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JP6137064B2 - バルブタイミング変更装置 - Google Patents
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Description

本発明は、バルブタイミング変更装置に関するものである。
車載などの内燃機関に、機関バルブ(吸気バルブや排気バルブ)の開閉時期(バルブタイミング)を変更するバルブタイミング変更装置を設けることが実用されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載のバルブタイミング変更装置は、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結されたハウジングとカムシャフトに一体に取り付けられたベーンロータとを備えており、それらハウジング及びベーンロータはカムシャフトを軸として相対回転可能に配設されている。ベーンロータにはその径方向に延びるベーンが形成されており、このベーンによってハウジングの内部が進角側圧力室と遅角側圧力室とに区画されている。これら圧力室にはそれぞれ調圧されたオイルが供給されており、その油圧がそれぞれベーンに作用することにより、ハウジングに対するベーンロータの相対回転位相、換言すればクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が進角側または遅角側に変更される。そして、このようにカムシャフトの相対回転位相を変更することにより、内燃機関のバルブタイミングが変更される。
また上記バルブタイミング変更装置には、カムシャフトの相対回転位相を所定のロック位相で機械的にロックするためのロック機構が設けられている。このロック機構は、ベーンに形成されてカムシャフトの軸方向に延びる収容孔と、同収容孔に出没可能に設けられたロックピンと、ハウジングに設けられて上記ロックピンの先端部が挿入される凹部(ロック穴)とを有している。このロック機構では、ロックピンの先端部が上記収容孔から突き出てロック穴に挿入されることにより、ハウジングに対するベーンロータの相対回転位相が所定の位相で固定され、ひいては内燃機関のバルブタイミングが所定のタイミングで固定される。一方、ロックピンの先端部が上記収容孔に没入してロック穴から脱出した状態になることにより、ハウジングに対するベーンロータの相対回転位相の固定が解除されて、内燃機関のバルブタイミングの変更が可能になる。
さらには、ベーンロータの相対回転位相を最も進角側の位相(最進角位相)で規制する進角規制部材や最も遅角側の位相(最遅角位相)で規制する遅角規制部材が設けられたバルブタイミング変更装置が知られている。それら進角規制部材及び遅角規制部材は、ベーンがハウジングに直接衝突することを防止するためのものであり、ハウジングの内部に設けられて、ベーンが突き当たることによってベーンロータの回転を規制するようになっている。
特開2012−97630号公報
ところで、ベーンロータはボルト締結などによってカムシャフトに取り付けられている。そのため、進角規制部材や遅角規制部材にベーンが衝突したときに、その衝突に伴いベーンに作用する反力によってカムシャフトに対するベーンロータの固定位置がずれることがある。この場合、ベーンロータとカムシャフトとが固定される部分の間隙の範囲で、ベーンロータとハウジングとの相対位置がずれるために、ロックピンとロック穴との相対位置がずれてしまう。このときロックピンとロック穴との隙間(ピンクリアランス)が小さくなることにより、ロックピンのロック穴からの脱出が円滑に行われなくなるなど、ロック機構が作動不良を起こすおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロック機構の作動不良の発生を抑えることのできるバルブタイミング変更装置を提供することにある。
