JP6132282B2 - 汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法 - Google Patents
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[1]本発明は、放射性物物質で汚染された土壌又は焼却灰の除染方法であって、前記放射性物物質で汚染された土壌又は焼却灰を回収又は捕集する工程と、該回収又は捕集する工程後の土壌又は焼却灰を室温又は加温下で機械的に粉砕後の平均粒径が1mm以下となるまで粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程後の土壌又は焼却灰を水洗する水洗工程と、該水洗工程後の土壌又は焼却灰から前記放射性物質を含有する水を分離して回収する分離回収工程とを有することを特徴とする汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[2]本発明は、前記粉砕工程と水洗工程との間に、前記粉砕工程で粉砕された後の土壌又は焼却灰から粗粒子を選別する選別工程を有することを特徴とする前記[1]に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[3]本発明は、前記選別工程において、前記選別される粗粒子は最小粒径が1mmを超えるものであることを特徴とする前記[2]に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[4]本発明は、前記[1]〜[3]の何れかに記載の除染方法において、前記放射性物質を含有する水を分離して回収された後に残る土壌又は焼却灰は、放射線線量の検査を行い、前記放射線線量が所定の値以下であれば回収前又は捕集前の元の場所に戻し、前記放射線量が所定の値を超えるときには、少なくとも前記の水洗工程及び分離回収工程を前記放射線線量が所定の値以下になるまで繰り返すことを特徴とする汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[5]本発明は、前記粉砕工程が、酸化剤の存在下で行われることを特徴とする前記[1]〜[4]の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[6]本発明は、前記の酸化剤が、オゾン、過酸化水素、酸素、塩素酸、過塩素酸及び過マンガン酸カリウムからなる群の少なくとも1つであることを特徴とする前記[5]に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[7]本発明は、前記放射性物質を含有する水を分離して回収する分離回収工程が、濾過法、デカンテーション法及び遠心分離法からなる群の少なくとも1つの方法によって行われることを特徴とする前記[1]〜[6]の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[8]本発明は、前記分離回収工程が、前記水洗工程で水洗された土壌又は焼却灰の粒子の中で最小粒径100μmを超える粒子を篩を用いて取り除いた後に、前記の濾過法、デカンテーション法及び遠心分離法からなる群の少なくとも1つの方法によって行われることを特徴とする前記[7]に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[9]本発明は、前記水洗工程が、前記粉砕工程後の土壌又は焼却灰を水中で混合又は撹拌して行われることを特徴とする前記[1]〜[8]の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[10]本発明は、前記の粉砕工程が、ボールミルを用いて回転撹拌によって行われることを特徴とする前記[1]〜[9]の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法を提供する。
[発明の効果]
放射性物物質で汚染された土壌は、汚染の程度が高い表層部分を手動で、又は油圧ショベル等の重機による切削装置や剥離装置を用いて除去又は剥離する。剥離装置は、植物や水溶性又は水分散性の高分子化合物を用いて土壌の表層を固定した後、剥離操作を行うための装置である。このようにして除去又は剥離された土壌は回収又は捕集した後、後の粉砕工程S2を行う場所へ輸送する。回収又は捕集する土壌の量が多くない場合は、粉砕工程S2は土壌の回収又は捕集する場所の傍で行っても良い。なお、本発明の処理対象物である土壌とは、汚染された落ち葉や腐葉土等を有する森林土壌をも含む。
上記のS1の工程で回収又は補修された土壌又は焼却灰は、137Cs等の顆粒状放射性物質の表面酸化を促進させるために、表面積を増やすための機械的な粉砕を行う。土壌又は焼却灰の粉砕は、通常の粉砕法によって行う。例えば、複数の羽を有するロータの回転を利用するロータ回転式粉砕機(粉砕効率を上げるためにグラインダを備えるものを含む)、ハンマーのスイングや回転を利用するハンマー式粉砕機、圧縮空気と遠心力を利用する衝撃式粉砕機、衝撃力とせん断による摩砕力を利用する超遠心粉砕機、及びボールを内包する容器を回転撹拌するボールミル粉砕機の何れかを用いて行う。本発明は、土壌又は焼却灰の飛散を抑え、且つ、顆粒を粉砕した後の微粉の平均粒径をより小さくでき、さらに湿式粉砕が可能なことから、ボールミルを用いて回転撹拌を行うボールミル粉砕機による粉砕方法が好ましい。本発明で使用するボールミルのボールの直径は20〜50mmのものを使用する。
上記の粉砕工程S2の後に、粉砕しきれないで残存する粗粒子を取り除くために、土壌又は焼却灰から粗粒子の選別を行う。この選別工程によって、酸化されていない137Csを内部に多く含有する粗粒子を除去できるため、水洗による除染効果を確実なものとすることができる。粗粒子の選別は、大量の土壌又は焼却灰の処理が簡便にでき、且つ、処理コストを低く抑えることができることから、通常は、所定の呼び(目開き)寸法を有する篩を用いる。選別する土壌や焼却灰の量が少ない場合には、篩による方法の他にも、遠心分離機等を使用してもよい。
