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JP6072876B2 - 伸縮性捺染生地 - Google Patents
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JP6072876B2 - 伸縮性捺染生地 - Google Patents

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Description

本発明は、伸縮性捺染生地に関するものである。
生地に柄模様や部分模様等を付するための捺染方法として、コンピュータ上で作成した画像データを直接、プリンタヘッドへ送って生地へインクを吹き付けるインクジェット捺染方法が知られている(例えば、特許文献1,2等参照)。このインクジェット捺染方法では捺染型が不要であるので、低コスト化が図れ、またデザインの自由度が高く且つデザインの変更も容易であるなどの理由から、着目されている。
ところで、衣類の袖口や襟口、ウエスト部等には、テープ状に細長い生地パーツ(以下、「テープ生地」と言う)を縁取り材として取り付けることがある。また、この種のテープ生地として、テープ長手方向に沿った伸縮性(伸び性)と共に強い緊締性(伸長に抗した収縮力で復元する作用)を発現する織地製のもの(いわゆる「織ゴム」と呼称される生地)を用いることがある。
特開2004−291430号公報 特開平6−220781号公報
織ゴムなどのように、伸縮性を有したテープ生地に対し、従来における種々の捺染方法によって柄模様や部分模様等を付した場合、生地への染料の浸透が浅い(生地表面に現れた繊維だけが染められている)ということがあった。そのため、衣類を着たり脱いだりする際などにテープ生地が伸長すると、このテープ生地では、染料の浸透が及んでいない生地色が生地表面上に現出してしまい、生地表面が斑模様化又は希薄化して見栄えが悪化する問題があった。なお、この問題は、前記したようなインクジェット捺染方法によって捺染を行ったとしても、何ら解消されることはなかった。
ところで、衣類などでは、使用期間が長くなるにつれて生地に伸びが生じるようになる。生地に伸びが生じると、その伸びが実際の使用(衣類の着用)には可能な軽度のものであったとしても、柄模様や部分模様(殊に、文字や絵柄等)では、同様に生じた伸びによ
って外観不良となることがあった。このような外観不良は、衣類を着たり脱いだりするときだけでなく常に生じているため、この不具合が原因で衣類としての使用を諦めざるを得なくなる場合があった。すなわち、衣類としての寿命を短くさせる問題となっていた。
また、外観不良を除けば、非伸長時の生地表面と伸長時の生地表面とで表情(看者に与える積極的且つ審美的な印象)が同じであるので、これを看る者に何ら付加価値を与えるものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、伸縮性を有するテープ生地等の生地に対し、生地を伸長させたときにも生地色が現出することを原因とした見栄えの劣化が起こることはないものとし、また生地の伸びなどを原因とする外観不良により生地寿命が短くなることも防止でき、そのうえで非伸長時の生地表面と伸長時の生地表面とで表情が変化することにより付加価値を高められるものとした伸縮性捺染生地を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る伸縮性捺染生地は、非伸長状態から引張力を付与することで生じる伸長と伸長状態から引張力を低下又は解除することで生じる収縮との間で伸縮自在とされた生地であって、生地表面には捺染による模様が設けられており、前記模様は、前記生地の非伸長時には捺染インクが伸縮方向で集約されることにより判別不可能な状態で現出する第1の表情を呈すると共に前記生地の伸長時には前記捺染インクが伸縮方向で広がることにより判別可能な状態で現出する第2の表情を呈する捺染形状として形成されていることを特徴とする。