上記課題を達成するためのバルブタイミング変更装置は、カムシャフトに一体に取り付けられるとともに径方向に突出するベーンを有するベーンロータとクランクシャフトに駆動連結されたハウジングとを備えて、前記ベーンロータがハウジングの内部に相対回転可能に収容されて、前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回転位相を変更可能なバルブタイミング変更機構を有する。またバルブタイミング変更装置は、前記ベーンに形成されて前記カムシャフトの軸方向に延びる収容孔と、同収容孔に収容されるロックピンと、前記ハウジングに形成されて前記ロックピンの先端部を挿入可能なロック穴と、を備えた2つのロック機構を有する。さらにバルブタイミング変更装置は、前記ハウジングの内部に設けられて前記ベーンロータの相対回転位相が最も進角側の位相であるときに前記ベーンが突き当たる進角規制部材と、前記ハウジングの内部に設けられて前記ベーンロータの相対回転位相が最も遅角側の位相であるときに前記ベーンが突き当たる遅角規制部材とを有する。
そして、前記2つのロック機構のロックピンの配設位置とベーンロータの回転中心とを繋ぐ2本の直線を「L1」とし、その直線L1と直交するとともに前記ロックピンの配設位置を通過する2本の直線を「L2」とし、それら直線L2の交点と前記ベーンロータの回転中心とを繋ぐ直線を「L3」とする。この場合、前記進角規制部材に前記ベーンが突き当たったときに同ベーンに作用する反力の前記直線L3方向における向きと前記遅角規制部材に前記ベーンが突き当たったときに同ベーンに作用する反力の前記直線L3方向における向きとが同一になる態様で、前記進角規制部材及び遅角規制部材が配置される。また、前記ベーンロータは、前記カムシャフトに対して、前記直線L3方向において前記ロックピンが前記回転中心に近接する方向に片寄せされた状態で取り付けられる。
上記バルブタイミング変更装置では、カムシャフトに対するベーンロータの固定位置が直線L3方向にずれると、2つのロック機構におけるロックピンとロック穴との相対位置が共にずれてしまう。
この点、上記バルブタイミング変更装置では、そうした直線L3方向において、進角規制部材に突き当たる際にベーンに作用する反力によってベーンロータの固定位置がずれる方向と遅角規制部材に突き当たる際にベーンに作用する反力によってベーンロータの固定位置がずれる方向とが同一方向(特定方向)になっている。そして、ベーンロータが、同ベーンロータとカムシャフトとの固定部分の間隙の範囲でカムシャフトに対して上記特定方向に片寄せされた状態で取り付けられている。
これにより、上記固定部分の間隙のうちの上記特定方向へのベーンロータのずれを許容する部分の間隙が小さくなっているため、ベーンに上記反力が作用した場合であっても、ベーンロータの固定位置が上記特定方向にずれることを抑えることができる。したがって上記バルブタイミング変更装置によれば、2つのロック機構におけるロックピンとロック穴との相対位置が共にずれることを抑えて、それらロック機構におけるロックピンとロック穴との隙間(ピンクリアランス)の不要な縮小を抑えることができ、各ロック機構の作動不良の発生を抑えることができる。
バルブタイミング変更装置の一実施形態の概略構成を示す略図。 バルブタイミング変更機構の断面構造を示す断面図。 ロック機構の断面構造を示す断面図。 ロック機構の断面構造を示す断面図。 バルブタイミング変更機構の内部断面構造を示す断面図。 バルブタイミング変更機構の内部断面構造を示す断面図。 ロックピンとロック穴との位置関係の一例を示す略図。 ベーンロータの固定態様を示す説明図。 変形例のバルブタイミング変更機構の内部断面構造を示す断面図。
以下、バルブタイミング変更装置の一実施形態について説明する。
図1または図2に示すように、バルブタイミング変更機構20は、ハウジング21と、その内部に収容されたベーンロータ26とを有している。ハウジング21は、略円筒形状に形成されたハウジングロータ22と、円筒形状における両開口部分を覆うプレート23,24とにより構成されている。ハウジング21の外面にはギア25が一体に形成されており、このギア25を介してハウジング21は内燃機関10のクランクシャフトに同期して回転するように連結されている。上記ベーンロータ26は、センターボルト13の締結固定を通じて、機関バルブ(吸気バルブまたは排気バルブ)を駆動するカムシャフト11に一体に取り付けられている。
ベーンロータ26の外周には、その周方向に間隔を置いて径方向に延びる複数(本実施形態では3つ)のベーン27が形成されている。また、ハウジングロータ22の内周には、その周方向に間隔を置いて延びる複数(本実施形態では3つ)の溝部28が形成されている。そして、ベーンロータ26のベーン27はハウジングロータ22の溝部28内に1つずつ配設されている。各溝部28の内部には、ベーン27によって区画されることで、進角側圧力室29と遅角側圧力室30とがそれぞれ形成されている。
