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JP6120127B2 - 入浴用機器 - Google Patents
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Description

本発明は、被介助者を載置する載置部を備えた担架等の入浴用機器に関するものである。
従来から、寝たきりの高齢者や身体不自由者などの被介助者を載せた担架をストレッチャーに載せて搬送し、浴槽に横付けした後、担架を浴槽内の支持台の上方に移動させ、浴槽を昇降機構により上昇させて担架ごと被介助者を湯に浸漬し、被介助者を入浴させる介護用の入浴装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、担架などの入浴用機器は、車椅子やストレッチャーなどの他の介護機器との間で、被介助者を乗り降りさせたり、また、入浴介助者が担架の載置部上で被介助者の洗身作業を行ったりするのが日常的であることを考慮すると、載置部面は平坦な態様であることが望ましい。
しかしながら、種々の原因により本来は腹部のほうに凸であるべき脊柱が後方に凸に変形する円背(猫背)の被介助者や関節の可動域が制限され身体に拘縮ができ、真上を向く仰臥姿勢を取らせるのが不可能な被介助者を載せることも多い。
そのため、平坦な態様のままでは、載置部面上で被介助者の身体を充分に保持することは難しく、載置部上で身体のバランスを崩した結果、入浴している際に浴湯中にずり込み溺れてしまったり、あるいは、担架運搬時にサイドガードを乗り越えて被介助者が載置部上から転落して大怪我をしたり、最悪の場合には死亡に至る危険性も危惧されており、従来の担架ではこのような安全上の問題点を抱えていた。
この安全上の問題点を解決するため、入浴介助の現場では、身体と担架の載置部面との間に差し込み仰臥位や側臥位の姿勢をとらせるゲル状パッドなどが利用されている(例えば非特許文献1参照)。
特開2001−67465号公報
OG GIKEN GENARAL CATALOG 2012−13 30頁(2012年5月1日発行)
しかしながら、このゲル状素材のパッドには次のような問題点を有していた。すなわち、従来のパッドは入浴中にも使用するため、浴湯の浮力によりパッド位置が不用意にずれないように重量を重くしておく必要があり、現在、実際に市販されているパッドの重量は2.4〜4.7kgと非常に重たくなっていた。
しかも、被介助者の身体の左右側位置にパッドを差し込む必要がある場合には、入浴介助者は計二個のパッドを用意しなければならず、重量がさらに嵩み、都度の持ち運び作業が極めて大変であり、特に小柄で腕力のない女性等の入浴介助者にとっては負担が大きくなっていた。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、パッドの持ち運び作業が不要で入浴介助者の負担を軽減でき、しかも入浴時や運搬時の必要時に被介助者の身体を確実に保持でき、安全に入退浴することのできる入浴用機器を提供することを目的としている。
請求項1に係る本発明の入浴用機器は、被介助者を載置する載置部を備えた機器であって、前記載置部における幅方向の外方側が内方側に対し上方に位置するように前記載置部の一部の部位を可動させることができる可動機構と、前記可動機構により可動させられた前記一部の部位を所定位置に維持する位置維持機構と、を備え、前記可動機構は、前記一部の部位を他の部位の可動とは無関係に可動させることができる、ことを特徴とする。ここで、被介助者とは、入浴用機器を用いた入浴介助者の介助を受けて入浴する入浴者のことをいう。
本発明によれば、移乗時は平坦な状態とすることで楽に被介助者を担架に移乗させることができ、入浴時は、載置部の前記一部の部位を適宜可動させ所定位置に維持することにより、円背や拘縮の症状を有する被介助者の身体を支え載置部上で確実に保持することができるので、載置部上で身体バランスを崩した結果、入浴している際に浴湯中にずり込み溺れてしまったり、担架運搬時にサイドガードを乗り越えて被介助者が載置部上から転落して大怪我をしたりする危険性を軽減でき、被介助者を安全に入退浴させることができる。また、本発明によれば、従来のように重量物であるパッドを持ち運びする作業は不要となり、入浴介助者の作業負担も著しく軽減できることになる。
