かん炉から排出されるスラグ樋本体先端下方に短尺樋を配設し、熔融スラグの流れをフラットな流れとすることで、水蒸気爆発や詰まり現象を防止でき、且つ従来に比べて水砕用の押水を15〜20%程度節減でき、同時に微細なスラグの割合を減らすことができるとしている。
しかしながら、上記引用文献1及び2に記載の方法では、特別な分級設備を設置したり、溶融スラグをフラットな流れに変える新たな水砕樋を設置したりする必要があるため、設備投資によるコストの増加を招くという問題があった。更に、引用文献2の方法においては、押水の量を減少させると微細な水砕スラグの割合を減らすことができるが、水砕スラグの粒径を任意に制御することは不可能であるうえ、押水の量を減らすと水蒸気爆発や樋の詰まり現象が生じるリスクが増加するという問題があった。
特開2003−222475号公報 特開2000−034528号公報
本発明は、上記した銅製錬工程における水砕スラグの問題点を解決しようとするものであり、新たな分級設備や特別な水砕樋の設置を行わずに、また水蒸気爆発等のリスクを増大させることなく安全に実施でき、粒径を任意に制御することができる水砕スラグの製造方法、及び、その方法により得られるサンドブラスト材として好適な粒径を有する水砕スラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは溶融スラグを水砕処理する際に、水砕スラグの粒径を制御する方法について鋭意検討した結果、水砕スラグ中のPb品位と水砕スラグの粒径とに密接な関係があること、具体的には、水砕スラグ中のPb品位が低いと水砕スラグの粒径が粗粒化し、水砕スラグ中のPb品位が高いと水砕スラグの粒径が微細化することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明が提供する水砕スラグの製造方法は、熔錬炉及び錬かん炉を有する銅製錬設備のスラグ樋から水砕樋に向かって排出される熔融スラグを、水砕ノズルから放出されて該水砕樋を流れる高圧水に上方から接触させて該熔融スラグを100℃以下まで急冷すると同時に粉砕を行う水砕処理によって、組成がFeO:39〜42質量%、SiO :30〜35質量%、Al :3〜6質量%、及びCaO:1〜4質量%の水砕スラグを製造する方法において、銅製錬の原料である銅精鉱と雑原料及びフラックスの珪酸鉱配合割合を変えて該水砕スラグのPb品位を0.09〜0.28質量%の間で調整することによって、分級を行うことなく該水砕スラグのロジン・ラムラー線図による累積質量で50%粒径を1.10〜1.60mmの範囲内で制御することを特徴とするものである。
上記本発明による水砕スラグの製造方法において、上記水砕スラグのPb品位を0.10〜0.16質量%に調整する第1の方法により、得られる水砕スラグの50%粒径を1.40〜1.55mmの範囲に制御することができる。また、上記水砕スラグのPb品位を0.24〜0.28質量%に調整する第2の方法により、得られる水砕スラグの50%粒径を1.10〜1.20mmの範囲に制御することができる。
本発明は、また、上記した水砕スラグの製造方法により得られる水砕スラグを提供するものである。即ち、本発明が提供する第1の水砕スラグは、上記本発明の第1の方法により得られる水砕スラグであって、Pb品位が0.10〜0.16質量%であり、50%粒径が1.40〜1.55mmの範囲に制御されていることを特徴とする船舶の錆落とし用の水砕スラグである。
また、本発明が提供する第2の水砕スラグは、上記本発明の第2の方法により得られる水砕スラグであって、Pb品位が0.24〜0.28質量%であり、50%粒径が1.10〜1.20mmの範囲に制御されていることを特徴とする塗装の下地処理用の水砕スラグである。
更に、上記本発明による水砕スラグの製造方法並びに上記本発明による水砕スラグにおいて、水砕スラグの組成(Pbを除く)は、FeO:39〜42質量%、SiO:30質量%〜35質量%、Al:3質量%〜6質量%、CaO:1質量%〜4質量%であることが好ましい。
本発明によれば、溶融スラグを水砕処理する場合に、新たな分級設備や特別なスラグの水砕樋を設置する必要がなく、即ち新規の設備投資を行うことなく、且つ水蒸気爆発や樋の詰まり等を起こさず安全に実施でき、得られる水砕スラグの粒径を任意に制御することができる。従って、サンドブラスト材として好適な粒径を有する水砕スラグ、例えば、船舶の錆落とし用として好適な粗粒のサンドブラスト材向け、或いは塗装の下地処理用として好適な細粒のサンドブラスト材向けの水砕スラグを安価に提供することができる。
