以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の内装構造を、建物内空間が間仕切壁により複数の居住空間に仕切られた建物において具体化している。
図1は廊下11の内装構造を示す図、図2はコーブ形成部23の構成を示す図、図3は支持ブラケット31の構成を示す図である。なお、図1においては、(a)に廊下11の第1壁部12aの正面図を示し、(b)に(a)のA−A線断面図を示す。図2においては、(a)に図1(b)のB−B線断面図を示し、(b)に図1(b)のC−C線断面図を示し、(b)においては照明器具22の図示を省略している。図3においては、(a)に支持ブラケット31の斜視図を示し、(b)に支持ブラケット31を形成する板材51の図を示す。
図1(a)に示すように、建物は居住空間としての廊下11を有している。建物は、居住空間同士を仕切る間仕切壁12を有しており、廊下11は間仕切壁12により区画されている。間仕切壁12は、建物躯体に取り付けられた壁下地材と、壁下地材に取り付けられた壁面材とを有しており、壁面材は壁下地材を挟んで一対設けられている。壁下地材は下地フレーム等により形成されており、壁面材は石膏ボード等により形成されている。
廊下11は、リビングや寝室といった別の居住空間に隣り合っており、間仕切壁12における廊下11と別の居住空間とを仕切る部分には、出入口13が設けられている。出入口13には、開口枠としてのドア枠14が取り付けられており、そのドア枠14に対して開き戸等のドア15が開閉可能に取り付けられている。
廊下11の照明方式は、間仕切壁12に対して照明を組み込んだ建築化照明(間接照明)とされている。廊下11には、上方に向けて開放されたコーブ21が設けられており、そのコーブ21に照明器具22が設置されている(図1(b)参照)。この場合、廊下11の照明方式は、天井面を照らすことで空間の明るさを得るコーブ照明であると言える。
廊下11においては、間仕切壁12との間にコーブ21を形成するコーブ形成部23が、その間仕切壁12に対して取り付けられている。間仕切壁12は、廊下11の幅方向に沿って延びる第1壁部12aと、第1壁部12aを挟んで互いに対向する一対の第2壁部12bとを形成しており、コーブ形成部23は、第1壁部12aに対して取り付けられている。コーブ形成部23は、第1壁部12aの幅方向に沿って延びており、一対の第2壁部12bに掛け渡された状態になっている。この場合、第1壁部12aの幅方向において、コーブ形成部23の幅寸法は一対の第2壁部12bの離間距離とほぼ同じ又はそれよりも僅かに小さくされている。
コーブ形成部23は、上下方向において天井寄りの高さ位置に配置されている。具体的には、コーブ形成部23は、出入口13のドア枠14よりも高い位置に配置されている。この場合、開放したドア15がコーブ形成部23に接触することを回避できる。なお、コーブ形成部23は、第2壁部12bに沿って延びる状態でその第2壁部12bに対して取り付けられていてもよい。ここで、コーブ形成部23がドア枠14よりも高い位置に配置されていれば、第1壁部12a及び第2壁部12bのいずれにコーブ形成部23を取り付ける場合でも、コーブ形成部23の高さ位置を変更する必要がない。
図1(b)に示すように、第1壁部12aには、コーブ形成部23を支持する支持ブラケット31が取り付けられており、コーブ形成部23は支持ブラケット31に固定されている。支持ブラケット31は、第1壁部12aに固定された壁固定部32と、壁固定部32から第1壁部12aとは反対側に向けて延びている腕木部33とを有している。
コーブ形成部23は、第1壁部12aから離間した位置に設けられている幕板部41と、腕木部33を上方及び下方から覆っている被覆部42とを有している。幕板部41は、所定間隔で第1壁部12aと対向しており、被覆部42から上方に向けて延びている。被覆部42は、幕板部41と第1壁部12aとの間に設けられており、それら幕板部41と第1壁部12aとに掛け渡された状態になっている。ここで、コーブ21は、第1壁部12a、幕板部41及び被覆部42により形成されており、下方に向けて凹んだ凹部になっている。
