雪の密度と比誘電率との間には関係があり、密度が大きいほど比誘電率が大きくなる。互いに対向する一対の電極の静電容量は、比誘電率に比例する。このため、一対のセンサ電極を互いに対向するように設置し、一対のセンサ電極の静電容量に基づいて、一対のセンサ電極間に堆積された積雪の密度を測定することが考えられる。
しかしながら、センサ電極が積雪に完全に埋もれる前の途中段階では、センサ電極の一部が積雪の表面より上方に位置する一方、センサ電極部の他の一部が積雪に埋もれた状態となる。このような段階において、太陽光の照射によりセンサ電極の温度が上昇した場合には、センサ電極のうちの積雪に埋もれている部分に熱が伝達され、積雪に埋もれている部分のセンサ電極と積雪との間に隙間が生じてしまう。そして、このような隙間が解消されることなく、雪が更に堆積され、センサ電極が積雪に埋もれる場合もあり得る。
積雪とセンサ電極との間に隙間が生じている状態で積雪の密度を求めた場合には、かかる隙間に起因する誤差が含まれてしまい、積雪の密度を正確に求めることができない。
[第1実施形態]
第1実施形態による積雪測定装置を図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態による積雪測定装置を示すブロック図である。図2は、本実施形態による積雪測定装置の一部を示す側面図である。図3は、本実施形態による積雪測定装置のセンサ電極部の構成要素のレイアウトを示す平面図である。図2は、図3のA−A′線断面に対応している。
図1に示すように、本実施形態による積雪測定装置は、一対のセンサ電極部10a、10bと、一方のセンサ電極部10aに電圧信号を印加する信号源12と、他方のセンサ電極部10bを介して流れ込む電流を検出する検出回路14とを有している。更に、本実施形態による積雪測定装置は、積雪測定装置全体の制御を司るとともに所定の演算処理等を行う制御処理部16と、コンピュータプログラム、テーブル値、測定データ等が記憶される記憶部18とを有している。更に、本実施形態による積雪測定装置は、操作者が操作入力を行うための入力部20と、測定結果等を表示する表示部22とを有している。
センサ電極部(検知部、センサ板)10a、10bの外形は、全体として長方形の板状となっている。図2に示すように、板状の基材(支持体、支持板)24の一方の主面側には、複数の部分電極26が配されている。各々の部分電極26は、基材24に形成された複数の溝28内にそれぞれ埋め込まれている。基材24の寸法は、例えば400mm×200mm×10mm程度とする。
図3(a)は、部分電極26のレイアウトを示す平面図である。
図3(a)に示すように、部分電極26の平面形状は、長細い形状とする。ここでは、部分電極26の平面形状を例えば長方形とする。複数の部分電極26は、互いに並行するように配されている。換言すれば、複数の部分電極26がストライプ状に形成されている。
センサ電極部10a、10bは、積雪方向、即ち、積雪が進行する予定の方向に複数の部分電極26が配列された状態になるように、測定箇所に設置される。例えば、センサ電極部10a、10bは、鉛直方向において複数の部分電極26が配列された状態となるように、測定箇所に設置される。また、センサ電極部10a、10bは、積雪方向に対して部分電極26の長手方向が交差した状態となるように、測定箇所に設置される。例えば、センサ電極部10a、10bは、部分電極26の長手方向が水平方向に沿った状態となるように、測定箇所に設置される。
これら複数の部分電極26、即ち、部分電極群により、センサ電極27が形成されている。
基材24の材料としては、熱伝導率の比較的小さい、絶縁性の材料が用いられている。ここでは、基材24の材料として、例えばABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene copolymer)が用いられている。
部分電極26の材料としては、導電性の材料が用いられている。ここでは、部分電極26の材料として、例えば金属が用いられている。センサ電極部10a、10bは、積雪に埋もれ、高湿な環境に長期間放置されることとなる。高湿な環境においても部分電極26が腐食するのを防止すべく、部分電極26の材料としては、耐食性が高い材料を用いることが好ましい。ここでは、部分電極26aの材料として、例えばステンレス鋼を用いる。
部分電極26の長手方向の寸法L1は、例えば100〜200mm程度とする。部分電極の幅W1、即ち、部分電極26の長手方向に直交する方向における部分電極26の寸法は、例えば10mm程度とする。部分電極26の厚さは、例えば2mm程度とする。
互いに隣接する部分電極26間の距離(スペース)D1は、互いに対向する一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2と比較して十分に小さいことが好ましい。互いに隣接する部分電極26間の距離D1を、互いに対向する一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2に対して十分に小さく設定することにより、センサ電極を全体的に形成した場合とほぼ同等の静電容量が得られるためである。
