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JP6131153B2 - 光学用粘着剤組成物、画像表示装置および入出力装置 - Google Patents
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JP6131153B2 - 光学用粘着剤組成物、画像表示装置および入出力装置 - Google Patents

光学用粘着剤組成物、画像表示装置および入出力装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学用粘着剤組成物、画像表示装置および入出力装置に関する。
近年、液晶表示装置などの画像表示装置や、画像表示装置と組み合わせて用いられる、タッチパネル等の入出力装置が広く用いられるようになっている。これらの画像表示装置や入出力装置の製造において、構成部材を貼り合わせる際に粘着剤組成物が用いられている。
例えば、特許文献1には、静電容量方式のタッチパネル式入出力装置の誤作動を防止することを目的とする光学用粘着用シートが開示されている。
国際公開WO2010/147047号公報
ところで、画像表示装置や入出力装置を構成する電子部品の微細化に伴い、例えば回路中で発生する高周波ノイズや、駆動の際に導電体に挟まれた誘電体のチャージに起因して、電子部品に含まれる内部回路で生じるノイズによる誤作動を引き起こすことが考えられる。
特に、アクリル系粘着剤を主成分とする粘着剤組成物から形成された粘着剤層には比誘電率が4を超えるものもあり、このような比誘電率を有する粘着剤組成物を用いた場合、絶縁層としての静電容量が高く、高周波ノイズによる誤作動を引き起こすことが懸念される。
また、画像表示装置や入出力装置を構成する構成部材であって、粘着剤組成物が貼り合わせられるものの中には、比較的大きな段差や深い凹凸(例えば5μm以上の凹凸)を表面に有するものもある。
このような段差を有する部材の表面に、粘着剤組成物から得られる粘着シートが貼り合わせられる場合、粘着シートを構成する粘着剤が適度な柔軟性を有していないと、該部材の段差に追従して十分に変形することができず、段差周辺に空隙を生じさせることとなる。この様な空隙は、画像表示装置や入出力装置のディスプレイのコントラスト低下の原因となり、高温条件下で剥がれが生じることも懸念される。
本発明者らは、上記事情を鑑みて、画像表示装置や入出力装置の製造に使用される粘着剤組成物の、比誘電率の低減、粘着剤組成物が貼り合わせられる部材の表面凹凸に追従し得る柔軟性の付与について鋭意検討したところ、特定の材料を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層が低い比誘電率を有し、かつ、所定の柔軟性を有することを見出した。
本発明は、比誘電率が低減され、かつ、柔軟性に優れた粘着剤層を得ることができる光学用粘着剤組成物、該光学用粘着剤組成物を用いて形成された光学用粘着シート、ならびに該光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む画像表示装置および入出力装置を提供する。
本発明の一態様に係る光学用粘着剤組成物は、(A)水添ブロック共重合体と、(B)第1の相溶剤と、(C)第2の相溶剤と、を含む、光学用粘着剤組成物であって、前記(A)水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体の重合体成分から構成されるハードセグメントと、共役ジエン単量体の重合体成分から構成されるソフトセグメントとを有し、前記(B)第1の相溶剤は、前記ハードセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以下であり、前記(C)第2の相溶剤は、前記ソフトセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以上140℃未満であり、前記(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、2〜50質量部含有され、前記光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率が1〜3.5である。
上記光学用粘着剤組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分を所定量含むことにより、該光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率が1〜3.5となり、柔軟性に優れたものである。
すなわち、上記構成を有していない光学用粘着剤組成物と比較して、比誘電率が低減され、かつ、柔軟性に優れた粘着剤層を得ることができる光学用粘着剤組成物、該光学用粘着剤組成物を用いて形成された光学用粘着シート、ならびに該光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む画像表示装置および入出力装置が提供される。
本発明の実施例1の粘着剤組成物から得られた粘着剤層の比誘電率と周波数との関係を模式的に説明する図である。 本発明の一実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 公知の出入力装置(タッチパネル式入出力装置)の構成を模式的に示す断面図である。 粘着シートが、ガラス板上の段差を埋めることができず、段差周辺に空隙や気泡が視認されていることを模式的に示す図である。 粘着シートが、ガラス板上の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されていないことを模式的に示す図である。 実施例1〜20の粘着剤組成物と、該粘着剤組成物から得られる粘着シートそれぞれの評価結果を示す図である。 比較例1〜11の粘着剤組成物と、該粘着剤組成物から得られる粘着シートそれぞれの評価結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.光学用粘着剤組成物
本発明の一実施形態に係る光学用粘着剤組成物(以下、単に「粘着剤組成物」と記載する場合もある。)は、(A)水添ブロック共重合体(以下、単に「(A)成分」と記載する場合もある。)と、(B)第1の相溶剤(以下、単に「(B)成分」と記載する場合もある。)と、(C)第2の相溶剤(以下、単に「(C)成分」と記載する場合もある。)と、を含む。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率は1〜3.5である。
1.1.(A)成分
