I.定義
用語「1つの(a)」または「1つの(an)」実体は、1または複数の実体のことをいうことに注意されたい。例えば、「抗CXCL13抗体」は、1または複数の抗CXCL13抗体を表すと理解される。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1または複数」および「少なくとも1つの」は、本明細書において交換可能に用いることができる。
本明細書で用いる場合、用語「腫瘍」は、悪性または良性に関わらず全ての新生物細胞成長および増殖ならびに全てのがん性および前がん性細胞および組織のことをいう。
用語「がん」または「がん性」は、制御されない細胞成長を典型的に特徴とする哺乳動物における生理的状態のことをいうかまたは説明する。がんの例は、それらに限定されないが、癌、リンパ腫および白血病を含む。
本明細書で用いる場合、用語「ポリペプチド」は、単数の「ポリペプチド」および複数の「ポリペプチド」を包含することを意図し、アミド結合(ペプチド結合としても知られる)により直鎖状に連結されたモノマー(アミノ酸)で構成される分子のことをいう。用語「ポリペプチド」は、2以上のアミノ酸の任意の1または複数の鎖のことをいい、特定の長さの生成物のことをいわない。つまり、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」または2以上のアミノ酸の1もしくは複数の鎖のことをいうために用いられる任意のその他の用語は、「ポリペプチド」の定義の中に含まれ、用語「ポリペプチド」は、これらの任意の用語の代わりにまたは交換可能に用いることができる。用語「ポリペプチド」は、限定することなくグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/遮蔽基による誘導体化、タンパク質分解切断または非天然アミノ酸による修飾を含むポリペプチドの発現後修飾の生成物のことをいうことも意図する。ポリペプチドは、自然の生物学的供給源に由来するか、または組み換え技術により生成できるが、指定する核酸配列から翻訳される必要はない。これは、化学合成を含む任意の方法で作製してよい。
本発明のポリペプチドは、約3以上、5以上、10以上、20以上、25以上、50以上、75以上、100以上、200以上、500以上、1,000以上または2,000以上のアミノ酸のサイズのものであってよい。ポリペプチドは、規定された3次元構造を有してよいが、そのような構造を有する必要はない。規定された3次元構造を有するポリペプチドは、折り畳まれたといい、規定された3次元構造を有さないがむしろ多数の異なる高次構造を採用できるポリペプチドは、折り畳まれていないという。本明細書で用いる場合、用語「糖タンパク質」は、少なくとも1の炭水化物部分(これは、タンパク質に、アミノ酸残基、例えばセリン残基またはアスパラギン残基の酸素含有または窒素含有側鎖により付着する)に結合したタンパク質のことをいう。
「単離」ポリペプチドまたはその断片、バリアントもしくは誘導体により、その自然環境にないポリペプチドを意図する。特定のレベルの精製は必要とされない。例えば、単離ポリペプチドは、その天然または自然の環境から取り出すことができる。宿主細胞中で発現された組換え生成ポリペプチドおよびタンパク質は、任意の適切な技術により分離、分画、または部分的もしくは実質的に精製された天然または組換えポリペプチドと同様に、本発明の目的のために単離されたとみなされる。
本発明のポリペプチドとして、上記のポリペプチドの断片、誘導体、類似体またはバリアント、およびそれらの任意の組み合わせも含まれる。用語「断片」、「バリアント」、「誘導体」および「類似体」は、本発明の抗CXCL13抗体または抗体ポリペプチドのことをいう場合、本発明の対応する抗体または抗体ポリペプチドの少なくともいくらかの抗原結合特性を保持する任意のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドの断片は、タンパク質分解断片および欠失断片を、本明細書の他の場所で論じる特異的抗体断片に加えて含む。本発明の抗CXCL13抗体および抗体ポリペプチドのバリアントは、上記の断片、およびアミノ酸置換、欠失または挿入によるアミノ酸配列の変更を有するポリペプチドを含む。バリアントは、自然に存在するかまたは自然に存在しないものであってよい。自然に存在しないバリアントは、当技術分野において既知の突然変異誘発技術を用いて生成できる。バリアントポリペプチドは、保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を含んでよい。バリアントポリペプチドは、本明細書において「ポリペプチド類似体」ということもある。本明細書で用いる場合、抗CXCL13抗体または抗体ポリペプチドの「誘導体」は、官能性側基の反応により化学的に誘導体化した1または複数の残基を有する主題ポリペプチドのことをいう。「誘導体」として、20の標準的アミノ酸の1または複数の自然に存在するアミノ酸誘導体を含有するペプチドも含まれる。例えば、4−ヒドロキシプロリンは、プロリンを置換でき、5−ヒドロキシリシンは、リシンを置換でき、3−メチルヒスチジンは、ヒスチジンを置換でき、ホモセリンは、セリンを置換でき、オルニチンは、リシンを置換できる。本発明の抗CXCL13抗体および抗体ポリペプチドの誘導体は、本発明の基準抗体または抗体ポリペプチドにおいて見出されないさらなる特徴を示すように変更されたポリペプチドを含んでよい。
用語「ポリヌクレオチド」は、単数の核酸および複数の核酸を包含することを意図し、単離核酸分子または構築物、例えばメッセンジャーRNA(mRNA)またはプラスミドDNA(pDNA)のことをいう。ポリヌクレオチドは、通常のホスホジエステル結合または通常でない結合(例えばペプチド核酸(PNA)において見出されるようなアミド結合)を含んでよい。用語「核酸」は、ポリヌクレオチド中に存在する任意の1または複数の核酸セグメント、例えばDNAまたはRNA断片のことをいう。「単離」核酸またはポリヌクレオチドにより、その天然の環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAを意図する。例えば、ベクターに含まれる、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片をコードする組換えポリヌクレオチドは、本発明の目的のために単離されたとみなされる。単離ポリヌクレオチドのさらなる例は、異種宿主細胞において維持される組換えポリヌクレオチドまたは溶解している(部分的または実質的)精製ポリヌクレオチドを含む。単離RNA分子は、本発明のポリヌクレオチドのインビボまたはインビトロでのRNA転写産物を含む。本発明による単離ポリヌクレオチドまたは核酸は、合成的に生成されたこのような分子をさらに含む。さらに、ポリヌクレオチドまたは核酸は、プロモーター、リボソーム結合部位または転写ターミネーターのような調節エレメントであるかまたはそれを含んでよい。
本明細書で用いる場合、「コード領域」は、アミノ酸に翻訳されるコドンからなる核酸の一部である。「停止コドン」(TAG、TGAまたはTAA)はアミノ酸に翻訳されないが、これは、コード領域の一部とみなすことができ、しかし、任意のフランキング配列、例えばプロモーター、リボソーム結合部位、転写ターミネーター、イントロンなどは、コード領域の一部でない。本発明の2以上のコード領域は、単一のポリヌクレオチド構築物、例えば単一のベクター上または別々のポリヌクレオチド構築物、例えば別々の(異なる)ベクター上に存在できる。さらに、ベクターはいずれも単一のコード領域を含有するか、または2以上のコード領域を含んでよく、例えば単一のベクターは、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域を別々にコードしてよい。さらに、本発明のベクター、ポリヌクレオチドまたは核酸は、抗CXCL13抗体またはその断片、バリアントもしくは誘導体をコードする核酸と融合しているかまたは融合していない異種コード領域をコードできる。異種コード領域は、限定されないが、分泌シグナルペプチドまたは異種機能性ドメインのような専門のエレメントまたはモチーフを含む。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドまたは核酸は、DNAである。DNAの場合、ポリペプチドをコードする核酸を含むポリヌクレオチドは、通常、1または複数のコード領域に作動可能に連結したプロモーターおよび/またはその他の転写もしくは翻訳制御エレメントを含んでよい。作動可能な会合は、遺伝子生成物、例えばポリペプチドのコード領域が、遺伝子生成物の発現を1以上の調節配列の影響または制御の下におくような様式で1以上の調節配列と会合する場合である。2つのDNA断片(例えばポリペプチドコード領域とそれと会合するプロモーター)とは、プロモーター機能の誘発が所望の遺伝子生成物をコードするmRNAの転写をもたらし、2つのDNA断片間の結合の性質が遺伝子生成物の発現を駆動する発現調節配列の能力に干渉しないかまたは転写されるDNA鋳型の能力に干渉しないならば、「作動可能に連結」している。つまり、プロモーター領域は、プロモーターが核酸の転写を可能にできるならば、ポリペプチドをコードする核酸と作動可能に連結している。プロモーターは、所定の細胞においてのみDNAの実質的な転写を駆動する細胞特異的プロモーターであってよい。プロモーター以外のその他の転写制御エレメント、例えばエンハンサー、オペレーター、リプレッサーおよび転写終結シグナルは、ポリヌクレオチドに作動可能に連結して、細胞特異的転写を駆動できる。適切なプロモーターおよびその他の転写制御領域は、本明細書に開示する。
様々な転写制御領域が当業者に知られている。これらは、限定することなく、脊椎動物細胞において機能する転写制御領域、例えばそれらに限定されないが、サイトメガロウイルス(イントロンAを伴う最初期プロモーター)、サルウイルス40(初期プロモーター)およびレトロウイルス(例えばラウス肉腫ウイルス)からのプロモーターおよびエンハンサーセグメントを含む。その他の転写制御領域は、脊椎動物遺伝子に由来するもの、例えばアクチン、熱ショックタンパク質、ウシ成長ホルモンおよびウサギβグロビン、ならびに真核細胞における遺伝子発現を制御できるその他の配列を含む。さらなる適切な転写制御領域は、組織特異的プロモーターおよびエンハンサー、ならびにリンホカイン誘導性プロモーター(例えばインターフェロンまたはインターロイキンにより誘導できるプロモーター)を含む。
同様に、様々な翻訳制御エレメントが当業者に知られている。これらは、それらに限定されないが、リボソーム結合部位、翻訳開始および終結コドン、ならびにピコルナウイルスに由来するエレメント(特に配列内リボソーム進入部位またはIRES、CITE配列ともよばれる)を含む。
他の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、例えばメッセンジャーRNA(mRNA)の形態のRNAである。
本発明のポリヌクレオチドおよび核酸コード領域は、本発明のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの分泌を駆動する分泌またはシグナルペプチドをコードするさらなるコード領域と会合してよい。シグナルの仮説によると、哺乳動物細胞により分泌されるタンパク質は、成長するタンパク質鎖が粗面小胞体を横切って一旦輸送され始めると成熟タンパク質から切断されるシグナルペプチドまたは分泌リーダー配列を有する。当業者は、脊椎動物細胞により分泌されるポリペプチドが、通常、ポリペプチドのN末端に融合したシグナルペプチドを有し、これは、完全または「全長」ポリペプチドから切断されて分泌または「成熟」形態のポリペプチドを生成することを理解している。特定の実施形態では、天然シグナルペプチド、例えば免疫グロブリン重鎖もしくは軽鎖シグナルペプチド、または作動可能に連結したポリペプチドの分泌を駆動する能力を保持するその配列の機能的誘導体を用いる。代わりに、異種哺乳動物シグナルペプチドまたはその機能的誘導体を用いてよい。例えば、野生型リーダー配列は、ヒト組織プラスミノゲン活性化因子(TPA)またはマウスβ−グルクロニダーゼのリーダー配列で置換してよい。
本発明の「結合分子」または「抗原結合分子」は、その広い意味において、抗原決定基に特異的に結合する分子のことをいう。一実施形態では、結合分子は、CXCL13(BCA−1ともよばれる)に特異的に結合する。別の実施形態では、本発明の結合分子は、抗体またはその抗原結合断片、例えば抗CXCL13抗体である。別の実施形態では、本発明の結合分子は、抗体分子の少なくとも1の重鎖または軽鎖CDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、1または複数の抗体分子からの少なくとも2つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、1または複数の抗体分子からの少なくとも3つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、1または複数の抗体分子からの少なくとも4つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、1または複数の抗体分子からの少なくとも5つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、1または複数の抗体分子からの少なくとも6つのCDRを含む。特定の実施形態では、1または複数のCDRは、MAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9からである。
本発明は、ある抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を対象とする。自然に存在する抗体のような完全サイズ抗体と特に言及しない限り、用語「抗CXCL13抗体」は、完全サイズ抗体およびそのような抗体、例えば自然に存在する抗体もしくは免疫グロブリン分子の抗原結合断片、バリアント、類似体または誘導体、あるいは抗体分子と同様の様式で抗原に結合する工学的に作製された抗体分子または断片を包含する。
本明細書で用いる場合、「ヒト」または「完全ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、ヒト免疫グロブリンライブラリーからまたは1もしくは複数のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックであり、内因性免疫グロブリンを発現しない動物から単離された抗体(以下および例えばKucherlapatiらによる米国特許第5,939,598号に記載されるような)を含む。「ヒト」または「完全ヒト」抗体は、少なくとも重鎖の可変ドメインまたは少なくとも重鎖および軽鎖の可変ドメインを含む抗体も含み、ここで、可変ドメイン(複数可)は、ヒト免疫グロブリン可変ドメイン(複数可)のアミノ酸配列を有する。
「ヒト」または「完全ヒト」抗体は、本明細書で記載する抗体分子(例えばVH領域および/またはVL領域)の(誘導体を含む)バリアント(該抗体またはその断片は、CXCL13ポリペプチドまたはその断片もしくはバリアントに特異的に結合する)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる上記の「ヒト」または「完全ヒト」抗体も含む。それらに限定されないが、アミノ酸置換をもたらす部位特異的突然変異誘発およびPCR仲介突然変異誘発を含む当業者に知られる標準的な技術を用いて、ヒト抗CXCL13抗体をコードするヌクレオチド配列に変異を導入できる。好ましくは、(誘導体を含む)バリアントは、基準VH領域、VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VL領域、VLCDR1、VLCDR2またはVLCDR3に対して50未満のアミノ酸置換、40未満のアミノ酸置換、30未満のアミノ酸置換、25未満のアミノ酸置換、20未満のアミノ酸置換、15未満のアミノ酸置換、10未満のアミノ酸置換、5未満のアミノ酸置換、4未満のアミノ酸置換、3未満のアミノ酸置換または2未満のアミノ酸置換をコードする。
特定の実施形態では、アミノ酸置換は、以下にさらに論じる保存的アミノ酸置換である。代わりに、変異は、例えば飽和突然変異誘発によりコード配列の全体または一部にわたって無作為に導入でき、得られた変異体は、生物活性についてスクリーニングして、活性(例えばCXCL13ポリペプチド、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13に結合する能力)を保持する変異を同定できる。「ヒト」または「完全ヒト」抗体のこのようなバリアント(またはその誘導体)は、「最適化」または「抗原結合について最適化」されたヒトまたは完全ヒト抗体ということもでき、抗原に対する親和性が改善された抗体を含む。
用語「抗体」および「免疫グロブリン」は、本明細書において交換可能に用いられる。抗体または免疫グロブリンは、少なくとも重鎖の可変ドメインを含み、通常、少なくとも重鎖および軽鎖の可変ドメインを含む。脊椎動物系における基本的な免疫グロブリン構造は、比較的よく理解されている。例えばHarlowら(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press)を参照されたい。
以下により詳細に論じるように、用語「免疫グロブリン」は、生化学的に区別できる様々な広いクラスのポリペプチドを含む。当業者は、重鎖が、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタまたはイプシロン(γ、μ、α、δ、ε)に、それらのうちのいくつかのサブクラス(例えばγ1〜γ4)とともに分類されることを認識する。抗体の「クラス」をIgG、IgM、IgA IgGまたはIgEにそれぞれ決定するのは、この鎖の性質である。免疫グロブリンサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1などは、十分に特徴づけられ、機能的に特化されていることが知られている。当業者は、これらのクラスおよびアイソタイプのそれぞれの改変バージョンを本開示の観点で容易に認識でき、よって、これらの改変バージョンは本発明の範囲内である。全ての免疫グロブリンクラスは、明らかに本発明の範囲内であり、以下の議論は、免疫グロブリン分子のIgGクラスを全般的に対象とする。IgGに関して、標準的な免疫グロブリン分子は、およそ23,000ダルトンの分子量の2つの同一の軽鎖ポリペプチドと、53,000〜70,000の分子量の2つの同一の重鎖ポリペプチドとを含む。4つの鎖は、典型的に、ジスルフィド結合により「Y」形状につながれ、ここでは、軽鎖が、「Y」の口から開始して可変領域全体に継続して重鎖を囲む。
軽鎖は、カッパまたはラムダ(κ、λ)のいずれかとして分類される。各重鎖クラスは、カッパまたはラムダ軽鎖のいずれかと結合できる。一般的に、軽鎖および重鎖は、互いに共有結合しており、2つの重鎖の「尾」部分は、共有ジスルフィド結合または免疫グロブリンがハイブリドーマ、B細胞または遺伝子工学で作製された宿主細胞のいずれかにより作製される場合に非共有結合により互いに結合する。重鎖において、アミノ酸配列は、Y形状の分かれた端のN末端から、各鎖の底のC末端までに及ぶ。
軽鎖および重鎖はともに、構造的および機能的相同性の領域に分けられる。用語「定常」および「可変」は、機能的に用いられる。この点に関して、軽鎖(VLまたはVK)および重鎖(VH)部分の両方の可変ドメインが抗原認識および特異性を決定することが認識される。逆に、軽鎖(CL)および重鎖(CH1、CH2またはCH3)の定常ドメインは、分泌、経胎盤移動性、Fc受容体結合、補体結合などのような重要な生物学的特性を与える。慣例的に、定常領域ドメインの番号付けは、それらが抗体の抗原結合部位またはアミノ末端から遠ざかるにつれて増加する。N末端部分は可変領域であり、C末端部分は定常領域である。CH3およびCLドメインは、実際に、それぞれ重鎖および軽鎖のカルボキシ末端を含む。
上述したように、可変領域は、抗体が抗原上のエピトープを選択的に認識してそれに特異的に結合することを可能にする。つまり、抗体のVLドメインおよびVHドメイン、またはこれらの可変ドメインの相補性決定領域(CDR)の部分集合は、組み合わされて、3次元抗原結合部分を規定する可変領域を形成する。この4元の抗体構造は、Yの各腕の端に存在する抗原結合部位を形成する。より具体的には、抗原結合部位は、VHおよびVL各鎖上の3つのCDRにより規定される。いくつかの場合、例えばラクダ種に由来するかまたはラクダ免疫グロブリンに基づいて工学的に作製されたある免疫グロブリン分子において、完全免疫グロブリン分子は、軽鎖を有さず重鎖のみからなることがある。例えばHamers−Castermanら、Nature363:446〜448頁(1993)を参照されたい。
自然に存在する抗体において、各抗原結合ドメインに存在する6つの「相補性決定領域」または「CDR」は、抗体が水性環境中で3次元形状をとるように抗原結合ドメインを形成するように特異的に配置されているアミノ酸の短い不連続配列である。「フレームワーク」領域とよばれる抗原結合ドメイン中の残りのアミノ酸は、分子間変動性がより低い。フレームワーク領域は、大部分がβシート高次構造を採用し、CDRは、βシート構造をつなぎ、その一部を形成する場合もあるループを形成する。つまり、フレームワーク領域は、鎖間非共有相互作用によりCDRを正しい向きに配置するための足場を形成するように作用する。配置されたCDRにより形成される抗原結合ドメインは、免疫反応性抗原上のエピトープに対する表面相補性を規定する。この相補的表面は、抗体のその同族エピトープへの非共有結合を促進する。当業者は、CDRおよびフレームワーク領域を含むアミノ酸をそれぞれ、任意の与えられた重鎖または軽鎖可変ドメインについて容易に同定できる。なぜなら、これらは精密に定義されているからである(以下を参照されたい)。
ある用語について当技術分野において用いられかつ/または受け入れられている2以上の定義がある場合、本明細書で用いる用語の定義は、そうでないと明示的に述べない限り、全てのそのような意味を含むことを意図する。具体例は、重鎖および軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内で見出される、不連続抗原結合部位を記載するための用語「相補性決定領域」(「CDR」)の使用である。この特定の領域は、Kabatら(1983)U.S.Dept.of Health and Human Services、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」ならびにChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901〜917頁(1987)(これらは本明細書に参照により組み込まれている)により記載され、ここで、これらの定義は、互いに比較した場合にオーバーラップまたはアミノ酸残基の部分集合を含む。それにもかかわらず、抗体またはそのバリアントのCDRに言及するためのどちらの定義を用いることも、本明細書で定義され用いられる用語の範囲内であることを意図する。上記の引用した参考文献のそれぞれにより定義されるCDRを包含する適当なアミノ酸残基を、比較のために以下の表1に示す。特定のCDRを包含する正確な残基数は、CDRの配列およびサイズに依存して変動する。当業者は、抗体の可変領域アミノ酸配列に鑑みて、どの残基が特定のCDRを含むかを慣例的に決定できる。
Kabatらは、いずれの抗体にも用いることができる可変ドメイン配列についての番号付けシステムを定義した。当業者は、「Kabat番号付け」のこのシステムを、任意の可変ドメイン配列に、配列自体を超えるいずれの実験データにも依存することなく、明確に割り当てることができる。本明細書で用いる場合、「Kabat番号付け」は、Kabatら(1983)U.S.Dept.of Health and Human Services、「Sequence of Proteins of Immunological Interest」に示される番号付けシステムのことをいう。そうでないと明記しない限り、本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体中の特定のアミノ酸残基の位置の番号付けについての言及は、Kabat番号付けシステムに従う。
本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、それらに限定されないが、ポリクローナル、モノクローナル、多重特異性、ヒト、ヒト化、霊長類化またはキメラ抗体、単鎖抗体、エピトープ結合断片、例えばFab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、Fv、単鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、VLもしくはVHドメインのいずれかを含む断片、Fab発現ライブラリーにより生成される断片、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば本明細書で開示する抗CXCL13抗体に対する抗Id抗体を含む)を含む。ScFv分子は、当技術分野において知られており、例えば米国特許第5,892,019号に記載されている。本発明の免疫グロブリンまたは抗体分子は、任意のタイプ(例えばIgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2など)またはサブクラスの免疫グロブリン分子であり得る。
本明細書で用いる場合、用語「重鎖部分」は、免疫グロブリン重鎖に由来するアミノ酸配列を含む。重鎖部分を含むポリペプチドは、CH1ドメイン、ヒンジ(例えば上部、中間および/または下部ヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメインまたはそのバリアントもしくは断片の少なくとも1つを含む。例えば、本発明で用いるための結合ポリペプチドは、CH1ドメインを含むポリペプチド鎖;CH1ドメインとヒンジドメインの少なくとも一部分とCH2ドメインとを含むポリペプチド鎖;CH1ドメインとCH3ドメインとを含むポリペプチド鎖;CH1ドメインとヒンジドメインの少なくとも一部分とCH3ドメインとを含むポリペプチド鎖またはCH1ドメインとヒンジドメインの少なくとも一部分とCH2ドメインとCH3ドメインとを含むポリペプチド鎖を含んでよい。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。さらに、本発明で用いるための結合ポリペプチドは、CH2ドメインの少なくとも一部分(例えばCH2ドメインの全てまたは一部)を欠いてよい。上述したように、当業者は、自然に存在する免疫グロブリン分子からアミノ酸配列が変動するようにこれらのドメイン(例えば重鎖部分)を改変できることを理解している。
本明細書で開示するある抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体において、マルチマーのあるポリペプチド鎖の重鎖部分は、該マルチマーの第2のポリペプチド鎖上のものと同一である。あるいは、本発明の重鎖部分を含有するモノマーは、同一でない。例えば、各モノマーは、例えば二重特異性抗体を形成する異なる標的結合部分を含んでよい。
本明細書で開示する診断および処置方法において用いるための結合分子の重鎖部分は、異なる免疫グロブリン分子に由来してよい。例えば、ポリペプチドの重鎖部分は、IgG1分子に由来するCH1ドメインと、IgG3分子に由来するヒンジ領域とを含んでよい。別の例では、重鎖部分は、部分的にIgG1分子と部分的にIgG3分子とに由来するヒンジ領域を含むことができる。別の例では、重鎖部分は、部分的にIgG1分子と部分的にIgG4分子とに由来するキメラヒンジを含むことができる。
本明細書で用いる場合、用語「軽鎖部分」は、免疫グロブリン軽鎖、例えばカッパまたはラムダ軽鎖に由来するアミノ酸配列を含む。好ましくは、軽鎖部分は、VLまたはCLドメインの少なくとも1つを含む。
本明細書で開示する抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、抗原の1以上のエピトープまたはその一部分、例えばそれらが認識または特異的に結合する本明細書で開示する標的ポリペプチド(例えばCXCL13)の点で記載または特定することがある。抗体の抗原結合ドメインと特異的に相互作用する標的ポリペプチドの一部分は、「エピトープ」または「抗原決定基」である。標的ポリペプチドは、単一のエピトープを含んでよいが、典型的に、少なくとも2つのエピトープを含み、抗原のサイズ、高次構造およびタイプに依存して、任意の数のエピトープを含むことができる。さらに、標的ポリペプチド上の「エピトープ」は、非ポリペプチド要素であってよいかまたはそれを含んでよく、例えばエピトープは、炭水化物側鎖を含んでよいことに注意すべきである。
抗体についてのペプチドまたはポリペプチドエピトープの最小サイズは、約4〜5アミノ酸であると考えられる。ペプチドまたはポリペプチドエピトープは、好ましくは、少なくとも7、より好ましくは少なくとも9、最も好ましくは少なくとも約15から約30の間のアミノ酸を含有する。CDRは、抗原性ペプチドまたはポリペプチドをその3次形態で認識できるので、エピトープを含むアミノ酸は連続的である必要はなく、同じペプチド鎖上にない場合さえある。本発明の抗CXCL13抗体が認識するペプチドまたはポリペプチドエピトープは、CXCL13の少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、より好ましくは少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25または約15から約30の間の連続または不連続アミノ酸の配列を含有してよい。
