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JP6102089B2 - 液体注入装置、及び液体供給方法 - Google Patents
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JP6102089B2 - 液体注入装置、及び液体供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体注入装置、及び液体供給方法に関する。
体内等に液体を持続的に注入する液体注入装置がある。例えば、インスリン等の薬液の持続皮下注入に用いられる液体注入装置として、カテーテルを皮下に留置して体内にインスリンを注入する液体注入部と、該液体注入部にインスリンを供給する液体供給部からなる皮下注入器が広く知られている。このような皮下注入器では、液体供給部から液体注入部へ液体を送る送液ラインが日常生活の邪魔になる場合がある。そのため、液体注入部と送液ラインとを着脱可能に構成し、薬液の注入時にのみ送液ラインを液体注入部に接続する方法が行なわれている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−51702号公報
薬液注入装置で液体供給部から液体注入部に液体を供給する際に、供給される液体に気泡が混入する場合がある。気泡がそのまま液体注入部に流入すると、液体注入量の精度が悪化し、精密な皮下注入を行なうことが困難になる。例えば、該液体注入部に取り付けられたセプタム(隔離部材)に液体供給部からの針を刺すことで双方を接続し、液体注入を行なうタイプの液体注入装置では、当該針を抜き差しする際に気泡が混入しやすい。このような液体注入装置で正確な流量調整を行なうためには、液体注入部になるべく気泡が混入しないようにする必要がある。
しかし実際には、液体注入部に気泡が混入するのを完全に抑制することは難しい。この場合、流入した分の気泡(気体)を液体注入部から除去することができれば、液体注入量を正確に制御することができる。そこで、液体注入部へ液体を供給する液体供給器において、気体を適切に除去できるようにする。その際、液体注入部自体が大型化するのを避けるため、なるべく簡易な構造であることが望ましい。
本発明は、液体注入装置の液体注入部から適切に気体を除去することができる簡易な構造の液体供給器を提供することを課題としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、セプタムによって外部から隔離された液体貯留部に対して、前記セプタムを貫通する注射針を介して液体を供給する液体供給器であって、前記注射針には、前記液体貯留部の内部から外部へ気体が移動する通路であって、前記通路の入り口と出口との間隔が前記セプタムの幅よりも広い通路が設けられる、ことを特徴とする液体供給器である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
液体注入装置1の全体構成を表す図である。 液体供給器20の概略断面図である。 第1実施形態で用いられる接続用注射針221の拡大断面図である。 液体注入器50の概略断面図である。 ケース512Aのフィルター保持面に設けられる溝部について説明する図である。 液体注入器50に液体供給器20が接続された状態を表す図である。 液体注入器50に穿刺器30が接続された状態を表す図である。 図8A〜図8Cは、第1実施形態で液体貯留部の内部から気体を除去する方法について説明する図である。 図9A及び図9Bは、接続用注射針221の貫通位置について説明する図である。 第1実施形態の変形例で用いられる接続用注射針221の拡大断面図である。 図11Aは、第2実施形態で用いられる接続用注射針221の拡大断面図である。図11Bは、第2実施形態で用いられる接続用注射針221を上側から見た図である。 図12A〜図12Cは、第2実施形態で液体貯留部の内部から気体を除去する方法について説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
セプタムによって外部から隔離された液体貯留部に対して、前記セプタムを貫通する注射針を介して液体を供給する液体供給器であって、前記注射針には、前記液体貯留部の内部から外部へ気体が移動する通路であって、前記通路の入り口と出口との間隔が前記セプタムの幅よりも広い通路が設けられる、ことを特徴とする液体供給器。
このような液体注入器によれば、簡易な構造で、液体注入部から適切に気体を除去することができる。
かかる液体注入器であって、前記注射針は、該注射針の円管部分の側面部に設けられた貫通孔を有し、前記貫通孔が前記通路の出口となる、ことが望ましい。
