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JP6079434B2 - 導電性銅インク組成物 - Google Patents
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JP6079434B2 - 導電性銅インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は導電性銅インク組成物に関する。さらに詳しくは、塗布又は印刷した後、加熱することにより銅膜を形成するための導電性銅インク組成物に関するものである。
従来、基板、電子部品などに銅電極、銅配線を形成する方法として、基板、電子部品に銅をメッキした後、これをフォトレジストなどでマスクし、マスクしていない銅をエッチング除去する方法が広く使用されてきた。しかし、この方法は、高導電性の微細配線を形成するには好適だが、工程数が多く、銅資源を無駄にするという問題がある。
上記の方法以外にも、導電性インクを基材に塗布又は印刷した後、加熱して電極又は電気配線等を形成するという方法も、広く用いられている。この方法は、工程数が少なく、金属資源も有効に使われる。金属としては、銀、アルミなどが実用化され、広く使用されている。これらのインクの多くは、金属微粒子を使用しており、加熱で微粒子を凝集、融着させ、電極、配線を形成するものである。金属資源が銀より豊富な銅を使用するインクも開発されている。例えば、銅系ナノ粒子と熱硬化性樹脂を含むインク(特許文献1、2参照)、銅ナノ粒子と銀ナノ粒子を含むインク(特許文献3参照)、金属銅粒子、ギ酸銅、アルカノールアミンを含むインク(特許文献4,5参照)などがある。これらのインクは、銅などの金属の微粒子を含んでいるが、金属の微粒子は高価であり、工業的に大量に使用するには問題があった。
そこで、不活性ガス中、あるいは水素中、加熱によって金属になる安価な銅塩を利用するインクが提案されている。有機酸銅と多価アルコールを含むインクを165℃以上に加熱する方法(特許文献6、7、8、9参照)、アルカノールアミンとギ酸銅からなるインクを100〜400℃に加熱する方法(特許文献10、11参照)など多くの提案がなされている。
しかし、これらのインクは、銅塩を金属銅にするには、不活性ガス中では165℃以上の高温が必要であり、150℃以下の低温の場合には水素が必要である。165℃以上の高温は、広く使用されているPETなどの樹脂基板には適さず、また水素を使用するのは特殊な防爆装置が必要など、工業的に不利である。
そこで、高価な銅金属粒子を使用することなく、安価な銅塩などの原料を使用し、しかも水素を使用せず、窒素などの不活性ガス中で、PETなどの樹脂基板に適用できる150℃以下の加熱で金属膜を形成するインクの開発が望まれている。
特開2011−142052号公報 特開2009−99561号公報 特開2011−44509号公報 特開2012−131894号公報 特開2012−131895号公報 特開平1−168865号公報 特開平1−168866号公報 特開平1−168867号公報 特開平1−168868号公報 特開2010−242118号公報 特開2012−112022号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価な銅塩を原料とし、窒素などの不活性ガス中、150℃以下で加熱しても金属銅の膜が形成でき、しかもその膜が高導電性(低抵抗)となる導電性銅インク組成物を提供することにある。
本発明者は、銅膜を形成するインク組成物について鋭意検討した結果、ギ酸銅、ジメチルアミノエタノール、ギ酸、水から成るインク組成物が、窒素下150℃で焼成しても金属銅の膜が形成でき、しかもその膜が高導電性(低抵抗)となるという新規な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの導電性銅インク組成物である。
[1]ギ酸銅、ジメチルアミノエタノール、ギ酸及び水を含む導電性銅インク組成物。
[2]さらに、多価カルボン酸を含む上記[1]に記載の導電性銅インク組成物。
[3]多価カルボン酸が、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸から成る群より選ばれる少なくとも一種である上記[2]に記載の導電性銅インク組成物。
[4]さらにシクロヘキシルアミン類を含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[5]シクロヘキシルアミン類が、シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアミノシクロヘキサンから成る群より選ばれる少なくとも一種である上記[4]に記載の導電性銅インク組成物。
[6]導電性銅インク組成物中のギ酸銅の量が、1〜40重量%である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[7]ジメチルアミノエタノールの量が、ギ酸銅に対して、5モル倍を超える上記[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[8]ギ酸の量が、ジメチルアミノエタノールの等モル以下である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[9]水の量が、ギ酸銅の4モル倍以上、25モル倍以下である上記[1]〜[8]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[10]導電性銅インクを加熱し、金属銅膜を形成する際、酸素濃度10%以下で実施する上記[1]〜[9]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
[11]基板に塗布後、温度100〜160℃で加熱し金属銅膜を形成する上記[1]〜[10]のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
本発明の導電性銅インク組成物は、プリント配線基板、太陽電池などの電子デバイスの製造において、少ない工程で配線が形成でき、しかも低温で微細配線を形成できるため、工業的に極めて有用である。
本発明の導電性銅インク組成物の必須成分は、ギ酸銅、ジメチルアミノエタノール、ギ酸及び水である。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸銅は、加熱によって金属銅を生成する。使用するギ酸銅は特に制限はなく、工業的に一般に流通しているギ酸銅(I)、ギ酸銅(II)を使用することができる。ギ酸銅は無水塩を使用しても良いし、水和塩を使用しても良い。
