JP6136071B2 - アノード鋳張り防止方法と、アノード鋳張り防止用のアノード鋳型乾燥用空気配管 - Google Patents
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Description
精製炉から一定の速度で排出された精製粗銅は、先ず、精製粗銅を一定量溜めておく溜樋、次に、およそアノード1枚分の重量の精製粗銅を溜め鋳型に注ぐ計量樋、最後に鋳型の順番で流れてくる。
精製粗銅は、鋳型に注がれた後、ターンテーブルの回転により、冷却水を噴霧するノズルが取り付けられた冷却フード内に移動する。この冷却フード内で、精製粗銅にノズルから冷却水を散布して、アノードを凝固させる。また、この冷却フード内では、鋳型も一緒に冷却される。
このアノード押上げ用のピンによりアノード耳部が鋳型から浮き上がり、鋳型に斜めに載った状態のアノードは、アノード剥ぎ取り機によって剥ぎ取られ、水で満たされた冷却槽内に浸けられる。冷却槽内でアノードは十分に冷却された後、冷却槽内から一定枚数毎に引き上げられ、フォークリフトなどで次工程の電解工程まで運ばれる。
一般に、アノード製造工程では、このサイクルを繰り返すことで、バッチ操業の精製炉で1回に処理する300〜600tの精製粗銅を数時間〜十数時間かけてアノードに鋳造している。また、この鋳造と鋳造の間に鋳型の点検などのメンテナンスが行われる。
この電解工程において、アノード形状の良し悪しは、電解工程におけるトラブルの発生頻度に大きな影響を及ぼす。
具体的には、
(1)アノード鋳造時に熔湯が飛散したり、大きく波立ったりすることで、アノードの熔湯面側の縁に沿って“ひれ”が出来てしまう「鋳張り」。
(2)アノード鋳造時に熔湯面が波立つことでアノードの熔湯面側の縁に沿って湯面が筋状に盛り上がる「額縁」。
(3)鋳型が水平でない場合にアノードの厚みが不均一となる「厚み不良」。
が挙げられる。
上記3つのアノードの不良に対して、「額縁」は、アノード鋳造時の計量樋の形状や、精製粗銅の鋳込み速度を調整することで、ほぼ抑えることができる。また、「厚み不良」はアノード鋳造の操業と操業の間に、鋳型の水平点検を行うことで、ほぼ防ぐことができる。
従って、メンテナンスの容易なアノード鋳張り防止用のアノード鋳型乾燥用空気配管、および、それを使用するアノード鋳張り防止方法が求められていた。
アノードは、鋳型への離型剤の散布、散布された離型剤の乾燥、精製粗銅を鋳型に注湯、注湯された精製粗銅を冷却、アノードの剥ぎ取り、というサイクルで製造されている。
この製造の過程の中で使用される離型剤は、アノード剥ぎ取り時に、大部分はアノードに付着する。しかし、アノードの端部、特に、最後に鋳型から離れるアノード左右側面下端部は、離型剤が鋳型に残る傾向がある。このため、鋳造サイクルを繰り返すことで、鋳型鋳込面の側面壁底部には、離型剤が堆積していく。
さらに、上述のサイクルにおいて注湯された精製粗銅が冷却される過程では、鋳型も一緒に冷却されるが、鋳型周辺部は冷え易く、鋳型中心部は冷え難い。このため、鋳型中心部の温度は高いが、一方、鋳型周辺部の温度は、低くなっている。
本発明のアノード鋳張り防止方法において、使用するアノード鋳型乾燥用空気配管は、図4に示すような形態を有している。
図4は本発明のアノード鋳型乾燥用空気配管の一例を示す概略図で、(a)左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図4において、1はアノード鋳型乾燥用空気配管、1Aはコの字腕部、1Bはコの字胴体部、2は吹き出し孔、3は接続端である。
図5において、1はアノード鋳型乾燥用空気配管、2はコの字腕部の端部に設けられている空気の吹き出し孔、3は接続端、10は鋳型、11はアノード押上げ用のピン、20は鋳型鋳込み面、A1は乾燥用エアー、A2は吹き出し孔からの乾燥用エアー、Rは離型剤である。
このように取り付けることで、アノード鋳型乾燥用空気配管1は、鋳型10から効率良く放射熱を受け取り、熱せられる。次に、熱せられた空気配管1は、配管内を流れる空気に、熱伝導及び放射伝熱により熱を伝える。この熱伝達により、空気配管内の空気は高温となる。
この吹き出し孔の直径が13mm未満の場合、吹き出す空気量が少ないため、鋳型鋳込面の左右の下端に堆積した離型剤に含まれる水分を蒸発させるために必要な空気量が得られない。また、吹き出し孔の直径が26mmを超える場合、吹き出し孔から吹き出した空気は、大きく拡散してしまうため、吹き出した空気の一部しか鋳型鋳込面の左右の側面に沿って流すことができない。
空気配管1に供給する空気の圧力は0.1〜0.6MPaの範囲であることが好ましい。
この空気の圧力が0.1MPa未満の場合、吹き出す空気の力が弱いため、吹き出した空気は、鋳型鋳込面の左右の下端に堆積した離型剤までとどかない。また、空気の圧力が0.6MPaを超える場合、高圧の空気を作り出すための設備が必要となる。
従って、その水分が堆積している離型剤に残った場合に発生する、「水分と鋳型に注がれた精製粗銅と接触することで生じる精製粗銅の急速な湧き上がり」、「この湧き上がりにより生じる精製粗銅の飛散」、「この飛散した精製粗銅が鋳型外縁部に付着することで生じる鋳張り」を、大幅に抑えることができる。
