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JP6091166B2 - 有機el装置 - Google Patents
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Description

本発明は、交換時期が確認できる有機EL(Electro Luminescence)装置に関するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
有機EL装置は、ガラス基板等の基材に、有機EL素子を積層し、この有機EL素子に給電するための給電構造を形成したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
詳説すると、有機EL素子は、有機EL素子の電極間に複数の層が積層した構造を有しており、一方の電極側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層からなる積層構造を取っている。そして、正孔は、一方の電極から正孔注入層、正孔輸送層を経由して発光層に至り、電子は、他方の電極から電子注入層、電子輸送層を経由して発光層に至り、発光層内で正孔と電子が再結合する。すなわち、有機EL素子は、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができ、所望の発光色を選択することができる。
照明装置に使用される有機EL装置は、白色の光源として使用される場合が多い。このとき、1つの発光層のみで、白色光源を取り出すのは困難であり、従来から、光の三原色である赤(Red)、青(Blue)、緑(Green)の3色の発光層を組み合わせて、白色光源として使用している(例えば、特許文献1)。
つまり、照明に使用される有機電界発光素子(有機EL装置)は、複数の発光層を積層した構造を有しており、それぞれの発光層で電子と正孔を再結合させることで、光を加色していき、白色の光を取り出す。
特開2011−253722号公報
ところで、有機EL装置もLED照明等と同様、長時間使用すると、有機EL装置が劣化し、徐々に発光強度が低下する。発光強度が低下すると、新たな有機EL装置に交換する必要がある。しかしながら、交換する有機EL装置がない場合(準備できていない場合)には、当然のことながら、新たな有機EL装置を購入するまでの間、交換することができない。そのため、交換するまでの間、有機EL装置は、発光強度が低下したまま照明機能を発揮することができず、使用環境に影響を与えることとなる。
もし、有機EL装置の機能として、あらかじめ交換時期が予測できる機能があれば、このような状況を予防できるため、交換時期を予測できる機能を有した有機EL装置が市場から望まれていた。
そこで、本発明は、交換時期が予測可能な有機EL装置を提供することを課題とするものである。
上記したように、照明として用いられる有機EL装置には、赤(Red)、青(Blue)、緑(Green)の3色の発光層を組み合わせて白色光を取り出すことができるものがある。
一般的に、青色系の発光層は、他の色の発光層に比べて最も劣化しやすく、寿命が短いことが知られており、なかでも燐光発光材料を用いた、青色系の燐光発光層は特に寿命が短いことが知られている。すなわち、実質的な有機EL装置の寿命(交換時期)は、青色系の発光色の寿命となることが多い。
発明者は、この点に着目し、有機EL装置の青色系の発光色の寿命をあらかじめ判別できれば、有機EL装置の適切な交換時期が確認できると考えた。
このような考察を踏まえて導かれた請求項1に記載の発明は、面状に広がりを有する基材に、2層の電極層と、前記電極層に挟まれた発光機能層が積層される有機EL装置において、照明部と、インジケーター部を有し、照明部とインジケーター部は、ともに発光機能層を有しており、照明部の発光機能層は、少なくとも、青色系発光層と、当該青色系発光層と異なる発光色を呈する異色発光層を有しており、前記照明部は、点灯時に青色系発光層と異色発光層から発せられる光が重なることによって特定の色の光を取り出すことが可能であり、前記インジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されており、さらにインジケーター部は、光の波長を変換可能な変換部を有するものであって、前記変換部によって青色系発光層から発せられる光の波長を変換して前記特定の色の光を取り出すことが可能であることを特徴とする有機EL装置である。
ここでいう「青色系発光層」とは、波長が400nm以上500nm未満の青色光を発する発光層をいう。
本発明の構成によれば、照明部は、点灯時に青色系発光層と異色発光層から発せられる光が重なることによって特定の色の光を取り出すことが可能である。例えば、白色光を取り出す際には、点灯時に青色系発光層から発せられる青色光と、異色発光層から発せられる異色光(赤緑色光)が重なることによって白色光を取り出すことが可能となる。
また、本発明の構成によれば、インジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されている。すなわち、本発明の有機EL装置は、発光機能層の組成の違いによって、インジケーター部の発光機能層の寿命と照明部の発光機能層の寿命に差を出している。
それ故に、インジケーター部の青色系発光層は、照明部の発光機能層の寿命が尽きる前に、寿命が尽きるようにすることが可能となり、照明部よりも先にインジケーター部の発光強度が低下するようにできる。言い換えると、インジケーター部の発光強度が低下すると、照明部の青色系発光層の寿命が近づいているという指標となり、有機EL装置の交換時期を予測可能となる。