本発明の導電性銅インク組成物において、ジメチルアミノエタノールは、ギ酸銅を低温で分解するために使用する。ジメチルアミノエタノールとギ酸銅の混合物は、室温で安定であり、加熱した場合は150℃以下で容易に分解する。しかも沸点が133℃と低いジメチルアミノエタノールは、150℃以下の温度でも揮発し、金属銅膜に残存しない。使用するジメチルアミノエタノールに特に制限はなく、工業的に広く流通している安価な製品を使用することができる。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸はジメチルアミノエタノールの揮発速度の調整剤及び銅塩の還元剤として作用する。使用するギ酸に特に制限はなく、工業的に一般に流通しているものを使用することができる。
本発明の導電性銅インク組成物において、水はジメチルアミノエタノールの揮発速度、銅塩の還元速度の調整剤、及び銅塩の溶解剤として作用する。
本発明の導電性銅インク組成物において、多価カルボン酸を含有させることができる。本発明の導電性銅インク組成物において、多価カルボン酸とは、カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸を意味する。多価カルボン酸を含有させることで、金属銅膜を緻密にし、基板との密着性を改善することができる。含有させることができる多価カルボン酸としては、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸などが挙げられ、得られる金属銅膜の導電性の観点からシュウ酸及び/又はクエン酸が特に好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、シクロヘキシルアミン類を含有させることができる。シクロヘキシルアミン類を含有させることで、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂基板上にも均一な成膜が可能になる。シクロヘキシルアミン類としては、シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどが挙げられ、この中で特に、シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンが好ましい。シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンは、加熱によって容易に揮発し、生成した金属銅膜に残存しない。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸銅の量は、得られるインクの粘度の観点から1〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましく、特に8〜20重量%が好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、ジメチルアミノエタノールの量は、得られるインクの安定性の観点からギ酸銅に対して5モル倍を越えることが好ましく、5モル倍より多く、20モル倍以下が特に好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、ギ酸の量は、得られるインクの樹脂基板への均一塗布の観点からジメチルアミノエタノールの等モル以下が好ましく、特にジメチルアミノエタノール1モルに対して0.15〜0.7モルが好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、水の量は、得られるインクの樹脂基板への均一塗布の観点からギ酸銅の4モル倍以上、25モル倍以下が好ましく、特に4モル倍以上、20モル倍以下が好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、多価カルボン酸を含有させる場合は、その含有量は、得られる金属銅膜の導電性の観点からインク組成物の0.1重量%以下にすることが好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物において、シクロヘキシルアミン類を添加する場合は、得られる金属銅膜の形成の際の加熱温度の観点からジメチルアミノエタノールと等モル以下にすることが好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物は、アルコールを含んでいても良い。アルコールは導電性インクの粘度を調整することができ、またアミンの揮発を抑制することもでき、基板への密着性を改善することもできる。アルコールとしては特に制限はなく、インクに一般に添加されているものが使用でき、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ターピネオールなどのモノアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノールなどのエーテルアルコール;等が挙げられる。
本発明の導電性銅インク組成物には、防食剤、溶剤、増粘剤、界面活性剤等の添加剤を含有させることができる。これらの添加剤には一般に使用されているものを使用することができ、特に制限はない。防食剤は、銅膜、銅配線を形成した後、銅の酸化を抑制するのに有効であり、溶剤、増粘剤、界面活性剤は、インクの塗布性、安定性を改良できる。
本発明の導電性銅インク組成物を基板に塗布した後、加熱することで、金属銅膜を形成することができる。用いる基板に特に制限はなく、例えば、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ナイロン、エポキシなどの樹脂、セラミックス、ガラス、紙等が挙げられる。
加熱する際の加熱温度は、ギ酸銅の分解及び基板へのダメージの観点から100〜160℃が好ましく、120〜150℃がさらに好ましい。
加熱する際、窒素ガスなどの不活性ガス中で実施することが好ましい。酸素が存在しても、金属銅膜、銅配線は形成できる。しかし、酸素などが少ない不活性ガス雰囲気で加熱すると、導電性の高い金属銅膜が形成できる。好ましい酸素濃度は10%以下であり、2%以下が特に好ましい。