熔錬炉として自熔炉を用いた銅製錬工程における水砕スラグの製造過程を示す概略図である。 水砕スラグにおけるPb品位と粒径との関係を示すグラフである。
本発明においては、銅製錬工程に供給する原料である銅精鉱、雑原料及びフラックスの珪酸鉱を配合する際に、得られる水砕スラグのPb品位を調整することによって、銅製錬工程から排出される熔融スラグを水砕処理して得られる水砕スラグの粒径を制御することができる。即ち、銅製錬工程における原料から水砕スラグへのPbの分配率は操業実績から分かるので、上述したように原料を配合する際に水砕スラグ中のPb品位を調整することができ、このPb品位の調整によって水砕スラグの粒径を所望の範囲に制御することが可能である。
具体的には、本発明者らによる研究の結果、水砕スラグ中のPb品位と水砕スラグの50%粒径(以下、単に粒径又はD50と表記する)は図2に示す関係を有することが判明した。この図2から分かるように、水砕スラグ中のPb品位と水砕スラグの粒径はほぼ逆比例の関係を有し、水砕スラグ中のPb品位がほぼ0.09〜0.29質量%の間において、Pb品位が低いほど水砕スラグの粒径は粗粒化し、水砕スラグ中のPb品位が高いほど水砕スラグの粒径は微細化する。
尚、図2に示す水砕スラグ中のPb品位と水砕スラグの粒径の関係は、特殊な原料を使用した場合や事故の場合等を除いて、通常の銅製錬工程で得られる一般的な水砕スラグの組成の範囲において得られる。即ち、本発明における水砕スラグの組成(Pbを除く)は、通常の銅製錬工程で得られる一般的な範囲であればよく、具体的には、FeO:39〜42質量%、SiO:30質量%〜35質量%、Al:3質量%〜6質量%、CaO:1質量%〜4質量%であることが好ましい。
本発明によって所定粒径の水砕スラグを製造する場合、得ようとする水砕スラグの粒径に対応する水砕スラグのPb品位を図2から求め、求めたPb品位の水砕スラグとなるように原料を配合して銅製錬工程に供給し、得られる熔融スラグを水砕処理することによって、目標とする粒径を有する水砕スラグを簡単に製造することができる。
サンドブラスト材向けの水砕スラグの場合、例えば船舶の錆落とし用の水砕スラグとしては粒径1.40〜1.55mmの粗粒のものが求められるので、図2から水砕スラグのPb品位を0.10〜0.16質量%の範囲に調整する。水砕スラグのPb品位が0.10質量%未満になると、粒径が1.55mmを超えてしまい、サンドブラストの際に配管詰まり等のトラブルを起こす原因となりやすい。また、水砕スラグのPb品位が0.16質量%を超えると、粒径が1.40mm未満になるため打痕が小さくなり、深く喰い込んだ錆を取り除くことが難しくなる。
また、塗装の下地処理用の水砕スラグとしては粒径1.10〜1.20mmの細粒のものが必要とされるので、図2から水砕スラグのPb品位を0.24〜0.28質量%の範囲に調整する。水砕スラグのPb品位が0.24質量%未満では、粒径が1.20mmを超えるものが得られ、粒径が大きいために打痕が大きくなり、サンドブラスト後の表面が荒くなるので好ましくない。また、Pb品位が0.28質量%を超えると、粒径が1.10mm未満の細かいものが増加するため、サンドブラストの効果が小さく、またサンドブラスト時の発塵が著しくなる。
次に、本発明により所定の粒径を有する水砕スラグを製造する方法について更に詳しく説明する。まず、製造すべき水砕スラグのPb品位が目標とする所定粒径に対応したPb品位となるように、水砕スラグのPb品位と50%粒径の関係を示す図2に基づいて必要な水砕スラグのPb品位を定める。
その後、水砕スラグのPb品位が上記のごとく定めた値となるように、銅製錬の原料である銅精鉱、雑原料及び珪酸鉱(フラックス)を配合する。具体的には、原料から水砕スラグへのPbの分配率は操業実績から分かるので、その分配率と必要な水砕スラグのPb品位とから、熔錬炉で熔解する全原料中のPb量を求める。次に、銅精鉱、雑原料及び珪酸鉱に含まれる全Pb量が上記全原料中のPb量に一致するように、銅精鉱、雑原料及び珪酸鉱の配合割合を定める。尚、雑原料としては、銅製錬工程の繰り返し物や銅スクラップなどがある。
上記により求めた各原料の配合割合に基づき、それぞれの原料ビンから原料を切り出し、図1に示すように、自熔炉1などの熔錬炉に投入して熔解する。熔解された原料は比重によりマット2とスラグ3に分離され、スラグ3は錬かん炉5に送られてCu分が分離された後、熔融スラグ6としてスラグ樋7から排出され、水砕樋8内で水砕処理されて水砕スラグとなる。