前記生地における通常使用時の伸長度を標準伸長度と規定するときに、前記模様は、前記生地を前記標準伸長度で伸長するときに前記第2の表情を現出し且つ前記標準伸長度を超えて伸長するときには前記第2の表情が伸縮方向で引き延ばされて判別不可能となる捺染形状として形成されたものとしてもよい。
或いは、前記生地における通常使用時の伸長度を標準伸長度と規定するときに、前記模様は、前記生地を前記標準伸長度で伸長させた段階では非判別状態を維持し前記標準伸長度を超えて伸長するときに前記第2の表情を現出する捺染形状として形成されたものとしてもよい。
前記模様は文字情報とすることができる。
前記生地はテープ生地であって且つテープ長手方向に沿う方向で伸縮性を有したものとすることができる。
前記生地は織成された織地とすることも可能である。
本発明に係る伸縮性捺染生地では、伸縮性を有するテープ生地等の生地に対し、生地を伸長させたときにも生地色が現出することを原因とした見栄えの劣化を防止でき、また、生地の伸びなどを原因とする外観不良により生地寿命が短くなることも防止でき、そのうえで非伸長時の生地表面と伸長時の生地表面とで表情が変化することにより付加価値を高められるものである。
本発明に係る伸縮性捺染生地を製造する過程で採用したインクジェット捺染方法を示した斜視図である。 本発明に係る伸縮性捺染生地を製造する過程で採用したインクジェット捺染装置を示した斜視図である。 本発明に係る伸縮性捺染生地を判りやすく説明した模式図である。 本発明に係る伸縮性捺染生地を用いて製作した衣類の一例を示した正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
本発明に係る伸縮性捺染生地は、例えば図3や図4に示すように、非伸長状態から引張
力を付与することで生じる伸長と伸長状態から引張力を低下又は解除することで生じる収縮との間で伸縮自在とされたものであって、生地表面には捺染による模様が設けられている。そして、この模様は、生地の非伸長時には捺染インクが伸縮方向で集約されることにより現出する第1の表情(例えば図3(b)を参照)を呈し、生地の伸長時には捺染インクが伸縮方向で広がることにより現出する第2の表情(例えば図3(a)を参照)を呈するように、捺染形状を工夫したものである。
まず、本発明に係る伸縮捺染生地を製造する際に採用したインクジェット捺染方法及びインクジェット捺染装置について説明する。
本発明に係る伸縮性捺染生地を製造するうえで採用したインクジェット捺染方法は、図1に示すように、伸縮性を有する生地(例えば、織ゴムのようなテープ生地T)を伸長させた状態にして、捺染装置3により、インクジェット捺染を行うようにするものである。
なお、本実施形態では、捺染処理の対象とする生地をテープ生地Tに適用した場合について説明する。このテープ生地Tは、テープ長手方向に沿う方向で伸縮性(伸び性)と共に強い緊締性(伸長に抗した収縮力で復元する作用)を発現する織地製のもの(織ゴム)であるとする。このテープ生地Tは、テープ長手方向に沿って用いられた糸(織地を形成している経糸又は緯糸の一方)に弾性糸が用いられて織成されている。ただ、後述するように、本発明に係る伸縮性捺染生地は織地に限定されず、編地であってもよい。
弾性糸としては、天然ゴム等を素材とするベア糸としてもよいが、インクによる染色性を考慮すれば、ベア糸をポリエステル糸などで巻いたカバリング糸(SCYやDCY)とするのが好適である。カバリング糸とする場合では、芯とするベア糸がポリウレタンであるものも使用可能となる。
図1及び図2は、本発明に係る伸縮性捺染生地を製造するうえで採用したインクジェット捺染装置1の一例を示している。このインクジェット捺染装置1は、テープ生地Tを搬送する生地搬送装置2と、この生地搬送装置2の搬送経路途中に設けられた捺染装置3と、この捺染装置3の二次側(下流側)に設けられた乾燥装置4とを有している。
