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JP6070285B2 - 偏光光照射装置 - Google Patents
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JP6070285B2 - 偏光光照射装置 - Google Patents

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Description

本願の発明は、光配向等を行う際に使用される偏光光照射装置に関するものである。
近年、液晶ディスプレイを中心とするディスプレイデバイスの製造において、光配光と呼ばれる技術が多く採用されるに至っている。例えば、液晶ディスプレイでは、液晶分子の向きを揃えるための膜である配光膜が内蔵されているが、配光膜を得るのに、以前はラビングと呼ばれる機械的な方法が採用されていた。しかしながら、配光特性の向上等の観点から、近年は膜に光を照射して配光膜を得る光配向の技術が多く採用されている。この他、ディスプレイデバイスで一般的に必要になる視野角補償のための層を得る際にも、光配向の技術が採用されている。以下、光照射により配向を生じさせた膜や層を総称して光配向膜と呼ぶ。尚、「配向」ないし「配向処理」とは、対象物の何らかの性質について方向性を与えることである。
光配向を行う場合、光配向膜用の膜(以下、膜材)に対して偏光光を照射することにより行われる。膜材は、例えばポリイミドのような樹脂製であり、所望の方向(配向させるべき方向)に偏光させた偏光光が膜材に照射される。所定の波長の偏光光の照射により、膜材の分子構造(例えば側鎖)が偏光光の向きに揃った状態となり、光配向膜が得られる。
光配向膜は、それが使用されるディスプレイデバイスの大型化や生産性の向上の観点から大型化している。TV用の液晶ディスプレイではパネルの大型化のために光配向膜はより大きなサイズにならざるを得ないし、一枚のガラス基板から多くのディスプレイデバイスを製造する際にも、基板サイズに合わせて光配向膜も大型化する傾向にある。
例えば、最近の光配向用の偏光光照射装置では、照射領域の幅が1500mmないしそれ以上となってきている。このような幅の広い照射領域を備える偏光光照射装置として、例えば特許文献1に記載の装置が提案されている。上記公報に記載の装置は、照射領域の幅に相当する長さの棒状の光源と、この光源からの光を偏光する偏光素子ユニットとを備え、光源の長手方向に対して直交する方向に搬送される膜材に対して偏光光を照射する。
特開2006−184747号公報
光配向用の偏光光照射装置の重要な性能として、照射面における偏光軸の均一性があげられる。照射された偏光光の偏光軸が照射面内でばらついていると、光配向のされ方が不均一になり、製造されるディスプレイデバイスにおいて表示ムラが生じることになる。このため、偏光光照射装置は、照射面内の偏光軸の高い均一性を有していること、即ち偏光軸の向きのばらつきが極力抑えられていることが重要な特性の一つとして要求されている。
しかしながら、上記のように光配向膜が大型化し、照射領域がより幅広化してくると、偏光軸のばらつきの問題が顕在化し易くなる。発明者の研究によると、上記のように棒状の光源を使用した偏光光照射装置の場合、照射領域のうち長さ方向の両端での偏光軸のばらつきが顕著な問題となり得ることが判明した。
本願の発明は、かかる知見に基づいて為されたものであり、棒状の光源を使用した偏光光照射装置において、照射領域が幅広化しても光源の長さ方向の両端における偏光軸のばらつきの問題が生じないようにすることを解決課題とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、
長尺な発光部を成す光源と、
光源の発光部の長さ方向に延びて光源の背後を覆った第一のミラーと、
光源の前方に配置され、発光部からの光を偏光させる偏光素子ユニットとを備えており、
偏光素子ユニットは、1つ又は並設された複数のワイヤーグリッド偏光素子によって発光部の長さ方向に延びる受光領域において光源からの光を偏光させるものであり、
