JP6091166B2 - 有機el装置 - Google Patents
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また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
詳説すると、有機EL素子は、有機EL素子の電極間に複数の層が積層した構造を有しており、一方の電極側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層からなる積層構造を取っている。そして、正孔は、一方の電極から正孔注入層、正孔輸送層を経由して発光層に至り、電子は、他方の電極から電子注入層、電子輸送層を経由して発光層に至り、発光層内で正孔と電子が再結合する。すなわち、有機EL素子は、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができ、所望の発光色を選択することができる。
つまり、照明に使用される有機電界発光素子(有機EL装置)は、複数の発光層を積層した構造を有しており、それぞれの発光層で電子と正孔を再結合させることで、光を加色していき、白色の光を取り出す。
もし、有機EL装置の機能として、あらかじめ交換時期が予測できる機能があれば、このような状況を予防できるため、交換時期を予測できる機能を有した有機EL装置が市場から望まれていた。
一般的に、青色系の発光層は、他の色の発光層に比べて最も劣化しやすく、寿命が短いことが知られており、なかでも燐光発光材料を用いた、青色系の燐光発光層は特に寿命が短いことが知られている。すなわち、実質的な有機EL装置の寿命(交換時期)は、青色系の発光色の寿命となることが多い。
発明者は、この点に着目し、有機EL装置の青色系の発光色の寿命をあらかじめ判別できれば、有機EL装置の適切な交換時期が確認できると考えた。
また、本発明の構成によれば、インジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されている。すなわち、本発明の有機EL装置は、発光機能層の組成の違いによって、インジケーター部の発光機能層の寿命と照明部の発光機能層の寿命に差を出している。
それ故に、インジケーター部の青色系発光層は、照明部の発光機能層の寿命が尽きる前に、寿命が尽きるようにすることが可能となり、照明部よりも先にインジケーター部の発光強度が低下するようにできる。言い換えると、インジケーター部の発光強度が低下すると、照明部の青色系発光層の寿命が近づいているという指標となり、有機EL装置の交換時期を予測可能となる。
それ故に、上記したような発光機能層の寿命が尽きる前に新たな有機EL装置を準備することができる。
ここで、上記したようにインジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されており、インジケーター部の発光機能層と照明部の発光機能層の層構成が異なっているため、インジケーター部の発光機能層から取り出される光は、照明部の発光機能層から取り出される光と発光色が異なってしまう場合がある。それ故に、照明部の照明としての光をインジケーター部の光が阻害してしまうおそれがある。
そこで、本発明の構成によれば、インジケーター部の発光機能層から取り出される光を変換部によって波長を変換し、照明部の発光機能層から取り出される光と同一色の光として取り出すことが可能となっている。そのため、点灯時に、照明部及びインジケーター部から発せられる光の双方がほぼ同色の発光色となり、互いに緩衝することなく、照明として機能させることができる。つまり、照明部だけではなく、インジケーター部も照明として機能できるため、発光面積の増大も可能である。
本発明は、前記異色発光層は、ドーパントをドープすることによって前記異なる発光色を発光可能となるものであり、前記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、前記ドーパントのドープ量が少なくなっている有機EL装置に関連する。
つまり、インジケーター部の異色発光層は、発光層としてほとんど機能しないため、インジケーター部の青色系発光層は、照明部の青色系発光層の寿命が尽きる前に、寿命が尽きることとなり、照明部よりも先にインジケーター部の発光強度が低下する。言い換えると、インジケーター部の発光強度が低下すると、照明部の青色系発光層の寿命が近づいているという指標となり、有機EL装置の交換時期を予測可能となる。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機EL装置1の上下の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、光取り出し側が下である。また、図面は、理解を容易にするために全体的に実際の大きさ(長さ、幅、厚さ)に比べて誇張して記載していることがある。
