以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態の流路制御弁1を備える濾過装置2の概略図である。本実施形態の濾過装置2は、濾材を用いて原水中の懸濁物質を捕捉して処理水を製造する装置である。濾過装置2は、原水中の除去対象物質に応じて種々選択される。濾過装置2として、例えば、次のような砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置を挙げることができる。これらの装置は、いずれも原水に含まれる懸濁物質を濾材の篩効果により捕捉して除去可能なものである。
砂濾過装置は、原水に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉して除去するものである。除鉄除マンガン装置は、原水に含まれる微粒子等の懸濁物質と共に、溶存鉄及び溶存マンガンを濾材(図示せず)により捕捉して除去するものである。活性炭濾過装置は、原水に含まれる懸濁物質と共に、有機物、色度成分及び臭気成分等の不純物を吸着材からなる濾材で除去するものである。
以下、まずは濾過装置2の全体構成と運転方法とを順に説明し、その後、本実施形態における流路制御弁1の具体的構成について説明する。
《濾過装置2の全体構成》
濾過装置2は、流路制御弁1、圧力タンク3及び制御部150を備える。なお、図1(及び後述の図11)においては、制御部150(及び後述の図11においては制御部150A)とモータ108(後述)との電気的な接続の経路を破線で示す。
圧力タンク3は、有底円筒状の中空容器であり、濾材床を収容する。濾過装置2が砂濾過装置の場合には、濾材床を、例えば、濾過砂及び/又はアンスラサイトを用いて構成する。濾過装置2が除鉄除マンガン装置の場合には、濾材床を、例えば、マンガン砂及び/又はアンスラサイトを用いて構成する。濾過装置2が活性炭濾過装置の場合には、濾材床を、例えば、粒状の活性炭を用いて構成する。
流路制御弁1は、制御部150により制御されて流路を切り替える弁である。流路制御弁1は、設定された流路が形成されたバルブハウジング5に、複数の弁6〜13を備える。各弁6〜13の開閉は、カム47(図5参照)の回転により操作される。そのカム47を回転させるモータ108は、制御部150と信号線を介して電気的に接続されている。各弁6〜13の開閉は、制御部150からモータ108に出力される指令信号により制御される。カム47及びモータ108については後述する。
流路制御弁1は、圧力タンク3の上部に取り付けられる。これにより、圧力タンク3の上部開口は、流路制御弁1のバルブハウジング5で閉じられる。バルブハウジング5の下部には、圧力タンク3の上部開口と対応する位置に、第一通水路14、第二通水路15及び第二逆洗排水路16の各端部が開口している。
第一通水路14は、圧力タンク3内の第一上部通水口17に開口する。第二通水路15は、導管18を介して、圧力タンク3内の下部通水口19に開口する。第二逆洗排水路16は、圧力タンク3内の第二上部通水口21に開口する。
導管18は、バルブハウジング5に上端部を保持され、バルブハウジング5から下方へ延出し、圧力タンク3内に差し込まれる。また、導管18は、圧力タンク3の下部まで延出する。そして、導管18の下部に、下部通水口19が設けられる。
流路制御弁1のバルブハウジング5には、原水入口22からの原水を第一上部通水口17へ送る第一通水路14と、下部通水口19からの処理水を処理水出口23へ送る第二通水路15とが設けられている。第一通水路14には第一通水弁6が設けられ、第二通水路15には第二通水弁7が設けられる。
第一通水弁6よりも原水入口22側の第一通水路14と、第二通水弁7よりも処理水出口23側の第二通水路15とは、バイパス路24で接続される。このバイパス路24には、バイパス弁8が設けられる。
第一上部通水口17には、排水口25への第一逆洗排水路26も接続され、この第一逆洗排水路26には、第一逆洗排水弁9が設けられる。図1では、第一通水路14と第一逆洗排水路26とは、圧力タンク3の側において共通管路として示している。
下部通水口19には、排水口25への洗浄排水路27も接続され、この洗浄排水路27には、洗浄排水弁10が設けられる。図1では、第二通水路15と洗浄排水路27とは、圧力タンク3の側において共通管路として示している。なお、第一逆洗排水路26及び洗浄排水路27の下流は、定流量弁(ゴムオリフィス)28を介して、排水口25へ開口する。
第二上部通水口21には、排水口25への第二逆洗排水路16が接続され、この第二逆洗排水路16には、第二逆洗排水弁11が設けられる。第一逆洗排水路26、洗浄排水路27及び第二逆洗排水路16の下流は、まとめられ、排水口25へ開口する。
また、流路制御弁1のバルブハウジング5には、第一予備弁12及び第二予備弁13が設けられている。第一予備弁12及び第二予備弁13は、本発明に係る流路制御弁をイオン交換装置に適用する場合に、再生剤をイオン交換装置に導入するために利用されたり、押し出し用の原水をイオン交換装置に導入するために利用されたりする。
第二予備弁13は、第二通水路15及び洗浄排水路27における圧力タンク3側の共通管路の途中から分岐してバルブハウジング5の端部まで延びる流路に設けられている。第二予備弁13が設けられる流路の一端は、第二通水路15及び洗浄排水路27における圧力タンク3側の共通管路の途中に接続される。第二予備弁13が設けられる流路の他端は、バルブハウジング5の端部で封止されている。
第一予備弁12は、第二予備弁13が設けられる流路の途中から分岐してバルブハウジング5の端部まで延びる流路に設けられている。第一予備弁12が設けられる流路の一端は、第二予備弁13が設けられる流路の途中に接続される。第一予備弁12が設けられる流路の他端は、バルブハウジング5の端部で封止されている。
《濾過装置2の運転方法》
図2は、第一実施形態の濾過装置の第一運転例について、運転工程を順に示すと共に、その各工程における各弁の開閉状態を示す概略図である。図3は、第一実施形態の濾過装置の第二運転例について、運転工程を順に示すと共に、その各工程における各弁の開閉状態を示す概略図である。図4は、第一実施形態の濾過装置の第三運転例について、運転工程を順に示すと共に、その各工程における各弁の開閉状態を示す概略図である。この図において、各弁6〜13は、網掛部が開放状態を示しており、無地部が閉鎖状態を示している。各工程の移行時、各弁6〜13は、徐々に閉められたり、徐々に開かれたりしてもよい。
