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JP6139487B2 - 遮光されたロール状フィルム、遮光されたロール状フィルムの製造方法、熱重合開始剤を含むロール状フィルム、熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法、ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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遮光されたロール状フィルム、遮光されたロール状フィルムの製造方法、熱重合開始剤を含むロール状フィルム、熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法、ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、遮光されたロール状フィルム、ハードコートフィルムおよびそれらの製造方法、偏光板ならびに液晶表示装置に関する。より詳しくは、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くできる、遮光されたロール状フィルムと遮光されたロール状フィルムの製造方法、熱重合開始剤を含むロール状フィルムと熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法、前述の遮光されたロール状フィルムまたは熱重合開始剤を含むロール状フィルムを用いたハードコートフィルムおよびこれらのハードコートフィルムの製造方法、ならびに、前述のハードコートフィルムを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
液晶ディスプレイ等の光学機器に用いるシート部材の中には、ポリマーフィルムから製造されるものが数多くある。ポリマーフィルムの多くは、他の物との接触や摩擦により傷がつくので、シート部材の中には、光学機器の製造過程や使用中に擦り傷等がつかないように、ポリマーフィルムの上にハードコートが設けられているもの(ハードコートフィルム)が数多くある。
また、ポリマーフィルム自体にハードコート層に用いられるような光を照射することにより硬化する成分を、溶液製膜の溶液の成分として用いることも提案されている。例えば、特許文献1には、溶液流延製膜方法によりセルロースエステルフィルムを形成する際に用いるセルロースエステルドープ組成物において、エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有するセルロースエステルドープ組成物を、溶液流延製膜装置の無限移行する無端の金属支持体に流延してから乾燥装置でウェブの乾燥が終了するまでの間において、ウェブに紫外線を照射する方法が記載されている。
特開2002−020410号公報
しかしながら、ポリマーフィルムの表面硬度改良を目的として、セルロースエステルドープにモノマーを添加し、製膜後に露光硬化した特許文献1に記載のセルロースエステルフィルムの表面硬度を本発明者らが検討したが、モノマーの硬化不十分により高い表面硬度を得られなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くできる、ロール状フィルムを提供することにある。
上記目的のもと、本発明者らが鋭意検討を行った結果、セルロースエステルフィルム上にハードコート層を形成する際、セルロースエステルフィルムとハードコート層の界面近傍に重合開始剤が少ないか存在せず、ハードコート層を形成するための組成物中の重合性化合物の重合反応が進みにくいため、ハードコート層を積層したときの表面硬度が低いと推定するに至った。
そこで、本発明者らがさらなる検討を行った結果、特定の範囲の量の重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムをロール状に巻き取ることにより、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くでき、更にハードコート層を設けた後で巻き取った後の裁断性が良い遮光されたロール状フィルムを提供できることがわかった。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下のとおりである。
[1] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られたロール状フィルムと、
前述のロール状フィルムを覆い、かつ、200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮光材とを有する、遮光されたロール状フィルム。
[2] 前述の遮蔽材が、黒色の遮光性包装または金属薄膜層を有する遮光性包装である、[1]に記載の遮光されたロール状フィルム。
[3] 2層以上からなり、さらに基材層を含み、前述の基材層中に含まれる前述のポリマーに対して1質量%以上の紫外線吸収剤を含む、[1]または[2]に記載の遮光されたロール状フィルム。
[4] 前述の基材層中に含まれる前述のポリマーがセルロースエステルである、[3]に記載の遮光されたロール状フィルム。
[5] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られた、熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
[6] 2層以上からなり、さらに基材層を含み、前述の基材層中に含まれる前述のポリマーに対して0.5質量%以上の紫外線吸収剤を含む、[5]に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
[7] 前述の基材層中に含まれる前述のポリマーがセルロースエステルである、[6]に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
[8] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、
前述のフィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)と、
200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮蔽材を用いて前述のロール状フィルムを遮光する工程(3)を含む、遮光されたロール状フィルムの製造方法。
[9] ポリマーを含む基材層用組成物と、前述のセルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することにより前述のセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1−1)と、
前述のセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを前述の支持体からは剥離する工程(1−2)を含む、[8]に記載の遮光されたロール状フィルムの製造方法。
[10] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S)と、
前述のフィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)とを含む、熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法。
[11] ポリマーを含む基材層用組成物と、前述のセルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することにより前述のセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S−1)と、
前述のセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを前述の支持体からは剥離する工程(1S−2)を含む、[10]に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法。
[12] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4A)と、
前述のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
[13] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、
前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4B)と、
前述のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含み、
前述の工程(1)を開始してから前述の工程(4B)が終了するまで200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で前述の工程(1)および前述の工程(4B)を行う、ハードコートフィルムの製造方法。
[14] [5]〜[7]のいずれか一つに記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムを巻き出したフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4S)と、
前述のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)と、
前述のハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
[15] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S)と、
前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4A)と、
前述のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)と、
前述のハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
[16] 前述のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)が、紫外線を照射する工程である、[12]〜[15]のいずれか一つに記載のハードコートフィルムの製造方法。
[17] 前述の硬化工程の後に前述のハードコート層形成用組成物を乾燥させる工程を含む、[12]〜[16]のいずれか一つに記載のハードコートフィルムの製造方法。
[18] [12]〜[17]のいずれか一つに記載のハードコートフィルムの製造方法で製造されたハードコートフィルム。
[19] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
光硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
[20] 200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
光硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
[21] [5]〜[7]のいずれか一つに記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムを巻き出したフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
光硬化および熱硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
[22] 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前述のセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムの前述のセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
光硬化および熱硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
[23] 偏光子と、[18]〜[22]のいずれか一つに記載のハードコートフィルムとを有する偏光板。
[24] 液晶セルと、[18]〜[22]のいずれか一つに記載のハードコートフィルムまたは[14に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