そして、ベーン27は、その両側面に形成された進角側圧力室29内と遅角側圧力室30内との油圧の差により、上記溝部28内における相対回転位相が所望の位相に設定される。その結果、ベーンロータ26はハウジング21に対して相対回転され、ひいてはクランクシャフトに対するカムシャフト11の相対回転位相が変更されて、機関バルブのバルブタイミングが変更される。
また内燃機関10には、バルブタイミング変更機構20にオイルを圧送するためのオイルポンプ12が設けられている。またバルブタイミング変更機構20とオイルポンプ12とを繋ぐ油圧回路にはオイルコントロールバルブが設けられている。そして、このオイルコントロールバルブの作動制御を通じて、バルブタイミング変更機構20の進角側圧力室29及び遅角側圧力室30へのオイルの給排態様が制御される。なお本実施形態では、前記センターボルト13として、オイルコントロールバルブの機能が付与されたものが採用されている。
図1に示すように、オイルコントロールバルブは、オイルを貯留するためのオイルパン14に供給油路41を介して接続されている。この供給油路41の途中には上記オイルポンプ12が設けられている。このオイルポンプ12によって圧送されたオイルが供給油路41を通じてオイルコントロールバルブに供給される。また、オイルコントロールバルブは、排出油路42を介してオイルパン14に接続されている。この排出油路42を通じてオイルコントロールバルブ内のオイルをオイルパン14に戻すことが可能になっている。
一方、オイルコントロールバルブは、進角側油路43を介してバルブタイミング変更機構20の進角側圧力室29に接続されるとともに、遅角側油路44を介して同機構20の遅角側圧力室30に接続されている。また上記供給油路41はオイルポンプ12とオイルコントロールバルブとの間で分岐されている。そして、その分岐された油路の一方(バルブ制御油路41A)が進角側圧力室29及び遅角側圧力室30のいずれかにオイルを供給するための油路として機能し、他方(ロック制御油路41B)が後述するロック解除室にオイルを供給するための油路として機能するようになっている。
以下、バルブタイミング変更機構20の具体構造について説明する。
図2に示すように、ベーンロータ26の回転中心にはカムシャフト11の回転軸C1方向に延びる固定穴31が形成されている。そして、固定穴31の一方(図中右側)からカムシャフト11を挿入するとともに他方(図中左側)からカラー15を介してセンターボルト13を挿入し、ベーンロータ26の固定穴31の周縁部分を間に挟むかたちでセンターボルト13がカムシャフト11に締結固定されている。
図1に示すように、バルブタイミング変更機構20には、バルブタイミングを所定のタイミングで固定するための2つのロック機構50A,50Bが設けられている。これらロック機構50A,50Bは、2つのベーン27に設けられており、ベーンロータ26のベーン27に出没可能に設けられたロックピン51とハウジング21に形成された凹部との係合を通じてハウジング21とベーンロータ26との相対回転を規制する。
以下、ロック機構50A,50Bの具体構造について説明する。なお、2つのロック機構50A,50Bの基本構造は同一であるため、ここではその一方(ロック機構50A)の構造についてのみ説明する。
ロック機構50Aのベーン27には、上記カムシャフト11の回転軸C1と並行に延び且つ断面円形状で延びる収容孔52が形成されている。図3及び図4に示すように、この収容孔52の内部には円柱形状のロックピン51が出没可能な状態で収容されるとともに、同ロックピン51を収容孔52の外部に向けて突出する方向(脱出方向)に常時付勢するスプリング53が設けられている。またハウジング21(詳しくは、そのプレート23)の内面においてロックピン51の先端が対向する位置には、ロックピン51の先端部を挿入可能な凹部(ロック穴54)が形成されている。
ロックピン51の外周面には外径が階段状に変化する形状の段差部55が形成されている。この段差部55は、ロックピン51の先端側(プレート23側)の部分の外径と比較して基端側(プレート24側)の部分の外径が大きい形状になっている。また収容孔52の内部には、同収容孔52の内面とロックピン51の段差部55の外面とによってロック解除室58が区画形成されている。このロック解除室58は、ロック解除油路45を介してオイルコントロールバルブに接続されており、同オイルコントロールバルブ及びロック解除油路45を介してオイルを供給及び排出可能な構造になっている。
