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JP6071636B2 - 内燃機関の制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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JP6071636B2 - 内燃機関の制御装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置およびその制御方法に関し、特には、排気中のNOxを処理する後処理装置のためのNOx排出量の推定に好適な内燃機関の制御装置およびその制御方法に関するものである。
近年、ディーゼルエンジンの排ガス規制(NOx、PM規制)をクリアするために、エンジンのハードウェアや制御によるNOxとPM低減を、後処理装置により排ガスを浄化することが行われている。後処理装置には、粒子状物質、すなわちPM(Particulate Matter)を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)、NOxを浄化するSCR触媒を用いることがしばしば行われている。
SCR触媒では、例えば以下のようにNOxを浄化している。
(1)SCR上流のNOx量(センサで計測、あるいは予測した)や、SCR触媒温度、排ガス流量などに応じて、SCR触媒上流で尿素を噴射する。
(2)噴射された尿素は、アンモニア(NH)に分解され、SCR触媒に吸着される。
(3)排ガス中のNOxはSCR触媒を通過する際に、吸着したNHにより浄化される。
上述のように、SCR触媒によってNOxを浄化するためには、予めエンジンから排気されたNOx量を知っておく必要がある。
NOx値が実際の値と比較して誤差が大きければ、誤差が蓄積され、NHスリップあるいはNOx浄化率の低下が生じるという問題がある。
また、NOxセンサは非常に高価であり、製品のコスト抑制の観点から、極力、NOxセンサの代わりにNOx量を推定する手法を用いるほうが望ましい。
例えば、特許文献1で示される内燃機関の制御装置では、内燃機関の運転状態にかかわりなくNOxを正確に推定するとしている。
すなわちかかる内燃機関の制御装置では、NOx生成量に影響する物理量が所定の基本状態にあるときの内燃機関の運転状態と単位燃料当たりの基本NOx生成量との対応関係を記述したデータに基づいて、内燃機関の運転状態に対応した基本NOx生成量を特定する基本NOx生成量特定部と、物理量の基本状態と現在の状態との相違に対応した基本NOx生成量の補正量を特定する補正量特定部と、基本NOx生成量特定部が特定した基本NOx生成量、及び補正量特定部が特定した補正量とに基づいて、現在の状態に対応するNOx生成量の推定値を特定する生成量推定部とを備えるとしている。
また、特許文献2で開示される内燃機関のNOx生成量推定装置では、過渡状態のNOx生成量の推定精度を向上させつつ、実機への搭載性の向上を図るようにしている。
すなわち、特許文献2では、内燃機関の定常状態における機関回転速度及び気筒内への燃料噴射量に基づき、気筒内から排気通路に排出された定常状態のNOx生成量を演算する定常NOx生成量演算手段と、排気通路から吸気通路を介して気筒内への排気還流の導入に伴う吸気通路内の吸気酸素濃度に基づき、気筒内から排気通路に排出された内燃機関の過渡状態のNOx生成率を演算する過渡NOx生成率演算手段と、定常状態のNOx生成量を過渡状態のNOx生成率で補正することにより、過渡状態のNOx生成量を推定するとしている。
特許文献2によれば、定常状態のNOx生成量に基づいて過渡状態のNOx生成量を推定するのではなく、排気還流の導入に伴う吸気通路内の吸気酸素濃度に応じて過渡状態のNOx生成率を求め、この過渡状態のNOx生成率で定常状態のNOx生成量を補正し、この補正後のNOx生成量を過渡状態のNOx生成量として推定するようにしたので、過渡状態のNOx生成量の推定精度が向上し、排気中のNOxを処理する後処理装置の信頼性の向上に寄与するとしている。
また、筒内圧センサによる筒内圧を用いずに、吸気通路内の吸気酸素濃度のみを用いて過渡状態のNOx生成量を推定するので、従来に比して簡素な構成となり、実機への搭載性も向上するとしている。