さらにまた、従来では、被介助者が手摺を掴んだ状態で上腕部と載置部表面との間に空隙ができていたので、入浴中に腕がだるくなり、入浴開始から終了までの間、手摺を絶えず掴んでおくことが困難であったが、本発明によれば、本発明の可動機構と位置維持機構とを採用することで、肩から肘の上腕部近傍を載置部で支持することができ、入浴中に上腕部が疲労することを低減し、よりリラックスして入浴をすることができる。
請求項2では、載置部は、少なくとも、前記被介助者の体幹を支持するシートを有しており、前記可動機構は、前記載置部の長辺方向に沿って前記シートの前記一部の部位を他の部位に対して可動させるものである。請求項2によれば、シートで被介助者の体幹を確実に支持でき、被介助者の身体を保持するうえで好ましいものである。
請求項3では、前記一部の部位は、前記シートの左右幅方向に対して各々設けられる。請求項3によれば、可動させたシートの部位で被介助者の体幹を確実に支持でき、被介助者の身体を保持するうえで好ましいものである。
請求項4では、前記可動機構および前記位置維持機構の操作により、前記一部の部位を個々独立して可動させ前記所定位置に維持できるようした。請求項4によれば、被介助者の症状に応じて載置部の部位を可動させることができ、被介助者の身体を保持する上で一層好ましいものとなる。例えば、左半身側に麻痺や拘縮があり右方向に傾倒気味の被介助者に対しては、左方向の外方側の部位を可動させ所定位置に維持することで適切な身体保持ができる。
請求項5では、前記一部の部位それぞれを、個々独立に可動させ前記所定位置に維持する操作と、前記一部の部位それぞれを同時に可動させ前記所定位置に維持する操作と、入浴介助者が任意に選択できるようにした。請求項5によれば、使用用途に応じて、入浴介助者が操作の方法を任意に選択できるので、操作性や利便性に優れたものとなる。例えば、いずれか一方の部位のみを可動させたい場合は、入浴介助者はその部位が設けられる側に移動し操作すればよく、また、両方の部位を可動させたい場合は、入浴用機器の一方の側から前記部位の可動操作ができるので、入浴介助者が可動操作をするために、それぞれの側に移動する必要がなくなり、移動時間を短縮でき、より効率的な入浴介助ができる。
請求項6では、前記一部の部位の一方を可動させると、その動作に連動して、前記一部の部位の他方が可動するための機構を有する。請求項6によれば、他方の部位は一方の部位と同時に持ち上げられ、他方の部位は一方の部位に連動して下降することができる。
請求項7では、載置部に、マット部材が敷設され、マット部材は前記一部の部位とその他の部位との間に形成される空隙を覆うように敷設される。請求項7によれば、例えば、可動させた部位を可動前の初期位置に戻す場合などにおいて、可動させた部位と他の部位との間に被介助者の身体や皮膚が挟まれて怪我したり創傷したりするという危険性を低減することができる。
請求項8では、前記一部の部位に入浴介助者が掴める掴み部を形成する。請求項8によれば、部位を可動させるときに掴み部を掴み易く、部位の可動操作を行う上で好ましいものとなる。
本発明によれば、身体の左右側位置にパッドを持ち運ぶ作業が不要で入浴介助者の負担を軽減でき、しかも入浴時や運搬時の必要時に被介助者の身体を確実に保持でき、安全に入退浴をすることができる。
本発明の実施形態に係る入浴用機器の一例である担架の全体の斜視図である。 図1のA−A矢視方向の断面図であり、外方側の部位が回動していない初期位置に保持されている状態を示す。 図2に対応し、外方側の部位が第1の係合位置で保持されている状態の拡大断面図である。 図2に対応し、外方側の部位が第2の係合位置で保持されている状態の拡大断面図である。 図1に対応し、外方側の部位が第1の係合位置で保持されている場合の担架の全体の斜視図である。 図1の担架において、マット部材で覆われている担架の一部を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る入浴用機器の要部の斜視図である。 図7のB−B矢視方向の断面図であり、両外方側の部位が回動していない初期位置に保持されている状態を示す。 図8に対応し、両外方側の部位が回動して保持されている状態の拡大断面図である。 図8に対応し、両外方側の部位のうち、一方の外方側の部位のみが回動して保持されている状態の拡大断面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る入浴用機器を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る入浴用機器の一例である担架の斜視図である。図2は、同担架のA−A線に沿う断面図である。
