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JP6084499B2 - アモルファス巻鉄心変圧器 - Google Patents
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JP6084499B2 - アモルファス巻鉄心変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は、アモルファス磁性合金薄帯の積層体からなる巻鉄心と、該巻鉄心に装着されたコイルとを備えたアモルファス巻鉄心変圧器に関するものである。
アモルファス磁性合金は、極めて薄い薄帯(ストリップ)の形で供給される。そのため、アモルファス磁性合金の薄帯(以下単に薄帯ともいう。)を用いて変圧器用の鉄心を構成する場合には、巻鉄心の形態をとるのが普通である。本明細書では、アモルファス磁性合金の薄帯を用いて構成した巻鉄心をアモルファス巻鉄心と呼び、この巻鉄心にコイルを組み合わせて構成した変圧器をアモルファス巻鉄心変圧器と呼ぶ。
アモルファス巻鉄心変圧器を製造する際には、例えば、薄帯の積層体を切断することにより形成した所定長さの単位積層体を、所定のずらし寸法ずつ長手方向に位置をずらしながら複数個積層したものを1つの積層体ブロックとし、複数の積層体ブロックを順次巻枠の回りに巻回して、各積層体ブロックの単位積層体の両端をバット接合(突合せ接合)またはラップ接合(重ね合わせ接合)することにより、接合部を1つの継鉄部に階段状に配置した構造の矩形状の巻鉄心を製作する。
矩形状の巻鉄心の各部のうち、互いに平行に伸びていて、第1及び第2のコイルの窓部内に配置される部分を第1及び第2の脚部と呼び、コイル外でこれらの脚部の一端間及び他端間をそれぞれ連結する部分を第1の継鉄部及び第2の継鉄部と呼ぶ。巻鉄心では、一つの継鉄部に接合部が設けられる。本明細書では、第2の継鉄部に接合部が設けられるものとする。
アモルファス巻鉄心は、互いに平行に伸びる第1及び第2の脚部と第1及び第2の脚部の一端間及び他端間をそれぞれ連結する第1及び第2の継鉄部とを有するほぼ矩形状の形に整形された後、焼鈍される。アモルファス磁性合金は焼鈍により脆弱になって欠け易い状態になるため、巻鉄心の脚部をコイルの窓部内に挿入する際等に作用する外力により、巻鉄心を構成している薄帯が欠けてアモルファス磁性合金の細かい破片が生じ、この破片が巻鉄心に付着したままの状態になることがある。このようなアモルファス巻鉄心変圧器を絶縁油が充填されたタンク内に収容して油入変圧器を構成した場合、アモルファス磁性合金の破片が巻鉄心の積層面から漏れ出して絶縁油中を浮遊することがある。アモルファス磁性合金は導電性を有するため、その破片が絶縁油中を浮遊することは、変圧器の絶縁上で好ましくない。そのため、油入変圧器の形態で使用されるアモルファス巻鉄心変圧器においては、巻鉄心を覆うカバーを取り付けたり、破片が生じ易い巻鉄心の積層面を樹脂で被覆したりして、アモルファス磁性合金の破片が絶縁油中に漏れ出るのを防いでいる。
アモルファス磁性合金の破片が絶縁油中に漏れ出るのを防止する措置を講じたアモルファス巻鉄心変圧器として、特許文献1に示されたものがある。特許文献1に示された変圧器においては、巻鉄心の接合部が設けられた第2の継鉄部を除くU字形の部分に、U字形カバーを取り付けて、その積層面と内周面及び外周面の積層面寄りの端部領域とを覆うとともに、U字形カバーで覆われていない第2の継鉄部の積層面を樹脂被覆層で被覆することにより、アモルファス巻鉄心の積層面からアモルファス磁性合金の破片が漏れ出るのを防止している。
特許文献1に示されたアモルファス巻鉄心変圧器で用いられているU字形カバーは,巻鉄心のU字形鉄心部分の各積層面に相応したU字形の形状を有して各積層面に添わせて配置されたU字形積層面被覆部と、該U字形積層面被覆部の外周縁及び内周縁からそれぞれ折れ曲って巻鉄心のU字形鉄心部分の外周面及び内周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆うように形成されてU字形鉄心部分の外周面及び内周面にそれぞれ接着テープにより隙間なく貼りつけられる外周側被覆部及び内周側被覆部とからなっている。特許文献1に示されたU字形カバーはまた、U字形積層面被覆部の第1の継鉄部の積層面を覆う部分の一部に窓部を有していて、各U字形カバーの窓部とU字形鉄心部分の積層面との間に第1のフィルタシートが配置されている。更に各U字形カバーの両端とU字形鉄心部分の積層面との間にそれぞれ第2のフィルタシートが配置されている。上記フィルタシートは、真空注油を行う際に、U字形カバーの内側の空気と油とを置換するために設けられている。
また特許文献2に示されたように、巻鉄心のコイルから外部に突出した継鉄部を不織布で包み込むことにより、継鉄部の積層面からアモルファス磁性合金の破片が漏れ出るのを防ぐ提案もなされている。
特開平10−27716号公報 特開2011−216632号公報
特許文献1に示されたアモルファス巻鉄心変圧器においては、U字形カバーの外周側被覆部及び内周側被覆部が、U字形鉄心部分の周縁部の全体に亘って設けられていて、U字形鉄心部分のコーナ部に沿う部分では、外周側被覆部及び内周側被覆部がU字形鉄心部分の湾曲したコーナ部に沿う形状に成形されていたため、U字形カバーの構造及び形状が複雑になり、その加工コストが高くなるのを避けられなかった。
更に特許文献1に示されたアモルファス巻鉄心変圧器においては、巻鉄心の接合部が設けられている第2の継鉄部の積層面を樹脂被覆層で被覆していたため、第2の継鉄部の積層面に樹脂を塗布して硬化させる工程に多くの工数を必要とし、製造コストが高くなるのを避けられなかった。
特許文献2に示されたアモルファス巻鉄心変圧器のように、巻鉄心のコイルから外部に突出した継鉄部を不織布で包み込めば、継鉄部の積層面からアモルファス磁性合金の破片が漏れ出るのを防ぐことができる。しかしながら、このような構造で巻鉄心のコイル内に配置された脚部の積層面から生じた破片がコイルの両端から絶縁油中に漏出するのを防ぐには、コイルの窓部の両端を閉じるために、不織布の一部をコイルの窓部内に折り込んでコイルの内周面に接着するという面倒な作業を必要とするため、変圧器の組み立て作業能率が低下するのを避けられない。また不織布で巻鉄心の継鉄部を包み込むためには、不織布として、折曲げが容易な薄手のものを用いる必要があるため、巻鉄心の脚部をコイルの窓部内に挿入する過程で不織布が破れるおそれがある。万一不織布が破れた場合には、巻鉄心の継鉄部を不織布で包み込む作業をやり直す必要があるため、変圧器の組み立て作業能率が低下する。