また、特許文献3で開示される内燃機関の制御装置では、NOxトラップ触媒再生時期判定に用いるNOxトラップ総量を、過渡運転時にも高精度に推定するようにしている。
ここでは、吸入空気量に基づいて単位出力単位時間当たりのNOx排出量を演算し、これに機関出力を乗じて単位時間当たりのNOxトラップ量を演算し、単位時間当たりのNOxトラップ量に、単位時間当たりのNOx排出量による補正係数、触媒担体温度による補正係数、現在までのNOxトラップ総量による補正係数を積算して得た最終の補正係数を乗じて補正したものを積算することにより、NOxトラップ触媒へのNOxトラップ総量を高精度に推定するとしている。
かかる特許文献3においては、単位出力単位時間当たりに機関から排出されるNOx量は、機関に流入する作動ガス中の空気量に相関し、該空気量は過渡運転時に大きく変化する。したがって、該作動ガス中の空気量に応じて算出した単位出力単位時間当たりのNOx排出量から求められる単位時間当たりのNOx排出量に基づいて、過渡運転時でも精度良くNOxトラップ総量を推定できる。これにより、排気空燃比リッチ制御によるNOxの還元処理を開始するタイミングを適切に設定でき、排気浄化性能が向上する。また、NOx排出量をNOxトラップ量とみなすことで、NOxトラップ総量を容易に推定することができる。
また、NOxトラップ触媒は、排気中のNOxを硫酸塩として化学的にトラップするため、NOxトラップ総量の増加に伴い、単位時間にトラップできるNOx量も減少する。そこで、単位時間当たりのNOxトラップ量を、NOxトラップ総量の大きさに応じて補正することにより精度良く推定することができるとしている。
また、特許文献4で開示される内燃機関の排ガス浄化装置では、上流側に触媒が設けられている場合でも、NOx触媒に捕捉されたNOx量を精度良く推定でき、それに応じて、NOx触媒に還元剤を過不足なく供給でき、排ガス特性および燃費を向上させるとしている。
そのために、特許文献4では、排気系に設けられ、NOxの浄化機能を有する触媒および酸化雰囲気下でNOxを捕捉するNOx触媒と、排ガス中のNOx量QNOxを推定する手段と、触媒によるNOxの浄化性能を算出し、浄化性能に応じて、NOx排出量を補正し、補正したNOx排出量に応じて、NOx触媒に捕捉されたNOx量を算出する手段と、NOx捕捉量に応じて、触媒の上流側に還元剤を供給し、NOx触媒にNOxの還元動作を行わせる手段と、を備えるとしている。
これにより、触媒によるNOxの浄化性能を反映させながら、実際のNOx捕捉量を精度良く算出でき、算出されたNOx捕捉量に応じて、NOx還元制御手段による還元制御の実行タイミングを適切に設定できる。さらに、酸素濃度に応じて還元剤量積算値を算出し、還元剤量積算値が還元剤量判定値よりも大きくなったときに、NOx還元制御を終了するので、還元剤をNOx触媒に過不足なく供給でき、それにより、NOxの還元不足やHCおよびCOの過多が生じることなく、排ガス特性および燃費を向上させることができるとしている。
さらに、本出願人は、特許文献5に開示される内燃機関の燃焼制御方法において、吸気弁などの経年変化による劣化があっても、またPCI燃焼を採用していても、常に安定した燃焼を行えるようにすることを目的として、以下の制御方法を開示している。
すなわち、特許文献5では、試運転時に取得したコントローラによる操作量と、運転状態観測値と、筒内圧力センサからの測定値に基づいて算出した燃焼特徴量とからなる実機運転データに基づき、PM濃度予測値、NOx濃度予測値、Pmax予測値、PmiCOVそれぞれを推定する予測モデル式を予め作成し、その予測モデル式により算出される値の許容される範囲を定めた制約条件に基づいて燃焼可能領域マップを作成して、実機運転データで算出した燃焼ポイントが燃焼可能領域マップから外れる方向に相対変位したとき、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸気弁開度、EGR率、空燃比のうちから選んだ2つ以上のパラメータを変化させ、燃焼ポイントを相対的に燃焼可能領域内側に戻るよう補正制御した。
特許第3867626号公報 特開2006−274905号公報 特許第3925273号公報 特許第4747079号公報 特開2009−275691号公報