入浴用機器は、例えば不図示のストレッチャーに載置される担架1である。ストレッチャーは、被介助者を昇降浴槽等の各種浴槽に搬送するための構造をもった設備をいい、例えば入浴時において、昇降可能な昇降浴槽の側部にストレッチャ−を連結させ、ストレッチャーから担架1を分離して昇降浴槽内に設けた支持台に移送して固定する際に用いられる。そして、その後に、湯を満たした昇降浴槽を上昇させて被介助者を入浴させる。
担架1は、例えば樹脂成形で製造されており、載置部2と、サイドガード3と、手摺4と、掴み部5と、枕部6と、を有する。載置部2は、大別して被介助者の頭部が載置される第1のシート2aと、肩から腰までの主に体幹が載置される第2〜第3のシート2b〜2cと、主に被介助者の臀部が載置される第4のシート2dと、主に被介助者の脚部が載置される第5〜第7のシート2e〜2gとを有する。このように載置部2は、複数の第1〜第7のシート2a〜2gに分割され、被介助者の身長方向(長手方向)に沿って順次配置されて構成される。
第1〜第7のシート2a〜2gは、担架本体を構成する。担架本体はその裏面に鋼材からなる支持部材によって互いに接続されている。担架本体は、第1〜第7のシート2a〜2gそれぞれの間に設けた空隙でそれぞれ上方または下方に折り曲げ可能とされ、被介助者の膝を折り曲げたり、被介助者をリクライニング状態にすることができるようになっている。
次に、これら第1〜第7のシート2a〜2gを説明する。第1のシート2aは、主に被介助者の頭部を載置するものであり、枕部6が第1のシート2aから着脱可能に搭載されている。枕部6の下面には不図示の突起部があり、この突起部が第1のシート2aから第2のシート2bにかけて形成した溝7aに沿って長手方向に摺動可能でかつ溝7aの任意位置に固定可能であり、これにより、枕部6は被介助者の身長や介助状態、その他の介助条件に合わせた適宜位置に固定することができる。
第2のシート2bは、主に被介助者の体幹の上部側を載置することができるものであり、幅方向において、内方側の部位2b1と、この内方側の部位2b1の幅方向両側で内方側に対して外方側の部位2b2,2b2と、に分離されている。
外方側の部位2b2,2b2は、内方側の部位2b1よりも上方に可動可能であり、また、内方側の部位2b1は、第1のシート2aと一体に形成されている。溝7aは、第1のシート2aから内方側の部位2b1にかけて長手方向に形成されている。
第3のシート2cは、主に被介助者の体幹の下部側を載置することができる。第4のシート2dは、主に被介助者の臀部を載置することができるものであり、この第4のシート2d上には、不図示の機構により、幅方向両側にスライド移動可能なスライド移動板2d1が搭載されている。第4のシート2d上にスライド移動板2d1を設けたのは、載置部2上で被介助者の体位姿勢の変更や洗身作業を行う際に、被介助者の膝や腹部がサイドガード3に当たらないように被介助者の位置をスライド移動板2d1で変更できるようにしたものである。第5のシート2e〜第7のシート2gは、前述したように、主に被介助者の脚部を載置することができるものである。
また、第6のシート2fは、幅方向において、内方側の部位2f1と、この内方側の部位2f1の幅方向両側で内方側に対して外方側の部位2f2,2f2と、に分離されている。内方側の部位2f1は、第7のシート2gと一体に形成されている。
第6のシート2fの外方側の部位2f2,2f2は、内方側の部位2f1よりも上方に可動可能である。