被覆部42は、腕木部33を上方から覆う上板部43と、腕木部33を下方から覆う下板部44とを有している。上板部43は腕木部33の上側に配置され、下板部44は腕木部33の下側に配置されている。上板部43と下板部44とは上下に離間しており、その離間部分を被覆部42の中空部46とすれば、中空部46は、第1壁部12aの幅方向に沿って延びている横長空間とされている。例えば、コーブ形成部23が第1壁部12aに取り付けられていない状態を想定すると、中空部46は、幕板部41とは反対側に向けて開放された溝部を形成していることになる。この場合、腕木部33が、溝部開放側(第1壁部12a側)から溝部内(中空部46)内に入り込んだ状態になっているとも言える。
上板部43及び下板部44は、幕板部41から第1壁部12aに向けて延びている。この場合、幕板部41と第1壁部12aとの並び方向において、上板部43及び下板部44は、それぞれの端面が幕板部41の板面に重ねられた状態で、ビスや接着剤等により幕板部41に対して固定されている。幕板部41と第1壁部12aとの並び方向において、上板部43及び下板部44の各幅寸法は、第1壁部12aと幕板部41との離間距離とほぼ同じ又はそれよりも若干小さくされており、上板部43及び下板部44と第1壁部12aとの間に隙間がない状態になっている。
なお、コーブ21内に設置されている照明器具22は、蛍光灯などの光源を有する長尺状の照明装置とされている。照明器具22は、被覆部42の上面(上板部43)に載置されており、ビス等により被覆部42(上板部43や連結部48,49)に対して固定されている。
コーブ形成部23においては、第1壁部12aと幕板部41との離間距離が、照明器具22の短手寸法の2倍よりも大きくされている。この場合、コーブ21内においては、上板部43の上に2つの照明器具22の端部同士が、第1壁部12aと幕板部41との並び方向に重ねた状態で配置されている。ここで、照明器具22の端部には、光源に電気的に接続される接続部などが配置されており、照明器具22の端部からは光が放出されないため、複数の照明器具22を単に直列に並べたのでは隣り合う照明器具22の境界部分において光の切れ目が生じてしまう。これに対して、隣り合う照明器具22の端部同士を横並びに重ねることで光の切れ目の発生を抑制できる。
図2(a),(b)に示すように、幕板部41、上板部43及び下板部44は、第1壁部12aの幅方向に延びており、いずれも一対の第2壁部12bに掛け渡された状態になっている。被覆部42は、上板部43と下板部44とを連結する連結部48,49を有している。連結部48,49は、被覆部42の中空部46に配置されており、第1壁部12aの幅方向に沿って所定間隔で複数並べられている。連結部48,49は、第1壁部12aと幕板部41とに掛け渡されており、一方の端面が幕板部41の側面に重ねられた状態で、ビスや接着材等により幕板部41に対して固定されている。
連結部48,49のうち、端部連結部48は、第1壁部12aの幅方向において被覆部42の端部に配置されており、中間連結部49は、中間位置に配置されている。この場合、被覆部42の中空部46は、中間連結部49により複数の空間部に仕切られており、それら空間部は被覆部42の幅方向に沿って並んでいる。端部連結部48は、その側面が第2壁部12bの壁面に重ねられた状態で、その第2壁部12bの壁下地材に対してビス固定されている。一方、中間連結部49は、その側面が支持ブラケット31の腕木部33の側面に重ねられた状態で、その腕木部33に対してビス等により固定されている。この場合、中間連結部49と腕木部33とは、第1壁部12aに沿って横並びに配置されている。
なお、コーブ形成部23においては、幕板部41、上板部43、下板部44、連結部48,49がそれぞれ木材や合成樹脂材料などにより形成されており、ビス等の固定具を打ち込み可能になっている。
支持ブラケット31は、第1壁部12aの幅方向に沿って所定間隔で複数設けられている。各支持ブラケット31は、第1壁部12aの幅方向において中間位置に配置されており、コーブ形成部23の各端部連結部48の位置に対応している。また、支持ブラケット31は、コーブ形成部23の下板部44よりも高い位置に配置されている。
