JP6096375B2 - 静電容量式センサ - Google Patents
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Description
本発明は、金属ナノワイヤを含む透明導電膜からなるパターンが形成された静電容量式センサに関する。
特許文献1には、単層構造の透明導電膜を備えた静電容量式センサであるタッチスイッチが開示されている。特許文献1に記載のタッチスイッチは、タッチ電極部ならびにタッチ電極部から延びる配線部が網目状の金属線で形成されている。このタッチスイッチの構成は、小型のタッチパネルでは実現できるものの、パネルサイズが大型になると細く長い配線を多数配置する必要がある。また、配線部が金属線で形成されているため、配線部を細く長くすると、配線部の電気抵抗が高くなる。
特許文献2に記載のタッチパネルは、基板の表面に複数の透明な導電構造体が形成され、この導電構造体はカーボンナノチューブで構成されている。また、導電構造体から延び出る導電線はITOで形成されている。しかし、導電線をITO等で形成すると電気抵抗が高くなってしまうため、導電線の電気抵抗が検知感度を低下させることになる。
このような問題を解決するために、低抵抗の透明導電膜として金属ナノワイヤを含んだものが検討されている。
しかしながら、単層構造の透明導電膜に金属ナノワイヤを用いた場合、金属ナノワイヤ自体は比較的疎なメッシュ構造となっている。そのため、配線が細長くなると断線する箇所が生じるおそれがあり、細く長い配線部を形成するのが困難であった。
そこで本発明は、パネルが大型化しても電気抵抗を低く抑えることができ、かつ、配線が細長くなったときの断線のおそれを低減することのできる静電容量式センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の静電容量式センサは、基材に透明導電膜からなるパターンを形成してなる静電容量式センサであって、パターンは、複数の検知電極が間隔を置いて配列された検知パターンと、複数の検知電極からそれぞれ同一の方向に平行して延在する複数の引き出し配線とを含んでおり、透明導電膜は金属ナノワイヤを含んでおり、透明導電膜は、引き出し配線の延在する方向の抵抗値が、引き出し配線の延在する方向と直交する方向の抵抗値に対して1/1.4以下となる異方性を有していることを特徴としている。
本発明の静電容量式センサは、これを適用するタッチパネルが大型化しても電気抵抗を抑えることが可能となり、広い操作領域で良好な検知感度を得ることができる。また、透明導電膜中の金属ナノワイヤの配向方向を揃えることにより、複数の金属ナノワイヤを配向方向に長く連ねやすくなるため、引き出し配線を細く長くしても断線を防止することができる。
本発明の静電容量式センサにおいては、引き出し配線の幅が100μm以下であることが好ましい。
本発明の静電容量式センサにおいては、引き出し配線の延在する方向の抵抗値が、引き出し配線の延在する方向と直交する方向の抵抗値に対して1/3以上1/1.4以下であって、引き出し配線の幅が60μm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明の静電容量式センサにおいては、金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることが好ましい。
本発明の静電容量式センサにおいては、銀ナノワイヤの長さは 1μm以上1000μm以下であることが好ましい。
本発明によると、金属ナノワイヤを用いることによって、パネルが大型化しても電気抵抗を低く抑えることができ、さらに、透明導電膜の抵抗値に異方性を持たせることにより、配線が細長くなっても断線する可能性を低減することができる。
以下、本発明の実施形態に係る静電容量式センサについて図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る静電容量式センサの導電パターンを示す平面図である。
本実施形態の静電容量式センサは、フィルム基材10に単層構造の透明導電膜からなるパターン20を形成してなり、パターン20は、検知パターン21と引き出し配線22を含む。
本実施形態の静電容量式センサは、フィルム基材10に単層構造の透明導電膜からなるパターン20を形成してなり、パターン20は、検知パターン21と引き出し配線22を含む。
フィルム基材10は、例えば、透明性を有する無機基板或いはプラスチック基板である。基板の形態としては、例えば、透明性を有するフィルム、シートである。ただしフィルムよりも厚い透明な板材を用いることもできる。無機基板の材料としては、例えば、石英、サファイア、ガラスなどが挙げられる。プラスチック基板の材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)などがあげられる。
図1に示すように、検知パターン21は、四角形状の複数の検知電極21aがX1−X2方向及びY1−Y2方向のそれぞれにおいて一定の間隔を置いて配列された構成である。図1は単純化のため模式化された図であり、検知電極21aは同一面積のものを配置している。
図1に示すように、複数の引き出し配線22は、複数の検知電極21aのY2側の端部からそれぞれ同一の方向(Y1−Y2方向)に沿うように、互いに平行に延びている。より具体的には、複数の引き出し配線22は、検知電極21aの第2縦辺21cのY2側の端部からY2側へそれぞれ延びている。
