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JP6130231B2 - 信号機の灯器構造 - Google Patents
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本発明は、信号機の灯器構造に関する。
従来から、道路等に設置される柱状体に取り付けられる信号機の灯器は、前側が開口した後筐体と該後筐体の開口を封鎖可能な蓋体とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された信号機の灯器は、成形加工を容易にするために、アルミニウムダイキャスト成形品等のアルミニウム合金で形成されている。
実開昭64−43498号公報
しかしながら、前記アルミニウム合金は、耐食性が低いため、錆が発生しやすいという問題がある。そこで、耐食性を向上させるために、例えばステンレス鋼板で灯器を成形すると、重量が大きくなり、灯器の取付作業やメンテナンス性に問題が出る。
一方、軽量化を図るために、ステンレス鋼板の板厚を薄くすると、剛性が低下して強度が不足するおそれがある。
そこで、本発明は、鋼板で灯器を成形する場合に、軽量化と高剛性の両立を図ることができる信号機の灯器構造を提供するものである。
本発明に係る信号機の灯器構造は、前側が開口された後筐体と該後筐体の開口を塞ぐと共に灯体が取り付けられた蓋体とを備え、前記後筐体は鋼板で構成されている。前記後筐体は、天板と、該天板の左右両端から下方に延在する一対の側板と、これら一対の側板の下端部同士を橋渡す底板と、これらの天板、側板および底板の後端部に周縁部が接合される背面板と、を有し、前記天板および一対の側板は、正面視でコ字状に一体形成されており、前記天板、側板および底板のそれぞれは、前後方向に沿った断面形状がコ字状部分を有し、前記背面板の板厚は、前記天板、側板および底板の板厚よりも薄いことを特徴とする。
本発明に係る信号機の灯器構造によれば、天板および一対の側板が、正面視でコ字状に一体形成されているため、信号機の灯器の剛性が向上する。また、天板、側板および底板のそれぞれは、前後方向に沿った断面形状がコ字状部分を有しているため、更に剛性が向上する。
また、背面板には、荷重があまりかからないため、天板、側板および底板に比較して高剛性にする必要性は小さい。従って、背面板の板厚を、前記天板、側板および底板の板厚よりも薄くすることによって、灯器全体の軽量化を図ることができる。
このように、本発明では、鋼板で灯器を形成する場合に、高剛性と軽量化の両立を図ることができる
図1は、本発明の実施形態に係る信号機の3灯器を示す斜視図であり、蓋体を開いた状態を示している。 図2は、図1における最も左側に配置された第1灯器の後筐体を示す斜視図である。 図3は、図2の分解斜視図である。 図4(a)は後筐体を上下方向の途中で切断した状態を示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のB―B線による断面図である。 図5(a)は図2の底板におけるA部を拡大した斜視図であり、図5(b)は図5(a)のC−C線による断面図である。 図6は、天板、側板および底板を後方から見た背面図である。 図7は、図6のD部を拡大した背面図である。 図8は、図3の背面板を上下方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 図9は、他の実施形態に係る背面板を上下方向に沿って切断した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面において、UPRは、道路等に設置された柱状体に信号機の灯器を取り付けた状態における上側を示し、LWRは下側を示す。また、RHは、信号機の灯器を正面から見た状態における右側を示し、LHは左側を示す。さらに、FRは前側を示し、RRは後側を示すものとする。
図1に示すように、本実施形態に係る信号機の3灯器1は、1つの灯器を左右方向に3つ並列させて結合させることで構成される。以下、正面視で最も左側の灯器を第1灯器3、中央側の灯器を第2灯器5、および、最も右側の灯器を第3灯器7と記載する。なお、本発明は、3灯器1以外の複数の灯器や1つの灯器にも適用することができる。