サイドガード3は、第3のシート2cの幅方向両側に矢印B1方向に倒伏および起立可能に設けられたサイドガード3a,3bと、第5のシート2eの幅方向両側に矢印B2方向に倒伏および起立可能に設けられたサイドガード3c,3dとから構成される。これらサイドガード3a〜3dは、倒伏して被介助者を担架1に載せ易くでき、また、起立して昇降浴槽まで運搬する際や洗身する際の被介助者の転落防止と、担架1に載せた状態で被介助者を入浴させる際に昇降浴槽内に被介助者がずり落ちたり、担架本体の幅方向側部から手足が食み出し、上昇中の昇降浴槽に当たり手足が怪我をすることを防止できる。
手摺4は、4a・4bを別個独立に回動可能に設けられており、入浴中は被介助者の掴む部分として使用できる位置に固定でき、移乗時には邪魔とならない位置まで跳ね上げることができる。
掴み部5は、第1のシート2aと、第7のシート2gとのそれぞれに掴み部5a、5bとして形成されている。主に、掴み部5aは、入浴介助者が第一のシート2aをリクライニングさせる際や担架1を載せたストレッチャーを移動させる際に把持し、掴み部5bは、入浴介助者が担架1を載せたストレッチャーを移動させる際に把持する部分である。
図2を参照して本実施形態に係る担架1の特徴構成を説明する。図2は、図1のA−A矢視方向の拡大部分断面図である。第2のシート2bにおいて、外方側の部位2b2は、内方側の部位2b1に対して、上方に位置するように、外方側の部位2b2を可動させることができる可動機構として長手方向に延在するシャフト10と、外方側の部位2b2がシャフト10を回動中心として矢印C1方向に回動すると、外方側の部位2b2をその回動位置に維持する位置維持機構としてのリンク11、リンク受け12および圧縮バネ機構13を有する。
シャフト10は、その両端が外方側の部位2b2と内方側の部位2b1との間の空隙15に配置され外方側の部位2b2固定されたシャフト受け16A(一方のみ図示)の貫通孔16aを貫通してさらに外方に突出し、その突出端部が内方側の部位2b1側面に設けられたシャフト受け16B(一方のみ図示)により固定支持されている。
リンク11は、内方側一端側が外方側の部位2b2下面に設けた突出ピン17が挿入される貫通孔11aを有し、突出ピン17が貫通孔11aに挿通された状態で、この突出ピン17回りに外方側他端側が回動可能となっている。リンク11はまた、外方側他端側に突出部(係合ピン)11bが形成されている。
リンク受け12は、担架1の本体部の一部18の上面に幅方向水平に固定されており、外方側から内方側にかけ第1リンク受け面12a、第2リンク受け面12b、第3リンク受け面12cを有する。第2リンク受け面12bは、第1、第3リンク受け面12a,12cよりも上方側に高く形成されている。リンク受け12は、また、第1リンク受け面12aと第2リンク受け面12bとの間に第2リンク受け面12bよりも上方に突出する突起部12dを備える。
リンク受け12の突起部12dは、その外方側突起面12d1が内方側に向けて上昇勾配の斜面となっており、また、その内方側突起面12d2が垂直な面となっている。この内方側突起面12d2は、リンク11の突出部(係合ピン)11bが係合する第1の係合面となる。
リンク受け12の第2リンク受け面12bの内方端は、第3リンク受け面12cに対して垂直な段差面12eとなっている。この段差面12eは、リンク11の突出部(係合ピン)11bが係合する第2の係合面となる。
圧縮バネ機構13は、外方側の部位2b2を矢印C2の回動方向に常時付勢している。ストッパ14は、外方側の部位2b2を水平位置で支持するためのストッパである。
以上の構成において、可動機構と位置維持機構との作用を説明する。外方側の部位2b2を図2の位置(第1の位置)状態から、圧縮バネ機構13に抗して、外方側の部位2b2を後述の掴み部を用いて持ち上げてシャフト10を中心にして矢印C1方向に回動させると、リンク11は、自重により、突出ピン17回りに外方側他端側が矢印D方向に回動する。
これに伴い、リンク11の突出部(係合ピン)11bは、リンク受け12の第1リンク受け面12a上を摺動し、突起部12dの外方側突起面12d1を乗り越えて、第2リンク受け面12b上に載る。その段階で、外方側の部位2b2の持ち上げを中止すると、外方側の部位2b2は、圧縮バネ機構13のバネ力により、矢印C2方向に回動するので、リンク11の突出部(係合ピン)11bは、リンク受け12の第2リンク受け面12b上を外方側に摺動し、リンク受け12の内方側突起面12d2(第1の係合面)に係合する。この状態を図3に示す。これにより、外方側の部位2b2は、内方側の部位2b1よりも上方に傾斜した状態となると共に、この傾斜状態の位置(第2の位置)に保持される。