本発明の目的は、複雑な構造のカバーを用いる必要性をなくすとともに、巻鉄心の接合部が設けられた継鉄部の積層面を樹脂で被覆することなく、かつ変圧器の組立て作業能率の低下を招く要因となり得る部材を用いることなく、アモルファス磁性合金の破片の漏出を防ぐことができるようにしたアモルファス巻鉄心変圧器を提供することにある。
本発明は、アモルファス磁性合金薄帯の積層体からなっていて、互いに平行に伸びる第1及び第2の脚部と、該第1及び第2の脚部の一端間及び他端間をそれぞれ連結する第1の継鉄部及び第2の継鉄部とを有し、第2の継鉄部に接合部が設けられているほぼ矩形状の巻鉄心と、巻鉄心の第1及び第2の脚部をそれぞれ取り囲んだ状態で配置された第1及び第2のコイルとを備えたアモルファス巻鉄心変圧器を対象とする。
本発明においては、互いに平行に設けられて巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の積層面をそれぞれ覆う帯板状の第1及び第2の脚部被覆部と、該第1及び第2の脚部被覆部の一端間を連結するように設けられて巻鉄心の第1の継鉄部の積層面を覆う第1の継鉄被覆部とを有するコの字形の第1のカバーが巻鉄心の一方の積層面及び他方の積層面のそれぞれに対して設けられて、各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部が接着テープにより巻鉄心の第1及び第2の脚部に貼りつけられるとともに、第1の継鉄被覆部が接着テープにより巻鉄心の第1の継鉄部に固定される。また巻鉄心の第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う一対の板状の第2の継鉄被覆部と、該一対の第2の継鉄被覆部のそれぞれの中間部を相互に連結している帯板状の連結部とを有する第2のカバーが設けられて、該第2のカバーの連結部が第1及び第2のコイルの第2の継鉄部側の端部に固定される。そして、各第1のカバーの第1の継鉄被覆部の巻鉄心側の面に巻鉄心の第1の継鉄部の対応する積層面に接する第1のフェルトが貼りつけられ、第2のカバーの一対の第2の継鉄被覆部のそれぞれの巻鉄心側の面に巻鉄心の第2の継鉄部の対応する積層面に接する第2のフェルトが貼りつけられる。また一対の第2の継鉄被覆部が接着テープにより巻鉄心の第2の継鉄部に固定されている
フェルトは、繊維が絡み合った構造を有して、クッション性を有し、巻鉄心の積層面に接触させられた際に積層面の凹凸によくなじむため、上記のように、巻鉄心の第1の継鉄部の積層面及び第2の継鉄部の積層面にフェルトを接触させた状態に保持しておくと、継鉄部の積層面から生じたアモルファス磁性合金の破片が該積層面から離脱するのを阻止することができる。そのため、巻鉄心の継鉄部の形状に沿った複雑な形状のカバーを用いたり、積層面を樹脂で被覆したりすることなく、継鉄部の積層面からアモルファス磁性合金の破片が漏れ出るのを防ぐことができる。
また上記のように、各第1のカバーに、巻鉄心の第1及び第2の脚部をそれぞれ覆う第1及び第2の脚部被覆部を設けて、これらの脚部被覆部を巻鉄心の脚部に貼りつけておくと、コイルの窓部内に位置する巻鉄心の各脚部の積層面に付着しているアモルファス磁性合金の破片が外部に漏出するのを防ぐことができる。従って、本発明によれば、複雑な形状のカバーを用いることなく、アモルファス磁性合金の破片の漏出を防ぐことができ、カバーのコストの低減を図って、変圧器のコストの低減を図ることができる。また巻鉄心の継鉄部に接触させるフェルトは単に継鉄部の積層面に接触した状態に保持されるだけでよく、巻鉄心を包み込む必要はないため、該フェルトとしては十分な厚さを有するものを用いることができる。従って、巻鉄心の脚部をコイルの窓部内に挿入する過程で、巻鉄心の継鉄部の積層面を覆うフェルトが破損して、変圧器の組み立て作業を滞らせる要因となるおそれはない。
本発明の好ましい態様では、各第1のカバーの第1の継鉄被覆部を巻鉄心に固定する接着テープが、第1の継鉄被覆部と巻鉄心の第1の継鉄部との間の隙間から第1のフェルトの外周部を露呈させるように、第1の継鉄被覆部の一部のみを巻鉄心の第1の継鉄部に固定するように設けられる。また第2のカバーの第2の継鉄被覆部を巻鉄心に固定する接着テープは、第2の継鉄被覆部と巻鉄心の第2の継鉄部との間の隙間から第2のフェルトの外周部を露呈させるように、第2の継鉄被覆部の一部のみを巻鉄心の第2の継鉄部に固定するように設けられる。
上記のように、第1の継鉄被覆部と巻鉄心の第1の継鉄部との間の隙間から第1のフェルトの外周部を露呈させ、第2の継鉄被覆部と巻鉄心の第2の継鉄部との間の隙間から第2のフェルトの外周部を露呈させるようにしておくと、変圧器をタンク内に収納した後、真空注油を行う際に、第1及び第2のフェルトを通してカバーの内側の空気と油とを置換することができるため、真空注油を支障なく行わせることができる。
本発明の好ましい態様では、各第1のカバーが、その第1及び第2の脚部被覆部のそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部から巻鉄心の内周面側及び外周面側に折れ曲がって巻鉄心の内周面及び外周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆う内周面被覆部及び外周面被覆部を有し、各第1のカバーの内周面被覆部及び外周面被覆部がそれぞれの全長に亘って設けられた接着テープにより巻鉄心に貼りつけられる。
上記のように構成しておくと、第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部と巻鉄心の第1及び第2の脚部の積層面との間の隙間を確実に閉じることができるため、巻鉄心の第1及び第2の脚部の積層面からのアモルファス磁性合金の破片の漏出を確実に防ぐことができる。