このような液体注入器によれば、セプタムに注射針を抜き差しする際に、低コストで液体注入器の液体貯留部内から適切に気体を除去しやすくなり、正確な液体注入動作を行うことができる。
かかる液体注入器であって、前記注射針は、該注射針の円管部分の側面部に設けられた複数の貫通孔を有し、複数の前記貫通孔のうちの一の貫通孔が前記通路の入り口となり、前記一の貫通孔とは異なる貫通孔が前記通路の出口となる、ことが望ましい。
このような液体注入器によれば、セプタムに注射針を抜き差しする際に、液体注入器の液体貯留部内から適切に気体を除去することができ、正確な液体注入動作を行うことができる。また、液体注入装置が大型化する等の問題も生じないため、低コストで効率的に気体を除去しやすくなる。
かかる液体注入器であって、前記注射針は、該注射針の円管部分の外側表面で長手方向に沿って設けられた溝部を有し、前記溝部の一端側が前記通路の入り口となり、前記溝部の他端側が前記通路の出口となる、ことが望ましい。
このような液体注入器によれば、セプタムに注射針を抜き差しする際に、液体注入器の液体貯留部内から適切に気体を除去することができ、正確な液体注入動作を行うことができる。また、注射針で液体を供給する部分と、気体を除去する通路とが独立して構成されるため、それぞれの動作をより確実に行いやすくなる。
かかる液体注入器であって、前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記セプタムによって前記通路の出口が閉鎖される、ことが望ましい。
このような液体注入器によれば、注射針を介して液体貯留部の内部に液体を供給する際に、液体貯留部の内部から外部への液体及び気体の移動を抑制できる。また、注射針から液漏れ等が生じることを抑制できる。
かかる液体注入器であって、前記注射針は、前記セプタムの中央部分よりも上方の位置を貫通する、ことが望ましい。
このような液体注入器によれば、液体貯留部内の気体を効率的に除去しやすくなる。
かかる液体注入器であって、前記液体貯留部を備える液体注入器の度当て部と対応する形状を有する段状部分を有し、前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記段状部分を前記液体注入器の度当て部と当接させることによって、前記注射針が前記セプタムを貫通する量が規定されることが望ましい。
このような液体注入器によれば、注射針がセプタムを貫通する際に、気体が移動する通路の出口とセプタムとの位置関係がずれることを抑制できる。
また、セプタムによって外部から隔離された液体貯留部に対して、前記セプタムを貫通する注射針を介して液体を供給することと、前記注射針に設けられた通路であって、前記通路の入り口と出口との間隔が前記セプタムの幅よりも広い通路によって、前記液体貯留部の内部から外部へ気体が移動すること、とを有する液体供給方法が明らかとなる。
===実施形態===
<液体注入装置について>
所定量の液体を連続的に生体等に注入する液体注入装置がある。例えば、インスリンの持続皮下注入に用いられるインスリン注入装置では、一定量のインスリンを持続的に生体内(皮下)に注入することができる。本実施形態では、精度よく液体を注入することが可能な液体注入装置1を用いた液体注入について説明する。
図1は、液体注入装置1の全体構成を表す図である。液体注入装置1は、液体供給器20、液体注入器50、及び、図1では図示しない穿刺器30を有する。穿刺器30は、液体注入器50を生体に取り付ける際に用いられる機器である。
また、液体注入時には、動力源である送液ポンプ10に接続される。
送液ポンプ10は、液体注入器50に液体を供給する動力源となる液体輸送装置であり、単位時間当たりの液体輸送量を正確に制御できることが望ましい。本実施形態の送液ポンプ10としては、例えば、複数のフィンガーで順次チューブを押圧することによって、チューブ内部に充填されている液体を輸送方向に輸送するチューブポンプが用いられる。
<液体供給器20の構成>
図2は、液体供給器20の概略断面図である。液体供給器20は、送液ポンプ10によって輸送される液体を液体注入器50の内部に供給するための機器であり、液体輸送路21と接続部22とを有する。液体供給器20は、液体注入時に液体注入器50と接続され、液体注入が行われない時は液体注入器50から取り外される。液体供給器20と液体注入器50との接続方法については後で説明する。
(液体輸送路21)
液体輸送路21は、送液ポンプ10によって送られる液体を接続部22の方向へ輸送する管状の部材である。本実施形態の液体輸送路21は、柔軟性のある樹脂等によって形成される。
(接続部22)