それ故に、上記したような発光機能層の寿命が尽きる前に新たな有機EL装置を準備することができる。
ここで、上記したようにインジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されており、インジケーター部の発光機能層と照明部の発光機能層の層構成が異なっているため、インジケーター部の発光機能層から取り出される光は、照明部の発光機能層から取り出される光と発光色が異なってしまう場合がある。それ故に、照明部の照明としての光をインジケーター部の光が阻害してしまうおそれがある。
そこで、本発明の構成によれば、インジケーター部の発光機能層から取り出される光を変換部によって波長を変換し、照明部の発光機能層から取り出される光と同一色の光として取り出すことが可能となっている。そのため、点灯時に、照明部及びインジケーター部から発せられる光の双方がほぼ同色の発光色となり、互いに緩衝することなく、照明として機能させることができる。つまり、照明部だけではなく、インジケーター部も照明として機能できるため、発光面積の増大も可能である。
請求項2に記載の発明は、前記照明部及びインジケーター部は、電気的に並列接続となっていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記照明部及びインジケーター部は、電気的に並列接続となっているため、照明部とインジケーター部の負荷に差を出しやすく、照明部の青色系発光層に比べてインジケーター部の青色系発光層は、劣化しやすくすることができる。それ故に、照明部が不点灯になる前に、インジケーター部が不点灯となるため、交換寿命を早めに知ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記インジケーター部は外部電源と閉回路を形成しており、インジケーター部の電流の流れ方向上流側に定電流ダイオードを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記インジケーター部は外部電源と閉回路を形成しており、インジケーター部の電流の流れ方向上流側に定電流ダイオードを備えている。すなわち、一定の電流がインジケーター部に流れる。そのため、インジケーター部の寿命が乱れにくく、有機EL装置の寿命を正確に予測できる。また、インジケーター部に流れる電流を一定以内に抑えることができるため、インジケーター部を通過する電流量が照明部を通過する電流量に比べて過剰に流れるような状態を回避することができる。
請求項4に記載の発明は、基材は、平面視したときに円形状又は多角形状であり、前記インジケーター部は、基材の中央、角部、辺、並びに、円弧のうち、いずれかの位置の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、基材は、平面視したときに円形状又は多角形状であり、前記インジケーター部は、基材の中央、角部、辺、並びに、円弧のうち、いずれかの位置の近傍に設けられている。そのため、使用者が照明として使用するにあたって、インジケーター部が劣化して不点灯になったとしても、意匠性が著しく低下せず、その後の使用に支障をきたすことがない。
請求項5に記載の発明は、前記インジケーター部の発光面積は、照明部の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記インジケーター部の発光面積は、照明部の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下となっている。すなわち、インジケーター部は、照明部に比べて発光面積がかなり小さい。そのため、インジケーター部が不点灯になったとしても、照明部の照明としての機能を阻害しない。
請求項1乃至5のいずれかに記載の有機EL装置において、異色発光層は、赤色系発光層及び/又は緑色系発光層であることが好ましい(請求項6)。
ここでいう「赤色系発光層」とは、波長が600nm以上700nm未満の光を発する発光層をいう。「緑色系発光層」とは、波長が500nm以上600nm未満の光を発する発光層をいう。
請求項7に記載の発明は、前記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、ドーパントのドープ量が少なくなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明は、前記異色発光層は、ドーパントをドープすることによって前記異なる発光色を発光可能となるものであり、前記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、前記ドーパントのドープ量が少なくなっている有機EL装置に関連する。
なお、ここでいう「ドーパントが少ない」とは、ドーパントが全く無いものも含む。
本発明の構成によれば、前記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、前記ドーパントのドープ量が少なくなっている。すなわち、照明部の発光機能層から異色発光層のドーパントの一部又は全部が取り除かれた状態となっており、インジケーター部の異色発光層にあたる層はほとんど発光しないか、発光しない。
つまり、インジケーター部の異色発光層は、発光層としてほとんど機能しないため、インジケーター部の青色系発光層は、照明部の青色系発光層の寿命が尽きる前に、寿命が尽きることとなり、照明部よりも先にインジケーター部の発光強度が低下する。言い換えると、インジケーター部の発光強度が低下すると、照明部の青色系発光層の寿命が近づいているという指標となり、有機EL装置の交換時期を予測可能となる。