図1に示すように、第1灯器3〜第3灯器7のそれぞれは、後筐体9と蓋体11とを備える。これらの後筐体9および蓋体11は、鋼板をプレス成形して形成される。
前記蓋体11は、図外のヒンジを介して後筐体9の上端部に回動可能に支持されており、後筐体9の前側の開口を封鎖可能に構成されている。蓋体11は、正面視で矩形状に形成されており、外周縁には、屈曲したフランジ13が立設されている。また、蓋体11の中央部には、緑、黄色および赤の灯体(ランプ)15,17,19がそれぞれの灯器3,5,7に取り付けられている。
前記後筐体9は、図1〜図3に示すように、正面視でコ字状に一体形成された枠体21と、該枠体21の下端部同士を橋渡して左右方向に延在する底板23と、これらの枠体21および底板23の背面に接合される背面板25と、から構成される。なお、図2以降では、第1灯器3について説明するが、第2灯器5や第3灯器7についても同様の構造となっている。
前記枠体21は、上側に配置されて左右方向に延在する天板27と、該天板27の左右両端から屈曲して下方に延在する一対の側板29,31と、が一体形成されてなる。
前記側板29,31の下端部は、左右方向の内側に向けて屈曲する折り曲げ部45,47を有する。また、図2,3に示すように、第1灯器3における右側の側板31には、灯体15の配線を挿通させる円形の挿通孔44,46が上下に形成されている。また、挿通孔44,46の周囲には、リベット孔48が複数形成されている。第2灯器5の側板にもリベット孔が形成されているため、第1灯器3の側板31と第2灯器5の側板とをリベットを介して結合させることができる。なお、第2灯器5と第3灯器7とも、同様にリベットを介して結合される。
ここで、図4(a)(b)に示すように、側板29,31の前後方向に沿った断面形状は、コ字状部分41を有する。具体的には、側板29は、上下方向および前後方向に沿って平板状に延在する側板本体部33と、該側板本体部33の前端33aから屈曲して左右方向の内側に延在する前側フランジ部35と、該前側フランジ部35の先端35aから屈曲して前側に向けて延在するシール材保持用フランジ部37と、前記側板本体部33の後端33bから屈曲して左右方向の内側に延在する後側フランジ部39と、から一体形成してなる。前述した側板本体部33、前側フランジ部35および後側フランジ部39によって、コ字状部分41が構成される。即ち、本実施形態では、側板29,31は、コ字状部分41とシール材保持用フランジ部37とが一体形成されている。また、シール材保持用フランジ部37には、図1に示すシール材43、例えばゴムパッキンが嵌め込まれる。図1に示したように、蓋体11を閉じると、蓋体11のフランジ13が後筐体9のシール材保持用フランジ部37のシール材43に嵌合される。従って、シール材43によって、蓋体11で後筐体9の開口を封鎖したときの灯器3,5,7の密閉性が向上する。なお、前記天板27および底板23の断面形状も、側板29,31の断面形状と同様であり、コ字状部分41を有する。
前記底板23は、側板25の下端部に形成した折り曲げ部45,47に溶接接合されている。以下、具体的に説明する。
図5(a)に示すように、底板23の左右両端部には、ジョグル部49が形成されている。図3に示すように、前記ジョグル部49が側板29,31の折り曲げ部45,47の上に当接して嵌合された状態で、折り曲げ部45,47の端縁に沿って前後方向および上下方向(コ字状)の全長に亘って連続して溶接接合されている。即ち、底板23と側板29,31との溶接部W1,W2は、折り曲げ部45,47の端縁と同様にコ字状となる。なお、底板23の板厚は、前記天板27および側板29,31の板厚よりも厚く形成されている。また、本実施形態では、溶接として例えばレーザー溶接やプラズマ溶接等の種々の溶接を適用することができる。
さらに、図6,7に示すように、第1灯器3の4箇所の角部も溶接接合されている。具体的には、側板29,31の後側フランジ部39における上端部分および下端部分の4箇所の角部には、背面視で斜め方向に延びるスリットが形成されている。このスリットの間隙を溶接部W3,W4,W5,W6で埋めることによって、第1灯器3の角部の剛性を向上させている。なお、側板29,31の前側フランジ部35の角部にも同様のスリットが形成され、このスリットの間隙を溶接部で埋めている。
