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JP6138119B2 - 直流モータ - Google Patents
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Description

この発明は、電源に接続したブラシが、回転する整流子に接触して摺動することにより給電する直流モータに関する。
従来の、整流子とロータが一体構造となっているブラシ付き直流モータにおいて、外部電源から直流電流の供給を受けるブラシが整流子に接触して通電し、整流子からロータのコイルへ給電する。この整流子は外周面がセグメント化されており、ロータの回転により、ブラシと各セグメントとの接触通電の切り替え、および各セグメントからコイルへの通電の切り替えを行う構造である。
このような直流モータにおいては、直方体状のブラシが整流子側に付勢されてこの整流子の外周面に接触し、生涯、同一外周面上を摺動する。そのため、ブラシの先端形状は、時間が経つにつれて磨耗していき、初期状態と経年変化後の全磨耗状態とで変化する。すると、初期状態では、ノイズレベルが最も低減できる最適設計点に接触しているブラシが、経年変化によって磨耗すると、最適設計点からずれた位置で接触するようになり、整流の乱れが生じる。この問題を解決する為に、例えば特許文献1では、ブラシの形状を、ロータの回転方向の両端で整流子側に突き出ている突起部と、突起部の間で整流子とは反対側に窪む凹部とを有する形状にしていた。これにより、初期状態と全磨耗状態のいずれの場合においても突起部が整流子に接触するようになり、位置ずれが生じず、整流の乱れを抑制することが可能となる。
特開2011−72050号公報
上記特許文献1を含む従来の直流モータでは、ブラシが整流子の同一外周面上を摺動するため、整流子の外周面に面荒れおよび汚損が生じていき、時間が経つにつれてブラシと整流子の接触状態が悪化する。ブラシと整流子は接触通電する為、接触状態が悪化すると、導通性の低下によりモータ性能が低下したり、ブラシの磨耗が促進されたりするという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、接触状態の悪化を防ぎ、モータ性能の低下およびブラシ磨耗の促進を改善した直流モータを提供することを目的とする。
この発明の直流モータは、回転軸を中心にして、ロータと一体に回転する整流子と、整流子の外周面に接触して摺動するブラシと、ブラシを整流子側へ付勢する付勢部材とを備え、ブラシは、整流子の外周面に接触する端部の、磨耗による形状変化に伴い、整流子に対するブラシの接点が当該外周面上を回転軸方向に変位する形状であり、かつ回転軸方向に段部を1箇所のみに有し、ブラシの接点が変位する状態において接触面積を増加させる段付き形状であり、段部は、整流子の外周面に対して傾斜した形状であり、ブラシの接点は、ブラシの先端部が接触する整流子における領域である第1のブラシ摺動面から、ブラシの後端部が接触する整流子における領域であって第1のブラシ摺動面とは重複しない第2のブラシ摺動面に変位する。
この発明によれば、整流子の外周面に接触するブラシ端部の磨耗による形状変化に伴って、接点が外周面上を回転軸方向に変位することにより、面荒れおよび汚損等の劣化が生じた外周面領域から劣化の生じていない外周面領域へ接点を移動することができ、接触状態の悪化を防止することができる。よって、モータ性能の低下およびブラシ磨耗の促進を改善した直流モータを提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る直流モータの構成を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の構成を示す図であり、初期状態を表す。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の構成を示す図であり、接点変位状態を表す。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の構成を示す図であり、全磨耗状態を表す。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の変形例を示す図である。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の変形例を示す図である。 実施の形態1に係る直流モータに用いる整流部の変形例を示す図である。
実施の形態1.