本発明の導電性銅インク組成物は、高導電性を有することからプリント配線基板、太陽電池などの配線を形成する銅膜に好適に使用され、微細配線化が可能であるなどの効果が期待できる。また、タッチパネルなどの透明導電膜にも適用できる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表記を簡潔にするため、以下の略記号を使用した。
FA:ギ酸、
CF:ギ酸銅(II)
DMAE:ジメチルアミノエタノール
MDEA:メチルジエタノールアミン
CHA:シクロヘキシルアミン
DMCHA:ジメチルシクロヘキシルアミン
DIW:脱イオン水
OA:シュウ酸
CA:クエン酸
実施例1
1gのCF(6.5mmol)、8gのDMAE(90mmol)、1gのFA(22mmol)、2gのDIW(111mmol)を混合し、青色均一液の導電性銅インクを調製した。このインクの窒素気流中、10℃/分の速度で昇温させたTG−DTA分析の結果、インクの分解終了温度は145℃であった。
このインクをガラスに塗布し、酸素濃度2%の窒素気流中、150℃で10分加熱したところ、ガラス上に金属銅膜が生成した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定したところ、体積抵抗は20μΩ・cmと導電性に優れるものであった。
比較例1
1gのCF(6.5mmol)、10.6gのDMAE(119mmol)、0.4gのDIW(22mmol)を混合し、青色均一液の導電性銅インクを調製した。このインクの窒素気流中、10℃/分の速度で昇温させたTG−DTA分析の結果、インクの分解終了温度は157℃であった。
このインクをガラスに塗布し、酸素濃度2%の窒素気流中、150℃で10分加熱したところ、ギ酸を用いなかったことからガラス上に青色の銅塩膜が残存し、一部黒色の膜が生成した。
比較例2
1gのCF(6.5mmol)、9.6gのDMAE(108mmol)、0.4gのFA(8.7mmol)を混合し、導電性銅インクを調製した。水を用いなかったことからこのインクを静置すると結晶が析出した。
比較例3
1gのCF(6.5mmol)、8gのMDEA(67mmol)、1gのFA(22mmol)、2gのDIW(111mmol)を混合し、青色均一液の導電性銅インクを調製した。このインクの窒素気流中、10℃/分の速度で昇温させたTG−DTA分析の結果、インクの分解終了温度は167℃であった。
このインクをガラスに塗布し、酸素濃度2%の窒素気流中、150℃で10分加熱したところ、ジメチルアミノエタノールを用いずメチルジエタノールアミンを用いたことからガラス上に青色の銅塩膜が残存し、一部黒色の膜が生成した。
実施例2
0.9gのCF(5.9mmol)、2.7gのDMAE(30mmol)、0.46gのFA(10mmol)、0.6gのDIW(33mmol)を混合した。この液にさらに2gのCHA(20mmol)、0.005gのCA(0.03mmol)を混合したところ、ポリイミドシートに均一に塗布することができた。このポリイミドシートを、酸素濃度0.2%の窒素気流中、160℃で10分加熱したところ、ポリイミドシート上に金属銅膜が生成した。
実施例3
0.9gのCF(5.9mmol)、2.7gのDMAE(30mmol)、0.92gのFA(20mmol)、0.6gのDIW(33mmol)、1gのDMCHA(7.8mmol)、0.01gのOA(0.11mmol)を混合した導電性銅インクを調製した。このインクをポリイミドシートに塗布したところ、均一に塗布することができた。このポリイミドシートを、酸素濃度0.2%の窒素気流中、160℃で10分加熱したところ、ポリイミドシート上に金属銅膜が生成した。
実施例4
0.9gのCF(5.9mmol)、2.7gのDMAE(30mmol)、0.23gのFA(5mmol)、0.5gのDIW(28mmol)、1gのCHA(10mmol)を混合した導電性銅インクを調製した。さらに0.005gのCA(0.03mmol)を添加したインクを調製し、A−PET(Amorphous Polyethylene Terephthalate)シートに塗布した。これを酸素濃度0.1%の窒素気流中、135℃で1時間加熱した金属銅膜は、セロハンテープを使用したテープ剥離試験でも剥離しなかった。

Claims (11)

  1. ギ酸銅、ジメチルアミノエタノール、ギ酸及び水を含む導電性銅インク組成物。
  2. さらに、多価カルボン酸を含む請求項1に記載の導電性銅インク組成物。
  3. 多価カルボン酸が、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸から成る群より選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載の導電性銅インク組成物。
  4. さらにシクロヘキシルアミン類を含む請求項1〜3のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  5. シクロヘキシルアミン類が、シクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアミノシクロヘキサンから成る群より選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の導電性銅インク組成物。
  6. 導電性銅インク組成物中のギ酸銅の量が、1〜40重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  7. ジメチルアミノエタノールの量が、ギ酸銅に対して、5モル倍を超える請求項1〜6のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  8. ギ酸の量が、ジメチルアミノエタノールの等モル以下である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  9. 水の量が、ギ酸銅の4モル倍以上、25モル倍以下である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  10. 導電性銅インクを加熱し、金属銅膜を形成する際、酸素濃度10%以下で実施する請求項1〜9のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
  11. 基板に塗布後、温度100〜160℃で加熱し金属銅膜を形成する請求項1〜10のいずれかに記載の導電性銅インク組成物。
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