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JP6090866B2 - 燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ及びその製造方法 - Google Patents
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JP6090866B2 - 燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池に組み込まれる燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ及びその製造方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)と多孔質カーボン(ガス拡散層)からなるアノード電極及びカソード電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持されて発電セルが構成されている。通常、燃料電池では、発電セルを所定の数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池電気自動車に搭載されている。
燃料電池では、燃料ガスがアノード側からカソード側に固体高分子電解質膜を透過する一方、酸化剤ガスが前記カソード側から前記アノード側に前記固体高分子電解質膜を透過する場合がある。
このため、アノード側及びカソード側では、水素と酸素とが反応して過酸化水素(H22)が発生し易い(H2+O2→H22)。この過酸化水素は、電極中のカーボン担体や白金(Pt)上で分解し、例えば、ヒドロキシラジカル(・OH)等の活性物質が発生する。これにより、固体高分子電解質膜及び電極触媒を劣化させるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池の異状監視方法及びその装置が知られている。この特許文献1では、触媒層等の監視対象部位にルミノールが付着した燃料電池が用意され、前記燃料電池に発電を行わせている。その際、触媒層に異常電位が生じたり、過酸化水素が生成されたりすると、その異常電位発生部位や過酸化水素の生成部位は、ルミノール反応によって発光する。この発光を観測者が視認することで、観測者は、異常電位の発生や過酸化水素の生成を容易に特定することができる、としている。
特開2005−332682号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、電解質膜・電極構造体の複数箇所に対応して過酸化水素濃度を正確に検出することが困難である。しかも、特に微細な位置での過酸化水素濃度の検出作業が遂行されないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、特に微細な位置での過酸化水素濃度の検出を良好且つ正確に遂行するとともに、経済的に製造することが可能な燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサは、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池に用いられている。この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサは、電解質膜・電極構造体中の過酸化水素濃度を検出するものである。
燃料電池用過酸化水素濃度検出センサは、イオン交換膜の表面に平板状の金属触媒が設けられるとともに、前記金属触媒の一端部と他端部とを外部に露呈して、該金属触媒が一対の絶縁被膜に挟持されている。そして、金属触媒の一端部には、イオン交換成分を含む塗布層が形成されている。
また、この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサでは、一対の絶縁被膜を構成しイオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、金属触媒の一端部側を外部に露呈し、且つ、前記金属触媒の他端部側の表面を覆うことが好ましい。一方、一対の絶縁被膜を構成し金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、金属触媒の一端部側及び前記金属触媒の他端部側を外部に露呈することが好ましい。
さらに、この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサでは、一対の絶縁被膜を構成しイオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、金属触媒の一端部側から前記金属触媒の他端部側の表面を覆うことが好ましい。一方、一対の絶縁被膜を構成し金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、金属触媒の一端部側及び前記金属触媒の他端部側を外部に露呈することが好ましい。
さらにまた、この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサでは、一対の絶縁被膜を構成しイオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、金属触媒の一端部側を外部に露呈し、且つ、前記金属触媒の他端部側の表面を覆うことが好ましい。一方、一対の絶縁被膜を構成し金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、金属触媒の一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の他端部側を外部に露呈することが好ましい。
