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JP6076066B2 - ドア - Google Patents
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Description

本発明は、ドアに関する。さらに詳しくは、居住用建物の室内と室外とを連通する入口、とくに、高機能を要求されるマンションやホテル等の居住用建物における入口に設置されるドアであって、室内と室外との間で気体を流通させる通気機能を備えたドアに関する。
近年の居住用建物は、居住環境の向上を目的として、外部の気候が屋内環境に与える影響が少なくなるような構造が採用されている。例えば、高断熱性と高気密性、遮音性を実現できる構造が一般化している。
高断熱性等を実現できる構造に形成された建物の場合、建物内部(室内)の自然換気がほとんど期待できなくなるため、換気するための設備や機構を、建物自体またはその附属品であるドアなどに設けて、室内を換気できるようにする必要がある。
従来、室内を換気する方法として、室内と室外とを連通する入口に設置されるドアに通気機構を設けることが行われている。具体的には、ドアの内面と外面にそれぞれガラリ窓を設けて、ドア内にガラリ窓間を連通する通気通路を設けることが行われている。
単に通気するだけ場合、ガラリ窓として山型の鋼板を等間隔に並べただけの構造を有したものが使用される。しかし、かかるガラリ窓は、通気経路が開放された状態のままとなるため、換気はできても、断熱性等がなくなってしまう。このため、ガラリ窓を開閉できる板状のスライド部材を設けて、スライド部材によってガラリ窓を開閉できるものも使用されている。
例えば、特許文献1には、ドアの下端に形成された通気口とドアの室内面に設けられたガラリ窓との間を連通する通気通路をドア内に設けて、ドアに通気機能を付与している。そして、ガラリ窓を開閉できる板状のスライド部材を設けて、スライド部材によってガラリ窓を開閉できる構成としている。
しかし、特許文献1の技術の場合、ガラリ窓の部分では、室内と室外とがスライド部材一枚で分離されているだけであり、構造的に隙間があるため、ガラリ窓を閉じても断熱性や気密性は低下する。
上述したドアの性能のうち、ガラリ窓を設けたドアの遮音性を向上する技術が特許文献2に開示されている。
特許文献2には、ドアの内面と外面にそれぞれガラリ窓を設けて、ドア内にガラリ窓間を連通する通気通路を設けたドアが開示されている。この特許文献2のドアは、通気通路内に音響迷路を設け、かつ、この音響迷路内に吸音材を配置している。そして、特許文献2には、かかる構造としたことによって、換気性を確保しつつ、ガラリ窓を閉じた状態はもちろん、ガラリ窓を開いた状態でも遮音性をある程度維持できる旨が記載されている。
しかるに、ドアの遮音性は、ドアの厚さ方向にどれだけの遮音機能を発揮する部材が存在するか否か、つまり、ドアの面密度がどの程度であるかが重要である。すると、特許文献2の技術のようにドアの中央に通気通路を設けた場合には、ドアの中央の面密度が低下してしまい、特許文献2が想定するような遮音性を維持することは実質的に難しい。
しかも、ドアの断熱性を確保する上では、ドア中央部の断熱性が重要である。すると、特許文献2のようにドア中央部に通気通路を設けてしまえば、ガラリ窓の部分の断熱性が若干向上されたとしても、ドアとしての断熱性の低下は避けられない。
ところで、高い気密性を有する高機能の建物では、室内外の差圧が大きくなるため、ドアの開閉が行いにくくなるという問題もあり、かかる問題を解決する技術が開発されている(例えば特許文献3)。
特許文献3には、屋内外を連通する通気経路を設け、その通気経路の途中に設けられた仕切り体を作動させることによって、通気経路を必要に応じて開閉できる開閉機構を備えたドアが開示されている。具体的には、特許文献3のドアは、通気経路の開閉機構がドアのロック機構と連動する構造となっており、ドアが解錠されると通気経路が開放され、ドアが施錠されると流通経路が閉鎖される構成を備えている。このため、ドアが解錠すると、屋内外が連通され屋内外の差圧が小さくなるので、ドアの開閉が容易になるのである。
しかし、特許文献3のドアは、あくまでも、差圧を解消してドアの開閉を容易にする技術にすぎず、通気するためには解錠しなければならないので、このドアの通気構造(通気経路および開閉機構の構造)をそのまま換気を行うための通気機構として採用することはできない。
一方、開閉機構をドアのロック機構と連動しないようにすれば、施錠したまま室内と室外を通気させる通気機構として採用することができる可能性がある。つまり、ドアのロック機構とは別に、通気機構の開閉機構を作動させる作動機構(例えばサムターンのような作動機構)を設け、この作動機構を作動ロッドに連結した構造とすれば、特許文献3のドアの通気構造を通気機構として使用することもできる。
しかし、この場合でも、作動機構の回転動作を作動ロッドの直線動作に変換しかつ作動ロッドの直線動作をさらに仕切り体の回転運動に変換して、通気経路を開閉するものであり、その構造が非常に複雑になる。
また、特許文献3のドアでは、通気通路とは別に作動機構等を設ける空間をドア内に設ける必要がある。すると、ドア内に断熱材などが存在しない部分が増加するので、断熱性が低下することは避けられない。
以上のごとく、現状では、断熱性や気密性、遮音性を高くした高機能の居住用建物に使用されるドアにおいて、換気性を付与しても、断熱性等を高く維持できるものは存在せず、かかるドアの開発が求められている。
実公平4−49357号公報 特開平9−217561号公報 特開平2012−127128号公報
本発明は上記事情に鑑み、換気性を付与しても、断熱性や気密性、遮音性の低下を防ぐことができるドアを提供することを目的とする。
第1発明のドアは、室内と室外を連通する通気機能を備えたドアであって、該ドアには、室内と該ドア内部とを連通する室内側通気口と、該室内側通気口よりも下方に配置された室外と該ドア内部とを連通する室外側通気口と、該室外側通気口と前記室内側通気口との間を連通する連通通路と、が形成されており、該連通通路は、該ドアの表面に沿った方向に空気を流通させる連結流路を有しており、該連結流路には、前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を連通遮断する連通遮断機構が設けられており、該連通遮断機構は、前記連結流路を前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を上下に分離する部材であって、前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を上下方向に沿って連通する通気孔を有する分離部材と、該分離部材に上方から接近し前記通気孔を塞ぐ遮断位置と、該分離部材から上方に離間し前記通気孔を開口する連通位置と、の間で移動可能に設けられた長尺な板状の部材である遮断部材と、前記遮断部材を、前記遮断位置と前記連通位置との間で移動させる遮断部材移動機構と、を備えており、該遮断部材移動機構が、前記遮断部材の上面に設けられた、該遮断部材の長手方向に沿