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JP6126882B2 - 防水鞄および貸金庫システム - Google Patents
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本発明は、防水鞄およびこれを備えた貸金庫システムに関する。
一般に金融機関等の貸金庫システムでは、顧客毎に物品収納用の保護箱を割り与え、その保護箱を貸金庫室にて格納管理している(たとえば特許文献1参照)。
特開2010−100364号公報
従来の貸金庫システムは、津波等の水害で貸金庫室が浸水することを想定しておらず、そのため保護箱も防水仕様とはなっていない。保護箱は一般に金属製等の筐体からなり、その開閉構造としては、特許文献1に記載されているようなヒンジを中心に開閉蓋が回動開閉するものや蓋がスライド開閉するものなどが挙げられる。これら保護箱を防水仕様にするためには先ず開閉蓋周りを確実にシールする必要があるが、そのシール構造は複雑になりやすく、従来既存の保護箱を容易に防水仕様に変更できないという問題がある。また、仮に貸金庫室の浸水によって保護箱が流された場合には、周りの物とぶつかって保護箱が変形することによりシール部の機能が損なわれるおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、簡単な構造であって収納物品の防水機能に優れる防水鞄および既存の貸金庫システムを容易に防水仕様に変更可能な貸金庫システムを提供することを目的としている。
本発明は、前記課題を解決するため、防水性の材料により成形された鞄本体と、該鞄本体の開閉口を開閉する防水性のスライドファスナと、を備えて構成され、前記鞄本体は、上面部と、底面部と、第1側面部およびこの第1側面部から順に隣り合う第2側面部、第3側面部、第4側面部とを有した略方形体形状を呈し、前記スライドファスナは、その閉端部が位置する第1側面部から少なくとも第2側面部までにかけて水平状に配され、前記閉端部よりも第4側面部寄りの位置に、第1側面部での前記スライドファスナのスライダの開移動方向と反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ開補助引き手が設けられ、前記閉端部よりも第2側面部寄りの位置に、第1側面部での前記スライドファスナのスライダの閉移動方向と反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ閉補助引き手が設けられている防水鞄とした。
この防水鞄によれば、鞄本体の開閉口をスライドファスナにより開閉する構造にしたことで、防水性を確保しつつ、製作の容易性と顧客の物品の出し入れの操作性の両立を図ることができる。
一般に防水性のスライドファスナは、閉端部における防水性を確保するために、閉端部周りのエレメントとスライダとの隙間が密に設定されており、閉端部でのスライダの開け閉めにはかなり強い力が必要になる。本発明によれば、防水鞄の開閉口を開く際には、一方の手でファスナ開補助引き手をスライダの開移動方向と反対方向に引っ張りつつ、他方の手でスライダを引っ張るという簡単な操作で、スライダを閉端部から容易に移動させて防水鞄を開くことができる。そして、防水鞄の開閉口を閉じる際には、他方の手でファスナ閉補助引き手をスライダの閉移動方向と反対方向に引っ張りつつ、一方の手でスライダを引っ張るという簡単な操作で、スライダを容易に閉端部に移動させて防水鞄を閉じることができる。
また、本発明は、前記ファスナ開補助引き手は、第1側面部に設けられ、前記ファスナ閉補助引き手は、上面部および底面部における各第1側面部と第2側面部とのコーナー部に設けられていることを特徴とする。
ファスナ開補助引き手およびファスナ閉補助引き手は、スライダに加わる力の作用の関係から、共に第1側面部に設けることが最も望ましい。しかし、ファスナ閉補助引き手については第1側面部に設けると引き手がスライドファスナに噛み込まれるおそれがある。したがって、ファスナ開補助引き手については第1側面部に設け、ファスナ閉補助引き手については、上面部および底面部における各第1側面部と第2側面部とのコーナー部に設けることで、スライダに加わる力の低下を抑えつつ、スライドファスナへの噛み込み問題を解消できる。
また、本発明は、顧客毎に設定された物品収納用の保護箱を貸金庫室に格納管理する貸金庫システムにおいて、前記防水鞄を前記保護箱の内部に出し入れ自在に備えていることを特徴とする。