本発明によれば、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くできる、ロール状フィルムを提供することができる。
流延装置の概略図である。 流延ダイの拡大図である。 フィルム製造設備の概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[遮光されたロール状フィルム]
本発明の遮光されたロール状フィルムは、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られたロール状フィルムと、
ロール状フィルムを覆い、かつ、200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.01%以下である遮光材とを有する。
このような構成により、本発明の遮光されたロール状フィルムは、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くでき、ハードコート層を設けた後で巻き取った後の裁断性が良い。
[熱重合開始剤を含むロール状フィルム]
本発明の熱重合開始剤を含む遮光されたロール状フィルムは、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られたロール状フィルムである。
このような構成により、本発明の熱重合開始剤を含むロール状フィルムは、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くでき、ハードコート層を設けた後で巻き取った後の裁断性が良い。
以下、本発明の遮光されたロール状フィルムと、本発明の熱重合開始剤を含むロール状フィルムのことを、まとめて本発明のロール状フィルムと言う。
遮蔽材は、200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下であり、UV光の透過率が0.03%以下であることが好ましく、UV光の透過率が0.01%以下であることがより好ましい。
本発明の遮光されたロール状フィルムは、遮蔽材が、黒色の遮光性包装または金属薄膜層を有する遮光性包装であることが好ましい。
黒色の遮光性包装としては、黒色の着色剤(カーボンブラック、チタンブラックなど)を含むフィルムが好ましく、カーボンブラックを練りこんだ黒色フィルムがより好ましい。黒色の遮光性包装として市販のものを用いてもよく、例えば、ブラックポリオレフィンフィルム(shako-BPF)((株)武田産業)を挙げることができる。
金属薄膜層を有する遮光性包装としては、金属蒸着層(アルミ蒸着層、クロム蒸着層など)を含むフィルムが好ましく、アルミ蒸着したフィルムがより好ましい。金属薄膜層を有する遮光性包装として市販のものを用いてもよく、例えば、VM−PET、VM−TAC(ともに、東レフィルム加工(株))、ML(金属蒸着フィルム)(三井化学東セロ(株))を挙げることができる。
本発明の遮光されたロール状フィルムは、2層以上からなり、さらに基材層を含むことが好ましい。
本発明の遮光されたロール状フィルムは、2層以上からなり、さらに基材層を含み、基材層中に含まれるポリマーに対して0.5以上の紫外線吸収剤を含むことがより好ましく、1.0質量%以上の紫外線吸収剤を含むことが特に好ましく、2.0質量%以上の紫外線吸収剤を含むことがより特に好ましい。
本発明の遮光されたロール状フィルムは、基材層中に含まれるポリマーがセルロースエステルまたはアクリル樹脂であることが好ましく、セルロースエステルであることがより好ましい。アクリル樹脂の好ましい態様については、後述のハードコート層に好ましく用いられるアクリル樹脂と同様である。
本発明のロール状フィルムの好ましい態様については、以下の本発明のロール状フィルムの製造方法において説明する。
[ロール状フィルムの製造方法]
本発明のロール状フィルムの製造方法は、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、
フィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)とを少なくとも含む。
遮光されたロール状フィルムを製造する場合は、さらに、200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮蔽材を用いてロール状フィルムを遮光する工程(3)を含む。
本発明のロール状フィルムの製造方法は、ポリマーを含む基材層用組成物と、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することによりセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1−1)と、セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを支持体からは剥離する工程(1−2)を含むことが好ましい。
図1に、本発明のロール状フィルムの製造方法に用いることができる流延装置10の一例を示す。流延装置10は、支持体12と流延ダイ14とから構成される。支持体12としては、回転ドラムであっても、バンドであってもよいが、例えば、図1に示すような回転ドラムが好ましい。流延ダイ14は、第1溶液16の流れ(第1溶液流)と第2溶液18溶液の流れ(第2溶液流)とを合流させた後、先端に形成された吐出口20(図2参照)から走行する支持体12上に流出させることによって流延膜22を形成する。すなわち、流延装置10は、周知の共流延方式で積層体(流延膜)22を形成するものである。
第1溶液16は、流延膜22の重合性化合物含有組成物由来の流延膜22aを形成するものであり、例えば、重合性化合物と、セルロースアシレートなどのポリマーとを含む組成物であり、粘度が100Pa・s以下のポリマー溶液からなることが好ましい。他方、第2溶液18は、積層体(流延膜)22の開始剤含有組成物由来の流延膜22bを形成するものであり、モノマーやオリゴマーなどの重合性化合物が溶剤に溶解された組成物であり、粘度が10Pa・s以下の溶液であることが好ましい。これら第1、第2溶液16、18の粘度比は、10:1以上とされていることが好ましい(第1溶液の粘度をX、第2溶液の粘度をYとすると、X/Y≧10を満たすことが好ましい)。なお、モノマー、オリゴマーなどの重合性化合物としては、例えば、紫外線により硬化する硬化剤や硬化性重合剤などが挙げられる。
ただし、上記の態様は本発明の一例であり、重合性化合物含有組成物由来の流延膜22aと、開始剤含有組成物由来の流延膜22bのいずれが支持体側になってもよく、すなわちいずれが第1溶液16であっても第2溶液18であってもよい。
図2に示すように、流延ダイ14には、前述した吐出口20の他、第1供給口24、第2供給口26、第1流路28、第2流路30が形成されている。第1供給口24からは、第1溶液16が供給され、第2供給口26からは、第2溶液18が供給される。第1、第2流路28、30は、溶液の流れる方向に直交する断面の形状が流延膜22の幅方向(図1、2の奥行き方向)に長いスリット状の流路である。そして、第1流路28は、第1供給口24と吐出口20とを結ぶように形成され、第2流路30は、第2供給口26と吐出口20とを結ぶように形成されている。
このように、流延ダイ14では、第1、第2流路28、30の最下流側の端部が吐出口20に接続されており、第1、第2溶液16、18は、吐出口20の近傍のエリア(合流部)で合流された後、吐出口20から支持体12に吐出される。
また、上記実施形態では、第1、第2溶液を共流延させる流延装置に本発明を適用する例で説明をしたが、第1、第2溶液に加え、第3溶液を共流延させる流延装置に本発明を適用してもよい。
さらに、流延装置に、支持体を加熱したり冷却したりすることによって、支持体の周面温度を調節するための温度制御機構を設けてもよい。また、流延ダイの近傍で支持体の回転方向上流側に減圧チャンバを設け、流延ダイよりも支持体の回転方向上流側を減圧してもよい。さらに、支持体の周方向に送風する送風機や、送風機からの風を支持体の外周に沿って流すためのダクトなどを設けてもよい。なお、支持体の外周に沿って送風する場合は、支持体の移動方向とは反対方向に送風することが好ましい。
以下、図3をもとに、上記流延装置10(図1参照)を用いてロール状フィルムのロール状にする前のフィルムを製造するフィルム製造設備60について説明する。フィルム製造設備60は、流延装置10の下流側に乾燥部62が設けられている。流延装置10により支持体12上に形成された積層体(流延膜)22は、例えば、支持体12を冷却することによって湿潤フィルム64とされる。そして、この湿潤フィルム64は、支持体12から剥ぎ取られ、ローラ68により搬送されて乾燥部62に送られる。
乾燥部62には、テンタ70が設けられている。テンタ70には、湿潤フィルム64の側端部を保持する保持手段としてのクリップ72が、湿潤フィルム64の搬送路の両側にそれぞれ複数配されている。湿潤フィルム64が、クリップ72による把持に耐えられない場合、例えば、溶剤の含有率が高すぎて把持により裂けてしまう場合等には、クリップ72に代えてピンを用いて湿潤フィルム64の側端部にピンを突き刺し、これにより湿潤フィルム64を保持してもよい。
複数のクリップ72は、連続走行する無端のチェーン(図示せず)に備えられてあり、このチェーンの走行路を変位することによりクリップ72の走行軌道を変えることができる。湿潤フィルム64の両側にそれぞれ配されてあるクリップ72とクリップ72との距離を適宜調整して湿潤フィルム64の幅を規制してもよい。
テンタ70には、温度調整された乾燥空気を湿潤フィルム64に吹き付ける送風ダクト74が備えられており、この送風により、クリップ72で保持されて搬送されている間の湿潤フィルム64の乾燥を進める。
なお、ローラの周面で支持して、ローラの回転により搬送することができる場合には、テンタ70を配さなくてもよい。
クリップ72での把持を解除された湿潤フィルム64は、テンタ70の下流に備えられる切除装置76に案内される。湿潤フィルム64のクリップ72により把持された把持位置には、把持の跡が残っている。この把持跡が、ポリマーフィルム50の製品となる中央部と分離されるように、切除装置76は、湿潤フィルム64の側端部を連続的にカットする。
切除装置76の下流には、両側端部が切除された湿潤フィルム64を周面で支持する複数のローラ78を備え、乾燥空気が供給される乾燥室80がある。ローラ78の中には、周方向に回転駆動することにより湿潤フィルム64を搬送する駆動ローラが含まれる。供給される乾燥空気は、所定温度及び湿度に調整されており、この乾燥空気により湿潤フィルム64はさらに乾燥をすすめられて完全に乾燥する。この「完全」の程度は、製品として問題無い程度の乾燥の程度であり、溶剤残留量が必ずしも0(ゼロ)でなくてもよい。このように完全乾燥したものを以下の説明においては乾燥フィルム82と称する。
乾燥部62を経た乾燥フィルム82は、硬化装置84へ送られる。硬化装置84は、紫外線を射出する光源を有し、案内されてきた乾燥フィルム82に対し、光源から紫外線を照射する。この照射により、硬化性化合物を硬化させる。硬化性化合物が、照射により重合するものである場合には、この重合の進行が硬化の進行にあたる。
なお、硬化装置84は、本実施形態のような乾燥部62の下流に代えて、流延装置10、テンタ70、乾燥室80に設けてもよい。すなわち、流延膜である積層体22と、湿潤フィルム64と、乾燥フィルム82とのいずれに対して紫外線を照射してもよい。このように、流延膜の状態である積層体22と湿潤フィルム64と乾燥フィルム82との少なくともいずれかひとつに紫外線の照射を行えばよい。
硬化装置84の紫外線の照射により、前述した重合性化合物含有組成物由来の流延膜22bに対応する部分、開始剤含有組成物由来の流延膜22aに対応する部分がともに硬化される。このようにして、ポリマーフィルム50が得られる。そして、得られたポリマーフィルム50は、巻取部86にセットされた巻き芯88にロール状に巻き取られる。
<セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程>
本発明のロール状フィルムの製造方法は、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)を含む。
工程(1)は、ポリマーを含む基材層用組成物と、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することによりセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1−1)と、
セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを支持体からは剥離する工程(1−2)を含むことが好ましい。