(A)成分である水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体の重合体成分から構成されるハードセグメントと、共役ジエン単量体の重合体成分から構成されるソフトセグメントとを有する熱可塑性エラストマーである。ここで、より具体的には、芳香族ビニル化合物はスチレン、α−メチルスチレンであることが好ましく(より好ましくはスチレン)、共役ジエン化合物はブタジエン、イソプレンであることが好ましい。
(A)成分を含む本実施形態に係る粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層は、アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層と比較して、比誘電率が低いという特徴を有する(例えば、比誘電率が1〜3.5)。
(A)成分の具体例としては、例えば、スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン型ブロック共重合体(SEPS)(スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体(SIS)の水素添加物)、スチレン−(ブタジエン−ブチレン)−スチレン型ブロック共重合体(SBBS)の水素添加物、スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン型ブロック共重合体(SEBS)(スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロック共重合体(SBS)の水素添加物)、スチレン−(エチレン−プロピレン)型ブロック共重合体(SEP)(スチレン−イソプレン型ブロック共重合体(SI)の水素添加物)、スチレン−(エチレン−ブチレン)型ブロック共重合体(SEB)(スチレン−ブタジエン型ブロック共重合体(SB)の水素添加物)などが挙げられる。なかでも、(B)成分との相溶性に優れている観点から、スチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレン型ブロック共重合体(SEPS)、スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレン型ブロック共重合体(SEBS)等のABA型水添ブロック共重合体が特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(A)成分としては、市販の水添ブロック共重合体、例えば、SEP型のセプトン1001および1020、SEPS型のセプトン2002、2004、2005、2006、2007、2063および2104、SEBS型のセプトン8004、8006、8007、8076および8104(上記のセプトンシリーズはいずれもクラレ社製)、SEBS型のタフテックH1221、H1662、H1052、H1053、H1041、H1051、H1517、H1043、H1272およびN504、SBBS型のタフテックP1500、P2000およびJT83X(上記のタフテックシリーズはいずれも旭化成社製)などを使用することもできる。
本実施形態に係る粘着剤組成物に耐熱性を付与する観点で、(A)成分におけるハードセグメント(例えばスチレン)の含有率は5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。(A)成分におけるハードセグメントの含有率が5質量%未満であると耐熱性に劣り、一方、70質量%を超えると、粘着剤層が硬くなりすぎ、被着体との密着性が劣る場合がある。
また、(C)成分との相溶性に優れている観点から、(A)成分を構成する共役ジエン単量体の重合体成分に含まれる二重結合の水添率(水素添加率)(以下、単に「水添率」ともいう。)は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい(なお、水添率は100%であることが望ましいが、痕跡量の二重結合が残存しても差し支えない)。すなわち、本発明において、共役ジエン単量体の重合体成分に含まれる二重結合の水添率とは、共役ジエン単量体の重合体成分に含まれる二重結合のうち、水素添加により飽和されているものの割合をいう。
さらに、被着体の腐食を防止できる観点から、本実施形態に係る粘着剤組成物の酸価は1以下であることが好ましい。
本実施形態に係る粘着剤組成物における(A)成分の含有量は50〜90質量%であることが好ましく、55〜80質量%であることがより好ましい。
1.2.(B)成分
(B)成分である第1の相溶剤は、(A)成分を構成するハードセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以下である。
本実施形態に係る粘着剤組成物が(B)成分を含むことにより、(B)成分が(A)成分を構成するハードセグメントに相溶するため、該粘着剤組成物から形成される粘着剤層に、柔軟性を付与し被着体への密着性を高めることとなる。
ここで、(B)成分が(A)成分を構成するハードセグメントに相溶するか否かは、(A)成分のハードセグメントに相当する成分、すなわち、芳香族ビニル単量体のみから合成される重合体と、(B)成分と、を用いて評価することとする。より具体的には、芳香族ビニル単量体のみから重合される重合体と(B)成分とを、必要に応じて溶媒を用いて混合し、該混合物において濁りや、該重合物を含有する相と(B)成分を含有する相とが分離するといった現象が目視にてみられない場合は、(B)成分は(A)成分を構成するハードセグメントに相溶するものとする。
(B)成分は例えば、芳香族系粘着付与樹脂であることができる。(B)成分として用いられる芳香族系粘着付与樹脂は、相溶性の観点からは分子量5,000以下であるのが好ましい。(B)成分として使用可能な芳香族系粘着付与樹脂としては、例えば、芳香族石油樹脂、スチレン系重合体、α−メチルスチレン系重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)系共重合体、スチレン−脂肪族炭化水素系共重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)−脂肪族炭化水素系共重合体、スチレン−芳香族炭化水素系共重合体などがあげられる。
より具体的には、例えば、ピコラスチックA5(軟化点5℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)、ピコタック1020(軟化点5℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)、ピコタック7050(軟化点50℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)などを使用することとしてもよい。