接続部22は、液体注入時に液体注入器50と接続して液体注入器50の内部に液体を供給する部分であり、当該接続部22によって液体供給器20は液体注入器50と着脱可能な構成となっている。接続部22は、接続用注射針221と胴体部222とを有する。
接続用注射針221は、液体供給器20と液体注入器50とが接続された際に、液体注入器50の内部(後述する液体貯留部)に液体を供給する。図3に、第1実施形態で用いられる接続用注射針221の拡大断面図を示す。接続用注射針221は円管状の細長い針であり、液体輸送路21を通って輸送された液体は該接続用注射針221の内部を流れて先端部から流出する。また、本実施形態の接続用注射針221は、円管部分の側面部に複数の貫通孔が設けられている。図3では、接続用注射針221の内部から外部に貫通する2つの貫通孔221ha及び221hbが設けられている。2つの貫通孔は、接続用注射針221の長手方向の異なる位置にそれぞれ設けられる。貫通孔221haは貫通孔221hbよりも接続用注射針221の先端部の近くに設けられ、貫通孔221haと貫通孔221hbとの間隔(接続用注射針221の長手方向の間隔)はLhである。貫通孔の作用については後で説明する。
胴体部222は、接続部22(液体供給器20)の外装を構成する部材であり、接続用注射針221を所定の位置に保持する。また、胴体部222の下部には、図2に示されるような段状部分が設けられている。
<液体注入器50の構成>
液体注入器50は、供給された液体を生体等に注入するための機器である。図4は、液体注入器50の概略断面図である。液体注入器50は、胴体部51と、液体注入部52と、フィルター53と、セプタム54とを有する。
(胴体部51)
胴体部51は、液体注入器50の外装を構成する部材であり、内部には液体注入部52、フィルター53、及びセプタム54が保持される。胴体部51は、ベース511と、ケース512Aと、ケース512Bとを有する。
ベース511は、樹脂等で形成される部材であり、後述する液体注入部52(注入管521及び連通部522)を内部に保持する(図4参照)。生体内に液体を注入する際には、ベース511が生体の表面に固定され、注入管521の一部が体内に留置される。つまり、ベース511は、液体注入対象となる物体(生体)に液体注入器50を固定する際の取り付け台としての機能も有する。また、ベース511の底部で液体供給器20と接続する側(図4の左下部)は一部が突出した度当て部となっており、液体供給器20を接続する際に位置を固定することができる。
ケース512A及びケース512Bは、液体注入時において液体供給器20から供給された液体を液体注入器50の内部に一時的に貯留するための液体貯留部を形成する。液体貯留部は、ケース512Aと、ケース512Bと、フィルター53と、後述する接続用セプタム541とによって囲まれる領域(図4で太線部分で表される領域)であり、外部(外気)から隔離された、気密性を有する領域である。
図4に示されるように、ケース512Aとケース512Bとの間には膜状のフィルター53が保持され、ケース512Aでフィルター53が保持される面(以下、フィルター保持面とも呼ぶ)には複数の溝部が設けられる。図5は、ケース512Aのフィルター保持面に設けられる溝部について説明する図である。ケース512Aのフィルター保持面は横方向に並ぶ複数の溝を有する。それぞれの溝は互いに接続されている。例えば、図5の場合、それぞれの溝が左側で接続されている。また、溝部のうち中央に位置する溝は他の溝よりも幅が太く形成され、該中央部の溝の底面には、液体注入部52に液体を移動させるための接続流路が設けられる(図4参照)。液体貯留部に貯留された液体は、フィルター53を通過した後、ケース512Aに設けられた溝部に流れ込む。溝部に流れ込んだ液体はそれぞれの溝の接続箇所から中央部の太い溝に集まり、接続流路を通って液体注入部52へ移動する。このような溝状の保持面でフィルター53を保持することにより、フィルター53に作用する負荷(圧力)が分散され、フィルター53が破損しにくくなる。また、フィルター53を通過した後の液体を当該溝に沿って流すことで、フィルター53付近で液体が滞留するのを抑制することができる。
なお、図5ではケース512Aのフィルター保持面が円形に構成されているが、保持面は円形である必要はない。また、図5では複数の溝がそれぞれ横方向に設けられているが、縦方向の溝であってもよい。また、溝の太さ、深さ、数量等は被注入液体(例えばインスリン等の薬液)の性質に応じて変更される。
ケース512Bは接続用セプタム541を嵌め込むようにして保持する。
(液体注入部52)
液体注入部52は、注入管521と、連通部522とを有する。