ここで、シミュレーション結果について図4を用いて説明する。
図4は、シミュレーションに用いたセンサ電極部を示す側面図である。
図4(a)は、実施例1の場合を示すものであり、互いに対向するように配されたセンサ電極部10a、10bを側部から見た状態を示している。実施例1は、本実施形態による積雪測定装置に対応するものである。各々のセンサ電極部10a、10bには、互いに並行するように複数の部分電極26が配されている。部分電極26の長手方向は、図4(a)における紙面垂直方向である。部分電極26の幅W1、即ち、部分電極26の長手方向に直交する方向における部分電極26の寸法は、10mmとした。部分電極26間の距離D1は、10mmとした。配列した部分電極26の数は、11個とした。間隙を隔てて形成された複数の部分電極26によりセンサ電極27が形成されている。互いに対向する一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2は、100mmとした。
図4(b)は、比較例1の場合を示すものであり、互いに対向するように配されたセンサ電極部110a、110bを側部から見た状態を示している。比較例1では、センサ電極126が複数に分割されておらず、センサ電極126がセンサ電極部110a、110b内に全体的に形成されている。図4(b)の紙面上下方向におけるセンサ電極126の寸法は、210mmとした。即ち、実施例1においてセンサ電極27が形成されている範囲と、比較例1においてセンサ電極126が形成されている範囲とを等しく設定した。
シミュレーションの手法としては、二次元の有限要素解析を用いた。
比較例1の場合には、図4(b)の紙面垂直方向における1m当たりの静電容量値は、28.1pFであった。
これに対し、実施例1の場合には、図4(a)の紙面垂直方向における1m当たりの静電容量値は、28.0pFであった。
これらのことから、互いに隣接する部分電極26間の距離D1を、一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2に対して十分に小さく設定すれば、センサ電極126を分割していない場合とほぼ同等の静電容量値が得られることがわかる。
実施例1と比較例1とでほぼ同等の静電容量値が得られるのは、以下のような理由によるものである。即ち、実施例1では、センサ電極27のうちの部分電極26が存在しない箇所の分の電界が、部分電極26が存在する箇所に集中する。このため、センサ電極27からある程度離間した箇所においては、電界が全体として平均化され、センサ電極を分割せずに全体的に形成した場合とほぼ同様の電界分布となる。このため、実施例1と比較例1とでほぼ同等の静電容量値が得られる。
センサ電極を全体的に形成した場合と同様の静電容量値を得るためには、互いに隣接する部分電極26間の距離D1を、互いに対向する一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2の10分の1以下とすることが好ましい。換言すれば、一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2を、互いに隣接する部分電極26間の距離D1の10倍以上とすることが好ましい。
本実施形態では、互いに隣接する部分電極26間の距離D1を、例えば10mm程度とする。また、上述したように、一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2は、300mm程度とする。
このように、互いに隣接する部分電極26間の距離D1を一対のセンサ電極27間の距離D2に対して十分に小さく設定すれば、センサ電極を全体的に形成した場合とほぼ同等の静電容量値が得られ、検出感度が低下してしまうことはない。
センサ電極部10a、10b内にそれぞれ配する部分電極26の数は、例えば10〜20個程度とする。
図3(b)は、接続部材30のレイアウトを示す平面図である。互いに並行するように配列された複数の部分電極26は、接続部材30に電気的に接続されている。これにより、複数の部分電極26は接続部材30により互いに電気的に接続されている。接続部材30は、例えば基材24に埋め込まれている。接続部材30の断面積は、部分電極26の断面積(部分電極26の長手方向の寸法L1と部分電極26の厚さとの積)に対して十分に小さく設定されている。接続部材30の断面積は、部分電極26の断面積の例えば30分の1以下とすることが好ましい。更には、接続部材30の断面積は、部分電極26の断面積の例えば100分の1以下とすることがより好ましい。接続部材30の断面積をこのように極めて小さく設定するのは、積雪の上面から露出している部分の部分電極26が太陽光の照射により昇温した際に、積雪に埋もれている部分の他の部分電極26に熱が伝わるのを十分に防止するためである。接続部材30としては、例えば金属線(針金)等を用いることができる。金属線30の直径は、例えば1mm程度とする。金属線30の材料としては、例えばステンレス鋼を用いる。金属線30の長手方向は、例えば、部分電極26の長手方向に対して垂直な方向とする。換言すれば、金属線30の長手方向は、複数の部分電極26が配列されている方向とする。更に換言すれば、金属線30の長手方向は、積雪方向、即ち、積雪が進行する予定の方向とする。