上記水砕処理の方法については特に制限はなく、水砕樋を流れる大量の水に対して上方から熔融スラグが供給され、大量の水と接触する過程で周囲から急冷されると同時に、粉砕されて水砕スラグとなればよい。その際、水蒸気爆発や詰まり現象の発生を防ぐため、熔融スラグが水流の中に潜り込まないように熔融スラグと水の流量を調整維持する必要がある。特に水砕ノズルから噴出する高圧水を用いる方法や上記特許文献2に記載された水砕装置を用いる方法は、水蒸気爆発や詰まり現象の発生がないため好ましい。
尚、上記のごとく水砕スラグのPb品位が所定の値となるように銅製錬の原料である銅精鉱、雑原料及びフラックスの珪酸鉱を予め配合しても、得られる水砕スラグのPb品位が低い場合には、例えばPbを含む雑原料などを錬かん炉に装入することで調整できる。また、得られる水砕スラグのPb品位が高い場合には、例えば既存のPb品位の低い水砕スラグなどを錬かん炉に装入することにより調整できる。
上記した本発明の水砕スラグの製造方法により得られた水砕スラグは、その粒径が所定の範囲に制御されているので、そのまま、粗粒のものは船舶の錆落とし用のサンドブラスト材として、或いは、細粒のものは塗装の下地処理用のサンドブラスト材として用いることができる。
[実施例1]
銅製錬工程において、銅精鉱と雑原料及びフラックスとしての珪酸鉱を配合した原料を自熔炉に装入して熔解し、得られたマットを転炉に送って粗銅とする一方、スラグは錬かん炉に送って更にCu分を分離し、排出された熔融スラグを水砕処理して水砕スラグを製造した。その際、製造する水砕スラグの粒径の目標値を、造船向け粗粒品の上限である1.55mmに設定し、水砕スラグ中のPb品位と水砕スラグの粒径の関係を示す図2から、水砕スラグ中のPb品位が上記粒径に必要な0.10質量%となるように原料の配合を調整した。
即ち、水砕スラグ中のPb品位が上記した必要とされるPb品位の0.10質量%となるように、操業実績による原料から水砕スラグへのPbの分配率に基づいて原料中の全Pb量を求めたところ、本実施例では原料中の全Pbの供給量は時間当たり0.22tであった。そこで、原料中の全Pb供給量が0.22t/hとなるように、銅精鉱と雑原料及び珪酸鉱の配合比率と、その配合比率に基づいて混合した銅精鉱と雑原料及び珪酸鉱の時間当たりの装入量を求めた。
その後、上記のごとく求めた配合比率と装入量に基づき、銅精鉱と雑原料及び珪酸鉱を自熔炉に連続的に装入して熔解した。具体的には、銅精鉱は3銘柄を混合して得た調合銅精鉱を毎時154tの割合で、雑原料は3銘柄を混合して得た調合雑原料を毎時0.9tの割合で、及び珪酸鉱は毎時23tの割合で、それぞれ自熔炉へ連続的に装入して熔解した。上記の調合銅精鉱、調合雑原料及び珪酸鉱のCuを除く主な組成、即ちFe品位、SiO品位、Al品位、CaO品位及びPb品位、並びに時間当たりの装入量を、それぞれ下記表1にまとめて示した。
Figure 0006069976
上記原料は自熔炉で熔解され、比重によりマットとスラグに分離された。尚、操業温度はマット温度で1210℃であり、炉内の重油バーナーの燃料供給量で調整した。自熔炉で得られたマットは転炉へ送られ、FeとSを取り除いてCu品位98%の粗銅に精製した。一方、スラグは電気炉である錬かん炉へ送られ、電力負荷3600kWhにて、熔融スラグ温度1270℃及び滞留時間3時間とすることにより、自熔炉で分離しきれなかったCu分を分離した。錬かん炉から排出された熔融スラグは、スラグ中のCu分が0.8質量%であり、粘性悪化によりCu分の比重分離が困難になるなどの問題もなかった。
上記のCu分を0.8質量%まで下げられた熔融スラグは、錬かん炉から排出されて水砕樋に供給され、熔融スラグ1tに対して10tの割合で水砕ノズルから放出される圧力1MPaの高圧水によって水砕された。尚、水砕スラグを得る際に、水蒸気爆発や水砕樋の詰まりなどの問題は何ら発生せず、安全に水砕スラグを得ることができた。得られた水砕スラグは、サンプルを水砕スラグ搬送用コンベヤーの落口で4時間毎に採取して、粒径と組成を調べた。
上記方法により得られた試料1の水砕スラグは、目標粒径が1.55mm(水砕スラグ中の目標Pb品位0.10質量%)に対して、顕微鏡で測定した実際の粒径は1.52mmであった。また、蛍光X線分析による上記試料1の水砕スラグの組成は、Feが40質量%、SiOが32質量%、Alが5質量%、CaOが2質量%及びPbが0.105質量%であった。尚、得られた試料1の水砕スラグは、そのまま船舶の錆落とし用(造船向け)のサンドブラスト材として出荷することができた。