注入管521は液体を注入するための管であり、本実施形態ではカテーテルが用いられる。注入管521の一部は胴体部51のベース511に保持され、一部はベース511の下側に露出している。液体注入器50を用いて液体の注入を行なう際には、注入管521の露出した部分が生体等の内部に留置され、持続的に液体を注入することができる。したがって、注入管521(カテーテル)は生体内に留置されることを考慮してフッ素樹脂等の柔らかい材料で形成されることが望ましい。
連通部522は、注入管521の内部に液体を導入するための導入部である。液体貯留部から接続流路を通って移動する液体(インスリン等の被注入液体)は、連通部522から注入管521の内部に導入され、生体内へと注入される。
(フィルター53)
フィルター53は胴体部51の内部に保持され、液体貯留部と液体注入部52(注入管521)との間に設けられる膜状の部材である。フィルター53は液体を通過させるが、気体は通過させない性質を有する親水性の材料で形成される。例えば、親水処理を施したPTFE(Polytetrafluoroethylene)メンブレン等が用いられる。本実施形態では、フィルター53によって、液体貯留部内に存在する気体が液体注入部52(注入管521)に流入するのが抑制される。また、フィルター53は固体も通過させない。すなわち、液体と個体とを分離する機能も有する。
(セプタム54)
セプタム54は、接続用セプタム541を有する。
接続用セプタム541は、胴体部51の内部に設けられる液体貯留部を外気から隔離する部材である。また、液体注入時において液体供給器20を液体注入器50に接続する際には、液体供給器20の接続用注射針221を貫通させる。したがって、接続用セプタム541は接続用注射針221を貫通させた場合であっても、該接続用注射針221を抜いた時に、貫通によって開いた孔が塞がるような材料(例えばシリコーン等)で形成される。本実施形態で接続用セプタム541の幅(接続用注射針221の貫通方向の幅)はLsである。
<液体注入動作>
液体注入装置1を用いた液体注入動作について、液体注入対象が生体である場合の例を示して説明する。
液体の注入を行なう際には、液体注入器50に液体供給器20が接続される。図6は、液体注入器50に液体供給器20が接続された状態を表す図である。本実施形態で、液体供給器20は液体注入器50の側部に接続可能である。両者を接続する際には、液体注入器50に対して図6の左側から右側に液体供給器20をスライド移動させる。そして、液体供給器20に設けられた接続用注射針221が液体注入器50の接続用セプタム541を貫通して液体注入器50の液体貯留部内に挿入される。
液体供給器20(胴体部222)の底面部に設けられた段状部分は、液体注入器50(ベース511)の度当て部と対応する形状であり、図6のように、度当て部と段状部分とを当接させることによって、液体注入器50に対する液体供給器20の接続位置が固定される。これにより、接続状態における液体貯留部内での接続用注射針221の位置が調整される。具体的には、接続用注射針221の先端部分が液体貯留部内に保持されたフィルター53と接触しないように、接続用注射針221の差し込み量が調節される。接続用注射針221とフィルター53とを接触させないように調整することで、フィルター53が破れたり破損したりすることを抑制し、より安全な液体注入を行なうことができる。
次に、液体注入器50に穿刺器30が接続される。図7は、液体注入器50に穿刺器30が接続された状態を表す図である。
穿刺器30は、注入管521(カテーテル)を体内に留置させるために用いられる機器である。前述のように注入管521はフッ素樹脂等の柔らかい材料で形成されるため、注入管521を単独で体内に挿入することは難しい。そこで、液体注入器50を生体に取り付ける際には、穿刺器30が用いられる。
穿刺器30は、穿刺針31を有する。穿刺針31は中空の細い針状の部材であり、その外径は注入管521の内径よりも小さい。穿刺器30は液体注入器50の上部に接続可能であり、両者を接続する際には、図7に示されるように、穿刺針31が注入管521の内部に差し込まれる。穿刺器30を液体注入器50に接続したときに、穿刺針31の先端部が注入管521の下端部から突出するように穿刺針31の長さが調整されている。
なお、液体注入器50と液体供給器20とが接続される前に、穿刺器30と液体注入器50とが接続されていてもよい。