って延びる受圧面を有する受圧部と、前記遮断部材の上面において該遮断部材の長手方向に沿って並ぶように設けられた係合部と、を備えており、前記遮断部材の長手方向に沿って前記受圧部と前記係合部との間で移動可能に設けられた一つの固定部材と、該ドアの室内側から操作して該一つの固定部材を移動させる固定部材移動手段と、備えており、前記一つの固定部材は、前記固定部材移動手段によって前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態で前記受圧部まで移動されると、該一つの固定部材と前記分離部材との間に前記遮断部材を挟んで保持できるように設けられており、前記係合部は、前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態かつ前記一つの固定部材が前記受圧部に配置されている状態から前記固定部材移動手段によって前記一つの固定部材を前記係合部まで移動させると、前記一つの固定部材が係合し前記遮断部材が前記連通位置に移動されるように形成されていることを特徴とする。
第2発明のドアは、第1発明において、前記受圧部は、前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態において、前記受圧面から前記分離部材の上面までの距離が、前記一つの固定部材の下端から前記分離部材の上面までの距離よりも長くなるように形成されており、前記係合部には、開口が前記受圧部側を向いた状態となるように前記遮断部材の長手方向に沿って延びる溝状の収容部が形成されており、該収容部は、前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態において、該収容部の上面から前記分離部材の上面までの距離が、前記一つの固定部材の上端から前記分離部材の上面までの距離よりも短くなるように形成されている。ことを特徴とする。
第3発明のドアは、第1または第2発明において、前記遮断部材は、前記遮断位置において、前記分離部材と接触する接触部を備えており、該接触部が、前記分離部材および前記遮断部材よりも柔らかい材料によって形成されていることを特徴とする。
第4発明のドアは、第1、第2または第3発明において、前記連通通路には、前記遮音材が設けられており、該遮音材は、前記連通通路内において、前記室内側通気口と対向する位置に配設されていることを特徴とする。
第5発明のドアは、第1、第2、第3または第4発明において、前記分離部材は、前記室内側通気口を囲むように配設された複数の分離壁を備えており、該複数の分離壁によって前記室外側通気口と分離された空間を有しており、前記複数の分離壁のうち、前記室外側通気口と非対向の分離壁に前記通気孔が設けられていることを特徴とする。
第6発明のドアは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記遮断部材が、前記分離部材に対して揺動可能に設けられており、前記固定部材移動手段は、前記一つの固定部材を、該一つの固定部材が前記係合部に係合する係合位置から該一つの固定部材が前記分離部材との間に前記遮断部材を挟んで保持する保持位置まで直線的に移動させるものであり、前記係合部は、前記一つの固定部材が前記係合位置から前記保持位置まで直線的に移動する間に、前記遮断部材の揺動量が徐々に大きくなるように形成されている特徴とする。
(防火性)
第7発明のドアは、第1、第2、第3、第4、第5または第6発明において、前記遮断部材は、該遮断部材を前記遮断位置に移動させるような力が常時加わるように設けられており、前記遮断部材移動機構が、前記遮断部材が前記連通位置に配置されると、その状態で前記遮断部材を保持する保持部材を備えており、該保持部材の全体または一部が温度ヒューズ機能を有していることを特徴とする。
第1発明によれば、遮断部材移動機構によって遮断部材を遮断位置から連通位置に移動させれば、室外側通気口と室内側通気口との間が、連結流路および分離部材の通気孔を介して連通される。したがって、遮断部材移動機構を作動させることによって、室内外を連通することができ、室内を換気することができる。しかも、一つの固定部材を移動させて係合部と係合離脱させるだけで遮断部材の位置を移動させることができるので、遮断部材移動機構の構造を簡単な構造にすることができる。また、遮断部材を遮断位置にした状態で、遮断部材を一つの固定部材と分離部材との間に挟んで保持すれば、遮断部材を分離部材にしっかりと密着させておくことができる。すると、遮断部材と分離部材との間の気密性を高めることができるから、ドアに通気機能を設けてもドアによる気密性を高くすることができる。また、風やその他の外的な要因により遮断部材が振動することも防ぐことができる。さらに、遮断部材は、ドアの表面に沿った方向に空気を流通させる連結流路の位置で室外側通気口と室内側通気口とを分離するので、室外側通気口と遮断部材との間に緩衝空間を形成できる。すると、外気が直接室内側通気口に接触する場合に比べて、断熱性を向上させることができる。
第2発明によれば、固定部材を直線的に移動させるだけで、固定部材が受圧部を押圧している状態から係合部の収容部に係合する状態となっているので、遮断部材移動機構の構造を簡単な構造をすることができる。
第3発明によれば、接触部が、分離部材および遮断部材よりも柔らかい材料で形成されているので、接触部を分離部材に密着させることができる。すると、室外側通気口と室内側通気口の間の気密性を高めることができ、遮音性も向上させることができる。また、万が一遮断部材が振動した場合でも、騒音の発生を防止することができる。
第4発明によれば、室内側通気口や連通通路を設けたことによるドアの厚さ方向の面密度の低下に起因する遮音性の低下を、遮音材によってカバーすることができるので、遮音性を向上させることができる。
第5発明によれば、複数の分離壁によって室内側通気口を室外側通気口と分離できるので、断熱効果と遮音効果を高めることができる。
第6発明によれば、固定部材を直線的に移動させるので、固定部材を移動させる構造を簡単な構造とすることができる。また、遮断部材は分離部材に対して揺動可能に設けられており、しかも、係合部は固定部材が保持位置から係合位置まで直線的に移動する間に、遮断部材の揺動量が徐々に大きくなるように形成されている。すると、固定部材を保持位置から係合位置まで移動させる際の抵抗を小さくすることができる。
第7発明によれば、遮断部材を連通位置にした状態において、火災などの際に遮断部材を遮断位置に移動させることができる。