ポリマーを含む基材層用組成物は、開始剤を含まないことが好ましい。ポリマーを含む基材層用組成物が「開始剤を含まない」とは、ポリマーを含む基材層用組成物中に開始剤が実質的に含まれないことを意味し、具体的には開始剤の重合性化合物に対する含有量が1質量%未満である。ポリマーを含む基材層用組成物中、開始剤の重合性化合物に対する含有量が0.1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%未満であることがより好ましい。
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物は、重合性化合物を含まないことが好ましい。セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物は、具体的には重合性化合物の開始剤に対する含有量が1質量%未満であることが好ましく、重合性化合物の開始剤に対する含有量が0.1質量%未満であることがより好ましく、0.01質量%未満であることが特に好ましい。
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物は、さらにその他のポリマーを含んでいてもよい。
以下、本発明のロール状フィルムの製造方法に用いられるポリマー、重合性化合物、開始剤およびその他の添加剤について説明する。
(ポリマー)
本発明のロール状フィルムの製造方法は、セルロースエステル層のセルロースエステルとして以下のセルロースアシレートを用いることが好ましく、基材層のポリマーとして以下のポリマーを使用することが好ましい。
−セルロースアシレート−
本発明のロール状フィルムの製造方法は、基材層のポリマーがセルロースエステルであることが好ましく、基材層のポリマーおよびセルロースエステル層のセルロースエステルがセルロースアシレートであることがより好ましい。
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、つまりアシル基の置換度(以下、アシル基置換度と称する)が下記式(1)〜(3)の全ての条件を満足するものが特に好ましい。なお、(1)〜(3)において、A及びBはともにアシル基置換度であり、Aにおけるアシル基はアセチル基であり、Bにおけるアシル基は炭素原子数が3〜22のものである。
2.5≦A+B≦3.0・・・(1)
0≦A≦3.0・・・(2)
0≦B≦2.9・・・(3)
セルロースを構成し、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、このようなセルロースの水酸基の一部または全部がエステル化されて、水酸基の水素が炭素数2以上のアシル基に置換されたポリマーである。なお、グルコース単位中のひとつの水酸基のエステル化が100%されていると置換度は1であるので、セルロースアシレートの場合には、2位、3位及び6位の水酸基がそれぞれ100%エステル化されていると置換度は3となる。
ここで、グルコース単位で2位のアシル基置換度をDS2、3位のアシル基置換度をDS3、6位のアシル基置換度をDS6として「DS2+DS3+DS6」で求められる全アシル基置換度は2.00〜3.00であることが好ましく、2.22〜2.90であることがより好ましく、2.40〜2.88であることがさらに好ましく、2.60〜2.88であることがよりさらに好ましい。さらに、「DS6/(DS2+DS3+DS6)」は0.32以上であることが好ましく、0.322以上であることがより好ましく、0.324〜0.340であることがさらに好ましい。
アシル基は1種類だけでもよいし、2種類以上であってもよい。アシル基が2種類以上であるときには、そのひとつがアセチル基であることが好ましい。2位、3位、及び6位の水酸基の水素のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位、及び6位におけるアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとするとき、「DSA+DSB」の値は、2.2〜2.86であることが好ましく、2.40〜2.88であることがより好ましく、2.60〜2.88であることが特に好ましい。DSBは1.50以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。そして、DSBは、その28%以上が6位水酸基の置換であることが好ましいが、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは31%以上、特に好ましくは32%以上が6位水酸基の置換であることが好ましい。また、セルロースアシレートの6位の「DSA+DSB」の値が0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましく、0.85以上であることが特に好ましい。以上のようなセルロースアシレートを用いることにより、溶液製膜に用いられるポリマー溶液をつくるために好ましい溶解性が得られ、また、ろ過性の好ましい粘度が低いポリマー溶液を製造することができる。特に非塩素系有機溶媒を用いる場合には、上記のようなセルロースアシレートが好ましい。
炭素数が2以上であるアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどがあり、これらは、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、プロピオニル基、ブタノイル基が特に好ましい。
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物に用いられる重合性化合物は、セルロースエステル100質量部に対して、50〜200質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは70〜180質量部の範囲であり、特に好ましくは100〜150質量部の範囲である。
(開始剤)
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤または公知の熱重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤または熱重合開始剤の濃度は、セルロースエステルおよび光重合開始剤を含む組成物中、セルロースエステルに対して2〜20質量%であり、3〜15質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
また、光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASF(株)製のイルガキュアシリーズ(IrgOXE01、Irg127、Irg651、Irg184、Irg907)等が好ましい例として挙げられる。
また特開平6−41468に記載されているように、光重合開始剤を2種併用することも好ましく用いられる。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンを挙げることができる。
また、光重合開始剤に代えてまたは加えて、熱ラジカル開始剤などの熱重合開始剤を用い、加熱により重合反応させてもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾ化合物、過酸化物等が挙げられるが、アゾ化合物であることが好ましい。アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。上記例示したアゾ化合物の市販品としては、V−70、V−65、V−60、V−59、V−40、V−30、V−501、V−601、VE−073、VA−080、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111、VA−044、VA−046B、VA−060、VA−061、V−50、VA−057、VA−067、VR−110(以上、和光純薬工業株式会社製)等が挙げられる。
過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等が挙げられる。上記例示した過酸化物の市販品としては、パーブチルZ、パーヘキサ25B(以上、日油株式会社製)等が挙げられる。
これらの熱ラジカル重合開始剤のうち、10時間半減期温度が20〜150℃であるものが好ましく、40〜130℃であるものがより好ましく、60〜110℃であるものがさらに好ましく、70℃〜100℃であるものが特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の製造方法に用いられるセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の熱重合開始剤を含む組成物または光重合開始剤を含まない基材層用組成物には、紫外線吸収剤(以下、UV吸収剤、UV剤とも言う)、芳香族末端エステル系化合物、その他のオリゴマーやポリマーを含有させてもよい。
以下、本発明に用いられるその他の添加剤について説明する。
−紫外線吸収剤−
本発明のロール状フィルムの製造方法は、熱重合開始剤を含む組成物または光重合開始剤を含まない基材層用組成物中に含まれるポリマーに対して1質量%以上の紫外線吸収剤を含むことが好ましく、1.5〜20質量%の紫外線吸収剤を含むことがより好ましく、2〜10質量%の紫外線吸収剤を含むことが特に好ましい。紫外線吸収剤は、偏光子耐久性の改善に寄与する。特に、本発明のロール状フィルムを用いる後述のハードコートフィルムを液晶表示装置の表面保護フィルムとして利用する態様において、紫外線吸収剤の添加は有効である。
本発明のポリマーフィルムの製造方法は、熱重合開始剤を含む組成物または光重合開始剤を含まない基材層用組成物に対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物のいずれか一方に紫外線吸収剤を含んでいてもよく、熱重合開始剤を含む組成物または光重合開始剤を含まない基材層用組成物に紫外線吸収剤を含むことが好ましく、光重合開始剤を含まない基材層用組成物のみに紫外線吸収剤を含むことが重合性化合物の反応率を高める観点から好ましい。
本発明に使用可能な紫外線吸収剤については特に制限はない。従来セルロースアシレートフィルムに使用されている紫外線吸収剤はいずれも用いることができる。紫外線吸収剤としては、特開2006−184874号公報に記載の化合物を挙げることができる。高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
例として以下の構造の紫外線吸収剤を挙げるが、添加する紫外線吸収剤は以下の構造の紫外線吸収剤に限定されない。
Figure 0006139487
−芳香族末端エステル系化合物−
セルロースエステル分子鎖が運動可能な空間(自由体積)を小さくし、表面硬度を向上させることなどを目的として、芳香族末端エステル系化合物を添加することができる。例えば、下記一般式で表される芳香族末端エステル系化合物を添加することができる。
B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはそれぞれ独立にベンゼンモノカルボン酸残基を表す。Gはそれぞれ独立に炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基、又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸残基を表す。nは0以上の整数を表す。)
使用する芳香族末端エステル系化合物は、数平均分子量が、好ましくは300〜2000、より好ましくは500〜1500の範囲が好適である。また、その酸価は、0.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものが好適である。
また、芳香族末端エステル系化合物として、下記一般式で表される化合物も好ましく用いることができる。
Figure 0006139487
(上式中、R1〜R7およびR9〜R11は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、R8は、水素原子または非共役置換基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立に、単結合または脂肪族連結基であり、Lは、単結合、−N(R12)−または−C(R13)(R14)−を表し、R12〜R14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。)
上記の芳香族末端エステル系化合物の詳細については、特開2013−127058号公報の段落番号0068〜0116に記載されている。この記載は、本明細書の一部として引用する。
−その他のオリゴマー、ポリマー−
本発明のポリマーフィルムに脆性を付与するために重量平均分子量が500以上のその他のオリゴマーおよび/またはポリマーを添加してもよい。