本実施形態では、液体注入器50を生体に取り付ける前に、図7に示されるように注入管521(穿刺針31)の先端部分から被注入液体(例えばインスリン等)が流出する状態にする。すなわち、液体供給器20の液体輸送路21や接続用注射針221の内部、及び、液体注入器50の液体貯留部や注入管521の内部が被注入液体で満たされた状態にする(この動作をプライミングと言う)。液体の流路をあらかじめ該液体で満たしておくことで、流路内部に残留している気体が放出されるので、液体注入器50の内部に気体を流入させにくくすることができる。なお、注入管521の内部に差し込まれた穿刺針31は中空で、側部には孔が開いている。したがって、注入管521の内部に穿刺針31が差し込まれた状態で、該穿刺針31の内部を通って液体が流出する状態となる。
この状態で、液体注入器50(及び穿刺器30、液体供給器20)を生体の表面と垂直な方向から生体に取り付けると、穿刺針31の先端部が生体表面に刺さり、徐々に生体内に挿入されていく。同時に、注入管521(カテーテル)が穿刺針31にガイドされるようにして一体的に生体内に挿入される。挿入時の抵抗が小さくなるように、注入管521(カテーテル)の先端部にはテーパーが設けられていることが望ましい。そして、液体注入器50の底面部を生体表面と密着させることにより、液体注入器50が生体に取り付けられる。なお、液体注入器50の底面部には粘着テープ等の粘着性物質が付着しており、該底面部が生体表面と密着することにより、液体注入器50の位置が固定される。
液体注入器50が生体表面に固定されると、生体内への液体注入が可能になる。送液ポンプ10から液体供給器20の液体輸送路21を通って輸送された液体は、接続用注射針221を介して液体注入器50内部の液体貯留部に供給される。そして、フィルター53を通過して溝部へ移動し、連通部522から注入管521の内部に導かれて生体内へ注入される。
液体注入器50が生体に取り付けられた後、穿刺器30を液体注入器50から離脱させる。これにより、注入管521の内部に挿入されていた穿刺針31が取り除かれ、注入管521(カテーテル)のみが生体内に留置された状態となる。
<液体注入時の問題点>
本実施形態では、上述したプライミングによって液体流路内部の気体を放出しておくことで、液体注入器50の内部に気体を流入させにくくしている。しかし、接続用注射針221が液体注入器50の接続用セプタム541を貫通する際に、液体注入器50の外部の気体が、液体貯留部の内部に混入してしまう場合がある。また、液体注入器50から液体供給器20を取り外す際にも、液体貯留部の内部に気体が混入してしまう場合がある。
液体貯留部の内部に混入した気体は、フィルター53を通過しないため、そのまま液体貯留部の内部に溜まる。すると、注入されるべき液体の一部が液体貯留部の内部で気体に置換された状態となるため、液体注入量が不正確になりやすい。また、液体貯留部の内部で液体に対する気体の割合が高くなると、圧力変動が大きくなる等の影響により、液体注入量を正確に制御することが難しくなる。
したがって、正確な液体注入を行うためには、液体貯留部の内部に溜まった気体を適切に除去する必要がある。
<液体貯留部内の気体の除去について>
図8A〜図8Cは、液体貯留部の内部から気体を除去する方法について説明する図である。
図8Aは、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する直前の状態を表している。このとき、液体貯留部は外気から隔離された状態である。また、接続用注射針221の貫通孔221ha及び221hbは、両方とも外気に開放された状態である。
図8Bは、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する途中の状態を表わしている。このとき、接続用注射針221の一方の貫通孔221haは液体貯留部の内部に位置し、他方の貫通孔221hbは液体貯留部の外部(すなわち外気中)に位置する。図3に示したように、貫通孔221haと貫通孔221hbとは注射針の内部で繋がっている。したがって、図8Bの状態では、接続用注射針221を介して液体貯留部の内部が外部(外気)に開放された状態となる。
これにより、液体貯留部内部の気体は、貫通孔221haから接続用注射針221の内部を通って貫通孔221hbへと移動し、外気中に排出される。すなわち、接続用注射針221は、液体貯留部の内部から外部へ気体が移動する通路を有し、貫通孔221haが通路の入り口、貫通孔221hbが通路の出口になる。なお、送液ポンプ10によって液体が輸送される際の圧力により、液体貯留部内部の圧力は液体貯留部外部の圧力(外気圧)よりも高くなるため、外気から液体貯留部の内部に気体が逆流する可能性は低い。
本実施形態において、貫通孔221haと貫通孔221hbとの間隔Lhは、接続用セプタム541の幅Lsよりも長くなるように調整される(Lh>Ls)。つまり、接続用注射針221は、入り口(貫通孔221ha)と出口(貫通孔221hb)との間隔が接続用セプタム541の幅よりも広い通路を有する。そのため、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する動作において、必ず液体貯留部の内部と外部とを接続する通路が形成され、気体が除去されやすくなる。