そして、このロック解除室58にオイルが供給されると、その内部圧力による付勢力によってロックピン51が上記スプリング53の付勢力に抗して没入方向(図中上方)に移動するようになる。一方、ロック解除室58の内部からオイルが排出されると、同ロック解除室58の圧力が低下するため、ロックピン51がスプリング53の付勢力によって収容孔52から脱出方向(図中下方)に移動可能な状態になる。
内燃機関10の運転停止時には、オイルポンプ12も停止されるため、ロック解除室58の内圧が低くなる。そのため、ロックピン51が脱出方向に付勢されて移動する。これにより、ロックピン51の先端部分が収容孔52から脱出してハウジング21のロック穴54に挿入された状態(図3に示す状態)になり、ハウジング21とベーンロータ26との相対回転が規制された状態(ロック状態)になる。
一方、内燃機関10の運転が開始されて、ロック解除室58にオイルが供給されると、ロックピン51が没入方向に移動するようになる。これにより、ロックピン51の先端部がロック穴54から抜けた状態(図4に示す状態)になって、ハウジング21とベーンロータ26との相対回転が可能な状態(ロック解除状態)になる。
図1及び図5に示すように、バルブタイミング変更機構20には、ハウジング21に対するベーンロータ26の相対回転位相が最も進角側の位相(最進角位相)であるときに同ベーンロータ26のベーン27が突き当たる形状の進角規制部材61が設けられている。なお図5は、ベーンロータ26の相対回転位相が最進角位相になって上記進角規制部材61にベーン27が突き当たっている状態を示している。
また図1及び図6に示すように、バルブタイミング変更機構20には、ハウジング21に対するベーンロータ26の相対回転位相が最も遅角側の位相(最遅角位相)であるときに同ベーンロータ26のベーン27が突き当たる形状の遅角規制部材62が設けられている。なお図6は、ベーンロータ26の相対回転位相が最遅角位相になって上記遅角規制部材62にベーン27が突き当たっている状態を示している。
図1、図5及び図6に示すように、進角規制部材61及び遅角規制部材62は、カムシャフト11の回転軸C1方向に円柱状で延びる形状に形成されている。そして、これら進角規制部材61及び遅角規制部材62はそれぞれ、ハウジング21の溝部28の周方向における端部であり、且つロック機構50A,50Bが設けられた2つのベーン27の間に挟まれる位置に配設されている。これら進角規制部材61及び遅角規制部材62を設けることにより、ベーンロータ26(詳しくは、ベーン27)がハウジング21に直接衝突することが防止される。
ところで、ベーンロータ26はセンターボルト13の締結固定を通じてカムシャフト11に取り付けられている。そのため、ベーンロータ26の相対回転に際してベーン27が進角規制部材61や遅角規制部材62に衝突したときに、その衝突に伴ってベーン27に作用する反力(図5に矢印F1で示す力や、図6に矢印F2で示す力)によってカムシャフト11に対するベーンロータ26の固定位置がずれることがある。この場合、ベーンロータ26がカムシャフト11に固定される部分の間隙(詳しくは、センターボルト13とベーンロータ26との間隙)の範囲で、ベーンロータ26とカムシャフト11との相対位置がずれるために、ベーンロータ26とハウジング21との相対位置がずれ、ひいてはロックピン51とロック穴54との相対位置がずれてしまう。そして、このときロックピン51とロック穴54との隙間(ピンクリアランス)が小さくなることにより、ロックピン51のロック穴54からの脱出が円滑に行われなくなるなど、各ロック機構50A,50Bが作動不良を起こすおそれがある。
ここで図7に示すように、各ロック機構50A,50Bのロックピン51の軸心とベーンロータ26の回転中心C2とを繋ぐ2本の直線を「L1」とし、その直線L1と直交するとともにロックピン51の軸心を通過する2本の直線を「L2」とし、それら直線L2の交点とベーンロータ26の回転中心C2とを繋ぐ直線を「L3」とする。なお上記回転中心C2は、取り付け誤差が「0」の状態でベーンロータ26がカムシャフト11に取り付けられたと仮定した場合における同ベーンロータ26の回転中心である。本実施形態のバルブタイミング変更装置では、カムシャフト11に対するベーンロータ26の固定位置が直線L3方向にずれると、ハウジング21に対するベーンロータ26の相対位置がずれるため、例えば図7中に黒塗りの矢印で示すように、2つのロック機構50A,50Bにおけるロックピン51とロック穴54との相対位置が共にずれてしまう。これは2つのロック機構50A,50Bが同時に作動不良を起こす原因になるために、特に好ましくない。