「特異的に結合する」とは、全般的に、抗体がエピトープにその抗原結合ドメインを介して結合し、該結合が抗原結合ドメインとエピトープとの間のいくらかの相補性を必然的に伴うことを意味する。この定義に従って、抗体がエピトープに、その抗原結合ドメインを介して、抗体が無作為で無関係のエピトープに結合するよりも容易に結合する場合に、該抗体はエピトープに「特異的に結合する」という。用語「特異性」は、本明細書において、ある抗体があるエピトープに結合する相対的親和性を述べるために用いられる。例えば、抗体「A」は、抗体「B」よりも所与のエピトープについてより高い特異性を有すると考えることができるか、または抗体「A」は、関係するエピトープ「D」についてそれが有するよりも高い特異性でエピトープ「C」に結合するということができる。
「優先的に結合する」とは、抗体がエピトープに、抗体が関係する、同様の、相同のまたは類似のエピトープに結合するよりも容易に、特異的に結合することを意味する。よって、所与のエピトープに「優先的に結合する」抗体は、そのエピトープに、関係するエピトープよりも結合する可能性が高いが、そのような抗体は、関係するエピトープと交差反応し得る。
非限定的な例として、第2のエピトープについての抗体の解離定数(KD)未満のKDで抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1のエピトープに優先的に結合すると考えてよい。別の非限定的な例では、第2のエピトープについての抗体のKDより少なくとも1桁小さいKDで抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1の抗原に優先的に結合すると考えてよい。別の非限定的な例では、第2のエピトープについての抗体のKDよりも少なくとも2桁小さいKDで抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1のエピトープに優先的に結合すると考えてよい。
別の非限定的な例では、第2のエピトープについての抗体のオフレート(k(off))未満のk(off)で抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1のエピトープに優先的に結合すると考えてよい。別の非限定的な例では、第2のエピトープについての抗体のk(off)より少なくとも1桁小さいk(off)で抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1のエピトープに優先的に結合すると考えてよい。別の非限定的な例では、第2のエピトープについての抗体のk(off)より少なくとも2桁小さいk(off)で抗体が第1のエピトープに結合するならば、抗体は第1のエピトープに優先的に結合すると考えてよい。本明細書で開示する抗体または抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、本明細書で開示する標的ポリペプチド(例えばCXCL13、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13)またはその断片もしくはバリアントに、5×10−2sec−1、10−2sec−1または5×l0−3sec−1以下のオフレート(k(off))で結合するということができる。特定の実施形態では、k(off)は、約3×10−2以下であり、例えばここで抗体は3D2であり、CXCL13はヒトまたはマウスである。別の実施形態では、k(off)は、約3×10−3以下であり、例えばここで抗体はMAb5261であり、CXCL13はヒトまたはマウスである。別の実施形態では、k(off)は、約4×10−3以下であり、例えばここで抗体はMAb5378であり、CXCL13はヒトまたはマウスである。一実施形態では、本発明の抗体は、本明細書で開示する標的ポリペプチド(例えばCXCL13、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13)またはその断片もしくはバリアントに、5×10−4sec−1、10−4sec−1、5×10−5sec−1または10−5sec−1、5×10−6sec−1、10−6sec−1、5×10−7sec−1または10−7sec−1以下のオフレート(k(off))で結合するということができる。
本明細書で開示する抗体または抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、本明細書で開示する標的ポリペプチド(例えばCXCL13、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13)またはその断片もしくはバリアントに、103M−1sec−1、5×103M−1sec−1、104M−1sec−1、5×104M−1sec−1、105M−1sec−1、5×105M−1sec−1、106M−1sec−1または5×106M−1sec−1以上のオンレート(k(on))で結合するということができる。特定の実施形態では、k(on)は、約5×105以上であり、例えばここで抗体は3D2であり、CXCL13はヒトであるか、またはk(on)は、約1×105以上であり、例えばここで抗体は3D2であり、CXCL13はマウスである。別の実施形態では、k(on)は、約1×106以上であり、例えばここで抗体はMAb5261であり、CXCL13はヒトまたはマウスである。別の実施形態では、k(on)は約1×106以上であり、例えばここで抗体はMAb5378であり、CXCL13はヒトまたはマウスである。一実施形態では、本発明の抗体は、本明細書で開示する標的ポリペプチド(例えばCXCL13、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13)またはその断片もしくはバリアントに、105M−1sec−1、5×105M−1sec−1、106M−1sec−1または5×106M−1sec−1または107M−1sec−1以上のオンレート(k(on))で結合するということができる。
抗体がある程度エピトープへの基準抗体の結合を遮断する程度に抗体がエピトープに優先的に結合するならば、抗体は、所与のエピトープへの基準抗体、例えば本明細書に開示する抗CXCL3抗体、例えばMAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9の結合を、競合的に阻害するという。競合阻害は、当技術分野において知られる任意の方法、例えば競合ELISAアッセイにより決定できる。抗体は、所与のエピトープへの基準抗体の結合を、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%競合的に阻害するということができる。
本明細書で用いる場合、用語「親和性」は、免疫グロブリン分子のCDRとの個別のエピトープの結合の強度の尺度のことをいう。例えば、Harlowら(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版)27〜28頁を参照されたい。本明細書で用いる場合、用語「結合活性」は、免疫グロブリンの集団と抗原との間の複合体の全体的な安定性、すなわち抗原と免疫グロブリン混合物とが機能的に組み合わさる強度のことをいう。例えば、Harlowの29〜34頁を参照されたい。結合活性は、特定のエピトープとの集団中の個別の免疫グロブリン分子の親和性と、免疫グロブリンと抗原との価数との両方に関する。例えば、二価モノクローナル抗体と、高反復性エピトープ構造を有する抗原、例えばポリマーとの間の相互作用は、高い結合活性の1つである。
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、それらの交差反応性の点で記載または特定することもできる。本明細書で用いる場合、用語「交差反応性」は、ある抗原に特異的な抗体が第2の抗原と反応する能力のことをいい、2つの異なる抗原性物質間の関係性の尺度である。つまり、その形成を誘発したエピトープ以外のエピトープに抗体が結合するならば、抗体は交差反応性である。交差反応性エピトープは、通常、誘導エピトープと同じ相補性構造特徴の多くを含有し、いくつかの場合では、元のものよりも実際によりうまく適合することがある。
例えば、ある抗体は、関係するが同一でないエピトープ、例えば基準エピトープと少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%および少なくとも50%の同一性(当技術分野において知られ、本明細書で記載する方法を用いて算出される)を有するエピトープと該抗体が結合するという、ある程度の交差反応性を有する。抗体は、基準エピトープと95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満および50%未満の同一性(当技術分野において知られ、本明細書で記載する方法を用いて算出される)を有するエピトープと抗体が結合しないならば、ほとんどまたは全く交差反応性を有さないということができる。抗体は、あるエピトープのいずれのその他の類似体、オルソログまたはホモログにも抗体が結合しないならば、抗体は該エピトープについて「高度に特異的」であると考えることができる。
抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、本発明のポリペプチド、例えばCXCL13、例えばヒト、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13に対するそれらの結合親和性の点で記載または特定することもできる。特定の実施形態では、本発明の結合親和性は、5×10−2M、10−2M、5×10−3M、10−3M、5×10−4M、10−4M、5×10−5M、10−5M、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×10−14M、10−14M、5×10−15Mまたは10−15M未満または以下の解離定数またはKdを有するものを含む。一実施形態では、抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片は、ヒトCXCL13に、約5×10−9M〜約5×10−10M未満のKdで結合し、例えばここで抗体はMAb5261であり、Kdは約5×10−9M以下である。別の実施形態では、抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片は、マウスCXCL13に、約5×10−7M〜約9×10−9M未満のKdで結合し、例えばここで抗体はMAb5261であり、Kdは約8×10−9M以下である。
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、「多重特異的」、例えば二重特異的、三重特異的またはそれより多い多重特異性であってよく、これは、これが1または複数の異なる抗原(例えばタンパク質)上に存在する2以上の異なるエピトープを同時に認識してそれに結合することを意味する。つまり、抗CXCL13抗体が「単一特異的」または「多重特異的」、例えば「二重特異的」であるかは、結合ポリペプチドが反応する異なるエピトープの数のことをいう。多重特異的抗体は、本明細書で記載する標的ポリペプチドの異なるエピトープに特異的であるか、または標的ポリペプチドおよび異種エピトープ、例えば異種ポリペプチドもしくは固体支持体材料に特異的であってよい。
本明細書で用いる場合、用語「価数」は、結合ポリペプチドまたはCXCL13結合分子、例えば抗体もしくはその抗原結合断片中に存在する、可能性のある結合ドメイン、例えば抗原結合ドメインの数のことをいう。各結合ドメインは、1のエピトープに特異的に結合する。結合ポリペプチドまたはCXCL13結合分子が1より多い結合ドメインを含む場合、各結合ドメインは、同じエピトープ(2つの結合ドメインを有する抗体について「二価単一特異性」と称する)または異なるエピトープ(2つの結合ドメインを有する抗体について「二価二重特異性」と称する)に特異的に結合してもよい。抗体またはその抗原結合断片は、二重特異性で、各特異性について二価であってもよい(「二重特異性四価抗体」と称する)。別の実施形態では、四価ミニボディまたはドメイン欠失抗体を作製できる。
二重特異性二価抗体およびそれらを作製する方法は、例えば米国特許第5,731,168号;第5,807,706号;第5,821,333号;ならびに米国特許出願公開第2003/020734号および第2002/0155537号(これらすべての開示は、本明細書に参照により組み込まれている)に記載される。二重特異性四価抗体およびそれらを作製する方法は、例えば国際公開第02/096948号および国際公開第00/44788号(これらの開示はともに、本明細書に参照により組み込まれる)に記載される。全般的に、国際公開第93/17715号;国際公開第92/08802号;国際公開第91/00360号;国際公開第92/05793号;Tuttら、J.Immunol.147:60〜69頁(1991);米国特許第4,474,893号;第4,714,681号;第4,925,648号;第5,573,920号;第5,601,819号;Kostelnyら、J.Immunol.148:1547〜1553頁(1992)を参照されたい。
以前に示したように、様々な免疫グロブリンクラスの定常領域のサブユニット構造および3次元形状は、公知である。本明細書で用いる場合、用語「VHドメイン」は、免疫グロブリン重鎖のアミノ末端可変ドメインを含み、用語「CH1ドメイン」は、免疫グロブリン重鎖の最初(最もアミノ末端側)の定常領域ドメインを含む。CH1ドメインは、VHドメインに隣接し、免疫グロブリン重鎖分子のヒンジ領域に対してアミノ末端側である。
本明細書で用いる場合、用語「CH2ドメイン」は、従来の番号付けスキームを用いて、抗体の例えば約244残基〜360残基(残基244〜360、Kabat番号付けシステム;および残基231〜340、EU番号付けシステム;Kabat EAらを参照されたい)にわたる重鎖分子の一部分を含む。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対形成しない点で、独特である。むしろ、2つのN連結分岐炭水化物鎖が、インタクトな天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に介在する。CH3ドメインが、CH2ドメインからIgG分子のC末端まで広がり、およそ108残基を含むことも十分に報告されている。
本明細書で用いる場合、用語「ヒンジ領域」は、CH1ドメインとCH2ドメインとをつなぐ重鎖分子の一部分を含む。このヒンジ領域は、およそ25残基を含み、フレキシブルであり、よって、2つのN末端抗原結合領域が独立して動くことを可能にする。ヒンジ領域は、3つの別個のドメイン:上部、中間および下部ヒンジドメインに細分化できる(Rouxら、J.Immunol.161:4083頁(1998))。
本明細書で用いる場合、用語「ジスルフィド結合」は、2つの硫黄原子の間に形成される共有結合を含む。アミノ酸システインは、第2のチオール基とジスルフィド結合またはブリッジを形成できるチオール基を含む。最も多く自然に存在するIgG分子において、CH1領域とCL領域とは、ジスルフィド結合により連結され、2つの重鎖は、Kabat番号付けシステムを用いて239および242に相当する位置(226位または229位、EU番号付けシステム)にて2つのジスルフィド結合により連結される。
本明細書で用いる場合、用語「キメラ抗体」は、免疫反応性領域または部位が第1の種から得られるかまたはそれに由来し、定常領域(これは、インタクト、部分的または本発明に従って改変されていることがある)が第2の種から得られる任意の抗体を意味するために用いられる。特定の実施形態では、標的結合領域または部位は、非ヒト供給源(例えばマウスまたは霊長類)からであり、定常領域はヒト(例えば本明細書で記載するモノクローナル抗体(MAb)1476)である。
本明細書で用いる場合、用語「工学的に作製された抗体」は、重鎖もしくは軽鎖または両方のいずれかにおける可変ドメインが、既知の特異性の抗体からの1または複数のCDRの少なくとも部分的な置き換えにより、そして必要であれば、部分的フレームワーク領域置き換えおよび配列変更により変更された抗体のことをいう。CDRは、フレームワーク領域が由来する抗体とクラスまたはサブクラスでさえが同じ抗体に由来できるが、CDRは、異なるクラスの抗体、そして好ましくは異なる種の抗体に由来することが構想される。既知の特異性の非ヒト抗体からの1または複数の「ドナー」CDRが、ヒト重鎖または軽鎖フレームワーク領域中にグラフトされた工学的に作製された抗体は、本明細書において「ヒト化抗体」という。ある可変ドメインの抗原結合能力を別のものに移すために、全てのCDRをドナー可変ドメインからの完全CDRに置き換える必要はないことがある。むしろ、標的結合部位の活性を維持するために必要な残基を移すことだけが必要になり得る。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、ドナー可変重鎖ドメインからの1、2または3つのCDRを含む。別の実施形態では、ヒト化抗体は、ドナー可変軽鎖ドメインからの1、2または3つのCDRを含む。
ヒト化抗体の重鎖もしくは軽鎖または両方における可変ドメイン中のフレームワーク領域が、ヒト起源の残基のみを含み得ることがさらに認識され、この場合、ヒト化抗体(例えばMAb5080または5261)のこれらのフレームワーク領域は、「完全ヒトフレームワーク領域」という。代わりに、ドナー可変ドメインの1以上のフレームワーク領域の1または複数の残基を、ヒト化抗体の重鎖もしくは軽鎖または両方における可変ドメインのヒトフレームワーク領域の対応する位置内で必要に応じて工学的に作製して、CXCL13抗原との適当な結合を維持するかまたは亢進できる。この様式で工学的に作製されたヒトフレームワーク領域は、よって、ヒトおよびドナーのフレームワーク残基が混合されており、本明細書において「部分的ヒトフレームワーク領域」という。
例えば、抗CXCL13抗体のヒト化は、Winterおよび共同研究者(Jonesら、Nature321:522〜525頁(1986);Riechmann、Nature332:323〜327頁(1988);Verhoeyenら、Science239:1534〜1536頁(1988))の方法に従って、げっ歯類もしくは変異げっ歯類CDRまたはCDR配列をヒト抗CXCL13抗体の対応する配列に置換することにより、本質的に行うことができる。米国特許第5,225,539号;第5,585,089号;第5,693,761号;第5,693,762号;および第5,859,205号(参照により本明細書に組み込まれる)も参照されたい。得られるヒト化抗CXCL13抗体は、ヒト化抗体の重鎖および/または軽鎖の可変ドメインの完全ヒトフレームワーク領域内に、少なくとも1つのげっ歯類または変異げっ歯類CDRを含み得る。いくつかの場合では、ヒト化抗CXCL13抗体の1または複数の可変ドメインのフレームワーク領域内の残基は、対応する非ヒト(例えばげっ歯類)残基で置き換えられ(例えば米国特許第5,585,089号;第5,693,761号;第5,693,762号;および第6,180,370号を参照されたい)、この場合、得られるヒト化抗CXCL13抗体は、重鎖および/または軽鎖の可変ドメイン内に部分的ヒトフレームワーク領域を含み得る。
さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体において見出されない残基を含んでよい。これらの改変は、抗体性能をさらに改良するため(例えば所望の親和性を得るため)に作製される。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここで、全てまたは実質的に全てのCDRは、非ヒトヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てのまたは実質的に全てのフレームワーク領域は、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合によって、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部分も含む。さらなる詳細について、Jonesら、Nature331:522〜525頁(1986);Riechmannら、Nature332:323〜329頁(1988);およびPresta、Curr.Op.Struct.Biol.2:593〜596頁(1992)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。よって、このような「ヒト化」抗体は、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ないものが、非ヒト種からの対応する配列で置換された抗体を含み得る。実際上、ヒト化抗体は、典型的に、いくつかまたは全てのCDR残基およびおそらくいくつかのフレームワーク残基が、げっ歯類抗体の類似部位からの残基で置換されたヒト抗体である。例えば米国特許第5,225,539号;第5,585,089号;第5,693,761号;第5,693,762号;および第5,859,205号を参照されたい。米国特許第6,180,370号および国際公開第01/27160号も参照されたい(ここでは、ヒト化抗体および所定の抗原に対する親和性が改善されたヒト化抗体を生成する技術が開示されている)。
本明細書で用いる場合、用語「連結された」、「融合された」または「融合」は、交換可能に用いられる。これらの用語は、2以上の要素または成分を、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含むいずれかの手段によりつなぐことをいう。「インフレーム融合」は、元のORFの正しい翻訳リーディングフレームを維持する様式で、2以上のポリヌクレオチドオープンリーディングフレーム(ORF)をつないで、連続するより長いORFを形成することをいう。つまり、組換え融合タンパク質は、元のORFによりコードされるポリペプチドに対応する2以上のセグメント(これらのセグメントは、自然では、通常、そのようにつながれていない)を含有する単一タンパク質である。リーディングフレームは、このようにして、融合されたセグメント全体を通して連続的にされるが、セグメントは、例えばインフレームリンカー配列により物理的または空間的に分けられてよい。例えば、免疫グロブリン可変領域のCDRをコードするポリヌクレオチドは、インフレームで融合できるが、「融合された」CDRが連続的ポリペプチドの一部として同時翻訳される限り、少なくとも1つの免疫グロブリンフレームワーク領域またはさらなるCDR領域をコードするポリヌクレオチドにより分けられてよい。
ポリペプチドの関係において、「直鎖状配列」または「配列」は、アミノ末端からカルボキシル末端方向でのポリペプチド中のアミノ酸の順序であり、ここで、配列中で互いに隣にある残基は、ポリペプチドの1次構造において連続的である。
用語「発現」は、本明細書で用いる場合、遺伝子が生化学的物質、例えばポリペプチドを生成するプロセスのことをいう。このプロセスは、限定することなく、遺伝子ノックダウンならびに一過性発現および安定的発現の両方を含む、細胞内での遺伝子の機能的存在の任意の顕れを含む。これは、限定することなく、メッセンジャーRNA(mRNA)への遺伝子の転写、およびポリペプチドへのそのようなmRNAの翻訳を含む。所望の最終生成物が生化学的物質であるならば、発現は、その生化学的物質と任意の前駆体の創出を含む。遺伝子の発現は「遺伝子生成物」を生成する。本明細書で用いる場合、遺伝子生成物は、核酸、例えば遺伝子の転写により生成されるメッセンジャーRNA、または転写産物から翻訳されるポリペプチドのいずれかであり得る。本明細書で記載する遺伝子生成物は、転写後修飾、例えばポリアデニル化された核酸、または翻訳後修飾、例えばメチル化、グリコシル化、脂質付加、他のタンパク質サブユニットとの会合、タンパク質分解切断などを受けたポリペプチドをさらに含む。
本明細書で用いる場合、用語「処置する」または「処置」は、治療的処置および予防的または防止的措置の両方のことをいい、ここで、目的は、多発性硬化症、ループス、関節炎もしくはがんの進行のような望ましくない生理的変化または障害を妨げるかまたは遅くする(少なくする)ことである。有益なまたは所望の臨床的結果は、それらに限定されないが、検出可能または検出不可能な、症状の軽減、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち悪化しない)、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善もしくは一次的緩和および寛解(部分的または完全のいずれか)を含む。「処置」は、処置を受けない場合に予期される生存と比較して延長された生存も意味し得る。処置を必要とするものは、状態または障害を既に有するもの、および状態もしくは障害を有する傾向にあるものまたは状態もしくは障害を妨げようとするものを含む。
「対象」または「個体」または「動物」または「患者」または「哺乳動物」により、それについての診断、予後または治療が所望される任意の対象、特に哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象は、ヒト、家畜、畜産動物ならびに動物園、スポーツまたはペット動物、例えばイヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシなどを含む。
本明細書で用いる場合、「抗CXCL13抗体の投与により利益を受け得る対照」および「処置を必要とする動物」のような句は、例えば抗CXCL13ポリペプチドの検出のため(例えば診断手順のため)に、用いる抗CXCL13抗体の投与から、および/または抗CXCL13抗体を用いる処置、すなわち疾患の一次的緩和もしくは防止から利益を受け得る哺乳動物対象のような対象を含む。本明細書でより詳細に記載するように、抗CXCL13抗体は、非コンジュゲート形態で用いることができるか、または例えば薬物、プロドラッグもしくは同位体にコンジュゲートできる。
II.標的ポリペプチドの説明
本明細書で用いる場合、用語「CXCL13」および「CXCL13ポリペプチド」は、交換可能に用いられる。特定の実施形態では、CXCL13は、完全サイズCXCL13もしくはその断片、またはCXCL13バリアントポリペプチドを含んでよく、ここで、CXCL13の断片またはCXCL13バリアントポリペプチドは、完全サイズCXCL13のいくらかまたは全ての機能的特性を保持する。ヒトCXCL13ポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列(それぞれ配列番号19および20)は記載されており、例えばLeglerら、J.Exp.Med.187(4):655〜660頁(1998)を参照されたい。マウスCXCL13ポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列(それぞれ配列番号21および22)は記載されており、例えばGunnら、Nature391(6669):799〜803頁(1998)を参照されたい。さらに、カニクイザルCXCL13ポリペプチド配列は、配列番号23に示すように、記載されている。
III.抗CXCL13抗体
CXCL13に結合する市販の抗体、例えばラット抗マウスMAb470(R&D Systems)およびマウス抗ヒトMAb801(R&D Systems)は、当技術分野において開示されている。さらに、マウス抗CXCL13抗体は、米国特許出願公開第2008 0227704A1号に開示されている。
本発明の抗体は、抗CXCL13抗体、またはCXCL13に結合するその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体、例えばMAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9を含む。特定の実施形態では、抗CXCL13抗体は、ヒト、霊長類、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13に結合する。特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13抗体は、ヒト化されている。他の実施形態では、抗CXCL13抗体は、その受容体、例えばCXCR5へのCXCL13の結合を遮断する。特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13抗体は、MAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2、3C9またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体である。
一実施形態では、本発明は、基準抗体、例えばMAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9と同じCXCL13エピトープに特異的に結合する単離結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントおよび誘導体を提供する。別の実施形態では、本発明は、CXCL13に特異的に結合し、基準抗体、例えばMAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9が、CXCL13、例えばヒト、霊長類、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13に特異的に結合することを競合的に阻害する単離結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片を提供する。