その他のオリゴマー、ポリマーとしては、セルロース系、スチレン系の重合体や、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
本発明のロール状フィルムにおけるその他のオリゴマーおよび/またはポリマーは、本発明のロール状フィルムには含まれないことが好ましい。本発明のロール状フィルムには含まれる場合は、例えば本発明のロール状フィルムの全質量に対し5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは35〜65質量%である。
(溶媒)
熱重合開始剤を含む基材層用組成物およびセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物に用いられる溶媒としては特に制限は無く、公知の溶媒を用いることができる。例えば、セルロースエステルフィルムの溶液流延に用いられる公知の溶媒を用いることが好ましい。
本発明で用いられる熱重合開始剤を含む基材層用組成物およびセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物はドープを形成し、これを支持体上に流延しフィルムを形成させることが好ましい。この際に流延後に溶媒を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒を用いることが好ましい。
更に、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、かつ流延用支持体を溶解しないものである。又、2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
ここで、組成物(光重合開始剤を含む組成物、熱重合開始剤を含む組成物、及び他の基材層形成用組成物を指す。)に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
良溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン、アセト酢酸メチルなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチルおよび塩化メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。
これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上に光重合開始剤を含む組成物、熱重合開始剤を含む組成物、及び他の基材層形成用組成物のドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブまたは流延膜とする)をゲル化させ、金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のポリマーの溶解を促進したりする役割もあり、反応性金属化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。
これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からメタノール、エタノール、n−ブタノールが好ましい。炭素原子数1〜4のアルコールは2種以上を組み合わせて用いてもよく、本発明の製造方法では、メタノールとn−ブタノールの組み合わせが溶解性とゲル化の観点から最も好ましい。ポリマーとしてセルロースエステルを用いる場合、これらの有機溶媒は、単独ではセルロースエステルに対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
本発明においてポリマーとしてセルロースエステルを用いる場合、セルロースエステルの原料であるセルロースエステルは、水酸基やエステル、ケトン等の水素結合性の官能基を含むため、全溶媒中に5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%のアルコールを含有することが流延支持体からの剥離荷重低減の観点から好ましい。
また、本発明においては、水を少量含有させることも溶液粘度や乾燥時のウェットフィルム状態の膜強度を高めたり、ドラム法流延時のドープ強度を高めたりするのに有効であり、例えば溶液全体に対して0.1〜5質量%含有させてもよく、より好ましくは0.1〜3質量%含有させてもよく、特には0.2〜2質量%含有させてもよい。
本発明におけるポリマー溶液の溶媒として好ましく用いられる有機溶媒の組み合せの例については、特開2009−262551号公報に挙げられている。
また、必要に応じて、非ハロゲン系有機溶媒を主溶媒とすることもでき、詳細な記載は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載がある。
本発明の製造方法では、ポリマーを含む基材層用組成物の溶媒と、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物の溶媒は同じ組成比であっても異なる組成比であってもよいが、同じ組成比であることが好ましい。
その中でも、本発明ではポリマーを含む基材層用組成物とセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物の溶媒の組み合わせが、以下の範囲であることが、共流延時の粘度を調整する観点から好ましい。
ポリマーを含む基材層用組成物の溶媒:塩化メチレン、メタノールの混合溶媒
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物の溶媒:塩化メチレン、メタノールの混合溶媒
本発明におけるポリマーを含む基材層用組成物とセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物中のポリマー濃度は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜30質量%が最も好ましい。
ポリマー濃度は、ポリマーを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、ポリマーの濃度を低下させることもできる。
また、ポリマーを含む基材層用組成物の固形分濃度と、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物の固形分濃度は同じであっても異なっていてもよい。その中でも、本発明ではポリマーを含む基材層用組成物とセルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物の固形分濃度が、以下の範囲であることが、共流延時の粘度を調整する観点から好ましい。
ポリマーを含む基材層用組成物固形分濃度:15〜45質量%が好ましく、25〜35質量%がより好ましい。
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物固形分濃度:10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。
添加剤を添加する時期は、添加剤の種類に応じて適宜決定することができる。たとえば、UV吸収剤は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒或いはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加することが好ましい。
(溶解工程)
ポリマーに対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中でポリマー、添加剤を攪拌しながら溶解しポリマーを含む基材層用組成物ドープを形成する工程、あるいはポリマー溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程を含むことが好ましい。
セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物も同様にドープを形成することが好ましい。
ポリマーの溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のポリマーの濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送ることが好ましい。
(流延工程)
本発明では、ポリマーを含む基材層用組成物と、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することによりセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1−1)を含むことが好ましい。流延工程は、ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の支持体(好ましくは金属支持体)上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程であることが好ましい。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっていることが好ましい。製膜速度を上げるために加圧ダイを支持体(好ましくは金属支持体)上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。共流延、逐次流延、または、流延および塗布する方法としては、特開2011−132496号公報に記載の内容を用いることができ、この公報に記載の内容は本発明に組み込まれる。これらの中でも、共流延法が、流延時に重合生化合物含有層と開始剤含有層の間に巻き込むエアの抑制の観点から好ましい。
同時共流延法(重層同時流延)では、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(2層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。特開2011−132496号公報の図2に示された、共流延ギーサを用い、流延用金属支持体の上に表層用ドープとコア層用ドープを同時に押出して流延する態様を本発明でも用いることができる。
逐次流延法は、流延用支持体の上にまず最外層用のドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。
本発明のロール状フィルムの製造方法では、積層体が2層となるように形成しても3層以上となるように形成してもよいが、積層体が2層となるように形成することが好ましい。
本発明のポリマーフィルムの製造方法では、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有する。
(溶媒蒸発工程)
ウェブ(ポリマーフィルムの完成品となる前の状態であって、まだ溶媒を多く含むものをこう呼ぶ)を支持体上で加熱し、支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
(剥離工程)
本発明では、セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを支持体からは剥離する工程(1−2)を含むことが好ましい。
支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることができる)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にポリマーに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることができる。
金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
また、剥離位置におけるウェブの残留溶媒量を10〜150質量%とすることが好ましく、更に10〜120質量%とすることが好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)=[(M−N)/N]×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
(乾燥または熱処理工程、延伸工程)
剥離工程後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、および/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥することが好ましい。
本発明において熱処理をする場合、熱処理温度はTg−5℃未満であり、Tg−20℃以上Tg−5℃未満であることが好ましく、Tg−15℃以上Tg−5℃未満であることがより好ましい。
