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JP6125830B2 - 機器の据付方法 - Google Patents
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本発明は、内燃機関等の機器を据え付ける付方法に関する。
従来、船舶において、主機及び補機と呼ばれるディーゼルエンジン及びディーゼル発電機は、甲板等の据付面に据え付けられている。この主機の据付方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。以下に、主機の据付方法について説明する。まず、主機は、据付面から浮かせた状態で、傾きや方向等を調整される。これは、船舶の主機が、プロペラを固定された主軸との位置関係等を正確に決定されなければならないからである。
次に、位置合わせを行った主機を仮に固定する。その後、据付面と主機の下面となる設置面の間に、液状の樹脂ライナー(エポキシ樹脂等)を流し込み、硬化させ、主機を最終的に固定する。この樹脂ライナーを利用した主機の据付方法により、主機の位置合わせを正確に行い、据付面に対して正確な位置を維持したまま固定することが可能となる。また、樹脂ライナーの利用により、主機の据付を低コストで行うことができる。
しかし、上記の据付方法は、船内に発生する騒音を十分に抑制できないという問題を有している。これは、樹脂ライナー及び据付面を介して船体に伝達された主機の振動が、船内騒音の原因となるからである。他方で、IMOの騒音規制が改定され、居住区やワークショップでの騒音の規制値が引き下げられた。以上より、主機の振動を原因とする騒音対策が求められている。
なお、一般的なエンジン等の騒音対策として、防振支持構造を介してエンジン等を据え付ける方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。この防振支持構造は、防振ゴム及び圧縮コイルスプリングにより、振動を減衰する構成を有している。この構成により、エンジン等の騒音を抑制することができる。
しかし、この防振支持構造は、据付の際の位置決めに高い精度を要求される主機には、利用できないという問題を有している。これは、防振支持構造の変位及び変形等により、主機の位置が一意に決まらないからである。
また、防振支持構造の利用により、据付コストが上昇するという問題を有している。これは、防振支持構造が複雑な構造を有しているからである。特に、主機が、外部に別途設置されるスラスト軸受けを有している場合、スラスト軸受けも支持する構造が必要となり、防振支持構造の部品点数が増加し、構造が複雑になるからである。更に、防振ゴムや圧縮コイルスプリング等の交換等が必要となり、メンテナンス費用が発生するからである。
加えて、防振支持構造の採用のために、船舶の機関室全体の設計を抜本的に変更しなくてはならないという問題を有している。これは、防振支持構造自体が大型であり、防振支持構造を配置する空間の確保が必要となるからである。
加えて、防振支持構造の利用により、船舶の重量が増加するという問題を有している。これは、超重量物である主機を支持するために、防振支持構造の重量も過大なものとなるからである。
以上より、従来は、位置決めに高い精度を要求される主機等の機器を、樹脂ライナーで据え付ける据付構造において、機器の振動を抑制し、騒音を低減することはできなかった
実用新案登録第3174040号公報 特開2002−130374号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂ライナーを介して主機等の機器を据付面に据え付ける付方法において、機器から据付面に伝達される振動を抑制し、騒音を低減する付方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る据付方法は、機器の設置面とこの設置面に対向する据付面との間に液状の樹脂ライナーを流し込み、その後硬化させて前記機器を前記据付面に固定する据付方法において、前記据付面に対する前記機器の位置決めを行なう位置決めステップと、硬化した前記樹脂ライナーで構成されるコマを前記設置面に対向する前記据付面に配置して、前記コマの上に制振部材を配置する配置ステップと、前記配置ステップの後に前記設置面と前記据付面との間に液状の前記樹脂ライナーを流し込み、前記制振部材を内包する状態で前記樹脂ライナーを硬化させて前記機器を前記据付面に固定する固定ステップとを有することを特徴とする。
本発明の据付構造及び据付方法によれば、機器から据付面に伝達される振動を抑制し、騒音を低減する据付構造及び据付方法を提供することができる。