本実施形態のドア1を備えたドアユニットDUの概略説明図であって、(A)は室内側から見た状態の図であり、(B)は通気プレート1pの概略拡大図である。 本実施形態のドア1を備えたドアユニットDUの概略断面説明図であって、連通遮断装置10を設けた部分の概略拡大説明図である。 連通遮断装置10の作動状態の説明図であって、(A)が遮断プレート12を遮断位置に配置した状態であり、(B)が遮断プレート12を連通位置に配置した状態である。 連通遮断装置10の作動状態を説明する斜視図であって、(A)が遮断プレート12を遮断位置に配置した状態であり、(B)が遮断プレート12を連通位置に配置した状態である。 本実施形態のドア1を備えたドアユニットDUを設けた玄関の概略説明図である。 他の実施形態のドア1を備えたドアユニットDUの概略説明図であって、(A)は室内側から見た状態の図であり、(B)は通気プレート1pの概略拡大図である。 他の実施形態のドア1を備えたドアユニットDUの概略断面説明図であって、連通遮断装置を設けた部分の概略拡大説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明のドアは、居住用建物の室内と室外とを連通する入口に取り付けられるドアであって、室内と室外とを連通する通気機能を付与しても、断熱性や気密性、遮音性が低下することを防止できるようにしたことに特徴を有している。
本発明のドアが設置される居住用建物はとくに限定されないが、例えば、外部との間の断熱性や気密性、遮音性を高く維持しておくことが望まれる居住空間と外部との間を分離するドアとして適している。例えば、マンション等の集合住宅の各住戸やホテルの各部屋等のように、外部と室内との間を高機能(高断熱性や高気密性、遮音性等)で分離することが要求される居室の入口に設置されるドアに適している。もちろん、マンションの各住戸の部屋同士や部屋と廊下を仕切るドアとしても採用することができる。
以下では、マンションの住戸の玄関ドアに使用した場合を代表として説明する。
(ドアユニットDU)
まず、本実施形態のドア1を説明する前に、本実施形態のドア1を採用したドアユニットDUを簡単に説明する。
図5において、符号EWは住戸の玄関出入口のドアユニットを取付けるための開口部を有する玄関側壁を示しており、符号Fは共用廊下を示している。
図5に示すように、ドアユニットDUは、玄関側壁EWに形成されている開口に取り付けられるものであり、ドア1と、このドア1が取り付けられる戸枠DFと、を備えている。
図1に示すように、戸枠DFは、一対の竪枠Da、Dbと、この竪枠Da、Dbの下端間および上端間をそれぞれ繋ぐように設けられた下枠Dcと上枠Ddとから構成されている。そして、戸枠DFは、一対の竪枠Da、Dbと下枠Dc、上枠Ddに囲まれた、正面視略長方形の開口Dh(図2参照)を有している。
なお、本明細書において、開口Dhとは、戸枠DFの前後を完全に連通している空間を意味しており、開口Dhには戸枠DFに形成されている戸当りの部分は含まれていない。
図2に示すように、戸枠DFにはドア1が取り付けられている。このドア1は、開口Dhと略相似形であって、開口Dhよりもやや大きくなるように形成されたものである。つまり、ドア1を閉じた状態(図2の状態)において、戸枠DFの開口Dhを塞ぐことができる大きさにドア1は形成されている。
このドア1は、連結手段によって、戸枠DFに揺動可能に連結されている。具体的には、ドア1は、その戸尻(図1では左側の端部)を支点として、戸先(図1では右側の端部)が水平に揺動できるように、連結手段によって、戸枠DFに連結されている。つまり、戸先を支点として揺動させれば、ドア1の開口Dhを開閉することができるのである。
図2に示すように、戸枠DFにおける正面側の面(図2では左側の面)には、いわゆる戸当りが設けられている。この戸当りは、通常、一対の竪枠Da、Dbおよび上枠Dd、下枠Dcの全てに設けられている。そして、この戸当りには、一般的に、クッションPが取り付けられている。このクッションPは、ドア1を閉めたときの衝撃を吸収するとともに、戸枠DFとドア1との間の気密性を保つために設けられている。
つまり、クッションPがドア1の開口Dhを囲むように配設されているので、ドア1をその表面がクッションPに接触するように閉じれば、開口Dhをほぼ気密に閉じることができるのである。
したがって、図5に示すように、ドアユニットDUを玄関側壁EWに形成されている開口に取り付けて、ドア1を閉めれば、ドアユニットDUの開口Dhをほぼ気密に閉じることができるので、室内と室外をほぼ気密に分離することができるのである。
なお、戸当りに取り付けられるクッションPはとくに限定されないが、通常、内部が中空となったものが使用される。その理由は、クッションPの柔軟性を高めて、衝撃吸収性やドア1との密着性を高めるためである。とくに、ドアユニットDUの気密性を高める上では、クッションPとドア1との接触面積を大きくして、ドア1との密着性を高めることが好ましい。例えば、先端面が略平坦面となったクッションを使用すれば、ドアユニットDUの気密性を高めることができる。
(ドア1)
つぎに、本実施形態のドア1について説明する。
本実施形態のドア1は、断熱性および遮音性を有するドアである。具体的には、図2に示すように、ドア1は、一対の表面板1a,1bを有しており、この一対の表面板1a,1b間に断熱材や遮音材などの内部部材1cを挟んで形成されている。このため、ドア1単体で、ある程度の断熱性および遮音性を有している。
一方、本実施形態のドア1は、上述したようにドアユニットDUに取り付けた際に、ドア1を閉めるとドアユニットDUの開口Dhをほぼ気密に閉じた状態としつつ、ドア1を通して通気できるように、連通遮断装置10を備えている。
(連通遮断装置10)
つぎに、ドア1の連通遮断装置10を説明するが、以下では、図2において、ドア1に対して右側が室内空間となり、ドア1に対して左側が室外空間となるように、本実施形態のドア1を備えたドアユニットDUを設置した場合について説明する。
なお、以下では、ドア1の一対の表面板1a,1bのうち、表面板1aを内面板1aといい、表面板1bを外面板1bという。
(ドア1の構造)
図2に示すように、本実施形態のドア1の下部には、上述した内部部材1cが収容されていない部分が設けられている。この部分には、内面板1aと外面板1bとの間に空間1hが形成されている。そして、本実施形態のドア1では、この空間1hを介して、室内空間と室外空間が連通されるようになっている。
具体的には、ドア1の下端に開口1eが設けられている。図2に示すように、ドア1をドアユニットDUに取り付けた際には、下枠Dcの戸当りに設けられているクッションPと内面板1aの下端とが密着する。しかし、ドア1の下端と下枠Dcの上面との間には隙間gが形成される。したがって、隙間gと開口1eを介して、ドア1下部の空間1hが室外空間と連通されている。
一方、内面板1aには、その表裏を貫通する貫通孔である開口1rが設けられている。この開口1rには、開口1rを塞ぐように通気プレート1pが取り付けられている。しかし、通気プレート1pには、複数の貫通孔Thが形成されている(図1参照)。したがって、通気プレート1pの複数の貫通孔Thを介して、空間1hと室内空間は連通されている。なお、通気プレート1pの中央部には、貫通孔Thとは別に、後述する遮断部材移動機構20の操作部25が配置される開口sが設けられている。
上記のごとき構造であるので、本実施形態のドア1では、隙間g、開口1e、空間1hおよび通気プレート1pの複数の貫通孔Thを介して、室内空間と室外空間とが連通されている。つまり、開口1eから空間1hに流入した外気を貫通孔Thから室内に供給できるし、室内の空気を貫通孔Th空間1hに流入させ開口1eと隙間gを通して室外に排出することができるのである。言い換えれば、隙間g、開口1e、空間1hおよび通気プレート1pの複数の貫通孔Thを介して、室内空間を換気することが可能となるのである。