また、熱処理温度は、30分以下であることが好ましく、20分以下であることがより好ましく、10分程度であることが特に好ましい。
乾燥および熱処理の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。使用する溶媒によって、温度、風量及び時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて条件を適宜選べばよい。
(巻き取り)
本発明のロール状フィルムの製造方法は、フィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)を含む。
以上のようにして得られた、ポリマーフィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。フィルムの幅は、0.5〜5.0mが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mであり、さらに好ましくは1.0〜2.5mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
このようにして得られたウェブを巻き取り、ロール状フィルムを得ることができる。
(延伸)
延伸工程は、積層体を硬化する前に行っても、硬化した後に行ってもよいが、硬化する前に行うことが得られるポリマーフィルムの表面硬度を高める観点から好ましい。
延伸工程は、積層体を支持体から剥離する前に支持体上で行っても、積層体を支持体から剥離した後に行ってもよいが、積層体を支持体から剥離した後に行うことが好ましい。
延伸工程は積層体を完全に乾燥する前に行うことが好ましい。
延伸処理は、MD及びTDのいずれか一方向に行ってもよいし、双方の方向に2軸延伸してもよい。TD方向への延伸が好ましい。延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。
フィルム搬送方向MDへの延伸における延伸倍率は、0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましく、0〜10%であることが特に好ましい。延伸の際のウェブの延伸倍率(伸び)は、金属支持体速度と剥ぎ取り速度(剥ぎ取りロールドロー)との周速差により達成することができる。例えば、2つのニップロールを有する装置を用いた場合、入口側のニップロールの回転速度よりも、出口側のニップロールの回転速度を速くすることにより、搬送方向(縦方向)にフィルムを好ましく延伸することができる。このような延伸が施されることによって、MDの引張り弾性率を調整できる。
なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
フィルム搬送方向に直交する方向TDへの延伸における延伸倍率は、0〜30%であることが好ましく、1〜20%であることがより好ましく、2〜15%であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、フィルム搬送方向に直交する方向TDに延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
2軸延伸の際に縦方向に、例えば0.8〜1.0倍に緩和させて所望のリターデーション値を得ることもできる。延伸倍率は様々な目的に応じて設定される。ポリマーフィルムを製造する場合、長尺方向に一軸延伸することもできる。
延伸の際の温度が、Tg以下であると、延伸方向の引張り弾性率が上昇するので好ましい。なお、セルローストリアセテートのTgは130〜140℃程度である。延伸温度は、Tg−90℃〜Tgであることが好ましく、Tg−80℃〜Tg−5℃であることがより好ましい。
(乾燥)
延伸工程後に乾燥する場合、使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。本発明では、延伸工程後の乾燥温度は、延伸工程の延伸温度よりも低い方が、ポリマーフィルムを液晶表示装置に組み込んだときの正面コントラストを上昇させる観点から好ましい。
(遮光)
本発明において遮光されたロール状フィルムを製造する場合は、さらに200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮蔽材を用いてロール状フィルムを遮光する工程(3)を含む。
これにより、本発明の遮光されたロール状フィルムを製造することができる。
[遮光されたロール状フィルムでのハードコートフィルムの製造方法]
本発明のハードコートフィルムの製造方法の第1の態様は、本発明の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムのセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4A)と、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含む。
本発明のハードコートフィルムの製造方法の第2の態様は、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4B)と、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含み、工程(1)を開始してから工程(4B)が終了するまで200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で工程(1)および工程(4B)を行う。
本発明のハードコートフィルムの製造方法の第2の態様において、工程(1)を開始してから工程(4B)が終了するまで200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で工程(1)および工程(4B)を行う方法としては、特に制限はないが、例えば、照明としてUVカットフィルターを設けた蛍光灯のみを設置した部屋の内部で工程(1)および工程(4B)を行う方法を挙げることができる。
[熱重合開始剤を含むロール状フィルムでのハードコートフィルムの製造方法]
本発明のハードコートフィルムの製造方法の第3の態様は、本発明の熱重合開始剤を含むロール状フィルムを巻き出したフィルムのセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4S)と、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)と、ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む。
本発明のハードコートフィルムの製造方法の第4態様は、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S)と、セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4B)と、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)、ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む。
<ハードコート層形成用組成物の塗布>
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、セルロースエステル層の上にさらにハードコート層を積層する。その他、防眩層、反射防止層を積層してもよい。
ハードコート層は、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を硬化することで形成するのが好ましい。重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物は、液状の塗布組成物として調製されるのが好ましい。塗布組成物の一例は、マトリックス形成バインダー用モノマー又はオリゴマー、ポリマー類及び有機溶媒を含有する。この塗布組成物を塗布後に硬化することでハードコート層を形成することができる。硬化には、架橋反応、又は重合反応を利用することができる。
(マトリックス形成バインダー用モノマー又はオリゴマー)
利用可能なマトリックス形成バインダー用モノマー又はオリゴマーの例には、電離放射線硬化性の多官能モノマー及び多官能オリゴマーが含まれる。多官能モノマーや多官能オリゴマーは架橋反応、又は、重合反応可能なモノマーであるのが好ましい。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等や、エポキシ系化合物等の開環重合型の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、
ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;
2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;
等が挙げられる。
更には、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類、イソシアヌル酸アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
上記の中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーがより好ましい。
具体的には、(ジ)ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリロイル又はメタクリロイル」を表す。
さらに、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等も挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、特開2007−256844の[0096]等を参考にすることができる。
ウレタンアクリレート類としては、例えば、アルコール、ポリオール、および/またはヒドロキシル基含有アクリレート等のヒドロキシル基含有化合物類とイソシアネート類を反応させ、または必要によって、これらの反応によって得られたポリウレタン化合物を(メタ)アクリル酸でエステル化して得られるウレタンアクリレート系化合物を挙げることができる。
具体的な化合物の具体例としては特開2007−256844号公報の[0017]等の記載を参考にすることができる。
イソシアヌル酸アクリレート類としては、例えば、イソシアヌル酸ジアクリレート類、イソシアヌル酸トリアクリレート類が挙げられ、具体的な化合物の事例としては特開2007−256844の[0018]〜[0021]等を参考にすることができる。
ハードコート層には、さらに硬化による収縮低減のために、エポキシ系化合物を用いることができる。これを構成するためのエポキシ基を有するモノマー類としては、1分子中にエポキシ基を2基以上有するモノマーが用いられ、これらの例としては特開2004−264563号、同2004−264564号、同2005−37737号、同2005−37738号、同2005−140862号、同2005−140862号、同2005−140863号、同2002−322430号等に記載されているエポキシ系モノマー類が挙げられる。また、グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ系とアクリル系の両官能基を持つ化合物を用いることも好ましい。
−多分岐化合物−
本発明の製造方法に用いられる重合性化合物含有組成物または開始剤含有組成物には、多官能アクリレートに加えて、多分岐化合物を含有させることが好ましく、後述の重合性多分岐化合物を含有させることがより好ましい。これにより、更に一段と高い硬度を有する硬化膜が得られる。
多分岐化合物は、いわゆる櫛型、星型等の部分構造を二段階以上繰り返し有する高次の分枝構造を有する分子量1300以上の化合物である。多分岐化合物は、その末端基が、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基から選ばれた基であるものが含まれる。このうち、特に好ましい末端基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基である。以下、末端基にアクリロイル基及びメタクリロイル基(以下、これらの基を包括的に「(メタ)アクリロイル基」ともいう。)から選ばれた少なくとも一つの基を有する分子量1300以上の化合物を「重合性多分岐化合物」ともいう。)
多分岐化合物は、重合性多分岐化合物であることが好ましい。重合性多分岐化合物は、末端(メタ)アクリロイル基の数が少なくとも10個のものが好ましく、更に12個以上32以下のものが更に好ましい。