本発明に係る実施の形態の据付方法における位置決めステップの概略を示した図である。 本発明に係る実施の形態の据付方法における配置ステップの概略を示した図である。 本発明に係る実施の形態の据付方法における固定ステップの概略を示した図である。 本発明に係る異なる実施の形態の据付構造の概略を示した図である。 本発明に係る異なる実施の形態の据付構造の概略を示した図である。
以下、本発明に係る実施の形態の据付構造及び据付方法について、図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に係る実施の形態の据付方法における位置決めステップの概略を示す。ここでは、機器2を船舶における主機(ディーゼルエンジン)とした場合を例に説明する。この位置決めステップでは、まず、甲板等の据付面3に対して、主機(機器)2を配置し、位置決めを行う。この際、主機2は、冶具等により仮に固定されており、据付面3から浮いた状態となる。なお、6は、主機2の下面となる設置面6を示している。
図2に、据付方法における配置ステップの概略を示す。この配置ステップでは、主機2の設置面6と据付面3の間に制振部材4を配置する。この制振部材4は、主機2に対応する各所に適宜配置されることが望ましい。
ここで、制振部材4は、ゴム又はウレタン等の従来の制振又は防振性能を有する材料のいずれであっても構成することができる。望ましくは、制振部材4を、多孔質金属で構成する。この多孔質金属で構成された制振部材について説明する。多孔質金属とは、内部に複数の空隙を有しており、この空隙の複雑な構造により、主機2の振動を減衰し、この振動の周波数に対して共振しない性質を有するものである。この多孔質金属は、例えば金属の切削屑を圧搾成形したもので構成することができる。特に、鋳鉄の切削屑を原料とすることが望ましい。これは、空隙の形状及び配置が複雑化し、振動を減衰する性能が向上するからである。また、多孔質金属は、アルミやアルミ合金等を原料とする発泡金属で構成してもよい。
図3に、据付方法における固定ステップの概略を示す。この固定ステップでは、主機2の設置面6と据付面3の間に液状の樹脂ライナー(エポキシ樹脂等)5を流し込み、硬化させる。この樹脂ライナー5の硬化により、主機2は甲板等の据付面3に固定される。ここで、樹脂ライナー5を流し込む際は、図示しない漏れ止めのダム等が配置される。最後に、主機2の位置決めを行うために配置されていた冶具(図示しない)を取り除き、主機2の据付を完了する。なお、1は、主機2と据付面3の間に配置された制振部材4及び樹脂ライナー5を含む据付構造1を示している。
ここで、樹脂ライナー5の厚み(図3上下方向の長さ)は船舶の大きさ等により異なるが、例えば5万6千重量トン型ばら積み船等の一般商船の場合は、35mm程度となる。また、制振部材4の厚みは、3〜25mm程度の範囲で、制振部材4に要求される振動減衰性能に応じて適宜決定することができる。
上記の構成により、本発明の据付構造1及び据付方法は、以下の作用効果を得ることができる。第1に、機器(主機)2から据付面3に伝達される振動を抑制し、騒音を低減することができる。これは、制振部材4が、主機3から据付面3に伝達される振動を吸収するからである。特に、多孔質金属で構成された制振部材4を採用した場合は、更に騒音を低減することができる。これは、多孔質金属で構成された制振部材4が、振動を吸収し、共振現象を起こさない性質を有しているためである。
第2に、低コストで機器2の振動を原因とする騒音を低減することができる。これは、例えば多孔質金属等で構成された制振部材4の製造コストが、低廉だからである。また、機器2を据え付ける据付方法が、従来の作業の途中で制振部材4を配置するのみであり、簡易だからである。
第3に、据付構造1の重量の増加を抑制することができる。いずれの材料を採用した制振部材4であっても、前述の特許文献2に記載された防振支持構造と比べると、十分に軽いからである。特に、船舶の据付構造においては、重量の抑制に対する要請が強い。
なお、制振部材4を配置する位置(高さ)は、図2及び図3に示した位置に限定されない。例えば、据付面3上に樹脂ライナーを硬化させて形成したコマ等を配置し、このコマの上に制振部材4を配置するように構成することもできる。また、設置面6と据付面3の間に樹脂ライナー5を流し込み、その後、制振部材4を配置し、更に樹脂ライナー5を流し込むようにして構成することもできる。
更に、制振部材4の平面視における面積は、機器2に応じて適宜決定することができる。加えて、壁面に対して固定するような機器に対しても、上記の据付構造1を採用することができる。
図4に、本発明に係る異なる実施の形態の据付構造1Aを示す。この据付構造1Aは、制振部材4Aが主機(機器)2の下面である設置面6に、予め固定された構成を有している。この制振部材4Aの固定は、ボルトや接着剤等の周知の方法を利用することができる。
次に、据付構造1における据付方法を説明する。まず、例えば機器2を製造する工場等において、機器2の設置面6に制振部材4Aが設置される(設置ステップ)。その後、機器2を据え付ける現場等において、据付面3に対して機器2を配置し、位置決めを行う(位置決めステップ)。最後に、機器2の設置面6及び制振部材4Aと、据付面3の間の空間に、樹脂ライナー5を流し込み、硬化させる(固定ステップ)。