支持ブラケット31において、壁固定部32及び腕木部33はそれぞれ板状に形成されている。壁固定部32は、その板面を第1壁部12aの壁面に重ねた状態で、第1壁部12aの壁下地材に対してビス等により固定されている。壁固定部32は、上下方向に延びている長尺部であり、ビス孔32aを複数有している。ビス孔32aは、壁固定部32において上端寄りの位置及び下端寄りの位置にそれぞれ配置されている。ここで、腕木部33は壁固定部32の下部に接続されている。この場合、上側のビス孔32aが腕木部33よりも高い位置に配置されているため、コーブ形成部23や照明器具22などから腕木部33に加えられた下向きの荷重が、各ビス孔32aに固定されたビス等に分散される。これにより、第1壁部12aに対する支持ブラケット31の固定強度を高めることができる。
壁固定部32の上端部は、上下方向において上板部43と幕板部41の上端部との間の高さ位置にある。この場合、壁固定部32は、被覆部42よりも上方に露出している一方で、壁固定部32がコーブ形成部23により覆い隠された状態になっており、住人等が廊下11において第1壁部12aを正面から見ただけでは、壁固定部32が見えないようになっている。ここで、上板部43において、第1壁部12a側の端部には幕板部41側に向けて凹んだ凹み部が形成されており、壁固定部32は、その凹部を通じて中空部46から第1壁部12aに沿って上方に向けてコーブ21内に突出している。
なお、壁固定部32においては、下側のビス孔32aは上板部43と下板部44との間の高さ位置に配置され、上側のビス孔32aは上板部43よりも高い位置に配置されている。また、壁固定部32の上下方向の長さ寸法(上下寸法)は、幕板部41の上下寸法よりも小さくされている。
腕木部33は、腕木部33の下部から左右方向に延びている長尺部であり、その下端部は壁固定部32の下端部と同じ高さ位置にされている。腕木部33の板面は上下方向に延びており、それによって、腕木部33と壁固定部32との接続部分が上下方向に延びている。この場合、腕木部33と壁固定部32との接続部分においては、腕木部33に加えられた下向きの荷重が上下に分散されるため、この接続部分が左右方向に延びている構成に比べて、壁固定部32による腕木部33の支持強度を高めることができる。
腕木部33の高さ寸法は、上板部43と下板部44との離間距離(中空部46の高さ寸法)よりも小さくされている。つまり、中間連結部49の高さ寸法よりも小さくされている。この場合、上下方向において上板部43及び下板部44のいずれを腕木部33に近づけるかによって、腕木部33に対するコーブ形成部23の相対的な高さ位置を変更することが可能になる。したがって、支持ブラケット31を第1壁部12aに取り付け後であっても、コーブ形成部23の高さ位置について微調整を行うことが可能になっている。
第1壁部12aからの腕木部33の延出寸法は、第1壁部12aからの被覆部42(上板部43及び下板部44)の延出寸法とほぼ同じにされている。この場合、上下方向において、上板部43及び下板部44のうち少なくとも一方と腕木部33とは離間しているものの、腕木部33は中間連結部49と同様に被覆部42の中空部46を左右に仕切ったような状態になっている。なお、腕木部33の先端面は幕板部41の板面に重なった状態になっている。
腕木部33には、ビス孔33aが複数設けられている。ビス孔33aは、腕木部33と中間連結部49との並び方向に沿って延びており、腕木部33において基端寄り(壁固定部32寄り)の位置及び先端寄り(幕板部41寄り)の位置にそれぞれ配置されている。このため、各ビス孔33aを使用して腕木部33に対して中間連結部49がビス等により固定されている場合、支持ブラケット31が、被覆部42における第1壁部12a側の部分と幕板部41側の部分の両方を支持していることになる。つまり、幕板部41と第1壁部12aとの並び方向において、支持ブラケット31がコーブ形成部23の全体を好適に支持していることになる。
なお、支持ブラケット31においては、壁固定部32に形成された下側のビス孔32aと、腕木部33に形成された各ビス孔33aとが同じ高さ位置に配置されている。
図3(a)に示すように、支持ブラケット31においては、壁固定部32の両側端部のうち一方の側端部に腕木部33が接続されている。支持ブラケット31は、金属材料により形成された略L字状の板材51が折り曲げられることで形成されている。
図3(b)に示すように、板材51には、上下方向に延びる上下部分51aと、その上下部分51aから側方に向けて延びている側方部分51bとを有している。この板材51を、上下部分51aと側方部分51bとの境界線を折曲線として、上下部分51aと側方部分51bとの角度が直角になるように厚み方向に折り曲げる。このようにして、板材51により支持ブラケット31が形成されている。この場合、上下部分51aにより壁固定部32が形成され、側方部分51bにより腕木部33が形成される。また、ビス孔32a,33aはあらかじめ板材51に形成されている。