図1に示す直流モータ1は、ロータ2の一端側に固着されロータ2と一体に回転する整流子3、整流子3の外周面上を摺動するブラシ4、およびブラシ4を整流子3の方向へ付勢するスプリング(付勢部材)5から構成される整流部を有する。これらブラシ4およびスプリング5は、ブラシホルダ6に収容されている。
図1では隠れて見えないが、直流モータ1には、正極側および負極側の2個のブラシ4が設置されている。給電端子8を介して外部電源から供給される直流電流が、リード線7を介して正極側のブラシ4へ流入し、ブラシ4から整流子3へ通電されると、整流子3で整流され、ロータ2のコイル9に供給される。コイル9への通電により磁束が発生すると、ハウジング10に固定された永久磁石11の磁極の作用でロータ2に回転力が発生し、回転軸Xを中心にしてロータ2と整流子3が回転する。また、コイル9に流れた電流は、整流子3から負極側のブラシ4へ流れる。
次に、整流部の詳細を説明する。
図2(a)に整流部の平面図を示し、図2(b)、図3および図4に整流部の正面図を示す。この図2はブラシ4が磨耗していない初期状態、図3はブラシ4が段部4aまで磨耗して接点が回転軸Xの方向へ変位する接点変位状態、図4はスプリング5がのびきるまでブラシ4が磨耗した全磨耗状態を表している。
整流子3の外周面には、導電性のセグメント3a〜3fが周方向に沿って配置されている。各セグメント3a〜3fはロータ2のコイル9に電気的に接続されている。
正極側および負極側の各ブラシ4は、従来のような直方体形状ではなく、段部4aを有する段付き形状とする。ブラシ4を、その長手方向が回転軸Xの直交方向に沿うよう設置した場合に、段部4aが回転軸Xの方向に段差を形成する。なお、図示例では、段部4aを、整流子3の外周面に対して傾斜した形状とする。段部4aを傾斜形状にすることで、従来のような直方体形状のブラシに比べて、ブラシ4の全長が長くなる。このブラシ4とスプリング5とがブラシホルダ6内に設置されており、ブラシ4の後端部をスプリング5が付勢することによって、ブラシ4の先端部が整流子3の外周面に圧接する。従って、ブラシ4の先端部が、整流子3の回転に伴って、順番にセグメント3a〜3fと接触して導通し、各セグメント3a〜3fと接続しているロータ2のコイル9へ通電する。
ブラシホルダ6は、ブラシ4とスプリング5とを収容する略直方体形状の穴であり、その内壁面をブラシ4に当接してブラシ4の姿勢を保持している。また、ブラシホルダ6の一面には切欠部6aが形成されており、ブラシ4と給電端子8とを電気的に接続するリード線7が引き出されている。
図2に示す初期状態においては、ブラシ4の先端部が、整流子3の外周面のうち、斜線で示す領域に接触して摺動する。この領域をブラシ摺動面Aとする。ブラシ4は、スプリング5によって整流子3側へ付勢されているため、先端部の磨耗に伴って整流子3側へ移動していく。
経年変化によりブラシ4が磨耗し、図3に示すように段部4aが整流子3の外周面に接触して摺動する接点変位状態になると、段部4aが整流子3の外周面に対して傾斜しているため、ブラシ4と整流子3の接点が磨耗に伴って回転軸Xの方向へ、即ちブラシ摺動面Aから未摺動のブラシ摺動面Bへ変位していく。この接点変位状態においては、段部4aが整流子3の外周面に対して傾斜しているため、図3に斜線で示した整流子3とブラシ4の摺動領域の面積が、図2に斜線で示したブラシ摺動面A(および後述する図4に斜線で示すブラシ摺動面B)の面積より増加する。そのため、整流子3のブラシ摺動面Aに面荒れおよび汚損等の劣化が生じて接触状態が悪化したとしても、接点変位状態においては接触面積が増加することになり、導通性の向上およびモータ性能の低下抑制が可能となる。また、この接点変位状態においては、スプリング5の付勢力は同じまま接触面積が増加するため、面圧が小さくなり、ブラシ4が磨耗し難くなる。
経年変化によりブラシ4がさらに磨耗し、図4に示す全磨耗状態になると、ブラシ4の後端部が、整流子3の外周面のうち、斜線で示す領域に接触して摺動する。この領域をブラシ摺動面Bとする。このように、経年変化によるブラシ4の磨耗を利用して、整流子3とブラシ4との接点をブラシ摺動面Aからブラシ摺動面Bへ変位させる。これにより、直流モータ1の寿命前半において、経年変化によりブラシ摺動面Aに面荒れおよび汚損等の劣化が生じたとしても、寿命後半においては劣化の無いブラシ摺動面B上をブラシ4が摺動する。よって、経年変化による接触状態の悪化を防止できるようになり、導通性の悪化およびモータ性能低下を改善することができる。また、接触状態悪化の防止により、ブラシ4が磨耗し難くなり、直流モータ1の長寿命化が可能となる。
以上より、実施の形態1によれば、直流モータ1は、回転軸Xを中心にして、ロータ2と一体に回転する整流子3と、整流子3の外周面に接触して摺動するブラシ4と、ブラシ4を整流子3側へ付勢するスプリング5とを備え、ブラシ4は、回転軸Xの方向に段部4aを有する段付き形状にして、整流子3の外周面に接触する端部の、磨耗による形状変化に伴い、整流子3に対するブラシ4の接点が外周面上を回転軸Xの方向に変位するよう構成した。このため、ブラシ4と整流子3の接点を、経年変化に伴って、ブラシ摺動面Aから未摺動のブラシ摺動面Bへ移動させることができる。その結果、ブラシ4と整流子3の接触状態の悪化を防止でき、導通性の向上、モータ性能の低下抑制、およびブラシ4の磨耗抑制が可能となる。