本実施形態に係る粘着剤組成物に柔軟性を付与して、被着体との密着性を高める観点から、(B)成分の軟化点は50℃以下であり、40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましい。また、B)成分の軟化点の下限値については特に制限はないが、0℃以上であることとしてもよい。
本実施形態に係る粘着剤組成物における(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して30〜100質量部としてもよい。また、(A)成分との相溶性を高めることができる観点で、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して40〜90質量部であることが好ましく、45〜85質量部であることがより好ましい。
また、該粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率を低くするためには、本実施形態に係る粘着剤組成物において、(B)成分が、(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し30質量部以上配合されることが好ましく、40質量部以上配合されることがより好ましく、45質量部以上配合されることがさらに好ましい。
具体的には、実施形態に係る粘着剤組成物において(B)成分が、(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、30質量部以上含有されることによって、該粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率は、1〜3.0と、非常に低いものとなる。また、粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率は、1〜2.5であることとしてもよいし、1〜2.3であることとしてもよい。
1.3.(C)成分
(C)成分である第2の相溶剤は、(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以上140℃未満である。
ここで、(C)成分が(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶するか否かは、(A)成分のソフトセグメントに相当する成分、すなわち、共役ジエン単量体のみから合成される重合体と、(C)成分と、を用いて評価することとする。より具体的には、共役ジエン単量体のみから重合される重合体と(C)成分とを、必要に応じて溶媒を用いて混合し、該混合物において濁りや、該重合物を含有する相と(C)成分を含有する相とが分離するといった現象が目視にてみられない場合は、(C)成分は(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶するものとする。
本実施形態に係る粘着剤組成物が(C)成分を含むことにより、(C)成分が(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶するため、該粘着剤層の濡れ性等を高めることとなり、また粘着性を高めることとなる。
(C)成分は例えば、脂環族飽和炭化水素化合物、テルペンフェノール化合物(テルペンフェノール共重合体)等であることとしてもよい。(C)成分として使用可能な化合物としては、例えば、YSポリスターU130(軟化点130℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターU115(軟化点115℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターT130(軟化点130℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターT115(軟化点115℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターT100(軟化点100℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターT80(軟化点80℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターG125(軟化点125℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターN125(軟化点125℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターK125(軟化点125℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターTH130(軟化点130℃、テルペンフェノール共重合、ヤスハラケミカル社製)、アルコンP−90(軟化点90℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンP−100(軟化点100℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンP−115(軟化点115℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンP−125(軟化点125℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンM−90(軟化点90℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンM−100(軟化点100℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンM−115(軟化点115℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)、アルコンM−135(軟化点135℃、脂環族飽和炭化水素化合物、荒川化学社製)などを使用することとしてもよい。
本実施形態に係る粘着剤組成物に柔軟性を付与して、被着体との密着性、粘着性を高める観点から、(C)成分の軟化点は50℃以上であることができ、90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。また、(C)成分の軟化点は140℃未満であって、140℃以上の場合、粘着力の制御が困難となり、ジッピング現象を生じさせる原因ともなり得る。
本実施形態に係る粘着剤組成物において(C)成分は、(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、2〜50質量部以上含有される。このことは、該粘着剤組成物から得られる粘着剤層が望ましい粘着性、段差追従性を実現できるからである。