濾過装置2は、単独で用いることもできるし、二台で用いることもできる。後者の場合、第一濾過装置2の原水入口22に、給水源からの原水供給路を接続し、第二濾過装置2の処理水出口23に、処理水使用設備への処理水供給路を接続し、第一濾過装置2の処理水出口23と第二濾過装置2の原水入口22とを処理水供給路で接続すればよい。
濾過装置2の運転方法としては、例えば、以下に説明する第一運転例〜第三運転例を例示することができる。
(第一運転例)
第一運転例においては、濾過装置2は、通水工程、逆洗工程、沈降工程及び洗浄工程を順に実行する。これら各工程は、制御部150から出力される指令信号により、各弁6〜13の開閉を図2に示すように制御して行われる。
第一運転例において、通水工程では、原水は、原水入口22から第一通水路14を介して、圧力タンク3の第一上部通水口17へ供給される。その水は、圧力タンク3の上部から下部へ、濾材床を通されて処理水となる。その処理水は、圧力タンク3の下部通水口19から導管18及び第二通水路15を介して、処理水出口23へ導出される。
第一運転例において、逆洗工程では、洗浄水(原水又は処理水)は、原水入口22からバイパス路24、第二通水路15及び導管18を介して、圧力タンク3の下部通水口19へ供給される。その水は、圧力タンク3の下部から上部へ、濾材床を展開しながら通される。その排水は、圧力タンク3の第一上部通水口17から第一逆洗排水路26を介して、排水口25へ導出される。
第一運転例において、沈降工程では、洗浄水の供給を所定時間停止する。これにより、逆洗工程で浮上した濾材を重力で沈降させて静置する。
第一運転例において、洗浄工程では、洗浄水(原水又は処理水)は、原水入口22から第一通水路14を介して、圧力タンク3の第一上部通水口17へ供給される。その水は、圧力タンク3の上部から下部へ、濾材床を通され、濾材床の濯ぎを行う。その排水は、圧力タンク3の下部通水口19から導管18及び洗浄排水路27を介して、排水口25へ導出される。
(第二運転例)
第二運転例においては、濾過装置2は、通水工程、逆洗工程、沈降工程及び洗浄工程を順に実行する。これら各工程は、制御部150から出力される指令信号により、各弁6〜13の開閉を図3に示すように制御して行われる。なお、第二運転例の説明にあたって、第一運転例の動作と異なる動作のみを説明し、同一の動作については、その説明を省略又は簡略化する。第二運転例においては、第一運転例で実行される逆洗工程における運転内容が異なる。
第二運転例において、逆洗工程では、第一運転例の逆洗工程において第一逆洗排水弁9を開弁状態とすると共に第一逆洗排水弁9を閉弁状態とする弁の状態を、第一逆洗排水弁9及び第二逆洗排水弁11の両方を開弁状態とする。これにより、第二運転例における逆洗工程では、濾材床を流通される洗浄水(原水又は処理水)の流量が第一運転例の場合よりも多くなり、洗浄水は、原水入口22からバイパス路24、第二通水路15及び導管18を介して、圧力タンク3の下部通水口19へ供給される。流量増加された水は、圧力タンク3の下部から上部へ、濾材床を展開しながら流通される。その排水は、圧力タンク3の第一上部通水口17から第一逆洗排水路26及び第二逆洗排水路16を介して、排水口25へ導出される。
(第三運転例)
第三運転例においては、濾過装置2は、通水工程、初期逆洗工程、後期逆先工程、沈降工程及び洗浄工程を順に実行する。なお、第三運転例の説明にあたって、第一運転例及び第二運転例の動作と異なる動作のみを説明し、同一の動作については、その説明を省略又は簡略化する。これら各工程は、制御部150から出力される指令信号により、各弁6〜13の開閉を図4に示すように制御して行われる。第三運転例においては、第一運転例及び第二運転例で実行される逆洗工程に代えて、初期逆洗工程及び後期逆先工程が、この順に実行される。
第三運転例において、初期逆洗工程では、第二運転例の逆洗工程と同様の動作が実行される。この初期逆洗工程では、濾材床が汚れている初期段階において、濾材床に流通される洗浄水の流量を多くする。
第三運転例において、後期逆洗工程では、第一運転例の逆洗工程と同様の動作が実行される。この後期逆洗工程では、濾材床の汚れが取り除かれた段階において、濾材床に流通される洗浄水の流量を、初期逆洗工程よりも少なくする。
《流路制御弁1の具体的構成》
以下、本実施形態における流路制御弁1の具体的構成について説明する。
図5は、第一実施形態の流路制御弁の概略斜視図である。流路制御弁1は、前記各流路14,15,16,24,26,27が形成されたバルブハウジング5に、前記各弁6〜13などが設けられてなる。つまり、バルブハウジング5には、図1に示される回路を形成するように、各流路14,15,16,24,26,27が形成されると共に、前記各弁6〜13などが設けられている。
各弁6〜13は、カム47により開閉操作されるが、そのカム47を回転させるカムシャフト48は、バルブハウジング5の上部の前後方向中央部に、左右方向へ沿って設けられる。そして、このカムシャフト48を境に、各弁6〜13は、第一弁群49と第二弁群50とに前後に分かれて配置される。この際、第一予備弁12は、第一弁群49または第二弁群50のいずれに含めてもよいが、本実施形態では第二弁群50に含まれる。
第一弁群49は、第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8を備える。この際、バイパス弁8は、第一通水弁6と第二通水弁7との間に配置されるのがよい。図5では、第一弁群49は、バルブハウジング5の前方に配置され、左から順に、第一通水弁6、バイパス弁8及び第二通水弁7が左右に並べて配置されている。
第二弁群50は、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10、第二逆洗排水弁11、第二予備弁13及び第一予備弁12を備える。この際、第一逆洗排水弁9と洗浄排水弁10とが隣接して配置され、これと隣接して第二逆洗排水弁11が配置されるのがよい。また、第一予備弁12と第二予備弁13とは、隣接して配置されるのがよい。図5では、第二弁群50は、左から順に、第一予備弁12、第二予備弁13、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9及び洗浄排水弁10が左右に並べて配置されている。