本発明の有機EL装置によれば、インジケーター部と照明部との間の発光機能層の違いによって、照明部の青色系発光層の寿命を予測できるため、あらかじめ交換寿命を確認できる。
本発明の第1実施形態における有機EL装置の模式図である。 図1の有機EL装置を別の方向(図1の下側)からみた模式図である。 図1の有機EL装置の積層構造を表す説明図である。 図1の有機EL装置の平面図であり、(a)は図1の上側から視た図であり、(b)は図1の下側から視た図である。 図1の有機EL装置の断面図である。 図1の有機EL装置の電気回路図である。 図4(b)の有機EL装置の点灯状態を表す説明図であり、(a)は通常点灯時の状態を表し、(b)は交換寿命表示時の状態を表す。 他の実施形態における有機EL装置の平面図であり、インジケーター部の位置にハッチングを施している。 他の実施形態における有機EL装置の平面図であり、インジケーター部の位置にハッチングを施している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機EL装置1の上下の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、光取り出し側が下である。また、図面は、理解を容易にするために全体的に実際の大きさ(長さ、幅、厚さ)に比べて誇張して記載していることがある。
有機EL装置1は、図1のように面状に広がりをもった基板2(基材)上に第1電極層3と、発光機能層5と、第2電極層6からなる有機EL素子10が積層したものである。
有機EL装置1は、基板2を平面視すると、図4のように、照明部20と、インジケーター部21を有している。
照明部20は、主に照明の光源として機能する部位であり、基板2の大部分を占めている。
インジケーター部21は、照明部20の寿命の指標となる部位であり、有機EL装置1の交換寿命を視覚的に報知する部位である。
照明部20とインジケーター部21は、図1のように領域分離溝25によって区切られており、電気的に切り離されている。領域分離溝25は、図5のように第1電極層3と発光機能層5と第2電極層6に亘って形成された溝であり、領域分離溝25の底部は、基板2が露出している。領域分離溝25は、図4,図5のようにインジケーター部21を囲む様に形成されており、平面視すると、「ロ」字状となっている。
また、インジケーター部21は、図4,図5に示されるように、基板2の中央に第1電極層3が露出した第1給電部26を有しており、第1給電部26を囲むように第2電極層6からなる第2給電部27を有している。すなわち、第1給電部26は、インジケーター部21内の第1電極層3と電気的に接続されている部位であり、第2給電部27は、インジケーター部21内の第2電極層6と電気的に接続されている部位である。
一方、照明部20は、図4,図5に示されるように基板2の1辺の近傍に第1電極層3が露出した第3給電部28を有しており、第3給電部28と反対側の1辺近傍に第2電極層6からなる第4給電部29を有している。すなわち、第3給電部28は、照明部20内の第1電極層3と電気的に接続されている部位であり、第4給電部29は、照明部20内の第2電極層6と電気的に接続されている部位である。
有機EL装置1の層構成に注目すると、照明部20とインジケーター部21は、図3のように発光機能層5の層構成が異なっている。
具体的には、照明部20の発光機能層5(5a)は、図3のように第1電極層3側から第1正孔注入層40、第1正孔輸送層41、青色系発光層42、第1電子輸送層43、接続層44、第2正孔注入層45、第2正孔輸送層46、赤緑色系発光層47(異色発光層)、第2電子輸送層48、電子注入層49が積層されている。
青色系発光層42は、波長が400nm以上500nm未満の光を発する発光層であり、点灯時において、青色系の発光色を発する層である。
赤緑色系発光層47は、赤色系発光層と緑色系発光層の混合層であり、波長が500nm以上780nm未満の光を発する発光層である。赤緑色系発光層47は、ホスト材料にドーパントをドープして形成しており、点灯時において、赤緑系の発光色を発する層である。
インジケーター部21の発光機能層5(5b)は、図3のように照明部20の発光機能層5aと殆ど同一の層構成を有しており、赤緑色系発光層47の代わりにホスト材料のみから形成された置換層50が積層されている。すなわち、置換層50は、発光材料であるドーパントがドープされていない。そのため、置換層50はほとんど発光しないか、発光しない。
具体的には、インジケーター部21の発光機能層5bは、図3のように第1電極層3側から第1正孔注入層40、第1正孔輸送層41、青色系発光層42、第1電子輸送層43、接続層44、第2正孔注入層45、第2正孔輸送層46、置換層50、第2電子輸送層48、電子注入層49が積層されている。
置換層50は、非発光の層であり、具体的には、赤緑色系発光層47のホスト材料によって形成されている。なお、残りの層については後述する。
基板2の下面(光取り出し側の面)に注目すると、有機EL装置1は、図2のようにインジケーター部21に対応する位置に偏光フィルム30を備えている。
偏光フィルム30は、透過する光の波長を変化させて所望の波長の光に変換するフィルムである。
有機EL装置1は、図1のようにインジケーター部21の電流の流れ方向の上流側に定電流ダイオード15が設けられている。
定電流ダイオード15は、電圧の変化に関わらず、通過電流量が閾値を超えると所定の電流量を閾値に制限可能な部材である。定電流ダイオード15は、公知の定電流ダイオードを採用している。