また、本実施形態に係る粘着剤組成物における(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して5〜50質量部であることとしてもよい。また、(A)成分との相溶性を高め、かつ、得られる粘着剤層が好ましい粘着特性および段差追従性を得ることができる観点で、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して7〜48質量部であることが好ましく、9〜45質量部であることがより好ましい。
また、光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層をより低い比誘電率とすることができ、かつ、光学用粘着剤組成物に含まれる成分同士の相溶性をより高めることができるという観点から、光学用粘着剤組成物は、(B)第1の相溶剤の配合量30〜80質量部に対して、前記(C)第2の相溶剤が5〜55質量部配合されることとしてもよい。光学用粘着剤組成物における(B)成分と(C)成分とを上記の様な比率で配合することで、本発明の効果は更に高まることとなる。
また、光学用粘着剤組成物における(B)第1の相溶剤の配合量に対する(C)第2の相溶剤の配合量の関係は、(B):(C)=(30〜80質量部):(5〜55質量部)であることとしてもよい。また、光学用粘着剤組成物における(B)第1の相溶剤の配合量と、(C)第2の相溶剤の配合量との比率である、(B)の配合量/(C)の配合量は、1.0を超え16以下であることとしてもよい。光学用粘着剤組成物における(B)成分と(C)成分との配合量を上記の様な比率とすることで、本発明の効果は更に高まることとなる。
1.4.比誘電率
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率は、周波数が1.0×10〜1.0×10Hzにおいて測定された比誘電率の値である。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率は1〜3.5であり、1〜3.0であることが好ましく、1〜2.5であることがさらに好ましい、1〜2.3であることが特に好ましい。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層は、周波数1.0×10Hzでの比誘電率が、周波数1.0×10Hzでの比誘電率の90%以上であることができ、95%以上であることが好ましく、97%以上であることが更に好ましい。
このように、粘着剤層は、周波数1.0×10Hzでの比誘電率が、周波数1.0×10Hzでの比誘電率の90%以上であることにより、幅広い周波数領域において安定した比誘電率を有するため、該粘着剤層が設けられた画像表示装置または入出力装置において、高周波ノイズによる誤作動を低減することとなる。
本発明において、比誘電率は、後述する実施例に記載された方法にて測定された値である。
1.5.(D)成分
(D)成分は、上記(A)〜(C)成分の他に、本願の粘着剤組成物に添加し得る任意成分である。(D)成分は、少なくとも(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶する性質を有する、第3の相溶剤であることとしてもよい。また(D)成分は、常温(23℃)において液体であることとしてもよい。
なお、本発明でいうところの「液体」とは、粘稠な粘弾性液体や、その他低粘度の液体も含むものである。本実施形態に係る粘着剤組成物が(D)成分を含むことにより、(D)成分が(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶するため、該粘着剤層の濡れ性を高めることによる結果として、耐久性を高めることができる。
また、(D)成分は例えば、ポリブテン系化合物、ポリイソブチレン系化合物、ポリイソプレン系化合物等の脂肪族炭化水素を含む軟化剤であることとしてもよい。(D)成分として使用可能な軟化剤としては、市販の軟化剤、例えばポリブテン系化合物として日石ポリブテンLV−7、LV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、HV−300、HV−1900およびSV−7000(いずれもJX日鉱日石エネルギー社製)、ポリイソブチレン系化合物としてテトラックス3T、4T、5Tおよび6T、ハイモール4H、5H、5.5Hおよび6H(いずれもJX日鉱日石エネルギー社製)、ポリイソプレン系化合物としてクラプレンLIR−290(クラレ社製)などを使用することとしてもよい。
1.6.用途
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、画像表示装置や入出力装置を構成する部材の貼り合わせに用いることができる。本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いた貼り合わせの対象となる部材は、光学部材(例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルムおよびハードコートフィルムからなる群から選択される光学フィルム)、ITO層等の金属層、または、ガラスまたはプラスチックからなる基材であってもよい。より具体的には、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、タッチパネル式入出力装置を構成する部材の貼り合わせに好適に用いることができる。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の被着体としては、特にガラスが好適である。ガラス中に内包するガスの量はごく微量である。このため、例えば経時にてガラスから放出されるアウトガスの量は極めて少なく、粘着剤組成物から得られる粘着層は該アウトガスからの影響を受けることなく粘着性等の物性を保つこととなるからである。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は柔軟性に優れているため、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着層は、段差追従性に優れるものである。このため、例えば、平坦な表面を有する部材のみならず、凹凸表面を有する部材に対して用いることとしてもよい。より具体的には、印刷段差を表面に有する部材や、電極膜が形成され表面に段差を有する部材等に対し、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から得られる粘着層が用いられることとしてもよい。