生地搬送装置2には、その搬送始端部(図2左側)に、処理前テープ生地の巻回されたボビン5からテープ生地Tを巻き出す巻出装置6が設けられ、搬送終端部(図2右側)に、テープ生地Tを空のボビン7へ巻き取る巻取装置8が設けられている。また、この生地搬送装置2には、巻出装置6と巻取装置8との間で、搬送中のテープ生地Tに伸長力を付与して当該テープ生地Tを伸長させるテンション付与装置10が設けられている。
テンション付与装置10は、例えば、テープ生地Tを挟持して送りを付与する一次側ピンチロール装置11と二次側ピンチロール装置12とを有したものとされている。二次側ピンチロール装置12は、一次側ピンチロール装置11に比べ、テープ生地Tに付与する送り速度が、やや高速となるように制御されている。このようにして両ピンチロール装置11,12間には速度差が生じるようになっており、この速度差により、テープ生地Tにテープ長手方向(搬送方向に同じ)に沿った伸長を生じさせるものである。
一次側ピンチロール装置11は、捺染装置3によってテープ生地Tにインクが付着されるより前に、このテープ生地Tを挟持する必要があるため、捺染装置3よりも一次側(巻出装置6と捺染装置3との間)に配置してある。これに対し、二次側ピンチロール装置12は、テープ生地Tに付着されたインクが乾燥した後に、このテープ生地Tを挟持するのが好適となるため、乾燥装置4の二次側(乾燥装置4と巻取装置8との間)に配置してある。
二次側ピンチロール装置12を通過したテープ生地Tには、テンション付与装置10による伸長力が及ばないため、テープ生地Tに生じていた伸長も解除される。そのため、生地搬送装置2において巻出装置6がテープ生地Tを巻き出す速度と、巻取装置8がテープ生地Tを巻き取る速度とは、同速とする。
ここで、巻出装置6の巻出速度と巻取装置8の巻取速度とを同速とするとは、ボビン5の回転速度とボビン7の回転速度とを同じにすることではなく、テープ生地Tの搬送速度を同速にするという意味である。すなわち、巻取装置8のボビン7において巻径が大きくなればなるほど、ボビン7の回転速度を遅くする。この場合、巻取装置8の駆動手段とし
てトルクモータを採用することにより、ボビン7の回転速度を遅くするにしたがってトルクが高くなるという特徴が得られ、好適である。
なお、巻出装置6のボビン5についても、巻径が小さくなるにつれてボビン5の回転速度を高速化させるように制御してもよいし、ボビン5に間欠的な回転を行わせる場合には回転間隔の短縮化や回転量(回転角)の増加などを行う制御をしてもよい。尤も、これら巻出装置6と巻取装置8との間での速度制御は何ら限定されるものではなく、巻出装置6におけるボビン5の回転速度と、巻取装置8におけるボビン7の回転速度とを同速にするものとしてもよい。
捺染装置3は、インクジェット捺染を行うもので、サーマル(ヘッド加熱)式又はピエゾ素子(圧電素子)式のプリンタヘッド16を有しており、このプリンタヘッド16に対してコンピュータ等によって構成されるデータ処理部15から画像データ(デジタルデータ)が送られる。この捺染装置3は、プリンタヘッド16をテープ生地Tの搬送方向に直交する方向(テープ幅方向であって副走査方向に相当)に往復移動させながら、複数回の移動によって画像を完成させるスキャン方式としてもよいし、或いは、プリンタヘッド16を固定したまま、搬送されるテープ生地Tにワンパスで画像を完成させるシングルパス方式としてもよい。
乾燥装置4については、生地搬送装置2の経路途中をトンネル状に覆う乾燥炉17に対して、その炉内を熱線ヒータ方式や赤外線照射方式、或いは温風吹きつけ方式などで加熱し、テープ生地Tに付着したインクの乾燥を促進させるようになっている。
本実施形態では、テンション付与装置10における一次側ピンチロール装置11と二次側ピンチロール装置12との間の距離Dを5m、乾燥装置4における乾燥炉17の搬送方向長さLを3mと設定したうえで、テープ幅30mmのテープ生地Tを搬送させる場合には、生地搬送装置2による搬送速度を2〜3m/分に設定し、乾燥炉17の炉内温度を175℃程度に設定するのが好適であることを確認している。