なお、接続部材30は、金属線に限定されるものではない。接続部材30として、例えば金属等の棒状体等を用いてもよい。
部分電極26及び接続部材30が埋め込まれた基材24の一方の主面には、保護板32が取り付けられている。保護板32の材料としては、例えば、基材24の材料と同様に、ABS樹脂等を用いる。保護板32の厚さは、例えば3mm程度とする。
こうして、一対のセンサ電極部10a、10bが形成されている。
一対のセンサ電極部10a、10bは、互いに対向するように設置される。互いに対向する一対のセンサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2は、例えば300mm程度とする。センサ電極部10a、10bは、図2に示すように、支柱(支持体)34によりそれぞれ支持され、測定箇所に設置される。センサ電極部10a、10bを設置する際には、上述したように、複数の部分電極26が配列されている方向が積雪方向になるように設置する。
一方のセンサ電極部10aは、信号線(電線、接続線、接続ケーブル)36を介して、信号源(印加電圧信号源)12に電気的に接続されている。より具体的には、センサ電極部10aの接続部材30の端部が、信号線36を介して、信号源12に電気的に接続されている。信号源12は、センサ電極部10aに交流電圧信号を印加するためのものである。信号源12から発せられる交流電圧信号の周波数は、例えば5MHz程度とする。信号源12から発せられる交流電圧信号の大きさは、例えば5V程度とする。
他方のセンサ電極部10bは、信号線(電線、接続線、接続ケーブル)38を介して、検出回路14に接続されている。より具体的には、センサ電極部10bの接続部材30の端部が、信号線38を介して、検出回路14に接続されている。検出回路14は、センサ電極部10bを介して流れ込む電流を検出するものである。
検出回路14により検出される電流信号(電流波形)の振幅は、一対のセンサ電極部10a、10bにおける静電容量値に比例する。雪が堆積すると、一対のセンサ電極部10a、10b間には積雪が存在する状態となる。一対のセンサ電極部10a、10bにおける静電容量値は、一対のセンサ電極部10a、10b間に堆積された積雪の密度に比例する。従って、検出回路14により検出される電流信号の振幅は、一対のセンサ電極部10a、10b間に堆積される積雪の密度に比例する。従って、検出回路14により検出される電流信号の振幅に基づいて、静電容量を求めることが可能であり、また、積雪の密度等を求めることが可能である。
制御処理部(システム制御部)16は、積雪測定装置全体の制御を司るとともに、所定の演算処理等を行うものである。制御処理部16としては、例えばパーソナルコンピュータ等が用いられる。
制御処理部16には、操作者が命令を入力するための入力部20が接続されている。入力部20としては、例えば、キーボードやマウス等を用いることができる。
制御処理部16には、記憶部18が接続されている。記憶部18には、静電容量や積雪の密度を求める際に用いられるテーブル値のデータや、測定結果のデータ等、様々なデータが一時的又は継続的に記憶される。記憶部18は、例えばハードディスクドライブやRAM等により構成することができる。また、記憶部18には、制御処理部16に所定の制御や処理等を行わせるためのコンピュータプログラムがインストールされている。
本実施形態による積雪測定装置を用いて積雪の測定を行う際には、信号源12から電圧信号を発するとともに、検出回路14により電流波形を検出する。信号源12の制御や検出回路14の制御は、制御処理部16により行われる。制御処理部16は、検出回路14により検出された信号電流(電流波形)の大きさに基づいて、積雪の密度等を求める。具体的には、例えば、予め用意されたテーブル値を用いて、信号電流の大きさを積雪の密度に換算する。かかるテーブルは、有限要素解析等のシミュレーションにより求めてもよいし、実測により求めてもよい。
なお、検出された信号電流の大きさに基づいて静電容量値を求め、かかる静電容量値に基づいて積雪の密度等を求めるようにしてもよい。検出された信号電流の大きさに基づいて静電容量を求める場合には、例えば、予め用意されたテーブル値を用いて、信号電流の大きさを静電容量値に換算する。信号電流の大きさを静電容量値に換算するためのテーブル値は、回路シミュレーションにより求めてもよいし、実測により求めてもよい。また、静電容量値に基づいて積雪の密度を求める場合には、例えば、予め用意されたテーブル値を用いて、静電容量値の大きさを積雪の密度に換算する。静電容量値を積雪の密度に換算するためのテーブル値は、有限要素解析等のシミュレーションにより求めてもよいし、実測により求めてもよい。