有機EL装置1に外部電源を接続した場合の電気回路について説明する。
インジケーター部21は、図5,図6のように照明部20と電気的に並列に並んでおり、インジケーター部21の電流の流れ方向の上流側には、定電流ダイオード15が配されている。すなわち、定電流ダイオード15は、図5のようにインジケーター部21の第1給電部26と電気的に接続されている。
照明部20は、外部電源と閉回路を形成しており、外部電源と第3給電部28と第4給電部29を介して接続されている。
インジケーター部21は、外部電源及び定電流ダイオード15と閉回路を形成しており、第1給電部26と第2給電部27を介して外部電源及び定電流ダイオード15と接続されている。
また、定電流ダイオード15は、照明部20内の青色系発光層42を通過する電流量に比べてインジケーター部21内の青色系発光層42を通過する電流量が同程度又はやや大きくなるように電流量を制限している。本実施形態では、定電流ダイオード15は、照明部内の青色系発光層42を通過する電流量に比べてインジケーター部21内の青色系発光層42を通過する電流量がやや大きくなるように電流量を規制している。
有機EL装置1の機能について説明する。
まず、図7(a)に示される有機EL装置1の通常点灯時の状態について説明する。
照明部20では、通常点灯時において、青色系発光層42から発せられる青色光と赤緑色系発光層47から発せられる赤緑色光が混ざって白色光が取り出される。一方、インジケーター部21では、青色系発光層42から発せられる青色光が偏光フィルム30を透過して波長が変化し、白色光が取り出される。すなわち、照明部20から取り出される光とインジケーター部21から取り出される光はほぼ同一波長の光が取り出され、使用者には、同一色の光に見える。それ故に、有機EL装置1は、図7(a)のように、使用者には照明部20及びインジケーター部21の双方が光って見え、有機EL装置1のほぼ全体が光って見えるため、意匠性がよい。
また、インジケーター部21の発光面積は、照明部20の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下であり、1パーセント以上5パーセント以下であることが好ましい。
すなわち、インジケーター部21の発光面積は、照明部20の発光面積に比べてかなり小さい。なお、インジケーター部21の発光面積が1パーセントより小さくなると、発光面積が小さすぎて、使用者がインジケーター部21の位置を確認できなくなるおそれがあるので、1パーセント以上となっている。
続いて、図7(b)に示される有機EL装置1の寿命報知時の状態について説明する。
照明部20では、通常点灯時と同様、青色系発光層42から発せられる青色光と赤緑色系発光層47から発せられる赤緑色光が混ざって白色光が取り出される。
一方、インジケーター部21は、上記したように、照明部20の青色系発光層42に比べて、青色系発光層42に加わる電流が大きく、負荷が大きい。そのため、インジケーター部21は、寿命報知時において、照明部20の寿命に先立って劣化し、寿命が尽きている。
すなわち、インジケーター部21では、寿命報知時において青色系発光層42が劣化して青色系発光層42が短絡し、発光不能状態となっており、光が発生しない。
要するに、有機EL装置1は、インジケーター部21から光が発生しないため、照明部20から取り出される光だけが取り出されることとなり、使用者には、図7(b)のように照明部20に比べてインジケーター部21が黒く(暗く)見える。すなわち、使用者は、照明部20とインジケーター部21の色の違いや濃淡の違いによって、有機EL装置1の交換寿命が近づいていることを視認により知ることができる。
また、寿命報知時の状態においても有機EL装置1は、上記したように、インジケーター部21は、中央にあって、照明部20に比べてかなり小さいため、インジケーター部21の不点灯状態(発光不能状態)が照明部20の照明機能の妨げになることはない。それ故に、有機EL装置1の交換時までの間でも、違和感無く使用することができる。
ここで、定電流ダイオード15を備えない場合について説明すると、本実施形態の有機EL装置1は、照明部20とインジケーター部21が電気的に並列接続されており、照明部20内の有機EL素子の各層及びインジケーター部21内の有機EL素子の各層がそれぞれ直列接続となっているため、インジケーター部21内の青色系発光層42にかかる負荷が、照明部20内の青色系発光層42にかかる負荷に比べて大きくなる。そのため、照明部20の寿命を正確に予測することができない可能性がある。そこで、本実施形態の有機EL装置1では、インジケーター部21の電流の流れ方向の上流側に定電流ダイオード15を備えることによって、インジケーター部21内の青色系発光層42にかかる負荷が照明部20内の青色系発光層42にかかる負荷と同程度又はやや大きくなるように電流量を規制している。それ故に、有機EL装置1は、インジケーター部21の状態によって、照明部20の交換寿命を予測することが可能となっている。
最後に、有機EL装置1を構成する各層の詳細な構成について説明する。
基板2は、透光性及び絶縁性を有したものである。基板2の材質については特に限定されるものではなく、例えば、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板などから適宜選択され用いられる。特にガラス基板や透明なフィルム基板は透明性や加工性の良さの点から好適である。
基板2は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では、四角形状の基板を採用している。