上記開口1e、通気プレート1pの複数の貫通孔Th、空間1hが、それぞれ、特許請求の範囲にいう、室外側通気口、室内側通気口、連通通路に相当する。以下では、開口1eを室外側通気口1e、通気プレート1pの複数の貫通孔Thを室内側通気口Th、空間1hを連通通路1hとする。また、図2に示すような構造の場合、連通通路1hにおいて、室外側通気口1eの最も室外側通気口1eに近い貫通孔Th(言い換えれば最も下方に位置する貫通孔Th)までの部分が、特許請求の範囲にいう連結流路に相当する。
なお、開口1eは、ドア1の下端幅方向全体に形成されていてもよいし、ドア1の下端幅方向の一部に形成されていてもよい。とくに、ドア1の幅方向において、内面板1aに開口1rが設けられている位置と対応する位置に設けられていることが望ましい。
また、ドア1の下端に開口1eが設けられていることによって強度が低下している。具体的には、内面板1aと外面板1bとを接近離間させる方向に対する強度が低下している。このため、下端に開口1eが設けられたドア1には、内面板1aと外面板1bとを連結する壁部材、つまり、内面板1aおよび外面板1bと交差する壁状部分を有する強度保持部材1fが設けられる。例えば、ほぼドア1の幅と同じ長さ、詳しくは、ドア1の戸先側端部の内面と戸元側端部の内面間の距離とぼほ長さを有するC型鋼が、強度保持部材1fとしてドア1の下端内部に配置される。なお、かかる強度保持部材1fを設けた場合には、強度保持部材1fの壁状部分によって室外側通気口1eと室内側通気口Thとの間の通気が阻害(または気密に遮断)される。このため、両者間の通気性を向上させるために、強度保持部材1fの上記壁状部分には、壁状部分を貫通する貫通孔が形成される。この貫通孔を設ける位置や大きさはとくに限定されないが、通気性を向上させるために、通常は室外側通気口1eと対応する位置および大きさに設けられる。
以下では、ドア1の下端に、図2のような強度保持部材1fが設けられ、強度保持部材1fの上記壁状部分に貫通孔が形成されている場合を代表として説明する。
(連通遮断装置10)
図2に示すように、連通通路1hには、室外側通気口1eと室内側通気口Thとの間において、両者間の空気の流れを許容したり遮断したりする連通遮断機構20を備えた連通遮断装置10が設けられている。
以下、図2〜図4に基づいて連通遮断装置10を説明するが、図4では、構造を理解しやすくするために、分離部材11の側面プレート11bの記載は省略している。
図2に示すように、連通遮断装置10は、室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間に配置される分離部材11を備えている。この分離部材11は、断面視略U字状に形成された長尺な部材である。具体的には、分離部材11は、底面に位置する分離プレート11aと、この分離プレート11aの幅方向の両端部に立設された側面プレート11b,11cとから構成されている。
図1に示すように、分離部材11の分離プレート11aは、その下面が強度保持部材1fの壁状部分の上面と密着した状態となるように設けられている。この分離プレート11aは、その長さが強度保持部材1fの上記壁状部分を貫通する貫通孔の長さよりも若干長くなるように形成されている。言い換えれば、室外側通気口1eの長さよりも若干長くなるように形成されている。この分離プレート11aには、強度保持部材1fの壁状部分の貫通孔に対応する位置に通気孔11hが形成されている。例えば、通気孔11hは、分離プレート11aの軸方向の中間部分、つまり、上述した通気プレート1pが設けられている部分の近傍に位置する部分に形成される。
なお、分離プレート11aの長さ、つまり、分離部材11の長さは、室外側通気口1eの長さ、言い換えれば、強度保持部材1fの壁状部分の貫通孔を覆うことができる程度の長さになっていればよい。とくに、内面板1aに形成されている開口1rからドア1の空間1h内に入れることができる程度の長さが好ましい。
また、分離部材11は、その幅、つまり、分離部材11の側面プレート11b,11cの外面間の距離が、ドア1の内面板1aと外面板1bの内面間の距離とほぼ同じ長さとなるように形成されている。
したがって、連通通路1hに分離部材11を配置すれば、連通通路1hを室内側通気口Thと室外側通気口1eとに分離でき、通気孔11hのみで両者間を連通することができる。
図2に示すように、分離部材11の分離プレート11aに対して、室内側通気口Th側(図2では上方)には、遮断プレート12が設けられている。この遮断プレート12は、長尺な板状の部材である。この遮断プレート12は、その幅が分離プレート11aに形成されている通気孔11hの幅(図2の左右方向の幅)よりも広くなるように形成されており、その長さも通気孔11hの長さ(図2の紙面と垂直な方向の長さ)よりも長くなるように形成されている。そして、この遮断プレート12は、分離部材11の側面プレート11bに揺動可能に取り付けられている。そして、遮断プレート12は、分離プレート11aに接近するように揺動した場合には、その下面が分離プレート11aの上面と接触し、分離プレート11aの通気孔11hを塞ぐことができるように配設されている。
したがって、遮断プレート12を分離プレート11aに接近するように揺動させれば、室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間を気密に分離することができるのである。つまり、遮断プレート12を揺動させれば、遮断プレート12によって通気孔11hを開閉できるので、室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間を連通遮断することができるのである。
なお、遮断プレート12を分離部材11の側面プレート11bに揺動可能に取り付ける方法はとくに限定されない。例えば、図2に示すように蝶番によって側面プレート11bと遮断プレート12とを連結すればよい。
また、遮断プレート12による通気孔11hを閉じたときの気密性を高める上では、遮断プレート12において分離プレート11aと接触する面に、例えばシート状や板状の密閉材12pを設けておくことが好ましい。具体的には、密閉材12pには、分離プレート11aや遮断プレート12よりも柔らかい材料を使用することが好ましい。かかる密閉材12pを設けると、遮断プレート12よりも分離プレート11aとの密着性を向上させることができるので、遮断プレート12により通気孔11hを閉じたときの気密性を高めることができ、遮音性も向上させることができる。また、風等の外力によって万が一遮断プレート12が振動した場合でも、騒音の発生を防止することができる。密閉材12pの素材はとくに限定されないが、分離部材11や遮断プレート12をステンレス等の金属によって形成した場合には、例えば、密閉材12pをポリ塩化ビニルなどの樹脂によって形成することができる。
(遮断部材移動機構)