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに使用した例を、図2Aを参照して説明する。図2Aは、本発明の一実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置100A)の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係るタッチパネル式出入力装置100Aは、画像表示装置10と、タッチパネル部20と、画像表示装置10とタッチパネル部20との間に設けられた接着剤層30とを含む。
ここで、例えば画像表示装置10は、液晶表示装置(LCD)10であることとしてもよい。図2Aにおいては、画像表示装置10をLCD10として具体的に説明する。
接着剤層30はLCD10とタッチパネル部20とを接着する。接着剤層30は、例えば、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をセパレータ(図示せず)の表面に塗布し、乾燥して得られた接着シートをセパレータから剥離して、LCD10とタッチパネル20との間に設置したものである。
また、図2Aに示すように、LCD10は、偏光板11と、粘着剤層12と、液晶パネル13と、粘着剤層14と、偏光板15とがこの順で積層されて構成されている。粘着剤層12は偏光板11と液晶パネル13とを接着し、粘着剤層14は液晶パネル13と偏光板15とを接着する。
また、図2Aに示すように、タッチパネル部20は、飛散防止フィルム16と、粘着剤層17と、ITO層18と、ガラスパネル19とがこの順で積層されて構成されていることとしてもよい。ここで、粘着剤層17は、飛散防止フィルム16とITO層18とを接着する。
粘着剤層12,14,17は、粘着剤層30と同じく、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をセパレータ(図示せず)の表面に塗布し、乾燥して得られた接着シートをセパレータから剥離して設置したものである。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに使用した他の例を、図2Bを参照して説明する。図2Bは、本発明の他の実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置100B)の構成を模式的に示す断面図である。
図2Bに示されるタッチパネル式入出力装置100Bは、例えば液晶ディスプレイで構成される画像表示装置10と、表面にセンサー電極12aを備えるタッチパネル部20と、画像表示装置10及びタッチパネル部20を貼合する粘着剤層30と、を含むものである。
図2Bにて示されるように、粘着シート10と貼り付けるカバーガラス12の表面には、センサー電極21aに由来する凸部(カバーガラス12とセンサー電極21aとの接合部に生じる段差d)が存在している。本発明の光学用粘着剤組成物は柔軟性を有するため、該組成物から得られる粘着剤層30は段差dを有する被着体であるタッチパネル部20の貼合に使用された場合でも、粘着剤層30が段差dに追従する(優れた段差追従性を有する)ことにより被着体との間における気泡の発生を抑制する。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を、タッチパネル式出入力装置を構成する部材の貼り合わせに使用した他の例を、図2Cを参照して説明する。図2Cは、本発明の他の実施形態に係る出入力装置(タッチパネル式入出力装置100C)の構成を模式的に示す断面図である。
図2Cに示されるタッチパネル式入出力装置100Cは、図2Bにて示されるタッチパネル式入出力装置110の最上面に更に、カバーガラス40を備えるものである。そして、カバーガラス40には印刷層41が備えられている。すなわち、カバーガラス40の表面には印刷層41に由来する凸部(印刷段差d)が存在している。
図2Cにて示されるように、本発明の光学用粘着剤組成物は柔軟性を有するため、該組成物から得られる粘着剤層30(30a、30b)は、カバーガラス12とセンサー電極21aとの接合部に生じる段差d若しくはカバーガラス40と印刷層41との接合部に生じる段差dを有する被着体であるタッチパネル部20若しくはカバーガラス40の貼合に使用された場合でも、粘着剤層30が段差d若しくは段差dに追従する(優れた段差追従性を有する)ことにより被着体との間における気泡の発生を抑制する。
すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、軟化点が50℃以下である(B)成分と、軟化点が50℃以上140℃未満である(C)成分とを含むため、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて得られた粘着剤層を貼り合わせる際ならびに該粘着剤層を含む装置を使用する際の温度範囲(例えば、0〜100℃)において、該粘着剤層が柔軟性を保持することができる。その結果、優れた段差追従性を発揮することができるため、被着体との間における気泡の発生を抑制することができる。
1.7.作用効果
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含むことにより、該光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率が1〜3.5である、低比誘電率の粘着剤層を得ることができるため、表示装置に含まれる内部回路で生じるノイズによる誤作動を抑制することとなる。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物において、軟化点が50℃以下である(B)成分が(A)成分を構成するハードセグメントに相溶し、軟化点が50℃以上140℃未満である(C)成分が(A)成分を構成するソフトセグメントに相溶し、(C)成分を所定量含むことによって、(B)成分が該ハードセグメントの柔軟性を高めるとともに、(C)成分が該ソフトセグメントの硬さを該ハードセグメントの硬さに近づけることができる。これにより、該組成物全体の硬さをより均一にすることができ、該組成物全体に柔軟性を付与することができる。その結果、該組成物を用いて得られる粘着剤層の段差追従性を高めることができる。
より具体的には、(C)成分に起因する、(A)成分を構成するソフトセグメントへの相溶による粘着性、段差追従性の向上と、(B)成分に起因する、軟化点が低い成分による柔軟性付与、比誘電率の抑制との2つの相互作用によって、望ましい粘着剤層の実現が可能となる。
また、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を使用した画像表示装置および入出力装置は、液晶セル等の被着体に適度な粘着力で貼着され、優れた段差追従性を有し、かつ、内部回路で生じるノイズによる誤作動を抑制することとなる。