図8Cは、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通して、液体注入器50と液体供給器20とが接続された状態(すなわち図6の状態)を表している。この状態では、接続用注射針221の一方の貫通孔221haは液体貯留部の内部に位置し、他方の貫通孔221hbは接続用セプタム541の内部に位置する。貫通孔221hbが閉鎖されるため、液体貯留部は再び外部から隔離された状態となる。つまり、上述の通路の出口が接続用セプタム541によって閉鎖されることにより、液体貯留部の内部から外部への(またはその逆方向への)液体及び気体の移動が抑制される。すなわち、液体貯留部が外部から隔離された状態となる。
また、接続用注射針221の内部と外部(外気)との通路(すなわち貫通孔221hb)が閉鎖されることにより、接続用注射針221を介して液体貯留部の内部に液体を供給する際に、接続用注射針221から液漏れ等が生じることもない。
なお、液体供給器20と液体注入器50とを接続する際には、上述のように液体供給器20の段状部分を液体注入器50の度当て部と当接させることによって、接続用注射針221の差し込み位置が定められる。すなわち、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する量が規定される。したがって、液体注入器50と液体供給器20とが接続された状態(図6の状態)で接続用セプタム541と貫通孔221hbとの位置関係がずれる可能性は低い。
液体注入器50から液体供給器20を取り外す場合は、上述の動作の順番が逆になり、図8Bの状態のときに液体貯留部から気体が除去される。
本実施形態の接続用注射針221は、円管部分の側面部に複数の貫通孔を有し、該貫通孔と円管の内部とによって、液体貯留部から外部へ気体が移動する通路が形成される。そして、貫通孔のうちの一の貫通孔が通路の入り口となり、一の貫通孔とは異なる貫通孔が通路の出口となり、入り口と出口との間隔が接続用セプタム541の幅よりも広くなるように設定される。これにより、接続用セプタム541に接続用注射針221を抜き差しする際に、液体注入器の液体貯留部内から適切に気体を除去することができる。液体貯留部内に混入した気体を除去することによって、正確な液体注入動作を行うことができる。
また、本実施形態では、接続用注射針221の所定の位置に複数の貫通孔を設けるという簡易な構造で、気体を除去することができる。その他の特別な気体除去装置は不要であり、また、液体注入装置が大型化する等の問題も生じないため、低コストで効率的に気体を除去しやすくなる。
<接続用注射針の貫通位置について>
接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する位置を、接続用セプタム541の中央部分ではなく上方部分とする例について説明する。
図9A及び図9Bに、接続用注射針221の貫通位置について説明する図を示す。図9Aは、接続用注射針221が接続用セプタム541の中央部を貫通する場合を表し、図9Bは、接続用注射針221が接続用セプタム541の上方部を貫通する場合を表している。
図9Aに示されるように、液体貯留部内に液体が残っている場合、気体は液体貯留部内の上方に溜まりやすい。このような状況で接続用注射針221が接続用セプタム541の中央部分を貫通すると、貫通孔221haは液体貯留部内の液体部分に出る。そのため、液体貯留部内の上方に溜まった気体が排出されにくくなる。
これに対して、図9Bに示されるように、接続用注射針221が接続用セプタム541の上方部分を貫通すると、貫通孔221haは液体貯留部内の気体部分に出る。そのため、液体貯留部内の上方に溜まった気体が排出されやすくなる。
このように、接続用注射針221が接続用セプタム541のなるべく上方部分を貫通するようにする。少なくとも、接続用セプタム541の中央部分よりも上方の位置を貫通するように、接続用注射針221が保持される位置を調整する。これにより、液体貯留部内の気体を効率的に除去しやすくすることができる。これは、後述する第2実施形態にも適用可能である。
<変形例>
接続用注射針221の先端に開いた孔が貫通孔221haの機能を兼ねるようにしてもよい。つまり、液体貯留部から外部へ気体が移動する通路において、接続用注射針221の先端に開いた孔が通路の入り口となり、接続用注射針221の円管部分の側面部に設けられた貫通孔が通路の出口となる。