しかしながら、上述の特許文献1では、基本NOx生成量特定部と、補正量特定部と、生成量推定部とを具備し、インテークマニホルド手前の吸気通路における酸素濃度を吸気酸素濃度センサで検出して燃焼温度及び混合気濃度を求めてNOx生成量を推定しているため、吸気酸素濃度がEGRガスを還流した混合ガスも含むとの記載があるものの、エンジン本体直前のインテークマニホルド内の温度については、触れられていない。すなわち、吸気酸素濃度とNOx排出量との関係をみると、インテークマニホルド内の温度によって変動し、かかるインテークマニホルド内温度を考慮することは、より高精度にNOx排出量を推定する上で、不可欠のファクタであるからである。
ここでのエンジンの構造として、エンジン本体直前のインテークマニホルドには、いったん排気された燃焼ガスの一部がEGR通路を通じて再循環されており、インテークマニホルド手前の吸気通路からの吸気と再循環排ガスとの混合で、インテークマニホルド内の温度は高温化している。
なお、特許文献2においても、「排気通路から吸気通路を介して気筒内への排気還流の導入に伴う吸気通路内の吸気酸素濃度に基づき、」の記載はあるものの、かかる記載から、インテークマニホルド内の温度に基づいてNOx排出量の推定を行う旨の手法は示唆されない。
すなわち、本発明は、以上のような知見から提案されたものであって、単にインテークマニホルド手前の吸気通路における酸素濃度に基づいてNOx生成量の推定を行うのではなく、インテークマニホルド手前の吸気通路からの吸気と再循環排ガスとの混合温度を考慮に入れることで、NOx排出量の推定精度を高めた、内燃機関の制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、内燃機関の排気管内に尿素水を噴射することで、前記排気管を流れる排気中のNOxを浄化する尿素噴射部を有する排気浄化装置と、前記内燃機関の吸排気系統からのセンサ出力により、所定の信号処理、演算処理、NOx排出量を推定する手順を行う排出量推定制御部を具備するECUを備えた内燃機関の制御装置において、排出量推定制御部は、定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求めるNOx量仮推定部と、過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気とEGRガスとの混合気温度を変数とする吸気酸素濃度とNOx排出量との相関関係に基づき、NOx排出量の補正値を求める補正値特定部と、NOx量仮推定部によるNOx量の仮推定量と、補正値特定部によるNOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求めるNOx量推定部と、を具備し、前記NOx量推定部により求められた推定量に基づいて、前記尿素噴射部からの前記尿素水の噴射量が制御されることを特徴とする。
先ず、第1段階として、NOx量仮推定部において、定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求める。
次いで、第2段階として、補正値特定部において、過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、NOx排出量の補正値を求める。
そして、NOx量推定部において、NOx量仮推定部によるNOx量の仮推定量と、補正値特定部によるNOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求めることができる。
また、請求項2記載の本発明では、NOx量仮推定部は、定常時の内燃機関回転数と燃料噴射量により決定される定常時のNOx排出量を求める仮推定量演算部を具備することを特徴とする。
これにより、内燃機関の定常動作時のNOx排出量を仮推定量演算部において所定の演算により、容易に求めることができる。
また、請求項3記載の本発明では、補正値特定部は、過渡時の内燃機関回転数と燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、NOx排出量の補正値を求める補正値演算部を具備することを特徴とする。
補正値特定部において、NOx排出量の変動要素である、過渡期の内燃機関回転数と燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、補正値演算部において、NOx排出量の補正値を求めて、この補正値に基づいて定常時のNOx排出量に補正をかけて、高精度な過渡期のNOx排出量の推定に供することができる。