第1電極層3の素材は、透明であって、導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物などが採用される。発光機能層5内の発光層から発生した光を効果的に取り出せる点では、透明性が高いITOあるいはIZOが特に好ましい。本実施形態では、ITOを採用している。
第1正孔注入層40、第1正孔輸送層41、第2正孔注入層45、第2正孔輸送層46の材料としては、公知の物質を使用することができ、ホール輸送性を有する化合物の群から適宜選定される。ホール輸送性材料としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’,4”−トリス〔N,N−(2−ナフチル)フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、などのトリフェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、カルバゾール系化合物などが挙げられる。
青色系発光層42としては、青色系発光材料がドープされたホスト材料から形成され得る。ホスト材料としては、電子輸送性の材料、ホール輸送性の材料、電子輸送性とホール輸送性とを併せ持つ材料の、いずれも使用することができる。ホスト材料として電子輸送性の材料とホール輸送性の材料とが併用されてもよい。青色系発光層42を構成するホスト材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、TBADN(2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN、BDAF、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(MCP)、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)などが挙げられる。青色系発光材料としては、特に限定されるものではないが、任意の蛍光発光材料、任意の燐光発光材料を用いることができる。蛍光発光材料としては、ペリレン、4,4′−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1−ビフェニル(BCzVBi)、4,4′−ビス[4−(ジ−p−トリアミノ)スチリル]ビフェニル(DPAVBi)などが挙げられる。燐光発光材料としては、イリジウム錯体であるFIrPicやFIr6などが挙げられる。発光効率の観点からは、燐光発光材料を用いることが好ましい。特に青色燐光発光材料は、他の色の燐光発光材料と比較して寿命が短いことが知られており、本発明においては好ましく用いることができる。
赤緑色系発光層47は、上記したように、ホスト材料に発光材料をドープして形成されている。赤緑色系発光層47のホスト材料としては、ホスト材料としては、電子輸送性の材料、ホール輸送性の材料、電子輸送性とホール輸送性とを併せ持つ材料の、いずれも使用することができる。ホスト材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、Alq3(トリス(8−オキソキノリン)アルミニウム(III))、ADN、BDAF、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、などが挙げられる。
緑色発光材料および赤色発光材料としては、任意の蛍光発光材料、任意の燐光発光材料を用いることができる。蛍光発光材料としては、クマリン6、C545Tなどの緑色蛍光発光材料や、ルブレン、DCM、DCM2などの赤色蛍光発光材料が挙げられる。燐光発光材料としては、イリジウム錯体である、Ir(ppy)3などの緑色燐光発光材料や、Btp2Ir(acac)、Ir(piq)3などの赤色燐光発光材料などが挙げられる。発光効率の観点からは、燐光発光材料を用いることが好ましい。
置換層50は、赤緑色系発光層47のホスト材料によって形成されている。
第1電子輸送層43、第2電子輸送層48の材料としては、公知の材料を使用することができ、電子輸送性を有する化合物の群から適宜選定される。電子輸送性材料としては、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)、バソフェナントロリン(Bphen)、バソクプロイン(BCP)、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体などが挙げられる。
電子注入層49の材料としては、公知の物質を使用することができる。例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等が採用できる。また、上記電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたもの、例えばAlq3中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等も好ましく用いることができる。
第2電極層6の材料は、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの金属が挙げられる。
上記した実施形態では、赤色及び緑色の光源として、赤色系発光層と緑色系発光層が一体となった赤緑色系発光層47を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤色系発光層と緑色系発光層が分離されていてもよい。この場合、置換層50は、赤色系発光層及び/又は緑色系発光層の発光材料であるドーパントを取り除いて形成されることが好ましい。