特定の実施形態では、本発明の結合分子は、基準抗CXCL13抗体分子についてのアミノ酸配列の少なくとも約80%、約85%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%または約95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。さらなる実施形態では、結合分子は、基準抗体と少なくとも約96%、約97%、約98%、約99%または100%の配列同一性を共有する。特定の実施形態では、基準抗体は、MAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9である。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号3または13のCDR1、CDR2またはCDR3と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号4、5または6と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VHドメインは、配列番号3または13と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一のアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号3または13のCDR1、CDR2またはCDR3と1、2、3、4または5の保存的アミノ酸置換を除いて同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号4、5または6と1、2、3、4または5の保存的アミノ酸置換を除いて同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、配列番号3または13と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するVHドメインを含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、コードされるVHドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号8、15または17のCDR1、CDR2またはCDR3と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号9、16、10または11と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VLドメインは、配列番号8、15または17と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号8、15または17のCDR1、CDR2またはCDR3と1、2、3、4または5の保存的アミノ酸置換を除いて同一であるアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号9、16、10または11と1、2、3、4または5の保存的アミノ酸置換を除いて同一であるアミノ酸配列を有する。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号8、15または17と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するVLドメインを含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離抗体またはその抗原結合断片を含み、ここで、コードされるVLドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
本発明の抗CXCL13抗体の適切な生物活性バリアントを、本発明の方法において用いることができる。このようなバリアントは、親の抗CXCL13抗体の所望の結合特性を保持する。抗体バリアントを作製する方法は、当技術分野において一般的に利用可能である。
突然変異誘発およびヌクレオチド配列変更の方法は、当技術分野において公知である。例えば、WalkerおよびGaastra編(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company、New York);Kunkel、Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:488〜492頁(1985);Kunkelら、Methods Enzymol.154:367〜382頁(1987);Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor、N.Y.);米国特許第4,873,192号;およびその中で引用される参考文献(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。対象とするポリペプチドの生物活性に影響しない適当なアミノ酸置換についての手引きは、Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.、Washington,D.C.)、345〜352頁(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)中のDayhoffら(1978)のモデルで見出すことができる。Dayhoffらのモデルは、点許容変異(PAM)アミノ酸相似マトリクス(PAM250マトリクス)を用いて、適切な保存的アミノ酸置換を決定する。あるアミノ酸を同様の特性を有する別のアミノ酸に交換するような保存的置換が好ましいことがある。DayhoffらのモデルのPAM250マトリクスにより教示される保存的アミノ酸置換の例は、それらに限定されないが、Gly←→Ala、Val←→Ile←→Leu、Asp←→Glu、Lys←→Arg、Asn←→GlnおよびPhe←→Trp←→Tyrを含む。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、すなわち対象とするポリペプチドのバリアントの構築において、バリアントが継続して所望の特性を有するように、例えばCXCL13、例えばヒト、霊長類、マウスまたはヒトおよびマウス両方のCXCL13に特異的に結合できるように改変を作製する。明らかに、バリアントポリペプチドをコードするDNA中に作製されるいずれの変異も、リーディングフレームから外れて配列を配置してはならず、好ましくは、2次mRNA構造を生成し得る相補領域を創出しない。例えば欧州特許第EP0075444B1号を参照されたい。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片の結合特異性を測定する方法は、それらに限定されないが、標準的競合結合アッセイ、T細胞またはB細胞による免疫グロブリン分泌をモニタリングするアッセイ、T細胞増殖アッセイ、アポトーシスアッセイ、ELISAアッセイなどを含む。例えば国際公開第93/14125号;Shiら、Immunity13:633〜642頁(2000);Kumanogohら、J Immunol169:1175〜1181頁(2002);Watanabeら、J Immunol167:4321〜4328頁(2001);Wangら、Blood97:3498〜3504頁(2001);およびGiraudonら、J Immunol172(2):1246〜1255頁(2004)(これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるアッセイを参照されたい。
本明細書で開示する定常領域、CDR、VHドメインまたはVLドメインを含む任意の特定のポリペプチドが、別のポリペプチドと少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約100%さえ同一であるかを本明細書で論じる場合、%同一性は、それらに限定されないが、BESTFITプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package、Unix用バージョン8、Genetics Computer Group、University Research Park,575 Science Drive,Madison,Wis.53711)のような当技術分野において知られる方法およびコンピュータプログラム/ソフトウェアを用いて決定できる。BESTFITは、SmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482〜489頁の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最良のセグメントを見出す。BESTFITまたは任意のその他の配列アラインメントプログラムを用いて特定の配列が、本発明による参照配列と例えば95%同一であるかを決定する場合、パラメータは、もちろん、同一性のパーセンテージが参照ポリペプチド配列の全長にわたって算出され、参照配列中のアミノ酸の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるように設定される。
本発明の目的のために、パーセント配列同一性は、12のギャップ開始ペナルティ、2のギャップ伸長ペナルティ、62のBLOSUMマトリクスでアフィンギャップ検索を用いるSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムを用いて決定してよい。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、SmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482〜489頁に教示されている。バリアントは、例えば、わずか1〜15のアミノ酸残基、1〜10、例えばわずか6〜10のアミノ酸残基、わずか5、4、3、2またはわずか1のアミノ酸残基だけ、基準抗CXCL13抗体(例えばMAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9)と異なってよい。
CXCL13に特異的に結合でき、所望のCXCL13遮断活性を保持するポリペプチドの精密な化学構造は、いくつかの因子に依存する。イオン化可能なアミノおよびカルボキシル基が分子中に存在するので、特定のポリペプチドは、酸性もしくは塩基性の塩としてまたは中性の形態で得ることができる。適切な環境条件においた場合にそれらの生物活性を保持する全てのこのような調製物は、本明細書で用いる場合の抗CXCL13抗体の定義に含まれる。さらに、ポリペプチドの1次アミノ酸配列は、糖部分(グリコシル化)または脂質、リン酸塩、アセチル基などの他の補助分子を用いる誘導体化により増強してよい。これは、糖とのコンジュゲーションにより増強してもよい。このような増強のある態様は、生成宿主の翻訳後プロセシングシステムにより達成される。その他のこのような改変は、インビトロで導入してよい。いずれの場合でも、このような改変は、抗CXCL13抗体の所望の特性が損なわれない限り、本明細書で用いる抗CXCL13抗体の定義に含まれる。このような改変は、様々なアッセイにおいて、ポリペプチドの活性を亢進または減少させることにより、活性に量的または質的に影響し得ることが予期される。さらに、鎖中の個別のアミノ酸残基は、酸化、還元またはその他の誘導体化により改変されることがあり、ポリペプチドは、活性を保持する断片を得るために切断されることがある。所望の特性(例えばCXCL13についての結合特異性、結合親和性および/またはCXCL13遮断活性)を損なわないこのような変更は、ポリペプチド配列を、本明細書で用いる対象とする抗CXCL13抗体の定義から除去しない。
当技術分野は、ポリペプチドバリアントの調製および使用に関して実質的な手引きを提供する。抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントの調製において、当業者は、天然タンパク質のヌクレオチドまたはアミノ酸配列に対するどの改変が、本発明の方法において用いる医薬組成物の治療活性成分として用いるために適切なバリアントをもたらすかを容易に決定できる。
抗CXCL13抗体の定常領域は、いくつかの様式で、エフェクター機能を変更するために変異させてよい。例えば、米国特許第6,737,056B1号および米国特許出願公開第2004/0132101A1号(これらは、Fc受容体との抗体結合を最適化するFc変異を開示する)を参照されたい。
ある抗CXCL13抗体では、Fc部分は、当技術分野において知られる技術を用いて、エフェクター機能を減少させるために変異させてよい。例えば、定常領域ドメインの欠失または不活性化(点突然変異またはその他の手段による)は、循環改変抗体のFc受容体結合を低下させ、そのことにより腫瘍局在化を増加させることがある。他の場合では、これは、本発明と一貫する定常領域改変が、補体結合を和らげ、よって血清半減期およびコンジュゲートした細胞毒の非特異的会合を低減することであり得る。定常領域のさらに別の改変を用いてジスルフィド結合またはオリゴ糖部分を改変してよく、このことは、抗原特異性または抗体フレキシビリティの増加により局在化の亢進を可能にする。改変の結果として得られる生理的プロフィール、バイオアベイラビリティーならびに腫瘍局在化、生体分布および血清半減期のようなその他の生化学的影響は、過度の実験を行うことなく、公知の免疫学的技術を用いて容易に測定および定量できる。
本発明の抗CXCL13抗体は、例えばその同族エピトープに抗体が特異的に結合することを共有結合が妨げないような抗体への任意の型の分子の共有結合により改変された誘導体も含む。例えば、しかし限定することなく、抗体誘導体は、例えばグリコシル化、アセチル化、peg化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/遮蔽基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞性リガンドまたはその他のタンパク質との結合などにより改変された抗体を含む。任意の多数の化学的改変を、それらに限定されないが、特異的化学的切断、アセチル化、ホルミル化などを含む既知の技術により行うことができる。さらに、誘導体は、1または複数の非伝統的アミノ酸を含有してよい。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の電荷を有する側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。同様の電荷を有する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。代わりに、飽和突然変異誘発によるようにコード配列の全体または一部にわたって変異を無作為に導入でき、得られた変異体を生物活性についてスクリーニングして、活性(例えばCXCL13についての結合特異性、結合親和性および/またはCXCL13遮断活性)を保持する変異体を同定できる。
例えば、抗体分子のフレームワーク領域のみまたはCDR領域のみに変異を導入することが可能である。導入された変異は、サイレントまたは中立ミスセンス変異であってよく、すなわち抗原と結合する抗体の能力に対して全くまたはほとんど影響しない。これらの型の変異は、コドン使用を最適化するためまたはハイブリドーマの抗体生成を改善するために有用であり得る。代わりに、非中立ミスセンス変異は、抗原と結合する抗体の能力を変更し得る。ほとんどのサイレントおよび中立ミスセンス変異の場所は、フレームワーク領域内であることが多いが、ほとんどの非中立ミスセンス変異の場所は、CDR内であることが多い(しかし、これは絶対的な要件でない)。当業者は、抗原結合活性に変更がないかまたは結合活性に変更がある(例えば抗原結合活性の改善または抗体特異性の変化)ことのような所望の特性を有する変異体分子を設計して試験できる。突然変異誘発の後に、コードされるタンパク質を慣例的に発現させ、コードされたタンパク質の機能的および/または生物学的な活性(例えばCXCL13ポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに免疫特異的に結合する能力)を、本明細書に記載される技術を用いてまたは当技術分野において知られる技術を慣例的に改変することにより決定できる。
特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13抗体は、少なくとも1つの最適化相補性決定領域(CDR)を含む。「最適化CDR」により、CDRが改変され、最適化配列が、結合親和性および/もしくは最適化CDRを含む抗CXCL13抗体に与えられる抗CXCL13活性の持続または改善に基づいて選択されることを意図する。「抗CXCL13活性」または「CXCL13遮断活性」は、CXCL13に関連する以下の活性の1または複数を調節する活性を含み得る。B細胞および濾胞BヘルパーT細胞が炎症性組織に移動することおよび胚中心形成(例えば自己免疫疾患の場合)に干渉する、その受容体とのCXCL13の相互作用の遮断;がん細胞の増殖および腫瘍学的障害へ広がる能力の阻害;またはCXCL13発現細胞に関連する任意のその他の活性。抗CXCL13活性は、それらに限定されないが、ある型の自己免疫疾患(例えば多発性硬化症、関節炎(例えば関節リウマチ)、慢性胃炎、胃リンパ腫、移植片拒絶、シェーグレン症候群(SS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、C型肝炎ウイルス感染における活動性混合型クリオグロブリン血症(MC)血管炎、若年性皮膚筋炎および重症筋無力症)およびある種のがん(例えばバーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫(例えば胃MALTリンパ腫)、癌(例えば結腸、前立腺、乳、胃、食道および膵臓)および慢性リンパ性白血病(CLL))ならびにその他の炎症性疾患、例えばヘリコバクター感染誘発性炎症性疾患、例えば胃炎、潰瘍および胃粘膜病変を含むCXCL13発現に関連する疾患の発生率または重症度の減少に起因すると考えることもできる。
IV.抗CXCL13抗体をコードするポリヌクレオチド
本発明は、本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードする核酸分子も提供する。
一実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VHドメイン)をコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号2または12のCDR1、CDR2またはCDR3から選択されるポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
他の実施形態では、本発明は、免疫グロブリンVHドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを提供し、ここで、VHドメインのCDRの少なくとも1つは、(a)配列番号4に示すアミノ酸配列を含むCDR1;(b)配列番号5に示すアミノ酸配列を含むCDR2;および(c)配列番号6に示すアミノ酸配列を含むCDR3からなる群から選択される。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号3または配列番号13を含む基準VHドメインポリペプチド配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するVHドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを含み、ここで、コードされるVHドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
さらなる実施形態では、本発明は、VHドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを含み、ここで、該ポリヌクレオチド配列は、配列番号2または配列番号12を含む配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であり、コードされるVHドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
一実施形態では、本発明は、免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VLドメイン)をコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、配列番号8、配列番号15または配列番号17のCDR1、CDR2またはCDR3のポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または同一であるアミノ酸配列を有する。
他の実施形態では、本発明は、免疫グロブリンVLドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを提供し、ここで、VLドメインのCDRの少なくとも1つは、(a)配列番号9または16に示すアミノ酸配列を含むCDR1;(b)配列番号10に示すアミノ酸配列を含むCDR2;および(c)配列番号11に示すアミノ酸配列を含むCDR3からなる群から選択される。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号8、15または17を含む基準VLドメインポリペプチド配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であるアミノ酸配列を有するVLドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを含み、ここで、コードされるVLドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
さらなる実施形態では、本発明は、VLドメインをコードする核酸を含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる単離ポリヌクレオチドを含み、ここで、該ポリヌクレオチド配列は、配列番号7、配列番号14または配列番号18を含む配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%同一であり、コードされるVLドメインを含む抗CXCL13抗体は、CXCL13に特異的または優先的に結合する。
上記のポリヌクレオチドはいずれも、例えば、コードされるポリペプチドの分泌を駆動するシグナルペプチド、本明細書で記載する抗体定常領域または本明細書で記載するその他の異種ポリペプチドをコードするさらなる核酸をさらに含んでよい。また、本明細書の他の場所でより詳細に記載するように、本発明は、上記のポリヌクレオチドの1または複数を含む組成物を含む。
一実施形態では、本発明は、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとを含む組成物であって、前記第1のポリヌクレオチドが、本明細書で記載するVHドメインをコードし、前記第2のポリヌクレオチドが、本明細書で記載するVLドメインをコードする組成物を含む。具体的に、配列番号2および12に示すVHドメインコードポリヌクレオチドと、VLドメインコードポリヌクレオチド、例えば配列番号7、14または18に示すVLドメインをコードするポリヌクレオチドを含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる組成物。
本発明は、他の場所で記載するように、本発明のポリヌクレオチドの断片も含む。さらに、融合ポリポリペプチド、Fab断片および本明細書で記載するその他の誘導体をコードするポリヌクレオチドも、本発明により企図される。
ポリヌクレオチドは、当技術分野において知られる任意の方法により生成または製造できる。例えば、抗体のヌクレオチド配列がわかっているならば、抗体をコードするポリヌクレオチドを、化学合成オリゴヌクレオチドから組み立てることができ(例えばKutmeierら、Bio Techniques17:242頁(1994)に記載されるようにして)、これは、簡単に述べると、抗体をコードする配列の部分を含有するオーバーラップオリゴヌクレオチドの合成と、これらのオリゴヌクレオチドのアニーリングおよびライゲーションと、次いで、ライゲーションされたオリゴヌクレオチドのPCRによる増幅とを含む。
代わりに、本発明の抗CXCL13抗体または抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドは、適切な供給源からの核酸から作製できる。特定の抗体をコードする核酸を含有するクローンが入手可能でないが、抗体分子の配列がわかっているならば、抗体をコードする核酸は、化学合成できるか、あるいは適切な供給源(例えば抗体cDNAライブラリー、あるいは抗体もしくはその他の抗CXCL13抗体を発現する任意の組織または細胞、例えば抗体を発現するように選択されたハイブリドーマ細胞から作製したcDNAライブラリーまたはそれから単離した核酸、好ましくはポリA+RNA)から、配列の3’および5’端にハイブリダイズできる合成プライマーを用いるPCRにより、または特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いて例えば抗体もしくはその他の抗CXCL13抗体をコードするcDNAライブラリーからcDNAクローンを同定するクローニングにより得ることができる。PCRにより作製される増幅核酸は、次いで、当技術分野において公知の任意の方法を用いて複製可能なクローニングベクターにクローニングできる。
抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体のヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列が一旦決定されると、そのヌクレオチド配列を、ヌクレオチド配列の操作のための当技術分野において公知の方法、例えば組換えDNA技術、部位特異的突然変異誘発、PCRなどを用いて操作して(例えば、Sambrookら(1990)Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版;Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.)およびAusubelら編(1998)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons、NY)(これらはともにそれらの全体が本明細書に参照により組み込まれている)に記載される技術を参照されたい)、異なるアミノ酸配列を有する抗体を得る、例えばアミノ酸置換、欠失および/または挿入を創出できる。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドで構成でき、これらは、未改変RNAもしくはDNAまたは改変RNAもしくはDNAであってよい。例えば、抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドは、1本鎖および2本鎖DNA、1本鎖および2本鎖領域が混合されたDNA、1本鎖および2本鎖RNA、ならびに1本鎖および2本鎖領域が混合されたRNA、1本鎖もしくはより典型的には2本鎖または1本鎖および2本鎖領域が混合され得るDNAとRNAとを含むハイブリッド分子で構成できる。さらに、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAとDNAとの両方を含む3本鎖領域で構成できる。抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドは、1または複数の修飾塩基あるいは安定性もしくはその他の理由のために修飾されたDNAまたはRNA主鎖を含有してもよい。「修飾」塩基は、例えば、トリチル化塩基およびイノシンのような特殊塩基を含む。様々な修飾をDNAおよびRNAに対して行うことができる。つまり、「ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態を包含する。
免疫グロブリン(例えば免疫グロブリン重鎖部分または軽鎖部分)に由来するポリペプチドの非自然バリアントをコードする単離ポリヌクレオチドは、1もしくは複数のアミノ酸置換、付加または欠失がコードされるタンパク質に導入されるように、1もしくは複数のヌクレオチド置換、付加または欠失を免疫グロブリンのヌクレオチド配列に導入することにより創出できる。変異は、部位特異的突然変異誘発およびPCR仲介突然変異誘発のような標準的な技術により導入できる。好ましくは、保存的アミノ酸置換を、1または複数の非必須アミノ酸残基にて作製する。
V.融合タンパク質および抗体コンジュゲート
本明細書の他の場所でより詳細に論じるように、抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、さらに、N末端もしくはC末端にて異種ポリペプチドと組換えにより融合できるか、またはポリペプチドもしくはその他の組成物と化学的にコンジュゲート(共有的および非共有的コンジュゲーションを含む)できる。例えば、抗CXCL13抗体は、検出アッセイにおいて標識として有用な分子および異種ポリペプチド、薬物、放射性核種もしくは毒素のようなエフェクター分子と組換えにより融合またはコンジュゲートできる。例えば、国際公開第92/08495号;国際公開第91/14438号;国際公開第89/12624号;米国特許第5,314,995号;および欧州特許第396,387号を参照されたい。