有機EL装置1は、基板2を平面視すると、図4のように、照明部20と、インジケーター部21を有している。
照明部20は、主に照明の光源として機能する部位であり、基板2の大部分を占めている。
インジケーター部21は、照明部20の寿命の指標となる部位であり、有機EL装置1の交換寿命を視覚的に報知する部位である。
また、インジケーター部21は、図4,図5に示されるように、基板2の中央に第1電極層3が露出した第1給電部26を有しており、第1給電部26を囲むように第2電極層6からなる第2給電部27を有している。すなわち、第1給電部26は、インジケーター部21内の第1電極層3と電気的に接続されている部位であり、第2給電部27は、インジケーター部21内の第2電極層6と電気的に接続されている部位である。
一方、照明部20は、図4,図5に示されるように基板2の1辺の近傍に第1電極層3が露出した第3給電部28を有しており、第3給電部28と反対側の1辺近傍に第2電極層6からなる第4給電部29を有している。すなわち、第3給電部28は、照明部20内の第1電極層3と電気的に接続されている部位であり、第4給電部29は、照明部20内の第2電極層6と電気的に接続されている部位である。
具体的には、照明部20の発光機能層5(5a)は、図3のように第1電極層3側から第1正孔注入層40、第1正孔輸送層41、青色系発光層42、第1電子輸送層43、接続層44、第2正孔注入層45、第2正孔輸送層46、赤緑色系発光層47(異色発光層)、第2電子輸送層48、電子注入層49が積層されている。
具体的には、インジケーター部21の発光機能層5bは、図3のように第1電極層3側から第1正孔注入層40、第1正孔輸送層41、青色系発光層42、第1電子輸送層43、接続層44、第2正孔注入層45、第2正孔輸送層46、置換層50、第2電子輸送層48、電子注入層49が積層されている。
置換層50は、非発光の層であり、具体的には、赤緑色系発光層47のホスト材料によって形成されている。なお、残りの層については後述する。
偏光フィルム30は、透過する光の波長を変化させて所望の波長の光に変換するフィルムである。
定電流ダイオード15は、電圧の変化に関わらず、通過電流量が閾値を超えると所定の電流量を閾値に制限可能な部材である。定電流ダイオード15は、公知の定電流ダイオードを採用している。
インジケーター部21は、図5,図6のように照明部20と電気的に並列に並んでおり、インジケーター部21の電流の流れ方向の上流側には、定電流ダイオード15が配されている。すなわち、定電流ダイオード15は、図5のようにインジケーター部21の第1給電部26と電気的に接続されている。
照明部20は、外部電源と閉回路を形成しており、外部電源と第3給電部28と第4給電部29を介して接続されている。
インジケーター部21は、外部電源及び定電流ダイオード15と閉回路を形成しており、第1給電部26と第2給電部27を介して外部電源及び定電流ダイオード15と接続されている。
また、定電流ダイオード15は、照明部20内の青色系発光層42を通過する電流量に比べてインジケーター部21内の青色系発光層42を通過する電流量が同程度又はやや大きくなるように電流量を制限している。本実施形態では、定電流ダイオード15は、照明部内の青色系発光層42を通過する電流量に比べてインジケーター部21内の青色系発光層42を通過する電流量がやや大きくなるように電流量を規制している。
まず、図7(a)に示される有機EL装置1の通常点灯時の状態について説明する。
照明部20では、通常点灯時において、青色系発光層42から発せられる青色光と赤緑色系発光層47から発せられる赤緑色光が混ざって白色光が取り出される。一方、インジケーター部21では、青色系発光層42から発せられる青色光が偏光フィルム30を透過して波長が変化し、白色光が取り出される。すなわち、照明部20から取り出される光とインジケーター部21から取り出される光はほぼ同一波長の光が取り出され、使用者には、同一色の光に見える。それ故に、有機EL装置1は、図7(a)のように、使用者には照明部20及びインジケーター部21の双方が光って見え、有機EL装置1のほぼ全体が光って見えるため、意匠性がよい。
また、インジケーター部21の発光面積は、照明部20の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下であり、1パーセント以上5パーセント以下であることが好ましい。
すなわち、インジケーター部21の発光面積は、照明部20の発光面積に比べてかなり小さい。なお、インジケーター部21の発光面積が1パーセントより小さくなると、発光面積が小さすぎて、使用者がインジケーター部21の位置を確認できなくなるおそれがあるので、1パーセント以上となっている。