第一のミラーの長さ方向の両端には、各々第二のミラーが配置されており、
光源は両端に封止部を有する棒状のランプであり、
第二のミラーは切り欠きを有する形状であって、光源の封止部が切り欠きに挿通されており、
切り欠きは、封止部の挿通箇所から偏光素子ユニットとは反対側に延びており、
各第二のミラーは、発光部からの光のうち、発光部の長さ方向に進行方向成分を持つ光を折り返して偏光素子ユニットの受光領域に到達させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記各第二のミラーの前記偏光素子ユニット側の端部は、前記第一のミラーの前記偏光素子ユニット側の端部に比べて前記偏光素子ユニットに近いという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記第二のミラーは、前記第一のミラーの端面と面一か又は端面よりも内側の位置に配置されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1乃至3いずれかの構成において、前記第二のミラーは、前記第一のミラーの長さ方向の端部で形成された開口を塞いでいるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、照射領域における偏光軸のばらつきが小さく抑え込まれる。従って、光配向処理を行う場合、処理の面内均一性を高くできる。このため、表示ムラの無いディスプレイデバイスの製造に貢献できる。偏光軸のばらつきは、より長い光源を使用した場合に顕在化し易いから、本願発明の装置は、より幅広の照射領域に偏光光を照射する必要がある場合、より好適なものとなる。
また、各第二のミラーは切り欠きを有し、光源の封止部を切り欠きに挿通させているので、より発光部に近い位置で光を折り返すことができる。このため、偏光軸のばらつきを抑える効果をより高くできる。
さらに、切り欠きは、封止部の挿通箇所から偏光素子ユニットとは反対側に延びているので、切り欠きによって偏光軸ばらつき抑制の効果が影響を受けることはない。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、各第二のミラーの偏光素子ユニット側の端部は、第一のミラーの偏光素子ユニット側の端部に比べて偏光素子ユニットに近いので、偏光軸のばらつきを抑え込む効果をより高くできる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、第二のミラーは、第一のミラーの端面と面一か又は端面よりも内側の位置に配置されているので、第二のミラーをさらに発光部に近い位置に配置することができ、偏光軸ばらつき抑制の効果をさらに高くすることができる。
本願発明の第一の実施形態に係る偏光光照射装置の斜視概略図である。 図1に示す偏光光照射装置の正面断面概略図である。 図1に示す偏光光照射装置の側面断面概略図である。 第一の実施形態における第二のミラー6を示した斜視概略図である。 第二のミラー6による偏光軸のばらつき改善効果を確認した実験の結果を示した図であり、(1)は第二のミラー6を配置しない場合の測定結果、(2)は第二のミラー6を配置した場合の測定結果である。 第二のミラー6の作用について示した模式的に示した図であり、(1)は偏光軸のばらつきが生じる理由について示した斜視概略図、(2)はばらつきが抑え込まれる理由について示した正面概略図である。 第二の実施形態に係る偏光光照射装置の正面断面概略図である。 図7に示す装置の側面断面概略図である。 第二の実施形態において偏光軸のばらつき抑え込みの作用が高くなることを確認した実験の結果を示す図である。 第三の偏光光照射装置の主要部を示した側面概略図であり、(1)は正面断面概略図、(2)は側面概略図である。 第一の実施形態の装置における光源1の着脱について示した斜視概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の第一の実施形態に係る偏光光照射装置の斜視概略図、図2は図1に示す偏光光照射装置の正面断面概略図である。