図2〜図4に示すように、連通遮断装置10は、遮断プレート12を揺動させる遮断部材移動機構20を備えている。この遮断部材移動機構20は、操作部25を操作することによって、遮断プレート12を遮断位置と連通位置との間で揺動させるものである。遮断位置とは、上述したように、遮断プレート12が分離プレート11aに面接触して通気孔11hを塞ぐ位置であり(図3(A)、図4(A)参照)、連通位置とは、遮断プレート12が分離プレート11aから離間するように揺動して、通気孔11hを開口する位置である(図3(B)、図4(B)参照)。
以下、遮断部材移動機構20を構成する各部を説明する。
図2〜図4に示すように、遮断プレート12の背面(分離プレート11aと反対側の面)には、受圧部21と係合部22とが設けられている。
受圧部21は、遮断プレート12の背面に形成された壁状の部分である。この受圧部21の先端部分(つまり遮断プレート12の背面から離れた部分)は、遮断プレート12の長手方向に沿って延びる受圧面を有している。この受圧面は、後述する操作部25の固定部材28が接触する部分である。そして、受圧面は、遮断プレート12が遮断位置に配置されたときにおいて、受圧面から分離プレート11aまでの距離が、固定部材28の下端から分離プレート11aまでの距離よりも若干長くなるように形成されているが、その理由は後述する。
図2〜図4に示すように、受圧部21の側方には係合部22が設けられている。この係合部22は、正面視略コの字に形成された部材である。具体的には、係合部22は、遮断プレート12の長手方向に沿って延びる溝状の収容部が形成されている。この係合部22の収容部は後述する操作部25の固定部材28が係合する部分であり、この収容部の開口が受圧部21側を向いた状態となるように、係合部22は受圧部21の側方に配設されている。しかも、収容部は、遮断プレート12が遮断位置に配置されたときにおいて、その上面(遮断プレート12の背面から離れた内面)から分離プレート11aまでの距離が、固定部材28の上端から分離プレート11aまでの距離よりも短くなるように形成されているが、その理由は後述する。
つぎに、操作部25を説明する。
図1〜図3に示すように、操作部25は、ケース26を備えており、このケース26は分離部材11の側面プレート11cに取り付けられている。そして、操作部25のケース26は、側面プレート11cに取り付けられた状態において、通気プレート1pの開口sに位置するように配設されている。つまり、操作部25のケース26は、ドア1の内面板1a側に露出するように側面プレート11cに取り付けられているのである。
図1〜図3に示すように、このケース26には、移動プレート27が設けられている。この移動プレート27は、ケース26が側面プレート11cに取り付けられた状態において、遮断プレート12の長手方向に沿って移動可能に設けられている。この移動プレート27には、ドア1の内面板1a側の面につまみ27aが設けられている。このつまみ27aは、ケース26からドア1の内面板1a側に突出しており、このつまみ27aを操作することによって、移動プレート27を移動させることができるようになっている。
一方、移動プレート27には、上述した固定部材28が取り付けられた支持プレート29が設けられている。この支持プレート29は、その一端(図2では上端)が移動プレート27に連結されており、その他端(図2では下端)に固定部材28が取り付けられている。
固定部材28は、円筒状をした部材であり、その軸方向の一端(基端)が移動プレート27に連結されている。しかも、固定部材28は、その軸方向が分離プレート11aと略平行かつ分離プレート11aの長手方向と直交するように設けられている。そして、固定部材28は、その先端が受圧部21および係合部22よりも側面プレート11b側に位置する程度の長さを有している。
(連通遮断切り替え操作)
以上のごとき構造を有する遮断部材移動機構20によって、室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間を連通遮断する操作を説明する。
まず、図3(A)および図4(A)に示すように、遮断プレート12が遮断位置に配置されている状態とする。この状態で、遮断部材移動機構20のつまみ27aを操作して、移動プレート27を移動させて、固定部材28を受圧部21の位置まで移動させる。
上述したように、受圧部21は、遮断プレート12が遮断位置に配置された状態では、その受圧面から分離プレート11aまでの距離が、固定部材28の下端から分離プレート11aまでの距離よりも若干長くなるように形成されている。このため、固定部材28が受圧部21の位置に配置されると、受圧部21と遮断プレート12が、固定部材28と分離プレート11aに挟まれた状態となる。言い換えれば、受圧部21が固定部材28によって分離プレート11aに向かって押しつけられたような状態となる。
すると、分離プレート11aと遮断プレート12とがしっかりと密着したような状態となるので、室外側通気口1eと室内側通気口Thとの間の気密性、言い換えれば、室内と室外との間の気密性を高めることができる。したがって、ドア1に通気機能を設けてもドア1の気密性を高くすることができる。しかも、室外側通気口1eから流入する風やその他の外的な要因により遮断プレート12に力が加わっても、固定部材28、支持プレート29および移動プレート27によって遮断プレート12の移動を固定できるから、遮断プレート12が振動したりすることも防ぐことができる。
一方、図3(A)および図4(A)の状態から、遮断部材移動機構20のつまみ27aを操作して、移動プレート27を移動させて、固定部材28を係合部22に向かって移動させる。すると、係合部22は、その収容部の開口が受圧部21側を向いた状態となるように配設されているので、固定部材28は、その開口から収容部内に進入する。収容部は、遮断プレート12が遮断位置に配置されたときにおいて、その上面から分離プレート11aまでの距離が、固定部材28の上端から分離プレート11aまでの距離よりも短くなるように形成されている。このため、固定部材28が収容部に進入すると、係合部22には、固定部材28から係合部22を上方に押し上げるような力が加わる。言い換えれば、固定部材28が収容部に進入することによって、遮断プレート12を持ち上げるような力が発生することになる。
遮断プレート12は、分離部材11の側面プレート11bに揺動可能に取り付けられているので、上述したような力が加わると、その側面プレート11b側の端部を支点として、上方に、つまり、分離プレート11aから離間するように遮断プレート12が揺動する。すると、遮断プレート12を連通位置まで移動させることができるので、通気孔11hを開くことできる。したがって、室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間を連通することができるから、室内外を連通することができ、室内を換気することができるのである(図3(B)、図4(B)参照)。
しかも、移動プレート27は、遮断プレート12の長手方向に沿って移動可能に設けられている。つまり、移動プレート27を移動させることによって、固定部材28は、遮断プレート12の長手方向に沿って、言い換えれば、分離プレート11aの表面と平行に直線的に移動する。
一方、受圧部21と係合部22とが、遮断プレート12の長手方向に沿って並んで配置されており、しかも、係合部22の収容部の開口が受圧部21を向いた状態となるように配設されている。