この静電容量式センサにおいては、隣り合う複数の検知電極21aの間に静電容量が形成される。検知電極21aの表面に指を接触又は接近させると、指と、指に近い検知電極21aとの間に静電容量が形成されるため、検知電極21aから検出される電流値を計測することで、複数の検知電極21aのどの電極に指が最も接近しているかを検知できる。
パターン20を形成する透明導電膜は導電性の金属ナノワイヤを含んでいる。この金属ナノワイヤは、例えば、Ag、Au、Ni、Cu、Pd、Pt、Rh、Ir、Ru、Os、Fe、Co、Snから選択される1種類以上で構成される。金属ナノワイヤの平均短軸径は、1nmよりも大きく500nm以下であることが好ましい。また、金属ナノワイヤの平均長軸長は、好ましくは1μmよりも大きく1000μm以下であることが好ましい。
透明導電膜を形成するナノワイヤインク中での金属ナノワイヤの分散性向上のため、金属ナノワイヤは、PVP、ポリエチレンイミンなどのアミノ基含有化合物で表面処理されていても良い。塗膜化した際に導電性が劣化しない程度の添加量にすることが好ましい。その他、スルホ基(スルホン酸塩含む)、スルホニル基、スルホンアミド基、カルボン酸基(カルボン酸塩含む)、アミド基、リン酸基(リン酸塩、リン酸エステル含む)、フォスフィノ基、シラノール基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、ビニル基、チオール基、カルビノール基などの官能基を有する化合物で金属に吸着可能なものを分散剤として用いても良い。
ナノワイヤインクの分散剤としては、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなど)、アノン(例えば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン)、アミド(DMF)、スルフィド(DMSO)から選択される少なくとも1種類以上を用いる。
ナノワイヤインクの乾燥ムラやクラックを抑えるため、高沸点溶媒をさらに添加して、溶剤の蒸発速度をコントロールすることもできる。例えば、ブチルセロソルブ、ジアセトンアルコール、ブチルトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールイソプロピルエーテル、メチルグリコールが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いられてもよく、また、複数を組み合わせてもよい。
ナノワイヤインクに適用可能なバインダ材料としては、既知の透明な天然高分子樹脂または合成高分子樹脂から広く選択して使用することができる。例えば、透明な熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フッ化ビニリデン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)や、熱・光・電子線・放射線で硬化する透明硬化性樹脂(例えば、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、イソシアネート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケートなどのシリコン樹脂)を使用することができる。さらに添加剤としては、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤、硬化促進触媒、可塑剤、酸化防止剤や硫化防止剤などの安定剤などが挙げられる。
また、パターン20に含まれる金属ナノワイヤはY方向に配向されており、Y1−Y2方向(Y方向)に沿った電気抵抗が、X1−X2方向(X方向)に沿った電気抵抗よりも小さく、抵抗の異方性が生じている。このようなパターン20は、たとえばナノワイヤインクをフィルム基材10とブランケットとをY方向に速度差を設けてオフセット印刷するなどの方法で形成することができる。
図2は、上述のように形成され透明導電膜中の金属ナノワイヤの配向状態を示す写真である。図2において、上下方向は印刷方向MD(Machine Direction)であってブランケットからフィルム基材10への転写時のフィルム基材10の移動方向であり、左右方向は印刷方向MDに垂直な方向TD(Transverse Direction)である。上述の条件でナノワイヤインクをブランケットからフィルム基材10上へ転写しているため、図2に示すように、金属ナノワイヤは印刷方向MDに沿って延びるように配向されていることが分かる。
パターン20を構成する透明導電膜において、引き出し配線22の延在するY1−Y2方向の抵抗値は、引き出し配線22の延在するY1−Y2方向と直交するX1−X2方向の抵抗値に対して1/1.4以下となる異方性を有していることが好ましい。これにより、パネルが大型化しても電気抵抗を低く抑えることができ、検知特性を維持することが可能となる。また、ナノワイヤインク90中の金属ナノワイヤをY1−Y2方向に配向させることで、複数の金属ナノワイヤをY1−Y2方向に連ねやすくなるため、断線を防止することができる。また、この構成により、引き出し配線22の幅を細く、例えば100μm以下にすることができ、同時に、絶縁しづらく、導通を確保した配線を実現することが可能となる。さらに、Y1−Y2方向に配向した金属ナノワイヤの本数が多くなるため、ESD(静電気放電)に対する耐性を高めることができる。