さらに、請求項4にかかる本発明では、内燃機関の吸排気系統からのセンサ出力により、所定の信号処理、演算処理、NOx排出量を推定する手順を行う、内燃機関の排気管内に尿素水を噴射することで、前記排気管を流れる排気中のNOxを浄化する内燃機関の制御方法であって、定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求める工程と、過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気とEGRガスとの混合気温度を変数とする吸気酸素濃度とNOx排出量との相関関係に基づき、NOx排出量の補正値を求める工程と、NOx量の仮推定量と、NOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求める工程と、前記求められた推定量に基づいて、前記尿素水の噴射量を制御する工程と、を具備することを特徴とする。
これにより、NOx排出量の変動に係わる、吸気とEGRガスとの混合気温度、すなわち、インテークマニホルドの温度を考慮に入れて、NOx排出量の仮推定量に補正をかけるため、高精度な過渡期のNOx排出量の推定が可能となる。
本発明によれば、NOx排出量を高精度に推定することができるので、SCR触媒における尿素噴射量も正確に制御することができ、過渡時のNHスリップあるいはNOx浄化率低下を防ぐことができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置およびその制御方法を実行するための一例を示した、要部ブロック構成図である。 図1に示す内燃機関のECUにおいて、NOx排出量を推定する手順を実行する排出量推定制御部のブロック構成図である。 吸気酸素濃度とNOx排出量との関係を示すグラフである。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置およびその制御方法について、実施形態を挙げ、添付の図面に基づいて以下説明する。
図1に本発明にかかる内燃機関の制御装置を実施するための、内燃機関1の一例を示す。
内燃機関1は、エンジン本体2に吸気管3、排気管4、EGR配管5が接続された吸排気系統を具備する。吸気管3上流側とエンジン出口近傍の排気管4の流路中には、過給器6のコンプレッサ、タービンが介装され、吸気管3にはインタークーラ7が設けられる。なお、吸気管3において、インタークーラ7が設けられる部位から、吸気管3とEGR配管5の合流部位、エンジン本体2入口直前までの部位は、インテークマニホルドI.M.を構成している。
さらに、吸気管3には吸気スロットルバルブ8が設けられ、EGR配管5には、EGRバルブ9が設けられる。そして、排気管4には、排気ガスの後処理装置としての排気浄化装置10が連通接続されている。
かかるエンジン本体2の吸排気系統に対し、電気系統を構成する部品として、エンジン本体2並びに吸気管3、排気管4、EGR配管5、および排気浄化装置10に配設された各種センサ(後述)からのセンサ出力他、アクセル入力信号、その他の信号を受け入れ、所定の信号処理、演算処理、さらには本発明の要旨であるNOx排出量を推定する手順を行うECU11(電子制御部、すなわちエンジンコントロールユニット)が配設される。
エンジン本体2には、ECU11との信号授受を行うものとして、例えばインジェクタ、コモンレール圧センサ、燃温センサ、クランクセンサ、カムセンサ、水温センサ、油圧スイッチ(いずれも図示省略)が配設される。
その他吸気管3の上流側にはエアフローメータ、吸気温度センサ、吸気管3の下流側、すなわちエンジン本体2の入口側には、吸気スロットルバルブ8、吸気絶対圧力センサ、吸気温度センサSint、が配設される。
EGR配管5には、EGRバルブ9が配設される。
そして排気管4の下流側の排気浄化装置10は、エンジン本体2に接続された排気通路を構成する排気管4の、先ず上流側に配設された酸化触媒20(ここでは、DOC:Diesel Oxidation Catalyst)を有する。
また排気浄化装置10は、該酸化触媒20の下流側に配設され、エンジン本体2の排気中のNOxを浄化するSCR触媒21と、該SCR触媒21の下流側に配設され、SCR触媒21から排出される余剰のアンモニアを除去するための酸化触媒22とを具備する。