この点をふまえて、本実施形態のバルブタイミング変更装置では、ハウジング21内における進角規制部材61及び遅角規制部材62の配設位置やカムシャフト11に対するベーンロータ26の固定態様が、上記作動不良の発生を抑えることが可能になる態様に設定されている。
具体的には、図8に示すように、進角規制部材61にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力(図中に矢印F1で示す力)の直線L3方向における向きと、遅角規制部材62にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力(図中に矢印F2で示す力)の直線L3方向における向きとが同一方向(図中の右方向)になるように、進角規制部材61及び遅角規制部材62が配置されている。詳しくは、進角規制部材61及び遅角規制部材62は、ロック機構50Aが設けられたベーン27とロック機構50Bが設けられたベーン27との間に挟まれる位置にそれぞれ設けられている。
また、ベーンロータ26は、カムシャフト11に対して、直線L3方向においてロック機構50A,50Bが上記回転中心C2に近接する方向(図中の右方向)に片寄せされた状態で取り付けられている。詳しくは、ベーンロータ26とセンターボルト13との間隙のうちの直線L3方向におけるロック機構50A,50Bに近い部分の間隙W1がロック機構50A,50Bから遠い部分の間隙W2よりも大きくなるように、ベーンロータ26が取り付けられている。なお図8では、ベーンロータ26の固定位置の理解を容易にするためにベーンロータ26とセンターボルト13との間隙を誇張して示しているが、実際の間隙は極めて小さい(例えば数十マイクロメートル)。
以下、上述したようにベーンロータ26や進角規制部材61、遅角規制部材62を配設することによる作用について説明する。
本実施形態では、直線L3方向において、進角規制部材61に突き当たる際にベーン27に作用する反力F1によってベーンロータ26の固定位置がずれる方向と、遅角規制部材62に突き当たる際にベーン27に作用する反力F2によってベーンロータ26の固定位置がずれる方向とが同一方向(特定方向P1)になる。そして、ベーンロータ26が、同ベーンロータ26とセンターボルト13との間隙の範囲で、カムシャフト11に対して上記特定方向P1に片寄せされた状態で取り付けられる。
これにより、ベーンロータ26とカムシャフト11との固定部分における間隙のうちの上記直線L3方向におけるロック機構50A,50Bに近い部分の間隙W1、すなわち上記特定方向P1へのベーンロータ26のずれを許容する部分の間隙が小さくなっている。そのため、ベーン27に上記反力F1,F2が作用した場合であっても、ベーンロータ26の固定位置が上記特定方向P1にずれることを抑えることができる。したがって、2つのロック機構50A,50Bにおけるロックピン51とロック穴54との相対位置がずれることを抑えて、それらロック機構50A,50Bのピンクリアランスの不要な縮小を抑えることができ、各ロック機構50A,50Bの作動不良の発生を抑えることができる。特に、ベーンロータ26の固定位置が上記特定方向P1にずれることが抑えられるために、各ロック機構50A,50Bが同時に作動不良を起こすことを抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)進角規制部材61にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力F1の直線L3方向における向きと、遅角規制部材62にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力F2の直線L3方向における向きとが同一になるように、進角規制部材61及び遅角規制部材62を配置した。そして、ベーンロータ26を、カムシャフト11に対して、直線L3方向においてロック機構50A,50Bが上記ベーンロータ26の回転中心C2に近接する方向に片寄せした状態で取り付けた。そのため各ロック機構50A,50Bの作動不良の発生を抑えることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・各ロック機構50A,50Bの構造は、任意に変更することができる。