図10に、第1実施形態の変形例で用いられる接続用注射針221の拡大断面図を示す。変形例では、接続用注射針221の側面部に貫通孔221hbを有し、先端に開いた孔から貫通孔hbまでの間隔(長手方向の距離)がLhで表される。そして、この間隔Lhは、接続用セプタム541の幅Lsよりも広くなるように設定される(Lh>Ls)。
液体貯留部内から気体を除去する方法は、上述の図8A〜図8Cで説明したのとほぼ同様である。すわなち、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する際に、液体貯留部内部の気体が接続用注射針221の先端に開いた孔から内部を通って貫通孔221hbへと移動し、外気中に排出される。このとき、Lh>Lsであるため、液体貯留部の内部と外部とを接続する通路が形成され、気体が除去されやすい。
そして、液体注入器50と液体供給器20とが接続された状態(上述の図6の状態に相当)では、接続用注射針221の先端部(孔)は液体貯留部の内部に位置し、貫通孔221hbは接続用セプタム541の内部に位置する。貫通孔221hbが閉鎖されるため、液体貯留部は外部から隔離された状態となる。
これにより、液体貯留部内から気体が除去される。
本変形例では、接続用注射針221に貫通孔221hbが1箇所設けられていればよいため、接続用注射針221の構造がより単純となり、製造コストも低くなる。また、Lhの幅を広く設定しやすくなるため、Lh>Lsの関係を調整しやすい。
===第2実施形態===
第2実施形態では、第1実施形態とは形状の異なる接続用注射針221を用いて液体注入を行なう。接続用注射針221以外の液体注入装置の構成は、第1実施形態とほぼ同様である。
図11Aは、第2実施形態で用いられる接続用注射針221の拡大断面図である。図11Bは、第2実施形態で用いられる接続用注射針221を上側から見た図である。
第2実施形態で用いられる接続用注射針221は、貫通孔221ha及び221hbが設けられておらず、代わりに溝部221dが設けられている。溝部221dは接続用注射針221の外側表面に、長手方向に沿って設けられる。また、溝部221dの長さはLdで表されるものとする(図11B参照)。溝部221dの長さLdは、接続用セプタム541の幅Lsよりも長くする(Ld>Ls)。
<液体貯留部内の気体の除去について>
図12A〜図12Cは、第2実施形態で液体貯留部の内部から気体を除去する方法について説明する図である。
図12Aは第2実施形態の接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する直前の状態を表している。このとき、液体貯留部は外気から隔離された状態である。
図12Bは第2実施形態の接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する途中の状態を表わしている。本実施形態において、溝部221dの長さLdは、接続用セプタム541の幅Lsよりも長い。そのため、貫通動作の途中において、溝部221dの一端側が液体貯留部の内部に位置し、他端側が液体貯留部の外部(外気)に位置する状態となる。すなわち、溝部221dによって液体貯留部の内部が外部(外気)に開放された状態となる。これにより、液体貯留部の内部の気体は、溝部221dの一端側から他端側へと移動し、液体貯留部の外部へ排出される。
本実施形態では、接続用注射針221に設けられた溝部221dが液体貯留部の内部から外部へ気体が移動する通路に相当する。また、当該通路の入り口と出口との間隔(Ld)が接続用セプタム541の幅(Ls)よりも広いため、接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通する動作において必ず液体貯留部の内部と外部とを接続する通路が形成され、気体が除去されやすくなる。
図12Cは第2実施形態の接続用注射針221が接続用セプタム541を貫通して、液体注入器50と液体供給器20とが接続された状態を表している。この状態では、溝部221dの一端側(上述の入り口側)は液体貯留部の内部に位置するが、他端側(上述の出口側)は接続用セプタム541の内部に位置する。つまり、上述の通路の出口が接続用セプタム541によって閉鎖されることにより、液体貯留部の内部から外部への(またはその逆方向への)液体及び気体の移動が抑制される。すなわち、液体貯留部が外部から隔離された状態となる。
また、本実施形態では溝部221dが接続用注射針221の外側表面に設けられているため、接続用注射針221の内部から外部へ液漏れが生じることはない。