次に、第1壁部12aにコーブ形成部23を取り付ける取り付け手順について、図4を参照しつつ説明する。図4はコーブ形成部23の取り付け手順を説明するための図である。
図4に示すように、まず、第1壁部12aに対して複数の支持ブラケット31を所定の高さ位置にそれぞれ取り付ける。ここで、コーブ形成部23について、上板部43に対して端部連結部48及び中間連結部49を取り付け、連結部48,49及び上板部43に対して幕板部41を取り付けておく。この状態で、上板部43を支持ブラケット31の上に載せ、それによって、支持ブラケット31に対するコーブ形成部23の仮取り付けを行う。
この場合、コーブ形成部23は、下板部44だけを取り付けていない状態になっており、支持ブラケット31の腕木部33、端部連結部48及び中間連結部49が下方に露出している。そこで、作業者はコーブ形成部23に対して下方から、端部連結部48を第2壁部12bに固定するとともに、中間連結部49を腕木部33に固定する。ここで、コーブ形成部23が腕木部33の上に載せられているため、作業者は、片手でコーブ形成部23を位置保持しながらもう一方の手で腕木部33への固定作業を行うという必要がなく、腕木部33への固定作業を両手で行うことが可能になる。これにより、腕木部33への固定作業を容易化できる。
その後、連結部48,49及び腕木部33などを下方から覆うように下板部44を連結部48,49に固定する。ここで、コーブ形成部23については、下板部44に対して連結部48,49を取り付けておき、上板部43だけを取り付けていない状態で支持ブラケット31に取り付けることも可能である。ところが、本実施形態では、コーブ形成部23を天井寄りの高さ位置に設置するため、上板部43を後付けする作業手順では、上板部43の取り付け作業を幕板部41と天井面との間という狭小空間で行うことになり、作業効率が低下することが懸念される。これに対して、下板部44を後付けする作業手順では、下板部44の取り付け作業を幕板部41よりも下側の広い空間で行うことができる。
ちなみに、コーブ形成部23については、まず、中間連結部49を腕木部33に取り付けるとともに、端部連結部48を第2壁部12bに取り付けておき、その後、連結部48,49に幕板部41、上板部43及び下板部44を個別に取り付けることも可能である。
そして、コーブ形成部23を第1壁部12aに対して取り付けた後には、コーブ21内に照明器具22を設置する。この場合、照明器具22を上板部43の上に載置し、ビス等の固定具を用いて連結部48,49に対して固定する。なお、照明器具22は上板部43の上に載置しただけで、連結部48,49に対しては固定しておかなくてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
コーブ形成部23においては、被覆部42が支持ブラケット31の腕木部33を上下両方から覆っているため、コーブ形成部23を設置する高さに関係なく、廊下11において人の視界に腕木部33が入ることを被覆部42により抑制できる。したがって、第1壁部12aに対してコーブ21が設けられている廊下11において、第1壁部12aに対する意匠性を好適なものにすることができる。
しかも、支持ブラケット31の壁固定部32は、幕板部41の上端と下端との間の高さ位置に設けられているため、幕板部41が壁固定部32を覆い隠した状態になっている。この場合、廊下11において人の視界に壁固定部32が入りにくくなっており、第1壁部12aに対する意匠性が壁固定部32により低下するということを抑制できる。
被覆部42においては、上板部43と下板部44との間の空間を、腕木部33を収納するための空間として利用することができる。しかも、その空間は第1壁部12aの幅方向に沿って延びる横長空間になっているため、腕木部33が第1壁部12aの幅方向に沿って複数設けられている構成において、全ての腕木部33を上板部43と下板部44との間に収納することが可能になる。したがって、腕木部33の配置が上板部43及び下板部44により制限されることがなく、コーブ形成部23を支持する上で好適な位置に腕木部33(支持ブラケット31)を配置することができる。