また、この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサでは、一対の絶縁被膜を構成しイオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、金属触媒の一端部側から前記金属触媒の他端部側の表面を覆うことが好ましい。一方、一対の絶縁被膜を構成し金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、金属触媒の一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の他端部側を外部に露呈するとともに、少なくとも前記第2絶縁被膜には、塗布層を設けるための開口部が形成されることが好ましい。
さらに、この燃料電池用過酸化水素濃度検出センサでは、イオン交換膜の表面には、複数本の金属触媒が互いに並列して設けられるとともに、一対の絶縁被膜を構成しイオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の一端部側から前記金属触媒の他端部側の表面を覆うことが好ましい。一方、一対の絶縁被膜を構成し金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、金属触媒の一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の他端部側を外部に露呈し、少なくとも前記第2絶縁被膜には、塗布層を設けるための複数の開口部が、前記金属触媒の並列方向に沿って段差状に形成されることが好ましい。
さらにまた、本発明に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの製造方法は、イオン交換膜の表面に平板状の金属触媒を設ける工程を有している。この製造方法は、さらに金属触媒の一端部と他端部とを外部に露呈して、該金属触媒を一対の絶縁被膜で挟持する工程と、前記金属触媒の前記一端部に、イオン交換成分を含む塗布層を形成する工程と、を有している。
本発明によれば、過酸化水素濃度検出センサが、イオン交換膜の表面に平板状の金属触媒が設けられるとともに、前記金属触媒の一端部に、イオン交換成分を含む塗布層が設けられている。このため、過酸化水素濃度を検出するセンサ部は、良好に微小化されるとともに、前記金属触媒の使用量が可及的に低減される。従って、電解質膜・電極構造体の微小領域における過酸化水素濃度の測定を良好且つ正確に遂行するとともに、経済的に製造することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサが組み込まれる燃料電池システムの概略構成説明図である。 燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成する電解質膜・電極構造体の要部断面説明図である。 前記電解質膜・電極構造体に組み込まれる過酸化水素濃度検出センサの一部断面斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。 イオン交換膜に金属触媒が塗布される際の説明図である。 前記イオン交換膜に第1絶縁被膜を設ける際の説明図である。 前記イオン交換膜に第2絶縁被膜を設ける際の説明図である。 前記金属触媒の一端部に塗布層を設ける際の説明図である。 電位と過酸化水素濃度との関係説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの一部断面斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの一部断面斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの一部断面斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの一部断面斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。 イオン交換膜に金属触媒が塗布される際の説明図である。 前記イオン交換膜に第1絶縁被膜を設ける際の説明図である。 前記イオン交換膜に第2絶縁被膜を設ける際の説明図である。 前記金属触媒の一端部に塗布層を設ける際の説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの要部斜視説明図である。 前記過酸化水素濃度検出センサの側面説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサが組み込まれる燃料電池システム10は、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両に搭載される車載用燃料電池システムを構成する。
燃料電池システム10は、複数の燃料電池12が積層される燃料電池スタック14を備える。燃料電池システム10は、燃料電池スタック14に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置16と、前記燃料電池スタック14に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置18と、前記燃料電池スタック14に冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置20とを備える。燃料電池システム10全体の制御は、制御装置(ECU)22により行われる。
図2に示すように、燃料電池12は、電解質膜・電極構造体24を第1セパレータ26及び第2セパレータ28で挟持する。第1セパレータ26及び第2セパレータ28は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板や、カーボン部材等で構成されている。