多分岐化合物は、分子量1300以上の化合物であるが、分子量は、1300以上100000以下であり、より好ましくは1300以上20000以下のものが更に好ましく、特に1300以上15000以下のものが最も好ましい。1300以上の分子量を有する場合は、重量平均分子量を意味する。
本発明においては、多分岐化合物が、デンドリマー及びハイパーブランチポリマーからなる群より選ばれることが、高い硬度の硬化膜が容易に得られるので好ましい。
デンドリマーは、コアを構成する化学構造(以下、「コア部」ともいう。)から、その外側へ規則的に分岐を繰り返した化学構造を有するものであり、球状の高度に制御された化学構造及び分子量を有している。ハイパーブランチポリマーは、デンドリマーと類似の化学構造を有するが、デンドリマーにおける程の高度に規則的な分岐構造又は分子量の高度な制御はなされておらず、分岐は確率分布に従って形成され、広い分子量分布を有するものである。
デンドリマー及びハイパーブランチポリマーは溶解性に優れ、溶液としたときの粘性が低く、多数の官能基(例えば、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基など)を有している。このような、化学構造上の特徴が、重合性化合物との組み合わせによって、低い加熱温度によって、高い硬度を有する硬化膜が得られる要因となっているものと思われる。
デンドリマー及びハイパーブランチポリマーは、例えば、特開2012−173549号公報、国際公開第2008−047620号公報、特開2012−83594号公報などに記載されている。これらの化合物は、コア部と、コア部に結合した分岐鎖部と、さらに分岐鎖部に結合した末端基を有する。分岐鎖部においては、二次元又は三次元に枝分かれした部分構造を二段階以上繰り返した高度に分岐した構造を含み、末端基には、多数の官能基(例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基など)を有している。このようなデンドリマー及びハイパーブランチポリマーは、分子量1300以上の樹枝状化合物である。
コア部を構成する化合物として、末端にメチロール基を有する鎖状の基を3つ以上有する分岐構造の多価アルコールを使用して合成したものが好ましく、更に、末端にメチロール基を有する鎖状の基を4つ以上有する分岐構造の多価アルコールを使用して合成したものが特に好ましい。
上記多価アルコールの好ましい具体的には、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が含まれる。多価アルコールのヒドロキシ基に分岐構造を有する連結基(以下、分岐鎖部ともいう。)を二段階以上結合させて分岐を繰り返した構造とされる。即ち、多価アルコールのヒドロキシ基に最も近い分岐構造の各分岐鎖末端の各々に、分岐鎖部を結合させて、高度に分岐した構造の化合物とし、その末端に少なくとも一部に前述の官能基が結合される。末端に官能基以外の基が含まれる場合、それらの基には、メチル基等のアルキル基が含まれる。
コア部としては、例えば、下記の構造(1)〜構造(4)で示される構造単位が挙げられる。
Figure 0006139487
〔構造(1)中、*部は分岐鎖部との結合部位を表す。〕
Figure 0006139487
〔構造(2)中、nは0〜2の整数を表し、*部は前述の*と同じ意味を有する。〕
Figure 0006139487
〔構造(3)中、*部は前述の*と同じ意味を有する。〕
Figure 0006139487
〔構造(4)中、*部は前述の*と同じ意味を有する。〕
分岐鎖部としては、分岐構造を3つ以上有する構造単位が好ましく、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリウレア等が挙げられる。中でも、ポリエステル単位及びポリウレタン単位が好ましい。分岐鎖部としては、ポリヒドロキシカルボン酸単位が好ましく、下記の構造(5)又は構造(6)で示される単位であることがより好ましい。また、分岐鎖部としては、下記構造(5)又は構造(6)で表される単位がそれぞれ独立に2個以上連結した構造を含んでもよい。
Figure 0006139487
〔構造(5)中、*部はコア部又は分岐鎖部単位との結合部位を表す。〕
Figure 0006139487
〔構造(6)中、*部はコア部又は分岐鎖部単位との結合部位を表す。〕
コア部と分岐鎖部は、単結合により結合していてもよく、またエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドに由来する結合部位を介して結合していてもよい。アルキレンオキシドに由来する結合部位を介して結合する場合、アルキレンオキシドの酸素末端側が分岐鎖部*部と結合することが好ましい。
多分岐化合物の末端に結合している基はエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましく、そのような基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
又、国際公開第2008−047620に記載のあるアルカリ現像型の多分岐ポリマーは放射線による硬化前の溶解性が増大している為、アルカリ現像によるパターン形成に一層有利である。
これらの化合物は、例えば、国際公開第2008/047620号パンフレットや特開2008−174518号公報に記載された方法等により製造することができる。
これらの化合物の分子量又は重量平均分子量は、1300以上100000以下であり、より好ましくは1300以上20000以下のものが更に好ましく、特に1300以上15000以下である。25℃における粘度は、好ましくは100Pa・s〜500000Pa・sであり、より好ましくは300〜300000Pa・sである。
具体的には、例えば、下記の構造式(B−1)〜構造式(B−5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006139487
Figure 0006139487
また、商品名でエスドリマーHU−22(新日鉄住金化学(株)製)、ビスコート#1000(大阪有機化学(株)製)、STAR−501(大阪有機化学(株)製)、A−HBR−5(新中村化学(株)製)、ニューフロンティアR−1150(第一工業製薬(株))製)、SN−2301(サートマー社製)、日産化学工業(株)製の「ハイパーテック」の名称で販売されている製品、UR−101等を用いることができる。これらのデンドリマー及びハイパーブランチポリマーからなる群から選ばれた化合物は、単独でも、2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
(高分子化合物)
ハードコート層は、非硬化性の高分子化合物を含有していてもよい。高分子化合物の説明および好ましい具体例としては、特開2012−215812号公報に記載の内容と同様であり、この公報に記載の内容は本明細書中に組み込まれる。
(硬化性組成物)
ハードコート層の形成に利用可能な硬化性組成物の説明および好ましい具体例としては、特開2012−215812号公報に記載の内容と同様であり、この公報に記載の内容は本明細書中に組み込まれる。
<硬化>
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含む。
ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程は、硬化工程が、ハードコート層形成用組成物に、1回以上紫外線を照射する工程であることがより好ましい。
紫外線照射源は低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光線等を挙げることが出来る。紫外線を照射による光重合は、空気または不活性気体中で行うことが出来るが、エチレン性不飽和モノマーを使用する場合には、空気中でもよいが、重合の誘導期を短くするために出来るだけ酸素濃度が少ない気体が好ましい。照射する紫外線の照射強度は0.1〜100mW/cm2程度が良く、照射量は100〜20000mJ/cm2程度が好ましい。
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含んでいてもよい。特に、ハードコート層を積層するセルロースエステル層が熱重合開始剤を含有しているときには、上記のハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)とハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)をともに含むことが好ましい。通常は、ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を行ってから、ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を実施する。
ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)は、ハードコート層形成用組成物の熱硬化が進行する環境で実施すれば、その条件は特に制限されない。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムの第1の態様は、本発明の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムのセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、光硬化されて形成されてなる。
本発明のハードコートフィルムの第2の態様は、200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよびセルロースエステルに対して2〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムのセルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、光硬化されて形成されてなる。
本発明のハードコートフィルムは、表面硬度に優れることが好ましい。具体的には、表面硬度の指標となる鉛筆硬度試験を実施した場合に、2H以上を達成することが好ましく、3H以上を達成することがより好ましく、4H以上を達成することがさらに好ましく、5H以上を達成することが特に好ましい。
また、本発明のハードコートフィルムの製造方法により、本発明のハードコートフィルムを製造することができる。
ハードコートフィルムの製造方法により得られた本発明のハードコートフィルムの厚みが20〜100μmであることが好ましく、20〜70μmであることがより好ましい。さらに、ハードコート層を含まないポリマーフィルムの厚みが、20〜60μmであることが好ましい。さらなる薄層化の観点からは、ハードコート層を含まないポリマーフィルムの厚みが、20〜40μmであることがより好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、さらに防眩層および反射防止層を有していてもよい。
ハードコート層は、表面硬度に優れることが好ましい。具体的には、ハードコート層を有する本発明のポリマーフィルムは、表面硬度の指標となる鉛筆硬度試験を実施した場合に、2H以上を達成することが好ましく、3H以上を達成することがより好ましい。
ハードコート層は、厚みが0.1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは3〜7μmである。前述の範囲の薄いハードコート層を有することで、脆性やカール抑制などの物性改善、軽量化および製造コスト低減がなされたハードコート層を含む光学フィルムになる。
本発明に用いられるハードコート層は光学フィルムに硬度や耐傷性を付与するための層である。ハードコート層は、例えば、塗布組成物を基材フィルム(光学フィルム)上に塗布し、硬化させることによって形成することができる。また、他の機能を付加することを目的として、ハードコート層上に、他の機能層を積層してもよい。またハードコート層にフィラーや添加剤を加えることで、機械的、電気的、光学的な物理的な性能や撥水・撥油性などの化学的な性能をハードコート層自体に付与することもできる。
[偏光板]
次に、本発明のハードコートフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる態様について説明する。
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明のハードコートフィルムとを有する。本発明の偏光板の一例は、偏光子とその両面を保護する二枚の偏光板保護フィルム(透明フィルム)からなり、本発明のハードコートフィルムを少なくとも一方の偏光板保護フィルムとして有する。
本発明のハードコートフィルムは表面硬度が高いため、特に、液晶セルに対して視認側に配置される上側偏光板の視認側の偏光板保護フィルムとして好ましく用いられる。
