JP6090782B2 - 電気接続構造及び端子 - Google Patents
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Description
本発明に係る実施形態1を、図1ないし図5を参照しつつ説明する。本実施形態は、銅部材10と、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属部材11と、の電気接続構造30である。
図1に示すように、金属部材11は、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む。金属部材11に含まれる金属としては、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、錫、鉛等、又はこれらの合金を例示することができる。本実施形態においては、金属部材11はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む板材を所定の形状にプレス加工してなる。
銅部材10は、銅又は銅合金を含む。本実施形態においては、銅部材10は銅又は銅合金を含む板材を所定の形状にプレス加工してなる。
金属部材11と銅部材10との接続方法としては、抵抗溶接、超音波溶接、ロウ接(ロウ付け、及びはんだ付けを含む)、冷間圧接、圧接、ボルト締め等、必要に応じて任意の接続方法を適宜に選択できる。本実施形態においては、金属部材11と銅部材10とは、一対の治具14に挟み付けられることにより圧接されている。金属部材11と銅部材10とが圧接により接続された接続部12において、金属部材11と銅部材10とは電気的に接続されている。
銅部材10のうち接続部12と異なる部分には、表面処理剤が塗布された表面処理層13が形成されている。表面処理層13は、銅部材10の表面のうち、金属部材11と接触している接続部12と異なる部分に形成されている。銅部材10の表面とは、銅部材10の上面、下面、及び側面等、外部に露出する全ての表面をいう。
ることができる。
続いて、本実施形態の製造工程の一例を示す。なお、製造工程は以下の記載に限定されない。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電気接続構造30においては、銅部材10の表面(上面、下面、及び側面を含む外部に露出した全表面)のうち、少なくとも金属部材11に接続された接続部12と異なる部分には表面処理層13が形成されている。これにより、銅部材10と金属部材11の双方に跨って水15が付着した場合に、銅部材10に形成された表面処理層13により銅部材10と水15とが直接に接触することが抑制される。
本実施形態によれば、ベンゾトリアゾール誘導体は疎水基を備えるので、水15が銅部材10の表面に付着することを抑制できる。更に、水中の溶存酸素が銅部材10の表面に到達することを抑制できる。これにより、腐食電流が流れることを一層抑制できる。これにより、金属部材11の電食を一層抑制できる。
本実施形態によれば、比較的容易にベンゾトリアゾール誘導体を合成することができる。
続いて、本発明の電気接続構造に係るモデル実験について説明する。このモデル実験により、銅部材に表面処理層が形成されることにより腐食電流が抑制されることが認められた。
まず、金属部材20として、厚さ0.2mmのアルミニウム板をプレス加工することにより、幅1cm、長さ1cmの試験片を形成した。金属部材20は5質量%NaOH水溶液に1分間浸漬した後、50%HNO3に1分間浸漬した後、直後に純水にて洗浄した。
銅部材21をベンゾトリアゾールの1質量%水溶液に浸漬しなかったこと以外は試験例1と同様にして腐食電流を測定した。
続いて、ベンゾトリアゾール誘導体を含む表面処理剤を用いた場合の腐食電流について評価した。
銅部材21は下記の式(4)で表されるベンゾトリアゾール誘導体に50℃、10秒間浸漬した後、80℃で10分間乾燥した。乾燥は、加熱したホットプレート上に新品の銅板を載置し、この銅板の上に、ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21を載置して10分間静置した。ベンゾトリアゾール誘導体は、BT−LX(城北化学工業株式会社製)を用いた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21の乾燥温度を100℃とした以外は試験例3と同様にして腐食電流を測定した。結果を表2にまとめた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21の乾燥温度を150℃とした以外は試験例3と同様にして腐食電流を測定した。結果を表2にまとめた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21をホットプレートで乾燥しなかったこと以外は試験例3と同様にして腐食電流を測定した。結果を表2にまとめた。
続いて、試験例3〜6で用いたベンゾトリアゾール誘導体とは異なるベンゾトリアゾール誘導体を含む表面処理剤を用いた場合の腐食電流について評価した。
銅部材21は下記の化学式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体と、下記の化学式(6)で表されるベンゾトリアゾール誘導体の双方又は一方を含む表面処理剤に50℃、10秒間浸漬した後、80℃で10分間乾燥した。乾燥は、加熱したホットプレート上に新品の銅板を載置し、この銅板の上に、ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21を載置して10分間静置した。ベンゾトリアゾール誘導体は、TT−LX(城北化学工業株式会社製)を用いた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21の乾燥温度を100℃とした以外は試験例7と同様にして腐食電流を測定した。結果を表3にまとめた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21の乾燥温度を150℃とした以外は試験例7と同様にして腐食電流を測定した。結果を表3にまとめた。