S2又はS3の工程の後に得られる土壌又は焼却灰の粉砕粒子は、放射性物質の溶解性、取扱い性や作業性並びに周辺への環境負荷の低減を考慮して、水又は水を主成分とする水系媒体で洗浄する。本発明において使用する水を主成分とする水系媒体は、水が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上を占める媒体である。水以外には、例えば、水溶性のメチルアルコール、エチルアルコール、2プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類又はアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類の溶媒を少量配合して使用してもよい。これらの溶媒の中で、人体に対する影響と環境負荷が少ないするためにエチルアルコールが好ましい。
水洗工程S4の後に捕集された土壌又は焼却灰は、放射性物質を含有する水を分離回収するための処理を行う(工程S5)。この処理後に、分離又は濾過された水溶液は、工程6において捕集される。本発明において、前記放射性物質を含有する水とは、主に放射性物質を含有する水溶液を意味するが、分離回収できなかった微粒子や細かな汚泥を含有する水溶液をも含んでいる。前記前記放射性物質を含有する水を除いた残土又は残焼却灰は、後に続く工程によって再生又は再利用される。
S5の工程後に得られる残土又は残焼灰はS7の工程で回収又は捕集される。その後、回収物又は捕集物はそのまま放射性廃棄物として隔離した場所に保管、貯蔵しても良い。これら残土又は残焼却灰は、S1〜S5の工程を有する除染方法によって放射性物質の濃度をかなり低減できるため、そのまま放射性廃棄物として隔離した場所に保管、貯蔵する場合でも、周囲の環境への悪影響を小さくできるだけでなく、従来の除染方法よりも安全性が高くなるため、大きな安心感が得られる。しかしながら、本発明においては、除染後の残土又は残焼灰の再生を速め、再利用を促進するために、さらにS8及びS9の工程を行うことが好ましい。
本発明の除染方法の効果について、少量スケールで確認実験を行った。137Csを含み、放射線量が150,920Bq/kgと測定された土壌の10gを、密閉式のドラム形状を有するW−C粉砕機を用いて室温で60秒間粉砕した。W−C粉砕機には、粒径が100〜300μmのボールミルを混入する。粉砕後の土壌の平均粒径D50は50μm以下であり、粉砕前の土壌の平均粒径と比べると、1/4以下に微粉砕されていることが分かった。放射線量は、Ge半導体検出器(CANBERA製)を用いて測定を行い、計数値(Cts/sec/g)からBq/kgに換算した。また、平均粒径D50は、JIS A 1204規格に基づいてふるい分析によって得られる粒径加積曲線から求めた。
放射線量が8,440Bq/kg及び13,200Bq/kgと測定された土壌A及び土壌Bの各20gについて、W−C粉砕機による粉砕処理工程を省略する以外は、実施例1と同じ方法で除染を行った。
本実施例による放射性物質除染方法を図2に示す。図2に示す除染方法は、実施例1とは、粉砕工程S2において粉砕条件だけでなく、新たに酸化剤を添加した点で異なる。さらに、分離回収工程S5において、篩による最小粒径100μmを超える粒子の除去工程を追加した点でも異なる。また、実施例1よりも処理する土壌量を増やし、処理規模を拡大したものである。
Claims (10)
- 放射性物物質で汚染された土壌又は焼却灰の除染方法であって、
前記放射性物物質で汚染された土壌又は焼却灰を回収又は捕集する工程と、該回収又は捕集する工程後の土壌又は焼却灰を室温又は加温下で機械的に粉砕後の平均粒径が1mm以下となるまで粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程後の土壌又は焼却灰を水洗する水洗工程と、該水洗工程後の土壌又は焼却灰から前記放射性物質を含有する水を分離して回収する分離回収工程とを有することを特徴とする汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。 - 前記粉砕工程と水洗工程との間に、前記粉砕工程で粉砕された後の土壌又は焼却灰から粗粒子を選別する選別工程を有することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記選別工程において、前記選別される粗粒子は最小粒径が1mmを超えるものであることを特徴とする請求項2に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 請求項1〜3の何れかに記載の除染方法において、前記放射性物質を含有する水を分離して回収された後に残る土壌又は焼却灰は、放射線線量の検査を行い、前記放射線線量が所定の値以下であれば回収前又は捕集前の元の場所に戻し、前記放射線量が所定の値を超えるときには、少なくとも前記の水洗工程及び分離回収工程を前記放射線線量が所定の値以下になるまで繰り返すことを特徴とする汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記粉砕工程は、酸化剤の存在下で行われることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記の酸化剤は、オゾン、過酸化水素、酸素、塩素酸、過塩素酸及び過マンガン酸カリウムからなる群の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記放射性物質を含有する水を分離して回収する分離回収工程は、濾過法、デカンテーション法及び遠心分離法からなる群の少なくとも1つの方法によって行われることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記分離回収工程は、前記水洗工程で水洗された土壌又は焼却灰の粒子の中で最小粒径100μmを超える粒子を篩を用いて取り除いた後に、前記の濾過法、デカンテーション法及び遠心分離法からなる群の少なくとも1つの方法によって行われることを特徴とする請求項7に記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記水洗工程は、前記粉砕工程後の土壌又は焼却灰を水中で混合又は撹拌して行われることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
- 前記の粉砕工程は、ボールミルを用いて回転撹拌によって行われることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の汚染土壌又は汚染焼却灰の除染方法。
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