さらに、酸化触媒20と酸化触媒20の下流側のSCR触媒21間には、排気中のPM(粒子状物質)を捕集するPM除去用フィルタとしてのDPF23(Diesel Particulate Filter)を配設することができる。
また、DPF23の下流側、且つSCR触媒21の上流側には、尿素水を噴射する尿素噴射部24が設けられる。尿素噴射部24は詳細は図示しないが、排気管4内に噴射ノズルを臨入させた電磁式噴射弁24vと、尿素水を貯留するタンク部24tとを備える。
かかる尿素噴射部24において、電磁式噴射弁24vを通じて尿素水が排気管4内に噴射されると、排気熱による蒸発から加水分解にいたる化学反応によって直接的な還元剤となるアンモニアNHが生成される。排気中のNHとNOxは、SCR触媒21を通過する間に反応し、窒素Nと水HOに変化するという反応でNOx浄化が行われるようになっている。
そして、SCR触媒21の下流側にはNOxセンサSnが配設される。NOxセンサSnからの検知信号は、ECU11に取り込まれるようになっており、作動温度やエンジンスピードなどの重要なエンジンパラメータに合わせて尿素水溶液の噴射量が制御される構成である。
ECU11においては、以上のような内燃機関1において、エンジン本体2並びに吸気管3、排気管4、EGR配管5、および排気浄化装置10に配設された各種センサからのセンサ出力他、アクセル入力信号により、所定の信号処理、演算処理、さらには、詳細は後述するが、本発明の要旨であるNOx排出量を推定する手順を行うようになっている。
そこで、ECU11について説明する。
ECU11は、NOx排出量を推定する手順を実行する排出量推定制御部30を備えている。
また、ECU11はNOx浄化処理の手順を実行するための排気浄化コントローラ部11cを備えている。
排出量推定制御部30は、図2に示すように、定常時のエンジン回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求めるNOx量仮推定部31を有する。NOx量仮推定部31は、例えば定常時のエンジン回転数および燃料噴射量を変数として、定常時のNOx排出量を導出する仮推定量演算部(図示省略)が搭載されている。
ここで定常時とは、例えば吸気スロットルバルブ8を動かしてエンジン回転数を変動させることなく、燃料噴射量も一定状態を保った状態をいう。
また、排出量推定制御部30は、過渡時のエンジン回転数と、燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、NOx排出量の補正値を求める補正値特定部32を有する。
補正値特定部32は、例えば過渡時のエンジン回転数と、燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とを変数として、NOx排出量の補正値を導出する補正値演算部(図示省略)が搭載されている。
ここで過渡時とは、例えば、吸気スロットルバルブ8を動かしてエンジン回転数を変動させ、燃料噴射量も変化させる状態を意味する。すなわち、エンジン回転数、燃料噴射量を変動させると、エンジンの出力、燃焼状態が変わり、燃焼排ガスの温度が変わり、推定対象であるNOxの生成量が変わるからである。
なお、インテークマニホルドI.M.内の、吸気とEGRガスとの混合気温度は、図1で示すように、インテークマニホルドI.M.における、EGR配管5との合流点より、エンジン本体2直前の部位に配置された吸気温度センサSintで検知される。エンジン本体2直前の部位は、吸気管3からの吸気とEGR配管5を通じて還流された排ガスが混合し、高温化している。したがって、還流された排ガスは、エンジン本体2の運転状況により温度、噴出量が変動し、インテークマニホルド温度を正確に把握しなければ、正確なNOxの排出量の推定はできないからである。
参考までに、図3に吸気酸素濃度とNOx排出量との関係を示す。
すなわち、図3では、インテークマニホルド温度(Tinm)が、ある温度範囲、例えば、355K<Tinm<360K、365K<Tinm<370K、370K<Tinm<375K、375K<Tinm<380K、にあるときの、それぞれの温度範囲における吸気酸素濃度とNOx排出量との関係を示している。
図3からも容易に解るように、NOx排出量は、インテークマニホルド温度(Tinm)、すなわち、エンジン本体2入口近傍のインテークマニホルドI.M.内の、吸気とEGRガスとの混合気温度によってNOx排出量が変わることがわかる。