バルブハウジング5には、流体の出入口として、前述したように、原水入口22、処理水出口23及び排水口25が設けられている。
原水入口22及び処理水出口23は、第一弁群49の側に設けられるのが好ましい。本実施形態では、原水入口22は、第一通水弁6の下部に設けられ、処理水出口23は、第二通水弁7の下部に設けられる。より具体的には、第一通水路14の端部を構成する管が、第一通水弁6の下部に、前方へ延出して設けられており、その前端開口が原水入口22とされる。また、第二通水路15の端部を構成する管が、第二通水弁7の下部に、前方へ延出して設けられており、その前端開口が処理水出口23とされる。
排水口25は、第二弁群50の側に設けられるのが好ましい。本実施形態では、排水口25は、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9及び洗浄排水弁10の下部に設けられる。より具体的には、第二逆洗排水路16、第一逆洗排水路26及び洗浄排水路27の端部をまとめる管が、これら弁9〜11の下部付近から右側へ延出して設けられており、その右端開口が排水口25とされる。
図6は、第一弁群49の弁の分解斜視図である。ここでは、第二通水弁7を示しているが、第一通水弁6及びバイパス弁8についても同様である。また、図7及び図8は、第一弁群49の弁(7)の組立状態の概略縦断面図であり、図7は閉弁状態、図8は開弁状態を示している。さらに、図9は、第二弁群50の弁の分解斜視図であり、バルブハウジング5の後方から見た状態を示している。ここでは、第一予備弁12を示しているが、第二予備弁13、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9及び洗浄排水弁10についても同様である。図10は、第一予備弁12とその周辺部品の組立状態の概略縦断面図である。
第一弁群49及び第二弁群50の各弁6〜13は、バルブハウジング5に形成されたバルブ収容穴52(52A)に、バルブピストン53(53A)が進退可能に設けられてなる。バルブ収容穴52(52A)は、バルブハウジング5の前後方向外側へ開口するよう水平に設けられている。具体的には、第一弁群49を構成する各弁6〜8のバルブ収容穴52は、前方へ開口するよう設けられ、第二弁群50を構成する各弁9〜13のバルブ収容穴52Aは、後方へ開口するよう設けられている。
第一弁群49を構成する各弁(第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8)は、互いに同一の構成である。具体的には、図6〜図8に基づき、以下に説明する。なお、バルブ収容穴52は、前述したとおりバルブハウジング5の前後方向外側へ開口するが、その開口部の側を基端側、これと反対側を先端側という。
バルブ収容穴52は、先端部が先細りに形成された円形穴であり、先端側の円錐台状部54と、基端側の円筒状部55とを備える。バルブ収容穴52には、その軸方向に離隔した位置に、そのバルブ収容穴52に対する流体の出入口となる第一開口56と第二開口57とが形成されている。第一開口56は、円錐台状部54の周側壁の下部に設けられ、第二開口57は、円筒状部55の周側壁の下部に設けられている。
図1を参照して、第一通水弁6は、第一開口56が第一上部通水口17と連通し、第二開口57が原水入口22と連通する。第二通水弁7は、第一開口56が下部通水口19と連通し、第二開口57が処理水出口23と連通する。バイパス弁8は、第一開口56が処理水出口23と連通し、第二開口57が原水入口22と連通する。
バルブ収容穴52にはバルブフレーム58が取り付けられ、そのバルブフレーム58にはバルブピストン53が進退可能に設けられる。バルブフレーム58は、先端部が先細りに形成された略円筒状であり、バルブ収容穴52の形状とほぼ対応して形成されている。具体的には、バルブフレーム58は、先端側の円錐台状部59と、基端側の円筒状部60とを備える。円錐台状部59の先端部には、先端側へ突出すると共に先端側へ開口して、小円筒部61が形成されている。小円筒部61の基端部には、ツバ部62が形成されると共に、基端側へ突出して短筒63が形成されている。
バルブフレーム58の円錐台状部59及び円筒状部60には、周側壁に大きく開口64,65が形成されている。これにより、バルブフレーム58は、円錐台状部59と円筒状部60とが枠状に残ることになる。つまり、円錐台状部59と円筒状部60との連接部、円錐台状部59の先端部、及び円筒状部60の基端部が円環状に残されると共に、それらが互いに複数のリブで接続された形状とされる。
円錐台状部59と円筒状部60とを連接する円環状部66は、その基端側内周面が先端側へ行くに従って縮径する傾斜面に形成されており、この傾斜面が弁座部67として機能する。円環状部66の外周部には、円環状溝が形成されており、Oリング68が装着される。また、小円筒部61の基端部の外周部にも、円環状溝が形成されており、Oリング69が装着される。
バルブフレーム58の軸線に沿って、小円筒部61及び短筒63には、バルブシャフト70が進退可能に設けられる。短筒63内に設けられた断面略V字状の環状パッキン71により、バルブシャフト70とバルブフレーム58との隙間が封止される。
バルブシャフト70の先端部には、ローラガイド72が設けられ、そのローラガイド72にはローラ73が回転自在に保持される。ローラガイド72は、バルブフレーム58の小円筒部61にはめ込まれる。小円筒部61の内穴とローラガイド72の外形は所定に形成されているので、ローラガイド72は、バルブフレーム58の軸線に沿って、小円筒部61に対し進退可能であるが、小円筒部61に対し相対回転不能に設けられる。
バルブフレーム58は、バルブ収容穴52にはめ込まれる。バルブ収容穴52の先端部には、貫通穴74が形成されており、その貫通穴74にバルブフレーム58の小円筒部61がはめ込まれる。その際、小円筒部61のツバ部62が、貫通穴74の周囲の壁面に当接するようはめ込まれる。そして、小円筒部61の基端部のOリング69により、小円筒部61とバルブハウジング5との隙間が封止される。また、円環状部66のOリング68により、円環状部66とバルブハウジング5との隙間が封止される。これにより、バルブフレーム58の内穴を介してのみ、第一開口56と第二開口57とが連通する。