[実施例2]
上記実施例1と同様に実施したが、本実施例では目標とする水砕スラグの粒径を、試料2で1.10mm、試料3で1.40mm、試料4で1.20mm、試料5で1.60mm、試料6で1.00mmとした。
上記試料2〜6の各水砕スラグの目標粒径を得るために必要な水砕スラグ中のPb品位は、図2から、試料2では0.28質量%、試料3では0.16質量%、試料4では0.24質量%、試料5では0.08質量%、試料6では0.30質量%と求められた。そこで、各水砕スラグ中のPb品位がそれぞれ上記の値となるように原料の配合を調整した以外は上記実施例1と同様にして、試料2〜6の各水砕スラグを得た。
得られた試料2の水砕スラグの粒径は、目標粒径が1.10mm(水砕スラグ中の目標Pb品位0.28質量%)に対して、1.10mm(水砕スラグ中のPb品位0.28質量%)であった。得られた試料2の水砕スラグは、そのまま塗装の下地処理用のサンドブラスト材として出荷することができた。
また、試料3の水砕スラグは、目標粒径が1.40mmに対して、実際の粒径も1.40mm(水砕スラグ中のPb品位0.158質量%)であり、そのまま船舶の錆落とし用(造船向け)のサンドブラスト材として出荷することができた。試料4の水砕スラグの粒径は、目標粒径が1.20mmに対して、実際の粒径も1.20mm(水砕スラグ中のPb品位0.243質量%)であり、そのまま塗装の下地処理用のサンドブラスト材として出荷することができた。
更に、得られた試料5の水砕スラグは、目標粒径が1.60mmに対して、実際の粒径は1.60mm(水砕スラグ中のPb品位0.09質量%)であった。試料6の水砕スラグは、目標粒径が1.00mmに対して、実際の粒径は1.60mm(水砕スラグ中のPb品位0.30質量%)であった。ただし、上記試料5及び6の水砕スラグは、船舶の錆落とし用(造船向け)のサンドブラスト材としては粗粒過ぎ、また下地処理用のサンドブラスト材としては細粒過ぎるため出荷はできなかった。
尚、上記試料2〜6の各水砕スラグの組成(Pbを除く)は、いずれも、FeOが39〜42質量%、SiOが30質量%〜35質量%、Alが3質量%〜6質量%、及びCaOが1質量%〜4質量%の範囲内であった。
[参考例1]
水砕スラグにおけるAl含有量が7質量%となるように原料を配合した以外は、上記実施例1と同様の方法により水砕スラグを製造しようとしたが、調合した原料を自熔炉に装入して熔解開始後3時間経過した時点から炉内に未反応生成物の存在が確認されて、この状態を継続することは困難であった。
1 自熔炉
2 マット
3 スラグ
4 自熔炉樋
5 錬かん炉
6 熔融スラグ
7 スラグ樋
8 水砕樋
9 水砕ノズル

Claims (3)

  1. 熔錬炉及び錬かん炉を有する銅製錬設備のスラグ樋から水砕樋に向かって排出される熔融スラグを、水砕ノズルから放出されて該水砕樋を流れる高圧水に上方から接触させて該熔融スラグを100℃以下まで急冷すると同時に粉砕を行う水砕処理によって、組成がFeO:39〜42質量%、SiO :30〜35質量%、Al :3〜6質量%、及びCaO:1〜4質量%の水砕スラグを製造する方法において、銅製錬の原料である銅精鉱と雑原料及びフラックスの珪酸鉱配合割合を変えて該水砕スラグのPb品位を0.09〜0.28質量%の間で調整することによって、分級を行うことなく該水砕スラグのロジン・ラムラー線図による累積質量で50%粒径を1.10〜1.60mmの範囲内で制御することを特徴とする水砕スラグの製造方法。
  2. 前記水砕スラグのPb品位を0.10〜0.16質量%の間で調整することによって、分級を行うことなく該水砕スラグのロジン・ラムラー線図による累積質量で50%粒径を1.40〜1.55mmの範囲内で制御することを特徴とする、請求項1に記載の水砕スラグの製造方法。
  3. 前記水砕スラグのPb品位を0.24〜0.28質量%の間で調整することによって、分級を行うことなく該水砕スラグのロジン・ラムラー線図による累積質量で50%径を1.10〜1.20mmの範囲内で制御することを特徴とする、請求項1に記載の水砕スラグの製造方法。
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