この貸金庫システムによれば、たとえば保護箱が水に流され、周りの物とぶつかって変形し、隙間から保護箱内に水が浸入しても防水鞄により収納物品を保護できる。本発明によれば、既存の貸金庫室や保護箱等の貸金庫設備に何ら防水加工を施すことなく、保護箱内の物品を水害から守ることができる。
本発明によれば、簡単な構造となって、製作の容易性と顧客の物品の出し入れの操作性の両立を図れる防水鞄となる。また、この防水鞄を保護箱の内部に備える構成にすることで、既存の貸金庫室や保護箱等の貸金庫設備に何ら防水加工を施すことなく、保護箱内の物品を水害から守ることができる。
貸金庫システムの一例を示す外観斜視図である。 保護箱の一例を示す外観斜視図である。 本発明に係る防水鞄の外観斜視図であり、(a),(b)はそれぞれ閉じた状態、開いた状態を示す。 本発明に係る防水鞄の平面図である。 防水鞄を開くときの作用図である。 防水鞄を閉じるときの作用図である。 防水鞄の変形例の外観斜視図である。
以下、本発明に係る防水鞄およびこれを備える貸金庫システムの好適な実施形態を説明する。先ず、図1を参照して貸金庫システムの概略構成を説明する。貸金庫システム51は、顧客が利用するブース52と、仕切壁53を隔ててブース52に隣接する貸金庫室54とを備えている。ブース52には、顧客が操作する操作部や貸金庫室54から搬送されてきた保護箱55を取り出し・返却するための保護箱利用口が設けられたブース機器56が設置されている。貸金庫室54においては、複数の保護箱55がラック57に格納されている。
保護箱55は、顧客毎に設定された物品収納用の箱体であり、たとえば図2に示すように方形体形状を呈した剛性のある筐体から構成されている。上面には、錠55bの施解錠によってヒンジ周りに回動開閉可能となる開閉蓋55aが設けられている。
保護箱55の内部には、保護箱55に対して出し入れ自在な物品収納用の防水鞄1が備えられている。図3において、防水鞄1は、防水性の材料(本実施形態ではポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック材料)により成形された鞄本体2と、鞄本体2の開閉口3を開閉する防水性のスライドファスナ4と、を備えて構成されている。
図3または図4において、鞄本体2は、上面部5と、底面部6と、第1側面部7およびこの第1側面部7から順に隣り合う第2側面部8、第3側面部9、第4側面部10とを有した、高さ方向に扁平の略方形体形状を呈しており、ある程度の柔軟性を有している。なお、図4に示すように鞄本体2は平面視して長方形を呈しており、本実施形態では短辺の側面の一つを第1側面部7として説明するが、本発明は長辺の側面の一つを第1側面部7とした場合でも適用可能である。
なお、本実施形態においては、鞄本体2は複数の防水性の材料およびスライドファスナ4を繋ぎ合わせることで略方形体形状の本体として作製されているが、この繋ぎ合わせは高周波溶着などの熱による溶着が好ましい。
また、鞄本体2は、鞄本体2の外側を構成する防水性の材料(表地)と、外側の防水性材料とは別に内側に配される防水性の材料(裏地)とを備える構成が好ましい。さらに、表地と裏地とは実質的に固着されておらず、表地と裏地との間に空気層を有する構成とすることが好ましい。このような構成にすることにより、防水鞄1の防水性を高めることができる。
スライドファスナ4は、一対のファスナーテープにそれぞれ固着された一対のエレメント列11A,11Bと、エレメント列11A,11B同士を噛み合わせるまたは噛み合いを外すスライダ12と、を備えて構成されている。スライダ12には、指をかけるための取手13が取り付けられている。スライドファスナ4は、その閉端部14が位置した第1側面部7から第2側面部8を経由して第3側面部9までにかけて水平状に配されている。図4における符号20は、スライドファスナ4の開端部を示す。
スライドファスナ4は、閉端部14における防水性を確保するために、ファスナーテープにおいて、織成或いは編成されたファスナーテープ生地のうち、少なくとも表裏面およびエレメント列11A,11Bが固着された側縁がエラストマー製合成樹脂(例えばポリウレタン等)などで被覆されている。また、エレメント列11A,11Bを構成する複数のエレメントは、合成樹脂をファスナーテープに一体射出することによって固着されており、エレメント列11A,11B同士が噛み合わされたときには、ファスナーテープの側縁が互いに密接された状態となるように構成されている。さらにファスナーテープの両端部には、一対のファスナーテープが互いに連結するようにして閉端部14に上止、開端部20に下止が一体的に射出成型されている。なお、上止および下止もエラストマー製合成樹脂であることが好ましく、上止は、より防水性を向上させるために、上止の一部がスライダ12のエレメントが挿通されるエレメント挿通路内に収納可能に成形されている。