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、改変された誘導体を含むことができ、すなわち抗CXCL13に結合する抗体を共有的付着が妨げないような抗体への任意の型の分子の共有的付着による。例えば、しかし限定することなく、抗体誘導体は、例えばグリコシル化、アセチル化、peg化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/遮蔽基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞性リガンドまたはその他のタンパク質との結合などにより改変された抗体を含む。任意の多数の化学的改変を、それらに限定されないが、特異的化学的切断、アセチル化、ホルミル化などを含む既知の技術により行うことができる。さらに、誘導体は、1または複数の非伝統的アミノ酸を含有してよい。
抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、ペプチド結合または改変ペプチド結合により互いにつながれたアミノ酸、すなわちペプチドアイソスターで構成でき、遺伝子によりコードされる20のアミノ酸以外のアミノ酸を含有してよい。例えば抗CXCL13抗体は、翻訳後プロセシングのような自然のプロセスにより、または当技術分野において公知の化学改変技術により改変できる。このような改変は、基本的な参考書およびより詳細な研究論文ならびに巻数が多い研究文献に十分に記載されている。改変は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノもしくはカルボキシル末端または炭水化物のような部分を含む抗CXCL13結合分子の任意の場所で生じることができる。所与の抗CXCL13結合分子中のいくつかの部位にて同じまたは変動する程度の同じ型の改変が存在できることが認識される。また、所与の抗CXCL13結合分子は、多くの型の改変を含有してよい。抗CXCL13結合分子は、例えばユビキチン化の結果として分岐してよく、これらは、分岐を有してまたは有さずに環状であってよい。環状、分岐状および分岐状で環状の抗CXCL13結合分子は、翻訳後の自然のプロセスの結果であってよいか、または合成的方法により作製してよい。改変は、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有的付着、ヘム部分の共有的付着、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド誘導体の共有的付着、脂質もしくは脂質誘導体の共有的付着、ホスホチジルイノシトールの共有的付着、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有的架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、peg化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニン化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA仲介付加ならびにユビキチン化を含む(例えばProteins−Structure and Molecular Properties、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、NY;第2版(1993);Johnson編(1983)Posttranslational Covalent Modification of Proteins(Academic Press、NY)、1〜12頁;Seifterら、Meth.Enzymol.182:626〜646頁(1990);Rattanら、Ann.NY Acad.Sci.663:48〜62頁(1992)を参照されたい)。
本発明は、抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体と、異種ポリペプチドとを含む融合タンパク質も提供する。抗体と融合する異種ポリペプチドは、機能のために有用であり得るか、または抗CXCL13ポリペプチド発現細胞を標的にするために有用である。
一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、本発明の抗体の任意の1もしくは複数のVHドメインのアミノ酸配列、または本発明の抗体の任意の1もしくは複数のVLドメインのアミノ酸配列あるいはその断片もしくはバリアントと、異種ポリペプチド配列とを有するポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる。
別の実施形態では、本明細書で開示する診断および処置方法において用いるための融合タンパク質は、抗CXCL13抗体のVHドメインの任意の1、2、3のCDRのアミノ酸配列またはその断片、バリアントもしくは誘導体および/あるいは抗CXCL13抗体のVLドメインの任意の1、2、3のCDRのアミノ酸配列またはその断片、バリアントもしくは誘導体と、異種ポリペプチド配列とを有するポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるかまたはそれからなる。一実施形態では、融合タンパク質は、本発明の抗CXCL13抗体の少なくとも1つのVHドメインのアミノ酸配列および本発明の抗CXCL13抗体の少なくとも1つのVLドメインのアミノ酸配列またはその断片、誘導体もしくはバリアントと、異種ポリペプチド配列とを有するポリペプチドを含む。好ましくは、融合タンパク質のVHおよびVLドメインは、CXCL13の少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、単一供給源の抗体(またはscFvもしくはFab断片)に相当する。まだ別の実施形態では、本明細書で開示する診断および処置方法において用いるための融合タンパク質は、抗CXCL13抗体のVHドメインの任意の1、2、3以上のCDRのアミノ酸配列および抗CXCL13抗体のVLドメインの任意の1、2、3以上のCDRのアミノ酸配列またはその断片もしくはバリアントと、異種ポリペプチド配列とを有するポリペプチドを含む。好ましくは、VHドメインまたはVLドメインの2,3、4、5、6以上のCDR(複数可)は、本発明の単一供給源の抗体(またはscFvもしくはFab断片)に相当する。これらの融合タンパク質をコードする核酸分子も本発明に包含される。
文献において報告されている例示的な融合タンパク質は、T細胞受容体(Gascoigneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:2936〜2940頁(1987));CD4(Caponら、Nature337:525〜531頁(1989);Trauneckerら、Nature339:68〜70頁(1989);Zettmeisslら、DNA Cell Biol.USA9:347〜353頁(1990);およびByrnら、Nature344:667〜670頁(1990));L−セレクチン(ホーミング受容体)(Watsonら、J.Cell.Biol.110:2221〜2229頁(1990);およびWatsonら、Nature349:164〜167頁(1991));CD44(Aruffoら、Cell61:1303〜1313頁(1990));CD28およびB7(Linsleyら、J.Exp.Med.173:721〜730頁(1991));CTLA−4(Lisleyら、J.Exp.Med.174:561〜569頁(1991));CD22(Stamenkovicら、Cell66:1133〜1144頁(1991));TNF受容体(Ashkenaziら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:10535〜10539頁(1991);Lesslauerら、Eur.J.Immunol.27:2883〜2886頁(1991);およびPeppelら、J.Exp.Med.174:1483〜1489頁(1991));およびIgE受容体a(RidgwayおよびGorman、J.Cell.Biol.第115巻、アブストラクト第1448号(1991))の融合体を含む。
本明細書の他の場所で論じるように、抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、異種ポリペプチドと融合させて、ポリペプチドのインビボ半減期を増加させるか、または当技術分野において知られる方法を用いるイムノアッセイにおいて用いることができる。例えば、一実施形態では、PEGを本発明の抗CXCL13抗体にコンジュゲートして、それらの半減期をインビボで増加させることができる。Leongら、Cytokine16:106頁(2001);Adv.in Drug Deliv.Rev.54:531頁(2002);またはWeirら、Biochem.Soc.Transactions30:512頁(2002)を参照されたい。
さらに、抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、それらの精製または検出を容易にするためのペプチドのようなマーカー配列と融合できる。特定の実施形態では、マーカーアミノ酸配列は、なかでもpQEベクター(QIAGEN,Inc.、9259 Eton Avenue,Chatsworth,Calif.,91311)において提供されるタグのようなヘキサヒスチジンペプチドである(これらの多くは市販で入手可能である)。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:821〜824頁(1989)に記載されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製をもたらす。精製に有用なその他のペプチドタグは、それらに限定されないが、「HA」タグ(これは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質に由来するエピトープに相当する(Wilsonら、Cell37:767頁(1984)))および「フラグ」タグを含む。
融合タンパク質は、当技術分野において公知の方法を用いて調製できる(例えば米国特許第5,116,964号および第5,225,538号を参照されたい)。融合が作製される精密な部位は、融合タンパク質の分泌または結合の特徴を最適化するために経験的に選択できる。融合タンパク質をコードするDNAを、次いで、発現のために宿主細胞にトランスフェクトする。
抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、コンジュゲートされていない形態で用いることができるか、あるいは例えば分子の治療特性を改善するため、標的検出を容易にするためまたは患者のイメージングもしくは治療のために様々な分子の少なくとも1つとコンジュゲートできる。抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、精製の前もしくは後または精製を行うときに標識またはコンジュゲートできる。
特に、本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、治療剤、プロドラッグ、ペプチド、タンパク質、酵素、ウイルス、脂質、生物学的応答修飾物質、薬剤またはPEGとコンジュゲートできる。
当業者は、コンジュゲートさせる選択された物質に依存して様々な技術を用いてコンジュゲートを組み立てることもできることを認識している。例えば、ビオチンとのコンジュゲートは、例えば、結合ポリペプチドをビオチンN−ヒドロキシスクシンイミドエステルのようなビオチンの活性化エステルと反応させることにより調製される。同様に、蛍光マーカーとのコンジュゲートは、カップリング剤、例えば本明細書で列挙するものの存在下で、またはイソチオシアネート、好ましくはフルオレセイン−イソチオシアネートとの反応により調製できる。本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体のコンジュゲートは、類似の様式で調製される。
本発明は、診断剤または治療剤とコンジュゲートした抗CXCL13結合分子、例えば本発明の抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をさらに包含する。その抗原結合断片、バリアントおよび誘導体を含む抗CXCL13抗体は、例えば、例えば所与の処置および/または防止計画の効力を決定するための臨床試験手順の一部として疾患の発展または進行をモニタリングするために、診断的に用いることができる。例えば、検出は、抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を検出可能物質に結合させることにより容易にできる。検出可能物質の例は、様々な酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射活性物質、様々な陽電子放射断層撮影を用いる陽電子放射金属、および非放射活性常磁性金属イオンを含む。本発明による診断薬として用いるための抗体にコンジュゲートできる金属イオンについて、例えば米国特許第4,741,900号を参照されたい。適切な酵素の例は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼを含み、適切な補欠分子団複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み、適切な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリスリンを含み、発光物質の例は、ルミノールを含み、生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含み、適切な放射活性物質の例は、125I、131I、111In、90Yまたは99Tcを含む。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、細胞毒、治療剤または放射活性金属イオンのような治療部分とコンジュゲートできる。細胞毒または細胞傷害作用物質は、細胞にとって有害な任意の物質を含む。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、それを化学発光化合物に結合させることにより検出可能に標識することもできる。化学発光タグ付加抗CXCL13結合分子の存在は、次いで、化学反応の経過中に生じる発光の存在を検出することにより決定される。特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、テロマティックアクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびオキサレートエステルである。
抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を検出可能に標識できる方法の1つは、これを酵素に連結させ、連結生成物を酵素イムノアッセイ(EIA)において用いることによる(Voller,A.、「The Enzyme Linked Immunosorbent Assay (ELISA)」Microbiological Associates Quarterly Publication、Walkersville,Md.;Diagnostic Horizons2:1〜7頁(1978);Vollerら、J.Clin.Pathol.31:507〜520頁(1978);Butler、Meth.Enzymol.73:482〜523頁(1981);Maggio編(1980)Enzyme Immunoassay、CRC Press、Boca Raton、Fla.;Ishikawaら編(1981)Enzyme Immunoassay(Kgaku Shoin、Tokyo))。抗CXCL13抗体と結合した酵素は、適当な基質、例えば色素産生基質と、例えば分光光学的、蛍光測定的にまたは視覚的手段により検出できる化学部分を生成するような様式で反応させる。抗体を検出可能に標識するために用いることができる酵素は、それらに限定されないが、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロホスフェート、デヒドロゲナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含む。さらに、検出は、酵素についての色素酸性基質を用いる比色法により達成できる。検出は、同様に調製した標準物質との比較における基質の酵素反応の程度の視覚的比較により達成してもよい。
検出は、様々なその他のイムノアッセイのいずれを用いて達成してもよい。例えば、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を放射活性標識することにより、ラジオイムノアッセイ(RIA)を用いて結合分子を検出することが可能である(例えばWeintraub(1986年3月)Principles of Radioimmunoassays、Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques(The Endocrine Society)(これは、本明細書に参照により組み込まれている)を参照されたい)。放射活性同位体は、それらに限定されないが、ガンマカウンタ、シンチレーションカウンタまたはオートラジオグラフィを含む手段により検出できる。
抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、152Euまたはランタニド系の他のもののような蛍光放出金属を用いて検出可能に標識することもできる。これらの金属は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キレート基を用いて結合分子に付着できる。
様々な部分を抗体、例えば抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体にコンジュゲートするための技術は公知であり、例えばMonoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Reisfeldら編(Alan R.Liss,Inc.)、243〜56頁中のAmonら(1985)「Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drugs in Cancer Therapy」;Controlled Drug Delivery、Robinsonら編(第2版;Marcel Dekker,Inc.)、623〜53頁中のHellstromら(1987)「Antibodies for Drug Delivery」;Monoclonal Antibodies ’84:Biological and Clinical Applications、Pincheraら編、475〜506頁中のThorpe(1985)「Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy:A Review」;Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy、Baldwinら編、Academic Press、303〜16頁(1985)中の「Analysis,Results,and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy」;およびThorpeら、Immunol.Rev.62:119〜58頁(1982)を参照されたい。
VI.抗体ポリペプチドの発現
抗体の軽鎖および重鎖をコードするDNA配列は、逆転写酵素およびDNAポリメラーゼを公知の方法に従って用いて、同時にまたは別々に作製できる。PCRは、コンセンサス定常領域プライマーによりまたは発表された重鎖および軽鎖のDNAおよびアミノ酸配列に基づくより特異的なプライマーにより開始できる。上で論じたように、PCRを用いて、抗体軽鎖および重鎖をコードするDNAクローンを単離できる。この場合、ライブラリーを、コンセンサスプライマーまたはマウス定常領域プローブのようなより大きい相同プローブによりスクリーニングできる。
DNA、典型的にはプラスミドDNAは、当技術分野において知られる技術を用いて細胞から単離し、制限マッピングし、例えば組換えDNA技術に関する上記の参考文献において詳細に示される標準的で公知の技術に従って配列決定できる。もちろん、DNAは、単離プロセスまたはその後の分析中の任意の時点で本発明に従って合成的されてよい。
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を提供するための単離遺伝物質の操作の後に、抗CXCL13抗体をコードするポリヌクレオチドを、典型的に、所望の量の抗CXCL13抗体を生成するために用い得る宿主細胞に導入するために発現ベクターに挿入する。
抗体またはその断片、誘導体もしくは類似体、例えば本明細書で記載する標的分子、例えばCXCL13に結合する抗体の重鎖または軽鎖の組換え発現は、抗体をコードする1または複数のポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を必要とする。本発明の抗体分子あるいは抗体の重鎖もしくは軽鎖またはその一部分(好ましくは重鎖または軽鎖可変ドメインを含む)をコードするポリヌクレオチドが一旦得られると、抗体分子の生成のためのベクターを、当技術分野において公知の技術を用いる組換えDNA技術により生成できる。つまり、ヌクレオチド配列をコードする抗体を含有するポリヌクレオチドを発現することによりタンパク質を調製する方法が本明細書に記載される。当業者に公知の方法を用いて、抗体コード配列ならびに適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築できる。これらの方法は、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術およびインビボ遺伝子組み換えを含む。本発明は、つまり、本発明の抗体分子、またはその重鎖もしくは軽鎖、または重鎖もしくは軽鎖可変ドメインをコードする、プロモーターに作動可能に連結したヌクレオチド配列を含む複製可能ベクターを提供する。このようなベクターは、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含んでよく(例えば国際公開第86/05807号;国際公開第89/01036号;および米国特許第5,122,464号を参照されたい)、抗体の可変ドメインは、重鎖または軽鎖全体の発現のためにこのようなベクターにクローニングできる。
用語「ベクター」または「発現ベクター」は、本明細書において、宿主細胞に所望の遺伝子を導入して発現させるための媒体としての本発明に従って用いるベクターを意味するために用いる。当業者に知られるように、このようなベクターは、プラスミド、ファージ、ウイルスおよびレトロウイルスからなる群から容易に選択できる。一般的に、本発明に適合するベクターは、選択マーカー、所望の遺伝子のクローニングを容易にする適当な制限部位および真核もしくは原核細胞に侵入し、かつ/またはそこで複製する能力を含む。
本発明の目的のために、多数の発現ベクター系を用いることができる。例えば、あるクラスのベクターは、ウシパピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(RSV、MMTVまたはMOMLV)またはSV40ウイルスのような動物ウイルスに由来するDNAエレメントを利用する。その他のものは、配列内リボソーム結合部位を有するポリシストロン系の使用を含む。さらに、染色体中にDNAを組み込んだ細胞は、トランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする1または複数のマーカーを導入することにより選択できる。マーカーは、栄養要求性宿主に原栄養性を、殺生物剤耐性(例えば抗生物質)または銅のような重金属に対する耐性を与えることができる。選択可能マーカー遺伝子は、発現されるDNA配列に直接連結できるか、または同時形質転換により同じ細胞に導入できる。さらなるエレメントが、mRNAの最適な合成のために必要になることもある。これらのエレメントは、シグナル配列、スプライシングシグナル、ならびに転写プロモーター、エンハンサーおよび終結シグナルを含み得る。
特定の実施形態では、クローニングされた可変領域遺伝子を、上で論じたようにして合成された重鎖および軽鎖定常領域遺伝子(例えばヒト)とともに発現ベクターに挿入する。もちろん、真核細胞において発現を誘発できる任意の発現ベクターを本発明において用いることができる。適切なベクターの例は、それらに限定されないが、プラスミドpcDNA3、pHCMV/Zeo、pCR3.1、pEF1/His、pIND/GS、pRc/HCMV2、pSV40/Zeo2、pTRACER−HCMV、pUB6/V5−His、pVAX1およびpZeoSV2(インビトロgen、San Diego,Calif.から入手可能)ならびにプラスミドpCI(Promega、Madison,Wis.から入手可能)を含む。一般的に、免疫グロブリン重鎖および軽鎖が適切に高いレベルを発現するものについての、多数の形質転換細胞のスクリーニングは、例えばロボットシステムにより行うことができるような慣例的な実験である。
より一般的に、抗CXCL13抗体のモノマーサブユニットをコードするベクターまたはDNA配列が一旦調製されると、発現ベクターを適当な宿主細胞に導入できる。宿主細胞へのプラスミドの導入は、当業者に公知の様々な技術により達成できる。これらは、それらに限定されないが、トランスフェクション(電気泳動およびエレクトロポレーションを含む)、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、被包DNAを用いる細胞融合、マイクロインジェクションおよびインタクトウイルスを用いる感染を含む。Vectors、RodriguezおよびDenhardt編(Butterworths,Boston,Mass.)、第24.2章、470〜472頁中のRidgway(1988)「Mammalian Expression Vectors」を参照されたい。典型的に、宿主へのプラスミド導入は、エレクトロポレーションによる。発現構築物を有する宿主細胞を、軽鎖および重鎖の生成に適当な条件下で成長させ、重鎖および/または軽鎖タンパク質合成についてアッセイする。例示的なアッセイ技術は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)または蛍光標示式細胞分取分析(FACS)、免疫組織化学などを含む。
発現ベクターを、宿主細胞に、従来の技術により移入し、トランスフェクトされた細胞を、次いで、従来の技術により培養して、本明細書で記載する方法において用いるための抗体を生成する。つまり、本発明は、異種プロモーターに作動可能に連結した本発明の抗体またはその重鎖もしくは軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞を含む。二重鎖抗体の発現のための好ましい実施形態において、重鎖および軽鎖の両方をコードするベクターを、以下に詳述するように、免疫グロブリン分子全体の発現のために宿主細胞で同時発現させることができる。
本明細書で用いる場合、「宿主細胞」は、組換えDNA技術を用いて構築され、少なくとも1つの異種遺伝子をコードするベクターを有する細胞のことをいう。組換え宿主からの抗体の単離のためのプロセスの記載において、用語「細胞」および「細胞培養物」は、そうでないと明確に特定しない限り、抗体の供給源を示すために交換可能に用いられる。言い換えると、「細胞」からのポリペプチドの回収は、スピンダウンした細胞全体から、または培地および懸濁細胞の両方を含有する細胞培養物からのいずれかを意味し得る。
様々な宿主−発現ベクター系を用いて、本明細書で記載する方法において用いるための抗体分子を発現できる。このような宿主−発現系は、それにより対象とするコード配列を生成して、その後、精製できる媒体を表すが、適当なヌクレオチドコード配列で形質転換またはトランスフェクトされた場合に、本発明の抗体分子をin situで発現できる細胞も表す。これらは、限定されないが、抗体コード配列を含有する組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えばE.coli、B.subtilis)のような微生物;抗体コード配列を含有する組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えばSaccharomyces、Pichia);抗体コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;抗体コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染したかもしくは組換えプラスミド発現ベクター(例えばTiプラスミド)で形質転換された植物細胞系;または哺乳動物細胞のゲノム(例えばメタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物ウイルス(例えばアデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)に由来するプロモーターを含有する組換え発現構築物を有する哺乳動物細胞系(例えばCOS、CHO、BLK、293、3T3細胞)を含む。特定の実施形態では、Escherichia coliのような細菌細胞、およびさらなる実施形態では、特に組換え抗体分子全体の発現のための真核細胞が、組換え抗体分子の発現のために用いられる。例えば、ヒトサイトメガロウイルスからの主要中間初期遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターを伴うチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞は、抗体についての有効な発現系である(Foeckingら、Gene45:101頁(1986);Cockettら、Bio/Technology8:2頁(1990))。