上記の構成により、本発明の据付構造1A及び据付方法は、以下の作用効果を得ることができる。第1に、前述と同様、機器2から据付面3に伝達される振動を抑制し、騒音を低減することができる。
第2に、機器2の据付時の作業性の向上及び低コスト化を実現することができる。これは、例えば機器2の据付を行う造船所等の現場では、従来の据付方法とほとんど変わらない作業を行えばよいからである。すなわち、現場では、機器2の位置決めを行う位置決めステップと、その後、樹脂ライナー5で固定する固定ステップを実行する据付作業を行えばよい。特に、制振部材を設置する面積が大きい場合には、現場において制振部材の搬送及び配置等を行う作業(配置ステップ)が不要となるため、機器2の据付時の作業性が大幅に向上する。
なお、図3に示す据付構造1の場合は、従来の機器2をそのまま使用しながら、騒音を低減することができる。そのため、造船所等の作業現場を有する側の判断により、本発明の据付構造1を採用することができる。
他方で、図4に示す据付構造1Aの場合は、機器2を製造するメーカーで制振部材4Aを設置することができる。そのため、機器2を製造するメーカー側の判断により、本発明の据付構造1Aを採用することができる。このとき、造船所等の作業現場を有する側は、据付方法の変更が発生しないため、この据付構造1Aの採用が容易となる。
図5に、本発明に係る異なる実施の形態の据付構造1Bを示す。この据付構造1Bは、機器2Bが、設置面6に形成された少なくとも1つの凹部7を有しており、制振部材4Bがこの凹部7内に予め固定された構成を有している。特に、制振部材4Bの下面と機器2Bの設置面6は、段差がなく同一平面を形成するように(面一となるように)構成することが望ましい。
この構成により、本発明の据付構造1B及び据付方法は、図4に示した据付構造1Aで得られる作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。第1に、機器2Bの据付構造1Bの耐久性を向上することができる。これは、制振部材4Bが熱により膨張した場合であっても、制振部材4Bの膨張を、凹部7により拘束できるからである。この拘束により、制振部材4Bが図5左右方向に膨張し、樹脂ライナー5を圧迫して破壊してしまう事故を防止することができる。
具体的には例えば、図4に示す据付構造1Aを、ディーゼルエンジン等の熱が発生する機器2に採用した場合、樹脂ライナー5に比べて熱膨張率の大きい金属製の制振部材4Aが図4左右方向等に膨張し、樹脂ライナー5を破壊するおそれがある。これに対して、図5に示す据付構造1Bは、制振部材4Bの熱膨張を凹部7により拘束することができるため、樹脂ライナー5の破壊を防止することができる。
第2に、上記の作用効果を、わずかなコストの増加で実現することができる。これは、機器2Bの凹部7の加工は、制振部材4Bを固定できればよく、高い加工精度を要求されないからである。
第3に、機器2Bの据付時の作業性を、更に向上することができる。これは、機器2Bにおいて、制振部材4Bの設置に伴う外形変化がなく、造船所等の現場で従来の据付方法と同様の据付作業を採用できるからである。
なお、凹部7は、機器2B及び制振部材4Bの大きさ等から、機器2Bの設置面6に形成する数及び容積等を適宜決定することができる。
以上より、本発明の据付構造1、1A、1B及び据付方法は、機器2、2Bから据付面3に伝達される振動を抑制し、騒音を低減することができる。なお、本発明は、主に船舶の主機及び補機の据付構造として採用することができる。また、本発明は、例えばウィンドラス(係船機器)等の他の機器の据付構造としても採用することができる。更に、本発明は、建造物等に設置する発電機等の据付構造としても採用することができる。
1、1A、1B 据付構造
2、2B 機器
3 据付面
4、4A、4B 制振部材
5 樹脂ライナー
6 設置面
7 凹部

Claims (1)

  1. 機器の設置面とこの設置面に対向する据付面との間に液状の樹脂ライナーを流し込み、その後硬化させて前記機器を前記据付面に固定する据付方法において、
    前記据付面に対する前記機器の位置決めを行なう位置決めステップと、
    硬化した前記樹脂ライナーで構成されるコマを前記設置面に対向する前記据付面に配置して、前記コマの上に制振部材を配置する配置ステップと、
    前記配置ステップの後に前記設置面と前記据付面との間に液状の前記樹脂ライナーを流し込み、前記制振部材を内包する状態で前記樹脂ライナーを硬化させて前記機器を前記据付面に固定する固定ステップとを有することを特徴とする据付方法。
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