バルブフレーム58の内穴には、バルブピストン53が進退可能に設けられる。バルブピストン53は、円筒状であり、先端部には端壁75が形成されている。この端壁75には、複数の連通穴76が形成されている。これら連通穴76は、バルブピストン53の周方向に等間隔に設けられ、それぞれバルブピストン53の軸方向に沿って端壁75を貫通して形成されている。
バルブピストン53には、その軸方向に離隔した位置に、第一シール材77と第二シール材78とが設けられる。第一シール材77は、円環状で、バルブピストン53の先端部に設けられる。具体的には、第一シール材77は、バルブピストン53の先端面に装着され、円板状の押え板79により固定される。押え板79は、端壁75にネジ(図示省略)により固定され、第一シール材77の内径より大きく、第一シール材77の外径よりも小さい。そのため、押え板79を取り付けた状態で、押え板79の外周部には、第一シール材77が露出する。一方、第二シール材78は、断面X字形状の円環状のXリングであり、バルブピストン53の基端部の外周面に形成された円環状溝に装着される。
押え板79には、前記連通穴76と対応して、貫通穴80が形成されている。また、押え板79の中央には穴が形成されており、その穴にはバルブピストン53の突出先端部81が通される。バルブピストン53の突出先端部81には、軸受穴が先端側へのみ開口して形成されており、この軸受穴にはバルブシャフト70の端部がはめ込まれる。
バルブ収容穴52には、バルブフレーム58、バルブピストン53及びスプリング82が順に組み入れられて、バルブキャップ83で開口部を封止される。この際、バルブキャップ83は、バルブ収容穴52の基端部に着脱可能にねじ込まれて取り付けられる。
バルブキャップ83は、本実施形態では、キャップ本体84と筒材85とを組み合わせて構成される。筒材85は、段付き円筒状であり、先端側の小径部86が、バルブフレーム58の円筒状部60の内径と対応した外径に形成されており、基端側の大径部87が、バルブ収容穴52の円筒状部55の内径と対応した外径に形成されている。従って、筒材85は、先端側の小径部86がバルブフレーム58の基端部にはめ込まれ、基端側の大径部87がバルブ収容穴52の基端部にはめ込まれる。この際、バルブフレーム58の基端部と筒材85の段付き部との間にOリング88が配置され、バルブフレーム58と筒材85及びバルブハウジング5との隙間が封止される。
筒材85の中空穴内には、軸方向中途部に隔壁89が形成されており、中空穴が閉じられている。隔壁89の中央部には、筒状のバネ受け90が先端側へ突出して設けられている。スプリング82は、基端部がバネ受け90にはめ込まれ、先端部がバルブピストン53の内穴にはめ込まれる。
バルブ収容穴52に、バルブフレーム58、バルブピストン53、スプリング82及び筒材85を組み入れた状態で、バルブ収容穴52の基端部にキャップ本体84が取り付けられる。つまり、バルブ収容穴52の円筒状部55の基端部は、外周面がネジ部91とされる一方、キャップ本体84は、先端側へのみ開口した略筒状で、内周面にネジ穴92が形成されている。従って、バルブ収容穴52のネジ部91に、キャップ本体84を着脱可能に取り付けることができる。バルブ収容穴52の基端部にキャップ本体84を取り付ける際、バルブハウジング5とバルブキャップ83との隙間は、Oリング93より封止される。
なお、バルブキャップ83は、強度アップのため、キャップ本体84と筒材85とを別体として構成したが、バルブ収容穴の口径が小さい場合には、両者を一体に形成してもよい。後述する第二弁群50の各弁9〜13は、キャップ本体84と筒材85とが一体に形成されている。
バルブ収容穴52に、バルブフレーム58、バルブピストン53及びスプリング82などを組み付けた状態では、前述したように、第一開口56と第二開口57とは、バルブフレーム58の内穴を介してのみ連通する。また、バルブピストン53は、スプリング82の付勢力により、先端側へ付勢される。そして、図7に示すように、バルブフレーム58の弁座部67にバルブピストン53の第一シール材77が押し付けられた状態では、第一開口56と第二開口57との連通が遮断される。逆に、図8に示すように、スプリング82の付勢力に対抗して、バルブシャフト70が基端側へ押し込まれ、バルブピストン53が基端側へ押し戻されると、第一開口56と第二開口57との連通が確保される。
バルブピストン53の基端部は、バルブキャップ83の筒部(本実施形態では筒材85)にはめ込まれ、筒材85内を摺動する。バルブピストン53とバルブキャップ83の筒材85との間に、チャンバ94が形成される。このチャンバ94は、バルブピストン53の連通穴76を介して第一開口56の側と連通する。従って、閉弁状態において、チャンバ94は、バルブピストン53の連通穴76を介して先端側の第一開口56と連通し、バルブピストン53にかかる開弁方向と閉弁方向の流体圧力の一部または全部をバランスさせる。これにより、第一開口56が流体入口側(高圧側)として使用された場合でも、スプリング82の付勢力を大きくする必要がなく、開弁に必要な駆動力を低減することができる。
第二弁群50を構成する各弁(第一予備弁12、第二予備弁13、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9及び洗浄排水弁10)は、第一弁群49を構成する各弁6〜8よりも小さいが、第一弁群49を構成する各弁6〜8と基本的には同様の構成である(図9、図10)。そこで、以下では両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。但し、第一弁群49の各弁6〜8の構成と、第二弁群50の各弁9〜13の構成とを一応区別できるように、後者の構成には添え字「A」を付している。たとえば、第一弁群49のバルブピストンは「バルブピストン53」として示すが、第二弁群50のバルブピストンは「バルブピストン53A」として示している。
第二弁群50を構成する各弁のバルブ収容穴52Aは、後方へ開口して形成されている。それ故、各バルブ収容穴52Aは、前方に円錐台状部54Aが配置され、後方に円筒状部55Aが配置される。また、円錐台状部54Aの下部に第一開口56Aが形成され、円筒状部55Aの下部に第二開口57Aが形成されている。