タンパク質発現のために用いられる宿主株化細胞は、頻繁に哺乳動物起源のものである。当業者は、発現させる所望の遺伝子生成物に最も適する具体的な宿主株化細胞を優先的に決定する能力を有すると信じられる。例示的な宿主株化細胞は、それらに限定されないが、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)、DG44およびDUXB11(チャイニーズハムスター卵巣系統、DHFRマイナス)、HELA(ヒト子宮頚癌)、CVI(サル腎臓系統)、COS(SV40T抗原を有するCVIの誘導体)、VERY、BHK(ベビーハムスター腎臓)、MDCK、293、WI38、R1610(チャイニーズハムスター線維芽細胞)、BALBC/3T3(マウス線維芽細胞)、HAK(ハムスター腎臓系統)、SP2/O(マウスミエローマ)、P3.times.63−Ag3.653(マウスミエローマ)、BFA−1c1BPT(ウシ内皮細胞)、RAJI(ヒトリンパ球)および293(ヒト腎臓)を含む。宿主株化細胞は、商業的なサービスAmerican Tissue Culture Collectionまたは発表された文献から典型的に入手可能である。
さらに、挿入された配列の発現を調節するか、または所望の特定の様式で遺伝子生成物を改変およびプロセシングする宿主細胞株を選択できる。タンパク質生成物のこのような改変(例えばグリコシル化)およびプロセシング(例えば切断)は、タンパク質の機能のために重要なことがある。異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子生成物の翻訳後プロセシングおよび改変について特徴的で特異的な機構を有する。適当な株化細胞または宿主系を選択して、発現される外来タンパク質の正しい改変およびプロセシングを確実にすることができる。このために、1次転写産物の正しいプロセシング、遺伝子生成物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞の仕組みを有する真核宿主細胞を用いることができる。
組換えタンパク質の長期で高収率の生成のために、安定発現が好ましい。例えば、抗体分子を安定的に発現する株化細胞を工学的に作製できる。ウイルス複製起点を含有する発現ベクターを用いるよりむしろ、宿主細胞を、適当な発現制御エレメント(例えばプロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)と選択可能マーカーとで制御されたDNAで形質転換できる。外来DNAの導入の後に、工学的に作製された細胞を富栄養培地中で1〜2日間成長させることができ、次いで選択培地に交換する。組換えプラスミド中の選択可能マーカーは、選択に対する耐性を与え、細胞の染色体中に細胞がプラスミドを安定的に組み込み、成長して増殖巣を形成することを可能にする(これが次いでクローニングされ、株化細胞に発展することができる)。この方法は、抗体分子を安定的に発現する株化細胞を工学的に作製するために有利に用いることができる。
それらに限定されないが、ヘルペス単純ウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら、Cell11:223頁(1977))、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(SzybalskaおよびSzybalski、Proc.Natl.Acad.Sci.USA48:202頁(1992))およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowyら、Cell22:817頁(1980))遺伝子(tk−、hgprt−またはaprt細胞においてそれぞれ用いることができる)を含むいくつかの選択系を用いることができる。また、代謝拮抗物質耐性を、以下の遺伝子についての選択の基礎として用いることができる:dhfr(これは、メトトレキセートに対する耐性を与える(Wiglerら、Natl.Acad.Sci.USA77:357頁(1980);O’Hareら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:1527頁(1981)));gpt(これは、ミコフェノール酸に対する耐性を与える(MulliganおよびBerg、Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:2072頁(1981)));neo(これは、アミノグリコシドG−418に対する耐性を与えるClinical Pharmacy12:488〜505頁;WuおよびWu、Biotherapy3:87〜95頁(1991));Tolstoshev、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.32:573〜596頁(1993);Mulligan、Science260:926〜932頁(1993);ならびにMorganおよびAnderson、Ann.Rev.Biochem.62:191〜217頁(1993);TIB TECH 11(5):155〜215頁(1993年5月));およびhygro(これは、ハイグロマイシンに対する耐性を与える(Santerreら、Gene30:147頁(1984))。用いることができる組換えDNA技術の分野において一般的に知られる方法は、Ausubelら(1993)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons、NY);A Laboratory Manual(Stockton Press、NY)中のKriegler(1990)「Gene Transfer and Expression」;Dracopoliら(編)(1994)Current Protocols in Human Genetics(John Wiley&Sons、NY)12および13章;Colberre−Garapinら(1981)J.Mol.Biol.150:1頁(これらはそれらの全体が本明細書に参照により組み込まれている)に記載される。
抗体分子の発現レベルは、ベクター増幅により増やすことができる(総説については、BebbingtonおよびHentschel(1987)「The Use of Vectors Based on Gene Amplification for the Expression of Cloned Genes in Mammalian Cells in DNA Cloning」(Academic Press、NY)第3巻を参照されたい)。抗体を発現するベクター系中のマーカーが増幅可能である場合、宿主細胞の培養物中に存在する阻害物質のレベルが増加すると、マーカー遺伝子のコピー数が増加する。増幅領域は抗体遺伝子と関連するので、抗体の生成も増加する(Crouseら、Mol.Cell.Biol.3:257頁(1983))。
インビトロ生成は、大量の所望のポリペプチドを得るためのスケールアップを可能にする。組織培養条件下での哺乳動物細胞培養のための技術は当技術分野において知られており、例えばエアリフトリアクタもしくは連続撹拌リアクタ中での均質懸濁培養、あるいは例えば中空繊維、マイクロカプセル中、アガロースマイクロビーズもしくはセラミックカートリッジ上での固定化または包括細胞培養を含む。必要でありかつ/または望ましいならば、ポリペプチドの溶液を、例えば合成ヒンジ領域ポリペプチドの優先的生合成の後または本明細書で記載するHICクロマトグラフィーステップの前もしくは後の慣習的なクロマトグラフィー法、例えばゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAEセルロースでのクロマトグラフィー、または(免疫)親和性クロマトグラフィーにより精製できる。
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体をコードする遺伝子は、昆虫、細菌もしくは酵母または植物細胞のような非哺乳動物細胞において発現することもできる。核酸を容易に取り込む細菌は、腸内細菌のメンバー、例えばEscherichia coliの株もしくはSalmonella;Bacillaceae、例えばBacillus subtilis;Pneumococcus;StreptococcusおよびHaemophilus influenzaeを含む。細菌において発現される場合、異種ポリペプチドが典型的に封入体の一部になることがさらに認識される。異種ポリペプチドは、単離し、精製し、次いで機能的分子に組み立てなければならない。四価の形態の抗体が望まれる場合、サブユニットを、次いで、四価抗体に自己集合させる(国際公開第02/096948号)。
細菌系において、いくつかの発現ベクターを、発現される抗体分子が意図する使用に依存して有利に選択できる。例えば、抗体分子の医薬組成物の作製のために大量のこのようなタンパク質を生成する場合、容易に精製される高レベルの融合タンパク質生成物の発現を駆動するベクターが望ましい場合がある。このようなベクターは、それらに限定されないが、E.coli発現ベクターpUR278(Rutherら、EMBO J.2:1791頁(1983))(ここでは、抗体コード配列が、融合タンパク質が生成されるようにlacZコード領域とインフレームでベクター中に個別にライゲーションされ得る);pINベクター(InouyeおよびInouye、Nucleic acids Res.13:3101〜3109頁(1985);Van HeekeおよびSchuster、J.Biol.Chem.24:5503〜5509頁(1989))などを含む。pGEXベクターを用いて、外来ポリペプチドを、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させてもよい。一般的に、このような融合タンパク質は、可溶性であり、溶解細胞から、マトリクスグルタチオン−アガロースビーズへの吸着および結合と、その後の遊離グルタチオンの存在下での溶出とにより容易に精製できる。pGEXベクターは、クローニングされた標的遺伝子生成物がGST部分から遊離され得るように、トロンビンまたは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含むように設計されている。
原核生物に加えて、真核微生物も用いてよい。Saccharomyces cerevisiaeまたは一般的にパン酵母は、真核微生物のうちで最も一般的に用いられるが、いくつかのその他の株、例えばPichia pastorisも一般的に利用可能である。
Saccharomycesにおける発現について、例えばプラスミドYRp7(Stinchcombら、Nature282:39頁(1979);Kingsmanら、Gene7:141頁(1979);Tschemperら、Gene10:157頁(1980))が一般的に用いられる。このプラスミドは、TRP1遺伝子を既に含有し、これは、トリプトファン中で成長する能力を欠く酵母変異株、例えばATCC第44076号またはPEP4−1(Jones、Genetics85:12頁(1977))についての選択マーカーを提供する。酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてのtrp1欠損の存在は、次いで、トリプトファンの非存在下での成長による形質転換の検出のための有効な環境を提供する。
昆虫系において、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)が、外来遺伝子を発現するためのベクターとして典型的に用いられる。ウイルスは、Spodoptera frugiperda細胞で成長する。抗体コード配列は、ウイルスの非必須領域(例えばポリヘドリン遺伝子)中に個別にクローニングして、AcNPVプロモーター(例えばポリヘドリンプロモーター)の制御下におくことができる。
本発明の抗体分子が組換えにより一旦発現されると、これは、免疫グロブリン分子の精製のための当技術分野において知られる任意の方法、例えばクロマトグラフィー(例えばイオン交換、親和性、特にプロテインAの後の特異的抗原についての親和性、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差的溶解性またはタンパク質の精製のための任意のその他の標準的な技術により精製できる。代わりに、本発明の抗体の親和性を増加させる方法は、米国特許出願公開第2002 0123057A1号に開示される。
VII.治療的抗CXCL13抗体を用いる処置方法
リンパ系ケモカインCXCL13は、濾胞樹状細胞(FDC)およびマクロファージにより発現される。様々な免疫細胞(例えばB細胞、濾胞ヘルパーT細胞および活性化されたばかりのT細胞)上で見出されるその受容体であるCXCR5を介して、CXCL13は、免疫系恒常性の維持、リンパ器官形成、白血球のやり取りおよび化学走性移動ならびに2次リンパ組織(例えば胚中心)の発達に必要な細胞内変化を誘発する。CXCL13およびその受容体CXCR5の過剰発現は、様々な自己免疫疾患に関わっている(例えば多発性硬化症(例えばCorcioneら、PNAS101(30):11064〜11069頁(2004);Serafiniら、Brain Pathol.14:164〜174頁(2004);Magliozziら、Brain130:1089〜1104頁(2007)を参照されたい)、関節炎(例えば関節リウマチ(例えばRiojaら、Arthritis&Rheumatism58(8):2257〜2267頁(2008);Shiら、J.Immuno.166:650〜655頁(2001);Schmutzら、Arthritis Restearch and Therapy7:R217〜R229頁(2005);Hjelmstromら、J.Leukocyte Bio.69:331〜339頁(2001)を参照されたい)、慢性胃炎(例えばHjelmstromら;Mazzucchelliら、Brain130:1089〜1104頁(2007)を参照されたい)、胃リンパ腫(例えば同著;Nobutaniら、FEMS Immunol Med Microbiol60:156〜164頁(2010)を参照されたい)、移植片拒絶(例えばSteinmetzら、Kidney International67:1616〜1621頁(2005)を参照されたい)、シェーグレン症候群(SS)(例えばBaroneら、J.Immuno.180:5130〜5140頁(2008);Hjelmstromらを参照されたい)、全身性エリテマトーデス(SLE)(例えばSteinmetzら、Leeら、J.Rheum.37(1):45〜52頁(2010);Schifferら、J.Immun.171:489〜497頁(2003)を参照されたい)、C型肝炎ウイルス感染における活動性混合型クリオグロブリン血症(MC)血管炎(例えばSansonnoら、Blood112(5):1620〜1627頁(2008)を参照されたい)、若年性皮膚筋炎(例えばde Padillaら、Arthritis&Rheumatism60(4):1160〜1172頁(2009)を参照されたい)および重症筋無力症(例えばMatsumotoら、J.Immuno.176:5100〜5107頁(2006);Meraounaら、Blood108(2):432〜440頁(2006);Saitoら、J.Neuroimmunol170:172〜178頁(2005)を参照されたい)ならびにある種のがん(例えばバーキットリンパ腫(例えばForsterら、Blood84:830〜840頁(1994);Forsterら、Cell87:1037〜1047頁(1996)を参照されたい)、非ホジキンリンパ腫(例えばTrentinら、Ann.Rev.Immunol.6:251〜81頁(1988);Gongら、J.Immunol.174:817〜826頁(2005);Hamaguchiら、J.Immunol.174:4389〜4399頁(2005)を参照されたい)、癌(例えば結腸および膵臓)(例えばGuntherら、Int.J.Cancer116:726〜733頁(2005);Meijerら、Cancer Res.66:9576〜9582頁(2006)を参照されたい)、乳がん(例えばPanseら、British Journal of Cancer99:930〜938頁(2008)を参照されたい)、慢性リンパ性白血病(CLL)(例えばBurkleら、Blood110:3316〜3325頁(2007)を参照されたい)および前立腺がん(例えばSinghら、Cancer Letters283(1):29〜35頁(2009)を参照されたい)。CXCL13活性の阻害のための本発明の方法は、上記の障害に対して治療効果を有することが予期される。
本発明の特定の方法は、CXCL13発現細胞、例えばCXCL13過剰発現細胞に関連する疾患を有する患者を処置するための抗CXCL13結合分子、例えばその抗原結合断片、バリアントおよび誘導体を含む抗体の使用を対象とする。「CXCL13発現細胞」により、CXCL13抗原を発現する正常および悪性細胞を意図する。細胞においてCXCL13発現を検出するための方法は当技術分野において公知であり、それらに限定されないが、PCR技術、免疫組織化学、フローサイトメトリー、ウェスタンブロット、ELISAなどを含む。
以下の議論は、本発明の抗CXCL13抗体を用いる様々な疾患および障害の診断方法および処置に言及するが、本明細書で開示する方法は、本発明の抗CXCL13抗体の所望の特性、例えばCXCL13、例えばヒト、霊長類、マウスまたはヒトおよびマウスのCXCL13に特異的に結合できることおよびCXCL13中和活性を有することを保持するこれらの抗CXCL13抗体の抗原結合断片、バリアントおよび誘導体にも当てはめることができる。
一実施形態では、処置は、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片の患者への施用または投与、あるいは抗CXCL13結合分子の患者からの単離組織または株化細胞への施用または投与を含み、ここで、患者は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を有する。別の実施形態では、処置は、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片を含む医薬組成物の患者への施用または投与、あるいは抗CXCL13結合分子を含む医薬組成物の患者からの単離組織または株化細胞への施用または投与を含むことも意図し、ここで、患者は疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を有する。
本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片は、様々な悪性および非悪性腫瘍の処置のために有用である。「抗腫瘍活性」により、悪性CXCL13発現細胞増殖または蓄積の速度の低下、よって現存する腫瘍の成長速度の減退もしくは治療中に生じる腫瘍の減退および/または現存する新生物(腫瘍)細胞もしくは新しく形成される新生物細胞の破壊、よって治療中の腫瘍の全体的なサイズの減少を意図する。例えば、少なくとも1つの抗CXCL13抗体を用いる治療は、ヒトにおけるCXCL13発現細胞に関連する疾患状態の処置に関して有益である生理的応答を引き起こす。
一実施形態では、本発明は、医薬品として用いるため、特にがんの処置または予防において用いるためまたは前がん性状態もしくは病変において用いるための本発明による抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片に関する。特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片、例えばMAb5261は、CXCL13過剰発現がんの処置のために用いられる。特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片は、CXCL13発現もしくは過剰発現白血病、リンパ腫(例えばMALTリンパ腫)、結腸、膵臓、胃、食道、乳または前立腺がんの処置のために用いられる。一実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片は、がん、例えば結腸または前立腺がんの処置のために用いられる。一実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片は、CXCR5発現または過剰発現がんの処置のために用いられる。
がんの処置または防止のための抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の有効性は、動物モデルを用いて示すことができる。例えば、前立腺がんの処置または防止のための本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の有効性は、前立腺がんについての動物モデル、例えばPC3−lucヒト前立腺がん細胞を注射され、本発明の抗CXCL13結合分子で処置されたマウスを用いて示すことができる。別の例では、結腸がんの処置または防止のための本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の有効性は、結腸がんについての動物モデル、例えばCT26結腸癌細胞を注射され、本発明の抗CXCL13結合分子で処置されたマウスを用いて示すことができる。別の例では、MALTリンパ腫の処置または防止のための本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の有効性は、胃MALTリンパ腫についての動物モデル、例えばヘリコバクター細菌に感染し(Nobutaniら(2010)を参照されたい)、本発明の抗CXCL13結合分子で処置されたマウスを用いて示すことができる。Nobutaniらのモデルを用いて、ヘリコバクター感染組織の胃リンパ濾胞の低減についての本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の有効性を評価することもできる。
本発明の方法に従って、本明細書の他の場所で定義されるような少なくとも1つの抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片は、悪性ヒト細胞に関する正の治療応答を促進するために用いられる。がんの処置に関する「正の治療応答」により、これらの結合分子、例えば抗体もしくはその断片の抗腫瘍活性に関連する疾患の改善、および/または疾患に関連する症状の改善を意図する。つまり、抗増殖効果、さらなる腫瘍増生の防止、腫瘍サイズの低下、腫瘍脈管構造の減少、がん細胞の数の低下および/または疾患に関連する1もしくは複数の症状の減少が観察できる。つまり、例えば、疾患の改善は、完全応答を特徴とできる。「完全応答」により、以前のいずれの異常なX線検査、骨髄および脳脊髄液(CSF)の正常化を伴う臨床的に検出できる疾患の非存在を意図する。このような応答は、本発明の方法に従う処置の後少なくとも1カ月間持続しなければならない。代わりに、疾患の改善は、部分的応答として分類できる。「部分的応答」により、新しい病変の非存在下での全ての測定可能な腫瘍量(すなわち対象に存在する腫瘍細胞の数)の少なくとも約50%の減少(少なくとも1カ月間持続する)を意図する。このような応答は、測定可能な腫瘍にのみ用いることができる。
腫瘍応答は、生物発光イメージング、例えばルシフェラーゼイメージング、骨スキャンイメージングおよび骨髄吸引(BMA)を含む腫瘍生検標本採取のようなスクリーニング技術を用いて、腫瘍形態(すなわち全体的な腫瘍量、腫瘍細胞数など)の変化について評価できる。これらの正の治療応答に加えて、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片を用いる治療を受ける対象は、疾患に関連する症状の改善の有益な効果を経験し得る。例えば、対象は、いわゆるB症状、例えば寝汗、発熱、体重減少および/またはじんま疹の減少を経験し得る。
本明細書で記載する抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片は、炎症性疾患およびCXCL13発現細胞に関連する免疫系の機能不全もしくは障害の処置または防止において用いることもできる。炎症性疾患は、炎症および組織破壊またはその組み合わせを特徴とする。「抗炎症活性」により、炎症の低下または防止を意図する。「炎症性疾患」は、開始イベントまたは免疫応答の標的が例えば同種抗原、異種抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、未知抗原またはアレルゲンを含む非自己抗原に関与する任意の炎症性免疫仲介プロセスを含む。
一実施形態では、炎症性疾患は、細菌感染、例えばヘリコバクター感染、例えばH.pylori、H.heilmannii、H.acinonychis、H.anseris、H.aurati、H.baculiformis、H.bilis、H.bizzozeronii、H.brantae、H.candadensis、H.canis、H.cholecystus、H.cinaedi、H.cynogastricus、H.equorum、H.felis、H.fenelliae、H.ganmani、H.hepaticus、H.mesocricetorum、H.marmotae、H.muridarum、H.mustelae、H.pametensis、H.pullorum、H.rappini、H.rodentium、H.salomonis、H.suis、H.trogontum、H.typhloniusおよびH.winghamensis感染に関連する。ある実施形態では、ヘリコバクター感染は、H.pyloriまたはH.heilmannii感染である。さらなる実施形態では、ヘリコバクター関連炎症性疾患は、MALTリンパ腫、胃(gastric)がん(例えば食道または胃(stomach)がん)、胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎(胃の裏層の炎症)または胃病変である(例えばChenら、J Clin Pathol55(2):133〜7頁(2002);Gentaら、Hum Pathol24(6):577〜83頁(1993);Okiyamaら、Pathol Int55(7):398〜404頁(2005)を参照されたい)。
一実施形態では、炎症性疾患は、末梢または中枢神経系の炎症性障害である。
さらに、本発明の目的のために、用語「炎症性疾患」は、それらに限定されないが「自己免疫疾患」を含む。本明細書で用いる場合、用語「自己免疫」は、「自己」抗原に関わる炎症性免疫仲介プロセスを包含すると一般的に理解される。自己免疫疾患において、自己抗原は、宿主免疫応答を引き起こす。
一実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体または抗原結合断片は、多発性硬化症(MS)を処置または妨げるために用いられる。播種性硬化症または播種性脳脊髄炎としても知られるMSは、免疫系が中枢神経系を攻撃して脱髄を導く自己免疫状態である。名称「多発性硬化症」は、神経系に形成される瘢痕(プラークまたは病変ともよばれる硬化)のことをいう。MS病変は、小脳の脳室、脳幹、大脳基底核および脊髄ならびに視神経に近い白質領域に一般的に関与する。MSは、髄鞘の創出および維持を担う細胞であるオリゴデンドロサイトの破壊をもたらす。MSは、ミエリンの薄化または完全喪失と、疾患が進行するにつれて軸策の切断をもたらす。
MSに伴う神経症状は様々であり得、疾患は、頻繁に、身体および認知能力障害に進行する。MSはいくつかの形態をとり、新しい症状は、孤立した発作(再発型)または経時的なゆっくりとした蓄積(進行型)のいずれかで生じる。発作の間に、症状は完全になくなることがあるが、特に疾患が進行するにつれて、永続的な神経損傷が頻繁にもたらされる。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、多発性硬化症の広く受け入れられている動物モデルである。EAEは、脊髄を主に標的にする炎症を伴う、程度が拡大する上行性麻痺を累進的にもたらすCNSの脱髄疾患である。この疾患は、誘発の方法および用いる動物の型に依存して、急性、慢性または再発−寛解経過を呈することができる。Bagaevaらは、B細胞およびCXCL13発現樹状細胞を含有する濾胞が、再発−寛解EAEを有するマウスの炎症性髄膜において形成され、CXCL13発現のレベルが疾患の経過の間を通して絶え間なく上昇したことを示している。CXCL13欠損マウスは、寛解速度が減少した温和な疾患を経験し、CXCL13を抗CXCL13 MAbで遮断することにより、B10.PLマウスにおいて受動的に誘発したEAEの疾患の減弱が導かれた。Bagaevaら、J.Immuno.176:7676〜7685頁(2006)。
本発明の抗CXCL13モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、例えばMAb5261を用いるCXCL13の中和を用いて、いくつかの異なる機構、例えば、例えばB細胞および濾胞BヘルパーT細胞が炎症性組織に移動することおよび胚中心形成の干渉をもたらす、その受容体を用いてCXCL13相互作用を遮断することによりMSの重症度を低下させることができる。