特に、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物は、タッチパネル式入出力装置を構成する部材の貼り合わせに好適に使用することができる。
1.7.1.公知の出入力装置の構成
本実施形態に係る光学用粘着剤組成物の作用効果をより具体的に説明するにあたり、公知の出入力装置の構成について説明する。図3は、公知の出入力装置(タッチパネル式入出力装置200)の構成を模式的に示す断面図である。タッチパネル式入出力装置200は、液晶表示装置(LCD)110と、タッチパネル部120とを含む。LCD110とタッチパネル部120との間の端部にギャップ剤層130が設けられているため、両端のギャップ剤層130の間には空気層140が生じている。
近年、タッチパネル式入出力装置のディスプレイの高コンストラスト化が要求されている。高コンストラスト化の実現のために、例えば、以前は空気層であった画像表示部とタッチセンサーとの間(図3における空気層140)を粘着剤等の透明材料で充填する手段がとられようになってきている。これにより、各界面間での光の反射や屈折が抑制され、結果として高コンストラスト化を達成することができる。
しかしながら、図3の空気層140に粘着剤等を充填して部材を貼り合わせる場合、装置の内部回路から発生する高周波ノイズや部材のチャージが原因となって、タッチセンサーに誤作動を生じさせることが懸念される。画像表示部とタッチセンサー(特に静電容量方式のタッチセンサー)との間に空気層が備えられるタッチパネル式入出力装置では、空気の比誘電率が1であるため、この空気層140によってノイズが遮断されるため誤作動の発生するリスクは極めて少ない。一方、画像表示部とタッチセンサーとの隙間を埋めるために、透明樹脂(例えば、比誘電率が4以上であるアクリル系粘着剤)を充填剤として用いた場合、高周波ノイズがタッチセンサーに伝播し、結果として誤作動を生じさせる懸念が高まることとなる。駆動の周波数やノイズの周波数は異なり、広い周波数域において誤作動を防止することが要求されるが、アクリル系粘着剤を用いて形成された粘着剤層の比誘電率は、周波数依存性を有する傾向がある。
このような経緯から、タッチパネル式出入力装置においては、幅広い周波数帯域において比誘電率が低い粘着剤層を用いて、画像表示部とタッチセンサーとの隙間を埋めることが望まれている。
1.7.2.本発明の作用効果
これに対して、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物によれば、該光学用粘着剤組成物を用いて、幅広い周波数帯域において比誘電率が低い(比誘電率の周波数依存性が低い)粘着剤層を得ることができるため、粘着剤層の高い比誘電率に起因するタッチセンサーの誤作動を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて図3の空気層140を充填して、比誘電率が1〜3.5である粘着剤層を空気層140の代わりに設けることにより、アクリル系粘着剤を用いて形成された粘着剤層が空気層140の代わりに設けられた場合と比較して、タッチセンサーの誤作動を抑制することとなる。
例えば、図2A〜Cに示される本実施形態に係るタッチパネル式出入力装置100では、LCD10とタッチパネル部20との間に(あるいはタッチパネル部20とカバーガラス40との間に)粘着剤層30が設けられ、この粘着剤層30は本実施形態に係る光学用粘着剤組成物から形成されたものであるため、比誘電率が1〜3.5と低いことから、アクリル系粘着剤を用いて形成された粘着剤層が用いられた場合と比較して、粘着剤層の比誘電率に起因するタッチセンサーの誤作動を抑制することとなる。
また、(A)成分である水添ブロック共重合体が、芳香族ビニル単量体の重合体成分から構成されるハードセグメントと、共役ジエン単量体の重合体成分から構成されるソフトセグメントとを有する熱可塑性エラストマーであることにより、該ハードセグメントに起因して耐熱性に優れているうえ、(A)成分が水素添加物であるため、着色や紫外線等の影響による変色および変性を防止することができる。これにより、高品質でかつ耐久性に優れたタッチパネル式出入出力装置を得ることができる。
2.粘着シート
本実施形態に係る粘着シートは、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、乾燥して得られる。より具体的には、基材上に、本実施形態に係る粘着剤組成物をグラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等により塗布し、塗布された該粘着剤組成物を常温または加熱により乾燥させて、本実施形態に係る粘着シートを作製してもよい。また、粘着シートの厚みは、通常は10〜500μm、好ましくは20〜300μm程度である。
3.画像表示装置および入出力装置
本発明の別の実施形態に係る画像表示装置は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む。本実施形態に係る画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置が挙げられる。
また、本発明の他の実施形態に係る入出力装置は、本実施形態に係る光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む。この場合、入出力装置としては、例えば、静電容量方式のタッチパネル式出入力装置が挙げられる。
4.実施例
以下、本発明を下記実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されない。
4.1.粘着剤組成物等の調製
4.1.1.粘着剤組成物の調製
図5Aは、実施例1〜20の粘着剤組成物と、該粘着剤組成物から得られる粘着シートそれぞれの評価結果を示す図である。また、図5Bは、比較例1〜11の粘着剤組成物と、該粘着剤組成物から得られる粘着シートそれぞれの評価結果を示す図である。
図5A、5Bに示される配合にて各成分を混合して、実施例1〜20、及び比較例1〜11の粘着剤組成物をそれぞれ調製した。なお、後述する評価方法で使用される、厚さ50μmの粘着シートは、各粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、乾燥させて得られた。
4.1.2.図5A中に示される化合物Aの調製
図5A中の化合物Aと示されるものは、粘着付与樹脂(タッキファイヤー)であり、(C)成分の一態様である。
化合物Aは、スチレン100質量部と、α−メチルスチレン2量体2質量部と、をフラスコに添加し、更に、該フラスコ内にトルエン90質量部添加した後、110℃で環流しながら反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1質量部添加し反応を開始した。