また、図2および図5(a)(b)に示すように、底板23には、4箇所に半抜き部51,53,55,57が形成されている。この半抜き部51,53,55,57は、下方から見ると円形状に形成され、図5(b)に示すように、底板23の下面の一般面59に対して上側に半抜きされている。この半抜き部51,53,55,57は、信号機の灯器を柱状体等に設置する現場において、ドライバー等の工具の端部などでたたいて打ち抜くことによって取付孔を形成するために設けている。この取付孔は、別の灯器を底板23の下側に追加設置する場合に使用する。ここで、半抜き部51,53,55,57は、取付孔を形成する際に底板23に加わる工具からの衝撃によって底板23が塑性変形しないように、底板23の板厚の70%以上の深さを有することが好ましい。即ち、半抜き部51,53,55,57の深さが板厚の70%以上あれば、小さな衝撃荷重で容易に打ち抜くことができるため、底板23に加わる衝撃力が小さくてすむ。
前記背面板25は、図3および図8に示すように、正面視が矩形状の平板である。また、図3に示すように、背面板25の周縁部61が天板27、側板29,31および底板23の後端部に溶接接合されている。具体的には、まず、天板27、側板29,31および底板23の後端部には、後側フランジ部39が形成されているため、天板27、側板および底板23の後側フランジ部39に背面板25の周縁部61を当接させる。次に、背面板25の周縁部61の全周に亘って連続して溶接接合する。これによって、背面板25を天板27、側板29,31および底板23の後側フランジ部39に溶接接合することができる。なお、図3では、背面板25の周縁部61の全周に亘る溶接部W7を示している。また、背面板25の板厚は、前記天板27、側板29,31および底板23の板厚よりも薄く形成されている。
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
(1)本実施形態に係る信号機の灯器構造は、前側が開口された後筐体9と該後筐体9の開口を塞ぐと共に灯体が取り付けられた蓋体11とを備え、前記後筐体9は鋼板で構成されている。
前記後筐体9は、天板27と、該天板27の左右両端から下方に延在する一対の側板29,31と、これら一対の側板29,31の下端部同士を橋渡す底板23と、これらの天板27、側板29,31および底板23の後端部に周縁部61が接合された背面板25と、を有し、前記天板27および一対の側板29,31は、正面視でコ字状に一体形成されており、前記天板27、側板29,31および底板23のそれぞれは、前後方向に沿った断面形状がコ字状部分41を有し、前記背面板25の板厚は、前記天板27、側板29,31および底板23の板厚よりも薄く形成されている。
このように、天板27および一対の側板29,31は、正面視でコ字状に一体形成されており、天板27、側板29,31および底板23のそれぞれは、前後方向に沿った断面形状がコ字状部分41を有している。従って、信号機の灯器3,5,7は高い剛性を有する。
また、背面板25には、荷重があまりかからないため、天板27、側板29,31および底板23に比較して高剛性にする必要性は小さい。従って、背面板25の板厚を、前記天板27、側板29,31および底板23の板厚よりも薄くすることによって、灯器全体の軽量化を図ることができる。
このように、本発明では、鋼板で灯器3,5,7を形成する場合に、高剛性と軽量化の両立を図ることができる。
(2)前記底板23の板厚は、前記天板27および側板29,31の板厚よりも厚く形成されている。
灯器の下側に、別の灯器を新たに追加設置する場合がある。この場合、底板23に前記別の灯器を吊り下げて設置するため、底板23には下方に向かう荷重がかかる。従って、底板23の板厚を天板27および側板29,31の板厚よりも厚く形成することによって、灯器全体の重量増加を抑制しつつ、別の灯器を安定して保持することができる。また、底板23をたたいて取付孔を形成する際などに、底板23に加わる衝撃による変形を抑制することができる。
(3)前記底板23は、半抜き部51,53,55,57を有する。