一実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体または抗原結合断片は、全身性エリテマトーデス(SLEまたはループス)を処置または妨げるために用いられる。SLEは、複数の器官に関わり、異所性胚中心の自発的形成およびいくつかの核抗原に対する自己抗体生成を特徴とする自己免疫疾患である。SLEは、最も頻繁には、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓および神経系に影響する。
活性化T細胞、B細胞およびそれらの移動促進性ケモカインCXCL13は、SLEを含む複数の自己免疫障害の炎症性異所性部位においてみられる組織化されたリンパ組織の形成において重要な役割を演じる。ループス易発症New Zealand Black X New Zealand White F1(NZB/NZWF1)マウスは、高力価の抗dsDNA抗体および腎臓の糸球体における免疫複合体の形成を原因とする重症増殖性糸球体腎炎を自発的に発生する。これらのマウスにおけるループス様症状の発生は、腎臓および胸腺における樹状細胞によるCXCL13の発現の増加を伴う(Ishikawaら、J.Exp.Med.193(12):1393〜1402頁(2001);Schifferら、J.Immun.171:489〜497頁(2003))。
本発明の抗CXCL13モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、例えばMAb5261を用いるCXCL13の中和を用いて、いくつかの異なる機構、例えば、例えばB細胞および濾胞BヘルパーT細胞が炎症性組織に移動することおよび胚中心形成の干渉をもたらす、その受容体を用いてCXCL13相互作用を遮断することによりSLEの重症度を低下させることができる。
一実施形態では、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体または抗原結合断片は、関節炎、例えば関節リウマチを処置または妨げるために用いられる。関節リウマチ(RA)は、最も一般的な自己免疫疾患の1つであり、米国において2〜4%の人に影響する。これは、滑膜関節の融着、軟骨浸食および骨破壊を特徴とする慢性で進行性の全身性炎症障害である。RAにおいて、T細胞、B細胞、マクロファージおよび樹状細胞(DC)は、パンヌスを形成する滑膜層(軟骨および骨に浸食する滑膜の浸潤性領域)において蓄積される。さらに、滑膜病変内のTおよびB細胞は、リンパ系胚中心様構造に組織化され、これが自己抗体(リウマチ因子)生成を支持し、よって、疾患病原に直接寄与する(Takemuraら、J.Immuno.167:1072〜1080頁(2001);Shiら、J.of Immuno.166:650〜655頁(2001))。
滑膜線維芽細胞、選択された内皮細胞、滑膜抗原刺激Tヘルパー細胞およびFDCにより生成されるリンパ系ケモカインCXCL13(Takemuraら(2001);Shiら(2001);Manzoら、Arthritis&Rheumatism58(11):3377〜3387頁(2008))は、CXCR5陽性リンパ系細胞(主にB細胞および濾胞Tヘルパー細胞)の炎症性滑膜への移動を駆動することにより、滑膜組織における胚中心形成において重要な役割を演じる。
臨床的に、RA患者におけるCXCL13の血漿レベルは、疾患の重症度と相関する。なぜなら、著しくより高いレベルのCXCL13が、対照および静止疾患の患者と比較して、活動性RAの患者からの血漿において見出されたからである(Riojaら、Arthritis&Rheumatism58(8):2257〜2267頁(2008))。さらに、CXCR5受容体は、RA患者の滑膜において上方制御され、浸潤性BおよびT細胞上、ならびにマクロファージおよび内皮細胞上に存在する(Schmutzら、Arthritis Research Therapy7:R217〜R229頁(2005))。
マウスおよびラットにおけるコラーゲン誘発関節炎(CIA)は、ヒト関節リウマチ(RA)の十分に確立されたモデルである。疾患は、完全フロイントアジュバント(CFA)中で乳化したウシII型コラーゲンの皮内注射により典型的に誘発され、マウスコラーゲン抗体の生成と、その後の足における関節炎の進行性の発展を特徴とする。Stannardらは、ラット抗マウスCXCL13抗体を用いるCXCL13の中和が、関節炎DBA/1マウスにおける関節炎スコアおよび関節破壊の重症度の著しい低下を導いたことを示した。Stannardら、「Neutralization of CXCL13 impacts B−cell trafficking and reduces severity of established experimental arthritis」、American College of Rheumatologyの2008年Annual Scientific Meetingにて発表(2008)。
本発明の抗CXCL13モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、例えばMAb5261を用いるCXCL13の中和を用いて、いくつかの異なる機構、例えば、例えばB細胞および濾胞BヘルパーT細胞が炎症性組織に移動することおよび胚中心形成の干渉をもたらす、その受容体を用いてCXCL13相互作用を遮断することにより関節炎、例えば関節リウマチの重症度を低下させることができる。さらに、本発明の抗CXCL13モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、例えばMAb5261を用いて、例えばRANKL過剰発現の対象においてRANKL発現および骨減少を低減できる。
本発明の方法に従って、本明細書の他の場所で定義するような少なくとも1つの抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片は、自己免疫疾患および/または炎症性疾患の処置または防止に関する正の治療応答を促進するために用いられる。自己免疫疾患および/または炎症性疾患に関する「正の治療応答」により、これらの抗体の抗炎症活性、抗血管新生活性、抗アポトーシス活性などに関連する疾患の改善および/または疾患に関連する症状の改善を意図する。つまり、抗増殖効果、CXCL13発現細胞のさらなる増殖の防止、それらに限定されないが、炎症性サイトカイン、接着分子、プロテアーゼ、免疫グロブリン(例えばCXCL13を有する細胞がB細胞である場合)、それらの組み合わせの分泌の低下などを含む炎症性応答の低減、抗炎症性タンパク質の生成の増加、自己反応性細胞の数の低下、免疫寛容の増加、自己反応性細胞生存の阻害、アポトーシスの低下、内皮細胞移動の低下、自発的単球移動の増加、CXCL13発現細胞の刺激により仲介される1もしくは複数の症状の低下および/または減少が観察できる。このような正の治療応答は、投与経路に限定されず、ドナー、ドナー組織(例えば臓器灌流)、ホスト、それらの任意の組み合わせなどへの投与を含み得る。
臨床応答は、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン、x線撮影イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、フローサイトメトリーまたは蛍光標示式細胞分取(FACS)分析、組織学的検査、肉眼所見、およびそれらに限定されないがELISA、RIA、クロマトグラフィーなどにより検出可能な変化を含む血液化学のようなスクリーニング技術を用いて評価できる。これらの正の治療応答に加えて、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片を用いる治療を受ける対象は、疾患に関連する症状の改善の有益な効果を経験し得る。
本発明のさらなる実施形態は、例えば所与の処置計画の効力を決定するための臨床試験手順の一部として組織におけるタンパク質レベルを診断的にモニタリングするための、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片の使用である。例えば、検出は、抗体を検出可能物質に結合させることにより容易にできる。検出可能物質の例は、様々な酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射活性物質を含む。適切な酵素の例は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼを含み、適切な補欠分子団複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含み、適切な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリスリンを含み、発光物質の例は、ルミノールを含み、生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含み、適切な放射活性物質の例は、125I、131I、35Sまたは3Hを含む。
VIII.医薬組成物および投与方法
必要とする対象に本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を調製して投与する方法は、当業者に公知であるかまたは当業者により容易に決定する。抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体の投与経路は、例えば、経口、非経口、吸入によるかまたは局所的であってよい。用語「非経口」は、本明細書で用いる場合、例えば静脈内、動脈内、腹腔内、筋内、皮下、直腸または膣投与を含む。これらの全ての投与の形態は本発明の範囲内であると明確に考えられるが、投与の形態の例は、注射用、特に静脈内もしくは動脈内注射または点滴用の液剤である。通常、注射用の適切な医薬組成物は、緩衝剤(例えば酢酸塩、リン酸塩またはクエン酸塩緩衝剤)、界面活性剤(例えばポリソルベート)、場合によって安定化剤(例えばヒトアルブミン)などを含み得る。しかし、本明細書における教示に適合するその他の方法において、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、有害な細胞集団の部位に直接送達することにより、疾患組織が治療剤により多く曝露されるようにできる。
本明細書で論じるように、本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、ある種のがん、自己免疫疾患ならびに中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)炎症性疾患を含む炎症性疾患のようなCXCL13発現細胞仲介疾患のインビボ処置のための薬学的有効量で投与できる。この点について、本発明の開示される結合分子は、投与を容易にし、かつ活性作用物質の安定性を促進するように処方される。特定の実施形態では、本発明に従う医薬組成物は、食塩水、非毒性緩衝剤、防腐剤などのような薬学的に許容される非毒性の滅菌担体を含む。本出願の目的のために、コンジュゲートされたかまたはコンジュゲートされていない抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体の薬学的有効量は、標的との有効な結合を達成するため、および利益、例えば疾患もしくは障害の症状を改善するかまたは物質もしくは細胞を検出することを達成するために十分な量を意味するために用いられる。
本発明で用いる医薬組成物は、例えばイオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩もしくは電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛の塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含む薬学的に許容される担体を含む。
非経口投与用の調製物は、滅菌水性または非水性の液剤、懸濁剤および乳剤を含む。非水性溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体は、例えば食塩水および緩衝溶媒を含む水、アルコール性/水性溶液、乳化物、懸濁物を含む。主題の発明において、薬学的に許容される担体は、それらに限定されないが、0.01〜0.1M、例えば0.05Mのリン酸塩緩衝液または0.8%食塩水を含む。その他の一般的な非経口媒体は、リン酸ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖、ブドウ糖および塩化ナトリウム、乳酸加リンゲルまたは不揮発性油を含む。静脈内用の媒体は、流体および栄養補充剤、電解質補充剤、例えばリンゲルブドウ糖に基づくものなどを含む。例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤および不活性ガスなどのような防腐剤およびその他の添加物も存在してよい。
より具体的には、注射用に適切な医薬組成物は、滅菌水性液剤(水溶性の場合)または分散剤、および滅菌注射用液剤または分散剤の即時調製用の滅菌散剤を含む。このような場合、組成物は滅菌でなければならず、容易に注射できる程度に流動性であるべきである。これは、製造および貯蔵の条件下で安定であるべきであり、好ましくは、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対向して保存される。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物を含有する溶剤または分散媒であり得る。適当な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングを用いることにより、分散剤の場合に要求される特定のサイズを維持することにより、および界面活性剤を用いることにより維持できる。本明細書で開示する治療方法で用いるための適切な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)第16版(1980)に記載されている。
微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成できる。あるいくつかの場合では、等張剤、例えば糖類、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトールまたは塩化ナトリウムを組成物中に含めることが好ましい。注射用組成物の持続吸収性は、吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含めることによりもたらすことができる。
いずれの場合でも、滅菌注射用液剤は、活性化合物(例えばそれ自体またはその他の活性作用物質との組み合わせでの抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体)を必要量で、適当な溶剤中に、必要であれば本明細書で列挙する1または組み合わせでの成分とともに組み込み、その後、ろ過滅菌することにより調製できる。一般的に、分散剤は、活性化合物を、基本的な分散媒および上で列挙したものからの必要なその他の成分を含有する滅菌媒体中に組み込むことにより調製される。滅菌注射用液剤の調製のための滅菌散剤の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、予めろ過滅菌された溶液から活性成分と任意のさらなる所望の成分との粉末が得られる。注射用の調製物は、加工され、アンプル、バッグ、瓶、シリンジまたはバイアルのような容器に充填され、当技術分野において知られる方法に従って無菌的条件下で密閉される。さらに、調製物は、米国特許出願第09/259,337号に記載されるもののようなキットの形態で包装および販売できる。このような製品は、好ましくは、関連する組成物が、疾患もしくは障害に罹患しているかまたはその素因がある対象を処置するために有用であることを示すラベルまたは包装挿入物を有する。
非経口製剤は、単回ボーラス用量、注入または負荷ボーラス用量、その後に維持用量であってよい。これらの組成物は、特定の固定もしくは変動性の間隔で、例えば1日1回、または「必要に応じて」を原則として投与してよい。
本発明で用いるあるいくつかの医薬組成物は、例えばカプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含む許容される剤形で経口投与してよい。あるいくつかの医薬組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入により投与してもよい。このような組成物は、ベンジルアルコールもしくはその他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティーを亢進するための吸収促進剤および/またはその他の従来の可溶化もしくは分散化剤を用いる食塩水中の溶液として調製してよい。
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその断片、バリアントもしくは誘導体の量は、処置されるホストおよび具体的な投与形態に依存して変動する。組成物は、単回用量、複数回用量または注入で確立された期間にわたって投与してよい。投与計画も、最適な所望の応答(例えば治療または予防応答)を提供するように調整してよい。
本開示の範囲と一致して、本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、ヒトまたはその他の動物に、上記の処置の方法に従って、治療効果をもたらすために十分な量で投与してよい。本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、そのようなヒトまたはその他の動物に、本発明の抗体、例えばMAb5261を従来の薬学的に許容される担体または希釈剤と既知の技術に従って組み合わせることにより調製される従来の剤形で投与できる。薬学的に許容される担体または希釈剤の形態および特徴は、それが組み合わされる活性成分の量、投与経路およびその他の公知の変数により指図されることが当業者により認識される。当業者は、さらに、一種以上の本発明の抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体を含むカクテルが特に効果的であると証明され得ることを認識する。
「治療有効用量または量」または「有効量」により、投与されたときに、処置される疾患を有する患者の処置に関して正の治療応答をもたらす抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片の量を意図する。
ある型のがん、例えば白血病、リンパ腫(例えばMALTリンパ腫)、結腸、乳、食道、胃および前立腺がん;自己免疫疾患、例えばループス、関節炎、多発性硬化症、ならびに中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)炎症性疾患を含む炎症性疾患のようなCXCL13発現細胞仲介疾患の処置についての本発明の組成物の治療有効用量は、投与の手段、標的部位、患者の生理的状態、患者がヒトまたは動物であるか、投与されるその他の薬物療法および処置が予防的または治療的であるかを含む多くの異なる因子に依存して変動する。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含む非ヒト哺乳動物も処置できる。処置投与量は、安全性および効力を最適化するために、当業者に知られる慣例的な方法を用いて用量設定できる。
投与される少なくとも1つの抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその結合断片の量は、本発明の開示に鑑みて、過度の実験を行うことなく当業者により容易に決定される。少なくとも1つの抗CXCL13結合分子、例えば抗体、その抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体の投与形態およびそれぞれの量に影響する因子は、それらに限定されないが、疾患の重症度、疾患の履歴、ならびに治療を受ける個体の年齢、身長、体重、健康状態および身体状態を含む。同様に、投与される抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその断片、バリアントもしくは誘導体の量は、投与の形態および対象がこの作用物質の単回用量または複数回用量を受けるかに依存する。
本発明は、例えばMS、関節炎、ループス、胃炎、潰瘍を含む自己免疫疾患および/もしくは炎症性疾患またはがんを処置するための医薬品の製造における、抗CXCL13結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体の使用も提供する。
IX.診断
本発明は、ある型のがんおよび自己免疫疾患を含む炎症性疾患のようなCXCL13発現細胞仲介疾患の診断中に有用な診断方法をさらに提供し、これは、個体からの組織またはその他の細胞または体液中のCXCL13タンパク質または転写産物の発現レベルを測定するステップと、測定された発現レベルを、正常組織または体液中の標準CXCL13発現レベルと比較することにより、標準と比較した発現レベルの増加が障害を示すステップとを含む。特定の実施形態では、本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントおよび誘導体、例えばMAb MAb5261、MAb5378、MAb5080、MAb1476、3D2または3C9は、がん、多発性硬化症、関節炎またはループスの診断において用いられる。
本発明の抗CXCL13抗体ならびにその抗原結合断片、バリアントおよび誘導体は、当業者に知られる伝統的な免疫組織学的方法を用いて生体試料中のCXCL13タンパク質レベルをアッセイするために用いることができる(例えばJalkanenら、J.Cell.Biol.101:976〜985頁(1985);Jalkanenら、J.Cell Biol.105:3087〜3096頁(1987)を参照されたい)。CXCL13タンパク質発現を検出するために有用なその他の抗体に基づく方法は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降またはウェスタンブロッティングのようなイムノアッセイを含む。適切なアッセイは、本明細書の他の場所でより詳細に記載する。
「CXCL13ポリペプチドの発現レベルをアッセイする」により、第1の生体試料中のCXCL13ポリペプチドのレベルを、直接的(例えば絶対タンパク質レベルを決定または推定することにより)または相対的(例えば第2の生体試料中の疾患関連ポリペプチドレベルと比較することにより)に、定性的もしくは定量的に測定または推定することを意図する。一実施形態では、第1の生体試料中のCXCL13ポリペプチド発現レベルは、測定または推定され、標準CXCL13ポリペプチドレベルと比較される(標準は、障害を有さない個体から得られた第2の生体試料から得られるか、または障害を有さない個体の集団からのレベルを平均することにより決定される)。当技術分野において認識されるように、「標準」CXCL13ポリペプチドレベルが一旦わかったら、これを比較のための標準として反復して用いることができる。
「生体試料」により、個体、株化細胞、組織培養物またはCXCL13を発現する可能性がある細胞のその他の供給源から得られる任意の生体試料を意図する。組織生検および体液を哺乳動物から得るための方法は、当技術分野において公知である。
X.イムノアッセイ
本発明の抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体は、免疫特異的結合について、当技術分野において知られる任意の方法によりアッセイしてよい。用いることができるイムノアッセイは、それらに限定されないが(ほんの数例を挙げれば)、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイのような技術を用いる競合および非競合アッセイ系を含む。このようなアッセイは慣例的であり、当技術分野において公知である(例えばAusubelら編、(1994)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons,Inc.、NY)第1巻(これは、その全体が本明細書に参照により組み込まれる)を参照されたい)。
抗原との抗体の結合親和性および抗体−抗原相互作用のオフレートは、競合結合アッセイにより決定できる。競合結合アッセイの一例は、標識抗原(例えば3Hまたは125I)と対象とする抗体とを、漸増量の未標識抗原の存在下でインキュベートすることと、標識抗原と結合した抗体を検出することとを含むラジオイムノアッセイである。特定の抗原についての対象とする抗体の親和性および結合オフレートは、スキャッチャードプロット分析によりデータから決定できる。第2の抗体との競合も、ラジオイムノアッセイを用いて決定できる。この場合、抗原を、標識された化合物(例えば3Hまたは125I)とコンジュゲートした対象とする抗体と、漸増量の未標識の第2の抗体の存在下でインキュベートする。
所与のロットの抗CXCL13抗体またはその抗原結合断片、バリアントもしくは誘導体の結合活性は、公知の方法に従って決定してよい。当業者は、慣例的な実験を採用することにより、各決定について機能的で最適なアッセイ条件を決定できる。
抗体−抗原相互作用の親和性を測定するために様々な方法が利用可能であるが、速度定数を決定するためのものは比較的少ない。ほとんどの方法は、標識抗体または抗原のいずれかに依存し、これは、慣例的な測定を必然的に複雑にし、測定された値に不確かさを導入する。
BIACORE(登録商標)で行われる表面プラズモン共鳴(SPR)は、抗体−抗原相互作用の親和性を測定する従来の方法に対していくつかの利点をもたらす:(i)抗体または抗原のいずれも標識する必要がない;(ii)抗体は前もって精製する必要がなく、細胞培養上清を直接用いることができる;(iii)異なるモノクローナル抗体相互作用の迅速な半定量的比較を可能にするリアルタイム測定が可能であり、多くの評価目的について十分である;(iv)一連の異なるモノクローナル抗体を同一条件下で容易に比較できるように、生体特異的表面を再生できる;(v)分析手順は完全に自動化されており、ユーザが介入することなく網羅的な一連の測定を行うことができる。BIAapplications Handbook、バージョンAB(再版1998)、BIACORE(登録商標)コード第BR−1001−86号;BIAtechnology Handbook、バージョンAB(再版1998)、BIACORE(登録商標)コード第BR−1001−84号。SPRに基づく結合研究は、結合対の一方のメンバーがセンサ表面に固定化されていることを必要とする。固定化された結合パートナーは、リガンドとよばれる。溶解している結合パートナーは、分析物とよばれる。いくつかの場合、リガンドは、別の固定化分子(捕捉分子とよばれる)との結合により表面に間接的に付着する。SPR応答は、分析物が結合または解離することによる、検出表面での質量濃度の変化を反映する。
SPRに基づいて、リアルタイムBIACORE(登録商標)測定は、相互作用が生じるとそれを直接モニタリングする。この技術は、速度パラメータの決定によく適する。比較による親和性の順位付けは行うのが単純であり、速度定数および親和性定数の両方を、センサグラムデータから導くことができる。
分析物をリガンド表面にわたって離散したパルスで注入する場合、得られるセンサグラムは、3つの必須の段階に分割できる。(i)試料注入中のリガンドとの分析物の会合;(ii)試料注入中の平衡または定常状態(ここで、分析物結合の速度は、複合体の解離により釣り合っている);(iii)緩衝液フロー中の表面からの分析物の解離。
会合および解離段階は、分析物−リガンド相互作用の速度論についての情報を提供する(kaおよびkd、複合体形成および解離の速度、kd/ka=KD)。平衡段階は、分析物−リガンド相互作用の親和性についての情報を提供する(KD)。
BIAevaluationソフトウェアは、数値積分およびグローバルフィッティングアルゴリズムの両方を用いる曲線フィッティングのための包括的な機能を提供する。データの適切な分析を用いて、相互作用の別々の速度および親和性定数を、単純なBIACORE(登録商標)調査から得ることができる。この技術により測定可能な親和性の範囲は、mMからpMまでの非常に広い範囲である。
エピトープ特異性は、モノクローナル抗体の重要な特徴である。ラジオイムノアッセイ、ELISAまたはその他の表面吸着法を用いる従来の技術とは対照的に、BIACORE(登録商標)を用いるエピトープマッピングは、標識または精製抗体を必要とせず、一連のいくつかのモノクローナル抗体を用いる多重部位特異性試験を可能にする。さらに、多数の分析を自動で処理できる。
ペアワイズ結合実験は、2つのMAbが同じ抗原に同時に結合する能力を試験する。別々のエピトープを指向するMAbは、独立して結合するが、同一または密接に関連したエピトープを指向するMAbは、互いの結合に干渉する。BIACORE(登録商標)を用いるこれらの結合実験は、行うのが簡単である。
例えば、第1のMabを結合するために捕捉分子を用い、その後、抗原および第2のMAbを逐次的に加えることができる。センサグラムは、(1)どれぐらいの量の抗原が第1のMabと結合するか、(2)どの程度第2のMAbが表面付着抗原と結合するか、(3)第2のMAbが結合しないならば、ペアワイズ試験の順序を逆にすることにより結果が変わるかを明らかにする。