反応開始2時間後に再度AIBNを0.2質量部、更に2時間後(すなわち反応開始4時間後)にAIBN0.5質量部を、追加して添加した。反応開始から6時間経過時点で反応を終了して、(C)成分の一態様であるスチレンポリマー(化合物A)を得た。
4.2.評価方法
4.2.1.比誘電率
厚さ100μmの銅箔に、厚さ50μmの粘着シートを貼り付け、更に厚さ100μmの銅箔へ貼り付けて測定サンプルとした。東陽テクニカ製LCRメータ6440Bを用いて銅箔へ接続して、23℃65%RHの条件下で比誘電率を算出した。
図1は、本発明の実施例1の粘着剤組成物から得られた粘着剤層の比誘電率と周波数との関係を模式的に説明する図である。ここで、実施例1の(A)成分を、アクリル系ポリマー1に代替したもの(アクリル系粘着剤1)、アクリル系ポリマー2に代替したもの(アクリル系粘着剤2)についても同様の測定を行い、比較対象として図1に示した。
図1によれば、実施例1の粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、幅広い周波数帯域において安定した比誘電率を有する。これに対して、実施例1の(A)成分を、アクリル系ポリマー1に代替したもの(アクリル系粘着剤1)、アクリル系ポリマー2に代替した粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、周波数によって比誘電率が大きく変動している。この結果から、本発明の粘着剤組成物を用いることにより、比誘電率が1〜3.5と低く、かつ、比誘電率の周波数依存性が低い粘着剤層を得られることが理解できる。
4.2.2.段差追従性の評価
上記4.1.1にて説明した調整方法によって得られた厚さ50μmの粘着シートを、厚さ100μmのPETフィルムに転写して評価試験体を得た。
一方で、表面上に任意の段差を備えるガラス板を作成し本試験用の被着体を作成する。なお、本試験におけるガラス板上に備えられる段差は、所定の一定の厚みを有するPET粘着テープをガラス板の表面に貼り付けることによって形成された。ガラス板の表面に貼り付けられるPET粘着テープの厚さは、25μm、12.5μmの二種類である。すなわち、ガラス板の表面には、25μm、12.5μm、二種類の段差が備えられることとなる。
上記方法によって、本試験用の被着体である、表面上に任意の段差を備えるガラス板の表面に、評価試験体である、厚さ100μmのPETフィルムに転写された厚さ50μmの粘着シートを貼り付ける。
その後、50℃、5atm、20分の条件でオートクレーブ処理をした後、目視にて段差の埋まりを観察した。図4Aは、粘着シートが、ガラス板上の段差を埋めることができず、段差周辺に空隙や気泡が視認されていることを模式的に示す図である。また、図4Bは、粘着シートが、ガラス板上の段差を埋めることができ、段差周辺に空隙や気泡が視認されていないことを模式的に示す図である。
図4Aに示されるように、ガラス板250上に備えられた段差d3を有する段差210に対し、PETフィルム220に転写された粘着シート230は追従することができていないため、段差210周辺に空隙240もしくは空隙240が気泡として視認されることとなる。また、図4Bに示されるように、ガラス板250上に備えられた段差d3を有する段差210に対し、PETフィルム220に転写された粘着シート230が追従することができている場合、段差210周辺に空隙もしくは空隙が気泡として視認されることはない。
上記図4A、4Bにて示される内容を踏まえ、粘着剤組成物によって得られる粘着層の段差追従性を以下の評価基準にて評価した。
(評価)
○:粘着層厚み50μmの50%の段差(すなわち25μmの段差)を埋めることができ、該段差周辺に空隙や気泡が視認されない。
△:粘着層厚み50μmの25%の第一の段差(すなわち12.5μmの段差)を埋めることができ、第一の段差周辺に空隙や気泡が視認されないが、粘着層厚み50μmの50%の第二の段差(すなわち25μmの段差)を埋めることができず、第二の段差周辺に空隙や気泡が視認された。
×:粘着層厚み50μmの25%の段差(すなわち25μmの段差)を埋めることができず、該段差周辺に空隙や気泡が視認された。
4.2.3.粘着力の評価
粘着層厚50μmの粘着シートを幅20mmの短冊状に切り出し、セパレータを剥離してガラス基板に張り合わせ2kgのローラーで3往復圧着した。20分後、剥離速度0.3m/分、剥離角度180°で剥離し、その際の粘着力を測定した(単位:N/20mm)。なお、剥離時にジッピング現象が生じた場合、図5A、5Bにおいて、粘着力数値の傍らに“z”と記載している。
4.2.4.耐候性
キセノンウエザーメーターを用いてブラックパネル温度63±3℃にて明暗サイクル連続点灯で試験前後の色相を比較測定した。
(評価)
○:色差ΔE*が6.5以下
×:色差ΔE*が6.5超
なお、図5A、5B中における略語の意味は以下の通りである。
SEPS1:スチレン/エチレン−プロピレン/スチレン型ブロック共重合体(スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックポリマーの水素添加物;スチレン含有率13%)
SEPS2:スチレン/エチレン−プロピレン/スチレン型ブロック共重合体(スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックポリマーの水素添加物;スチレン含有率20%)
SEPS3:スチレン/エチレン−プロピレン/スチレン型ブロック共重合体(スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックポリマーの水素添加物;スチレン含有率65%)
SEBS:スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン型ブロックポリマー(スチレン含有率30%)
(なお、上記SEPS1〜3およびSEBSは、いずれも水添率90%以上である)
SIS:スチレン−イソプレン−スチレン型ブロックポリマー
SBS:スチレン−ブタジエン−スチレン型ブロックポリマー
HV−300:日石ポリブテンHV−300(JX日鉱日石エネルギー社製)
TH130:YSポリスターTH130(テルペンフェノール型粘着付与樹脂、ヤスハラケミカル社製)
P−100:アルコンP−100(水添脂環族飽和炭化水素樹脂、荒川化学社製)
P−140:アルコンP−140(水添脂環族飽和炭化水素樹脂、荒川化学社製)
ピコラスチックA5:(軟化点5℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)
ピコタック7050:(軟化点50℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)