図2及び図3に示すように、電解質膜・電極構造体24は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜30と、前記固体高分子電解質膜30を挟持するアノード電極32及びカソード電極34とを備える。固体高分子電解質膜30は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。
例えば、カソード電極34の外周端部は、アノード電極32の外周端部よりも外側に突出するとともに、前記アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の一方の面30aに配置される。アノード電極32は、固体高分子電解質膜30の外周を額縁状に露呈させる。なお、アノード電極32は、固体高分子電解質膜30と同一の平面寸法に設定されてもよい。カソード電極34は、固体高分子電解質膜30の他方の面30bに配置され、前記固体高分子電解質膜30の外周端部は、前記カソード電極34の外周端部よりも外方に突出する。なお、固体高分子電解質膜30は、カソード電極34と同一の平面寸法に設定されてもよい。
アノード電極32は、図示しないが、固体高分子電解質膜30の一方の面30aに接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを設ける。カソード電極34は、図示しないが、固体高分子電解質膜30の他方の面30bに接合される電極触媒層と、前記電極触媒層に積層されるガス拡散層とを設ける。
電解質膜・電極構造体24は、固体高分子電解質膜30の外周を周回する樹脂製枠部材36を備える。樹脂製枠部材36は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、LCP、PES、PEEK、PFA等で構成される。なお、樹脂製枠部材36は、必ずしも使用しなくてもよい。
図2に示すように、燃料電池12の矢印C方向(図2中、鉛直方向)の上端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔38a及び燃料ガス入口連通孔40aが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔38aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する。燃料ガス入口連通孔40aは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給する。酸化剤ガス入口連通孔38aと燃料ガス入口連通孔40aとは、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印C方向の下端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔40bと、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔38bとが、矢印B方向に配列して設けられる。
燃料電池12の矢印B方向の一端縁部には、冷却媒体を供給するための一対(又は単一)の冷却媒体入口連通孔42aが設けられる。燃料電池12の矢印B方向の他端縁部には、冷却媒体を排出するための一対(又は単一)の冷却媒体出口連通孔42bが設けられる。
第1セパレータ26の電解質膜・電極構造体24に向かう面26aには、酸化剤ガス入口連通孔38aと酸化剤ガス出口連通孔38bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。第2セパレータ28の電解質膜・電極構造体24に向かう面28aには、燃料ガス入口連通孔40aと燃料ガス出口連通孔40bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。酸化剤ガス流路46と燃料ガス流路48とは、鉛直方向に向かって酸化剤ガスと燃料ガスとを流通させる。
第1セパレータ26の面26aとは反対の面26bと、第2セパレータ28の面28aとは反対の面28bとの間には、冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。冷却媒体流路50は、水平方向に向かって冷却媒体を流通させる。
第1セパレータ26の面26a、26bには、この第1セパレータ26の外周端部を周回して、第1シール部材52が一体化される。第2セパレータ28の面28a、28bには、この第2セパレータ28の外周端部を周回して、第2シール部材54が一体化される。
第1シール部材52及び第2シール部材54は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
第2セパレータ28には、燃料ガス入口連通孔40aを燃料ガス流路48に連通する複数の供給孔部56と、前記燃料ガス流路48を燃料ガス出口連通孔40bに連通する複数の排出孔部58とが形成される。
図3に示すように、電解質膜・電極構造体24には、複数の過酸化水素濃度検出センサ60が直接設けられる。過酸化水素濃度検出センサ60は、例えば、アノード電極32の電極面内に、前記アノード電極32と固体高分子電解質膜30との間に介装されるとともに、該アノード電極32の外周縁部に位置して、複数、設けられてもよい。
過酸化水素濃度検出センサ60は、図3に示すように、発電領域(電極触媒層が塗布された領域)のアノード電極32と固体高分子電解質膜30との間の他、発電領域のカソード電極34と前記固体高分子電解質膜30との間、及びアノード電極32の端部やカソード電極34の端部又は露出した前記固体高分子電解質膜30の表面に設置してもよい。