ペプチド阻害は、エピトープマッピングのために用いられる別の技術である。この方法は、ペアワイズ抗体結合研究を補うことができ、抗原の1次配列がわかっている場合に、機能的エピトープを構造的特徴に関連付けることができる。ペプチドまたは抗原断片は、固定化された抗原との異なるMAbの結合の阻害について試験される。所与のMAbの結合に干渉するペプチドは、そのMAbにより規定されるエピトープと構造的に関係すると考えられる。
本発明の実施は、そうでないと記載しない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の従来の技術を採用し、これらは当業者の熟練の範囲内である。このような技術は、文献に完全に説明されている。例えば、Sambrookら編(1989)Molecular Cloning A Laboratory Manual(第2版;Cold Spring Harbor Laboratory Press);Sambrookら編(1992)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Springs Harbor Laboratory、NY);D.N.Glover編(1985)DNA Cloning、第IおよびII巻;Gait編(1984)Oligonucleotide Synthesis;Mullisら、米国特許第4,683,195号;HamesおよびHiggins編(1984)Nucleic Acid Hybridization;HamesおよびHiggins編(1984)Transcription And Translation;Freshney(1987)Culture Of Animal Cells(Alan R.Liss,Inc.);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press)(1986);Perbal(1984)A Practical Guide To Molecular Cloning;the treatise、Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.、N.Y.);MillerおよびCalos編(1987)Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(Cold Spring Harbor Laboratory);Wuら編、Methods In Enzymology、第154および155巻;MayerおよびWalker編(1987)Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Academic Press、London);WeirおよびBlackwell編、(1986)Handbook Of Experimental Immunology、第I〜IV巻;Manipulating the Mouse Embryo、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、(1986);ならびにAusubelら(1989)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons、Baltimore,Md.)を参照されたい。
抗体工学の全般的な原理は、Borrebaeck編(1995)Antibody Engineering(第2版;Oxford Univ.Press)に示されている。タンパク質工学の全般的な原理は、Rickwoodら編(1995)Protein Engineering,A Practical Approach(IRL Press at Oxford Univ.Press、Oxford,Eng.)に示されている。抗体および抗体−ハプテン結合の全般的な原理は、Nisonoff(1984)Molecular Immunology(第2版;Sinauer Associates、Sunderland,Mass.);およびSteward(1984)Antibodies,Their Structure and Function(Chapman and Hall、New York,N.Y.)に示されている。さらに、当技術分野において知られ具体的に記載されない免疫学における標準的な方法は、Current Protocols in Immunology、John Wiley&Sons、New York;Stitesら編(1994)Basic and Clinical Immunology(第8版;Appleton&Lange、Norwalk,Conn.)ならびにMishellおよびShiigi(編)(1980)Selected Methods in Cellular Immunology(W.H.Freeman and Co.,NY)に全般的に従う。
免疫学の全般的な原理を示す標準的な参照研究は、Current Protocols in Immunology、John Wiley&Sons、New York;Klein(1982)J.Immunology:The Science of Self−Nonself Discrimination(John Wiley& Sons、NY);Kennettら編(1980)Monoclonal Antibodies,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses(Plenum Press,NY);Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology、Burdenら編、(Elsevere、Amsterdam)中のCampbell(1984)「Monoclonal Antibody Technology」;Goldsbyら編(2000)Kuby Immunnology(第4版;H.Freemand&Co.);Roittら(2001)Immunology(第6版;London:Mosby);Abbasら(2005)Cellular and Molecular Immunology(第5版;Elsevier Health Sciences Division);KontermannおよびDubel(2001)Antibody Engineering(Springer Verlan);SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Lewin(2003)Genes VIII(Prentice Hall2003);HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);DieffenbachおよびDveksler(2003)PCR Primer(Cold Spring Harbor Press)を含む。
上で引用した全ての参考文献および本明細書で引用する参考文献の全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は、限定のためではなく説明のために提供される。
[実施例1]
<ヒトCXCL13に特異的なマウス抗体の選択および特徴決定>
ハイブリドーマ作製。Swiss Websterマウスを、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)コンジュゲートヒトCXCL13で免疫化した。3回の免疫化の後に、最高の抗CXCL13力価を有するマウスから脾臓を採集し、脾臓細胞とSP2/0ミエローマ細胞とを標準的な手順を用いて融合することによりハイブリドーマを作製した。
ハイブリドーマクローンを、ELISAにより、ヒトおよびマウスCXCL13タンパク質との結合についてスクリーニングした。ELISAプレートを約100nMのヒト(Peprotech:#300−47)またはマウス(Peprotech:#250−24)CXCL13タンパク質で1晩、室温(RT)にて被覆した。プレートを洗浄してブロッキングした後に、標準抗CXCL13抗体(R&D Systems:ラット抗マウスMAb470およびマウス抗ヒトMAb801)またはハイブリドーマ上清の希釈物を加え、RTにて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、2次抗体(ハイブリドーマ上清およびMAb801についてヤギ抗マウスIgG−HRP;MAb470についてロバ抗ラットIgG−HRP)を加え、RTにて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、等容量で混合したテトラメチルベンジジン(TMB)基質試薬AおよびB(BD Biosciences:#555214)で暗所にて15分間発色させ、450/570波長にて読み取った。「3D2」および「3C9」とよばれる2つの陽性ハイブリドーマクローン(ともにマウスIgG1抗体)をさらなる特徴決定のために選択した。
ハイブリドーマにより生成されるマウス抗ヒト抗体3D2および3C9の特異性を、ELISAにより(上記のようにして)、組換えケモカイン(Peprotech:マウスおよびヒトCXCL13、ヒトIL−8/CXCL8(#200−08)、ヒトIP−10/CXCL10(#200−10)、ヒトMIG/CXCL9(#300−26)、ヒトSDF−1アルファ/CXCL12(#300−28A)ならびにカニクイザルCXCL13)およびいくつかの非特異的対照抗原(組換えヒトC35、ストレプトアビジン(Thermo:#21122)、ウシ血清アルブミン(BSA)(SeraCore:#AP−4510−01))、ヒト血清アルブミン(HAS)(Sigma:#A8763)、インスリン(Gibco:#12585−014)およびヘモグロビン(Sigma:#H7379))を含むパネルに対して評価した。市販の抗体MAb470およびMAb801(R&D Systems)を、マウスおよびヒト/カニクイザルCXCL13結合のそれぞれについての陽性対照として用いた。
3D2および3C9は、CXCL13に特異的に結合することが示された。3D2および3C9クローンはともに、組換えヒト、マウスおよびカニクイザルCXCL13に結合したので、多重種CXCL13特異性を示した(図1A〜1C)。図1は、少なくとも3回の実験についての二重測定からの結果を示す。3D2抗体は、組換えヒト、マウスおよびサルCXCL13との強い結合を有することが示された。特に、3D2は、3C9およびMAb801と比較して、組換えマウスCXCL13に対してより強く結合した。3D2は、インビトロおよびインビボにおいてさらに特徴決定した(結果を以下に示す)。3D2抗体も、キメラおよびヒト化CXCL13抗体の作製のための原型として用いた(結果を以下に示す)。3C9抗体は、3D2、MAb470およびMAb801と比較して、組換えヒトCXCL13に対して最も強い結合を有することを示した。3C9および3D2は、バイオアッセイ開発における試薬として用いた(例えば以下に記載するエピトープ競合ELISA)。
BIACORE(登録商標)による3D2親和性測定。組換えヒトおよびマウスCXCL13についての3D2、3C9、MAb801およびMAb470の親和性を、BIACORE(登録商標)により測定した。ケモカインを、酢酸塩緩衝液(pH=5)中でC1チップ上に1μg/mlのヒトCXCL13、0.3μg/mlのマウスCXCL13および0.5μg/mlの陰性対照SDF−1αとともに固定化した。3D2および3C9をHBS−EP緩衝液中で、100nMから0.78nMまでおよび38nMから0.594nmまで2倍で希釈した。MAb801およびMAB470を50nMから0.78nMまでおよび19nMから0.594nmまで2倍で希釈した。結果は、ヒトおよびマウスCXCL13に対する3D2についての親和性測定(nM)が、それぞれ市販抗体MAb801およびMAb470のものより著しく低かったことを示した。結果を表2に示す。
3D2エピトープマッピング。エピトープマッピング研究を、エピトープ競合ELISAを用いて行った。プレートを、100nM組換えヒトCXCL13で被覆し、0.033nMビオチン化3D2とインキュベートした後に、競合未標識抗体を、3D2の量より過剰の様々な量で加えた。代表的な実験からの結果を図2に示す。結果は、3C9が、ヒトCXCL13との結合について3D2と競合するが、MAb801は、ヒトCXCL13との結合について3D2と競合しなかったことを示す。
天然CXCL13への3D2の結合。捕捉エピトープ競合ELISAを用いて、天然ヒトおよびマウスCXCL13への3D2結合を評価した。このアッセイにおいて、天然ヒトCXCL13を、ヒトIFN−ガンマ刺激THP−1細胞から回収した上清から得た。ヒトCXCL13(THP1上清の1:4希釈物または0.097nM(1ng/ml)のrhuCXCL13)を、6.6nM MAb801で捕捉し、0.66nMビオチン−3C9を用いて検出した。適当な抗原提示のために、組織培養上清からのケモカイン(または対照として用いた組換えヒトCXCL13)をELISAプレート上でMAb801により捕捉した。プレートを、次いで、ビオチン化3C9と、様々な量の未標識3D2の存在下でインキュベートした。ヒトCXCL13への結合についての競合(これは、ビオチン化3C9の結合の低下をもたらした)が、ストレプトアビジン−HRPにより検出された。図3Aから明らかなように、3D2は、天然および組換えの両方のヒトCXCL13と強く結合し、統計的に同様のEC50値が得られた。
TNF−アルファトランスジェニックマウスからのマウスCXCL13リッチ器官抽出物を、天然マウスCXCL13の供給源として用いた。マウスCXCL13(TNF−Tg器官抽出物の1:40希釈物または0.5nM rmuCXCL13)を、33nM MAb470で捕捉し、3.3nMビオチン−3D2を用いて検出した。抽出物からのケモカイン(および対照として用いた組換えマウスCXCL13)をELISAプレート上でMAb470により捕捉した。プレートを、次いで、ビオチン化3D2と、様々な量の未標識3D2の存在下でインキュベートした。次いで、マウスCXCL13との結合についての競合(これは、ビオチン化3D2の結合の低下をもたらした)が、ストレプトアビジン−HRPにより検出された。図3Bからわかるように、3D2は、それ自体のビオチン化バージョンと競合してそれを外し、天然および組換えの両方のマウスCXCL13と等しい効力で結合できた。
図3Aおよび3Bの両方について、各データ点は、少なくとも3回の独立した実験の1回からの二重測定の平均を表す。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティングを用いてフィッティングした(R2=0.99)。EC50値の差は、対応のないt検定により分析し、有意でなかった(P>0.05)。これらの結果は、マウス抗ヒト3D2抗体が、抗体がそれに対して作製された組換えケモカインだけでなく、天然ヒトおよびマウスケモカインにも結合したことを示す。
[実施例2]
<ヒトB細胞移動の抗CXCL13抗体阻害>
CXCL13機能、例えばB細胞移動の阻害を、ヒトおよびマウス両方の系におけるB細胞移動をシミュレートする確立されたモデルを用いて評価した。非CXCL13ケモカインであるSDF−1α(CXCL12としても知られる)に向かう移動を対照として用いて、B細胞移動の阻害に対する抗CXCL13抗体の特異性を確認した。つまり、抗CXCL13抗体を、ヒトCXCL13誘発性移動の阻害およびSDF−1α誘発性移動に対する影響がないことについて試験した。
ヒトCXCL13に向かうヒトB細胞移動の阻害。ヒトCXCL13誘発性B細胞移動に対する3D2、3C9およびMAb801の影響を試験した。
2つのクローン株化細胞であるヒトプレB−697−hCXCR5およびヒトプレB−697−hCXCR4を用いて、組換えヒトCXCL13依存性移動および組換えヒトSDF−1α依存性移動のそれぞれに対する抗CXCL13抗体の影響を評価した。孔サイズ8μmおよび直径6.5mmのトランスウェル組織培養処理プレート(Corning Costar:3422)を用いた。ヒトプレB−697−hCXCR5細胞をrhCXCL13誘発性移動のために用い、ヒトプレB−697−hCXCR4をrhSDF−1誘発性移動(陰性対照)のために用いた。細胞を、化学走性緩衝液((l−グルタミン、10mM HEPES、PennStrepおよび0.5%BSAを含むRPMI1640)RTに予め温める)に5×106/mlにて再懸濁し、37℃に30分間戻した。希釈ケモカイン(化学走性緩衝液中に97nm(1μg/ml)rhCXCL13または12.5nM(0.1μg/ml)rhSDF−1α)+/−抗体を、下方のチャンバに590μl/ウェルで加え、RTにて30分間予備インキュベートした。細胞を100μl(5×105)細胞/上方のチャンバで加えた。プレートを37℃にて1晩インキュベートした。インサートを次いで除去し、アラマーブルーをウェルあたり60μlにて加え、プレートを37℃にて4時間インキュベートした。蛍光を波長530nmおよび590nmにて測定した。
移動インデックスを各条件について次のように算出した。((移動インデックス[アイソタイプ対照]−移動インデックス[抗体])×100)/(移動インデックス[アイソタイプ対照])。パーセント移動阻害をlog[nM抗体]に対してプロットして、Graphpad Prism 5を用いて力価曲線を得た。ヒトCXCL13誘発性移動についての結果を図4Aに示す。結果は、2回のhCXCL13誘発性移動および3回のhSDF−1誘発性移動の独立した実験の平均+/−SEMとして表す。
3D2、3C9およびMAb801の間でのヒトCXCL13誘発性移動の阻害の程度の差は、ヒトCXCL13についての親和性の差に相当した(上の表2を参照されたい)。つまり、ケモカインに対して最低の親和性を有する抗体(3D2)は、ヒトプレB−hCXCR5化学走性の最も弱い阻害物質であるとみられるが、それより高くほぼ同一の親和性を有する抗体(MAb801および3C9)は、細胞移動のより高いパーセントの阻害をもたらした(図4A)。いずれの抗ヒトCXCL13抗体(3D2、3C9またはMAb801)も、ヒトプレB−hCXCR4(5)細胞のヒトSDF−1α仲介化学走性に対していずれの影響も示さなかった(図4B)。一方、陽性対照であるヤギ抗ヒトSDF−1α抗体(MAb87A)は、SDF−1α依存性移動を強く阻害した。
マウス脾細胞のマウスCXCL13依存性移動の阻害。抗CXCL13抗体を、マウス脾細胞(機械的に解離させた脾臓から得た)の組換えマウスCXCL13仲介化学走性を阻害する能力について試験した。アッセイは、485nM(5μg/ml)rmuCXCL13を用い、より小さい孔サイズを有するトランスウェルプレート(すなわち孔サイズ5μmおよび直径6.5mmのトランスウェル組織培養処理プレート(Corning Costar:#3421))を用い、ウェルあたりより多い量の細胞(106)を用いたことを含むわずかな変更を含めて、ヒトCXCL13依存性B細胞移動アッセイについて上記したことと本質的に同じプロトコールを用いて行った。マウスの2つの異なる株C57/BL6およびSJLからの脾細胞の移動に対する試験した抗体の影響を、それぞれ図5Aおよび5Bに示す。MAb470は、陽性対照として用いた。ラットおよびマウスIgGならびにヒトCXCL13特異的マウス抗体3C9を陰性対照として含めた。図5Aおよび5Bに示すように、阻害のパターンは、MAb470と3D2の間で異なった。特に、3D2は力価決定可能な様式で化学走性を阻害したが、MAb470の影響は、396nMの最高の抗体濃度でのみ明らかであった。C57Black/6およびSJL/J移動に対する3D2の影響を比較するデータを、対応のないt検定により分析し、これによりP値>0.05が得られ、2つの曲線間に有意な差がないことを示した。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティングを用いてフィッティングした(R2=0.99)。SJL/JおよびC57Black/6脾細胞移動に対する3D2の影響の比較を図5Cに示す。3D2阻害プロフィールにおける有意な差は、2つのマウス株間で示されなかった。
[実施例3]
<ヒトCXCR5のCXCL13仲介エンドサイトーシスの抗CXCL13抗体阻害>
CXCL13ケモカイン機能、例えばCXCR5受容体のCXCL13仲介エンドサイトーシスの抗CXCL13抗体を用いる阻害を、ヒトCXCR5受容体のヒトCXCL13仲介エンドサイトーシスについての確立されたモデルを用いて評価した(Burkeら、Blood110:2216〜3325頁(2007))。
ヒトCXCR5受容体のCXCL13仲介エンドサイトーシスの阻害。ケモカインとそのケモカイン受容体との結合は、リガンド−受容体複合体の内部移行と、その後の細胞内シグナル伝達カスケードの活性化とを導く(Neelら、Chemokine and Growth Factor Reviews16:637〜658頁(2005))。Burkleらに記載されるフローに基づく方法を適応させて、ヒトおよびマウスの両方の細胞におけるCXCL13仲介CXCR5受容体内部移行を阻害する3D2の能力を決定した。ヒトCXCL13仲介エンドサイトーシスについて、hCXCL13を3D2、MAb470またはマウスIgG(濃度0、33、66、132、264および528nMにて)と組み合わせ、4℃にて1晩インキュベートした。次の日に、細胞を希釈剤(RPMI+0.5%BSA)に、107細胞/mlにて再懸濁した。細胞を、10μg/ml抗ヒトFcブロックを用いて37℃にて15分間予備ブロッキングした。細胞を、次いで、CXCL13/抗体ミックス(50μl細胞:50μlミックス)と37℃にて2時間インキュベートした。細胞を、次いで、抗ヒトCXCR5抗体(BDPharmingen:#558113)で4℃にて30分間染色し、フローサイトメトリーにより分析した。同様に、マウスCXCL13仲介エンドサイトーシスを、3D2またはマウスIgG(濃度0、20、59、198および528nMにて)と組み合わせたmCXCL13を用いてアッセイした。エンドサイトーシスの阻害を、次のようにして算出した:%阻害=100−[100×(0CXCL13−geomean)/(0CXCL13−0mAB)]。
図6は、代表的なヒトおよびマウスCXCL13実験からのデータを示す。図6Aは、485nM(5μg/ml)のヒトCXCL13で処置したヒトプレB−697−hCXCR5細胞の表面上のヒトCXCR5受容体発現に対する3D2抗体の影響を示す。図6Bは、1000nM(10μg/ml)のマウスCXCL13と予備インキュベートしたWehi−231細胞におけるマウスCXCR5受容体内部移行の3D2仲介阻害を示す。両方の場合において、3D2は、CXCR5受容体のCXCL13誘発性下方制御に、効果的および力価決定可能な様式で干渉した。図6Cは、EC50値を示し、これは、シグモイド用量応答曲線(グラフに示す)から、1(マウスエンドサイトーシス)および0.994(ヒトエンドサイトーシス)に等しいR2値で算出した。ヒトおよびマウス受容体エンドサイトーシスに対する3D2の影響を比較するデータを対応のないt検定により分析し、これによりP値>0.05が得られ、ヒトCXCL13およびマウスCXCL13曲線間に有意な差がないことを示した。
[実施例4]
<多発性硬化症についてのマウス疾患モデルにおける抗CXCL13抗体の評価>
多発性硬化症のマウスモデル。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、多発性硬化症の広く受け入れられている動物モデルである。EAEは、脊髄を主に標的にする炎症を伴う、程度が拡大する上行性麻痺を累進的にもたらすCNSの脱髄疾患である。この疾患は、誘発の方法および用いる動物の型に依存して、急性、慢性または再発−寛解経過を呈することができる。つまり、EAEは、CNSの成分、ペプチド(能動誘発)および一方の動物から別の動物への細胞移動(受動誘発)によっても誘発できる。完全フロイントアジュバント(CFA)を抽出物またはペプチドとともに用い、これは、百日咳毒素とともに頻繁に用いられる。
RR−EAE−1:SJLマウスにおける再発−寛解EAEに対する3D2の影響。3D2抗体を、EAEの能動免疫化モデルを用いて試験した。「RR−EAE−1」研究において、再発−寛解(RR)疾患を、SJL/Jマウスにおいて、5mgの熱不活化Mycobacterium tuberculosis H37RA株で増強した1mg/ml CFA中のプロテオリピドタンパク質(PLP)139−151ペプチドエピトープ(HSLGKWLGHPDKF;配列番号1)の皮下免疫化により誘発した。研究は、以下の処置群を含んだ:
A.0日目に開始する対照(マウスIgG)
B.0日目に開始する3D2
C.スコア≧1にて開始する3D2
マウスに、0.3mg(15mg/kg)の抗体を1週間に2回、腹腔内注射した。処置は群AおよびBについて0日目に開始し、群Cについて臨床スコア≧1にて開始した(評点システムは、以下の表3に記載する)。
図7に示すように、3D2での処置は、疾患の改善をもたらした。各データ点は、9匹のマウスから得たスコアの平均を表す。群平均(GMS)を、一元配置ANOVA、その後にBonferroniの多重比較事後検定を用いることによって比較した。統計的に有意な差が、対照群(マウスIgG)と各3D2処置群との間に観察された(P<0.05)が、2つの3D2処置群間では観察されなかった(P>0.05)。疾患の減弱は、マウスが活動性疾患を示すまで処置を開始しなかったときでさえ観察された(群C)。
RR−EAE−2:SJLマウスにおける再発−寛解EAEに対する3D2の影響。第2の研究(「RR−EAE−2」)を、誘発プロトコールにおいて百日咳毒素を用いて行って、3D2をより重症の疾患モデルにおいて試験した。この第2の再発−寛解EAE研究において、SJL/Jマウスを、5mgの熱不活化Mycobacterium tuberculosis H37RA株で増強した1mg/ml CFA中のPLP139−151で皮下免疫化し、100ナノグラムの百日咳毒素を免疫後0および2日目に腹腔内投与した。処置は、以下の群に分けた0.3mg(15mg/kg)の抗体の週2回の腹腔内注射により行った。
A.0日目に開始する対照(マウスIgG)
B.0日目に開始する3D2
C.7日目に開始する3D2
D.EAEの発症時に開始する3D2(スコア≧2)
RR−EAE−2の結果を図8に示す。各データ点は、9匹のマウスから得たスコアの平均を表す。群平均を、一元配置ANOVAと、その後にBonferroniの多重比較事後検定とを用いることによって比較した。統計的に有意な差が、対照群(マウスIgG)と各3D2処置群との間に観察された(P<0.05)が、3つの3D2処置群の間では観察されなかった(P>0.05)。ここでもまた、3D2での処置は、EAE症状の開始、スコア≧2にて処置が開始しても(群D)、疾患の重症度に対して統計的に有意な影響を有した。
[実施例5]
<ループスについてのマウス疾患モデルにおける抗CXCL13抗体の評価>
全身性エリテマトーデス(SLE)のマウスモデル。SLEは、複数の器官に関わり、異所性胚中心の自発的形成およびいくつかの核抗原に対する自己抗体生成を特徴とする自己免疫疾患である。抗CXCL13 3D2抗体の影響を、ループスのマウスモデルにおいて試験した。ループス易発性New Zealand Black X New Zealand White F1(NZB/NZWF1)マウスは、高力価の抗dsDNA抗体および腎臓の糸球体における免疫複合体の形成を原因とする重症増殖性糸球体腎炎を自発的に発生する。
SLE−1:進行疾患の処置。研究「SLE−1」において、処置を、蛋白尿≧2(蛋白尿評点システムは、以下の表4に記載する)である24〜30週齢のNZB/NZWF1マウスにおいて開始し、処置を8週間継続した。処置は、0.3mg(15mg/kg)の3D2またはマウスIgG(対照)の週2回の腹腔内注射により行った。
図9Aに示すように、3D2での処置は、蛋白尿の進行を停止させた。十分に定義された評点システムを用いた腎臓の組織学的分析(表5)も、糸球体腎炎(GN)、間質性腎炎(IN)および血管炎(VI)の病態スコアが対照(マウスIgG)と比較して3D2処置群においてより低かったので、抗CXCL13処置の有益な影響を示した。図9Bを参照されたい。
蛋白尿スコア(図9A)および腎臓病態スコア(図9B)について、各データ点は、10回の測定の平均を表す。統計的に有意な差を同定するための(P<0.05)二元配置ANOVAとその後のBonferroniの多重比較事後検定とにおいて、統計的に有意な差は観察されなかった(P>0.05)。
SLE−2:早期疾患(自己抗体誘発後であるが、重症の蛋白尿の前)のマウスにおける防止試験。研究「SLE−2」において、処置を、20週齢のNZB/NZWF1マウスにおいて開始し、12週目まで継続した。処置は、0.3mg(15mg/kg)の3D2またはマウスIgG(対照)の週2回の腹腔内注射により行った。図10Aに示すように、3D2での処置は、特に処置の最初の8週間の間に蛋白尿の進行を統計的に有意に阻害した。8週間後に、3D2処置群の7匹のマウスのうち0匹(0%)および対照群の9匹のマウスのうち4匹(44%)が、>2+の蛋白尿スコアを有した。12週間の処置の最後に、平均尿タンパク質は、3D2処置での2.1+/−0.2に対してマウスIgG(対照)抗体での3.1+/−0.15であった。
腎臓病態スコアも、3D2処置群およびマウスIgG処置群からのマウスにおいて測定した。糸球体腎炎(GN)および間質性腎炎(IN)病態スコアのまとめを図10Bに示す。
蛋白尿レベル(図10A)および腎臓病態スコア(図10B)を、3D2処置群からの7匹のマウスおよびマウスIgG処置群からの9匹のマウスにおいて測定した。蛋白尿スコアは、これらの群の間で有意に異なっていた(P=0.0042;二元配置ANOVAとBonferroniの多重比較検定)。腎臓病態スコアは、有意に異ならなかった(P>0.05)。平均病態スコアは有意に異ならなかったが、3D2処置群において7匹のマウスのうち2匹(29%)において重症腎臓疾患の組織学的証拠があった一方、対照群の9匹のマウスのうち4匹(44%)が重傷疾患の証拠を示した。3D2によりCXCL13を遮断することは、自己抗体の発生を妨げなかったことが注目された(データは示さず)。