本発明の他の好ましい態様では、各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部のそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部がそれぞれ巻鉄心の第1及び第2の脚部の内周縁及び外周縁に沿う位置で終端するように設けられる。この場合、各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部のそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部寄りの領域がそれぞれの全長に亘って設けられた接着テープにより巻鉄心の内周面及び外周面に貼りつけられる。
上記のように構成した場合も、第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部と巻鉄心の第1及び第2の脚部の積層面との間の隙間を完全に閉じることができるため、巻鉄心の第1及び第2の脚部の積層面からのアモルファス磁性合金の破片の漏出を確実に防ぐことができる。
本発明の他の態様では、巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の各積層面全体を被覆する第3のフェルトが更に設けられる。
上記巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の各積層面全体を被覆する第3のフェルトは、第1の継鉄部の各積層面を被覆する第1のフェルトと一体に設けることもできる。
上記のように、巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の各積層面全体を第3のフェルトで被覆しておくと、巻鉄心の脚部の積層面からの破片の漏出を更に確実に防ぐことができる。
本発明の他の態様では、第1及び第2のコイルが取り付けられた巻鉄心の第1の継鉄部の外周側及び第2の継鉄部の外周側にそれぞれ第1の継鉄部と第2の継鉄部の対向方向に相対する第1及び第2のコア締め金具が設けられ、第1のコア締め金具と第1及び第2のコイルの第1のコア締め金具側の端部との間に配置されて第1及び第2のコイルをそれぞれの軸線方向の一端側から押える一対の第1のコイル台が、第1の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面のそれぞれに近接させた状態で設けられるとともに、第2のコア締め金具と第1及び第2のコイルの第2のコア締め金具側の端部との間に配置されて第1及び第2のコイルをそれぞれの軸線方向の他端側から押える一対の第2のコイル台が、第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面にそれぞれ近接させた状態で設けられる。この場合、一対の第1のコイル台は、一対の第1のカバーに接して巻鉄心の第1の継鉄部の一方の積層面を被覆する第1のフェルト及び該第1の継鉄部の他方の積層面を被覆する第1のフェルトをそれぞれ第1の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面に接した状態に保持するように設けられる。また一対の第2のコイル台は、第2のカバーの一対の第2の継鉄被覆部に接して巻鉄心の第2の継鉄部の一方の積層面を被覆する第2のフェルト及び該第2の継鉄部の他方の積層面を被覆する第2のフェルトをそれぞれ第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面に接した状態に保持するように設けられる。第1のコア締め金具及び第2のコア締め金具は、締め具により互いに引き寄せられる方向に締め付けられる。
上記のように、変圧器のコイルを位置決めするために必須なコイル台を利用して、巻鉄心の第1の継鉄部及び第2の継鉄部のそれぞれの積層面を覆う第1及び第2のフェルトを、第1の継鉄部及び第2の継鉄部のそれぞれの積層面に接触させた状態に保持するように構成しておくと、フェルトを位置決め固定するための特別の部材を設けることなく、各フェルトを対応する積層面に確実に接触させた状態に保持して、変圧器の電磁振動等によりフェルトの位置がずれるのを防いで信頼性を向上させることができる。またコイル台を利用してフェルトを第1の継鉄部及び第2の継鉄部のそれぞれの積層面に接触させた状態に保持するように構成しておくと、第1及び第2のカバーの接着テープによる固定を簡略にしてもこれらのカバー及びフェルトの位置がずれるのを防ぐことができるため、カバーを固定するためのテーピング作業を容易にすることができる。
本発明によれば、複雑な形状のカバーを用いることなく、かつ巻鉄心の積層面を樹脂で被覆することなく、アモルファス磁性合金の破片の漏出を防ぐことができるため、カバーのコストの低減を図って、変圧器のコストの低減を図ることができる。また巻鉄心の継鉄部に接触させるフェルトは単に継鉄部の積層面に接触した状態に保持されればよく、巻鉄心を包み込む必要がないため、該フェルトとして十分な厚さを有するものを用いることができる。従って、変圧器を組立てる過程で巻鉄心の継鉄部の積層面を覆うフェルトが破損して、変圧器の組み立て作業を滞らせる要因となるおそれをなくすことができる。
特に、本発明において、巻鉄心の第1の継鉄部及び第2の継鉄部のそれぞれの積層面を覆う第1及び第2のフェルトを、変圧器のコイルの位置決め固定を図るコイル台により、第1の継鉄部及び第2の継鉄部のそれぞれの積層面に接触させた状態に保持するように構成した場合には、各フェルトを対応する積層面に確実に接触させた状態に保持することができ、変圧器の電磁振動等によりカバーの位置がずれるのを防ぐことができるため、信頼性を向上させることができる。また第1及び第2のカバーの接着テープによる固定を簡略にしてもこれらのカバーの位置がずれるのを防ぐことができるため、カバーの取付を容易にすることができる。
本発明に係る変圧器の一実施形態の構成を一部断面して示した正面図である。 図1に示した変圧器の側面図である。 図1に示した変圧器において、巻鉄心の積層面を覆うカバーの構造を概略的に示した斜視図である。 本実施形態で用いる第1のカバーを示したもので、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)及び(D)はそれぞれ左側面図及び右側面図、(E)は底面図である。 本実施形態で用いる第2のカバーを示したもので、(A)は正面図、(B)は底面図である。 巻鉄心をカバーで覆う前に巻鉄心にテーピング処理を施した状態を示した正面図である。 図4に示された巻鉄心に第1のカバーを取付けた状態を示した正面図である。 本実施形態の変圧器を組立てる過程で、第1のカバーが取付けられた巻鉄心の第2の継鉄部の接合部を開いて、開かれた第2の継鉄部に接合部を保護するためのプロテクタを取り付けた状態を示した正面図である。 本実施形態の変圧器を組立てる際に、巻鉄心の第1及び第2の脚部に取り付けられる第1及び第2のコイルを並べて内枠により固定すると共に、該内枠により第2のカバーをコイルに固定した状態を示した正面断面図である。 図9の底面図である。 図9に示された第1及び第2のコイルの窓部内に図8に示された巻鉄心を挿入した状態を示した正面図である。 図11に示された巻鉄心の第2の継鉄部の接合部を再接合して、第2のカバーの第2の継鉄被覆部を折曲げて、第2のカバーの第2の継鉄被覆部で第2の継鉄部の積層面を覆った状態を示した正面図である。