クリスタレックス3100:(軟化点100℃、芳香族系粘着付与樹脂、イーストマンケミカル社製)
4.3.評価結果
図5Aにて示される評価結果から、本願実施例1ないし20の粘着剤組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含むことにより、該粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率を1〜3.5とすることができ、かつ、段差追従性に優れた粘着剤層を得ることができる。
これに対して、図5Bに示すように、比較例1〜4は、(C)成分に相当する成分の軟化点が140℃のものを使用しているため、粘着力が弱いか、あるいは粘着層が固くなりすぎることが、粘着力評価時に発生したジッピング現象から間接的に理解できる。
また、比較例1〜7の組成物は(C)成分を、(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、50質量部を超えて含んでいるため、段差追従性に劣ることが理解できる。
また、比較例8の組成物は(C)成分を含んでいないため、該組成物から得られる粘着層の粘着力は著しく低いものである。また、比較例9及び10の組成物は(A)成分が水添ブロック共重合体ではないため、(B)成分と所定量の(C)成分とを含有するが、該組成物から得られる粘着層の耐候性が劣るものである。
また、比較例11の組成物は(B)成分である軟化点が50℃以下の第1の相溶剤の代わりに、軟化点が100℃の芳香族系粘着付与樹脂を使用したため、段差追従性が劣ることが理解できる。
10,110 液晶表示装置(LCD)、11,15 偏光板、12,14,17 粘着剤層、13 液晶パネル、16 飛散防止フィルム、18 ITO層、19 ガラスパネル、20,120 タッチパネル部、21 センサー電極、30 粘着剤層、40 カバーガラス、41 印刷層、100A,100B,100C,200 タッチパネル式出入力装置、130 ギャップ剤層、140 空気層、210 段差、220 PETフィルム、230 粘着シート、240 空隙、250 ガラス板。

Claims (15)

  1. (A)水添ブロック共重合体と、
    (B)第1の相溶剤と、
    (C)第2の相溶剤と、
    を含む、光学用粘着剤組成物であって、
    前記(A)水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体の重合体成分から構成されるハードセグメントと、共役ジエン単量体の重合体成分から構成されるソフトセグメントとを有し、
    前記(B)第1の相溶剤は、前記ハードセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以下であり、
    前記(C)第2の相溶剤は、前記ソフトセグメントに相溶する性質を有し、かつ、軟化点が50℃以上140℃未満であり、前記(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、2〜50質量部含有され、
    前記光学用粘着剤組成物から得られる粘着剤層の比誘電率が1〜3.5である、光学用粘着剤組成物。
  2. 前記(A)水添ブロック共重合体における前記ハードセグメントの含有量が5〜70質量%である、請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
  3. 前記(A)水添ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体の重合体成分に含まれる二重結合の水添率が90%以上である、請求項1または2に記載の光学用粘着剤組成物。
  4. 前記(B)第1の相溶剤は、芳香族系粘着付与樹脂である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  5. 前記芳香族系粘着付与樹脂が、芳香族石油樹脂、スチレン系重合体、α−メチルスチレン系重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)系共重合体、スチレン−脂肪族炭化水素系共重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)−脂肪族炭化水素系共重合体およびスチレン−芳香族炭化水素系共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の光学用粘着材組成物。
  6. 前記(C)第2の相溶剤が、脂環族飽和炭化水素化合物、及びテルペンフェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  7. 前記光学用粘着剤組成物の酸価が1以下である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  8. 前記(B)第1の相溶剤の配合量が、前記(A)水添ブロック共重合体100質量部に対して30〜100質量部である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  9. 前記(B)第1の相溶剤の配合量30〜80質量部に対して、前記(C)第2の相溶剤が5〜55質量部配合される、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  10. 前記ソフトセグメントに相溶し、かつ、常温(23℃)において液体である(D)第3の相溶剤をさらに含み、
    前記(D)第3の相溶剤は、ポリブテン系化合物、ポリイソブチレン系化合物、及びポリイソプレン系化合物からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  11. 前記粘着剤層は、周波数1.0×10Hzでの比誘電率が、周波数1.0×10Hzでの比誘電率の90%以上である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  12. タッチパネル式入出力装置を構成する部材の貼り合わせに用いられる、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物をセパレータの表面に塗布し、乾燥して得られる、光学用粘着シート。
  14. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む、画像表示装置。
  15. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を含む、入出力装置。
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