このため、つまみ27aを直線的に移動させて、移動プレート27とともに固定部材28を直線的に移動させれば、固定部材28を受圧部21の受圧面上に配置したり、係合部22の収容部に進入させたりすることができる。
つまり、遮断部材移動機構20として、つまみ27aを直線的に移動させて固定部材28を係合部22の収容部に係合させるような構造を採用しているので、遮断部材移動機構20の構造を簡単な構造をすることができる。
なお、係合部22の収容部は、その開口近傍では、上面がテーパ状に形成されていることが好ましい。具体的には、収容部の開口近傍では、収容部の奥から開口に向かって上傾するように(つまり分離プレート11aから離間するように)、収容部の上面が形成されていることが好ましい。かかる形状となっていれば、固定部材28が保持位置から係合位置まで直線的に移動する間に、遮断プレート12の揺動量が徐々に大きくなるので、固定部材28を係合位置まで移動させる際の抵抗を小さくすることができる。
また、受圧部21の受圧面は、遮断プレート12の背面と平行な平坦面となっていてもよいし、その長手方向に沿って凹凸を有する面となっていてもよいし、階段状になっていてもよい。
凹凸を有する面となっていれば、凹んだ部分に固定部材28が配置されれば、受圧部21の受圧面の長手方向に沿った固定部材28の移動の保持しておくことができる。
また、受圧部21の受圧面が階段状になっていれば、固定部材28と分離プレート11aとの間に遮断プレート12を挟んだ状態での固定状態を変化させることができる。言い換えれば、固定部材28が受圧部21を介して遮断プレート12を分離プレート11aに押圧する力を調整することができる。具体的には、受圧部21の受圧面が、係合部22から離れるに従って高くなる(分離プレート11aからの距離が離れる)ように形成する。すると、固定部材28を係合部22から離れる方向に移動させれば、段階的に押圧する力を大きくできるので、つまみ27aを操作したときの操作性を向上させることができるという利点が得られる。
上述した、固定部材28が係合部22の収容部に進入してテーパ状の部分よりも奥まで入って係合している位置(図4(B)参照)が、特許請求の範囲にいう係合位置であり、固定部材28が受圧部21の受圧面上に配置されている位置(図4(A)参照)が特許請求の範囲にいう保持位置である。
なお、遮断部材移動機構20は上記のごとき構造に限られず、同様の機能を発揮させることができる種々の機構を採用することができる。具体的には、分離プレート11aの表面と直交し、かつ、その表面の法線方向に沿って移動できるような軸状部材を設け、この軸状部材によって分離プレート11aを揺動させるようにしてもよい。例えば、ドア1の内面板1aの内面に、図2における上下方向に沿って移動可能な軸状部材を設けておく。そして、その軸状部材の下端を遮断プレート12に連結しておく。一方、軸状部材の上端を、軸状部材を上下方向に移動できかつその移動を固定できる機能を有する操作部に連結した構造とする。すると、上述した遮断部材移動機構20と同様の機能を発揮させることも可能である。
(他の実施形態)
また、分離部材を、室外側通気口Th(言い換えれば、ドア1の内面板1aの開口1r)を囲むような構造としてもよい。
例えば、図7に示すように、室内側通気口Thに開口を有する箱状の分離部材40を配置する。すると、分離部材40内には、室外側通気口1eとは分離されているが、室外側通気口Thとは連通された空間40hを形成することができる。そして、分離部材40の上側の壁41に、貫通孔41hを形成する。そして、この壁41の上方に、上述した連通遮断装置10と実質的に同様の構造を有する連通遮断装置50を設ける。
上記のごとき構造とした場合、分離部材40の複数の壁によって室内側通気口Thを室外側通気口1eからより確実に分離できるので、断熱効果を高めることができる。しかも、貫通孔41hを室外側通気口1eと対向しない上側の壁41に設けたことによって、室内側通気口Thから室外側通気口1eまでの流路が屈曲する。すると、流路が音響迷路のごとき機能を発揮するので、遮音性を向上させることもできる。
とくに、分離部材40の内面に、後述するような遮音材を設けても遮音性を向上させることができる。とくに、遮音材として、空間40h内に吸音材を配置すれば、ドア1の厚さ方向の面密度をあげることができるので、より一層遮音効果を高くすることができる。
なお、上記例では、分離部材40の上側の壁41に貫通孔41hを形成したが、貫通孔41hを形成する壁はとくに限定されず、室外側通気口1eと非対向の位置に設けられた壁であれば、上述したような遮音性は向上させることができる。
(室内側通気口Thの位置について)
上記例では、室内側通気口Thをドア1の下部に形成した場合を説明したが、室内側通気口Thを設ける位置はとくに限定されないが、図1および図2に示すように、室内側通気口Thはドア1の下部に設けることが好ましい。この場合、室外側通気口1eから室内側通気口Thまでの流路が単純になり、通気経路を最短にできるので、換気機能を向上させることができる。しかも、ドア1の下端から室内側通気口Thまでの距離を短くすれば、ドア1の高断熱領域の中央部を広く設けることができる。しかも、ドア1内部における気体の対流を最小限に抑えることができるので、連通遮断装置10を設けたことによる断熱性能の低下を抑えることができる。
(室外側通気口1eの位置について)
上記例では、室外側通気口1eをドア1の下端に形成した場合を説明したが、室外側通気口1eを設ける位置はとくに限定されない。例えば、ドア1の側面(戸先側端部や戸元側端部)やドア1の上端に設けてもよい。この場合でも、内面板1aに開口1rを設けて通気プレート1pを配置すれば、室外側通気口1eと通気プレート1pとの間の流路を連通通路1hとすることができる。しかし、断熱性を考慮すれば、室外側通気口1eをドア1の下端に設け、かつ、室内側通気口Thをドア1の下端部に設けることが最も望ましい。
また、外面板1bに開口を形成して室外側通気口1eを設けてもよい。この場合でも、室外側通気口1eと室内側通気口Thがドア1の面方向において重ならないようになっていれば、連通通路1hにおいて両者間に位置する部分を連結流路とすることができる。なお、この場合でも、できるかぎり連通通路1hを短くすることが、換気および断熱性の点では望ましい。
(通気プレート1p)
上記例では、通気プレート1pに形成する貫通孔Thの形状はとくに限定されず、図1および図6に示すように、略方形の貫通孔としてもよいし、円形の孔や縦に長いスリット状としてもよい。
また、通気プレート1pを設けずに、直接内面板1aに貫通孔を形成して室内側通気口としてもよい。この場合には、ドア1の外観を向上させることができるという利点がある。一方、通気プレート1pを設けた場合には、通気プレート1pを取り外せば、連通遮断装置10のメンテナンスや交換が可能となるという利点が得られる。
なお、通気プレート1pの内面に不織布等のシートを取り付けておいてもよい。この場合には、外部から連通通路1h内に侵入した埃などが室内に入ることを防ぐことができるという効果が得られる。
(遮音性)