さらに、外方側の部位2b2を後述の掴み部を用いて持ち上げてシャフト10を中心にして矢印C1方向に回動させると、リンク11は、自重により、突出ピン17回りに外方側他端側が回動しつつ、リンク11の突出部(係合ピン)11bがリンク受け12の第2リンク受け面12bから第3リンク受け面12c上に載る。その段階で、外方側の部位2b2の持ち上げを中止すると、外方側の部位2b2は、圧縮バネ機構13のバネ力により、矢印C2方向に回動し、これに伴い、リンク11の突出部(係合ピン)11bが、第3リンク受け面12c上を外方側に摺動し、段差面12e(第2の係合面)に係合する。この状態を図4に示す。これにより、外方側の部位2b2は、内方側の部位2b1に対してさらに上方に傾斜した状態となり、この傾斜した状態の位置(第3の位置)に保持される。
このようにして本実施形態では、担架1における長手方向複数の第1〜第7のシート2a〜2gのうち、第2のシート2bの外方側の部位2b2,2b2を回動させることで内方側の部位2b1に対してその上方に傾斜した状態とし、かつ、その傾斜したそれぞれの位置に維持することができるようにしたので、それぞれの位置を適宜に選択して、円背や拘縮の症状を有する被介助者の身体を、前記外方側の部位2b2,2b2で支えて、確実に保持することできる。
その結果、本実施形態の担架1では、被介助者が載置部2上で身体バランスを崩し、入浴している際に浴湯中にずり込み溺れてしまったり、担架1の運搬時にサイドガード3a〜3dを乗り越えて被介助者が載置部2上から転落して大怪我をしたりする危険性を軽減でき、被介助者を安全に入退浴させることができる。
また、本実施形態の担架1では、被介助者の身体を、外方側の部位2b2,2b2で支えて、確実に保持することできるので、従来のように重量物であるパッドを持ち運びする作業は不要となり、入浴介助者の作業負担も著しく軽減できることになる。
なお、本実施形態では、リンク受け12が備える係合面が2つの係合面(内方側突起面12d2、段差面12e)であるので、外方側の部位2b2の回動停止位置は、2つの位置となったが、リンク受け12が備える係合面の数を1つにしてもよいし、3つ以上にしてもよいことは勿論である。また、外方側の部位2b2を維持する位置が複数設けられると、被介助者の症状や体格に合わせて適切な部位の位置を選択することができ、身体を保持する上で一層好ましいものとなる。
また、本実施形態では、肩から肘の上腕部近傍をシート2bの外方側の部位2b2,2b2で支持することができ、入浴中に上腕部が疲労することを低減し、よりリラックスして入浴をすることができる。
なお、図1では、第2のシート2bにおける一方の外方側の部位2b2の説明をしたが、他方の外方側の部位2b2も、一方の外方側の部位2b2と同様に、可動機構および位置維持機構を備える。図5は、第2のシート2bの両外方側の部位2b2,2b2それぞれが、内方側の部位2b1よりも上方に回動し、その回動位置で保持されている状態を示す。
なお、本実施形態では、第2のシート2bにおいてその外方側の部位2b2,2b2の説明をしたが、第6のシート2fの外方側の部位2f2,2f2も、同様に、可動機構および位置維持機構を具備しており、その内方側の部位2f1よりも上方に回動させ、その回動位置で保持することができる。
なお、本実施形態では、載置部2を長手方向に複数のシートに分割し、そのうち、2箇所の分割シートにおいて、外方側の部位を回動可能としたが、勿論、1箇所の分割シートにのみ外方側の部位を回動可能としてもよいし、3箇所の分割シートに外方側の部位を回動可能としてもよい。
なお、図6に示すように、第4のシート2dを除いて、他のシート2a〜2c、2e〜2gには、個別に、クッション性を有するマット部材20が配置されている。これらのマット部材20のうち、第2のシート2bの外方側の部位2b2,2b2上のマット部材20は、第1のシート2a上にまで跨っていることで、第1のシート2aと第2のシート2bの外方側の部位2b2との空隙21上を覆っており、また、第2のシートの外方側の部位2b2と第3のシート2cとの間の空隙22上をマット部材20aで覆っている。これにより、例えば、外方側の部位2b2を図3や図4で示す第1、第2の係合位置から図2で示す回動前の初期位置に戻す場合などにおいて、外方側の部位2b2と第1、第3のシート2a,2cとの間に被介助者の身体や皮膚が挟まれて怪我したり創傷したりするという危険性を低減することができる。