上記した実施形態では、赤緑色系発光層47からドーパントを取り除いて置換層50を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤緑色系発光層47と異なる組成の置換層50が形成されればよい。例えば、置換層50として、赤緑色系発光層47のホスト材料に青色系発光材料をドープし、置換層50が光る構成としてもよい。
上記した実施形態では、照明部20の発光機能層5aは青色系発光層42と赤緑色系発光層47を接続層44で連結させた層構成としているが、層構成を限定するものではなく、青色系発光層と、当該青色系発光層と異なる発光色を呈する異色発光層を有していれば、公知の層構成をとることができる。インジケーター部21の発光機能層5bも層構成を限定するものではなく、青色系発光層を有していれば、公知の層構成をとることができる。
上記した実施形態では、インジケーター部21は、照明部20の赤緑色系発光層47からドーパントを除いた組成を有していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インジケーター部21の層構成を照明部20の赤緑色系発光層47ごとに取り除いた組成としてもよい。
上記した実施形態では、インジケーター部21の形状が四角形のものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インジケーター部21の形状は問わない。例えば、図形や文字の形であってもよい。この場合、特に交換寿命が近いことを視覚的に示唆する文字や図形であることが好ましい。交換寿命が近いことを示唆する文字や図形にすることによって、使用者が、有機EL装置の交換時期が近づいていることを確認しやすいという利点がある。
上記した実施形態の有機EL装置では、1つのインジケーター部21を備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のインジケーター部を備えていてもよい。複数のインジケーター部を備えることによって、たとえインジケーター部の一つに不具合が生じても、他のインジケーター部で寿命を予測することができる。
上記した実施形態では、インジケーター部21の位置が中央であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、インジケーター部は、図8(a)のように基板2の角部の近傍や、図8(b)のように辺の近傍に設けられていてもよい。また、基板が円形の場合には、図9(a)のように基板の中心(中央)や図9(b)のように円弧の近傍に設けられていてもよい。
1 有機EL装置
2 基板(基材)
3 第1電極層(電極層)
5 発光機能層
6 第2電極層(電極層)
15 定電流ダイオード
20 照明部
21 インジケーター部
30 偏光フィルム(変換部)
42 青色系発光層
47 赤緑色系発光層(異色発光層、赤色系発光層、緑色系発光層)
50 置換層

Claims (7)

  1. 面状に広がりを有する基材に、2層の電極層と、前記電極層に挟まれた発光機能層が積層される有機EL装置において、
    照明部と、インジケーター部を有し、
    照明部とインジケーター部は、ともに発光機能層を有しており、
    照明部の発光機能層は、少なくとも、青色系発光層と、当該青色系発光層と異なる発光色を呈する異色発光層を有しており、
    前記照明部は、点灯時に青色系発光層と異色発光層から発せられる光が重なることによって特定の色の光を取り出すことが可能であり、
    前記インジケーター部の発光機能層は、照明部の発光機能層に対して、異色発光層が存在しないか、異色発光層とは異なる組成の置換層に置換されており、
    さらにインジケーター部は、光の波長を変換可能な変換部を有するものであって、前記変換部によって青色系発光層から発せられる光の波長を変換して前記特定の色の光を取り出すことが可能であることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記照明部及びインジケーター部は、電気的に並列接続となっていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記インジケーター部は外部電源と閉回路を形成しており、
    インジケーター部の電流の流れ方向上流側に定電流ダイオードを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL装置。
  4. 基材は、平面視したときに円形状又は多角形状であり、
    前記インジケーター部は、基材の中央、角部、辺、並びに、円弧のうち、いずれかの位置の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL装置。
  5. 前記インジケーター部の発光面積は、照明部の発光面積の1パーセント以上10パーセント以下となっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機EL装置。
  6. 異色発光層は、赤色系発光層及び/又は緑色系発光層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の有機EL装置。
  7. 記インジケーター部の発光機能層は、前記照明部の発光機能層に対して、ドーパントのドープ量が少なくなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の有機EL装置。
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