以下図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る変圧器1の全体的な構成を一部断面で示した正面図であり、図2は同実施形態の側面図である。これらの図において2は、アモルファス磁性合金薄帯(以下単に薄帯ともいう。)の積層体からなるほぼ矩形状のアモルファス巻鉄心である。図示の巻鉄心2は、互いに平行に伸びる第1及び第2の脚部2a及び2bと、該第1及び第2の脚部2a及び2bの一端間及び他端間をそれぞれ連結する第1の継鉄部2c及び第2の継鉄部2dを有し、第2の継鉄部2dに接合部jが設けられている。
図示のアモルファス巻鉄心2は、薄帯の巻回体を一か所で切断して展開することにより形成した所定の厚さの単位積層体Lを複数個積層して、各単位積層体Lの両端を第2の継鉄部2dで接合した構造を有している。各単位積層体Lの接合部jでは、アモルファス磁性合金の薄帯の切断端部が重ね合わされた状態で接合されるか、または突き合わされた状態で接合されている。第1の継鉄部2cの両側のコーナ部2ca,2cb及び第2の継鉄部2dの両側のコーナ部2da及び2dbは円弧状を呈するように湾曲されている。図示のアモルファス巻鉄心は、薄帯の巻回体を一か所で切断して展開することにより形成した所定の厚さの単位積層体Lを複数個積層して、各単位積層体Lの両端を第2の継鉄部2dで接合した構造を有しており、各単位積層体Lの接合部jでは、アモルファス磁性合金の薄帯の切断端部が重ね合わされた状態で接合されるか、または突き合わされた状態で接合されている。
アモルファス巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bをそれぞれ取り囲んだ状態で、第1及び第2のコイル3A及び3Bが配置される。第1のコイル3Aは、低圧コイルと高圧コイルとを同心配置した構造を有し、同様に第2のコイル3Bも、低圧コイルと高圧コイルとを同心配置した構造を有している。巻鉄心2にコイル3A及び3Bを組み付ける際には、巻鉄心2の第2の継鉄部2dの接合部が一旦開かれ、巻鉄心の第1及び第2の脚部2a及び2bがそれぞれ第1及び第2のコイル3A及び3Bの窓部内に挿入された後に、第2の継鉄部2bの各接合部jが再接合される。
巻鉄心2は矩形状に整形された後焼鈍されるが、この焼鈍の際にアモルファス磁性合金薄帯が脆弱になって欠け易い状態になる。そのため、巻鉄心の第2の継鉄部の接合部を開く際や、巻鉄心の脚部をコイルの窓部内に挿入する際、或いは巻鉄心の脚部をコイルの窓部内に挿入した後第2の継鉄部2dの接合部を再接合する際などに、巻鉄心の破片が生じることがある。この破片が絶縁油中を浮遊すると、変圧器の絶縁上好ましくないため、巻鉄心から生じた破片が離脱して絶縁油中に漏出するのを極力防ぐ措置を講じておく必要がある。そのため、巻鉄心2の各部の積層面がカバーにより覆われる。図1には、カバーの各部のうち、巻鉄心2の第1の継鉄部2cの積層面を覆う部分(第1の継鉄被覆部)と、第2の継鉄部2dの積層面を覆う部分(第2の継鉄被覆部)とが図示されている。巻鉄心の積層面を覆うカバーの詳細な構造については後述する。
アモルファス巻鉄心2にコイル3A及び3Bが装着された後、第1及び第2のコイル3A及び3Bの軸線方向の一端から外部に突出した巻鉄心の第1の継鉄部2cの両側の積層面を覆うカバーに添わせて、十分な厚みを有する帯板状の第1のコイル台4,4が配置され、これらのコイル台4,4がコイル3A及び3Bの軸線方向の一端に当接される。同様に、コイル3A及び3Bの軸線方向の他端から外部に突出した巻鉄心2の第2の継鉄部2dの両側の積層面を覆うカバーに添わせて、第2のコイル台4´,4´が配置され、これらのコイル台4´,4´がコイル3A及び3Bの軸線方向の他端に当接される。
図示の例では、コイル3A及び3Bの軸線方向の一端側に配置されたコイル台4に、コイルから引出される口出線(図示せず。)を通すための切り欠き溝4a,4aが設けられている。コイルから口出線が引出されないコイル3A及び3Bの軸線方向の他端側(図1及び図2において下側)に配置されるコイル台4′,4′には、口出線を通すための切り欠き溝を設ける必要がないが、本実施形態では、部品点数を減らすため、コイル台4′としてコイル台4と同じもの(切り欠き溝4a′,4a′を有するもの)が使用されている。
上記のように、第1及び第2のコイル3A及び3Bの軸線方向の一端及び他端にそれぞれコイル台4及び4´が配置された後、巻鉄心2の第1の継鉄部2c側及び第2の継鉄部2d側にそれぞれ第1のコア締め金具5及び第2のコア締め金具6が配置される。第1のコア締め金具5及び第2のコア締め金具6は箱形に形成されていて、それぞれの内側にコイル台4及び4′を嵌合させた状態で配置されている。このようにコア締め金具5及び6を配置した状態で、コア締め金具5及び6の底壁部5a及び6aがそれぞれの内側に嵌合されたコイル台4及び4´と巻鉄心2の第1及び第2の継鉄部の外周とに当接されている。
第1及び第2のコア締め金具5及び6の底壁部5a及び6aにはそれぞれ巻鉄心の継鉄部の長さ方向に間隔を開けて1対の孔部5b1,5b2及び6b1,6b2が設けられ、第2のコア締め金具6の孔部6b1,6b2を貫通させて、コイル3A,3Bの窓部内に挿入されたバンド8が巻鉄心2の脚部2a,2bの外周面を経由した後第1のコア締め金具5の孔部5b1,5b2を通して上方に導出される。第1のコア締め金具5の一方の孔部5b1から導出されたバンド8の一端8aは例えば鉤形に成形されて、第1のコア締め金具5の他方の孔5b2に隣接させて該コア締め金具5の底壁部5aに設けられた孔の周縁部に引っ掛けられて係止される。第1のコア締め金具5の他方の窓部5b2から導出されたバンド8の他端8b寄りの部分は、第1のコア締め金具5の上で該バンド8の一端寄りの部分と重ね合わせて配置されて、バンド8の互いに重ね合わされた部分が溶接により接合される。バンド8により第1及び第2のコア締め金具5及び6が互いに引き寄せられる方向に締め付けられて、第1及び第2のコア締め金具5及び6と第1及び第2のコイル台4及び4´とを介してコイル3A及び3Bが軸線方向に締め付けられる。またこの締め付けにより、巻鉄心2がコイルの軸線方向に適度に締め付けられる。