また、検出された信号電流の大きさに基づいて積雪の誘電率を求め、積雪の密度を求めなくてもよい。
このように、本実施形態による積雪測定装置は、積雪の密度を測定するものであってもよいし、積雪の誘電率を測定するものであってもよい。即ち、本実施形態による積雪測定装置は、積雪密度測定装置であってもよいし、誘電率測定装置であってもよい。
このように、本実施形態によれば、センサ電極27が複数の部分電極26に分割されており、かかる複数の部分電極26が積雪方向に配列されている。このため、積雪の上面から露出している部分の部分電極26が太陽光の照射により熱せられたとしても、積雪に埋もれている部分の部分電極26に熱が伝わり難い。このため、積雪に埋もれている部分の部分電極26が昇温してしまうのを抑制することができ、積雪に埋もれた部分のセンサ電極部10a、10bによる積雪の融解を防止することができる。このため、本実施形態によれば、センサ電極部10a、10bと積雪との間に間隙が生じるのを防止することができる。センサ電極部10a、10bと積雪との間に間隙が生じるのを防止することができるため、本実施形態によれば、積雪の密度等の積雪の物理量を正確に測定することができる。
(変形例(その1))
次に、本実施形態の変形例(その1)による積雪測定装置について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本変形例による積雪測定装置のセンサ電極部を示す断面図である。図6は、本変形例による積雪測定装置のセンサ電極部の構成要素のレイアウトを示す平面図である。図6(a)は、部分電極26のレイアウトを示す平面図である。図6(b)は、接続部材40のレイアウトを示す平面図である。図6(c)は、接続部材30のレイアウトを示す平面図である。
本変形例による積雪測定装置は、基材24に埋め込まれた接続部材40を介して部分電極26が接続部材30に接続されているものである。
図5に示すように、基材24には、接続部材40が埋め込まれている。接続部材40は、図6(b)に示すようなレイアウトで配されている。接続部材40としては、例えば金属製のピンや金属線等が用いられる。かかる接続部材40は、部分電極26と接続部材30とを電気的に接続するためのものである。接続部材40の長手方向は、基材24の主面の法線方向に沿う方向である。接続部材40は、各々の部分電極26に対応するように基材24に埋め込まれている。接続部材40の直径は、例えば2mm程度とする。接続部材40の断面積は、部分電極26の断面積(部分電極26の長手方向の寸法L1と部分電極26の厚さとの積)に対して十分に小さく設定されている。接続部材40の断面積をこのように十分に小さく設定するのは、積雪の上面から露出している部分の部分電極26が太陽光の照射により昇温した際に、積雪に埋もれている部分の他の部分電極26に熱が伝わるのを十分に防止するためである。
接続部材40が埋め込まれた基材24の一方の面側には、複数の部分電極26が配されている。複数の部分電極26は、図6(a)に示すようなレイアウトで配されている。
接続部材40が埋め込まれた基材24の他方の面側には、接続部材30が配されている。接続部材30は、図6(c)に示すようなレイアウトで配されている。
複数の部分電極26は、それぞれ接続部材40を介して接続部材30に電気的に接続されている。
本実施形態では、互いに隣接する部分電極26同士の接続経路が接続部材40の分だけ長くなる。このため、積雪の上面から露出している部分の部分電極26が太陽光の照射により昇温した際に、積雪に埋もれている部分の他の部分電極26に熱が伝わるのを十分に防止し得る。
このように、基材24に埋め込まれた接続部材40を介して、部分電極26を接続部材30に電気的に接続してもよい。
(変形例(その2))
次に、本実施形態の変形例(その2)による積雪測定装置について図7を用いて説明する。図7は、本変形例による積雪測定装置のセンサ電極部を示す断面図である。
本変形例による積雪測定装置は、保護板32が更に設けられているものである。
図7に示すように、部分電極26、接続部材30、40が形成された基材24の一方の面側には、保護板32が配されている。保護板32が取り付けられた基材24の周縁は、図示しない封止材により封止されている
このように、保護板32を更に設けるようにしてもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態による積雪測定装置について図8乃至図11を用いて説明する。図8は、本実施形態による積雪測定装置の一部を示す側面図である。図9は、本実施形態による積雪測定装置のセンサ電極部の構成要素のレイアウトを示す平面図である。図1乃至図7に示す第1実施形態による積雪測定装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による積雪測定装置は、センサ電極27の背面側を遮蔽するシールド電極43が更に形成されているものである。