また、実施の形態1によれば、ブラシ4の段部4aは、整流子3の外周面に対して傾斜した形状にした。このため、従来のような直方体形状のブラシに比べて、ブラシ4の全長が長くなる。その結果、ブラシ4の磨耗に対する延命効果を得ることができ、直流モータ1の長寿命化が可能となる。
なお、ブラシ4は、図1〜図4に示す以外の形状であってもよい。以下、ブラシ4の変形例を、図5〜図7を用いて説明する。
図5に示すブラシ4は、段部4aを有する段付き形状であるが、これに加えて、ブラシ4の後端部を整流子3の外周面に対して傾斜させた傾斜面4bにしている。この傾斜面4bをスプリング5が付勢することにより、付勢方向が斜め下向きになる。
図3に示したような接点変位状態においては、ブラシホルダ6がブラシ4の上面を保持できないため、ブラシ4が上方向にがたつく可能性があった。これに対して、図5に示すように付勢方向を斜め下向きにすることで、接点変化状態でもブラシ4の下面をブラシホルダ6に押圧してがたつきを抑制する効果がある。
図6に示すブラシ4は、段部4aを有する段付き形状であるが、この段部4aを整流子3の外周面と平行に形成している。この構成の場合にも、図1〜図4に示したブラシ4と同様に、ブラシ4の磨耗に伴って整流子3とブラシ4の接点を変位させることができる。そのため、ブラシ4と整流子3の接触状態の悪化を防止でき、導通性の向上、モータ性能の低下抑制、およびブラシ4の磨耗抑制が可能となる。
なお、図6に示す形状のブラシ4の場合、初期状態および全磨耗状態における接触面積と、接点変位状態における接触面積との差が大きいため、コイル9への通電特性が変化する可能性がある。そこで、特性の変化を低減するために、段部4aの幅Wを狭くし、段部4aが整流子3に接触する期間を短縮することが望ましい。
図7に示すブラシ4は、段付き形状ではなく、略直方体形状とし、整流子3の外周面に対して傾斜した状態に設置している。この構成の場合にも、図1〜図4に示したブラシ4と同様に、ブラシ4の磨耗に伴って整流子3とブラシ4の接点を変位させることができ、接触状態の悪化による導通性の悪化およびモータ性能の低下抑制が可能となる。
また、ブラシ4を傾斜した状態に設置したことにより、従来のように直方体形状のブラシを整流子3の外周面に対して垂直に設置する場合に比べて、ブラシ4の全長を長くすることができ、ブラシ4の磨耗に対する延命および直流モータ1の長寿命化が可能となる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
例えば、図1〜図7ではブラシ4を付勢する部材の一例としてスプリング5を使用したが、これに限定されるものではなく、板ばね等、任意の付勢部材を使用可能である。
また例えば、本実施の形態1のブラシ4を適用する直流モータ1は、図1に示す構成に限定されるものではない。
1 直流モータ、2 ロータ、3 整流子、3a〜3f セグメント、4 ブラシ、4a 段部、4b 傾斜面、5 スプリング、6 ブラシホルダ、6a 切欠部、7 リード線、8 給電端子、9 コイル、10 ハウジング、11 永久磁石。

Claims (2)

  1. 回転軸を中心にして、ロータと一体に回転する整流子と、
    前記整流子の外周面に接触して摺動するブラシと、
    前記ブラシを前記整流子側へ付勢する付勢部材とを備え、
    前記ブラシは、前記整流子の外周面に接触する端部の、磨耗による形状変化に伴い、前記整流子に対する前記ブラシの接点が当該外周面上を前記回転軸方向に変位する形状であり、かつ前記回転軸方向に段部を1箇所のみに有し、前記ブラシの接点が変位する状態において接触面積を増加させる段付き形状であり、
    前記段部は、前記整流子の外周面に対して傾斜した形状であり、
    前記ブラシの接点は、前記ブラシの先端部が接触する前記整流子における領域である第1のブラシ摺動面から、前記ブラシの後端部が接触する前記整流子における領域であって前記第1のブラシ摺動面とは重複しない第2のブラシ摺動面に変位することを特徴とする直流モータ。
  2. 回転軸を中心にして、ロータと一体に回転する整流子と、
    前記整流子の外周面に接触して摺動するブラシと、
    前記ブラシを前記整流子側へ付勢する付勢部材とを備え、
    前記ブラシは、前記整流子の外周面に接触する端部の、磨耗による形状変化に伴い、前記整流子に対する前記ブラシの接点が当該外周面上を前記回転軸方向に変位する形状であり、かつ前記回転軸方向に段部を1箇所のみに有し、前記ブラシの接点が変位する状態において接触面積を増加させる段付き形状であり、
    前記段部は、前記整流子の外周面と平行な形状であり
    前記ブラシの接点は、前記ブラシの先端部が接触する前記整流子における領域である第1のブラシ摺動面から、前記ブラシの後端部が接触する前記整流子における領域であって前記第1のブラシ摺動面とは重複しない第2のブラシ摺動面に変位することを特徴とする直流モータ。
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