さらに、排出量推定制御部30は、NOx量仮推定部31によるNOx排出量の仮推定量と、補正値特定部32によるNOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求めるNOx量推定部33を有する。
すなわち、NOx量推定部33は、NOx量仮推定部31で求められる定常時のNOx排出量の仮推定量に対し、補正値特定部32によるNOx排出量の補正値を所定の演算により加味することで、過渡時のNOx排出量の推定量を求めるようにしている。
本発明にかかる内燃機関の制御装置および制御方法を実施する第1実施形態は以上のとおりであり、次に、かかる内燃機関1の一連の動作と共に排気浄化装置10のNOx浄化処理の手順について説明する。内燃機関1の一連の動作は、本願発明の要旨とするところではないので、概略的に説明する。
キースイッチ(図示省略)のオンにより、車載バッテリー(図示省略)からECU11に通電され、スタータモータ(図示省略)を駆動することで、エンジン本体2のクランクシャフトが回される。これにより、ECU11からの指令でコモンレールCr、燃料噴射弁Vfを通じてシリンダ内に燃料が噴射され、エンジンがスタートする。このとき、吸気管3を通じて吸気された燃焼用空気は、過給器6のコンプレッサにより高圧高温の空気となり、インタークーラ7により冷やされて、エンジン本体2内のシリンダ内に送り込まれる一方、高圧の燃料がコモンレールCr、燃料噴射弁Vfを通じてシリンダ内に噴射され、燃焼が開始される。
燃焼ガスは、過給器6のタービンを回しながら、排気管4を通じて排気浄化装置10に排気される。また、排気ガスの一部はEGR配管5を通じてエンジン本体2のシリンダ内に再循環され、再度燃焼に供される。
排気管4を通じて排気浄化装置10に送られた排気は、順次、酸化触媒であるDOC20、DPF23を通過し、それぞれ排気中のPM中の未燃分を燃焼させ、PMを除去してSCR触媒21を通過することで排気中のNOxが浄化され、SCR触媒21の下流側の酸化触媒22にて、SCR触媒21から排出される余剰のアンモニアを除去し、排出される。
SCR触媒21を通過する際は、尿素噴射部24において、電磁式噴射弁24vを通じて尿素水が排気管4内に噴射され、排気熱による蒸発から加水分解にいたる化学反応によって直接的な還元剤となるアンモニアNHが生成される。排気中のNHとNOxは、SCR触媒21を通過する間に反応し、窒素Nと水HOに変化するという反応でNOxを浄化することができる。
排気が排気浄化装置10のDOC20、DPF23を通過する際、DOC20に配設された温度センサ、DPF23に配設された入口温度センサ、差圧センサ、出口温度センサにて排気の温度が検知され、逐次、ECU11に送り込まれる。そして、排気がSCR触媒21を通過する際、SCR触媒21下流側のNOxセンサSnからの検知信号は、ECU11に取り込まれる。
ECU11の排気浄化コントローラ部11cでは、排出量推定制御部30で推定されたNOx量と、取り込まれた各検知信号に基づき、NOx浄化処理を行うことができる。
かかるNOx浄化処理では、例えばSCR触媒21において、NOxの浄化に供されるNH吸着量を計算する。なお、NH吸着量は、
NH吸着量推定値(g)=∫(SCR触媒へのNH供給量−NH消費量)
によって得られる。ここでSCR触媒へのNH供給量は、SCR触媒21の上流側の尿素噴射部24からSCR触媒へ供給されるNH量で、NH消費量は、浄化に必要なNH量である。所定の演算によって求められる。
同時に、排出量推定制御部30は、以下の手順で、図2に示すようにSCR触媒21に至るNOx量の推定量を求める。
排出量推定制御部30は、先ず、第1段階として、NOx量仮推定部31において、定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求める。
次いで、第2段階として、補正値特定部32において、過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、NOx排出量の補正値を求める。
そして、NOx量推定部33において、NOx量仮推定部によるNOx量の仮推定量と、補正値特定部によるNOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求めることができる。