第一の実施形態の装置において、偏光光の照射対象(ワーク)Wは光配向膜用の膜材である。具体的には、ワークWは、樹脂製のシートであり、図1に示すようにロールに巻かれており、偏光光の照射位置まで引き出されるようになっている。ロールツーロールのワークの搬送の過程で偏光光が照射され、光配向処理がされるようになっている。尚、ワークWの搬送方向は水平方向である。図1及び図2に示すように、第一の実施形態の偏光光照射装置は、長尺な発光部を成す棒状の光源1と、第一のミラー2と、偏光素子ユニット3とを備えている。
図1に示すように、棒状の光源1は、長さ方向がワークWの搬送方向に垂直な水平方向になるよう配置されている。この実施形態では、紫外域の光によって光配向を行うので、高圧水銀ランプや水銀に他の金属を加えたメタルハライドランプなどが使用される。
第一のミラー2は、光源1を背後から覆うよう配置されており、光源1からの光を折り返してワークWに向かわせることで光の利用効率を高めるものである。尚、「背後」とは、ワークWが位置した側を前側とした場合の背後ということである。
この実施形態では、第一のミラー2は、光源1の長さ方向に延びた一対の細長い板状のものとなっている。一対の板状のミラー2は、光源1の上方においてスリット形成しながらスリットに対して対称に配置されている。各第一のミラー2は、図2に示すように湾曲した断面形状となっており、二つの第一のミラー2で、ほぼ樋状の反射領域が形成されるようになっている。尚、図2に示すように、二つの第一のミラー2が成す反射面の断面形状は、この実施形態では楕円の一部を成している。楕円ではなく、放物線を成す断面形状が採用されることもある。
各第一のミラー2は、不図示のミラーホルダに保持され、上述した姿勢を保つようになっている。また、各第一のミラー2には、ガラスに反射用の蒸着膜を施したものやアルミ製のものが採用される。蒸着膜としては、赤外線のような長波長側の光を透過させてワークに照射しないようにしたものが採用される場合もある。尚、各第一のミラー2は、図1及び図2に示すように長尺なものであるが、小さなミラーを並べて図に示すような長尺なミラー2と等価なものとする場合もある。
このような光源1や各第一のミラー2は、ランプハウス4内に収容されている。そして、ランプハウス4の上部には、冷却用の空冷ボックス5が設けられている。ランプハウス4の上面には、通風口41が多数形成されており、この通風口41を覆うようにして空冷ボックス5が取り付けられている。空冷ボックス5には、ダクト51を介して冷却ファン52が接続されている。
偏光素子ユニット3は、この実施形態では、ワイヤーグリッド偏光素子31から成るものが採用されている。ワイヤーグリッド偏光素子31は、透明基板上に縞状の誘電体材料より成る微細な格子(ワイヤーグリッド)を設けた構造の偏光素子である。なお、グリッドを形成する材料は導電体材料や半導体材料でもよい。ワイヤーグリッドの長さ方向に電界成分を有する直線偏光光は透明基板を透過しづらく、ワイヤーグリッドの長さ方向に垂直な方向に電界成分を有する直線偏光光は透明基板を透過し易くなるから、照射領域にはワイヤーグリッドの長さ方向に垂直な方向に偏光軸を有する偏光光が多く照射されることになる。
ワイヤーグリッド偏光素子31は、大型のものを製作するのが難しいため、大きな偏光光の照射領域を得る際には、複数の偏光素子31を枠内に並べた偏光素子ユニット3を用いる。例えば、100mm×100mm程度の大きさの方形のワイヤーグリッド偏光素子31を光源1の長さ方向に10〜30枚程度並べたものが偏光素子ユニット3として設けられる。
尚、複数の偏光素子31は、不図示のユニット枠の内側に並べられており、ユニット枠によって一体に保持されている。ユニット枠は、並べられた各偏光素子31が水平な姿勢となり、光源1や第一のミラー2が延びる方向に対して精度良く平行な姿勢となるよう各偏光素子31を保持する。偏光素子ユニット3は、図2に示すようにランプハウス4の光出射口に取り付けられている。