なお、防水性スライドファスナ4の好ましい形態として上記の通り説明したが、本発明で使用される防水性スライドファスナ4は上記構成に限定されない。すなわち、鞄本体2を使用する際、目的に応じた防水性能を有するスライドファスナであればなんでもよい。
スライドファスナ4は上記のような構成からなるので、閉端部14周りのエレメント列11A,11Bとスライダ12との隙間が密に設定されており、閉端部14からスライダ12を引っ張って開け始めるときと、スライダ12を閉端部14まで閉め切るときにかなり強い力が必要になる。この場合、顧客は一方の手で鞄本体2を強く握って支持しつつ、他方の手でスライダ12を引っ張るという、力の入りづらい面倒な開け閉め操作になることが考えられる。
この問題に対し、本発明の防水鞄1は、閉端部14よりも第4側面部10寄りの位置に、第1側面部7でのスライダ12の開移動方向Pと反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ開補助引き手15が設けられている。本実施形態では、ファスナ開補助引き手15は第1側面部7に設けられている。そして、閉端部14よりも第2側面部8寄りの位置に、第1側面部7でのスライダ12の閉移動方向Qと反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ閉補助引き手16A,16Bが設けられている。本実施形態では、ファスナ閉補助引き手16A,16Bは、上面部5および底面部6における各第1側面部7と第2側面部8とのコーナー部Cに設けられている。
ここで、「閉端部14よりも第4側面部10寄りの位置」とは、図4に示すように、閉端部14を通って第2側面部8(第4側面部10)と平行な仮想線17よりも第4側面部10寄りの位置を意味し、「閉端部14よりも第2側面部8寄りの位置」とは、仮想線17よりも第2側面部8寄りの位置を意味する。力の作用点の関係から、ファスナ開補助引き手15は、閉端部14よりも第4側面部10寄りの位置であって、かつ本実施形態のように第1側面部7に若しくはなるべく第1側面部7に近い位置に設けることが望ましい。同様に、ファスナ閉補助引き手16A,16Bも、閉端部14よりも第2側面部8寄りの位置であって、かつ第1側面部7に若しくはなるべく第1側面部7に近い位置に設けることが望ましい。
なお、ファスナ開補助引き手15およびファスナ閉補助引き手16A,16Bをスライドファスナ4に対して規定するならば、スライダ12の摺動方向に対してスライドファスナ4の閉端部14側を上方向、開端部20側を下方向としたときに、ファスナ開補助引き手15は、閉端部14よりも上方向側に設けられ、ファスナ閉補助引き手16A,16Bは、閉端部14よりも下方向側に設けられている。
さらに、ファスナ開補助引き手15は、エレメント列11A,11Bの延長線上に設けられており、ファスナ閉補助引き手16A,16Bは、エレメント列11A,11Bを中心にして左右対称の位置に設けられている。
ファスナ開補助引き手15は、たとえば指を引っ掛け可能な柔軟な環状の紐体から構成されている。ファスナ開補助引き手15は、鞄本体2に溶着,縫合,一体成形等により取り付けられた引き手取付け座18に対し、リング片19を介して、鉛直軸周りに180度傾倒可能となるように連結されている。ファスナ閉補助引き手16A,16Bも、指を引っ掛け可能な柔軟な環状の紐体から構成されており、引き手取付け座18に対し、リング片19を介して、水平軸周りに180度傾倒可能となるように連結されている。
「作用」
閉端部14よりも第4側面部10寄りの位置にファスナ開補助引き手15が設けられていることにより、防水鞄1を開く際には、図5に示すように一方の手でファスナ開補助引き手15をスライダ12の開移動方向Pと反対方向に引っ張りつつ、他方の手でスライダ12の取手13を開移動方向Pに引っ張る。これにより、簡単な操作で、スライダ12を閉端部14から容易に移動させて防水鞄1を開くことができる。
特にファスナ開補助引き手15は第1側面部7に設けられ、しかも第1側面部7におけるスライドファスナ14の延長上に位置しているので、ファスナ開補助引き手15の引っ張り力が開移動方向Pの力の一部としてスライダ12に効果的に伝わる。