以上のように本実施形態によれば、吸気酸素濃度の補正に際して、インテークマニホルド温度の影響も考慮することで、補正精度が向上する。
したがって、補正精度が向上することにより、SCR触媒へのNH供給量も正確に制御され、過渡時のNHスリップやNH浄化率低下を防ぐことができる。
以上、本発明にかかる内燃機関の制御装置およびその制御方法について、実施形態を挙げ、説明した。
本発明は、排出量推定制御部30において、図3に示しているとおり、吸気酸素濃度とNOx排出量との関係から、エンジン本体2入口近傍のインテークマニホルドI.M.内の、吸気とEGRガスとの混合気温度によってNOx排出量が変わることから、補正値特定部32において、混合気温度を考慮においた吸気酸素濃度補正マップと定常吸気酸素濃度マップとを用いて、NOx値の補正値を求めることもできる。
本発明は、様々な内燃機関の排気浄化装置として適用され得る。
1 内燃機関
2 エンジン本体
3 吸気管
4 排気管
5 EGR配管
6 過給器
7 インタークーラ
8 吸気スロットルバルブ
9 EGRバルブ
10 排気浄化装置
11 ECU
11c 排気浄化コントローラ部
20 酸化触媒
21 SCR触媒
22 酸化触媒
23 DPF
24 尿素噴射部
24v 電磁式噴射弁
24t タンク部
30 排出量推定制御部
31 NOx量仮推定部
32 補正値特定部
33 NOx量推定部
I.M. インテークマニホルド

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気管内に尿素水を噴射することで、前記排気管を流れる排気中のNOxを浄化する尿素噴射部を有する排気浄化装置と、前記内燃機関の吸排気系統からのセンサ出力により、所定の信号処理、演算処理、NOx排出量を推定する手順を行う排出量推定制御部を具備するECUと、を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記排出量推定制御部は、定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求めるNOx量仮推定部と、
    過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気とEGRガスとの混合気温度を変数とする吸気酸素濃度とNOx排出量との相関関係に基づき、NOx排出量の補正値を求める補正値特定部と、
    前記NOx量仮推定部によるNOx量の仮推定量と、前記補正値特定部によるNOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求めるNOx量推定部と、
    を具備し、
    前記NOx量推定部により求められた推定量に基づいて、前記尿素噴射部からの前記尿素水の噴射量が制御されることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記NOx量仮推定部は、定常時の内燃機関回転数と燃料噴射量により決定される定常時のNOx排出量を求める仮推定量演算部を具備することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正値特定部は、過渡時の内燃機関回転数と燃料噴射量と、吸気酸素濃度と、吸気酸素濃度と、吸気とEGRガスとの混合気温度とから、NOx排出量の補正値を求める補正値演算部を具備することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の排気管内に尿素水を噴射することで、前記排気管を流れる排気中のNOxを浄化する内燃機関の制御方法であって、
    定常時の内燃機関回転数および燃料噴射量からNOx排出量の仮推定量を求める工程と、
    過渡時の内燃機関回転数と、燃料噴射量と、吸気とEGRガスとの混合気温度を変数とする吸気酸素濃度とNOx排出量との相関関係に基づき、NOx排出量の補正値を求める工程と、
    前記NOx量の仮推定量と、前記NOx排出量の補正値とから、過渡時のNOx排出量の推定量を求める工程と、
    前記求められた推定量に基づいて、前記尿素水の噴射量を制御する工程と、
    を具備することを特徴とする内燃機関の制御方法。
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