なお、乾燥装置4は、過熱水蒸気により乾燥と発色とを同時に行う装置(乾燥―発色工程を行う装置)に置換することも可能である。この場合、乾燥を行う温度は140℃程度とし、過熱水蒸気による蒸し(発色)を行う温度は175℃程度とするのが好ましいものとなる。本発明者らによれば、過熱水蒸気は、約170℃以上とすることで、熱風による乾燥よりも乾燥効果が良好となることが確認されている。
具体的な一例を挙げれば、テープ生地Tに前処理剤を塗布したうえで捺染装置3によるインクジェット捺染を行い、その後、乾燥装置4においては、まず乾燥を行い、次に過熱水蒸気による蒸し(発色)を行い、RC処理(還元洗浄)を行い、もう一度乾燥させるという手順を採用する。
なお、乾燥装置4では、インクジェット捺染されたテープ生地Tに対してそのまま(乾燥することなく)過熱水蒸気による蒸し(発色)を行い、RC処理(還元洗浄)を行い、その後、乾燥させるという手順を採用してもよい。
次に、前記したインクジェット捺染装置1を用いて行うインクジェット捺染方法を説明する。
生地搬送装置2の巻出装置6及び巻取装置8を作動させ、ボビン5,7を回転させることにより、これらボビン5,7間でテープ生地Tをテープ長手方向に沿って搬送させる。同時に、テンション付与装置10において、一次側ピンチロール装置11と二次側ピンチロール装置12とを、二次側ピンチロール装置12の送り速度が高速となる関係で駆動させ、これら両ピンチロール装置11,12間で張り渡されるテープ生地Tを伸長させる。
一次側ピンチロール装置11と二次側ピンチロール装置12との間に生じさせる速度差は、テープ生地Tに生じる伸長が、当該テープ生地Tの伸縮の許容範囲内で起こるようにさせることを条件とする。すなわち、テープ生地Tに対する伸長を解除したときに、テープ生地Tが元の長さに確実に戻る範囲(恒久的な伸びが発生しない範囲)で伸長させるようにする。
但し、テープ生地Tの伸縮の許容範囲内であれば、どの程度の伸長を行わせるかについては、特に限定されるものではない。
この状況下で、捺染装置3及び乾燥装置4を作動させる。捺染装置3では、テンション付与装置10がテープ生地Tを伸長させる設定に基づき、テープ生地Tの伸長方向及び伸長量に合わせて変形させるか又は非変形とした画像データをデータ処理部15で作成し、この画像データをプリンタヘッド16へ送ってテープ生地Tにインクジェット捺染を行う。画像データの作成に関しては後述する。
捺染装置3(プリンタヘッド16)を通過後のテープ生地Tは、伸長した状態が維持されたまま乾燥装置4へと送り込まれる。
乾燥装置4では、捺染装置3によってテープ生地Tに付着されたインクが完全に乾燥するまで(浸透や他への転写などが起こらない状態となるまで)、確実な乾燥を行うようにする。乾燥装置4を通過後のテープ生地Tは、テンション付与装置10の二次側ピンチロール装置12を通過することで、伸長が解除され、非伸長状態に戻る。その後、テープ生地Tは、生地搬送装置2の巻取装置8のボビン7によって巻き取られるようになる。
ところで、捺染装置3のデータ処理部15が画像データを作成するには、テープ生地Tの使用環境を考慮して(テープ生地Tが衣類に取り付けられるものである場合は衣類を着用したときを想定する)、テープ生地Tが通常の使用で伸長されるときの伸長度(非伸長時を基準とした伸長の示度)を予測し、このときの伸長度(以下、「標準伸長度」と言う)で最も明瞭に判読できるような画像データを作成するものとする。
例えば、いま、テープ生地Tの伸長度を段階的な数字で表すと仮定して、非伸長時を「伸長度0」とおき、伸長させるにつれて数字が大きくなるものとし、テープ生地Tの伸縮の許容範囲で最長とされる段階を「伸長度10」とおくものとする。そして、テープ生地Tの標準伸長度を仮に「伸長度5」とおく。