ベンゾトリアゾール誘導体に浸漬した銅部材21をホットプレートで乾燥しなかったこと以外は試験例7と同様にして腐食電流を測定した。結果を表2にまとめた。
次に、本発明を具体化した実施形態2を、図6ないし図9を参照しつつ説明する。以下の説明においては、図6、図7および図9における左方を前方とし、右方を後方とする。また、図1における上方を上方とし、下方を下方とする。なお、実施形態1と重複する説明については省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る端子110は、雌型の端子110である。端子110は、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む金属領域104と、銅または銅合金を含む銅領域105とが並列して接合された金属板材101(詳細は後述する)から構成されている。本実施形態においては、金属領域104はアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む。本実施形態の端子110は、図7に示すような展開形状の端子片110Aに曲げ加工などを施すことで図6に示すような形状に成形されている。金属領域104の上面及び下面にはアルマイト処理が施されることによりアルマイト層(図示せず)が形成されている。
本体部111は、図7に示す展開形状の端子片110Aを折曲線L1に沿って折り曲げることで角筒状に形成されている。本体部111は、前後に延出する底壁113と、底壁113の両側縁から立ち上げられる一対の側壁114,115と、側壁114から連なり底壁113と対向する天井壁116と、側壁115から連なり天井壁116の外側に重ね合わせられる外壁117とから構成されている。
端子110の電線接続部123は、図6に示すように、本体部111の底壁113の後端から後方へ延出されて設けられている。電線接続部123の上面は電線140が載置される電線載置面123Aとされる。この電線140は2組のバレル部125A,125Bにより圧着されている。
本体部111の前端部から後端部寄りの位置には、イオン化傾向がアルミニウム(合金)よりも銅部材に近いメッキ用金属がメッキされたメッキ領域106が形成されている。メッキ用金属としては、例えば、亜鉛、ニッケル、錫等を用いることができる。本実施形態においては、メッキ用金属として錫が用いられている。
本実施形態の端子110においては、電線接続部123の前端123Eと、本体部111のうちメッキ層が形成されていない部分とに、面処理剤を含む表面処理層129が形成されている。表面処理層129は、電線140が載置される電線載置面123A(図6における上側に配される面)および、その反対側の面123Bの双方に形成されている(図6および図7を参照)。表面処理層129により覆われている部分については、図中、網掛けで示した。表面処理層129は電線接続部123に接続される電線140の前端(芯線141の前端141A)よりも本体部111寄りに形成されているので、端子110と電線140との電気的な接続に悪影響を与えることはない。
次に、本実施形態の端子110を構成する金属板材101について説明する。本実施形態で用いる金属板材101は、図8に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金(「アルミニウム(合金)」ともいう)からなる金属領域104と、銅または銅合金(「銅(合金)」ともいう)からなる銅領域105とが並列して接合されたクラッド材である。
次に、本実施形態の端子110の製造工程の一例について説明する。まず、端子110の材料となる金属板材101を作製する(板材作製工程)。具体的には、アルミニウム(合金)と銅(合金)とを、冷間圧接により一体化することにより、アルミニウム(合金)からなる金属領域104と銅(合金)からなる銅領域105とが並列して接合された平板状のクラッド材を作製する。
次に、板材作製工程の実行により得られた金属板材101の表面101A,101Bに、イオン化傾向がアルミニウム(合金)よりも銅部材に近いメッキ用金属をメッキするメッキ工程を実行する。本実施形態においては、錫メッキが施される。金属板材101のうち、金属領域104と、銅領域105のうちメッキ領域106を形成しない領域とを公知の方法によりマスキングする。次いで、銅領域105に公知の方法により錫メッキを施す。その後、マスキングを除去する。
次に、金属板材101の金属領域104の表面101A、101Bにアルマイト層を形成するアルマイト処理工程を実行する。金属板材101のうち、金属領域104を除く領域を公知の方法によりマスキングする。次いで、金属領域104に公知の方法によりアルマイト層を形成する。その後、マスキングを除去する。
次に、金属板材101の表面101A,101Bに表面処理層129を形成する表面処理工程を実行する。金属板材101のうち、メッキ層が形成された領域と、アルマイト層が形成された領域とを公知の手法によりマスキングする。次いで、金属板材101の表面101A,101Bに表面処理剤を塗布する。表面処理剤を塗布する方法は、金属板材101を表面処理剤に浸漬してもよく、金属板材101に表面処理剤を刷毛で塗布してもよく、表面処理剤又は表面処理剤を溶剤に溶解させた溶液を金属板材101にスプレーしてもよく、必要に応じて任意の手法を適宜に選択することができる。その後、マスキングを除去する。これにより金属板材101が形成される(図9参照)。
次に、金属板材101を打抜く(打ち抜き工程)ことにより、図7に示す形状の連鎖端子が得られる。なお、本実施形態では、本体部111のほぼ全域が銅領域105に形成されるようにするとともに、電線接続部123のほぼ全域が金属板材101の金属領域104に形成されるように、打ち抜き工程が実行される。
次に、ワイヤーバレル部125Bの電線載置面123Aに、図示しない複数の凸部が突出形成された金型を用いてプレス加工を施すことにより(プレス工程)、複数の凹部128を形成する。と、図示しない連鎖端子が得られる。