上板部43及び下板部44は中間連結部49を介して腕木部33に固定されているため、上板部43と下板部44との離間距離を腕木部33の高さ寸法に左右されることなく所定値に設定することができる。したがって、支持ブラケット31が複数設けられている構成において、仮に各支持ブラケット31の腕木部33の高さ寸法に製造誤差が含まれていたとしても、それら腕木部33に上板部43及び下板部44に取り付けられる各部分について、上板部43と下板部44との離間距離を均一化することができる。この場合、上板部43の上面や下板部44の下面を平坦面にすることができ、ひいては、コーブ形成部23の意匠性を高めることになる。
支持ブラケット31において、腕木部33が上下方向に立った状態とされているため、上下方向の荷重に対する腕木部33の支持強度を高めることができる。しかも、腕木部33の板面が中間連結部49の側面に重ねられているため、ビス等を腕木部33のビス孔33aを通じて中間連結部49に打ち込むことが可能になっている。これにより、中間連結部49を腕木部33に固定する作業を容易化できる。
支持ブラケット31において、腕木部33と壁固定部32との接続部分が上下方向に延びているため、その接続部分について上下方向の荷重に対する接続強度を高めることができる。しかも、腕木部33の端部が壁固定部32の側端部に接続されているため、板材51を折り曲げるという容易な作業により、支持ブラケット31を作製することが可能になる。
コーブ21において、照明器具22が被覆部42の上面に載置され、その状態で被覆部42に対して固定されているため、照明器具22を適正に設置することができる。
コーブ形成部23において、端部連結部48が第2壁部12bに固定されているため、端部連結部48に対応した支持ブラケット31を設置していない構成であっても、コーブ形成部23の端部を好適に位置保持できる。
腕木部33が下板部44により下方から覆われているため、例えば腕木部33がコーブ形成部23の下側に露出している構成とは異なり、廊下11において人の視界に腕木部33が入りにくくなり、間仕切壁12の壁面について意匠性が腕木部33により低下することを抑制できる。
腕木部33が上板部43により上方から覆われているため、照明器具22を上板部43の上面に好適に載置することができる。例えば腕木部33が被覆部42の上側に配置されている構成では、照明器具22を腕木部33の上に直接載置することになり、照明器具22の設置状態が不安定になることが懸念される。さらに、隣り合う腕木部33の離間距離と、照明器具22の長さ寸法とが適合していない場合には、照明器具22が傾くことで照明器具22の光の放出態様が不均一になることや、照明器具22同士の間に腕木部33が入り込んでその腕木部33の影が天井面に映ることなどにより、建築化照明の質感が低下することが懸念される。これに対して、本実施形態では、腕木部33が上板部43により上方から覆われているため、これらの懸念を解消することができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)コーブ形成部23においては、被覆部42の中空部46に電気配線が敷設されていてもよい。例えば、図5(a)に示すように、被覆部42の中空部46において、幕板部41が第1壁部12aとは反対側に向けて腕木部33から離間している構成とする。この構成では、中間連結部49に切り欠き部61が形成されており、第1壁部12aの幅方向に沿ってコーブ形成部23を見て、幕板部41及び腕木部33の離間部分と切り欠き部61とが重なっている領域が、第1壁部12aの幅方向に沿って電気配線Cが通された配線通し部とされている。
ここで、被覆部42においては中空部46が腕木部33及び中間連結部49により複数の空間部に仕切られているが、それら空間部は配線通し部を通じて互いに連通されており、その配線通し部を通じて複数の空間部に掛け渡した状態で電気配線Cを敷設することができる。この場合、被覆部42の中空部46を、電気配線Cを敷設することが可能な配線スペースとして利用していることになる。