テンション付与装置10が、生地搬送装置2によって搬送されるテープ生地Tを標準伸長度に合わせて「伸長度5」で伸長させたと仮定した場合、捺染装置3のデータ処理部15は、図3(a)に示すように、正常に『A』と判読できる画像データを、そのまま変形を加えずに(非変形として)作成することになる。
従って、このような条件のもとでテープ生地Tにインクジェット捺染が行われた場合、捺染処理を終えたテープ生地T(当然に、捺染時の伸長が解除されたもの)では、図3(b)に示すように、『A』の画像がテープ長手方向(図3(b)の左右方向)で収縮することによって縦棒状の表示に変化する。当然に、このような縦棒状の表示は『A』とは判読できない。これを第1の表情とおく。
しかし、このテープ生地Tをその標準伸長度である「伸長度5」で改めて伸長させるようにすれば、捺染した『A』の画像が正常に判読できる状態となる。これを第2の表情とおく。当然に、テープ生地Tの伸長を解除すれば、『A』の画像は縦棒状の表示に戻るために判読不能になる。
なお、テープ生地Tの伸長を、「伸長度4」や「伸長度6」、或いは「伸長度3」や「伸長度7」としても、『A』の画像は、やや歪ながらも判読可能であり、画像を判読できる伸長の程度(範囲)は、「伸長度5」を中心としてある程度、曖昧であると言うことができる。しかし、「伸長度0〜2」や「伸長度8〜10」のように、基準とする「伸長度5」とは顕著に異なる伸長をさせた場合には、『A』の画像を判読することは甚だ困難となるか、又は不可能となる。
以上のことから、捺染装置3のデータ処理部15が画像データを作成する状況を再記すれば、まず、テープ生地Tの使用環境に基づいて標準伸長度を設定し、この標準伸長度で最も明瞭に判読できるような画像データを作成する、ということになる。前記の例では、テープ生地Tの標準伸長度と、テンション付与装置10による伸長度とを一致させているので、データ処理部15では非変形(非伸長)の画像データを作成している。
但し、テンション付与装置10によるテープ生地Tの伸長度は、必ずしもテープ生地Tの標準伸長度に一致させる必要はない。例えば、標準伸長度が「伸長度5」であっても、テンション付与装置10はテープ生地Tに「伸長度8」等の伸長を行わせる設定としてもよい。要するに、使用時の伸長度と捺染時の伸長度とを異ならせるという意味である。
このように、使用時の伸長度と捺染時の伸長度とを異ならせる場合であれば、捺染装置
3のデータ処理部15で作成する画像データは、標準伸長度を基準として「伸長度8」に向けた変形(伸長)を行うものとする。言い換えれば、「データ処理部15は、捺染時におけるテープ生地Tと同じ伸長方向及び伸長量に合わせた画像データを作成する」ということになる。
なお、テンション付与装置10がテープ生地Tを伸長させる伸長度は、テープ生地Tの標準伸長度と同等以上とすることが好適とされる。ただ、前記したように、伸長度と画像の判読性との関係は、ある程度、曖昧な範囲を有しているので、必ずしも、テンション付与装置10によるテープ生地Tの伸長度をテープ生地Tの標準伸長度と同等以上とすることが限定されるものではない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る伸縮性捺染生地(テープ生地Tに対して伸長状態下で捺染することで得られたもの)では、伸長させた状態でインクジェット捺染を行っているので、生地深部まで着色された(染められた)状態となり、それ故に、テープ生地Tを伸長させても生地色の現出で生地表面が斑模様化又は希薄化して見栄えが悪化するということはない。
また、本発明に係る伸縮性捺染生地を用いて製作した衣類などが伸びを生じるようになったとしても、実際の使用(衣類の着用)が可能な程度の伸びであれば、伸縮性捺染生地において外観的な不具合(柄模様や部分模様が伸びて見苦しくなったり判読できなくなったりする等)が起こることはないので、衣類としての使用を続けることができる(寿命を伸ばす)という利点にも繋がる。