本発明のハードコートフィルムが用いられない側の偏光板保護フィルムとしては、位相差フィルムが好ましく用いられるが、かかる位相差フィルムとしては、セルロースアシレートフィルムに各種添加剤を配合したり、延伸したりして所望の位相差を発現させた位相差フィルムや、支持体の表面に液晶組成物からなる光学異方性層を有する位相差フィルムが例示される。具体的には、特開2008−262161号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸したもの等を用いることができる。ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した偏光子を用いる場合、接着剤を用いて偏光子の少なくとも一方の面に本発明のセルロースアシレートフィルムの表面処理面を直接貼り合わせることができる。接着剤としては、ポリビニルアルコール又はポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)の水溶液や、ビニル系ポリマー(例えば、ポリブチルアクリレート)のラテックスを用いることができる。特に好ましい接着剤は、完全鹸化ポリビニルアルコールの水溶液である。
本発明のハードコートフィルムの偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と偏光板保護フィルムとして用いる本発明のポリマーフィルムの遅相軸が実質的に平行となるように貼り合せることが好ましい。遅相軸の測定は、公知の種々の方法で測定することができ、例えば、複屈折計(KOBRA DH、王子計測機器(株)製)を用いて行うことができる。
ここで、実質的に平行であるとは、ハードコートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°以内であれば、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下しにくく、光抜けが生じにくく好ましい。
<偏光板の機能化>
本発明の偏光板には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。これらの詳細は、特開2012−082235号公報の段落0229〜0242、段落0249〜0250、特開2012−215812公報の段落0086〜0103の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、本発明のハードコートフィルムまたは本発明の偏光板を含む。液晶表示装置の詳細は、特開2012−082235号公報の段落0251〜0260の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例6は参考例である。
[各種溶液の調製]
(セルローストリアセテート溶液の調製)
攪拌羽根を有するステンレス製溶解タンクに、下記の溶媒混合溶液によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加してドープを調製した。添加後、室温(25℃)にて1時間、35℃にて2時間放置しセルローストリアセテートを膨潤させた。なお、溶媒であるメタノール、エタノールおよびメチレンクロライドは、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用した。
−開始剤含有セルロースエステル溶液の調製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、固形分濃度
16質量%の開始剤含有セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
トリアセチルセルロース(総アシル置換度2.83、6位のアシル化の置換度0.93、2,3位のアシル化の置換度1.90、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s)
100 質量部
IRGACURE 127(BASF製:重合開始剤) 10 質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 598.1質量部
メタノール(第2溶媒) 89.4質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
−基材層用セルロースエステル溶液の調製−
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、固形分濃度
16質量%の基材層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
トリアセチルセルロース(総アシル置換度2.83、6位のアシル化の置換度0.93、2,3位のアシル化の置換度1.90、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、メチレンクロライド溶液中6質量%の粘度305mPa・s)
100 質量部
紫外線吸収剤(下記UV吸収剤) 1.5 質量部
硬度向上剤(下記L−1) 6.5 質量部
硬度向上剤(下記M−1) 4.0 質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 609 質量部
メタノール(第2溶媒) 91 質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 0006139487
硬度向上剤L−0〜L−4
Figure 0006139487
Figure 0006139487
硬度向上剤M−0〜M−3
Figure 0006139487
Figure 0006139487
つぎに、これらのドープは弱い超音波照射することで泡抜きを実施した。脱泡したドープは1.5MPaに加圧した状態で、最小公称孔径5μmの焼結金属フィルターを通過させ、ついで同じく2.5μmの焼結金属フィルターを通過させた。1次圧はそれぞれ1.5MPa、1.2MPaであり、2次圧はそれぞれ1.0MPa、0.8MPaであった。濾過後のドープの温度は35℃に調整して、ステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有して周速0.3m/secで常時攪拌した。
[実施例1]
(流延)
200〜450nmの波長帯域を遮光した環境下(具体的には、照明としてUVカットフィルターを設けた蛍光灯のみを設置した部屋の内部)で、先端合流型のダイから、開始剤含有セルロースエステル溶液を製膜幅2000mmで、下記表3に記載の厚みとなるように流延し、5℃のドラム支持体上に製膜した。その後、ドラム上で、40℃の除湿風を当て、ドラム支持体からフィルムを剥ぎとった。
その後、120℃の乾燥風を当ててフィルムを完全乾燥させ、4000mをロール状に巻き取り、ロール状フィルムを得た。フィルムは厚みが40μmであった。
<遮光>
200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、ロール状フィルムを200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.01%以下である黒色の遮光性包装(カーボンブラックを練りこんだ黒色フィルムである遮光材)で覆い、実施例1の遮光されたロール状フィルムを製造した。
<ハードコートフィルムの製造>
(ハードコート層用塗布液(HC−1)の調製)
各成分を下記に示す組成で作製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用塗布液HC−1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ハードコート層用塗布液HC−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
KAYARAD DPHA
(日本化薬製:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート) 100質量部
トルエン(溶剤) 467質量部
シクロヘキサノン(溶剤) 117質量部
イルガキュア184(アルキルフェノン系光重合開始剤;BASF製)
3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(ハードコート層の形成)
200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、上記にて製膜した遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムのセルロースエステル層の面上に、ハードコート層用塗布液(HC−1)を、マイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。
60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚み5μmのハードコート層を形成した。
得られたハードコートフィルムを、実施例1のハードコートフィルムとした。
[実施例2〜10および比較例1〜4]
下記表3に記載のとおりに、開始剤含有セルロースエステル溶液の組成を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10および比較例1〜4の遮光されたロール状フィルムおよびハードコートフィルムを製造した。ただし、実施例8では、ハードコート層形成の際に、上記の紫外線照射後に140℃で10分間熱処理も行った。
下記表3中、IRGACURE 819はアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(BASF社製)であり、IRGACURE OXE01およびIRGACURE OXE02はオキシムエステル系光重合開始剤(いずれもBASF社製)であり、Lunar 6はAKOMA社製の光重合開始剤であり、VF−096は和光純薬工業株式会社製のアゾアミド系光重合開始剤(2,2’−Azobis[N−(2−propenyl)−2−methylpropionamide])である。
[実施例11]
(共流延)
200〜450nmの波長帯域を遮光した環境下(具体的には、照明としてUVカットフィルターを設けた蛍光灯のみを設置した部屋の内部)で、先端合流型のダイから、基材層用セルロースエステル溶液と、上記の開始剤含有セルロースエステル溶液を支持体側から基材層用セルロースエステル溶液、開始剤含有セルロースエステル溶液の順に製膜幅2000mmで、下記表3に記載の厚みで積層されるように共流延し、5℃のドラム支持体上に2層の積層体を製膜した。その後、ドラム上で、40℃の除湿風を当て、ドラム支持体から積層体を剥ぎとった。
その後、クリップ付きのテンター式延伸装置を用いて、70℃の乾燥風を当てながら積層体をフィルム搬送方向に直交する方向(TD方向)に7%横延伸した。
その後、120℃の乾燥風を当てて延伸後のフィルムを完全乾燥させ、4000mをロール状に巻き取り、セルロースエステルロール状フィルムを得た。
実施例11のセルロースエステルフィルムは、基材層用セルロースエステルの厚みが35μmであり、開始剤含有セルロースエステルの厚みが5μmであった。
(遮光)
200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、ロール状フィルムを200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である黒色の遮光性包装(カーボンブラックを練りこんだ黒色フィルムである遮光材)で覆い、実施例11の遮光されたロール状フィルムを製造した。
(ハードコート層の形成)
実施例1と同じ方法にしたがって、ハードコート層用塗布液(HC−1)を塗布し、光硬化することによりハードコート層を形成して、ハードコートフィルムを得た。
[実施例12]
実施例11において、基材層用セルロースエステルの厚みが30μmであり、開始剤含有セルロースエステルの厚みが10μmであるほかは同一とした、実施例12の遮光されたロール状フィルムを製造した。また、実施例11と同様にしてハードコート層を形成して、ハードコートフィルムを得た。
[評価]
<HC塗布後の鉛筆硬度>
各実施例および比較例のハードコートフィルムのハードコート層について、JIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価をおこなった。各実施例および比較例のハードコートフィルムを温度25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、JIS S 6006に規定するHB、H、2H及び3Hの試験用鉛筆を用いて、500gの荷重にて以下のとおりの判定で評価した。