図3乃至図5を参照すると、本実施形態において、巻鉄心2の積層面からアモルファス磁性合金の破片が漏出するのを防ぐために巻鉄心2に取り付けるカバーの構造が示されている。本実施形態においては、図3に示したように、巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bと、両脚部の一端間を連結する第1の継鉄部2cとからなるU字形部分の一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う一対の第1のカバー10,10と、巻鉄心2の第2の継鉄部2dの一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う第2のカバー11とが設けられている。
図4(A)〜(E)は、一対の第1のカバー10,10のうち、図3において巻鉄心2から離した状態で(巻鉄心2の奥側に)図示されている一方の第1のカバー10の構造を示している。この第1のカバー10は、厚手の絶縁紙からなっていて、互いに平行に設けられて巻鉄心2の第1の脚部2a及び第2の脚部2bの積層面をそれぞれ覆う帯板状の第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bと、第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bの一端間を連結するように設けられて巻鉄心2の第1の継鉄部2cの積層面を覆う第1の継鉄被覆部10cとを備えて、全体がコの字形を呈するように形成されている。
第1のカバー10の第1の脚部被覆部10aの幅方向の一端及び他端には、該幅方向の一端及び他端の端縁部から巻鉄心2の脚部2aの内周面側及び外周面側に折れ曲がって巻鉄心2の脚部2aの内周面及び外周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆う内周面被覆部10a1及び外周面被覆部10a2が形成されている。同様に、第1のカバー10の第2の脚部被覆部10bの幅方向の一端及び他端には、該幅方向の一端及び他端の端縁部から巻鉄心2の脚部2bの内周面側及び外周面側に折れ曲がって巻鉄心2の脚部2bの内周面及び外周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆う内周面被覆部10b1及び外周面被覆部10b2が形成されている。また各第1のカバー10の第1の継鉄被覆部10cの巻鉄心側の面には、巻鉄心2の第1の継鉄部2aの対応する積層面に接する第1のフェルト12が貼りつけられている。
図3において、巻鉄心2の手前側に、巻鉄心2に接した状態で図示された他の第1のカバー10は、巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bをそれぞれ覆う第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bの位置が左右入れ替わるだけで、その構造は、図4(A)〜(E)に示された一方の第1のカバー10のそれと同一である。即ち、一対の第1のカバー10,10としては、同じものを用いることができる。
巻鉄心2のU字形部分の各積層面に対して設けられた第1のカバー10は、その第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bがそれぞれ巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bの積層面を覆い、第1の継鉄被覆部10cが巻鉄心2の第1の継鉄部2cの積層面を覆うように配置されて、第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bが接着テープにより巻鉄心の第1及び第2の脚部2a、2bに固定されるとともに、第1の継鉄被覆部10cが接着テープにより巻鉄心の第1の継鉄部2cに固定されることによって巻鉄心2に取り付けられる。
巻鉄心2の第2の継鉄部2dの積層面を覆う第2のカバー11は、図3及び図5(A),(B)に示されているように、巻鉄心2の第2の継鉄部2dの一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う一対の板状の第2の継鉄被覆部11a,11bと、該一対の第2の継鉄被覆部のそれぞれの中間部を相互に連結している帯板状の連結部11cとを一体に有していて、一対の第2の継鉄被覆部11a,11bのそれぞれの巻鉄心側の面には、巻鉄心2の第2の継鉄部2bの対応する積層面に接する第2のフェルト13が貼りつけられている。後記するように、第2のカバー11は、その連結部11cを第1及び第2のコイル3A及び3Bの第2の継鉄部2d側の端部に固定した状態で配置される。
本実施形態では、第1のコア締め金具5と第1及び第2のコイル3A及び3Bの第1のコア締め金具側の端部との間に配置されて第1及び第2のコイル3A及び3Bをそれぞれの軸線方向の一端側から押える一対の第1のコイル台4,4が、第1の継鉄部2cの一方の積層面及び他方の積層面にそれぞれ近接させた状態で設けられていて、これらのコイル台4,4が、巻鉄心2の第1の継鉄部2cの両積層面をそれぞれ被覆する第1のカバー10,10の第1の継鉄被覆部10c,10cの外面に当接されている。このように、コイル台4,4が第1のカバー10,10の第1の継鉄被覆部10c,10cに当接されることにより、第1のカバー10,10の第1の継鉄被覆部10c,10cに貼りつけられたフェルト12,12が、第1の継鉄部2cの対応する積層面に接した状態に保持される。
また一対の第2のコイル台4′,4′は、巻鉄心の第2の継鉄部2dの両積層面を被覆する第2のカバー11に設けられた第2の継鉄被覆部11a,11aの外面に当接された状態で設けられ、コイル台4′,4′が第2の継鉄被覆部11a,11aの外面に当接されることにより、第2の継鉄被覆部11a,11aにそれぞれ貼りつけられた第2のフェルト13,13が、第2の継鉄部2dの対応する積層面に接した状態に保持されるようになっている。