図4及び図5に示すように、過酸化水素濃度検出センサ60は、長方形状のイオン交換膜62の表面に平板状の金属触媒64を設ける。イオン交換膜62には、例えば、フッ素樹脂の共重合体からなるフッ素系膜成分(又はHC膜成分)にスルホン酸イオンを含浸した膜が使用されるとともに、金属触媒64には、Pt等の電極触媒が使用される。
過酸化水素濃度検出センサ60は、金属触媒64の一端部64aと他端部64bとを外部に露呈して、前記金属触媒64の両面側を挟持する第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66bを設ける。ここで、第1絶縁被膜66aは、イオン交換膜62に積層される一方、第2絶縁被膜66bは、金属触媒64に積層される。この関係は、第2以降の実施形態においても、同様である。
第1絶縁被膜66aは、金属触媒64の一端部64a側をイオン交換膜62を介して外部に露呈し、且つ、前記金属触媒64の他端部64b側の表面を覆う。第2絶縁被膜66bは、金属触媒64の一端部64a及び前記金属触媒64の他端部64b側を外部に露呈する。金属触媒64の一端部64aには、イオン交換成分を含む塗布層68が形成される。イオン交換成分には、例えば、フッ素系膜成分(又はHC膜成分)にスルホン酸イオンを含浸した膜が使用される。金属触媒64の一端部64aと塗布層68とによりセンサ部が構成される。
図4に示すように、第2絶縁被膜66bと塗布層68とは、段差なく、面一に滑らかに連続するとともに、前記塗布層68の先端は、イオン交換膜62に当接する。イオン交換膜62と塗布層68との間には、金属触媒64の一端部64aが覆われ、前記一端部64aが外部に露出することがない。金属触媒64の幅Wは、第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66bの幅Waよりも小さく、前記第1絶縁被膜66a及び前記第2絶縁被膜66bの幅方向両端は、直接接触する。
第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66bは、絶縁性を有し、耐熱水性、耐酸性及び耐熱性に優れるとともに、フレキシブルな材料で形成されるシート部材である。第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66bは、例えば、ポリイミド被膜又は絶縁被膜(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PET(ポリエチレンナフタレート樹脂)、LCP(液晶ポリマー)、PFA(フッ素樹脂)、PPA(ポリフタルアミド樹脂)、PES(ポリエーテルサルホン樹脂)により構成されることが好ましい。
図3に示すように、電解質膜・電極構造体24には、必要に応じて、電位センサ69が設けられる。電位センサ69は、過酸化水素濃度検出センサ60と同様に、複数箇所に設定され、各部位における電位を検出する。電位センサ69は、外周に絶縁被覆を施した白金線の先端を露出させ、電位を測定する箇所に当接させる。アノードの参照電極を基準とした電位を測定する。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16は、大気からの空気(酸化剤ガス)を圧縮して燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに供給するとともに、酸化剤ガス出口連通孔38bに連通して使用後の酸化剤ガスを排出する。燃料ガス供給装置18は、高圧水素(燃料ガス)を貯留する高圧水素タンク(図示せず)を備え、前記燃料ガスを燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに供給する。使用後の燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔40bから回収する。冷却媒体供給装置20は、燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aと冷却媒体出口連通孔42bとに連通し、冷却媒体を循環供給する。
次いで、このように構成される過酸化水素濃度検出センサ60を製造するための製造方法について、説明する。
先ず、図6に示すように、幅広なイオン交換膜62の上面には、複数本の金属触媒64が、例えば、スクリーン印刷等により塗布される。各金属触媒64は、イオン交換膜62上に並列されるとともに、一端部64a側が前記イオン交換膜62の一端部から内方に離間するとともに、他端部64b側が前記イオン交換膜62の他端部と同一位置に配置される。
次に、図7に示すように、イオン交換膜62の下面(金属触媒64とは反対の面)には、第1絶縁被膜66aが設けられる。第1絶縁被膜66aは、イオン交換膜62を介して金属触媒64の一端部64a側を外部に露呈し(なお、直接露出してもよい)、且つ、前記金属触媒64の他端部64b側の表面を覆う。さらに、図8に示すように、イオン交換膜62の上面(金属触媒64側の面)には、金属触媒64の一端部64a及び前記金属触媒64の他端部64b側を外部に露呈して第2絶縁被膜66bが設けられる。
そして、図9に示すように、イオン交換膜62の上面には、金属触媒64の一端部64aを覆って、すなわち、センサ部を覆って、塗布層68が形成される。このため、複数本の過酸化水素濃度検出センサ60が一体に製造され、その後、各過酸化水素濃度検出センサ60は、切断により分離される。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス供給装置16から燃料電池スタック14の酸化剤ガス入口連通孔38aに酸化剤ガス(空気)が供給される。一方、燃料ガス供給装置18から燃料電池スタック14の燃料ガス入口連通孔40aに燃料ガス(水素ガス)が供給される。また、冷却媒体供給装置20では、燃料電池スタック14の冷却媒体入口連通孔42aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