ループスマウスの脾臓における胚中心(GC)および1次濾胞の数に対する3D2処置の影響を評価した。3D2処置およびマウスIgG処置(対照)NZB/NZWF1マウスからの脾臓切片を、GL−7(GC染色)、B220抗体(B細胞マーカー)または濾胞樹状細胞(FDC)に対する抗体で染色した。脾臓リンパ系構造に対するCXCL13阻害の影響を、図11A〜Bに示す。1次濾胞はインタクトなままであった。3D2で処置したマウスは、脾臓における自発的胚中心(GC)のサイズおよび頻度が著しく低下した。3D2で処置したマウス(「tx」)は、1次:2次(GC)濾胞の比率として表した場合のGCの数が減少し(p=0.19)(図12A)、GCサイズが著しく減少する(p=0.03)(図12B)傾向を示した。値は、1群あたり5匹のマウスの平均+/−SEMとして示す。
上記のSLEの結果は、3D2抗体によるCXCL13阻害が、特に疾患の早期段階でループスのNZB/NZWF1マウスモデルにおける腎炎の減少を導き、脾臓構造に影響し得ることを示す。
[実施例6]
<キメラおよびヒト化抗CXCL13モノクローナル抗体の調製>
3D2ハイブリドーマV遺伝子の単離およびキメラ3D2抗体のクローニング。マウス3D2抗体を、キメラ抗CXCL13モノクローナル抗体の作製のための原型として用いた。可変(V)遺伝子を、標準的な方法を用いて3D2ハイブリドーマから単離した。3D2の重鎖(H1609)および軽鎖(L0293)のポリヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、図13に示す。VHおよびVK相補性決定領域(CDR)に下線を付す(それぞれ配列番号4、5、6、9、10および11)。
可変重鎖(VH)遺伝子を、ヒトガンマ1重鎖遺伝子を含有する哺乳動物発現ベクターにクローニングして、全長キメラ重鎖を創出した。可変軽鎖(VK)遺伝子を、ヒトカッパ定常遺伝子を有する哺乳動物発現ベクターにクローニングして、全長キメラ軽鎖を創出した。キメラ抗体を作製するために、キメラ重鎖およびキメラ軽鎖を含有する発現ベクターをCHO−S細胞に同時トランスフェクトした。生成されたモノクローナル抗体(MAb)は細胞から分泌され、これを3〜6日間の発現期間の後に採集した。得られたMAbを、プロテインAクロマトグラフィーを用いて精製して、特徴決定した。得られたキメラIgG1抗体(「MAb1476」)は、ELISAによりヒトおよびマウスCXCL13に特異的であることが示され、マウスおよびヒトCXCL13に対して同様の親和性を有することが示され、親のマウス抗体である3D2と同様の機能的活性を有することが示された(データは示さず)。さらに、MAb1476は、エピトープ競合ELISAにおいて、マウスおよびヒトCXCL13への結合についてビオチン化3D2および3C9と競合できた(データは示さず)。
キメラ3D2(MAb1476)のヒト化。キメラ3D2抗体のヒト化について以下にまとめる。キメラMAb1476からの重鎖(H1609)および軽鎖(L0293)のフレームワーク領域(FWR)に導入した改変を、それぞれ図14Aおよび14Bに示す。H1609中の推定N結合グリコシル化部位(Asn−Leu−Thr)を、Ser−Leu−Thrに置き換えた(図14A)。この変異は、抗体親和性に影響せず(表6を参照されたい)、「MAb5080」の作製をもたらした。MAb5080の親和性および機能性を改善するために、いくつかの可変領域変異体を生成し、IC50 ELISAによりヒトCXCL13に対してスクリーニングした。L5055−CDR1中の31位での単一のセリン(S)からメチオニン(M)への変異および軽鎖フレームワーク領域中の変化(図14Bおよび15を参照されたい)により「MAb5261」が作製され、これは、3D2およびMAb5080と比較して著しい親和性の改善を示した(表6)。H1609(配列番号3)およびH2177(配列番号13)のアミノ酸配列の比較を図14Aに示し、L0293(配列番号8)、L5055(配列番号17)およびL5140(配列番号15)の比較を図14Bに示す。
MAb5080のVHおよびVK(H2177(配列番号13)およびL5055(配列番号17)のそれぞれ)ならびにMAb5261のVHおよびVK(H2177(配列番号12)およびL5140(配列番号15)のそれぞれ)のポリヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、図15に示す。
CXCL13についてのMAb5261特異性。3D2と同様に、MAb5261の特異性を、組換えケモカイン(組換えマウス、ヒトおよびカニクイザルCXCL13、ヒトIL−8/CXCL8;ヒトIP−10/CXCL10、ヒトMIG/CXCL9およびヒトSDF−1アルファ/CXCL12);天然ヒトおよびマウスCXCL13;ならびに様々な非特異的抗原(組換えヒトC35、ストレプトアビジン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HAS)、インスリンおよびヘモグロビン)を含むパネルに対する特異的ELISAおよび捕捉エピトープ競合ELISAにより評価した。
特異的ELISAについて、組換えヒト、カニクイザルおよびマウスCXCL13をそれぞれ100nMで被覆した。MAb5261は、CXCL13に対して多重種特異性を示した(図16A〜C)。組換えヒト(図16A)およびカニクイザルCXCL13(図16B)に対するMAb5261の結合は、その直接の「親」であるMAb5080の結合に匹敵し、MAb1476(キメラ3D2)の結合よりも強かった。MAb5261は、MAb1476およびMAb5080の両方と比較して、組換えマウスCXCL13に対する結合が著しく優れていた(図16C)。各ケモカインについてのデータ点は、三重測定の平均を表す。EC50値は、4パラメータシグモイドカーブフィッティングから算出した(EC50値を生成する曲線についてのR2は0.99であった)。
天然ヒトおよびマウスCXCL13へのMAb5261の結合を、捕捉エピトープ競合ELISAにより決定した。ヒトELISAについて、ヒトCXCL13(THP1上清の1:4希釈物または0.097nM)を6.6nM MAb801で捕捉し、0.66nMビオチン−3C9で検出した。マウスELISAについて、マウスCXCL13(TNF−Tg器官抽出物の1:40希釈物)を33nM MAb470で捕捉し、3.3nMビオチン−3D2で検出した。各データ点は、少なくとも3回の実験の1回からの二重測定の平均を表す。天然ヒト(図17A)およびマウスCXCL13(図17B)に対して捕捉エピトープ競合ELISAで試験した場合に、MAb5261は、ヒトおよびマウス両方の天然CXCL13への結合について3D2および5080抗体の両方よりも優越性を示した。図17A〜Bに示す曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティング(R2=0.99)を用いてフィッティングした。
[実施例7]
<抗CXCL13 MAb5261の機能的特徴決定>
ヒトおよびマウスB細胞移動の阻害。ヒトCXCL13誘発性ヒトB細胞化学走性を阻害するMAb5261の能力を、安定株化細胞ヒトプレB−697−hCXCR5および初代ヒト扁桃腺細胞の両方について試験した。
安定株化細胞ヒトプレB−697−hCXCR5についてのヒトCXCL13誘発性ヒトB細胞化学走性のMAb5261による阻害を、上の実施例2に記載するプロトコールを用いて試験した。MAb5261によるヒトプレB−697−hCXCR5細胞移動の阻害を図18Aに示す。ヒト初代扁桃腺細胞研究について、扁桃腺細胞を、組織の機械的解離により得た。細胞(106/5μmのトランスウェルプレートの上方のチャンバ)を、5μg/mlのヒトCXCL13に向かって37℃にて2時間移動することを可能にした。ヒト初代扁桃腺細胞の移動のMAb5261による阻害を、図18Bに示す。図18A〜Bに示す結果は、少なくとも3回の実験の1回からの三重測定の平均+/−SEMを表す。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティング(R2=0.98〜0.99)を用いてフィッティングした。
マウスCXCL13仲介マウスB細胞化学走性に対するMAb5261の影響を、上の実施例2に記載するようにして、C57Black/6およびSJL/Jマウスからのマウス脾細胞について評価した。ここでもまた、ヒトまたはマウスSDF−1α(0.1μg/ml)に向かう移動を陰性対照として用いて、抗体の影響のCXCL13特異性を確実にした(データは示さず)。脾細胞移動のMAb5261による阻害を図19に示す(代表的な実験からのデータは、二重測定の平均+/−SDとして示す)。移動阻害の値を、対応するアイソタイプ対照を用いて得られた値に基づいて算出した。
図18および19に示すように、MAb5261は、ヒトおよびマウス両方のCXCL13依存性化学走性を阻害した。培養細胞と初代細胞との間のEC50値の差(図18を参照されたい)は、ヒトCXCL13濃度の差に起因すると考えられる可能性が高く、例えば97nM(1μg/ml)をヒトプレB−697−hCXCR5細胞移動において用い、485nM(5μg/ml)をヒト扁桃腺細胞移動において用いた。
ヒトCXCR5受容体のヒトCXCL13仲介エンドサイトーシスの阻害。この実験は、上の実施例3に記載する方法に従って、ヒトCXCR5受容体のエンドサイトーシスを誘発するためにヒトCXCL13で処理したヒトプレB−697−hCXCR5細胞を用いて行った。ヒトCXCL13の量は2μMであり、これは実施例3に示す3D2エンドサイトーシスアッセイにおいて用いた量(すなわち0.485μM)よりも高く、よってEC50値の差が観察された。CXCR5受容体エンドサイトーシスのMAb5261による阻害を図20に示す。結果は、少なくとも3回の独立した実験の1回からの三重測定の平均として示す。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティング(R2=0.99)を用いてフィッティングした。
[実施例8]
<抗CXCL13 MAb5261のマウスバージョンの作製および特徴決定>
MAb5261は、ヒト重鎖および軽鎖可変領域とヒトIgガンマ1−Fアロタイプとヒトカッパとを含有する。マウスの対応物(「MAb5378」)を、マウスIgG2a(ガンマ2a鎖)を用いて工学的に作製した。IgG2aアイソタイプは、補体を固定し、Fc受容体に結合する能力を含めてヒトIgG1と密接な類似性を有する。MAb5378は、MAb5261と同じヒト重鎖および軽鎖可変遺伝子を、マウスIgG2a定常およびマウスカッパそれぞれとともに含有する。
重鎖および軽鎖発現プラスミドのうちの共通制限部位を用いて、アイソタイプの変更を可能にした。アイソタイプ種の作製は、制限消化、ライゲーションおよび形質転換により達成した。具体的に、MAb5261重鎖について、遺伝子の可変領域を制限エンドヌクレアーゼで消化し、マウスIgG2a定常領域を含有する発現プラスミド中の匹敵する部位にライゲーションして、MAb5378についての重鎖(H5188)を作製した。同様に、MAb5261軽鎖について、遺伝子の可変領域を制限エンドヌクレアーゼで消化し、マウスIgカッパ定常領域を含有する発現プラスミド中の匹敵する部位にライゲーションして、MAb5378についての軽鎖(L5153)を作製した。MAb5378軽鎖および重鎖の可変領域のポリペプチドおよびアミノ酸配列は、MAb5261と同一であり、図21に示す。VHおよびVK相補性決定領域(CDR)に下線を付す(それぞれ配列番号4、5、6、16、10および11)。
MAb5378親和性測定。組換えヒトおよびマウスCXCL13についてのMAb5378の親和性測定を、実施例1に記載するものと同様の方法を用いてBIACORE(登録商標)により測定した。組換えヒトおよびマウスCXCL13についてのMAb5378親和性を、MAb5261および3D2と比較した。表7に示すように、ヒトおよびマウス両方のケモカインについてのMAb5261およびMAb5378の親和性測定(nM)は、3D2と比較して著しく改善された。
MAb5378エピトープマッピング。エピトープ競合ELISA実験を行って、MAb5378がマウスCXCL13上の結合エピトープをMAb5261と共有するかを決定した。組換えマウスCXCL13を、プレート上に1μg/mlのMAb470、5378または5261(対照)を用いて捕捉した。抗体/ケモカイン相互作用を、0.5μg/ml(3.3nM)のビオチン化MAb5261とその後のストレプトアビジン−HRPとを用いて検出した。市販のラット抗マウス抗体MAb470も研究に含めた。MAb470または5378のいずれかと予備インキュベートしたマウスCXCL13がビオチン化MAb5261と結合する能力を、エピトープ競合ELISAを用いて評価した。MAb5378がマウスCXCL13結合エピトープをMAb5261と共有するが、MAb470と共有しないことが示された(図22)。つまり、MAb5378は、エピトープ結合および親和性を保持し、これはMAb5378を動物モデル研究においてMAb5261の代用物として用いるために必要であった。さらに、実施例を通して記載するエピトープ結合の結果は、3D2、3C9、MAb1476、MAb5080、MAb5261およびMAb5378が全て、ヒトCXCL13の同じエピトープに結合することを示すと要約することができる。
CXCL13についてのMAb5378特異性。MAb5378の特異性を、組換えヒト、マウスおよびカニクイザルCXCL13(図23)ならびに組換えケモカインおよび様々な抗原のパネル(組換えケモカイン(マウス、ヒトおよびカニクイザルCXCL13、ヒトIL−8/CXCL8、ヒトIP−10/CXCL10、ヒトMIG/CXCL9およびヒトSDF−1アルファ/CXCL12);天然ヒトおよびマウスCCL13;ならびに様々な非特異的抗原(組換えヒトC35、ストレプトアビジン、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HAS)、インスリン、ヘモグロビン)に対して評価した(データは示さず)。特異的ELISAは、実施例1に記載するようにして行った。特に、各ケモカインは100nMで被覆した。図23に示すように、MAb5378を、マウス抗体3D2および対照(マウスIgG)と比較した。MAb5378は、様々な程度で、3つ全ての種からのケモカインとの結合において3D2より優れていた。結合の最も著しい差は、マウスCXCL13で観察され、動物研究において3D2を超えるMAb5378の可能性のある利点を示した。各データ点は、三重測定の平均を表す。EC50値は、4パラメータシグモイドカーブフィッティングから算出した(EC50値を生成する曲線についてのR2は0.99であった)。
ヒトおよびマウスB細胞移動の阻害をMAb5378について試験した。MAb5378がマウスおよびヒトB細胞のCXCL13依存性化学走性に干渉する能力を、それぞれ実施例2、7および2に記載する方法を用いる培養(ヒトプレB−697−hCXCR5細胞;図24A)および初代(ヒト扁桃腺細胞;図24B)ヒト細胞ならびにマウス脾細胞(図24C)を含む移動アッセイにおいて試験した。ケモカイン濃度は、ヒトプレB−697−huCXCR5移動について97nMのhuCXCL13;ヒト扁桃腺細胞移動について485nMのhuCXCL13;およびマウス脾細胞移動について500nMのmuCXCL13であった。ヒトまたはマウスSDF−1アルファに向かう移動を陰性対照として用いた(示さず)。移動阻害の値は、対応するアイソタイプ対照を用いて得られた値に基づいて算出した。図24A〜Cに示す結果は、少なくとも3回の実験の1回からの三重測定の平均+/−SEMを表す。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティング(R2=0.99)を用いてフィッティングした。ヒト移動アッセイでは、MAb5378をMAb5261と比較し、マウス移動アッセイでは、MAb5378を3D2と比較した。両方の場合において、MAb5378は、CXCL13誘発性ヒトおよびマウス細胞移動を、MAb5261に匹敵する程度および3D2より少し優れる程度でうまく阻害した。
ヒトCXCR5受容体のヒトCXCL13仲介エンドサイトーシスの阻害。MAb5378を、その原型MAb5261およびマウス抗ヒトCXCL13抗体3D2と、実施例3に記載する方法を用いるヒトCXCL13仲介ヒトCXCR5受容体内部移行アッセイにおいて比較した。図25に示すように、MAb5378は、ヒトCXCR5受容体内部移行を阻害するその能力が、MAb5261と同一であり、3D2より著しく優れていた。MAb5261およびMAb5378についてのデータ点は、2回の独立した実験からの測定の平均を表す。3D2およびアイソタイプ対照についてのデータ点は、1回の実験からの三重測定の平均を表す。曲線は、4パラメータシグモイドカーブフィッティング(R2=0.99)を用いてフィッティングした。
[実施例8]
<関節リウマチについてのマウス疾患モデルにおける抗CXCL13抗体の評価>
関節リウマチのマウスモデル。マウスおよびラットにおけるコラーゲン誘発関節炎(CIA)は、ヒト関節リウマチ(RA)の十分に確立されたモデルである。疾患は、完全フロイントアジュバント(CFA)中で乳化したウシII型コラーゲンの皮内注射により典型的に誘発され、マウスコラーゲン抗体の生成と、その後の足における関節炎の進行性の発展を特徴とする。
CIA−1:DBA1/Jマウスを用いるCIAモデルにおけるMAb5378の抗関節炎効力。疾患を、DBA1/Jマウスにおいて、100μgの熱死滅M.tuberculosis H37Raで増強したCFA中の100μgのウシII型コラーゲンの皮下免疫化と、その後の21日目の不完全フロイントアジュバント(IFA)中の100μgのウシII型コラーゲンでの追加免疫化により誘発した。動物を、毎週3回、関節炎の巨視的な徴候(表8を参照されたい)について評点し、関節炎インデックス(AI)を、個別の足スコアを加算することにより算出した(いずれの与えられた動物においても達成できる最大の関節炎インデックスは16であった)。
予防的処置は、追加免疫化の1日前、すなわち誘発後20日目に2〜6の低AIの動物において開始し、以下の処置群(群あたり10匹)からなった。
A.マウスIgGアイソタイプ(対照)
B.MAb5378
C.エタネルセプト(TNF阻害剤;陽性対照)
マウスに、1週間に2回、3週間にわたって0.6mg(30mg/kg)の抗体の腹腔内(マウスIgGおよびMAb5378)または皮下(エタネルセプト)注射のいずれかを行った。研究は、誘発後41日目に終了した。
図26に示すように、MAb5378での予防的処置は、疾患発展の速度の減少と、疾患重症度の著しい阻害とをもたらし、これは、研究の終点にて明らかになった。統計的に有意な差が、研究の終点(41日目)にて、マウスIgG処置群とMAb5378処置群との間(P<0.05)およびマウスIgG処置群とエタネルセプト処置群との間(P<0.05)で観察された。MAb5378の阻害効果は、陽性対照作用物質エタネルセプトの阻害効果から統計的に異ならなかった(P>0.05)。
CIA−2:DBA1/JマウスにおけるCIAモデルでのMAb5378の抗関節炎効力。MAb5378を用いる第2のCIA研究「CIA−2」を行った。この研究では、疾患を、DBA1/Jマウスにおいて、CIA−1について上に記載したようにして誘発した。ここでもまた、予防的処置を追加免疫化の1日前、誘発後20日目に、2〜6の低AIの動物において開始した。エタネルセプトに加えて、市販のラット抗マウスCXCL13抗体MAb470を対照として用いた。研究は、よって、以下の群を含んだ:
A.マウスIgGアイソタイプ対照
B.MAb5378
C.エタネルセプト(TNF阻害剤;陽性対照)
D.MAb470
マウスに、1週間に2回、3週間にわたって0.6mg(30mg/kg)の抗体の腹腔内(マウスIgG、MAb470およびMAb5378)または皮下(エタネルセプト)注射のいずれかを行った。研究は、誘発後42日目に終了した。
図27から明らかなように、MAb5378での予防的処置は、ここでもまた、研究中ずっとそして終点(42日目)にて疾患発展の速度の減少と疾患重症度の著しい阻害とをもたらした。統計的に有意な差が、マウスIgG処置群とMAb5378処置群との間(P<0.05)およびマウスIgG処置群とMAb470処置群との間で観察された(P<0.05)。MAb5378の阻害効果は、陽性対照作用物質エタネルセプトおよびラット抗マウスCXCL13抗体MAb470の阻害効果から統計的に異ならなかった(P>0.05)。
GC−1:免疫化BALB/cマウスにおける胚中心形成に対するMAb5378の影響。自己免疫性の動物モデルにおける我々の抗CXCL13抗体の性能の成功に鑑みて、異所性胚中心形成の破壊に関する可能性のある作用機序について試験した。100ulのミョウバン中で沈殿させた100μgの4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアセチル−ニワトリ−g−グロブリン(NP−CGG)で免疫化したMAb5378処置BALB/Cマウスにおける胚中心を調べた。動物に、1週間に合計0.6mg(30mg/kg)のマウスアイソタイプ対照(0.6mgの毎週の注射)またはMAb5378(0.3mgの週2回の注射)のいずれかを腹腔内注射した。注射はNP−GCC免疫化の1週間前に開始し、1週間後まで継続した。胚中心形成を、攻撃後10日目に評価した。脾臓およびリンパ節からの単細胞懸濁物を、フローサイトメトリーにより、様々なB細胞(活性化GC B細胞;濾胞および辺縁帯B細胞)およびT細胞(CD4+およびCD8+)部分集合の存在について分析した。MAb5378はT細胞または濾胞および辺縁帯B細胞に対して影響しなかった(データは示さず)が、胚中心B細胞(B220+/CD38low/PNA+)は、脾臓およびリンパ節においてそれぞれ43%および41%低下した(図28)。脾臓群平均を、対応のないスチューデントのt検定を用いることにより比較した。GC−B細胞の低下は、マウスIgG処置群と比較して、MAb5378処置脾臓において統計的に有意であった(P<0.05)。リンパ節から回収した細胞の数は非常に低く、よってプールした(その結果、リンパ節からのデータを用いて統計解析を行わなかった)。
[実施例9]
<ヘリコバクター感染についてのマウスモデルにおける抗CXCL13抗体の評価>
ヘリコバクター感染のマウスモデル。H.heilmanniiおよびH.Pyloriのようなヘリコバクター種は、患者において胃MALTリンパ腫を誘発する。ヘリコバクター誘発性胃リンパ濾胞のマウスモデルは、Nobutaniら、FEMS Immunol Med Microbiol60:156〜164頁(2010)(これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載された。Nobutaniらのマウスモデルは、本明細書において、胃リンパ濾胞の低下における抗CXCL13抗体の影響を試験するために用いた。マウスのH.heilmannii感染についての処置スケジュールおよび本実施例で用いた抗体投与を図29に示す。
特に、C57BL/6JマウスをH.heilmanniiに感染させた。感染後1週目に開始して、マウスにアイソタイプ抗体対照または抗CXCL13抗体(MAb5378)のいずれかを毎週、12週間にわたって投与した。抗CXCL13 MAb5378(マウスIgG2aアイソタイプ)は、PBS、pH7.2中で3mg/mlで処方した。マウスに、200マイクロリットル(600マイクログラム)を、感染後7日目に開始してその後毎週腹腔内注射した。アイソタイプ対照は、独立したモノクローナルマウスIgG2a抗体であった。
マウスからの胃試料を、PCRにより、H.heilmannii特異的16s rRNA遺伝子の発現について評価して、感染を確認した。PCR増幅反応は、1単位のTaq DNAポリメラーゼ(TOYOBO、Osaka、Japan)を含有する1×反応緩衝液[20mMのTris/HCl(pH8.0)、100mMのKCl、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、0.5%Tween−20、0.5%Nonidet P40および50%グリセロール];10nmolの各デオキシヌクレオチド三リン酸;10pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー;ならびに1μlの希釈DNA(これは、およそ20〜100ng/μlのDNA濃度の元の試料の1:10希釈により調製した)を50μlの最終容量中に含んだ。16s rRNA反応についてのサイクル条件は、94℃にて30秒間、56℃にて30秒間および72℃にて30秒間の35サイクルを含んだ。
H.heilmannii特異的16s rRNA遺伝子PCRプライマーを以下に示す:
F:5’−TTGGGAGGCTTTGTCTTTCCA−3’(配列番号24)
R:5’−GATTAGCTCTGCCTCGCGGCT−3’(配列番号25)
H.heilmannii感染マウスから得られた全ての胃試料中のH.heilmannii特異的16s−rRNA遺伝子の発現についての結果を図30に示す。これらの結果は、全ての処置マウスが、H.heilmannii感染について陽性であったことを示す。
ヘリコバクター感染マウスの胃粘膜におけるCXCL13発現。H.heilmannii感染マウスおよび非感染マウスの胃粘膜におけるCXCL13のmRNA発現レベルを、リアルタイム定量PCRにより決定した。感染後1カ月および3カ月での非感染野生型対照マウスと比較したH.heilmannii感染マウスの胃粘膜におけるCXCL13のmRNA発現を、それぞれ図31Aおよび31Bに示す。これらの結果は、H.heilmannii感染マウスにおけるCXCL13発現の増加を示す。
抗体処置ヘリコバクター感染マウスの胃粘膜におけるCXCL13発現。アイソタイプ対照または抗CXCL13抗体で処置した後のH.heilmannii感染マウスの胃粘膜におけるCXCL13のmRNA発現レベルを、逆転写PCRにより決定した。胃の粘膜層および粘膜下層を筋および漿膜から取り外し、1mlのTRIZOL試薬(インビトロgen)とともにホモジナイズした。RNAを、製造業者の使用説明に従ってホモジネートから抽出した。RNAを、製造業者のプロトコールに従ってHigh Capacity cDNA Reverse Transcriptionキット(Applied Biosystems、Foster City,CA)を用いる逆転写反応に供した。PCR増幅反応は、1単位のTaq DNAポリメラーゼ(TOYOBO、Osaka、Japan)を含有する1×反応緩衝液[20mMのTris/HCl(pH8.0)、100mMのKCl、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、0.5%Tween−20、0.5%Nonidet P40および50%グリセロール];10nmolの各デオキシヌクレオチド三リン酸;10pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー;ならびに1μlの希釈DNA(これは、およそ100ng/μlのDNA濃度の元の試料の1:10希釈により調製した)を50μlの最終容量中に含んだ。CXCL13およびβアクチン反応のサイクル条件は、94℃にて2分間と、94℃にて30秒間、55℃にて30秒間および72℃にて1分間の35サイクルとを含んだ。
図32は、アイソタイプ対照または抗CXCL13抗体処置後のH.heilmannii感染マウスの胃におけるCXCL13およびβアクチン対照mRNAの発現を示す。これらの結果は、CXCL13が、非感染野生型マウスでは発現されなかったが、全てのH.heilmannii感染マウスにおいて発現されたことを示す。
抗CXCL13抗体処置は、ヘリコバクター感染マウスにおける胃リンパ濾胞を低下させる。H.heilmannii感染の3カ月後のマウスの胃を切除し、大弯にて開いた。胃の半分をパラフィンワックスに包埋し、パラフィン包埋組織を切片にして、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。図33は、アイソタイプ対照(左のパネル)および抗CXCL13抗体(右のパネル)処置マウスからの胃のH&E染色画像を示す。胃リンパ濾胞の数を、アイソタイプ対照および抗CXCL13抗体試料について計数した。結果を図33の下のパネルに示す。これらの結果は、対照処置に対して、抗CXCL13抗体で処置したH.heilmannii感染マウスにおける胃濾胞の低下を示す。
具体的な実施形態についての上記の記載は、本発明の全般的な性質を完全に明らかにするので、他者は、当技術分野における熟練の範囲内の知識を用いることにより、過度の実験を行うことなく、本発明の全般的な概念から逸脱することなく、このような具体的な実施形態の様々な応用について容易に改変および/または改作できる。よって、このような改作および改変は、本明細書で示す教示および手引きに基づいて、開示される実施形態の等価物の意味および範囲内であることを意図する。本明細書における言葉使いおよび術語は、説明を目的とし、限定を目的としないので、本明細書の術語または言葉使いは、教示および手引きに鑑みて当業者により解釈されると理解される。
本発明の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されないが、以下の特許請求の範囲およびその等価物に従ってのみ定義される。