鋳型10の直上の高さ50mm未満に位置に取り付けた場合、鋳型10を載せているターンテーブル(図示せず)は回転する際に振動することがあるため、アノード鋳型乾燥用空気配管1が鋳型10に接触する可能性がある。また、鋳型10の直上の高さ300mmを超える位置に取り付けた場合、アノード鋳型乾燥用空気配管1から吹き出した空気は、吹き出し位置が鋳型から離れすぎているため、拡散してしまい、吹き出した空気の一部しか、鋳型鋳込面の左右の側面に沿って流し、鋳型鋳込面の左右の下端に堆積した離型剤にあてることができない。
この距離Lが200mm未満の場合、離型剤は鋳型の鋳込面の側面壁底部から200mm程度の範囲に堆積しているため、堆積した離型剤の全てを乾燥させることはできない。また、その距離Lが1000mmを超える場合、空気を吹き出した後、鋳型の鋳込面側面壁底部に堆積した離型剤に達するまでの距離が長いため、吹き出した空気が拡散してしまい、吹き出した空気の一部しか、鋳型鋳込面の側面壁底部に堆積した離型剤には届かない結果となる。
次に、コの字型形状の配管の少なくとも一部は蛇管であっても良い。
アノード鋳型乾燥用空気配管から吹き出す空気は温度が高いほど好ましいため、アノード鋳型乾燥用空気配管で空気の温度を出来るだけ高くするためには、配管内を流れる空気が熱伝導および放射伝熱による熱伝達を受ける時間を長くすると良く、そのため熱伝達を受ける時間を長く取るために、アノード鋳型乾燥用空気配管の一部を蛇管とすることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を詳細する。
胴体部1Bの配管1000mmの内、左右の各400mmは蛇管とした(図5には記載せず。)。
使用する空気は、コの字胴体部1Bの配管中央に設けた接続端3に供給した。供給した空気の圧力は、0.1MPaで行った。
以上の条件でアノード鋳造の操業を行った。
このアノードの内、「鋳張り」不良は9枚であり、鋳張り不良率は0.7%であった。
配管の内径、及び吹き出し孔の内径は10mm、コの字の両方の腕部1Aの配管長さ1600mmの鋳型乾燥用空気配管1を、前記鋳型乾燥用空気配管の両方の腕部1Aの配管は鋳型鋳込面の左右の側面の縁に沿って、鋳型乾燥用空気配管の胴体部1Bを鋳型の直上から外れた位置となるように設置し、この配管の取り付け高さは鋳型の直上で距離Hが400mmとなるように設置した。
また、配管には、蛇管を使わなかった。配管の吹き出し孔2は、鋳型鋳込面の側面壁底部との距離Lが100mmとなる位置に取り付け、空気圧力は0.05MPaであることを除き、実施例1と同様に行った。
この作製したアノードの内、「鋳張り」不良は41枚であり、鋳張り不良率は3.1%であった。
1A (コの字)腕部
1B (コの字)胴体部
2 吹き出し孔
3 接続端
10 アノード鋳型
11 アノード押上げ用のピン
20 鋳型鋳込み面
A1 乾燥用エアー
A2 吹き出し孔2からの乾燥用エアー
R 離型剤
H アノード乾燥用空気配管1の鋳型10直上における距離
L 吹き出し孔2から鋳型の鋳込み面側面底部までの距離(離型剤との水平距離)
Claims (4)
- 銅製錬のアノード製造工程における空気を用い、アノード鋳型を乾燥してアノード鋳張りを防止するアノード鋳張り防止方法であって、
コの字型形状における1対の腕部1Aと、前記1対の腕部を連結する胴体部1Bからなるコの字型形状配管と、前記1対の腕部1Aの先端に、各々吹き出し孔2を備え、且つ前記胴体部1Bに設けられた少なくとも1ヶ所の空気受入用接続端3から構成されるアノード鋳型乾燥用空気配管を用い、
前記吹き出し孔2から吹き出される空気が、アノード鋳型の鋳込面の側面壁に沿って流れて前記アノード鋳型の鋳込面の側面壁底部に堆積している離型剤にあたるように、前記アノード鋳型乾燥用空気配管を、前記胴体部1Bが前記アノード鋳型の鋳込面頂部直上、及び前記1対の腕部1Aが側面壁の縁上に沿って取り付け、
前記接続端3から送られる空気が前記アノード鋳型からの放射熱により熱せられた前記空気配管からの熱伝導及び放射伝熱により熱を伝えられた空気となり、前記吹き出し孔2から吹き出して、前記アノード鋳型の鋳込面の側面壁底部に堆積している離型剤にあてることを特徴とするアノード鋳張り防止方法。 - 前記アノード鋳型乾燥用空気配管が、アノード鋳型の直上の高さ50〜300mmの位置に、取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のアノード鋳張り防止方法。
- 前記吹き出し孔2とアノード鋳型の鋳込面の側面壁底部に堆積している離型剤との距離が、直線距離で200〜1000mmとなるように、前記アノード鋳型乾燥用空気配管を配置することを特徴とする請求項1又は2に記載のアノード鋳張り防止方法。
- 前記腕部1A又は胴体部1Bの少なくとも一部が蛇管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアノード鋳張り防止方法。
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