図1を参照して、第二逆洗排水弁11は、第一開口56Aが第二上部通水口21と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。第一逆洗排水弁9は、第一開口56Aが第一上部通水口17と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。洗浄排水弁10は、第一開口56Aが下部通水口19と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。
第一弁群49の場合、バルブキャップ83は、キャップ本体84と筒材85とから構成されたが、第二弁群50の場合、バルブキャップ83Aは、キャップ本体84と筒材85とが一体形成されている。つまり、図10に示すように、筒部85Aの基端部において、筒部85Aにバルブキャップ83Aが予め固定された一部品とされる。
その他、バルブキャップ83Aやバルブピストン53Aのデザインなどにおいて、第一弁群49と第二弁群50の各弁は若干異なるものの、基本的な相違はないので、説明は省略する。
第一弁群49及び第二弁群50の各弁6〜13は、カム47により開閉を操作される。図5に示すように、第一弁群49と第二弁群50との間には、左右方向へ沿ってカムシャフト48が設けられており、このカムシャフト48に、前記各弁6〜13と対応してカム47が設けられている。
カム47の外周面は、バルブシャフト70(70A)に設けたローラ73(73A)への当接部とされる。ローラ73(73A)の回転軸は左右方向へ沿って配置され、ローラ73(73A)の外周面がカム47の外周面に当接する。また、ローラ73(73A)は、スプリング82(82A)により、カム47の外周面に付勢される。従って、カム47が回転すると、ローラ73(73A)が回転しつつ、バルブ収容穴52(52A)に対しバルブシャフト70(70A)が進退される。
カムシャフト48の回転に伴い、カム47がバルブシャフト70(70A)を、バルブハウジング5の前後方向外側へ押し込めば、バルブピストン53(53A)が弁座部67(67A)から離れて開弁状態となる(図8)。逆に、カムシャフト48の回転に伴い、バルブシャフト70(70A)の前記押し込みが解かれると、スプリング82(82A)の付勢力により、バルブピストン53(53A)がバルブハウジング5の前後方向内側へ移動し、閉弁状態となる(図7)。
各弁6〜13に対応するカム47の形状を変えることで、図2〜図4に示すような開閉状態に制御することができる。カム47の回転は、カムシャフト48をモータ108で回転させることで行われる。モータ108の回転は、制御部150から出力される指令信号により制御される。制御部150から指令信号を出力してモータ108を回転させると、その回転力は減速歯車列109を介してカムシャフト48に伝達される。制御部150からモータ108に出力される指令信号により、カム47の回転位置を制御することができる。なお、カム47は、工程ごとに間欠的に回転される。
減速歯車列109を構成すると共にカムシャフト48の端部に設けられるカムギア110の側面には、短円筒状に突出して、内筒111と外筒112とが同心円状に形成されている。内筒111には、周方向一箇所に原点検出用の切欠き113が形成され、外筒112には、各工程位置と対応して工程検出用の切欠き114が形成されている。そして、内筒111及び外筒112の各切欠き113,114は、フォトインタラプタのようなフォトセンサ(図示省略)で読み取ることができる。センサにより各切欠き113,114が読み取られると、各センサから制御部150に検出信号が送信される。従って、制御部150は、カム47の原点位置や現在位置(言い換えればどの工程を実行中か)を、センサから送信される検出信号により確認することができる。また、このような工程位置を目視で確認できるように、カムギア110の軸端に、工程位置の指示板(図示省略)を設けてもよい。
本実施形態によれば、第一弁群49には、第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8という通水系統の弁を配置し、第二弁群50には、第一予備弁12、第二予備弁13、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9及び洗浄排水弁10という排水系統の弁を配置した。通水系統と排水系統とを分けることで、各工程における流路を取り易い。また、第一弁群49は、第二弁群50よりも弁数が少ないため、通水弁6,7やバイパス弁8として比較的大きな口径の弁を用いても、流路制御弁1の全体の収まりがよい。これにより、通水系統の口径を大きくして、通水容量を大きくとることができる。
また、第一通水弁6と第二通水弁7との間にバイパス弁8を配置することで、第一通水路14と第二通水路15との間にバイパス路24を取り易い。しかも、原水入口22及び処理水出口23を第一弁群49の側に設けることで、通水系統を完全にまとめることができる。
一方、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10及び第二逆洗排水弁11をまとめることで、排水系統の流路を取り易い。しかも、排水口25を第二弁群50の側に設けることで、排水系統を完全にまとめることができる。また、第一予備弁12と第二予備弁13とをまとめることで、イオン交換装置に適用して再生剤を導入する際においても、再生剤の流路も取り易い。
また、各弁6〜13は、閉弁状態において、バルブ収容穴52(52A)の基端部にチャンバ94(94A)が形成され、このチャンバ94(94A)はバルブピストン53(53A)の連通穴76(76A)を介して先端側の第一開口56(56A)と連通する。これにより、バルブピストン53(53A)にかかる開弁方向と閉弁方向の流体圧力の一部または全部をバランスさせることができる。
また、バルブ収容穴52(52A)に、バルブフレーム58(58A)、バルブピストン53(53A)及びスプリング82(82A)を順に組み入れて、バルブキャップ83(83A)で開口部を封止するので、組立て及びメンテナンスが容易である。しかも、バルブ収容穴52(52A)にバルブフレーム58(58A)を設け、そのバルブフレーム58(58A)にバルブピストン53(53A)を進退可能に設けるので、バルブピストン53(53A)の摺動面積を減少させることができる。その上、バルブフレーム58(58A)の周側壁には大きな開口64(64A),65(65A)が形成されているので、通水流路を確保して圧力損失を低減することができる。
[第二実施形態]