光源1が点灯されると、光源1からの光は、一部が第一のミラー2に反射しながら各偏光素子31に到達する。そして、ワイヤーグリッドの長さ方向に対して垂直な方向に偏光する偏光光が多く偏光素子31を透過し、この偏光光が照射領域に照射される。そして、ワークWが照射領域を通過する際、この偏光光の照射を受け、光配向処理がされる。
このような実施形態の偏光光照射装置において、光源1の長さ方向の両端での偏光軸のばらつきを防止するための工夫が施されている。具体的には、実施形態の装置は、図2に示すように、第一のミラー2の長さ方向の両端の位置に、各々第二のミラー6を備えている。第二のミラー6について、図2〜図4を参照しながら説明する。図3は、図1に示す偏光光照射装置の側面断面概略図、図4は、第一の実施形態における第二のミラー6を示した斜視概略図である。
図2〜図4に示すように、各第二のミラー6は、板状のミラーであり、垂直に立てた姿勢で配置されている。各第二のミラー6は、全体としてはほぼ矩形の形状であるが、一部に切り欠き61を有している。図3及び図4に示すように、切り欠き61は、上辺の中央から下方に延びるよう形成されたU字状である。
切り欠き61は、光源1の封止部を挿通させるためのものである。棒状の光源1は、封体の両端が細く絞られており、そこが封止部11となっている。封止部11の外側には、口金12が設けられている。各第二のミラー6は、封止部11の部分を切り欠き61に挿通させた状態で配置されている。切り欠き61の幅は、封止部11の幅よりも僅かに広い。
尚、図4に示すように、光源1は、両端の口金12の部分が受け具7上に載置されて保持されている。この保持位置は、封止部11が各第二のミラー6の切り欠き61に挿通され、且つ封止部11が切り欠き61の縁には接触しない位置である。また、各第二のミラー6は、ランプハウス4に取り付けられたベース板62に固定されており、必要に応じて着脱可能とされる。
このような第二のミラー6は、光源1からの光のうち、光源1の長さ方向に方向成分を持つ光を折り返して偏光領域に到達させる。これにより、照射領域における偏光軸のばらつきを改善するものとなっている。
図5は、第二のミラー6による偏光軸のばらつき改善効果を確認した実験の結果を示した図である。この実験では、第一の実施形態の装置を用い、照射領域Rの各点における偏光軸の向きを測定した。光源1としては高圧水銀ランプが使用され、発光長(図5にD1で示す)は1800mm程度である。照射領域Rの長さD2は1500mm程度、幅Wは80mm程度である。このような照射領域Rに、ワイヤーグリッド偏光素子31によって偏光光を照射した。この実験では、偏光素子31は、ワイヤーグリッドが照射領域Rの長尺方向に延びるよう配置されており、従って、偏光が正しく行われた場合、照射領域Rの短尺方向に偏光軸が揃った状態となる。
実験では、比較のため、両端に第二のミラー6を配置した場合と配置しない場合との双方について、照射領域Rの各点の偏光軸の向きを測定した。図5(1)は第二のミラー6を配置しない場合の測定結果、(2)は第二のミラー6を配置した場合の測定結果である。
図5(1)に示すように、第二のミラー6を配置しない場合、偏光軸は、照射領域Rの両端部特に角部においてばらついており、正しい方向(短尺方向)に対して+0.62°〜−0.62°程度ばらついている(ばらつき幅1.24°程度)。
一方、第二のミラー6を配置した場合、角部における偏光軸のばらつきは+0.43°〜−0.43°程度であり(ばらつき幅0.86°程度)、第二のミラー6により偏光軸のばらつきが小さく抑え込まれることが確認された。
このように第二のミラー6により偏光軸のばらつきが改善される理由について、図6を参照しながら説明する。図6は、第二のミラー6の作用について示した模式的に示した図であり、(1)は偏光軸のばらつきが生じる理由について示した斜視概略図、(2)はばらつきが抑え込まれる理由について示した正面概略図である。