照明部20では、通常点灯時と同様、青色系発光層42から発せられる青色光と赤緑色系発光層47から発せられる赤緑色光が混ざって白色光が取り出される。
一方、インジケーター部21は、上記したように、照明部20の青色系発光層42に比べて、青色系発光層42に加わる電流が大きく、負荷が大きい。そのため、インジケーター部21は、寿命報知時において、照明部20の寿命に先立って劣化し、寿命が尽きている。
すなわち、インジケーター部21では、寿命報知時において青色系発光層42が劣化して青色系発光層42が短絡し、発光不能状態となっており、光が発生しない。
要するに、有機EL装置1は、インジケーター部21から光が発生しないため、照明部20から取り出される光だけが取り出されることとなり、使用者には、図7(b)のように照明部20に比べてインジケーター部21が黒く(暗く)見える。すなわち、使用者は、照明部20とインジケーター部21の色の違いや濃淡の違いによって、有機EL装置1の交換寿命が近づいていることを視認により知ることができる。
また、寿命報知時の状態においても有機EL装置1は、上記したように、インジケーター部21は、中央にあって、照明部20に比べてかなり小さいため、インジケーター部21の不点灯状態(発光不能状態)が照明部20の照明機能の妨げになることはない。それ故に、有機EL装置1の交換時までの間でも、違和感無く使用することができる。
基板2は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では、四角形状の基板を採用している。
緑色発光材料および赤色発光材料としては、任意の蛍光発光材料、任意の燐光発光材料を用いることができる。蛍光発光材料としては、クマリン6、C545Tなどの緑色蛍光発光材料や、ルブレン、DCM、DCM2などの赤色蛍光発光材料が挙げられる。燐光発光材料としては、イリジウム錯体である、Ir(ppy)3などの緑色燐光発光材料や、Btp2Ir(acac)、Ir(piq)3などの赤色燐光発光材料などが挙げられる。発光効率の観点からは、燐光発光材料を用いることが好ましい。
2 基板(基材)
3 第1電極層(電極層)
5 発光機能層
6 第2電極層(電極層)
15 定電流ダイオード
20 照明部
21 インジケーター部
30 偏光フィルム(変換部)
42 青色系発光層
47 赤緑色系発光層(異色発光層、赤色系発光層、緑色系発光層)
50 置換層
Claims (7)
- 面状に広がりを有する基材に、2層の電極層と、前記電極層に挟まれた発光機能層が積層される有機EL装置において、
照明部と、インジケーター部を有し、
照明部とインジケーター部は、ともに発光機能層を有しており、
照明部の発光機能層は、少なくとも、青色系発光層と、当該青色系発光層と異なる発光色を呈する異色発光層を有しており、
前記照明部は、点灯時に青色系発光層と異色発光層から発せられる光が重なることによって特定の色の光を取り出すことが可能であり、
前記インジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されており、
さらにインジケーター部は、光の波長を変換可能な変換部を有するものであって、前記変換部によって青色系発光層から発せられる光の波長を変換して前記特定の色の光を取り出すことが可能であることを特徴とする有機EL装置。 - 前記照明部及びインジケーター部は、電気的に並列接続となっていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
- 前記インジケーター部は外部電源と閉回路を形成しており、
インジケーター部の電流の流れ方向上流側に定電流ダイオードを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置。 - 基材は、平面視したときに円形状又は多角形状であり、
前記インジケーター部は、基材の中央、角部、辺、並びに、円弧のうち、いずれかの位置の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置。 - 前記インジケーター部の発光面積は、照明部の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL装置。
- 異色発光層は、赤色系発光層及び/又は緑色系発光層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の有機EL装置。
- 前記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、ドーパントのドープ量が少なくなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の有機EL装置。
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