図2に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔38aから第1セパレータ26の酸化剤ガス流路46に導入され、矢印C方向に移動して電解質膜・電極構造体24のカソード電極34に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔40aから供給孔部56を通って第2セパレータ28の燃料ガス流路48に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路48に沿って矢印C方向に移動し、電解質膜・電極構造体24のアノード電極32に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体24では、カソード電極34に供給される酸化剤ガスと、アノード電極32に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極34に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極32に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部58を通り燃料ガス出口連通孔40bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔42aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ26と第2セパレータ28との間に形成された冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体24を冷却した後、冷却媒体出口連通孔42bから排出される。
上記のように、燃料電池システム10の発電運転が行われている際、制御装置22では、電解質膜・電極構造体24に直接装着された各過酸化水素濃度検出センサ60による検出電流から算出される過酸化水素濃度を計測及び把握している。過酸化水素濃度検出センサ60は、過酸化水素濃度を計測する面に当接させており、金属触媒64の他端部64bの電位を計測することにより、過酸化水素濃度を計測する。
過酸化水素濃度検出センサ60は、1つのMEAに1個又は複数個を配置しており、その中、検出された最も変化の大きい過酸化水素濃度が採用される。発電条件によって、最も変化の大きい電解質膜・電極構造体24の場所が異なる。また、経験的に、過酸化水素濃度を最も効率よく検出できる場所の一カ所にのみ、過酸化水素濃度検出センサ60を配置してもよい。なお、最も高濃度の値を用いてもよい。
ここで、過酸化水素濃度(H22%)と電位(燃料電池電圧)とは、図10に示す関係を有している。例えば、低電位域では、過酸化水素の生成が増加する。制御装置22では、検出された過酸化水素濃度に基づいて、燃料電池システム10の制御が行われる。
この場合、第1の実施形態では、図4及び図5に示すように、過酸化水素濃度検出センサ60は、長尺な微小薄膜からなる金属触媒64が、第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66bにより被膜されている。そして、金属触媒64の一端部64aには、イオン交換成分を含む塗布層68が形成されている。
このため、過酸化水素濃度検出センサ60では、過酸化水素濃度を検出するセンサ部は、良好に微小化されている。従って、特に電解質膜・電極構造体24の微小領域における過酸化水素濃度の測定を良好且つ正確に遂行することが可能になるという効果が得られる。これにより、過酸化水素濃度検出センサ60全体の小型化が容易に遂行できる。
しかも、金属触媒64は、イオン交換膜62の表面に塗布されている。このため、金属触媒64の使用量が可及的に低減され、過酸化水素濃度検出センサ60を経済的に製造することが可能になるという利点がある。
図11及び図12に示すように、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ70は、図示しない燃料電池システムに組み込まれる。なお、第1の実施形態に係る過酸化水素濃度検出センサ60と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は、省略する。
過酸化水素濃度検出センサ70は、金属触媒64の一端部64aと他端部64bとを第2絶縁被膜66bから外部に露呈して、前記金属触媒64を挟持する第1絶縁被膜66c及び前記第2絶縁被膜66bを設ける。第1絶縁被膜66cは、金属触媒64の一端部64a側から前記金属触媒64の他端部64b側の全面を覆う。具体的には、第1絶縁被膜66cは、イオン交換膜62と略同一の大きさ(外形寸法)に設定される。金属触媒64の一端部64aと塗布層68とにより、センサ部が構成される。
図13及び図14に示すように、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ80は、図示しない燃料電池システムに組み込まれる。
過酸化水素濃度検出センサ80は、金属触媒64の他端部64bを外部に露呈して、前記金属触媒64を挟持する第1絶縁被膜66a及び第2絶縁被膜66dを設ける。第2絶縁被膜66dは、金属触媒64の一端部64a側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒64の他端部64b側を外部に露呈する。金属触媒64の一端部64aとイオン交換膜62の一端部とにより、センサ部が構成される。
図15及び図16に示すように、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ90は、図示しない燃料電池システムに組み込まれる。
