JP6073548B2 - 調湿性壁紙 - Google Patents
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Description
石膏ボードは、通常、耐摩耗性、防汚性、意匠性を高めるため、その表面を塗り壁材や、壁紙で被覆して使用されるが、塗り壁材で石膏ボード被覆する場合、塗りムラをなくすためには熟練の技術が必要であることもあり、簡単に貼り付けできる壁紙が主流になってきている。
ところが、このような壁紙は、通気性が悪く、石膏ボード等の壁材の調湿作用を阻害するという欠点がある。そのため、この問題を改善すべく種々の方法が提案されている。
<1> 通気性を有する紙質基材の表面に接着剤を介して卵殻粒子が固定され、壁紙1m 2 当たりの前記卵殻粒子の重量が、30g以上600g以下である調湿性壁紙。
<2> 前記調湿性壁紙の貼付対象が、調湿作用を有する壁材ある前記<1>に記載の調湿性壁紙。
<3> 前記卵殻粒子の粒径が、1μm以上100μm以下の範囲である前記<1>または<2>に記載の調湿性壁紙。
<4> 壁紙表面が酸化チタンを含むコート剤で被覆されている前記<1>から<3>
のいずれかに記載の調湿性壁紙。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の調湿性壁紙の製造方法であって、
通気性を有する紙質基材の表面に接着剤を薄く塗布する工程と、接着剤が塗布された前記紙質基材の上に卵殻粒子をスプレーで吹き付ける工程と、を有することを特徴とする調湿性壁紙の製造方法。
また、卵殻は多孔質であり、吸着能が高いため、壁紙が貼付された壁全面で脱臭を促進して、優れた消臭効果が得られる。
なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
紙質基材としては、パルプなどの天然素材で製造されたものが好ましい。また、再生紙を使用してもよい。
そのため、紙質基材の上に適度な大きさの卵殻粒子を固定することで、紙質基材本来の通気性を損なわず、さらに卵殻が本来の有する吸着作用が加えられることにより、より調湿性能に優れた壁紙となる。また、卵殻粒子は水蒸気以外の物質も吸着することができるため、壁紙が貼付された壁全面で脱臭を促進することができる。
さらに、卵殻は軽量であるため、相当量の卵殻粒子を固定しても、それほど重量が大きくならず、施工も容易である。また、卵殻粒子により、壁紙表面に適度な凹凸が形成され、質感がよく意匠性が高くなるという利点もある。
壁紙1m2当たりの卵殻粒子の重量が、30g未満であると、卵殻粒子を使用した効果が不十分になり、高湿度の場合などに耐久性が不足する場合があり、600gを超えると、卵殻粒子が壁紙上に固定しにくくなり、また、壁紙の通気性を阻害する恐れがある。特に壁紙1m2当たりの卵殻粒子の重量が、50〜100gの範囲であると、少量の接着剤で卵殻粒子が壁紙上に固定することができるため、調湿性促進作用と共に、壁紙自体の通気性を高く保つことができる。
壁紙表面を酸化チタンを含むコート剤で被覆することにより、卵殻粒子と紙質基材の接着性を高め、卵殻粒子が脱落しにくくなると共に、また、該コート剤には酸化チタンの光触媒作用により、卵殻粒子が吸着した有機物を分解することができるため、卵殻粒子の脱臭作用を長く持続させることができる。
また、酸化チタンは顔料としての機能もあり、壁紙一面を均一な白色にすることができるという利点もある。
酸化チタンを含むコート剤は、壁紙表面にスプレー法、刷毛塗りなどの公知の塗布法にて塗布すればよい。その後、乾燥させることで壁紙表面が酸化チタンを含むコート剤で被覆された調湿性壁紙を得ることができる。なお、塗工の際には、壁紙の際には均一な白色になる量を塗工することが好ましい。
また、コート剤の塗布量は、卵殻粒子に対する酸化チタンが目的とする割合となるように決定される。卵殻粒子と酸化チタンの好適な割合は、卵殻粒子100重量部に対して、酸化チタン1〜15重量部である。酸化チタンの割合が少なすぎると、酸化チタンによる光触媒作用が不十分となり、多すぎるとシリカの吸着性や紙質基材の通気性を阻害する場合がある。
なお、酸化チタンは、卵殻粒子の粒径より小さい粒径であることが好ましい。
また、本発明の調湿性壁紙は、紙質基材、卵殻粒子という自然素材と使用しており、廃棄の際の環境負荷を考慮すると、壁材への貼付用接着剤として天然材料を使用した接着剤(例えば、澱粉糊)が好適である。なお、本発明の調湿性壁紙は、通気性が高いため、接着剤の溶媒である水もしくは有機溶媒が蒸発しやすいという利点もある。