次に、本実施形態の変圧器を組立てる手順について説明する。巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bをそれぞれコイル3A及び3Bの窓部内に挿入するに当って、先ず巻鉄心2の形を保持するために、図6に示すように、第2の継鉄部2dの接合部が閉じられた状態にある巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bのそれぞれの長手方向の両端に接着テープ20を巻き付ける。
次いで、図7に示すように、巻鉄心2の脚部2a,2bと継鉄部2cとからなるU字形部分の一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う第1のカバー10,10を巻鉄心2に取り付ける。各第1のカバー10は、その第1の脚部被覆部10a及び第2の脚部被覆部10bをそれぞれ巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bの積層面に添わせるとともに、それぞれの内周面被覆部10a1,10b1及び外周面被覆部10a2及び10b2を巻鉄心の内周面及び外周面に添わせた状態で配置した後、第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bのそれぞれの幅方向の両端を、接着テープ21により巻鉄心に貼りつけることにより取り付ける。本実施形態では、第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bのそれぞれの幅方向の両端を、それぞれの長手方向の全長に亘って接着テープ21により巻鉄心に隙間なく(第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bと巻鉄心の脚部2a及び2bの積層面との間に外部に開口した隙間を生じさせることなく)貼りつけるようにしている。また各第1のカバー10の第1の継鉄被覆部10cの一部を、接着テープ22によって第1の継鉄部2cに貼りつけることにより、第1の継鉄被覆部10cと巻鉄心の第1の継鉄部2cとの間の隙間から第1のフェルト12の外周部を露呈させた状態で、第1の継鉄被覆部10cを巻鉄心2の第1の継鉄部2cに固定して、第1の継鉄被覆部10cに貼りつけられた第1のフェルト12を第1の継鉄部2cの積層面に接触させる。
上記の様にして巻鉄心2のU字形部分にその両積層面を覆う第1のカバー10,10を取り付けた後、第1及び第2のコイル3A及び3Bの窓部内に巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bを挿入する作業を行う。この作業を行うに当っては、図8に示すように、第1のカバー10が取り付けられた巻鉄心2の第2の継鉄部2dの接合部を開いて、接合部が開かれることにより分離された第2の継鉄部2dの左右の半部2d1,2d1にそれぞれプロテクタ25,25を取り付ける。
プロテクタ25,25は、第2の継鉄部2dの左右の半部2d1,2d1をそれぞれ受入れた状態で巻鉄心2に保持されるケース状の部材で、巻鉄心の脚部2a,2bをコイルの窓部内に挿入する作業を容易にするようにそれぞれの形状が工夫されている。図示のプロテクタ25,25は、第2の継鉄部2dの左右の半部2d1,2d1をそれぞれ受入れる角筒状部分25aと、角筒状部分25aの一端に連続していて角筒状部分から離れるに従って幅が狭くなっていくガイド部25bと、角筒状部分25aの他端の相対する側壁部から突出した状態で設けられて、巻鉄心2の脚部2a及び2bの積層面に摩擦接触する保持部25cとを備えている。保持部25cと脚部2a,2bとの摩擦接触により、プロテクタ25が巻鉄心2に保持される。
第1及び第2のコイル3A及び3Bは、図9及び図10に示すように、それぞれの中心軸線を平行させた状態で隣り合わせに配置しておき、隣り合わせに配置した第1及び第2のコイルの隣り合う部分にステンレス鋼の板を折曲げ加工して形成した内枠27を取り付けることにより、第1及び第2のコイルを機械的に連結しておく。内枠27は、巻鉄心の第2の継鉄部2d側に配置されることになるコイル3A,3Bの端面に対向した状態で配置される基底部27aと、基底部27aの両端から起立してコイル3A及び3Bの隣り合う部分の内面に沿って互いに平行に立ち上がる一対の側壁部27b,27bと、側壁部27b,27bの先端から互いに接近する方向に直角に折れ曲がった折曲げ部27c、27cとを一体に有する部材からなっていて、折曲げ部27c,27cが第1及び第2のコイル3A及び3Bの隣り合う部分の端面に係合することによってコイル3A,3Bに保持される。
第2のカバー11の連結部11cを第1及び第2のコイルの端部に固定するため、第1及び第2のコイル3A及び3Bの隣り合う部分に内枠27を取り付ける際に、巻鉄心の第2の継鉄部2d側に配置されることになるコイル3A,3Bの端面に第2のカバー11の連結部11cを当接させておく。この状態でコイル3A及び3Bに内枠27を取り付けることにより、内枠27の基底部27aとコイル3A,3Bの端面との間に第2のカバー11の連結部11cを挟み込んだ状態で、第2のカバー11を第1及び第2のコイルの第2の継鉄部側の端部に固定しておく。
上記のようにして第2のカバー11を第1及び第2のコイル3A及び3Bに保持した後、図11に示すように接合部が開かれてプロテクタ25が取り付けられた巻鉄心2の脚部2a及び2bをコイル3A及び3Bの窓部内に挿入する。このときプロテクタ25が内枠27(図11においては図示が省略されている。)の外面を滑って巻鉄心2をガイドするので、巻鉄心の挿入は容易に行うことができる。
巻鉄心2の脚部2a,2bをコイル3A及び3Bの窓部内に挿入した後、プロテクタ25,25を外して、図12に示すように巻鉄心2の第2の継鉄部2dの接合部を再接合する。その後、第2のカバー11の第2の継鉄被覆部11a,11bを巻鉄心の第2の継鉄部2dの積層面側に折曲げて、第2のカバー11の第2の継鉄被覆部11a,11bに貼りつけられたフェルト13,13を巻鉄心の第2の継鉄部の積層面に接触させる。この状態で第2のカバー11の第2の継鉄被覆部11a,11bの一部を接着テープ23によって巻鉄心の第2の継鉄部2dに貼りつけることにより、第2の継鉄被覆部11a,11bと巻鉄心の第2の継鉄部2dとの間の隙間から第2のフェルト13,13の外周部を露呈させた状態で、第2の継鉄被覆部11a,11bを巻鉄心2に固定して、第2の継鉄被覆部11a,11bに貼りつけられた第2のフェルト13,13を巻鉄心の第2の継鉄部2dの積層面に接触させた状態に保持する。なお図12においても、内枠27(図9参照)の図示が省略されている。