なお、第2のシート2bの外方側の部位2b2,2b2には入浴介助者が掴める掴み部23,23が形成されている。これにより、第2のシート2bの外方側の部位2b2,2b2を可動させるときに掴み部23,23を掴み易く、外方側の部位2b2,2b2の回動操作を行う上で好ましい。
なお、本実施形態では、入浴用機器として担架1を説明したが、入浴用機器としては、担架に限定されることなく、例えば、入浴用車椅子の椅子部や昇降式ストレッチャー等にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、担架1にマット部材20を被覆するようにしたが、必ずしもマット部材20を設けなくてもよい。マット部材20は、取り外し可能として、洗うなどのメンテナンスを容易とし、収納についてもコンパクトに行えるようにするとよい。
なお、以下の他の実施形態で説明するように、第2のシート2bの内方側の部位2b1の幅方向両側の外方側の部位2b2,2b2を個々独立に可動させて前述した第2、第3の位置に維持する操作と、外方側の部位2b2,2b2を同時に可動させて第2、第3の位置に維持する操作とを、入浴介助者が任意に選択できるようにしてもよい。
図7〜図10を参照して、本発明の他の実施形態に係る入浴用機器を説明する。図7は、同入浴用機器の要部の斜視図である。図8は、図7のB−B矢視方向の断面図であり、両外方側の部位2b2が回動していない初期位置に保持されている状態を示す。図9は、図8に対応し、両外方側の部位2b2が回動して第3の位置に保持されている状態の拡大断面図である。図10は、図8に対応し、両外方側の部位2b2のうち、一方の外方側の部位2b2のみが回動して第3の位置に保持されている状態の拡大断面図である。
外方側の部位2b2それぞれにおいて、リンク片24とリンク片25はリンク軸26で連結されている。リンク片24と第1の支持部材27が軸αで連結されている。リンク片28の先端と第1の支持部材27が軸γで連結されている。第2の支持部材29は外方側の部位2b2と軸βで連結されている。外方側の部位2b2、第2の支持部材29、リンク片24にはそれぞれ円穴H1〜H3が設けられる。図8に示すように、外方側の部位2b2を水平位置まで倒すと、3個の円穴H1〜H3が担架の長辺方向に同心円状となるように配列され、この3個の円穴H1〜H3にピン30を挿通させることができる。一方の外方側の部位2b2のリンク片25の一端と、他方の外方側の部位2b2のリンク片25の一端とは、連結片31により連結されている。同様に、一方の外方側の部位2b2のリンク片28の一端と、他方の外方側の部位2b2のリンク片28の一端とは、連結片32により連結されている。連結片31及び連結片32は共通軸δにて担架本体18に回動自在に軸着されている。
図9に示すように、一方及び他方の外方側の部位2b2の円穴H1〜H3にピン30が挿通された状態で一方の外方側の部位2b2を持ち上げると、一方の外方側の部位2b2にある第2の支持部材29とリンク片24とリンク片25と一方の外方側の部位2b2とが一体となって動作し、軸αを支点に第1の支持部材27が回動し、第1の支持部材27の突出部27aがリンク受け33の段差面33aに係合し、一方の外方側の部位2b2が第3の位置で保持される。さらに、一方の外方側の部位2b2にあるリンク片24とリンク片25と一方の外方側の部位2b2との一体動作が、連結片31を介して他方の外方側の部位2b2にあるリンク片25とリンク片24に伝達される。これにより他方の外方側の部位2b2は、一方の外方側の部位2b2と同時に持ち上げられ、軸αを支点に第1の支持部材27が回動し、第1の支持部材27の突出部27aがリンク受け33の段差面33aに係合し、他方の外方側の部位2b2が第3の位置に保持される。