遮音性を向上させる上では、連通通路1h内に遮音材SBを設けることが好ましい。具体的には、連通通路1h内において、室内側通気口Thと対向する位置に遮音材SBを配設する(図2参照)。すると、室内側通気口Thや連通通路1hを設けたことによるドア1の厚さ方向の面密度の低下に起因する遮音性の低下を、遮音材によってカバーすることができるので、遮音性を向上させることができる。したがって、室内から漏れる音や外部から室内に透過する音を小さくすることができる。
なお、連通通路1h内に設ける遮音材SBはとくに限定されない。
例えば、外面板1bの内面に適切な厚さの鋼板を取り付けて、遮音材SBとすることも可能である。
また、遮音材SBとして、一般的な吸音材を使用してもよい。例えば、連通通路1h内に吸音材を配置すれば、吸音材を設けた部分では、ドア1の厚さ方向の面密度をあげることができる。すると、ドア1の幅方向に沿って室内側通気口Thから外部に透過する音や、ドア1の幅方向に沿って外部から室内側通気口Thに透過する音を、吸音材(つまり遮音材SB)と干渉させて減衰させることができる。
遮音材SBを設ける位置は図2に記載されている位置に限定されず、適切な遮音機能を発揮させることができる位置(例えば、室内側通気口Thと対向する位置など)に設けられていればよい。
遮音材SBの大きさや形状も図2に記載されているような大きさ形状に限定されない。遮音材SBはその表面積や厚さが大きくなるほど遮音性が向上するが、ドア1の仕様や用途等に合わせて適切な遮音機能を発揮することができる大きさや形状に形成された遮音材SBを使用すればよい。
(防火性)
また、遮断部材移動機構20を上記のごとき構成とした場合には、遮断プレート12を火災時に室外側通気口1eと室内側通気口Thとの間を隔離する防火板として使用することも可能となる。
具体的には、上述した固定部材28や支持プレート29、または支持プレート29を移動プレート27に固定する連結部材SPなどを、温度ヒューズ機能を有する材料で形成する。すると、通気状態で火災となった場合でも、これらの部材が溶けて外れたり強度が低下したりするので、遮断プレート12を通気位置に保持しておくことができなくなる。すると、遮断プレート12は重力によって遮断位置となるように揺動するので、室外側通気口1eと室内側通気口Thとの間を隔離することができる。
上記の構成とした場合には、固定部材28、支持プレート29、支持プレート29が特許請求の範囲にいう保持部材に相当する。
また、上記のごとき構造において、温度ヒューズが溶けた時に、遮断プレート12の揺動を固定できるようになっていることが好ましい。すると、遮断プレート12が遮断位置に配置された後、火災時の風などによって遮断プレート12が動いて室外側通気口1eと室内側通気口Thとが連通することを防止することができる。
例えば、以下のような構造とすることが考えられる。
支持プレート29を移動プレート27に複数本のピンで固定するようにして、その内の1本のピンを除き、他の全てのピンを温度ヒューズの機能を有するものとする。例えば、支持プレート29と移動プレート27を2本のピンで固定する構造とし、そのうちの一方のピンを温度ヒューズの機能を有するもの(温度ヒューズピン)とする。そして、他方のピンに対して支持プレート29が揺動できるようにしておく。すると、火災時には、温度ヒューズピンが溶けるものの、他方のピンによって支持プレート29と移動プレート27は連結された状態に維持される。しかも、他方のピンを支点として、支持プレート29は遮断プレート12に向かって揺動し、固定部材28は遮断プレート12上に載った状態となる。かかる状態となったときに、支持プレート29をケース26や側面プレート11cとを係合させる係合機構を設けておけば、支持プレート29が移動できなくなるので、遮断プレート12は固定部材28と分離プレート11aに挟まれる。したがって、遮断プレート12の揺動を固定できる。支持プレート29をケース26や側面プレート11cと係合させる係合機構はとくに限定されないが、例えば、ケース26や側面プレート11cに突起を形成しておき、支持プレート29に上記状態で係合する切り欠きを設ける機構を挙げることができる。また、支持プレート29が下方に揺動した状態において、他方のピンの中心軸と固定部材28の中心軸とが分離プレート11aの上面と直交する同一面上に位置するような構造とすれば、上述したような係合機構を設けなくても、支持プレート29の移動を固定することもできる。
なお、遮断プレート12を遮断位置に移動させるような力が常時加わるように遮断プレート12を設ければ、連結部材SP等が溶けた際に、確実に遮断プレート12を揺動させて、遮断プレート12を遮断位置に移動させることができる。
例えば、通気位置から遮断位置に遮断プレート12が揺動するように付勢する付勢手段を設けてもよい。この場合には、連結部材SP等が溶けた際に、確実に遮断プレート12を揺動させて遮断位置に移動させることができる。しかも、火災時の風などによって遮断プレート12が動いて室外側通気口1eと室内側通気口Thとが連通することを防止することができる。
しかし、図2のように、遮断プレート12に対して、重力によって遮断位置に移動させるような力が加わるようにしておけば、特別な付勢手段を設けなくてもよいので、遮断部材移動機構20の構造を簡単な構造とすることができる。
(遮断プレート12について)
遮断プレート12は、単なる板状の部材で形成してもよいが、図2に示すようにL字状に形成してもよい。L字状に形成すれば、遮断プレート12の厚さを薄くしても、遮断プレート12の強度を高めることができるので、遮断プレート12自体を軽量化することができる。すると、遮断位置に配置する際に、つまみ27aを操作するときに必要な力を小さくすることができ、操作性を向上することができる。
しかも、図2に示すように、遮断プレート12が揺動した際に、上方に移動する端縁(つまり先端側)が屈曲してL字状になっていれば、上方に屈曲している部分を火災時に遮断プレート12が遮断位置に移動する際の荷重として機能させることができる。すると、ピンspが溶けた際に、通気孔11hから吹き込む空気の流れが生じていても、その抵抗に抗して、遮断プレート12を遮断位置に配置させておき易くなる。
なお、上記例では、遮断プレート12がその幅方向の一端を支点とて揺動し、遮断位置と連通位置との間で移動する場合を説明した。しかし、遮断プレート12が遮断位置と連通位置との間で姿勢を変更する方法はとくに限定されない。例えば、遮断プレート12がその長尺方向の一端を支点として搖動するようにしてもよいし、遮断プレート12が分離プレート11aの表面の法線方向に移動(つまり遮断プレート12が上方にそのままリフトする)ようにしてもよい。
(分離部材について)
上記例では、分離部材が、断面視略U字状に形成された長尺な部材である場合を説明したが、分離部材は単なる長尺な板で形成してもよい。この場合には、遮断プレート12は、蝶番によって内面板1aまたは外面板1bに揺動可能に連結すればよい。また、操作部25のケース26も内面板1aまたは通気プレート1pに直接連結するようにすればよい。