配線通し部においては、第1壁部12aからの腕木部33の延出寸法が、第1壁部12aからの上板部43及び下板部44からの延出寸法よりも小さくされており、電気配線Cを、切り欠き部61を通過させることでコーブ形成部23の幅方向に沿って延びる状態で中空部46内に敷設することができる。この場合、被覆部42の上側や下側に電気配線Cを敷設する場合とは異なり、電気配線Cが人の視界に入ることが被覆部42(上板部43及び下板部44)により回避されるため、第1壁部12aに関する意匠性が電気配線Cにより低下することを抑制できる。
(2)コーブ形成部23においては、照明器具22からの光が下方に向けて放出されてもよい。例えば、図5(b)に示すように、照明器具22からの光を下方に向けて通過させる光通過部分63が被覆部42に設けられている構成とする。
この構成では、被覆部42における幕板部41側の部分が光通過部分63とされており、光通過部分63においては、上板部43及び下板部44が設けられていない。つまり、光通過部分63は、上板部43及び下板部44が設置されていない非設置部分になっている。この場合、第1壁部12aからの腕木部33の延出寸法が、第1壁部12aから上板部43及び下板部44の延出寸法よりも大きくされている。この構成によれば、廊下11の照明方式を、照明器具22の光によりコーブ21の下側及び上側の両方を照らすことが可能なバランス照明とすることができる。
なお、コーブ形成部23においては、被覆部42における第1壁部12a側の部分が光通過部分63とされていてもよく、被覆部42における第1壁部12aと幕板部41との間の中間部分が光通過部分63とされていてもよい。
また、光通過部分63には、光透過性を有する透明パネルが取り付けられていてもよい。この場合でも、透明パネルを通じて照明器具22の光をコーブ21の下方に放出することができる。
(3)幕板部41が支持ブラケット31に固定されていてもよい。例えば、図6(a)に示すように、支持ブラケット31が幕板部41が固定される幕板固定部65を有している構成とする。幕板固定部65は、腕木部33を挟んで壁固定部32とは反対側に設けられており、壁固定部32と平行に上下方向に延びている。幕板固定部65は、壁固定部32及び腕木部33と同様に板状に形成されており、ビス孔65aを有している。幕板固定部65には、その板面に幕板部41の板面が重ねられた状態で、その幕板部41がビス孔65aに対してビス等により固定されている。
なお、上板部43において、幕板部41側の端部には第1壁部12a側に向けて凹んだ凹み部が形成されており、幕板固定部65はその凹部を通じて中空部46から幕板部41に沿って上方に向けてコーブ21内に突出している。
腕木部33と幕板固定部65との接続部分は上下方向に延びており、幕板固定部65の両側端のうち一方の側端部に腕木部33が接続されている。この場合、支持ブラケット31は、金属材料により形成された略コ字状の板材が折り曲げられることで形成されている。このため、支持ブラケット31が幕板固定部65を有している場合でも、板材を折り曲げるという容易な作業により支持ブラケット31を作製することができる。
支持ブラケット31が幕板固定部65を有している構成について、第1壁部12aに対するコーブ形成部23の取り付け手順を簡単に説明する。まず、コーブ形成部23について、上板部43を除いて、幕板部41、連結部48,49及び下板部44を互いに組み付けておき、その状態のコーブ形成部23を、既に第1壁部12aに取り付けておいた支持ブラケット31に対して取り付ける。この場合、中間連結部49を腕木部33に固定することに加えて、幕板部41を幕板固定部65にビス等により固定する。そして、上板部43を連結部48,49の上に載せた状態で、それら連結部48,49にビス等により固定する。
(4)照明器具22が支持ブラケット31に固定されていてもよい。例えば、図6(b)に示すように、支持ブラケット31が照明器具22が取り付けられる器具取付部66を有している構成とする。器具取付部66は、腕木部33の上端部に取り付けられており、その腕木部33から側方に向けて突出した状態になっている。器具取付部66には、照明器具22を固定するためのビス孔66aが設けられており、そのビス孔66aは器具取付部66を上下方向に貫通している。このため、照明器具22が上板部43を挟んで器具取付部66の上方に設置されている場合に、コーブ21内において照明器具22の一部を貫通したビス等をビス孔66aに螺着することで、器具取付部66に照明器具22を固定することができる。