図8に示すように、板状の基材(支持体、支持板)24の一方の主面側には、複数の部分電極26が配されている。各々の部分電極26は、基材24に形成された溝28内にそれぞれ埋め込まれている。部分電極26のレイアウトは、図3(a)を用いて上述した第1実施形態による積雪測定装置のセンサ電極部10a、10bの部分電極26のレイアウトと同様である。これら複数の部分電極26、即ち、部分電極群により、センサ電極27が形成されている。
複数の部分電極26は、基材24に埋め込まれた接続部材30に電気的に接続されている。接続部材30のレイアウトは、図3(b)を用いて上述した第1実施形態による積雪測定装置のセンサ電極部10a、10bの接続部材30のレイアウトと同様である。
基材24の一方の面側には、保護板32が取り付けられている。
板状の基材24の他方の主面側には、複数のシールド用部分電極42が配されている。各々のシールド用部分電極42は、基材24に形成された溝44内にそれぞれ埋め込まれている。シールド用部分電極42の材料としては、部分電極26と同様の材料が用いられている。これら複数のシールド用部分電極42、即ち、シールド用部分電極群により、シールド電極43が形成されている。
シールド電極43は、センサ電極27の背面側、即ち、センサ電極27の表面側(検出面側)と反対の面側を遮蔽するためのものである。シールド電極43は、支柱34が金属等により形成されている場合に、センサ電極部10a、10bの静電容量に支柱34が悪影響を及ぼすのを防止する。
図9(a)は、シールド用部分電極のレイアウトを示す平面図である。
複数のシールド用部分電極42は、部分電極26に対応するよう配されている。シールド用部分電極42の平面形状や寸法は、部分電極26の平面形状や寸法と同様とする。
複数のシールド用部分電極42は、基材24に埋め込まれた接続部材46に電気的に接続されている。接続部材46の寸法や材料等は、例えば、接続部材30の寸法や材料等と同様とする。
基材24の他方の面側には、保護板48が取り付けられている。保護板48の材料は、例えば保護板32の材料と同様とする。
部分電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3は、以下に示す理由により、互いに隣接する部分電極26間の距離D1の0.8倍以上とすることが好ましい。部分電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3が小さい場合には、部分電極26とシールド用部分電極42との結合が過度に強くなり、部分電極26から電界が広がりにくくなり、検出感度の低下等を招いてしまうためである。
ここで、シミュレーション結果について図10を用いて説明する。図10は、シミュレーションに用いたセンサ電極部を示す側面図である。
図10(a)は、実施例2の場合を示すものであり、互いに対向するように配されたセンサ電極部10a、10bを側部から見た状態を示している。実施例2は、本実施形態による積雪測定装置に対応するものである。互いに並行するように複数の部分電極26が配されている。部分電極26の長手方向は、図10(a)における紙面垂直方向である。また、部分電極26に対応するようにシールド用部分電極42が配されている。部分電極26の幅W1、即ち、部分電極26の長手方向に直交する方向における部分電極26の寸法は、10mmとした。シールド用部分電極42の幅も、部分電極26の幅W1と同様に10mmとした。部分電極26間の距離D1は、10mmとした。シールド用部分電極42間の距離も、部分電極26間の距離D1と同様に10mmとした。配列した部分電極26の数は、11個とした。センサ電極部10a、10bのセンサ電極27間の距離D2は、100mmとした。部分電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3を変化させてシミュレーションを行った。
図10(b)は、比較例2の場合を示すものであり、互いに対向するように配されたセンサ電極部110a、110bを側部から見た状態を示している。比較例2では、センサ電極126が複数に分割されておらず、センサ電極部110a、110b内に全体的に形成されている。センサ電極126に対応するようにシールド用電極142が配されている。図10(b)の紙面上下方向における電極126及びシールド用電極142の寸法は、210mmとした。即ち、実施例2においてセンサ電極27及びシールド用電極43が形成されている範囲と、比較例2においてセンサ電極126及びシールド用電極142が形成されている範囲とを等しく設定した。電極126とシールド用電極142との間の距離は、10mmとした。
シミュレーションの手法としては、二次元の有限要素解析を用いた。
比較例2の場合には、図10(b)の紙面垂直方向における1m当たりの静電容量値は、20.0pFであった。