ワイヤーグリッド偏光素子31においては、一般的に、透明基板に対して垂直に入射する光については偏光作用が十分に発揮される。即ち、ワイヤーグリッド32に垂直な方向に電界成分を有する直線偏光光L1が透明基板を透過する一方、ワイヤーグリッド32に平行な方向に電界成分を有する直線偏光光L2は透明基板を透過することができずに反射ないし吸収される。この際、ワイヤーグリッド32に対して斜めの方向に電界成分を有する偏光光も、ある程度は透明基板を透過できる。従って、斜めの方向に電界成分を有する偏光光が多く偏光素子31に入射するようになると、照射面における偏光軸のばらつきにつながる。尚、照射面での偏光光の照射状態は、いわゆる重ねの理が成り立つから、ある点において観測された偏光軸の向きは、その点に照射された各偏光光の偏光軸を重ね合わせたものとなる。通常は、ワイヤーグリッド32の向きに垂直な偏光軸の偏光光の量が非常に多く、それ以外の偏光軸の偏光光の量が少ないから、観察される偏光軸はワイヤーグリッド32の向きに垂直なものとなる。
図6に示す照射領域Rに偏光光を照射する際、偏光素子ユニット3の受光領域30のうち、光源1の直下の位置では、斜めに入射する光もない訳ではないが、垂直又は垂直に近い角度で入射する光が多いため、斜めの偏光軸の偏光光が透過してくる量は相対的に非常に少ない。このため、照射領域のうち、光源1の直下では偏光軸P1のばらつきはないか、あっても非常に小さい。
しかしながら、光源1の直下の位置を離れた周辺位置では、偏光素子31に対して斜めに入射する光L3の量が多くなってくるため、偏光軸P2のばらつきが生じやすい。特に、角部の位置では、偏光素子31に対して斜めに入射する光L3の量が相対的に多くなるから、偏光軸P2のばらつきが大きくなる。図5(1)は、このような現象を示している。
一方、第二のミラー6を配置した場合、図6(2)に示すように、光源1の発光部10から外側(口金12の側)に進む光を第二のミラー6が反射させる。このため、第二のミラー6を配置しない場合には入射しなかった光L4が第二のミラー6に反射して偏光素子31に入射するようになる。この結果、偏光素子ユニット3の角部では、斜めの光L3が入射するものの、この光L3に対して線対称な方向の光L4も入射することになる。線対称とは、第二のミラー6の反射面に対して対称ということであり、図6(1)の例ではワイヤーグリッド32に垂直な方向である。このような線対称な斜め方向の光の入射のため、照射面では、斜めの偏光軸の偏光光に対して線対称の斜めの偏光軸の偏光光とが重ね合わされて打ち消され、結果的にワイヤーグリッドに垂直な偏光軸の偏光光が優勢となって現れることになる。このような理由により、角部における偏光軸のばらつきは非常に小さく抑え込まれる。つまり、図6(2)に示すように、第二のミラー6は、光源1の発光部10の虚像10’を同一直線上に映し出し、この虚像10’による光L4の入射によって偏光素子31上の斜め入射光L3の影響を打ち消すよう作用する。
上記作用のためには、第二のミラー6は、光源1の発光部10になるべく近い位置に配置されることが好ましい。発光部10から離れた位置では、光がより拡散してしまっているから、その位置で光を反射させても、斜め入射光の影響を打ち消す作用が弱くなる。実施形態の装置において、第二のミラー6に切り欠き61を設け、そこに光源1の封止部11を挿通させている構成は、第二のミラー6をより発光部10に近い位置に配置し、偏光軸ばらつき抑制の効果をより高くする重要な意義を有する。
このように、実施形態の装置では照射領域における偏光軸のばらつきが小さく抑え込まれるので、光配向処理の面内均一性が高くなる。このため、表示ムラの無いディスプレイデバイスの製造に貢献できる。偏光軸のばらつきは、光配向膜の大型化に対応してより長い光源1を使用した場合(より幅広の照射領域とした場合)に顕在化し易いから、実施形態の装置は、大型の光配向膜を得る際により好適なものとなる。
次に、第二の実施形態の偏光光照射装置について説明する。図7は、第二の実施形態に係る偏光光照射装置の正面断面概略図、図8は、図7に示す装置の側面断面概略図である。