第2実施形態の接続用注射針221には、液体貯留部から外部へ気体が移動する溝状の通路を有し、溝部の一端側が通路の入り口となり、他端側が通路の出口となる。そして、入り口と出口との間隔は、接続用セプタム541の幅よりも広くなるように設定される。これにより、第1実施形態と同様に、液体注入器の液体貯留部内から適切に気体を除去することができる。液体貯留部内に混入した気体を除去することによって、正確な液体注入動作を行うことができる。
また、接続用注射針221で液体を供給する部分(接続用注射針221の内部)と、気体を除去する通路(接続用注射針221の外側表面)とが独立して構成されるため、それぞれの動作をより確実に行いやすくなる。
===その他の実施形態===
一実施形態としての液体注入装置について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<送液ポンプ10について>
前述の実施形態では、送液ポンプ10の構成としてフィンガーの圧縮によってチューブに蠕動運動を生じさせることで液体の輸送を行なうチューブポンプを用いた例について説明されていたが、送液ポンプ10の構成はこの例には限られない。例えば、ローラーの回転によってチューブを押圧するローラーポンプや、ピストンを移動させることによって液体の輸送を行なうシリンジポンプ等を用いることもできる。
<液体注入器50について>
前述の実施形態では、液体注入器50を用いて生体に液体を注入する例について説明されていたが、この例には限られない。液体注入器50は生体以外の注入対象物に対しても精度よく液体を注入することが可能である。
1 液体注入装置、
10 送液ポンプ、
20 液体供給器、21 液体輸送路、22 接続部、
221 接続用注射針、221ha・221ha 貫通孔、221d 溝部、
222 胴体部、
30 穿刺器、31 穿刺針、
50 液体注入器、
51 胴体部、511 ベース、512A・512B ケース、
52 液体注入部、521 注入管、522 連通部、
53 フィルター、
54 セプタム、541 接続用セプタム

Claims (7)

  1. 液体供給器と液体注入器とを備える液体注入装置において、
    前記液体供給器は注射針を備え、
    前記液体注入器は、液体貯留部と、前記液体貯留部を外部から隔離し、前記注射針が貫通するセプタムと、を備え、
    前記注射針が貫通する方向のセプタムの幅は、前記注射針に設けられた気体の入り口と出口との間隔よりも小さく、
    前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記出口が前記セプタムの内部に位置することによって、前記セプタムが前記出口を閉鎖するように、前記液体注入器に対する前記液体供給器の接続位置が固定される、ことを特徴とする液体注入装置
  2. 請求項1に記載の液体注入装置であって、
    前記注射針は、該注射針の円管部分の側面部に設けられた貫通孔を有し、
    前記貫通孔が前記出口となる、ことを特徴とする液体注入装置
  3. 請求項2に記載の液体注入装置であって、
    前記注射針は、該注射針の円管部分の側面部に設けられた複数の貫通孔を有し、
    複数の前記貫通孔のうちの一の貫通孔が前記入り口となり、前記一の貫通孔とは異なる貫通孔が前記出口となる、ことを特徴とする液体注入装置
  4. 請求項1に記載の液体注入装置であって、
    前記注射針は、該注射針の円管部分の外側表面で長手方向に沿って設けられた溝部を有し、
    前記溝部の一端側が気体の前記入り口となり、前記溝部の他端側が気体の前記出口となる、ことを特徴とする液体注入装置
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液体注入装置であって、
    前記注射針は、前記セプタムの中央部分よりも上方の位置を貫通する、ことを特徴とする液体注入装置
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液体注入装置であって、
    前記液体注入器は、前記液体供給器の段状部分と当接する度当て部を有することを特徴とする液体注入装置
  7. 液体貯留部と、前記液体貯留部を外部から隔離し、液体を供給する注射針が貫通方向に貫通するセプタムと、を備えた液体注入器への液体供給方法であって、前記貫通方向のセプタムの幅よりも広い間隔に設けられた気体の入り口と出口を備えた注射針を貫通させ、
    前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記出口が前記セプタムの内部に位置することによって、前記セプタムが前記出口を閉鎖することを特徴とする液体供給方法。
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