図11は、比較例2の静電容量値に対する実施例2の静電容量値を示すグラフである。図11における横軸は、電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3を示している。図11における縦軸は、比較例2の静電容量値を1とした場合の実施例2の静電容量値、即ち、静電容量比率を示している。
図11から分かるように、電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3が小さくなるに伴って、センサ電極部10a、10bの静電容量値が小さくなる。
検出感度が過度に損なわれるのを防止するためには、少なくとも、比較例2の場合の0.9倍以上の静電容量を確保することが好ましい。
比較例2の場合の0.9倍以上の静電容量を確保するためには、互いに隣接する部分電極26間の距離D1が10mmの場合において、部分電極26とシールド用電極42との間の距離D3を8mm以上とすればよいことが図11から分かる。
即ち、部分電極26とシールド用部分電極42との間の距離D3は、互いに隣接する部分電極26間の距離D1の0.8倍以上とすることが好ましい。
一方のセンサ電極部10aのセンサ電極27は、信号線36を介して信号源12(図1参照)に電気的に接続されている。
他方のセンサ電極部10bのセンサ電極27は、信号線38を介して検出回路14(図1参照)に電気的に接続されている。
センサ電極部10a、10bの各々のシールド用電極43は、例えば積雪測定装置の接地電位GNDに電気的に接続される。
このように、本実施形態によれば、シールド電極43が形成されているため、支柱34が金属等の場合であっても、センサ電極部10a、10bの静電容量に悪影響が及ぶのを防止することができ、十分な測定感度を得ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態による積雪測定装置を図12乃至図15を用いて説明する。図12は、本実施形態による積雪測定装置を示すブロック図である。図13は、本実施形態による積雪測定装置の一部を示す側面図である。図1乃至図11に示す第1又は第2実施形態による積雪測定装置と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による積雪測定装置は、1つのセンサ電極部を用いて積雪の測定を行うものである。
図12に示すように、信号源12aが設けられている。信号源12aは、ステップ状の波形の電圧信号を出力するものである。信号源12aとセンサ電極部10との間には、電気抵抗器50が設けられている。信号源12aから発せられるステップ状の電圧信号は、電気抵抗器50を介してセンサ電極部10のセンサ電極27に印加される。
センサ電極部10は、例えば、第1乃至第3実施形態のいずれかのセンサ電極部10a、10bと同様とする。
信号源12aは、制御処理部16により制御される。
電気抵抗器50とセンサ電極部10とを接続する信号線36は、増幅器(オペアンプ)52の非反転入力端子に接続されている。増幅器52の反転入力端子は、増幅器52の出力端子に接続されている。増幅器52の出力端子と反転入力端子とを直接接続することにより、増幅率が1の増幅回路であるボルテージフォロワが形成されている。増幅器52の出力信号は、制御処理部16に入力されるようになっている。
図13に示すように、センサ電極部10は支柱34を介して測定箇所に設置される。
図14は、本実施形態による積雪測定装置の一部の等価回路である。
図15は、検出される信号を示すグラフである。図15における横軸は時間を示しており、図15における縦軸は検出される信号の電圧を示している。
ステップ状の波形を信号源12aから出力すると、検出される信号の電圧、即ち、増幅器52の出力信号は、図15のようになる。信号源12aから出力される信号が、例えば0Vから1Vに変化するステップ状の信号である場合、以下のような式(1)が成立する。
V = 1 − exp(−t/(RC)) ・・・(1)
ここで、Vは増幅器52の出力の電圧であり、tは時間であり、Rは電気抵抗器50の抵抗値であり、Cはセンサ電極部10の自己静電容量である。
電圧V′に達するときの時間T′を測定し、上記式(1)を用いることにより、静電容量(自己静電容量)Cを求めることが可能である。
センサ電極部10の自己静電容量Cは、センサ電極部10の周囲に存在する積雪の密度等に依存する。従って、予め用意したテーブル値等を用いて、検出された静電容量値Cを積雪の密度に換算することが可能である。
このように、1つのセンサ電極部10を用いた場合であっても、積雪の密度等を求めることが可能である。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、部分電極26と接続部材30とが別個に形成されている場合を例に説明したが、部分電極26と接続部材30とが一体形成されていてもよい。
また、第2実施形態では、シールド用部分電極42と接続部材46とが別個に形成されている場合を例に説明したが、シールド用部分電極42と接続部材46とが一体形成されていてもよい。