n=5の評価において傷なし〜傷1つ:OK
n=5の評価において傷が2つ以上:NG
OK評価となる硬さの鉛筆のうち、最も硬い鉛筆の濃度記号を鉛筆硬度とした。
なお、鉛筆の試験方向(引っ掻く方向)は、遮光されたロール状フィルム製膜時の搬送方向(長手方向)と平行にした。
得られた結果を下記表3に記載した。
<裁断性>
各実施例および比較例のハードコートフィルムの裁断性について、剃刀刃(フェザー安全剃刀(株)製 青箱片刃)を用い、以下の基準で評価した。
A:まっすぐに裂けずに切ることができる。粉が出ない。
B:まっすぐに裂けずに切ることができない、または、粉が出る。
得られた結果を下記表3に記載した。
Figure 0006139487
上記表3より、本発明の遮光されたロール状フィルムは、ハードコート層を積層したときに表面硬度を高くでき、ハードコート層を設けた後で巻き取った後の裁断性が良いことがわかった。
一方、比較例1より、重合開始剤も含まないフィルムはハードコート層を積層したときに表面硬度が低いことがわかった。比較例2より、重合開始剤の含有量が本発明の下限値を下回るフィルムはハードコート層を積層したときに表面硬度が低いことがわかった。比較例3より、重合開始剤の含有量が本発明の上限値を上回るフィルムはハードコート層を積層したときに裁断性が悪いことがわかった。比較例4と実施例10の比較より、重合開始剤も含まないフィルムは硬度向上剤を添加したとしてもハードコート層を積層したときに硬度向上剤を添加した実施例10と比べると表面硬度が低いことがわかった。
[実施例101〜112]
<偏光板の作製>
(偏光板保護フィルムの鹸化処理)
実施例1〜12で得られた各ハードコートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、ハードコートフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
(偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムに沃素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理したハードコートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、上記で作製した各ハードコートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と得られたハードコートフィルムの遅相軸とは平行するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸については、直交するように配置した。
このようにして実施例101〜112の偏光板を作製した。
<液晶表示装置の作製>
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認側の偏光板をはがし、本発明の偏光板として、上記実施例で作製した各偏光板を、上記各実施例のハードコートフィルムが液晶セル側と反対側となるように、粘着剤を介して、観察者側に一枚ずつ貼り付けて液晶表示装置を得た。
このようにして実施例101〜112の液晶表示装置を作製した。
実施例101〜112の液晶表示装置の表示性能は良好であった。
10 流延装置
12 支持体
14 流延ダイ
16 第1溶液
18 第2溶液
20 吐出口
22 積層体(流延膜)
22a 重合性化合物含有組成物由来の流延膜
22b 開始剤含有組成物由来の流延膜
24 供給口
26 供給口
28 第1流路
30 第2流路
50 ポリマーフィルム
60 フィルム製造設備
62 乾燥部
64 湿潤フィルム
68 ローラ
70 テンタ
72 クリップ
74 送風ダクト
76 切除装置
78 ローラ
80 乾燥室
82 乾燥フィルム
84 硬化装置
86 巻取部
88 巻き芯

Claims (24)

  1. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られたロール状フィルムと、
    前記ロール状フィルムを覆い、かつ、200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮光材とを有する、遮光されたロール状フィルム。
  2. 前記遮材が、黒色の遮光性包装または金属薄膜層を有する遮光性包装である、請求項1に記載の遮光されたロール状フィルム。
  3. 2層以上からなり、さらに基材層を含み、
    前記基材層中に含まれるポリマーに対して1質量%以上の紫外線吸収剤を含む、請求項1または2に記載の遮光されたロール状フィルム。
  4. 前記基材層中に含まれるポリマーがセルロースエステルである、請求項3に記載の遮光されたロール状フィルム。
  5. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムがロール状に巻き取られた、熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
  6. 2層以上からなり、さらに基材層を含み、
    前記基材層中に含まれるポリマーに対して0.5質量%以上の紫外線吸収剤を含む、請求項5に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
  7. 前記基材層中に含まれるポリマーがセルロースエステルである、請求項6に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルム。
  8. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、
    前記フィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)と、
    200〜450nmの波長帯域のUV光の透過率が0.1%以下である遮材を用いて前記ロール状フィルムを遮光する工程(3)を含む、遮光されたロール状フィルムの製造方法。
  9. ポリマーを含む基材層用組成物と、前記セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の光重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することにより前記セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1−1)と、
    前記セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを前記支持体から剥離する工程(1−2)を含む、請求項8に記載の遮光されたロール状フィルムの製造方法。
  10. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S)と、
    前記フィルムをロール状に巻き取ってロール状フィルムを形成する工程(2)とを含む、熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法。
  11. ポリマーを含む基材層用組成物と、前記セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の熱重合開始剤を含む組成物とを支持体上に逐次流延または共流延することにより前記セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S−1)と、
    前記セルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを前記支持体から剥離する工程(1S−2)を含む、請求項10に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムの製造方法。
  12. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4A)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
  13. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1)と、
    前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4B)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)を含み、
    前記工程(1)を開始してから前記工程(4B)が終了するまで200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で前記工程(1)および前記工程(4B)を行う、ハードコートフィルムの製造方法。
  14. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムを巻き出したフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4S)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
  15. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムを形成する工程(1S)と、
    前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物を塗布する工程(4A)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)と、
    前記ハードコート層形成用組成物を熱硬化する工程(6)を含む、ハードコートフィルムの製造方法。
  16. 前記ハードコート層形成用組成物を光硬化する工程(5)が、紫外線を照射する工程である、請求項12〜15のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  17. 前記硬化工程の後に前記ハードコート層形成用組成物を乾燥させる工程を含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  18. 請求項12〜17のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法で製造されたハードコートフィルム。
  19. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮光されたロール状フィルムを巻き出したフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
    光硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
  20. 200〜450nmの波長帯域のUV光を遮光した環境下で、1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の光重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
    光硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
  21. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱重合開始剤を含むロール状フィルムを巻き出したフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
    光硬化および熱硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
  22. 1層または2層以上からなり、かつ、セルロースエステルおよび前記セルロースエステルに対して10〜20質量%の熱重合開始剤を含むセルロースエステル層を少なくとも空気界面に有するフィルムの前記セルロースエステル層の上に、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むハードコート層形成用組成物が塗布された後、
    光硬化および熱硬化されて形成されてなる、ハードコートフィルム。
  23. 偏光子と、
    請求項18〜22のいずれか一項に記載のハードコートフィルムとを有する偏光板。
  24. 液晶セルと、
    請求項18〜22のいずれか一項に記載のハードコートフィルムまたは請求項23に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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