上記のようにしてコイル3A及び3Bを巻鉄心2の脚部2a及び2bに装着した後、コイル台4,4′とコア締め金具5,6とを配置し、コイル3A及び3Bからの口出し線をコイル台4の切り欠き溝4aを通して引出した後、コア締め金具5,6をバンド8により締め付けることにより、図1及び図2に示すアモルファス巻鉄心変圧器を完成する。
上記の実施形態によると、複雑な形状のカバーを用いることなく、巻鉄心からのアモルファス磁性合金の破片の漏出を防ぐことができるため、カバーのコストの低減を図って、変圧器のコストの低減を図ることができる。また巻鉄心の継鉄部に接触させるフェルト12,13は単に継鉄部の対応する積層面に接触した状態に保持されるだけで、巻鉄心を包み込む必要はないため、該フェルトとしては十分な厚さを有するものを用いることができる。従って、巻鉄心の継鉄部の積層面を覆うフェルトが変圧器を組立てる過程で破損して、変圧器の組み立て作業を妨げる要因となるおそれはない。また巻鉄心の継鉄部を包み込む作業を必要としないため、煩雑な組み立て作業を伴うことなく、アモルファス磁性合金の破片の漏出を防ぐことができるアモルファス巻鉄心変圧器を得ることができる。
上記の実施形態では、第1のカバー10に、その第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bのそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部から巻鉄心2の内周面側及び外周面側に折れ曲がって巻鉄心の内周面及び外周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆う内周面被覆部10a1,10b1及び外周面被覆部10a2,10b2を設けて、内周面被覆部10a1,10b1及び外周面被覆部10a2,10b2をそれぞれの全長に亘って設けられた接着テープにより巻鉄心に隙間なく貼りつけるようにしたが、接着テープは必ずしも内周面被覆部10a1,10b1及び外周面被覆部10a2,10b2の全長に亘って設ける必要はない。また内周面被覆部10a1,10b1及び外周面被覆部10a2,10b2を設けることなく、各第1のカバー10の第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bのそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部をそれぞれ巻鉄心2の第1及び第2の脚部2a及び2bの内周縁及び外周縁に沿う位置で終端させて、各第1のカバー10の第1及び第2の脚部被覆部10a及び10bのそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部寄りの領域を接着テープ(好ましくはそれぞれの全長に亘って設けた接着テープ)により、巻鉄心2の脚部2a及び2bに隙間なく貼りつけるようにしてもよい。要は、第1のカバー10の第1及び第2の脚部被覆部と巻鉄心の脚部2a,2bの内周縁及び外周縁(幅方向の両端の端縁部)との間に、外部に開口した隙間を生じさせない状態で、第1の脚部被覆部10a及び第2の脚部被覆部10bを接着テープにより巻鉄心の第1及び第2の脚部2a及び2bに貼りつけるようにすればよい。
上記の実施形態では、巻鉄心2の第1の脚部2a及び第2の脚部2bの各積層面をフェルトで被覆していないが、巻鉄心の第1の脚部2a及び第2の脚部2bの各積層面全体を被覆する第3のフェルトを設けるようにしてもよい。この場合、第3のフェルトは、巻鉄心の第1の継鉄部2cの各積層面を被覆する第1のフェルト12と一体に設けるのが好ましい。
上記のように、巻鉄心2の第1の脚部2a及び第2の脚部2bの各積層面全体を第3のフェルトで被覆しておくと、巻鉄心の脚部の積層面からの破片の漏出を更に確実に防ぐことができる。
フェルトとしては、巻鉄心の積層面の凹凸になじむ柔軟性を有し、かつ変圧器を組立てる過程で破損するおそれがない程度に十分な厚みを有するものを用いるのが好ましい。フェルトとしては、羊毛を加工したものと、化学繊維を加工したもの(不織布)とがあるが、本発明を実施するに当っては、上記の条件を満たしさえすれば,何れのフェルトを用いてもよい。
なお巻鉄心2の第1の継鉄部の積層面を覆う第1のフェルトと第1及び第2の脚部の積層面を覆う第3のフェルトとを一体に設ける場合には、これらのフェルトにより、巻鉄心の接合部が設けられた継鉄部を除くU字形部分の積層面の全体を覆うU字形のカバーが構成される。このようにフェルトによりU字形のカバーを構成する場合、絶縁紙からなる第1のカバーを省略して、フェルトからなるU字形カバー自体を巻鉄心に固定することにより、巻鉄心のU字形部分の積層面から破片が漏出するのを防ぐ構成をとることもできる。
1 アモルファス巻鉄心変圧器
2 巻鉄心
2a 第1の脚部
2b 第2の脚部
2c 第1の継鉄部
2d 第2の継鉄部
3A 第1のコイル
3B 第2のコイル
4,4′コイル台
5 第1のコア締め金具
6 第2のコア締め金具
8 バンド(締め具)
10 第1のカバー
10a 第1の脚部被覆部
10a1 内周面被覆部
10a2 外周面被覆部
10b 第2の脚部被覆部
10b1 内周面被覆部
10b2 外周面被覆部
10c 第1の継鉄被覆部
11 第2のカバー
11a,11b 第2の継鉄被覆部
11c 連結部
12 第1のフェルト
13 第2のフェルト
25 プロテクタ
27 内枠

Claims (7)

  1. アモルファス磁性合金薄帯の積層体からなっていて、互いに平行に伸びる第1及び第2の脚部と、該第1及び第2の脚部の一端間及び他端間をそれぞれ連結する第1の継鉄部及び第2の継鉄部とを有し、前記第2の継鉄部に接合部が設けられているほぼ矩形状の巻鉄心と、前記巻鉄心の第1及び第2の脚部をそれぞれ取り囲んだ状態で配置された第1及び第2のコイルとを備えたアモルファス巻鉄心変圧器において、