従って、底板23に別の灯器を吊り下げて設置する場合、半抜き部51,53,55,57を灯器の設置現場で工具の端部などでたたいて打ち抜いて取付孔を形成することにより、別の灯器を追加設置する作業が容易になる。また、取付孔を形成する前は、半抜き部51,53,55,57が開口していないため、灯器の内部に雨水等が浸入することを抑制することができる。
(4)前記背面板25の周縁部61は、前記天板27、側板29,31および底板23の後端部に全周に亘って連続して溶接接合され、
前記天板27の左右両端から下方に延在する側板29,31の下端部の端縁は、前記底板23に当接して嵌合されると共に、前記側板29,31の端縁は、全長に亘って連続して底板23に溶接接合される。
このように、背面板25の周縁部61は、前記天板27、側板29,31および底板23の後端部に全周に亘って連続して溶接接合されるため、灯器の密閉性が向上し、灯器の内部に雨水等が浸入することを抑制することができる。また、側板29,31の端縁は、全長に亘って連続して底板23に溶接接合されるため、剛性が向上するとともに灯器の密閉性が更に向上する。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。
例えば、本実施形態に係る背面板25は、前述した図8に示すように、断面が直線状の平板である。しかし、図9に示すように、上下方向および左右方向の中央部を後側に膨らませて膨出部65を形成した背面板63を適用しても良い。このように、板27、側板29,31および底板23に対して背面板を別体に構成すれば、信号機の灯器の前後長(厚み)を大きくしたい場合に、天板27、側板29,31および底板23を変更することなく、背面板63のみを変えれば良い。
また、図4で説明したように、側板29,31、天板27および底板23にシール材保持用フランジ部37を設けたが、このシール材保持用フランジ部37がない形態も適用することができる。
さらに、底板23に半抜き部51,53,55,57を4箇所設けたが、半抜き部の個数は特に限定されない。
なお、前述した実施形態では、天板27、側板29,31、底板23及び背面板25の材質は、例えばSUS430(JIS:ステンレス鋼)が好ましい。また、一例として、天板27および側板29,31の板厚は1.0mm、底板23の板厚は1.5mm、および、背面板25の板厚は0.8mmが好ましい。
3 第1灯器(灯器)
5 第2灯器(灯器)
7 第3灯器(灯器)
9 後筐体
11 蓋体
15,17,19 灯体
23 底板
25 背面板
27 天板
29,31 側板
41 コ字状部分
51,53,55,57 半抜き部
61 周縁部
63 背面板

Claims (4)

  1. 前側が開口された後筐体と該後筐体の開口を塞ぐと共に灯体が取り付けられた蓋体とを備え、前記後筐体は鋼板で構成された信号機の灯器構造であって、
    前記後筐体は、
    天板と、
    該天板の左右両端から下方に延在する一対の側板と、
    これら一対の側板の下端部同士を橋渡す底板と、
    これらの天板、側板および底板の後端部に周縁部が接合される背面板と、を有し、
    前記天板および一対の側板は、正面視でコ字状に一体形成されており、
    前記天板、側板および底板のそれぞれは、前後方向に沿った断面形状がコ字状部分を有し、
    前記背面板の板厚は、前記天板、側板および底板の板厚よりも薄いことを特徴とする信号機の灯器構造。
  2. 前記底板の板厚は、前記天板および側板の板厚よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の信号機の灯器構造。
  3. 前記底板は、半抜き部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の信号機の灯器構造。
  4. 前記背面板の周縁部は、前記天板、側板および底板の後端部に全周に亘って連続して溶接接合され、
    前記天板の左右両端から下方に延在する側板の下端部の端縁は、前記底板に当接して嵌合されると共に、前記側板の端縁は、全長に亘って連続して底板に溶接接合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号機の灯器構造。
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