そして、閉端部14よりも第2側面部8寄りの位置にファスナ閉補助引き手16A,16Bが設けられていることにより、防水鞄1を閉じる際には、図6に示すように他方の手でファスナ閉補助引き手16A,16Bをスライダ12の閉移動方向Qと反対方向に引っ張りつつ、一方の手でスライダ12の取手13を閉移動方向Qに引っ張る。これにより、簡単な操作で、スライダ12を容易に閉端部14まで移動させて防水鞄1を閉じることができる。
ファスナ閉補助引き手16A,16Bについても力の作用の点から第1側面部7に設けることが望ましいのであるが、仮に第1側面部7に設けるとファスナ閉補助引き手16A,16Bがスライドファスナ4に噛み込まれるおそれがある。したがって、ファスナ閉補助引き手16A,16Bを第1側面部7に近いコーナー部Cに設けることで、ファスナ閉補助引き手16A,16Bの引っ張り力を閉移動方向Qの力の一部としてスライダ12に効果的に伝えることができ、かつスライドファスナ4への噛み込みの問題を解消することができる。
また、ファスナ閉補助引き手16A,16Bのどちらか一方のみを上面部5または底面部6に設けた場合には、引っ張り力の作用点がスライドファスナ4に対して高さ方向にずれてしまうことになるが、本発明のようにファスナ閉補助引き手16A,16Bの両方を設けることにより、図6に示すように指でファスナ閉補助引き手16A,16Bの両方を引っ掛けて引っ張ることにより、引っ張り力の作用点をスライドファスナ4と同じ高さにすることができ、この点からもファスナ閉補助引き手16A,16Bの引っ張り力を閉移動方向Qの力の一部としてスライダ12に効果的に伝えることができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。防水鞄1は、そのスライドファスナ4が、図7に示すように、第1側面部7から第2側面部8までの2側面にわたって配されたものでもよいし、図示しないが、第1側面部7から第2側面部8,第3側面部9を経由して第4側面部10までの4側面にわたって配されたものでもよい。
また、ファスナ開補助引き手15として、開移動方向Pと反対方向に傾倒自在な構造として説明したが、開移動方向Pと反対方向に固定的に延設された構造のものでもよい。
同様に、ファスナ閉補助引き手16A,16Bとして、閉移動方向Qと反対方向に傾倒自在な構造として説明したが、閉移動方向Qと反対方向に固定的に延設された構造のものでもよい。
また、本発明は、図1に示した貸金庫システムに限定されず、たとえば顧客が店員とともに貸金庫室に入って保護箱を利用するシステムに対しても勿論適用可能である。
1 防水鞄
2 鞄本体
3 開閉口
4 スライドファスナ
5 上面部
6 底面部
7 第1側面部
8 第2側面部
9 第3側面部
10 第4側面部
12 スライダ
13 取手
14 閉端部
15 ファスナ開補助引き手
16A,16B ファスナ閉補助引き手
C コーナー部
P 開移動方向
Q 閉移動方向

Claims (3)

  1. 防水性の材料により成形された鞄本体と、該鞄本体の開閉口を開閉する防水性のスライドファスナと、を備えて構成され、
    前記鞄本体は、上面部と、底面部と、第1側面部およびこの第1側面部から順に隣り合う第2側面部、第3側面部、第4側面部とを有した略方形体形状を呈し、
    前記スライドファスナは、その閉端部が位置する第1側面部から少なくとも第2側面部までにかけて水平状に配され、
    前記閉端部よりも第4側面部寄りの位置に、第1側面部での前記スライドファスナのスライダの開移動方向と反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ開補助引き手が設けられ、
    前記閉端部よりも第2側面部寄りの位置に、第1側面部での前記スライドファスナのスライダの閉移動方向と反対方向に延設される若しくは傾倒自在なファスナ閉補助引き手が設けられていることを特徴とする防水鞄。
  2. 前記ファスナ開補助引き手は、第1側面部に設けられ、
    前記ファスナ閉補助引き手は、上面部および底面部における各第1側面部と第2側面部とのコーナー部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防水鞄。
  3. 顧客毎に設定された物品収納用の保護箱を貸金庫室に格納管理する貸金庫システムにおいて、
    請求項1または請求項2に記載の防水鞄を前記保護箱の内部に出し入れ自在に備えていることを特徴とする貸金庫システム。
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