次に、個々の端子片110Aの電線接続部123に設けられたインシュレーションバレル部125Aおよびワイヤーバレル部125Bを電線140に圧着させて、端子110と電線140とを接続する圧着工程を実行する。具体的には、電線140を、その芯線141の前端141A(端末141A)が電線接続部123の端部配置領域126に配されるとともに、絶縁被覆142の端末142Aが芯線配置領域127に配されるように載置してから、ワイヤーバレル部125Bとインシュレーションバレル部125Aとをそれぞれ電線140に圧着させる。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態に係る端子110は、銅部材と金属部材とが冷間圧接された金属板材101により形成され、銅部材からなる銅領域105と、金属部材からなる金属領域104とが並列されており、銅領域105には表面処理層129が形成されている。これにより、銅部材と金属部材とが冷間圧接されて一体に形成された端子110について、金属部材が電食により腐食することを抑制できる。
次に、本発明の実施形態3を図10ないし図11を参照しつつ説明する。本実施形態は、銅又は銅合金を含む端子150(銅部材の一例)と、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を含む芯線151(金属部材の一例)を備えた電線152と、を備えた端子付き電線153である。なお、実施形態1と重複する説明については省略する。
電線152は、芯線151の外周を合成樹脂製の絶縁被覆154で包囲してなる。芯線151を構成する金属としては、銅よりもイオン化傾向の大きな金属を用いることが可能であって、例えば、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、錫、鉛等、又はこれらの合金を例示することができる。本実施形態においては、芯線151はアルミニウム又はアルミニウム合金を含む。本実施形態に係る芯線151は複数の金属細線を撚り合わせてなる撚り線である。芯線151としては、金属棒材からなる、いわゆる単芯線を用いてもよい。アルミニウム又はアルミニウム合金は比較的に比重が小さいので、端子付き電線153を全体として軽量化することができる。
図10に示すように、端子150は、電線152の端末から露出する芯線151に接続されるワイヤーバレル部155と、ワイヤーバレル部155の後方に形成されて絶縁被覆154を保持するインシュレーションバレル部156と、ワイヤーバレル部155の前方に形成されて雄端子のタブ(図示せず)が挿入される本体部157と、を備える。
端子150は金属板材を所定形状にプレス加工することにより形成される。そのため、金属板材がメッキされているか否かにかかわらず、プレス後のワイヤーバレル部155の端面158においては、金属板材を構成する銅又は銅合金が露出する。ワイヤーバレル部155の端面158において銅又は銅合金が露出した状態であると、ここに水が付着することにより、芯線151に含まれるアルミニウム又はアルミニウム合金とのイオン化傾向の差により、電食が促進され、芯線151からアルミニウムが溶出することが懸念される。
次に、本発明の実施形態4を、図12を参照しつつ説明する。本実施形態は、銅又は銅合金を含む銅芯線170(第1芯線に相当)を備えた銅電線171(第1電線に相当)と、銅よりもイオン化傾向の大きなアルミニウム又はアルミニウム合金を含むアルミニウム芯線172(第2芯線に相当)を備えたアルミニウム電線173(第2電線に相当)と、が接続されたものである。銅芯線170の外周は合成樹脂製の絶縁被覆174で覆われており、アルミニウム芯線の外周は合成樹脂製の絶縁被覆175で覆われている。なお、実施形態1と重複する説明については省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
11,20:金属部材
12:接続部
13:表面処理層
30:電気接続構造
101:金属板材
104:金属領域
105:銅領域
106:メッキ領域
150:端子(銅部材)
151:芯線(金属部材)
155:ワイヤーバレル部
170:銅芯線(第1芯線)
171:銅電線(第1電線)
172:アルミニウム芯線(第2芯線)
173:アルミニウム電線(第2電線)
Claims (11)
- 前記疎水部はアルキル基を含む請求項1に記載の電気接続構造。
- 前記R 1 及び前記R 2 はそれぞれ独立に炭素数5〜11の直鎖アルキル基、分岐アルキル基、若しくはシクロアルキル基である請求項3に記載の電気接続構造。
- 前記Yは水素原子又はメチル基である請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気接続構造。
- 前記金属部材がアルミニウム又はアルミニウム合金を含む請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電気接続構造。
- 前記銅部材は第1電線の第1芯線であり、前記金属部材は前記第1電線とは異なる第2電線の第2芯線である請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電気接続構造。
- 前記金属部材は電線の芯線であり、前記銅部材は前記芯線に圧着されるワイヤーバレル部を備えた端子であり、
少なくとも前記ワイヤーバレル部の端面には前記表面処理層が形成されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電気接続構造。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電気接続構造を用いた端子であって、
前記銅部材と前記金属部材とが冷間圧接された金属板材により形成され、前記銅部材からなる銅領域と、前記金属部材からなる金属領域とが並列されており、
前記銅領域には前記表面処理層が形成されている端子。 - 前記銅領域には、イオン化傾向が前記金属部材よりも前記銅部材に近いメッキ用金属がメッキされたメッキ領域が形成されており、
前記表面処理層は、少なくとも前記銅部材のうち前記メッキ領域が形成されていない領域に形成されている請求項9に記載の端子。 - 前記金属部材はアルミニウム又はアルミニウム合金を含み、
前記金属領域の表面にはアルマイト層が形成されている請求項9または請求項10に記載の端子。
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