・進角規制部材61や遅角規制部材62の形状は、円柱形状に限らず、楕円柱形状や四角柱形状など、任意の形状に変更することができる。
・図9に示すように、進角規制部材71及び遅角規制部材72を、ロック機構50A,50Bが設けられていないベーン27が収容される溝部28の周方向における両端部にそれぞれ設けるようにしてもよい。
こうしたバルブタイミング変更装置によっても、進角規制部材71にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力(図中の矢印F3)の直線L3方向における向きと、遅角規制部材72にベーン27が突き当たったときに同ベーン27に作用する反力(図中の矢印F4)の直線L3方向における向き(図中の右方向)とが同一になる。そのため、このバルブタイミング変更装置では、ベーンロータ26を、カムシャフト11に対して、直線L3方向においてロック機構50A,50Bがベーンロータ26の回転中心C2に近接する方向(図中の右方向)に片寄せした状態で取り付ければよい。これにより、直線L3方向において、進角規制部材71に突き当たる際にベーン27に作用する反力F3によってベーンロータ26の固定位置がずれる方向と、遅角規制部材72に突き当たる際にベーン27に作用する反力F4によってベーンロータ26の固定位置がずれる方向とが同一方向(特定方向P2)になる。しかも、ベーンロータ26が、同ベーンロータ26とセンターボルト13との間隙の範囲で、カムシャフト11に対して上記特定方向P2に片寄せされた状態で取り付けられる。
10…内燃機関、11…カムシャフト、12…オイルポンプ、13…センターボルト、14…オイルパン、15…カラー、20…バルブタイミング変更機構、21…ハウジング、22…ハウジングロータ、23…プレート、24…プレート、25…ギア、26…ベーンロータ、27…ベーン、28…溝部、29…進角側圧力室、30…遅角側圧力室、31…固定穴、41…供給油路、41A…バルブ制御油路、41B…ロック制御油路、42…排出油路、43…進角側油路、44…遅角側油路、45…ロック解除油路、50A,50B…ロック機構、51…ロックピン、52…収容孔、53…スプリング、54…ロック穴、55…段差部、58…ロック解除室、61,71…進角規制部材、62,72…遅角規制部材。

Claims (1)

  1. カムシャフトに一体に取り付けられるとともに径方向に突出するベーンを有するベーンロータとクランクシャフトに駆動連結されたハウジングとを備え、前記ベーンロータがハウジングの内部に相対回転可能に収容されて、前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回転位相を変更可能なバルブタイミング変更機構と、
    前記ベーンに形成されて前記カムシャフトの軸方向に延びる収容孔と、同収容孔に収容されるロックピンと、前記ハウジングに形成されて前記ロックピンの先端部を挿入可能なロック穴と、を有する2つのロック機構と、
    前記ハウジングの内部に設けられて前記ベーンロータの相対回転位相が最も進角側の位相であるときに前記ベーンが突き当たる進角規制部材と、
    前記ハウジングの内部に設けられて前記ベーンロータの相対回転位相が最も遅角側の位相であるときに前記ベーンが突き当たる遅角規制部材と
    を有するバルブタイミング変更装置において、
    前記進角規制部材及び遅角規制部材は、前記2つのロック機構のロックピンの配設位置とベーンロータの回転中心とを繋ぐ2本の直線を「L1」とし、その直線L1と直交するとともに前記ロックピンの配設位置を通過する2本の直線を「L2」とし、それら直線L2の交点と前記ベーンロータの回転中心とを繋ぐ直線を「L3」とすると、前記進角規制部材に前記ベーンが突き当たったときに同ベーンに作用する反力の前記直線L3方向における向きと前記遅角規制部材に前記ベーンが突き当たったときに同ベーンに作用する反力の前記直線L3方向における向きとが同一になる態様で配置されてなり、
    前記ベーンロータは、前記カムシャフトに対して、前記直線L3方向において前記ロックピンが前記回転中心に近接する方向に片寄せされた状態で取り付けられてなる
    バルブタイミング変更装置。
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