図11は、第二実施形態における流路制御弁1Aを備える濾過装置2Aの概略図である。また、図12は、第二実施形態の流路制御弁1Aの概略斜視図である。
本実施例2の流路制御弁1Aは、前記第一実施形態より小さく、一部構成が異なるが、基本的には第一実施形態と同様である。そこで、以下では両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
第二実施形態の濾過装置2Aは、流路制御弁1Aの他、圧力タンク3、及び制御部150Aを備える。
流路制御弁1Aは、設定された流路が形成されたバルブハウジング5に、複数の弁6〜13が設けられている。各弁6〜13の開閉は、カム47(図12参照)の回転により操作される。そのカム47を回転させるモータ108は、制御部150Aと信号線を介して電気的に接続されている。各弁6〜13の開閉は、制御部150Aからモータ108に出力される指令信号により制御される。
第二実施形態において、各弁6〜13は、第一実施形態と同様に、カムシャフト48を境に、第一弁群49と第二弁群50とに前後に分かれて配置される。この際、第一予備弁12は、第一弁群49または第二弁群50のいずれに含めてもよいが、本実施形態では第一弁群49に含まれる。
第一弁群49は、第一通水弁6、第二通水弁7、バイパス弁8及び第一予備弁12を備える。この際、バイパス弁8は、第一通水弁6と第二通水弁7との間に配置されるのがよい。図12では、第一弁群49は、バルブハウジング5の前方に配置され、左から順に、第二通水弁7、バイパス弁8、第一通水弁6及び第一予備弁12が左右に並べて配置されている。
第二弁群50は、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10、第二逆洗排水弁11及び第二予備弁13を備える。この際、第一逆洗排水弁9と洗浄排水弁10とが隣接して配置され、これと隣接して第二逆洗排水弁11が配置されるのがよい。図12では、第二弁群50は、左から順に、第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10及び第二予備弁13が左右に並べて配置されている。また、第一弁群49の第一予備弁12と、第二弁群50の第二予備弁13とは、前後に対向して配置されている。
バルブハウジング5には、流体の出入口として、前述したように、原水入口22、処理水出口23及び排水口25が設けられている。
原水入口22及び処理水出口23は、第一弁群49の側に設けられるのが好ましい。本実施形態では、原水入口22は、第一通水弁6とバイパス弁8との中間部に、前方へ開口して設けられ、処理水出口23は、第二通水弁7とバイパス弁8との中間部に、前方へ開口して設けられる。より具体的には、第一通水路14の端部が、バルブハウジング5の第一通水弁6とバイパス弁8との中間部に、前方へ延出して設けられており、その前端開口が原水入口22とされる。また、第二通水路15の端部が、バルブハウジング5の第二通水弁7とバイパス弁8との中間部に、前方へ延出して設けられており、その前端開口が処理水出口23とされる。
排水口25は、第二弁群50の側に設けられるのが好ましい。本実施形態では、排水口25は、第二逆洗排水弁11の側部に設けられる(図13)。より具体的には、第二逆洗排水路16、第一逆洗排水路26及び洗浄排水路27の端部をまとめる管が、第二逆洗排水弁11の側部から延出して設けられており、その端部開口が排水口25とされる。
図13は、第一弁群49及び第二弁群50の弁6〜13の分解斜視図であり、バルブハウジング5の後方から見た状態を示している。ここでは、第一弁群49の内、第二通水弁7を分解して示しているが、第一通水弁6及びバイパス弁8についても同様である。また、第二弁群50の内、第二逆洗排水弁11を分解して示しているが、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10及び第二予備弁13についても同様であり、さらに、第一弁群49の第一予備弁12についても同様である。つまり、本実施形態では、第一予備弁12は、第一弁群49に含まれるが、その構成は、第二弁群50の各弁9,10,11,13と等しい。
図14及び図15は、本実施形態の流路制御弁1Aの左側面視の概略縦断面図であり、第一弁群49の第二通水弁7と、第二弁群50の第二逆洗排水弁11とが示されている。図14では、通水工程を示しており、第二通水弁7が開弁状態、第二逆洗排水弁11が閉弁状態である。また、図15では、第二通水弁7が閉弁状態、第二逆洗排水弁11が開弁状態である。
図16は、本実施形態の流路制御弁1Aの右側面視の概略縦断面図であり、第一弁群49の第一予備弁12と、第二弁群50の第二予備弁13とが示されている。ここでは、第一予備弁12が開弁状態、第二予備弁13も開弁状態である。なお、図16では、カム47やそのピン溝130の形状は、簡略化して示しており、実際とは異なる。
第一弁群49及び第二弁群50の各弁6〜13は、バルブハウジング5に形成されたバルブ収容穴52(52A)に、バルブピストン53(53A)が進退可能に設けられてなる。バルブ収容穴52(52A)は、バルブハウジング5の上方へ開口するよう垂直に設けられている。
第一弁群49を構成する各弁の内、第一予備弁12を除いた各弁(第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8)は、互いに同一の構成である。具体的には、図12〜図15に基づき、以下に説明する。なお、バルブ収容穴52は、前述したとおりバルブハウジング5の上方へ開口するが、その開口部の側(つまり上方)を基端側、これと反対側(つまり下方)を先端側ということがある。
バルブ収容穴52は、段付き穴に形成されており、上方に大径穴115、下方に小径穴116が配置される。バルブ収容穴52の小径穴116内の上部は、弁座部67として機能する。但し、弁座部67として、場合により、バルブ収容穴52の段付き部を利用してもよい。
バルブ収容穴52の大径穴115の下部には、周方向等間隔に複数のリブ117が設けられており、各リブ117は大径穴115の周側壁から径方向内側へ突出すると共に、大径穴115の軸方向へ沿って形成されている。これにより、バルブピストン53の下端部は、各リブ117の径方向内側への突出先端部に案内されて、バルブ収容穴52の軸線に沿って移動可能とされる。