なお、図2の例の説明では、断面視略U字状に形成された長尺な部材だけを分離部材として説明した。しかし、上述した強度保持部材1fも室内側通気口Thと室外側通気口1eとの間に配置され、両者間を分離する機能を有する。したがって、図2の分離部材11を設けずに、図2の強度保持部材1fを分離部材として機能させてもよい。
また、図2に記載されている断面視略U字状に形成された長尺な部材からなる分離部材11を強度保持部材として機能させてもよい。この場合には、分離部材11は、その長さをドア1の戸先側端部の内面と戸元側端部の内面間の距離とぼほ長さとする必要がある。
つまり、特許請求の範囲にいう分離部材には、図2の分離部材11単体だけを分離部材とする概念だけでなく、図2の強度保持部材1fを分離部材とする概念、さらに、図2の分離部材11と強度保持部材1fの両方を分離部材とする概念をいずれも含んでいる。もちろん、特許請求の範囲にいう分離部材は、所定の機能を有するものであればよく、これらの構造を有するものに限定されないのは、いうまでもない。
本発明のドアは、高機能を要求されるマンションやホテル等の居住用建物の入口に設置されるドアに適している。
1 ドア
1h 連通通路
1e 室外側通気口
1p 通気プレート
10 連通遮断装置
11 分離部材
11a 分離プレート
11h 通気孔
12 遮断プレート
12p 密閉材
20 遮断部材移動機構
22 係合部
22h 収容部
25 操作部
28 固定部材
Th 室内側通気口
DU ドアユニット

Claims (7)

  1. 室内と室外を連通する通気機能を備えたドアであって、
    該ドアには、
    室内と該ドア内部とを連通する室内側通気口と、該室内側通気口よりも下方に配置された室外と該ドア内部とを連通する室外側通気口と、該室外側通気口と前記室内側通気口との間を連通する連通通路と、が形成されており、
    該連通通路は、
    該ドアの表面に沿った方向に空気を流通させる連結流路を有しており、
    該連結流路には、
    前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を連通遮断する連通遮断機構が設けられており、
    該連通遮断機構は、
    前記連結流路を前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を上下に分離する部材であって、前記室外側通気口と前記室内側通気口との間を上下方向に沿って連通する通気孔を有する分離部材と、
    該分離部材に上方から接近し前記通気孔を塞ぐ遮断位置と、該分離部材から上方に離間し前記通気孔を開口する連通位置と、の間で移動可能に設けられた長尺な板状の部材である遮断部材と、
    前記遮断部材を、前記遮断位置と前記連通位置との間で移動させる遮断部材移動機構と、を備えており、
    該遮断部材移動機構が、
    前記遮断部材の上面に設けられた、該遮断部材の長手方向に沿って延びる受圧面を有する受圧部と、
    前記遮断部材の上面において該遮断部材の長手方向に沿って並ぶように設けられた係合部と、を備えており、
    前記遮断部材の長手方向に沿って前記受圧部と前記係合部との間で移動可能に設けられた一つの固定部材と、
    該ドアの室内側から操作して該一つの固定部材を移動させる固定部材移動手段と、備えており、
    前記一つの固定部材は、
    前記固定部材移動手段によって前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態で前記受圧部まで移動されると、該一つの固定部材と前記分離部材との間に前記遮断部材を挟んで保持できるように設けられており、
    前記係合部は、
    前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態かつ前記一つの固定部材が前記受圧部に配置されている状態から前記固定部材移動手段によって前記一つの固定部材を前記係合部まで移動させると、前記一つの固定部材が係合し前記遮断部材が前記連通位置に移動されるように形成されている
    ことを特徴とするドア。
  2. 前記受圧部は、
    前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態において、前記受圧面から前記分離部材の上面までの距離が、前記一つの固定部材の下端から前記分離部材の上面までの距離よりも長くなるように形成されており、
    前記係合部には、
    開口が前記受圧部側を向いた状態となるように前記遮断部材の長手方向に沿って延びる溝状の収容部が形成されており、
    該収容部は、
    前記遮断部材が前記遮断位置に配置された状態において、該収容部の上面から前記分離部材の上面までの距離が、前記一つの固定部材の上端から前記分離部材の上面までの距離よりも短くなるように形成されている。
    ことを特徴とする請求項1記載のドア。
  3. 前記遮断部材は、
    前記遮断位置において、前記分離部材と接触する接触部を備えており、
    該接触部が、
    前記分離部材および前記遮断部材よりも柔らかい材料によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のドア。
  4. 前記連通通路には、前記遮音材が設けられており、
    該遮音材は、
    前記連通通路内において、前記室内側通気口と対向する位置に配設されている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のドア。
  5. 前記分離部材は、
    前記室内側通気口を囲むように配設された複数の分離壁を備えており、
    該複数の分離壁によって前記室外側通気口と分離された空間を有しており、
    前記複数の分離壁のうち、前記室外側通気口と非対向の分離壁に前記通気孔が設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のドア。
  6. 前記遮断部材が、
    前記分離部材に対して揺動可能に設けられており、
    前記固定部材移動手段は、
    前記一つの固定部材を、該一つの固定部材が前記係合部に係合する係合位置から該一つの固定部材が前記分離部材との間に前記遮断部材を挟んで保持する保持位置まで直線的に移動させるものであり、
    前記係合部は、
    前記一つの固定部材が前記係合位置から前記保持位置まで直線的に移動する間に、前記遮断部材の揺動量が徐々に大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のドア。
  7. 前記遮断部材は、
    該遮断部材を前記遮断位置に移動させるような力が常時加わるように設けられており、
    前記遮断部材移動機構が、
    前記遮断部材が前記連通位置に配置されると、その状態で前記遮断部材を保持する保持部材を備えており、
    該保持部材の全体または一部が温度ヒューズ機能を有している
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のドア。
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