図7及び図8に示す装置は、第二のミラー6の寸法形状が第一の実施形態と異なっているのみであり、他は第一の実施形態と同様である。図1〜図3に示す第一の実施形態では、第二のミラー6は第一のミラー2と同じ高さであり、第二のミラー6の下端は第一のミラー2の下端と同じ高さであった。しかしながら、図7及び図8に示すように第二の実施形態では、第二のミラー6は第一のミラー2よりも高さが高く、下端は第一のミラー2よりも低い位置となっている。即ち、第二のミラー6の照射領域側の端部は、第一のミラー2の偏光素子ユニット3側の端部に比べて偏光素子ユニット3に近くなっている。
このように、第一のミラー2に対して第二のミラー6が偏光素子ユニット3側にはみ出した構造とすると、偏光軸のばらつきを抑え込む作用をより高くすることができる。即ち、前述したように、照射領域の角部における偏光軸のばらつきは、偏光素子31における斜め入射の光の相対的な量により決まる。斜め入射の光には、第一のミラー2からの反射光が多く含まれるから、第一のミラー2に比べて第二のミラー6の反射面を大きくしてより多くの光を折り返すようにすると、上記斜め入射の影響の打ち消しによる偏光軸のばらつき抑え込みの作用がより高くなる。
図9は、第二の実施形態において偏光軸のばらつき抑え込みの作用が高くなることを確認した実験の結果を示す図である。図9に結果を示す実験は、第二のミラー6以外については図6に結果を示す実験と同様の条件で照射領域に偏光光を照射し、各点での偏光軸の向きを測定した。
図9に示すように、第二の実施形態では、偏光軸のばらつきは+0.27°〜−0.27°程度で、0.54°程度の幅となり、ばらつきがさらに小さく抑え込まれることが確認できた。
次に、第三の実施形態の偏光光照射装置について説明する。図10は、第三の偏光光照射装置の主要部を示した側面概略図であり、(1)は正面断面概略図、(2)は側面概略図である。図10に示す実施形態も、第二のミラー6の寸法形状や配置が異なるのみであり、他は第一の実施形態と同様である。
図10に示すように、第三の実施形態では、第二のミラー6は、第一のミラー2の端面と面一となっている。即ち、第二のミラー6の外側の面(反射面とは反対側の面)は、第一のミラー2の端面と同一平面上となっている。
図10(2)に示すように、各第二のミラー6の上辺部は、第一のミラー2の反射面が成す曲線(楕円又は放物線)に沿った形状となっている。各第二のミラー6は、第一のミラー2の両端の縁に嵌め込まれるようにして配置されている。この実施形態でも、第二のミラー6は第一のミラー2よりも下端が少し下方にはみ出している。
図9(1)から解るように、第三の実施形態では、第二のミラー6を光源1の発光部により近い位置に配置することができる。このため、発光部からの光をより拡散の少ない位置で折り返すことができ、偏光軸のばらつきを抑え込む作用をさらに高くすることができる。尚、各第二のミラー6は、第一のミラー2の端面より内側(光源1の中央側)に入り込んでいても良い。より発光部に近づいた位置とするため、内側に入り込んだ位置に各第二のミラー6が配置されることもある。
上述した各実施形態において、第二のミラー6に設けられた切り欠き61の形状や位置は、偏光軸のばらつきを抑え込みつつ光源1の着脱を容易にする意義を有している。以下、この点について説明する。
図11は、第一の実施形態の装置における光源1の着脱について示した斜視概略図である。第二第三の実施形態においても、図11に示すものと着脱構造は同様である。
光源1の着脱は、寿命その他の理由による光源1の交換の際に必要になる。図2や図3に示すランプハウス4において、一対の第一のミラー2は上方に引き上げ可能に設けられている。光源1を交換する場合、図11に示すように一対の第一のミラー2を上方に引き上げた後、光源1の両側の口金12を不図示の端子から切り離す。そして、図11に示すように、両端の口金12の部分を持って光源1を上方に引き上げ、第二のミラー6から取り外す。光源1の装着は、これとは逆の手順である。