バルブ収容穴52には、その軸方向に離隔した位置に、そのバルブ収容穴52に対する流体の出入口となる第一開口56と第二開口57とが形成されている。第一開口56は、小径穴116の下方(周側壁または下壁)に設けられ、第二開口57は、大径穴115の周側壁に設けられている。
図11を参照して、第一通水弁6は、第一開口56が第一上部通水口17と連通し、第二開口57が原水入口22と連通する。第二通水弁7は、第一開口56が下部通水口19と連通し、第二開口57が処理水出口23と連通する。バイパス弁8は、第一開口56が処理水出口23と連通し、第二開口57が原水入口22と連通する。
バルブ収容穴52には、バルブピストン53が進退可能に設けられる。バルブピストン53は、段付き円柱状とされ、下方の大径部118と、上方の小径部119とを備える。大径部118の軸方向両端部は、さらに大径の拡径部120,121とされており、その外周部には円環状溝が形成されている。そして、下方の円環状溝に第一シール材77が設けられ、上方の円環状溝に第二シール材78が設けられる。各シール材77,78は、たとえば、断面X字形状の円環状のXリングである。
バルブピストン53の下方の拡径部121は、第一シール材77が装着されており、バルブ収容穴52の大径穴115の下部において各リブ117に案内されて上下動すると共に、小径穴116の上部にはめ込み可能とされている。一方、バルブピストン53の上方の拡径部120は、第二シール材78が装着されており、バルブキャップ83の筒部85を摺動する。
バルブピストン53の小径部119の上端面には、上方へのみ開口してネジ穴122が形成されている。このネジ穴122には、後述するように、ピストンフック123が取付可能とされる。一方、バルブピストン53の大径部118には、上下に貫通して連通穴76が形成されている。この連通穴76は、大径部118の下端面へ開口すると共に、大径部118と小径部119との段付き面において周方向複数箇所に開口する。
バルブ収容穴52には、バルブピストン53が組み入れられて、バルブキャップ83で開口部を封止される。バルブキャップ83は、略矩形の上板124を備え、その下面には、下方へ延出して円筒状の筒部85が一体形成されている。バルブキャップ83は、バルブ収容穴52の上部開口(大径穴115の上部)に筒部85をはめ込んで取り付けられる。その際、バルブキャップ83の上板124の下面が、バルブ収容穴52の周側壁の上面に当接される。また、上板124を介してバルブハウジング5にネジ125をねじ込むことで、両者は一体化される。この際、バルブハウジング5とバルブキャップ83との隙間は、Oリング88により封止される。このようにして、バルブキャップ83は、バルブ収容穴52の上端部に着脱可能に取り付けられる。
バルブキャップ83には、バルブピストン53の小径部119が水密状態で通される。つまり、バルブキャップ83の上板124は、中央部に貫通穴を有し、その貫通穴にバルブピストン53の小径部119が通される。バルブキャップ83に保持されたOリング126により、バルブピストン53とバルブキャップ83との隙間が封止される。なお、このOリング126は、バルブキャップ83の下方から装着され、バルブキャップ83の上板124の下面に取り付けられるシール押え127にて保持される。
バルブピストン53の小径部119には、前述したとおり、上方へ開口してネジ穴122が形成されており、このネジ穴122には、ピストンフック123が取り付けられる。このピストンフック123を介して、バルブピストン53をレバー128により上下動させることができる。
具体的には、バルブハウジング5の上部には、カムシャフト48の前後に、カムシャフト48と平行に、レバーシャフト129が設けられており、各レバーシャフト129には、複数のレバー128が揺動可能に設けられている。そして、各レバー128は、一端部がバルブピストン53の上端部のピストンフック123に揺動可能に保持される一方、他端部のピンがカム47の側面のピン溝130に係合される。これにより、カム47の側面のピン溝130の形状に応じて、レバー128がレバーシャフト129まわりに動くことで、バルブピストン53を上下動させることができる。
図12に示されるように、第二実施形態では、四つのカム47が配置されており、その一端面に、第一弁群49の各弁を操作するレバー128が係合され、他端面に、第二弁群50の各弁を操作するレバー128が係合される。
図15の右側に示すように、バルブピストン53を下方へ押し込んで、バルブ収容穴52の小径穴116にバルブピストン53の下方の拡径部121(第一シール材77)をはめ込んだ状態では、第一開口56と第二開口57との連通が遮断される。逆に、図14の右側に示すように、バルブピストン53を上方へ引き上げて、バルブ収容穴52の小径穴116からバルブピストン53の下方の拡径部121を引き抜いた状態では、第一開口56と第二開口57との連通が確保される。
バルブピストン53の上方の拡径部120(第二シール材78)は、バルブキャップ83の筒部85にはめ込まれ、筒部85内を摺動する。バルブピストン53とバルブキャップ83の筒部85との間に、チャンバ94が形成される(図15)。このチャンバ94は、バルブピストン53の連通穴76(図13)を介して第一開口56の側と連通する。従って、閉弁状態において、チャンバ94は、バルブピストン53の連通穴76を介して先端側の第一開口56と連通し、バルブピストン53にかかる開弁方向と閉弁方向の流体圧力の一部または全部をバランスさせる。これにより、第一開口56が流体入口側(高圧側)として使用された場合でも、開閉に必要な駆動力を低減することができる。
第二弁群50を構成する各弁(第二逆洗排水弁11、第一逆洗排水弁9、洗浄排水弁10及び第二予備弁13)の他、第一弁群49の第一予備弁12は、第一弁群49を構成する第一予備弁12以外の各弁(第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8)よりも小さいが、それら各弁6〜8と基本的には同様の構成である。そこで、以下では両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。但し、第一予備弁12を除く第一弁群49の各弁の構成と、第二弁群50の各弁(及び第一弁群49の第一予備弁12)の構成とを一応区別できるように、後者の構成には添え字「A」を付している。たとえば、第一弁群49のバルブピストンは「バルブピストン53」として示すが、第二弁群50のバルブピストンは「バルブピストン53A」として示している。