(実施例)
以下の条件で、金属ナノワイヤを含む透明導電膜からなるパターンを形成した。
フィルム基材:PET
金属ナノワイヤ:銀ナノワイヤ(平均短軸径:50nm、平均長軸長:10μm)
ナノワイヤインクの分散剤:水
以下の条件で、金属ナノワイヤを含む透明導電膜からなるパターンを形成した。
フィルム基材:PET
金属ナノワイヤ:銀ナノワイヤ(平均短軸径:50nm、平均長軸長:10μm)
ナノワイヤインクの分散剤:水
このパターンの特定は次のとおりとなった。
抵抗比(Y方向/X方向):1/3以上1/1.4以下
線幅 :断線率
80μm以上 :断線なし
60μm :断線率5%
40μm :断線率40%
20μm :断線率99%
抵抗比(Y方向/X方向):1/3以上1/1.4以下
線幅 :断線率
80μm以上 :断線なし
60μm :断線率5%
40μm :断線率40%
20μm :断線率99%
ここで、断線率は、80mmの長さのパターンを多数形成し、それぞれのパターンの両端間で導通が得られないものの割合を測定した。
以上の結果から、抵抗比1/3以上1/1.4以下の範囲においては、線幅(引き出し配線22の線幅)が60μm以上であれば断線率を低く抑えることができ、80μm以上であれば断線することなく導通できることが分かった。
以下に変形例について説明する。
上述の実施形態においては、ブランケット上に形成されたパターンをフィルム基材10上に転写することによってパターン20を形成したが、これに代えて、エッチングによるパターン化、レーザエッチングによるカット、フッ化による非導電処理などによってパターン20を形成することもできる。これらの製法では、ナノワイヤインクの層をフィルム基材10上にベタで形成したものを用い、パターン20以外の領域をエッチング液で溶解させたり、エッチングによる化学反応や物理的な衝突等によってパターン20以外の領域を除去し、又は、フッ化によってパターン20以外の領域を非導電処理することによって、パターン20を形成する。これらの製法では、ナノワイヤインクの層をフィルム基材10上に形成するときに、上述の実施形態と同様に、ブランケットに対応するインク供給ローラの回転速度よりもフィルム基材10の移動速度を速くすることにより、ナノワイヤインク中の金属ナノワイヤを一定方向に配向させる。
上述の実施形態においては、ブランケット上に形成されたパターンをフィルム基材10上に転写することによってパターン20を形成したが、これに代えて、エッチングによるパターン化、レーザエッチングによるカット、フッ化による非導電処理などによってパターン20を形成することもできる。これらの製法では、ナノワイヤインクの層をフィルム基材10上にベタで形成したものを用い、パターン20以外の領域をエッチング液で溶解させたり、エッチングによる化学反応や物理的な衝突等によってパターン20以外の領域を除去し、又は、フッ化によってパターン20以外の領域を非導電処理することによって、パターン20を形成する。これらの製法では、ナノワイヤインクの層をフィルム基材10上に形成するときに、上述の実施形態と同様に、ブランケットに対応するインク供給ローラの回転速度よりもフィルム基材10の移動速度を速くすることにより、ナノワイヤインク中の金属ナノワイヤを一定方向に配向させる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明に係る静電容量式センサは、単層構造の透明導電膜を有する大型のタッチパネルに有用であり、使用者から視認しづらい透明のパターンを形成することができる。
10 フィルム基材
20 パターン
21 検知パターン
21a 検知電極
22 引き出し配線
20 パターン
21 検知パターン
21a 検知電極
22 引き出し配線
Claims (5)
- 基材に透明導電膜からなるパターンを形成してなる静電容量式センサであって、
前記パターンは、
複数の検知電極が間隔を置いて配列された検知パターンと、
前記複数の検知電極からそれぞれ同一の方向に平行して延在する複数の引き出し配線とを含んでおり、
前記透明導電膜は金属ナノワイヤを含んでおり、
前記透明導電膜は、前記引き出し配線の延在する方向の抵抗値が、前記引き出し配線の延在する方向と直交する方向の抵抗値に対して1/1.4以下となる異方性を有していることを特徴とする静電容量式センサ。 - 前記引き出し配線の幅が100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。
- 前記引き出し配線の延在する方向の抵抗値が、前記引き出し配線の延在する方向と直交する方向の抵抗値に対して1/3以上1/1.4以下であって、
前記引き出し配線の幅が60μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電容量式センサ。 - 金属ナノワイヤが銀ナノワイヤであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
- 前記銀ナノワイヤの長さは1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の静電容量式センサ。
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