のみならず、伸縮性捺染生地は、非伸長時と伸長時とにおいて、捺染した柄模様や部分模様等が判読できたり判読できなかったりする(伸びによる外観不良の意味では無く、第1の表情と第2の表情との間で変化することを言う)作用が得られるので、これを見る者に、表情の変化を感じさせることができる。
このような表情の変化をうまく活用すれば、衣類(例えばパンツ等)としての使用時に、非着用時には線状模様であったものが着用時には文字や模様に変わるといったような付加価値の高い製品を製作することが可能となる。
一例として、図4に示すように、衣類購入時の体型で着用したウエストサイズWに比べて、その後の着用でウエストサイズWLが大きくなった場合に、メタボリックシンドロームへの注意を喚起させるメッセージが現れるといった製品を製作することができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、テープ生地Tを衣類のウエスト部等に取り付けた状態として、このテープ生地T(ウエスト部)を伸長させ、この伸長状態でインクジェット捺染を行うようにしてもよい。
伸縮性を有する生地をその伸縮性の生じる方向で伸長させつつインクジェット捺染することを条件とすれば、織地であることも、テープ生地であることも限定されるものではない。例えば、ラッセル経編機で編成したラッセルレースなどの編地を使用することが可能である。
生地を搬送しつつ捺染を行うに際して、連続搬送とさせても間欠搬送とさせてもよいことは言うまでもない。また、そもそも生地を搬送することも限定されるものではなく、一枚生地をバッチ式で捺染処理する(捺染を実施するテーブル上に一枚生地を広げたり取り除いたりする作業を繰り返す)ことも可能である。
1 インクジェット捺染装置
2 生地搬送装置
3 捺染装置
4 乾燥装置
5,7 ボビン
6 巻出装置
8 巻取装置
10 テンション付与装置
11 一次側ピンチロール装置
12 二次側ピンチロール装置
15 データ処理部
16 プリンタヘッド
17 乾燥炉
T テープ生地

Claims (6)

  1. 非伸長状態から引張力を付与することで生じる伸長と伸長状態から引張力を低下又は解除することで生じる収縮との間で伸縮自在とされた生地であって、
    生地表面には捺染による模様が設けられており、
    前記模様は、前記生地の非伸長時には捺染インクが伸縮方向で集約されることにより判別不可能な状態で現出する第1の表情を呈すると共に前記生地の伸長時には前記捺染インクが伸縮方向で広がることにより判別可能な状態で現出する第2の表情を呈する捺染形状として形成されている
    ことを特徴とする伸縮性捺染生地。
  2. 前記生地における通常使用時の伸長度を標準伸長度と規定するときに、
    前記模様は、
    前記生地を前記標準伸長度で伸長するときに前記第2の表情を現出し且つ前記標準伸長度を超えて伸長するときには前記第2の表情が伸縮方向で引き延ばされて判別不可能となる捺染形状として形成されていることを特徴とする請求項1記載の伸縮性捺染生地。
  3. 前記生地における通常使用時の伸長度を標準伸長度と規定するときに、
    前記模様は、
    前記生地を前記標準伸長度で伸長させた段階では非判別状態を維持し前記標準伸長度を超えて伸長するときに前記第2の表情を現出する捺染形状として形成されていることを特徴とする請求項1記載の伸縮性捺染生地。
  4. 前記模様は文字情報とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の伸縮性捺染生地。
  5. 前記生地はテープ生地であって且つテープ長手方向に沿う方向で伸縮性を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の伸縮性捺染生地。
  6. 前記生地は織成された織地であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の伸縮性捺染生地。
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