過酸化水素濃度検出センサ90は、金属触媒64の他端部64bを外部に露呈して、前記金属触媒64を挟持する第1絶縁被膜66e及び第2絶縁被膜66fを設ける。
第1絶縁被膜66eは、金属触媒64の一端部64a側から前記金属触媒64の他端部64b側の全面を覆うとともに、前記一端部64a側に孔部92aを設ける。孔部92aには、イオン交換成分を含む塗布層68aが形成される。第2絶縁被膜66fは、金属触媒64の一端部64a側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒64の他端部64b側を外部に露呈するとともに、前記一端部64a側に孔部92bを設ける。孔部92bには、イオン交換成分を含む塗布層68bが形成される。孔部形状は、四角に限定されるものではなく、例えば、丸形や楕円等の種々の形状でもよい。
塗布層68bは、塗布層68aと積層方向に同一位置に配置される。塗布層68a、68bと金属触媒64の一端部64aとにより、センサ部が構成される。
図17及び図18に示すように、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ100は、図示しない燃料電池システムに組み込まれる。
過酸化水素濃度検出センサ100は、金属触媒64の他端部64bを外部に露呈して、前記金属触媒64を挟持する第1絶縁被膜66c及び第2絶縁被膜66fを設ける。
過酸化水素濃度検出センサ100では、第2絶縁被膜66fが形成された孔部92bにイオン交換成分を含む塗布層68bが形成される。塗布層68bと金属触媒64の一端部64aとにより、センサ部が構成される。
このように構成される過酸化水素濃度検出センサ100を製造する製造方法について、以下に説明する。
先ず、図19に示すように、イオン交換膜62の上面には、複数本の金属触媒64が、例えば、スクリーン印刷等により塗布される。各金属触媒64は、イオン交換膜62上に並列されるとともに、一端部64a側が前記イオン交換膜62の一端部と同一位置に配置されるとともに、他端部64b側が前記イオン交換膜62の他端部と同一位置に配置される。
次に、図20に示すように、イオン交換膜62の下面(金属触媒64とは反対の面)には、第1絶縁被膜66cが設けられる。第1絶縁被膜66cは、金属触媒64の一端部64a側から前記金属触媒64の他端部64b側の全面を覆う。なお、第1絶縁被膜66cは、一端部64aの先端から外方に突出することが好ましい。
さらに、図21に示すように、イオン交換膜62の上面には、金属触媒64の一端部64a側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒64の他端部64b側を外部に露呈して第2絶縁被膜66fが設けられる。そして、図22に示すように、第2絶縁被膜66fには、金属触媒64の一端部64aに対応して複数個の孔部92bが形成される。孔部92bは、組み立て前に予め開口しており、各孔部92bには、塗布層68bが形成されることにより、それぞれセンサ部を構成している。このため、複数本の過酸化水素濃度検出センサ100が一体に製造され、その後、各過酸化水素濃度検出センサ100は、切断により分離される。なお、孔部92bの形状は、四角に限定されるものではなく、例えば、丸形や楕円等の種々の形状でもよい。
このように構成される第2〜第5の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図23及び図24に示すように、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ110は、図示しない燃料電池システムに組み込まれる。
過酸化水素濃度検出センサ110は、幅広なイオン交換膜62wの表面に、平板状の複数個の金属触媒64A〜64Eが互いに並列して設けられる。金属触媒64A〜64Eは、幅広な第1絶縁被膜66A及び第2絶縁被膜66Bにより一体的に挟持される。第1絶縁被膜66Aは、金属触媒64A〜64Eの各一端部64a側から前記金属触媒64A〜64Eの各他端部64b側の表面を覆う。
第2絶縁被膜66Bは、金属触媒64A〜64Eの各一端部64a側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒64A〜64Eの各他端部64b側を外部に露呈し、イオン交換膜62wの表面に設けられる。第2絶縁被膜66Bには、複数の開口部112a、112b、112c、112d及び112eが、金属触媒64A〜64Eの並列方向(長さ方向Lに交差する幅方向T)に沿って段差状に形成される。
開口部112a〜112eは、開口形状矩形の他、開口形状円形等、種々の形状を用いることができる。開口部112a、112b、112c、112d及び112eには、イオン交換成分の塗布層68A、68B、68C、68D及び68Eが形成されることにより、複数個のセンサ部が構成される。なお、第1絶縁被膜66Aにも、開口部を設けて塗布層を形成してもよい。
このように構成される第6の実施形態では、各センサ部である塗布層68A、68B、68C、68D及び68E同士を可及的に近接して配置することが可能になる。これにより、複数個のセンサ部を用いて、電解質膜・電極構造体24の微小箇所の過酸化水素濃度及び濃度分布を詳細且つ正確に分析することができるという効果が得られる。しかも、塗布層68A、68B、68C、68D及び68Eは、段差状に配置されているため、隣り合う前記塗布層68A、68B、68C、68D及び68Eの幅を十分に確保することが可能になる。
10…燃料電池システム 12…燃料電池
14…燃料電池スタック 16…酸化剤ガス供給装置
18…燃料ガス供給装置 20…冷却媒体供給装置
22…制御装置 24…電解質膜・電極構造体
26、28…セパレータ 30…固体高分子電解質膜
32…アノード電極 34…カソード電極
38a…酸化剤ガス入口連通孔 38b…酸化剤ガス出口連通孔