    互いに平行に設けられて前記巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の積層面をそれぞれ覆う帯板状の第1及び第2の脚部被覆部と、該第1及び第2の脚部被覆部の一端間を連結するように設けられて前記巻鉄心の第1の継鉄部の積層面を覆う第1の継鉄被覆部とを有するコの字形の第1のカバーが前記巻鉄心の一方の積層面及び他方の積層面のそれぞれに対して設けられて、各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部が接着テープにより前記巻鉄心の第1及び第2の脚部に貼りつけられるとともに、第1の継鉄被覆部が接着テープにより前記巻鉄心の第1の継鉄部に固定され、
    前記巻鉄心の第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面をそれぞれ覆う一対の板状の第2の継鉄被覆部と、該一対の第2の継鉄被覆部のそれぞれの中間部を相互に連結している帯板状の連結部とを有する第2のカバーが設けられて、該第2のカバーの連結部が前記第1及び第2のコイルの前記第2の継鉄部側の端部に固定され、
    各第1のカバーの第1の継鉄被覆部の巻鉄心側の面に前記巻鉄心の第1の継鉄部の対応する積層面に接する第1のフェルトが貼りつけられ、
    前記第2のカバーの一対の第2の継鉄被覆部のそれぞれの巻鉄心側の面に前記巻鉄心の第2の継鉄部の対応する積層面に接する第2のフェルトが貼りつけられ、
    前記一対の第2の継鉄被覆部が接着テープにより前記巻鉄心の第2の継鉄部に固定されていること、
    を特徴とするアモルファス巻鉄心変圧器。
  2. 各第1のカバーの第1の継鉄被覆部を巻鉄心に固定する接着テープは、前記第1の継鉄被覆部と巻鉄心の第1の継鉄部との間の隙間から前記第1のフェルトの外周部を露呈させるように、前記第1の継鉄被覆部の一部のみを前記巻鉄心の第1の継鉄部に固定するように設けられ、
    前記第2のカバーの第2の継鉄被覆部を巻鉄心に固定する接着テープは、前記第2の継鉄被覆部と巻鉄心の第2の継鉄部との間の隙間から前記第2のフェルトの外周部を露呈させるように、前記第2の継鉄被覆部の一部のみを前記巻鉄心の第2の継鉄部に固定するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
  3. 各第1のカバーは、その第1及び第2の脚部被覆部のそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部から前記巻鉄心の内周面側及び外周面側に折れ曲がって前記巻鉄心の内周面及び外周面の積層面寄りの端部付近をそれぞれ覆う内周面被覆部及び外周面被覆部を有し、
    各第1のカバーの内周面被覆部及び外周面被覆部がそれぞれの全長に亘って設けられた接着テープにより前記巻鉄心に貼りつけられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
  4. 各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部は、それぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部がそれぞれ前記巻鉄心の第1及び第2の脚部の内周縁及び外周縁に沿う位置で終端するように設けられ、
    各第1のカバーの第1及び第2の脚部被覆部のそれぞれの幅方向の一端及び他端の端縁部寄りの領域がそれぞれの全長に亘って設けられた接着テープにより前記巻鉄心の第1及び第2の脚部の内周面及び外周面に貼りつけられていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
  5. 前記巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の各積層面全体を被覆する第3のフェルトが更に設けられている請求項1に記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
  6. 前記巻鉄心の第1の脚部及び第2の脚部の各積層面全体を被覆する第3のフェルトは、前記第1の継鉄部の各積層面を被覆する第1のフェルトと一体に設けられている請求項5に記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
  7. 前記第1及び第2のコイルが取り付けられた巻鉄心の第1の継鉄部の外周側及び第2の継鉄部の外周側にそれぞれ前記第1の継鉄部と第2の継鉄部の対向方向に相対する第1及び第2のコア締め金具が設けられ、
    前記第1のコア締め金具と前記第1及び第2のコイルの第1のコア締め金具側の端部との間に配置されて前記第1及び第2のコイルをそれぞれの軸線方向の一端側から押える一対の第1のコイル台が、前記第1の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面のそれぞれに近接させた状態で設けられるとともに、前記第2のコア締め金具と前記第1及び第2のコイルの第2のコア締め金具側の端部との間に配置されて前記第1及び第2のコイルをそれぞれの軸線方向の他端側から押える一対の第2のコイル台が、前記第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面にそれぞれ近接させた状態で設けられ、
    前記一対の第1のコイル台は、前記一対の第1のカバーに接して前記巻鉄心の第1の継鉄部の一方の積層面を被覆する第1のフェルト及び該第1の継鉄部の他方の積層面を被覆する第1のフェルトをそれぞれ第1の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面に接した状態に保持するように設けられ、
    前記一対の第2のコイル台は、前記第2のカバーの一対の第2の継鉄被覆部に接して前記巻鉄心の第2の継鉄部の一方の積層面を被覆する第2のフェルト及び該第2の継鉄部の他方の積層面を被覆する第2のフェルトをそれぞれ第2の継鉄部の一方の積層面及び他方の積層面に接した状態に保持するように設けられ、
    前記第1のコア締め金具及び第2のコア締め金具が締め具により互いに引き寄せられる方向に締め付けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載のアモルファス巻鉄心変圧器。
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