第二のミラー6において光源1の封止部11を挿通させた構造としては、切り欠き61ではなく開口(例えば円形の開口)とすることも考えられる。しかしながら、このようにすると、光源1の着脱の際には、光源1を長さ方向に引き出さなければならず、非常に面倒な作業になる。また、光源1の長さ分のスペースも必要になってしまう。さらに、開口は光源1の最大断面積(通常は封体の断面積)以上の大きさが必要になるから、その分、反射面の領域が少なくなってしまう。上記各実施形態の構造では、このような不具合はない。
また、第二のミラー6において、切り欠き61を下辺から延びる形状とすることも考えられる。この場合、光源1の交換の際には、口金12を外した後、光源1を下方に引き下げることになる。このような構造でも良いのであるが、第二のミラー6において切り欠き61の部分は光を折り返さないため、偏光軸のばらつき抑制の効果が不十分になる可能性がある。各実施形態のように切り欠き61が光源1の高さの上側に形成される場合には、切り欠き61が偏光軸のばらつき抑制効果に影響を与えることは実質的にない。
上記各実施形態では、棒状の光源1が使用されたが、長尺な発光部を成すものとして採用されているに過ぎず、複数の点光源を並べて長尺な発光部と等価又は近似した発光部を成す構成であっても、本願発明は実施可能である。例えば、LEDより成る点光源を一列に並べた構成が考えられる。
また、偏光素子ユニット3における各偏光素子31のワイヤーグリッドの方向は、前述したような矩形の照射領域における長尺方向に限られず、短尺方向の場合や、対角線方向のような斜めの方向の場合もあり得る。また、各ワイヤーグリッドの方向が互いに異なるように複数の偏光素子31を並べる場合もある。
上記各実施形態では、ワークWはシート状のものであり、ロール状に巻かれたものが引き出されて偏光光が照射されたが、膜材が予め形成された液晶基板のような板状のものがワークWとなることもある。この場合、基板はステージ上に載置され、ステージを移動させながら偏光光照射がされる構成が採用されることもある。
尚、上記各実施形態では、光源1や第一のミラー2は水平に配置されたが、垂直に配置され、垂直な面内に設定された照射領域に偏光光を照射するよう構成される場合もあり得る。
1 光源
10 発光部
11 封止部
12 口金
2 第一のミラー
3 偏光素子ユニット
31 ワイヤーグリッド偏光素子
4 ランプハウス
5 空冷ボックス
6 第二のミラー
61 切り欠き

Claims (4)

  1. 長尺な発光部を成す光源と、
    光源の発光部の長さ方向に延びて光源の背後を覆った第一のミラーと、
    光源の前方に配置され、発光部からの光を偏光させる偏光素子ユニットとを備えており、
    偏光素子ユニットは、1つ又は並設された複数のワイヤーグリッド偏光素子によって発光部の長さ方向に延びる受光領域において光源からの光を偏光させるものであり、
    第一のミラーの長さ方向の両端には、各々第二のミラーが配置されており、
    光源は両端に封止部を有する棒状のランプであり、
    第二のミラーは切り欠きを有する形状であって、光源の封止部が切り欠きに挿通されており、
    切り欠きは、封止部の挿通箇所から偏光素子ユニットとは反対側に延びており、
    各第二のミラーは、発光部からの光のうち、発光部の長さ方向に進行方向成分を持つ光を折り返して偏光素子ユニットの受光領域に到達させるものであることを特徴とする偏光光照射装置。
  2. 前記各第二のミラーの前記偏光素子ユニット側の端部は、前記第一のミラーの前記偏光素子ユニット側の端部に比べて前記偏光素子ユニットに近いことを特徴とする請求項1記載の偏光光照射装置。
  3. 前記第二のミラーは、前記第一のミラーの端面と面一か又は端面よりも内側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光光照射装置。
  4. 前記第二のミラーは、前記第一のミラーの長さ方向の端部で形成された開口を塞いでいることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の偏光光照射装置。
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