跳ね上げられた左右の外方側の部位2b2の一方を下降させようとして、一方の外方側の部位2b2にある第1の支持部材27が介助者によって操作されると、一方の外方側の部位2b2にあるリンク片28が連動動作し、さらにこのリンク片28の動作が連結片32を介して、他方の外方側の部位2b2にあるリンク片28に伝達し、さらにリンク片28に連結された他方の外方側の部位2b2にある第1の支持部材27が連動動作する。突出部27aの段差面33aへの係合を解除することにより、他方の外方側の部位2b2は、一方の外方側の部位2b2に連動して下降する。
図8、図9の状態では、円穴H1〜H3にピン30が挿通された状態であるが、図10の状態では、個別に回動操作させる外方側の部位(図10では、右側に位置する外方側の部位2b2)において円穴H1〜H3からピン30が抜き取られる。この状態で、ピン30が抜き取られた側に位置する外方側の部位2b2(以下、ピン抜き外方側の部位2b2という)を持ち上げると、ピン抜き外方側の部位2b2において、軸βを支点に第2の支持部材29が回動し、第2の支持部材29の突出部29aがリンク受け33の段差面33aに係合しピン抜き外方側の部位2b2だけが回動後の第3の位置で保持される。このとき、ピン抜き外方側の部位2b2の第1の支持部材27やリンク片24、25、28は動作せず、そのため、ピン抜き外方側の部位2b2における回動動作は、他方の外方側の部位2b2には伝達されず、したがって、他方の外方側の部位2b2は連動動作しない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々適宜に変更可能である。
1 担架
2 載置部
2b 第2のシート
2b1 第2のシート2bの内方側の部位
2b2,2b2 第2のシート2bの外方側の部位
10 シャフト
11 リンク
12 リンク受け
13 圧縮バネ機構
20 マット部材
21,22 空隙
23 掴み部

Claims (8)

  1. 被介助者を載置する載置部を備えた入浴用機器であって、
    前記載置部における幅方向の外方側が内方側に対し上方に位置するように前記載置部の一部の部位を可動させることができる可動機構と、
    前記可動機構により可動させられた前記一部の部位を所定位置に維持する位置維持機構と、
    を備え、前記可動機構は、前記一部の部位を他の部位の可動とは無関係に可動させることができる、
    ことを特徴とする入浴用機器。
  2. 前記載置部は、少なくとも、前記被介助者の体幹を支持するシートを有しており、前記可動機構は、前記載置部の長辺方向に沿って前記シートの前記一部の部位を他の部位に対して可動させるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の入浴用機器。
  3. 前記一部の部位は、前記シートの左右幅方向に対して各々設けられる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の入浴用機器。
  4. 前記可動機構および前記位置維持機構の操作により、前記一部の部位を個々独立して可動させ前記所定位置に維持できるようした、
    ことを特徴とする請求項3に記載の入浴用機器。
  5. 前記一部の部位それぞれを、個々独立に可動させ前記所定位置に維持する操作と、前記一部の部位それぞれを同時に可動させ前記所定位置に維持する操作とを、入浴介助者が任意に選択できるようにした、
    ことを特徴とする請求項3に記載の入浴用機器。
  6. 前記一部の部位の一方を可動させると、その動作に連動して、前記一部の部位の他方が可動するための機構を有することを特徴とする請求項に記載の入浴用機器。
  7. 前記載置部に、マット部材が敷設され、前記マット部材は前記一部の部位とその他の部位との間に形成される空隙を覆うように敷設される、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の入浴用機器。
  8. 前記一部の部位に、入浴介助者が掴める掴み部を形成した、
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の入浴用機器。
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