40a…燃料ガス入口連通孔 40b…燃料ガス出口連通孔
42a…冷却媒体入口連通孔 42b…冷却媒体出口連通孔
46…酸化剤ガス流路 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 60、70、80、90、100、110…過酸化水素濃度検出センサ
62…イオン交換膜 64、64A〜64E…金属触媒
64a…一端部 64b…他端部
66a〜66f、66A、66B…絶縁被膜
68、68a、68b…塗布層 92a、92b…孔部
112a〜112e…開口部

Claims (7)

  1. アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池において、前記電解質膜・電極構造体中の過酸化水素濃度を検出する燃料電池用過酸化水素濃度検出センサであって、
    前記燃料電池用過酸化水素濃度検出センサは、イオン交換膜の表面に平板状の金属触媒が設けられるとともに、前記金属触媒の一端部と他端部とを外部に露呈して、該金属触媒が一対の絶縁被膜により挟持され、
    前記金属触媒の前記一端部には、イオン交換成分を含む塗布層が形成されることを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  2. 請求項1記載の燃料電池用過酸化水素濃度検出センサにおいて、前記一対の絶縁被膜を構成し前記イオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側を外部に露呈し、且つ、前記金属触媒の前記他端部側の表面を覆う一方、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側及び前記金属触媒の前記他端部側を外部に露呈することを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  3. 請求項1記載の燃料電池用過酸化水素濃度検出センサにおいて、前記一対の絶縁被膜を構成し前記イオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側から前記金属触媒の前記他端部側の表面を覆う一方、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側及び前記金属触媒の前記他端部側を外部に露呈することを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  4. 請求項1記載の燃料電池用過酸化水素濃度検出センサにおいて、前記一対の絶縁被膜を構成し前記イオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側を外部に露呈し、且つ、前記金属触媒の前記他端部側の表面を覆う一方、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の前記他端部側を外部に露呈することを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  5. 請求項1記載の燃料電池用過酸化水素濃度検出センサにおいて、前記一対の絶縁被膜を構成し前記イオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側から前記金属触媒の前記他端部側の表面を覆う一方、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の前記他端部側を外部に露呈するとともに、
    少なくとも前記第2絶縁被膜には、前記塗布層を設けるための開口部が形成されることを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  6. 請求項1記載の燃料電池用過酸化水素濃度検出センサにおいて、前記イオン交換膜の表面には、複数本の前記金属触媒が互いに並列して設けられるとともに、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記イオン交換膜に積層される第1絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側から前記金属触媒の前記他端部側の表面を覆う一方、
    前記一対の絶縁被膜を構成し前記金属触媒に積層される第2絶縁被膜は、前記金属触媒の前記一端部側の表面を覆い、且つ、前記金属触媒の前記他端部側を外部に露呈し、
    少なくとも前記第2絶縁被膜には、前記塗布層を設けるための複数の開口部が、前記金属触媒の並列方向に沿って段差状に形成されることを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサ。
  7. アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟持する電解質膜・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池において、前記電解質膜・電極構造体中の過酸化水素濃度を検出する燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの製造方法であって、
    イオン交換膜の表面に平板状の金属触媒を設ける工程と、
    前記金属触媒の一端部と他端部とを外部に露呈して、該金属触媒を一対の絶縁被膜で挟持する工程と、
    前記金属触媒の前記一端部に、イオン交換成分を含む塗布層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用過酸化水素濃度検出センサの製造方法。
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