図11を参照して、第二逆洗排水弁11は、第一開口56Aが第二上部通水口と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。第一逆洗排水弁9は、第一開口56Aが第一上部通水口17と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。洗浄排水弁10は、第一開口56Aが下部通水口19と連通し、第二開口57Aが排水口25と連通する。
図13に示すように、第一予備弁12を除く第一弁群49の各弁6〜8では、バルブピストン53の連通穴76は、大径部118の下端面と段付き面とに開口して形成されたが、第二弁群50の各弁9,10,11,13と第一弁群49の第一予備弁12では、バルブピストン53Aの連通穴76Aは、大径部118Aの下端面と小径部119Aの周側面に開口して形成される。つまり、小径部119Aの周側壁の下部には、周方向複数箇所に開口が形成されており、各開口が連通穴76Aの上部開口となる。そして、その連通穴76Aは、バルブピストン53Aの下端面へも開口する。また、第二弁群50の各弁9,10,11,13と第一弁群49の第一予備弁12では、バルブピストン53Aの大径部118Aと小径部119Aとは、ほぼ同一の直径とされる。
その他、バルブキャップ83(83A)やバルブピストン53(53A)のデザインなどにおいて、第一弁群49と第二弁群50の各弁6〜13は若干異なるものの、基本的な相違はないので、説明は省略する。
前述したように、第一弁群49及び第二弁群50の各弁6〜13は、カム47によりレバー128を介して開閉を操作される。つまり、カムシャフト48には、各弁6〜13と対応してカム47が設けられており、そのカム47の側面にはピン溝130が形成されている。一方、レバー128は、一端部がバルブピストン53(53A)の上端部のピストンフック123(123A)に保持される一方、他端部のピンがカム47の側面のピン溝130に係合している。従って、第二実施形態では、スプリングを用いることなく、レバー128により、バルブピストン53(53A)を直接に上下動させることができる。
カムシャフト48の回転に伴い、レバー128がバルブピストン53(53A)を下方へ押し込めば、小径穴116(116A)にバルブピストン53(53A)の下端部がはめ込まれて、閉弁状態となる。逆に、カムシャフト48の回転に伴い、レバー128がバルブピストン53(53A)を上方へ引き上げれば、小径穴116(116A)からバルブピストン53(53A)の下端部が抜かれて、開弁状態となる。
各弁6〜13に対応するピン溝130の形状を変えることで、図2〜図4に示すような開閉状態に制御することができる。カム47の回転は、カムシャフト48をモータで回転させることで行われる。モータ108の回転は、制御部150Aから出力される指令信号により制御される。制御部150Aから指令信号を出力してモータを回転させると、その回転力は減速歯車列109を介してカムシャフト48に伝達される。制御部150Aからモータに出力される指令信号により、カム47の回転位置を制御することができる。なお、カム47は、工程ごとに間欠的に回転される。
カムシャフト48には、図12に示すように、二枚のセンサ板143,144が設けられている。第一のセンサ板143には、周方向一箇所に原点検出用の切欠き113が形成され、第二のセンサ板144には、各工程位置と対応して工程検出用の切欠き114が形成されている。そして、これらセンサ板143,144の各切欠き113,114は、フォトインタラプタのようなフォトセンサ(図示省略)で読み取ることができる。センサにより各切欠き113,114が読み取られると、各センサから制御部150Aに検出信号が送信される。従って、制御部150Aは、カム47の原点位置や現在位置(言い換えればどの工程を実行中か)をセンサから送信される検出信号により確認することができる。また、このような工程位置を目視で確認できるように、カムシャフト48の端部に、工程指示板145を設けている。
ところで、前記各実施形態において、流路制御弁1(1A)のバルブハウジング5、バルブフレーム58(58A)、バルブピストン53(53A)及びバルブキャップ83(83A)などは、樹脂成形部品である。これら部品には、OリングやXリングのようなシールリングが装着されて、他の部材との隙間を封止する箇所がある。たとえば、バルブピストン53(53A)には、第一シール材77(77A)や第二シール材78(78A)が装着されて、弁座部67や筒部85との隙間を封止される。
従来、樹脂成形部品での流体シール構造は、樹脂成形部品に円環状溝を形成しておき、そこにシールリングをはめ込んでいる。但し、この方法では、摺動する二部材間にシールリングが挟み込まれていることが条件となり、そうでない場合には、流体の流速による負圧のため、円環状溝からシールリングが外れるおそれがある。これを防止するには、シールリングは、樹脂成形部品に取り付けられる内径側を大きく形成して、円環状溝に引っ掛けられる必要があった。これに対し、樹脂成形部品146のプラスチックと、シールリング147のゴムとを分子間結合させてもよい。
以上、本発明に係る流路制御弁の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明に係る流路制御弁1(1A)は、前記各実施形態の構成に限らず適宜変更可能である。例えば、前記各実施形態では、流路制御弁1(1A)は八つの弁を備えたが、濾過装置2の構成に応じて、弁の数は変更可能である。その場合でも、第一弁群49には、第一通水弁6、第二通水弁7及びバイパス弁8が含まれ、第一予備弁12は、第一弁群49または第二弁群50のいずれかに含まれ、第二弁群50には、第一弁群49に含まれない残りの弁が含まれるのがよい。
また、各弁6〜13の構成は、前記各実施形態に限定されない。その場合でも、各弁6〜13は、バルブハウジング5に形成されたバルブ収容穴52に、バルブピストン53が進退可能に設けられてなるのがよい。そして、バルブピストン53は、弁座部67(前記第二実施形態のように弁穴でもよい)に第一シール材77を当接して、第一開口56と第二開口57との連通を遮断し、その状態では、第二シール材78がバルブ収容穴52の基端部においてチャンバ94を形成し、このチャンバ94はバルブピストン53の連通穴76を介して第一開口56と連通するのがよい。