まず、卵殻は粉砕前に卵膜を分離除去する。卵膜は付着したままだと特有の匂いがあり、また、粉砕後所定粒径に分級する際、分級器が目詰まりのおそれがあるためである。
卵膜の分離除去としては、人手による他、比重分離槽で比重差により卵殻を自重で沈澱させるとともに自然剥離した卵膜を浮上させて分離除去する方法、撹拌分離槽で卵殻に高圧水を当てながら撹拌して強制的に分離除去する方法が挙げられる。
なお、卵殻粒子の粒径分布は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
紙質基材の上に卵殻粒子を固定する方法としては、紙質基材の上に接着剤を薄く塗り、その上に卵殻粒子をスプレーで吹き付けることによって行われる。この方法であれば、卵殻粒子の外表面に接着剤がつかないため、卵殻粒子の有する本来の吸着性を発揮できる。なお、接着剤は、紙質基材の有する通気性を阻害しないように、卵殻粒子の固定に必要最低源の量が塗布される。
接着剤は、従来公知のものが使用でき、特に限定されないが、酢酸ビニル系接着剤が好適に用いられる。
また、上記の方法ではなく、卵殻粉末と接着剤を事前に混合して、紙質基材に塗布してもよい。この場合、卵殻粉末をスプレーで吹き付けて固定、あるいは刷毛で塗布するなど、どのような手段を用いてもよい。一方で、接着剤を事前と混合するため、卵殻粒子の多孔を閉塞し、卵殻の吸着力が低減する傾向にある。
酸化チタンを含むコート剤としては、例えば、3重量%程度の酸化チタンと酢酸ビニル系接着剤の含むコート剤を使用することができる。このコート剤を使用して、スプレー塗布にて、卵殻粒子100重量部に対して、酸化チタン1〜15重量部となるように、コート剤を塗布すればよい。
鶏の卵殻を水洗浄した後、熱風乾燥機に入れて乾燥処理した。同乾燥処理した卵殻を撹拌分離槽に投入し、高圧水を当てながら撹拌して卵殻の内側の卵膜を分離除去した。その後、卵膜を分離除去した卵殻を熱風乾燥機に入れて乾燥処理し、粉砕機で粉末状に粉砕して卵殻粉末を得た。得られた卵殻粉末の粒度分布を、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、型番:LA−300)を用いて測定した結果を図1に示す。
実施例の調湿性壁紙自体の調湿性の評価を以下の方法で行った。なお、測定温度は室温(25℃程度)である。
湿度計を設置したアクリル製テスト容器(内容積約27000cm3)に、水の入ったビーカーを設置して、内部が湿度100%になるまで十分な時間静置した。
次いで、27cm×27cmに切り取った実施例の調湿性壁紙をテスト容器に入れて、60分後の湿度と、アクリル容器内壁の様子を観察した。
なお、比較のため、卵殻粒子を固定していないビニール製壁紙を使用して同様の検討を行った。
実施例の調湿性壁紙では、60分後の湿度が60%程度まで減少し、アクリル容器内壁も曇りが見られなかった。一方、ビニール製壁紙では、60分後の湿度は90%以上であり、アクリル容器内壁には水滴が付着し曇っていた。
この結果から、実施例の調湿性壁紙は、調湿作用を有していることが分かった。
それぞれ50cm×50cmに切り取った、実施例の調湿性壁紙及びビニールシートからなる比較例の壁紙を石膏ボードに貼付け、室温(25℃程度)で2ヶ月間静置した。その後、壁紙を剥ぎ取り、壁紙が張られていた部分のカビの有無を評価した。
比較例の壁紙が貼られていた部分には湿りが見られ、カビの発生が確認されたのに対し、実施例の壁紙が貼られていた部分にはカビの発生が確認されなかった。
Claims (5)
- 通気性を有する紙質基材の表面に接着剤を介して卵殻粒子が固定され、
壁紙1m 2 当たりの前記卵殻粒子の重量が、30g以上600g以下であることを特徴とする調湿性壁紙。 - 前記調湿性壁紙の貼付対象が、調湿作用を有する壁材ある請求項1に記載の調湿性壁紙。
- 前記卵殻粒子の粒径が、1μm以上100μm以下の範囲である請求項1または2に記載の調湿性壁紙。
- 壁紙表面が酸化チタンを含むコート剤で被覆されている請求項1から3のいずれかに記載の調湿性壁紙。
- 請求項1から4のいずれかに記載の調湿性壁紙の製造方法であって、
通気性を有する紙質基材の表面に接着剤を薄く塗布する工程と、接着剤が塗布された前記紙質基材の上に卵殻粒子をスプレーで吹き付ける工程と、を有することを特徴とする調湿性壁紙の製造方法。
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