(5)上記実施形態では、支持ブラケット31において壁固定部32が腕木部33から上方に向けて延びていたが、壁固定部32は腕木部33から下方や側方に向けて延びていてもよい。なお、壁固定部32が腕木部33から下方に向けて延びている支持ブラケット31は、L字状の板材51を折り曲げることで容易に形成することができる。また、壁固定部32が腕木部33から側方に向けて延びている支持ブラケット31は、1枚の板材を板厚み方向に折り曲げることで容易に形成することができる。
(6)上板部43及び下板部44が支持ブラケット31の壁固定部32や腕木部33に直接固定されていてもよい。例えば、図6(c)に示すように、壁固定部32が腕木部33から側方に向けて延びている支持ブラケット31において、壁固定部32が断面コ字状の溝形鋼により形成された構成とする。この構成では、壁固定部32において、ウェブを挟んで上下のそれぞれにフランジが配置されている。この場合、上板部43を壁固定部32の上側フランジの上に載置し、その状態で上側フランジにビス等により固定することが可能であり、下板部44を壁固定部32の下側フランジの下面に重ね、その状態で下側フランジにビス等により固定することが可能である。
(7)上記実施形態では、支持ブラケット31において、腕木部33が壁固定部32の下端部に接続されていたが、腕木部33は、壁固定部32の上端部に接続されていてもよく、上下方向において壁固定部32の中間部分に接続されていてもよい。
(8)上記実施形態では、コーブ形成部23が天井面寄りの高さ位置に配置されたが、床面寄りの高さ位置に配置されてもよい。つまり、コーブ21内に設置された照明器具22により床面を照らしてもよい。例えば、コーブ21が上方ではなく下方に向けて開放されている構成とする。この構成では、幕板部41が被覆部42から下方に向けて延びており、照明器具22がコーブ21内に下方から入り込んだ状態で設置されている。この場合、意匠上においては支持ブラケット31が被覆部42から上方に突出しないことが好ましく、壁固定部32は腕木部33から下方又は側方に向けて延びている。なお、この場合、照明器具22は、被覆部42の下面(下板部44や連結部48,49)に対してビス等により固定されている。
(9)上記実施形態では、コーブ形成部23において、連結部48,49が第1壁部12aと幕板部41とに掛け渡された状態になっていたが、連結部48,49は、第1壁部12aと幕板部41との並び方向において中間位置や端部寄りの位置にだけ配置されていてもよい。この場合でも、上板部43と下板部44とを連結部48,49により連結することが可能である。また、端部連結部48を第2壁部12bに固定すること、及び中間連結部49を腕木部33に固定することがそれぞれ可能である。
(10)上記実施形態では、端部連結部48に対しては支持ブラケット31が設けられていなかったが、端部連結部48に対しても支持ブラケット31が設けられていてもよい。この場合、端部連結部48は第2壁部12bではなく腕木部33に固定されていることが好ましい。
(11)上記実施形態では、被覆部42において、上板部43及び下板部44という複数の部材が腕木部33を上下両方から覆う構成としたが、1つの部材が腕木部33を上下両方から覆う構成としてもよい。例えば、腕木部33の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有するケース体を被覆部42とし、そのケース体の内部に腕木部33が入り込むようにして、腕木部33に対してケース体が取り付けられる構成とする。
(12)第1壁部12aにおいて、幕板部41と対向する部分には、壁面材が取り付けられていなくてもよい。つまり、壁下地材が幕板部41側に露出していてもよい。この場合でも、壁下地材が幕板部41により覆い隠されることで、第1壁部12aに対する意匠性が低下することを抑制できる。
(13)上記実施形態では、コーブ形成部23が間仕切壁12に取り付けられていたが、コーブ形成部23は外壁の内壁面に対して取り付けられていてもよく、垂れ壁に取り付けられていてもよい。例えば、コーブ形成部23が間仕切壁12(又は外壁)と垂れ壁との間に配置され、その位置で垂れ壁の壁面に対して取り付けられている構成とする。この場合、コーブ21内に設置された照明器具22の光は天井面及び間仕切壁12の壁面に反射して廊下11を照らすことになるため、コーニス照明が実現されていることになる。